平成12年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(玉置公良議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時四分再開
○副議長(宇治田栄蔵君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十六番玉置公良君。
  〔玉置公良君、登壇〕(拍手)
○玉置公良君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、四点に絞って質問をいたしてまいりたいと思います。
 私たちの生活を取り巻く政治情勢は、急激に変わりつつあると思います。私たちが頼みにする国は、ご承知のとおり六百兆円を超える途方もない借金を抱えて四苦八苦し、地方自治体に財政的に支援できる余裕はもはやありません。国の借金の大部分を占める公共事業は景気浮上にもさして役に立たず、地方のかけがえのないふるさと遺産と自然を破壊するものとして批判を浴びている次第であります。
 また、公共事業を誘致した地方自治体は国からの借金返済にいずれも悲鳴を上げており、そのしわ寄せが住民とその子孫に重くのしかかっています。つまり、国から地方へお金を引っ張ってくる時代は終わったと私は思います。それは、住民にとって幸せな生活を保障するよりも不幸を押しつけていることが経済の右肩下がりの時代では当たり前のこととなったのであります。それにつれて私ども地方議員の役割も、中央の実力者と言われる政治家と太いパイプを持って陳情に明け暮れる時代ではなくなったと思います。和歌山県においても、しかりであります。
 本県は、幸いにも世界遺産に指定されるほど豊かな自然に恵まれています。環境時代の二十一世紀、世界の人々が地球人として強く求めているのは地球を救う自然のたたずまいであると、私は思います。我が和歌山県は、この立地条件を最大限に生かしながら県民一人一人の知恵と創意工夫を活用し、二十一世紀にふさわしいビジョンをつくり上げ、グランドデザインを描くことであります。
 私は、二十一世紀の早い時期に、我が和歌山県が、日本国の一地方自治体であることの存在よりも、江戸時代の藩制度のように、小さな独立国のようにして海外の都市や企業と交易を深めていくときが必ず訪れると確信をしています。この新しい試みにより我が和歌山県に地球規模の新しい文化が生まれるとともに、財政面でも、企業からの寄附、参加、ボランティア活動、観光客の来県等により、思わぬ形ですばらしい財産が生まれ、集まるものと思います。
 私は、このような考え方に立ち、四点に絞って質問をし、県当局のご見解を求めてまいりたいと思います。
 まず最初に、世界遺産登録運動と世界遺産にふさわしいふるさとづくりの中核となる福祉大学院大学の実現について質問をしてまいります。
 私は、最近の石原東京都知事や北川三重県知事の発言を聞く中で、時代の政策をつくる主役は国ではなく、知事の発言が国の政策をリードしていく時代になったと強く感じています。これからはいろんな知事が発言をし、国の政策をリードしていく時代に入ったのだと思います。その発言の内容も、今まで国が行ってきた開発中心政策ではなく、自然環境を壊さないでその利子で地域が発展していく政策を考える時代になったのだと私は思います。
 そうした意味で、二月県議会初日、知事の所信あいさつの中で、「本県が誇る高野・熊野の歴史と文化財をできるだけ早期にユネスコの世界遺産へ登録されるよう、関係市町村と連携を図りながら作業を進めてまいります」との表明があり、当初予算の中に盛り込まれていますことを大変評価しています。
 私自身も、地元の皆さんとともに一昨年シンポジウムを開催し、世界遺産登録運動を初め世界遺産にふさわしいふるさとづくりを始めようと、その一つとして健康福祉タウン構想を平成十年九月県議会で提言を行ってまいりました。一昨年にユネスコの世界遺産を担当されている関水さんを招いて白浜町においてシンポジウムを行ったときに、彼が屋久島の長井さんという方の言葉を紹介してくれたのが大変印象に残っています。それは、世界遺産に登録されるということの前に百年後のその地域の未来図というものを考えることが大事である、自分たちの地域をどういうふうに守っていくかということを描き切ることができるのかどうか、その志の高さみたいなものが大事だ、屋久島には環境文化村構想というものがあると話されていました。つまり、世界遺産になるということ、その前に世界遺産の地域にふさわしいふるさとづくりの未来図を描き切ることが一番大事であるということであります。そのことが南紀熊野体験博後のふるさとづくりの答えになるのだと私は思います。
 そこで、まず第一の質問として、世界遺産登録運動の具体的な取り組みについての考え方、進め方について知事の見解をお伺いします。
