平成12年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(中山 豊議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
  四十二番中山 豊君。
  〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 議長のお許しを得ましたので、手短に順次質問してまいりたいと思います。
 地場産業の廃棄物処理についてでありますが、特に海南の日用家庭用品業界の廃棄物処理の現状を申し上げ、県からの支援を得て地場産業界の活性化を促したい立場から申し上げます。
 これについてはリサイクル、自家処理とされているところですけれども、もはや現状は一向に進展いたしません。それが重荷となって活性化にほど遠く、かたくなにその姿勢を持ち続けることはいかがなものかと思います。それのみか、その重荷が商品にはね返り、やがて消費者の負担となることを余儀なくされてきているところであります。そのかかわりを早く改善しない限り活性化にはならない、こう考えます。業界のみでは到底及ぶところではなく、海南市当局と一体となってその取り組みをされているけれども、遅々として進まない状況であります。それなりの理由があるところとは考えますけれども、今日的には隣県へのしわ寄せが余儀なくされかねないところに至っているのではないかとさえ言われています。
 和歌山県は他県からの持ち込みは許さないが、業界の皆さんは他県へ運ばれることには大変心苦しい、気が重いと言われております。橋本市の産業廃棄物処理問題に対する処置は評価されることとしながらも、橋本、高野口のパイルに始まり、海南市の日用家庭品業界等をにらみながら、県は広域的に対処されることを求めて答弁を求めます。
 次に、道路問題にかかわってお尋ねを申し上げます。
 過日、三百七十号整備促進協議会及び四百二十四号整備促進協議会等が合同で県当局に陳情されました。地元選出議員としてその場に同席したものであります。陳情をつぶさに見ていて、一言申しおかねばならないと思うにつけて、幾つか申し上げます。
 私が今まで何回か取り上げ、当局に実現方を求めてきたことでもあるし、あるいはまた海南野上美里議会議員連絡協議会が長年にわたって当局陳情を繰り返されている内容からして、阪井バイパスの建設が地域住民の切実な要求であることは当局も十分認識されているところであります。しかし、陳情にはこれについての説明や図示がないからといって、要求がないなどと受けとめられてはならないのであります。陳情は、既に着工され取り組まれている工事にのみ限られ、新規事業については触れられないとのことのようですけれども、新規事業への対応が求められてならないところです。住民要求は、まさにその立場からのものであります。あえて申し上げながら、二、三、質問をいたします。
 阪井バイパスは、地元での取り組みがかなり前進的な姿を見せてきているけれども、この際、重根地区区画整理事業と連結して通すという構想には立てないのか。重根区画整理事業が阪井バイパスにつなぐとして進められれば、阪井バイパスはおのずから前に進むのではないかという意見もございます。その考えはないのか。
 次に、法線決定をして早く海南市の都計審に諮り、県へ上げる手だてをとられるようにやられないのか。地域の促進委員会なるものを組織して今後の取り組みの推進役を努める、そのような取り組みを地元に求められるようなことにはならないのか。
 海草振興局内の工事事務所の充実強化についてであります。三百七十号を初め、課題山積の地域において、事務所の充実強化は喫緊の課題であります。当局陳情の折、宗議員も熱心に訴えられていたところですけれども、私も部制にすることを含め、充実強化を強く求めておきたいと思います。
 次に、猿害と環境保全についてであります。以前にも取り上げましたけれども、このたびはさらに進めて具体的な手だてを求める立場からお尋ねをいたします。
 猿という自然との共生などという生易しいところにはもう既にないということを申し上げながら、まず被害状況をリアルに述べることから始めたいけれども、与えられた時間との関係で大変無理だと判断したので、結論を述べてみます。