 続いて、世界遺産にふさわしいふるさとづくりについてお伺いします。
 私は、県議会議員に当選以来、南紀に住む人々の生活の向上とその環境整備に取り組んでまいりました。中でも福祉政策の充実や福祉大学院大学など、本会議の場で県当局のご見解をお伺いしてまいりました。幸いにも、西口知事初め県当局のご理解により施策として実現しているものや、福祉大学院大学については前向きに検討されていることなど、感謝を申し上げる次第であります。
 そこで、第二点目の質問として、世界遺産にふさわしいふるさとづくりの核となる福祉大学院大学の実現に向けて県当局の見解を求めたいと思います。
 なぜ、福祉大学院大学が必要なのか。全国での福祉系大学の設立のラッシュは、教員人材不足、それに伴う教員の質の問題、現場指導者の質の問題が懸念されていること。また、福祉の産業化のおくれ、そして世界のどの国よりもいち早く少子高齢化へ突入した日本が先進的な福祉国家として発展・成熟していく上で極めて深刻な諸課題を抱えているのが実情であること。私は、こうした諸課題に真正面から取り組み、次代の新たな福祉を先進的、総合的に研究する日本で初めての全国の福祉系大学の連携、つまり福祉系大学連合で南紀熊野の地に実現をしたい。国内のみならず、世界を視野に入れた福祉大学院大学を目指したいと思うのであります。
 なぜ、南紀熊野の地なのか。このことは私も何回となく議場で申し上げてきましたが、この南紀熊野地域は心のいやしや精神のいやしを昔から持っている地域であり、二十一世紀のこれからの人間の生き方をきわめるような場所に最適の地であるということ。そして、このような機能を持つところへ心のいやしを求めて世界から人々が訪れる。なおかつ、この機能を学習即実践し、全国世界から入学できる環境を地元のネットワークでつくり上げていくことが世界遺産にふさわしいふるさとづくりの中核になると確信をしています。
 今、福祉系大学の連合による福祉大学院大学構想実現に向けて取り組んでいる全国の大学関係者や地元関係者の方々より、ことしじゅうに立ち上げのための研究セミナーを県の支援を得て開催したいと聞いています。この機会を県として積極的にとらえていただき、世界遺産にふさわしいふるさとづくりの中核として積極的な支援をいただくよう企画部長の答弁を求めます。
 続いて、事業の政策評価制度についてお伺いします。
 昨年の秋、会計検査院は、本州と四国にかけられた三本の本四架橋で、工事費は当初見込みを大きく上回り、神戸・鳴門ルートでは四・七倍、一兆三千四百八十七億円にも達した一方で、交通量は、例えば児島・坂出ルートでは目標の四〇%程度にとどまるなど、現状では通行料金で金利も賄えない状態で、交通量の予測を適切にするよう勧告したと言われています。これらは、まさにその政策が時代おくれになっていることを示す典型であると思います。
 また、自治体に目を向ければ、補助金を当てにした、むだな箱物がたくさんつくられてきました。これも、補助金はもらう方が勝ちという古い体質の自治体がもたらした結果だとも言えると私は思います。
 今述べたように、近年、むだな公共事業とか効果に疑問というように、公共事業に対する批判が強まってきました。加えて、「政策評価」、「事業評価」という言葉も盛んに使われるようになり、中央省庁には政策評価室も設置されることになりました。同じ省庁の内部の政策評価室がどの程度自己評価することができるのか、疑問のあるところでございますが、今日、中央省庁でも政策評価しなければならない事態に陥っている事実を如実に示すものとして興味深いものがあります。
 他方、地方自治体でも、三重県のマトリックス評価、北海道の「時のアセス」など、事業の再評価を試みる動きも活発になりつつあります。各省庁が政策評価室を設置したと言いましたが、この意味は、政策は誤るということを官僚みずから宣言したことにあると言えます。成熟社会に入った現在、このプロセスを古い体質から成熟社会型に変換し、そのルールについて合意を形成していくことが政策評価をめぐる現在の課題であろうと、私は思います。
 そこで、和歌山県としての現状認識と事業の再評価についてどのような考えを持ち、どのような取り組みをしていくのか、総務部長の答弁を求めるものであります。
 続いて最後に、率にすると全国ワーストワン近くになった不登校対策と今後の方針、及び広域学習サービスのネットワーク推進事業について質問をしてまいります。
 私は、この和歌山には世界遺産にふさわしいすばらしい自然、歴史、文化があると、先ほどからも訴えてまいりました。つまり、和歌山県の子供たちにとってすばらしい大自然の教室という教育の分野をどこの県よりも持っていると思います。しかし、こんなすばらしいふるさとを持っていながら不登校が全国の中でワーストワン近くになっているのはどうしてなのか、こうした不名誉なことが出てくるのは我々のすばらしいふるさとの活用が十分にできていないのではないかと痛感をするものであります。そういう視点に立ってこの問題を考えていくことが重要であると思います。
 私は、その先例として、今、南紀熊野の心のいやしの地で不登校の生徒や中途退学者を集め、大自然の中で教育の実践をしていこうと、そのスタッフの一員として取り組んでいるところであります。
 そこで、こうした視点に立って、以下、具体的な質問をしてまいります。
 昨年の朝日新聞の記事によりますと、平成十年度現在、和歌山県の不登校の生徒の数は、全児童数に占める割合で中高合わせ一千五百四十八名と、全国的に高い位置にあるとなっています。これは、急にワーストになったのか、それともそれ以前から下の方を低迷していてついにワーストワン近くになったのか、まずお聞きをしたいと思います。
 プロ野球でも、Bクラスを低迷していたり最下位に甘んじていたら、監督球団の経営者はその責任をとらされるわけであります。まずその原因について分析し、そしてその弱点を克服するためにトレードをしたり、ドラフトで新人をとったり、外人を補強したり、戦法を変えたり、あるいは監督の首を取りかえたり、何らかの方法を考えねばならないのであります。和歌山県の教育委員会はこの問題についてどのように考えているのか、お伺い申し上げます。
 聞くところによりますと、和歌山県はシステマティックアプローチ方式という全国に誇るシステムを持っているとお聞きします。にもかかわらず、どうしてこのような数値になってしまったのか。このシステムができたころの十数年前には、不登校の生徒は無理に登校させようとさせないで甘えさせてやることが大事だと言われ、そしてそのとおりにしたらよくなっていったと聞きます。今、幾ら甘えさせてもなかなかよくならないと言われます。これは、「甘えさす」という言葉がどんどん軽くなっていったからではないかという指摘も聞きます。このことについても県教育委員会のご意見をお伺いしたいと思います。
 カウンセリングというものが一般化し、このシステムが十数年たって、いろいろな点で金属疲労を起こしてきているのではないかと私は思うのであります。そこで、現場に入り生の声を聞く中で私の考え方を述べ、県教育委員会の見解を求めたいと思います。
 問題点の一つに、高等学校の先生の多くが教育相談員になれないというシステムがあります。高等学校カウンセリング研究会の「人間と人間」という昨年の出版物等を見ますと、システマティックアプローチの外から見た意見が発表されていて、実におもしろかったのであります。何の肩書もないところで雑用に追われながら、スクールカウンセラーでもなく県の学校外の教育相談員でもなく、単なる学校の教師としてのそれなりの独自の存在感の中で不登校の生徒にアプローチしているように思われました。県の教育相談員、スクールカウンセラーが肩書、時間、場所という守られた枠組みの中でカウンセリングをやっていけるのに対して、彼らは全くそのような枠組みのない中でそれぞれ独自の存在感をアピールしながらやっているのであります。
 これからは、一元的な視点からだけではなく、このようないろんな立場の視点も積極的に取り入れていくべきであると私は思います。これだけ不登校の症状が複雑になり、そして深くなってきている現在、一人の人間に頼り過ぎることなく、また一つの流派に頼り過ぎることなく、いろんなタイプのいろんな学校からの多くの人材が生かされるべきであると思いますが、教育長のご見解をお伺いします。
 また、いろんな方法をとるべきであると思います。例えば、今、南紀熊野体験博後の南紀のふるさとづくりをどうしていくのかとの答えを出すため、心のいやしの地である熊野古道中辺路の地に不登校の生徒や中途退学者を集め、大自然の中で教育をしていこうという取り組み、NPO法人での準備が進められています。こうしたところとの連携や支援、独自の取り組みなど、大変重要となってくると考えますが、教育長のご見解を求めます。
 また、この学校は、我が和歌山県が生んだ世界的な植物学者であり、自然をこよなく愛し、南紀熊野の大自然を世界的に発信した南方熊楠先生の教えを広げるとともに、二十一世紀のこれからの人間の生き方をきわめるような、社会人を含めた生涯教育講座も企画をされていますが、県が取り組んでいる広域生涯学習推進体制の一つとして今回新規事業として開設されるわかやま学等との連携を図る取り組みが重要だと考えます。教育長のご見解を求め、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○副議長(宇治田栄蔵君) ただいまの玉置公良君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 玉置議員にお答えをいたします。
 世界遺産への登録についてでございますけれども、世界に誇り得る文化財を多数擁している高野・熊野を早期に国内暫定リストに登載されるように国と協議を進めておるところでございます。