 大旗山を囲む丘陵地域を根城とするタイワンザルが離れ猿として遠くは紀南方面にも広がり、ニホンザルとの混血が拡大しているおそれがあるとの研究調査の結果が手元にあります。混血固体の目撃されたところとして、七つから八つの町村に及ぶとのことであります。もはや、それぞれの自治体の独自的な取り組みでは対応しかねるところに来ている。広域に対策連絡協議会でもつくっての組織的対応が求められると、関係者は申されます。さらに、京都大学の霊長類研究所の協力を得て実態調査を急ぎ、固体数の把握に努め、それ以上は増殖させないとの断固たる措置を求めたい。
 そこで、さしずめ、和歌山市、海南市の領域で対策連絡協議会を組織されたいわけであります。ここでそれなりの結果、成果をまず出すことが肝要であろう、このような立場であります。その上に立って、情報を交換し、効果的な手法を協議し、捕獲あるいは威嚇し、囲い込み、射殺等、効果的な手段をとられることや、混血による生態系の崩れを防止すること等、対処方に当たられるよう進められたいわけであります。地区の人々みずからが立ち上がり、成果を上げるためにも、ぜひとも対策協議会が組織されなければならないと考える立場からの要求であります。ご意見をお求めいたします。
 次に、少子化対策の喜の国エンゼルプランについてであります。
 政府は昨年、少子化への対応を推進する国民会議の答申を受け、少子化社会対策基本法案なるものを引き続き審議する過程にあります。これについて何らかの対策を望む国民は九〇%強に達すると、各紙は伝えています。かかる状況下で、国会では、我らは紛れもなく有史以来の未曾有の事態に直面していると、少子化社会への認識を示して法案を国会に提出し、審議されているけれども、これについては我が和歌山県議会ではかなり以前、すなわち平成三年九月本会議で先輩議員が取り上げ、当局に対策を求めています。それにこたえて当局は、平成七年三月、和歌山県子育て環境づくり推進協議会を発足させて子供が健やかに生まれ育つ環境づくりへの提言をされています。それをもとに市町村関係の意見を徴して和歌山県児童育成計画を策定され、平成九年を初年度に平成十八年を目標年次として、十カ年の子育て支援施策の基本方向を示されています。早々と手を打たれた和歌山県の先進性には、敬意を示すものであります。これを称して「喜の国エンゼルプラン」として、総合的な子育て支援の指針とされているところであります。
 少子化は、経済的な豊かさを手にした国では避けられないとされて、経済成長を遂げている各国にひとしく見られる傾向でもあるようであります。これが人口構造にゆがみをもたらし、将来の国民生活に深刻な影響を及ぼしかねないところとなり、さまざまな姿でさまざま局面にひずみを生じてきているところであります。
 出生率の低下は、政府や当局の資料を見るまでもなく高度経済成長過程から低下し続け、今日に至っております。県では、田辺圏域、橋本圏域にていささか緩やかな傾向はうかがえても、すべて全体的傾向からは大同小異であります。ちなみに、海南市は一九六五年、出生数九百三人、三十年後の一九九五年、四百三十三人となって、まさに半減しているのには今さらながら驚くわけであります。
 和歌山県下で、その過程で「ポストの数ほど保育所を」との運動が起こった時代もありました。六七年度にひのえうまがありましたが、八〇年代、九〇年代と下降し続け、合計特殊出生率が一・三八まで落ちてしまいました。そのままいくと二十二世紀には一億二千万人が五千万人までに減ってしまうことになるとさえ言われているところであります。
 しかし、さきに申し上げたことに加えて、国会で審議されている法案を見る限り、推し進める政策の結果の必然とバランスある施策とがどうも受け入れられずに、小手先だけのもので済まされようとしているように見えてならないのであります。少なくとも、和歌山県として、将来の県民生活に深刻な影響を及ぼすことのないように決めた指針・エンゼルプランを実効あるものにするための検証が求められて当然であろう、その立場から幾つかお聞きいたします。
 人口動態総覧、昭和六十四年から平成四年までと、平成五年から平成九年までを参考にして、以下幾つかをお尋ねいたします。
 一つ目には、出生率人口千人に対し十を超える市町村は極めて少ないけれども、その中でも岩出町や吉備町のように伸び続けているところもあるわけであります。伸び続ける背景として何があるとおつかみになっているのでしょうか。
 次に、その逆に出生率五%以下が七自治体を数えるが、古座川町と北山村の二自治体がわずかではあるが伸びている。それは何なのでしょうか。
 次に、山間地に位置する自治体は軒並みに減少し、平たん地、中でも都市部でない岩出町、吉備町が増加にあるとさきに述べたところですが、施策の進め方によって救いの道があるのではないかということを教えているというふうに受けとめるわけであります。
 少子化社会対策基本法案なるものが地球人口扶養能力超過の傾向に対してどのようなバランス感覚をもって対処されるのか読み取れないけれども、ともあれ、エンゼルプランは生まれた子供の養育についての環境づくりを主として打ち出されているけれども、いかに産んでもらうかの施策が欠如していないでしょうか。さらに、このプランに沿って県下自治体はどんな取り組みをし、十八年の目標年次にどんな姿を描いているのでしょうか。
 とにもかくにも、経済成長政策を進める中での必然的結果として、厚生省の出生動向基本調査──一九九七年に行っているようですけれども──によれば、子供を産むのをためらわざるを得ない理由として、子育てに金がかかる、教育に金がかかる、家が狭い、子供をつくると仕事に差し支えるなどが挙げられています。これら理由とされる問題解決に当たりながらも、出生率を低下させない取り組みは避けて通れないことだと思います。
 重ねてお聞きします。十八年の目標年次はどんな姿にしようとしているのか、具体的な指標となるものを示されたいわけであります。
 次に、少子化対策を考えていく場合、生まれてきたらどうするかなどという小手先にすぎないで、どう産んでもらうかのあらゆる検討が求められてならないのであります。
 そこで一つ考えたいのは、環境ホルモンであります。例えば、船舶の船底の防汚塗料が原因してイボニシという巻き貝に奇形が起こり、雌は産卵できなくなり、雄は生殖機能を失うなどの機能障害を伴う環境汚染が進み、それがひいては人間にも及び、精子の数が激減していくという現象になっているとの指摘があります。環境ホルモンと言われる物質には、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル類──PCBです──初め有機すず化合物など七十種ほどあるらしい。こういうことなどを調査研究したり、文明文化の進展と少子化の関係等、さまざまな分野からの迫り方をせねばなるまいと思うけれども、さしずめ人体に与える影響について研究したらどうでしょうか。産んでもらいにくい諸条件に迫ってこそ、その対策ということになるのではないかとの考えからお尋ねするところです。
 最後に、日本で起こっている少子化というのは、社会全体が活力を失い衰退していく不健全な方向と言わざるを得ないのであります。そして、これは政治の責任であることは明らかです。我々が急に子供を嫌いになったり愛情がなくなったからということで起こっている現象ではありません。社会的要因によるものであります。産み育てやすい社会環境が用意されなければ、解決が望めない問題であります。
 北欧諸国では一たん落ち込んで出生率を回復していますけれども、国際労働機関の報告によると、家族政策は男女がともに経済活動と子育てが両立できることを根底に立案されているとのことであります。その上に立って、例えばの話、育児休暇について女性と同じように男性も強制的にとらなければならないということを含めて、さまざまな制度が保障されているということであります。小手先でなく、本腰の入った取り組みが求められているようであります。ご意見を求めながら、次に移ります。
 次に、スポーツの振興と県勢の活性化についてであります。
 スポーツの振興が県勢の活性化に連動するものとの認識は、だれしもがされることと思います。その観点から、幾つかの検証を試みてみたい。
 あるときは野球、あるときは水泳、あるときは相撲というように、和歌山県勢が大いに活躍し、県民を何かと鼓舞し、活気づける契機とされてきたところであります。ところが近年、何かと取り組みに勢いがなく、好ましい結果をおさめることなく久しいわけであります。それのみか、学校体育スポーツや企業スポーツの取り組みも衰退し、県勢の活躍の目覚ましさにあずかるところにはありません。
 例えば、正月の京都女子、男子の駅伝は大変残念な結果でありました。県民総体は、県民総参加を目指しつつも、地域における体育活動を振興させるに大きな原動力とするに功を奏しかねているように思えてなりません。地域によって社会体育を効果的に組織し、発展的に運営されているところもあるようですけれども、全県的にひとしく進められているようには思えません。