 県といたしましても、新年度からは教育委員会内に世界遺産登録推進室を設置するなど全庁的に取り組むとともに、学術専門家等による県世界遺産委員会を発足させまして、登録への具体的な進め方や学術調査などについてより専門的な活動を展開してまいりたいと考えております。
 また、こうした世界遺産登録への取り組みは、豊かな自然や歴史、文化などの地域資源を生かした二十一世紀における新たな地域づくりのための主要施策の一つであると考えてございます。このため、単に世界遺産登録を目指すだけでなくて、他の多くの施策との連携のもとに特色あるふるさとづくりを総合的に進めていくことが極めて重要であると考えてございます。
 以上であります。
○副議長(宇治田栄蔵君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 福祉大学院大学の構想についてお答え申し上げます。
 今日、大学に求められる役割が大きく変わろうとしています。その一つとして、社会人の再教育の場としての大学の役割を挙げることができます。このため、県といたしましても、豊かな自然、文化資源やリゾート集積、交通の利便性の向上や情報基盤整備の進展などを生かした大学院大学などの新たな高等教育機関につきましても、県内外の大学等と協力しながら、その手法や教育分野などについての調査研究を今後進めていくこととしてございます。
 ご質問にございました福祉分野での大学院大学につきましても、こうした調査研究の中で検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) 事業の政策評価制度につきまして玉置議員にお答えいたします。
 景気の低迷が長引く中で本格的な高齢社会の到来に伴う行政需要の増大等によりまして、地方財政は深刻な状況に直面いたしております。従来の社会経済システムや人口構造を前提にした行政のあり方そのものが問われており、議員ご指摘のように、全国的に事業政策評価の導入が検討・実施されているところでございます。
 行財政改革を通じて簡素で効率的な行政を実現していくためには費用対効果等の観点から行財政運営全般を見直す必要があり、本県においてもこうした状況を踏まえ、事務事業評価の一環として一部の事業について行政評価を実施いたしました。
 また、収支不均衡の解消に向けて昨年八月に財政運営プログラムを策定いたしましたが、現在、全庁的なワーキングチームを設けて本格的な行政評価システムの導入などプログラム具体化への検討を行っているところであり、その成果をこれからの行財政運営に反映させてまいりたいと考えております。
 なお、公共事業の再評価につきましては、県が実施する公共事業の効率性やその実施過程の透明性の向上を図ることを目的として平成十年度に和歌山県公共事業再評価委員会を設置し、計画中あるいは継続中の公共事業について委員会で審議をいただき、その評価を踏まえて事業を進めているところでございまして、今後とも社会経済情勢等に即応した公共事業の実施に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(宇治田栄蔵君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 本県における不登校の児童生徒数は徐々に増加してきておりましたが、最近になって全児童生徒に占める割合が極めて高くなり、憂慮すべき状況であると認識しております。そのため、不登校対策を学校教育における重点課題と位置づけ、教育相談や教員の研修等に力を注いでいるところでございます。
 本県における教育相談は、お話にもありましたように、いわゆるシステマティックアプローチ方式で、これは教職員と保護者が協力し、不登校の子供がさまざまな課題を克服しながら自分の特性を伸ばして成長していくことを支援するシステムであります。
 不登校児童生徒への教育相談に際しては、子供の様子をじっくり観察しながら対応する必要がありますが、近年、その要因等が多様化、複雑化し、多面的な対応が求められるようになってまいりました。
 こうしたことから、臨床心理士の資格を持つスクールカウンセラーや心の教室相談員を各学校に派遣するとともに、地方教育事務所に教育相談主事を配置し、教員や保護者、児童生徒の教育相談に当たっております。また、教職員の指導力の向上を図るため、教育臨床心理学実践講座を開催するなど、さまざまな施策を講じているところであります。さらに、高等学校カウンセリング研究会を初めさまざまなグループや行政機関、民間施設等においても多くの研究と実践がなされており、不登校問題が多様化する中で、こうした幅広い研究と実践の成果を今後の教育相談施策の中に十分活用していくことは極めて大切であると思っております。