 また、全国的にも近年、急速に進められ、発展させ、はぐくんできた健康で自由、フェアなスポーツが、よほど気をつけなければ大きくゆがめられかねない動向が生じてきていることも考えなければなりません。例えば、過度な商業主義や視聴率至上主義のメディアの支配はスポーツの固有のルールとその精神をむしばんでいく傾向。次に、IOCの買収疑惑、ドーピング、競技団体の金銭をめぐる不祥事の多発とスポーツ団体と指導者の深刻なまでの精神的な荒廃。サッカーくじの導入でスポーツをギャンブル化しようとする政治の介入などなど。
 とはいえ、県民のスポーツ参加への要求は根強いものがあります。これらを効果的に組織し、発展させるにはどうするか、工夫が求められているところであります。
 一、二の現状を述べてみたいと思います。
 例えば、テニスコートは県営紀三井寺公園をとってみたら八面しかありません。関係者の話では、どうしても十面が欲しいと言われています。これは、全国大会などを和歌山県で開くとするならば大変運営に事欠くというところからのお話でもあります。さらに、県営以外の公営施設も貧弱であります。けがが続出し、競技者への肉体的負担が極めて多いと指摘されております。
 野球場の問題であります。絶対数が不足して、会場確保の調整会議に代表者が集まり、大変なことだとおっしゃっておられるようであります。県営紀三井寺競技場の施設が今日的には大変不備で、お困りの様子です。その代表的なものとして、電光掲示板がないのは残念だとも言われております。そして、いずれも使用料が少し高いのではないかというご意見も寄せられております。
 特に、紀三井寺野球場の電光掲示板の要求については、夏場の高校野球だけ見るにつけても大変なようです。都市公園内施設は土木の管理下にあるとのことですけれども、かつて和田議員からも指摘されている電光掲示板は、重ねて指摘されることのないようにされたいわけであります。土木と教育委員会がお互いにもたれ合いをしているのではないかとさえ思えるような、あるいはまた両すくみしているのではないかとさえ思えてならないわけであります。
 企業スポーツは、企業活動の長期にわたる低迷から落ち込んでしまっているし、真にスポーツを生活の中に取り入れ、健康増進と地域の活力を求めて取り組もうとする県民の要求にこたえ切れていない実態を指摘しながら、とりあえず次の諸点についての要求を提示してみたいと思います。
 スポーツ振興計画を県民の要求に基づき年次的、計画的にこたえられていくことを基本に申し上げながら、一つはテニスコート十面確保の取り組みと、紀三井寺野球場の整備をお願い申し上げるとともに、特に電光掲示板の設置については強く求めておきたいものであります。
 指導者の問題であります。これは、きのう名古屋女子マラソンがありましたけれども、優勝者のチームとその監督の話などをテレビを通じて見ているのに、大変なお取り組みをなされているようであります。ハイレベルの技術を身につけようと思ったら並大抵なことではないんだなということを教えられました。和歌山県勢に県民を鼓舞し激励するような成績を求める競技力を持つ選手を育成しようと思ったら、それぞれの施設やそれぞれの環境も大変でしょうけれども、まずは指導力強化の問題が求められてなりません。その指導者の取り組みは並大抵なことでないというようなことを、競技力強化を考えるにつけて、あのようなハイレベルな技術を持った選手の養成のお話を聞くにつけ、至難なことだろうけれども、そこのところに特別の取り組みをしなければならないのではないかと思いながら、指導者強化の問題も提起しておきたいと思います。
 さらに、サッカーW杯参加チームへの練習場提供というか、導入の取り組みについて、いかなる要請があり、その要請にどうこたえようとしているのか、お尋ねいたします。
 イベントに参加し、イベントを引き入れることを通じて地域と住民のスポーツ要求が将来的に満たされるような取り組みを求めたいわけであります。スポーツの一般化、大衆化が進めば進むほど、施設要求は高まります。ビッグホエールのようなものもさることながら、安くて気軽に使える施設が求められてなりません。
 次に、先ほども申し述べましたけれども、競技力向上の問題であります。特別の手だてが求められてならないところであります。
 国体近畿大会が和歌山でということで、競技力を強化したいとのことですけれども、画一的、一般的に果たし得られないと思うわけであります。当面、緊急に手だてを必要とするところは思い切ってとられるよう求めたいわけであります。