 議員ご提言の、中辺路町における不登校生徒や中途退学者を対象とする教育機関につきましては、連携や支援のあり方について今後多面的に研究してまいりたいと考えております。
 最後に、広域学習サービスのネットワーク推進事業についてお答えいたします。
 県民の方々がいつでもどこでも学ぶことができ、その成果を生かすことができる環境をつくることが重要であると考えております。今回の新規事業におきましては、県内七地方において、ふるさとの自然や歴史、文化等をテーマとしたわかやま学の講座を開設することといたしております。
 今後、県民の生涯学習を一層支援するため、県と市町村、高等教育機関、さらに民間等と連携・協力し、広域的な観点に立ってさまざまな取り組みを推進してまいります。
○副議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十六番玉置公良君。
○玉置公良君 ご答弁、ありがとうございました。若干の要望と一つの再質問をいたしたいと思います。
 まず要望についてでありますけれども、ただいま、世界遺産にふさわしいふるさとづくりの中核としての福祉大学院大学について、大学院大学という中で調査研究を進めていくと、こういうことを表明いただきました。航空工科大学だけではなく、こうした福祉大学院大学といったものを加味する中で、全国世界に類のない教育の場ができるものとなり、世界遺産にふさわしいふるさとづくりができるものと私は思っております。どうか、一層のご努力をお願い申し上げます。
 それと、総務部長の方からは、事業の政策評価制度について答弁がございました。本格的な行政評価システム導入についての表明がございました。このことを私は評価したいと思います。しかし問題は、やっぱり中身であると思うんです。進んでいるところは、内部だけの評価システムに終わらすのじゃなくて、痛みは伴いますけれども、その結果が県民に公開されていくと。そういった本格的な評価システムをぜひとも早急に実現を願いたいと、要望しておきます。
 それと、教育長の方からは、不登校対策の今後の方針について答弁がございました。私が提案しました高等学校カウンセリング研究会を初めさまざまなグループや民間施設などの実践結果を今後の教育相談施策の中に十分活用していくと、こういうふうな答弁をいただきました。先ほど提起をいたしましたように、そういった不登校生や中途退学者の方々を集めてこれから取り組んでいかれるNPO方式の教育機関との連携や支援についても、今後多面的に研究してまいりたいという答弁をいただきましたので、今後ともご支援、連携をよろしくお願いしておきたいと思います。
 生涯学習の推進であります。これについては、民間等との連携・協力を、私の知る限りでは初めて打ち出していただいたと思います。これも評価をしたいと思います。特に、新規事業のわかやま学に私は大変期待をしております。ただ、予算を見ましたら大変少ないような気がいたしますので、ぜひともことしこの実践をやってみて、そして大きくその成果を膨らませていただいて、来年度には大きな予算にしていただきたいと思っております。
 最後に、一点だけ再質問いたします。先ほど、世界遺産登録の進め方について知事の方から答弁ございました。その中で、もう少し具体的に聞きたいことが一つあります。これは教育長に答弁願いたい。
 世界遺産には、いわゆる自然遺産と文化遺産、そして自然遺産プラス文化の複合遺産という形態がございます。私は、やっぱりやる限りは、高野・熊野を日本にほかに類のないような世界遺産に指定をしていくという運動をやってほしい。複合遺産というのは今日本にございませんが、果たしてそれができるのかどうか、また県当局がどのような遺産にしていくのかということを考えているのか、お聞かせを願いたいと思います。
 以上です。
○副議長(宇治田栄蔵君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 玉置議員の再質問にお答えいたします。
 ユネスコの世界遺産には、今お話ありましたように、文化遺産、自然遺産、そして二つの要素をあわせ持つ複合遺産と、三種類ございます。我が和歌山県が目指しております世界遺産登録は、高野・熊野を一体とした形で紀伊半島山岳宗教の聖地というとらえ方をして、宗教的な一つのシンボルという位置づけのもとに、大きく分類すれば文化遺産になろうかと思います。こういう性格の文化遺産は現在ございませんので、その面で特色を十分持たせたものというふうにアピールできるものと考えております。
○副議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(宇治田栄蔵君) 以上で、玉置公良君の質問が終了いたしました。

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