 重ねて申します。スポーツの一般化、大衆化が進めば進むほど、施設要求、環境整備の要求が強まります。また、頂点をきわめるためには特別の技術の向上に努める強化策が求められるところでしょう。これらに十分こたえてこそ、スポーツ和歌山にふさわしい実態を創出することができる。その立場に立たれるようにお求めし、ご所見をお伺いして、一回目の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 商工労働部長上山義彦君。
  〔上山義彦君、登壇〕
○商工労働部長(上山義彦君) 地場産業の廃棄物処理についてお答えします。
 地場産業、特に日用家庭用品業界の産業廃棄物対策についてお答えします。
 産業活動の発展を図りつつ良好な生活環境を保全していくには、排出事業者それぞれにおいて、廃棄物の発生を抑制し、あるいは再資源化を図り、廃棄物を有効活用することが肝要であると考えております。
 家庭用品業界で特に問題となるのはプラスチック類でございますが、工業技術センターにおきまして、焼却の際ダイオキシン発生の原因となるポリ塩化ビニールにかわる素材の開発などを関連企業と共同で取り組んでいるところであり、これらを契機として産地組合における一体的な取り組みを促してまいりたいと考えてございます。
 また、今後ともリサイクルシステムの構築に向けた取り組みを行い、環境の保全とコストダウンによる企業の競争力の強化を図る地域産業資源循環創出事業や、新たな環境ビジネスの産業創出に意欲的に取り組む企業に対してリサイクル等の技術開発に対する支援を積極的に行うことにより、環境と調和した地場産業の振興に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) まず初めに、道路問題についてお答えいたします。
 国道三百七十号の阪井バイパスは、平成二年に都市計画決定に向け計画案を公告縦覧したところであります。しかしながら、反対意見が多数のため都市計画決定に至らず、今日に至っている状況でございます。
 県といたしましては、以前に提示したルートを基本とした計画案を海南市に提示しているところであります。今後、海南市を初め、地元役員の皆様の協力を得ながら、都市計画決定に向けて努力してまいります。
 次に、スポーツ体育の振興と県勢の活性化のご質問のうち、施設の実態と県民の要求についてお答えいたします。
 紀三井寺公園におけるテニスコートの増設につきましては、都市公園法により運動施設の面積が公園面積の五〇%を超えてはならないと規定されておりまして、既に五〇%となっている紀三井寺公園ではこれ以上運動施設をふやすことはできない状況にあります。
 また、使用料金が高いとのご指摘ですが、周辺の同種施設と比較して決して高くはなく、むしろ安いと認識してございます。
 野球場の施設についてですが、野球場に限らず、各施設について利用者の皆様からさまざまなご要望がございます。施設の充実については、必要性、緊急性を考慮して、関係機関と協議してまいります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 中山豊議員ご質問の、猿害と環境保全についてでございます。
 人と野生鳥獣とは、適正な保護と管理のもと共生していく必要があると考えているところでございます。しかし、野生鳥獣による農作物への被害が多く発生し、農家の方々が困っている状況もございます。これらの被害対策としまして、関係部局や関係市町村とも連携しながら、一層効果的な被害防除対策や有害駆除等に努めてまいりたいと考えております。
 和歌山市、海南市にまたがる地域に生息するタイワンザルについては、輸入種による生態系の乱れを防止する必要もあり、現在、生息状況等、調査中でございます。今後、その結果を踏まえ、学識経験者や関係行政機関等による検討会を設置し、特定鳥獣保護管理計画を作成するなど、適切な対策を検討してまいります。
 続きまして、少子化対策についての環境ホルモンの研究についてお答えいたします。
 環境ホルモンの問題は、社会的に大きく取り上げられたことから、環境庁は平成十年五月に環境ホルモン戦略計画SPEED九八を策定し、環境庁としての対応方針を発表したところであります。それによりますと、人の精子数の変化に関して幾つかの研究チームが研究を進めていると記述されております。少子化との関連については触れられておりませんが、県といたしましても、今後の研究成果に注目し、情報収集に努めるとともに、関係機関に情報を提供してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 福祉保健部長小西 悟君。
  〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 少子化対策の喜の国エンゼルプランについてのうち、まず人口動態総覧とのかかわりでございます。
 少子化問題につきましては、国において平成九年に人口問題審議会で「少子化に関する基本的考え方について」という報告書が取りまとめられました。これは少子化問題を初めて正面から取り上げ、その影響、要因と背景について総合的な分析をし、少子化の影響への対応とともに要因への対応をする必要があるとの考え方を打ち出されております。
 出生率の低下の根本的な原因は、経済成長の過程で多くの国民の生活や社会の形が画一的、固定的になり過ぎた結果、結婚や子育てへの負担感が増してきたことにあり、出生率の回復を目指す取り組みとは、こうした原因を取り除き、子供を産み育てることに夢を持てる社会をつくることであり、家庭、地域、職場、学校といった生活に深くかかわる場に多様な形でかかわっていけるような社会づくりが求められているところでございます。
 議員ご質問の県内の状況でございますが、出生率が伸びている町村につきましては、主たる要因は、新たな宅地開発、ベッドタウン化により人口が増加し、それに伴い出生率がふえていると考えられますが、それとともに、働く場所の問題、保育所、病院等の生活環境の整備、日常生活を営む上での利便性などが子育て年齢層の増加につながっていると考えられます。
 また、わずかでありますが伸びている町村につきましては、人口も少なく出生件数が低いため、率の比較分析を特定するのは困難とは思われますが、定住のための住宅建設、働く場の確保等による若者のUターン効果が要因ではないかと考えられます。
 次に、産み育てやすい社会環境の創出についてでございます。
 少子化社会対策基本法案は議員立法により立案され、我が国における少子化対策を実効性あるものにするための基本法であると認識しています。県といたしましては、さきにご答弁させていただきました少子化の主な要因を十分に認識しながら、子育てに夢を持てる社会づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
 本来、結婚や出産は個人の自由意思、価値観に基づくものであり、今後、若い世代も含めた多くの方々のご意見を参考にしながら、喜の国エンゼルプランの充実を図り、結婚や子育てに真に喜びを感じることのできる地域づくりを進めてまいりたいと考えております。
 市町村のエンゼルプランにつきましては、それぞれの自治体が地域の特性を生かした児童育成計画を早期に策定されるよう、今後とも指導してまいります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) スポーツの振興に関してお答えいたします。
 スポーツは、申すまでもなく、活力に満ちた生きがいのある社会の形成に寄与するものであり、また本県選手が全国大会等で活躍することは、県民に感動をもたらし、郷土愛につながるものであります。このため、スポーツの振興を重点施策として掲げ、取り組んでいるところでございます。
 まず県民スポーツの振興についてでありますが、多様なスポーツニーズにこたえるため、施設の整備充実、指導者の育成、魅力あるプログラムの提供などを推進し、一定の広がりを見ました。今後、スポーツ愛好者の自主的な運営による総合型地域スポーツクラブの育成、公共体育施設を中心としたスポーツ活動の拠点づくり等を推進するため、各市町村や関係団体と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、ワールドカップサッカー公認キャンプ地の誘致でありますが、県といたしましては、スポーツ振興はもとより、本県を全世界に発信する絶好の機会であり、キャンプ地誘致に立候補したところであります。県サッカー協会や民間団体等、各方面の方々のご協力をいただきながら、その実現へ向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、競技力の向上対策についてでございます。
 最近の本県の競技水準は、国民体育大会や全国駅伝大会などの成績は残念ながらここ数年低迷している状況にあります。このため、トップアスリートの育成、ジュニア一貫指導システムの構築、ハイスクール強化モデル指定校などの事業を推進しております。さらに本年度は、国際大会等で活躍した優秀な選手、指導者によるアドバイザーコーチ招聘事業など、重点的に取り組んでおり、全国中学生大会や高校総体などではその成果があらわれてきてございます。
 今後とも、優秀な人材の発掘や確保に努め、競技力の向上を図ってまいります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十二番中山 豊君。
○中山 豊君 ご意見をつけ加えながら、幾つか要望申し上げておきたいと思います。
 野球場の電光掲示板の問題で、運動施設の面積率が公園面積の五〇%を超えてはならないという規制があって既に五〇%いっぱいだからというお話もありましたけれども、電光掲示板の問題にかかわってのお話ではないとは言いながら──これは、面積率に関係してあれこれ、できるとかできないとかにかかわる話ではなくて、やろうと思ったらやれる話です。具体的に要求しているにもかかわらず、答弁は何か全般的な問題でくるんでほうってしまったような感じに受けとめられてならない。こんな不誠実な答弁はいただけない。和田議員が前にも提起していて二度と重ねて言わすことのないようにせえと言っているにもかかわらず、こういうふうなご答弁。これはいただけない。
 海南市の市民グラウンドに、電光掲示板がついているわ。十九日にこけら落としをすると言うてた。念のために見に行ってやってもらいたいと思う。市の市民運動場にさえあるにもかかわらず県営の野球場にそれがないなんていう、そんなお粗末なことのないように努力してくださいな。今直ちにここで「やります」などとも言えないだろうから重ねて言わないけれども、そういう事情も絡み合わせて具体的に要求しているんだから、それについては具体的に答えてもらえるようにお求めしておきたいと思います。
 次に、猿害の問題です。
 答弁を聞いておりますと、被害防除対策等、有害駆除などに努めてまいりたいというお話でした。これについても、最も効果的に対応するために、情報交換をしたり手法を創出したりする対策協議会をつくってくださいと言っているんだけれども、それには明確に「それではつくりましょう」などとは答えてくれないで、防除対策や有害駆除等に努めてまいりたいと、これもふんわりとかわしてくれてるんだな。これはいただけない。
 もうこれは、連絡協議会を発足させて、しかじかのそういうご迷惑のかかるようなことのないようにいたしたいということとして受けとめます。だから、四月一日以降は、早速これの組織のためにご努力いただくことをお願いしておきたいと思います。
 これはまさに、先ほども申し上げましたけれども、行政がかかわってあれやのこれやのというふうなことでは手が詰まないんです。地域の人たち、被害を受けた人たちが寄り寄り集まって情報を交換したり、どんなにするのが一番効果的やという手法を創出する対策協議会をつくってこそ効果がある。そういうものを県の方でご支援していただきながら発足させなさいと言っているんだから、ぜひともそれにこたえてくれることを求めておきたいと思います。四月一日以降にそういう動きがなかったら何回でもやるからね、これは。
 次に、少子化の問題です。
 部長からご答弁いただきました。わずかではあるけれども、動態調査の上でそれなりに、エンゼルプランで描いているような産み育てるのに好ましい環境、社会、地域づくり、それの典型がうかがえるものがあると申し上げているわけです。だから、エンゼルプランの具体化のためにはそのあたりを指標にしながら具体的な手だてを打ってほしい。
 十八年の目標年次には、具体的にこの分野についてはこうします、こういう分野でここまで到達したいと考えますというところを述べてほしかったんだけれども、それは至難のようなので、そこまで踏み込んでお求めすることにしないで、既に今までの取り組みの中でその指標になるような自治体が幾つかあるというご指摘を申し上げて、皆さんはそれを分析して、こうだこうだというような幾つかの要因を抽出して述べていただきました。それが一つの手がかりになるとするならば、それはエンゼルプランの具体化のために大きく役立ててもらえる手がかりがつかめたのではないかと思われますので、その点のご指摘を申し上げて、終わりたいと思います。
 以上です。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中山豊君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時四十九分休憩
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