平成12年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(金田 眞議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十四番金田 眞君。
  〔金田 眞君、登壇〕(拍手)
○金田 眞君 おはようございます。議長のお許しを得ましたので、一般質問をさせていただきます。
 まず、最初の項の規制緩和について質問いたします。
 政府は九八年一月、行政改革推進本部に規制緩和委員会を設置し、三月に規制緩和推進三カ年計画を閣議決定しました。この中では、酒類小売業の免許基準の緩和やタクシー事業の新規参入の規制を来年度までに廃止することが含まれております。九九年の三月には三カ年計画の一回目の改定を行い、この三月末には二回目の改定が予定されております。
 私どもはこの間、酒屋さんや薬局・薬店、また理容店など、規制緩和の影響があらわれている業種や業界の皆さんから実情をお聞きいたしました。そこでは、既にこれまでの規制緩和である大規模小売店舗法の廃止によって地域の商店は大きな打撃を受けており、さらに、酒の販売や薬局・薬店、理容師や美容師の免許制度の見直し、あるいは業務独占の廃止などが行われたならば、地元の商店、商店街から店がなくなっていき、とても後継者が育っていく状況にないことを痛感いたしました。
 私の地元の新宮では、ジャスコの出店が地元商店に大きな打撃を与えております。新宮商工会議所が昨年十一月に実施したジャスコの出店に関するアンケート調査では、経営への影響について大きな打撃があったというのが四三%と最も多く、少し打撃があったという四一%の商店と合わせて八割を超える商店が打撃を受けたと答えております。影響なしというお店は一四%にすぎません。売り上げが二割以上も減ったという商店は四九%を占め、二二%の店は三割以上も売り上げが減少したと答えています。
 不況で、商店街に空き店舗が目立っています。さらに、市内全域で店を閉める商店がふえており、売り上げが落ちて今度からは市・県民税を払わなくて済むようになり寂しいという、商売人の方の悲しい声も聞かれます。新宮は商業が基幹産業であり、商店が寂れることは市の根本が弱まることになります。
 このように、規制緩和が経済を活性させるというのは大きな幻想です。例えば、酒の販売についての規制緩和は八九年六月から、売り場面積が一万平方メートル以上の店舗についてはどれだけ近くに酒屋があっても無条件に酒販売の免許がおろされるようになり、九〇年六月には日米構造協議の最終報告を受けて、九三年秋までに開店する大型小売店に対して免許を与えることを決めました。こうした九〇年代の規制緩和の流れが今日の酒屋さんの経営を苦しめている要因の一つになっていることは、間違いありません。そして今度は、酒類小売免許では、距離基準はことしの九月一日をもって廃止する、人口基準も二〇〇〇年三月に廃止するとされています。
 私どもの懇談では、ある酒屋さんは、量販店で売るビールの値段が自分の店の仕入れの原価よりも安い、とても太刀打ちできるわけがないとか、これまで自動販売機の夜間規制を行い、さらに五月からは自動販売機を撤去するなど自主規制して未成年が酒を飲まないように努力をしているが、コンビニでは真夜中でも酒を売っている、規制すべきことはきちんとやってほしいと話されていました。
 商業統計によりますと、和歌山県では一九八八年(昭和六十三年)の酒・調味料小売業は千六百五十四店、従業員数は三千九百六十一人ありましたが、九年後の一九九七年には千三百四十四店と三百十店も減少し、従業員も三千五百八人と減っております。この中でも、従業員規模が三人から四人の酒屋が四百八十七店から二百七十九店にと、五九%にまで減少しています。また、九五年に免許制から届け出制へ規制緩和された米屋さんも大きな打撃を受けて、八八年の六百三十七店が九七年には五百六店に、二割以上も減少しています。
 知事にお尋ねいたします。この三月に規制緩和推進三カ年計画の二回目の改定が予定されていますが、政府の与党の中からも行き過ぎた規制緩和に批判の声があり、経営と暮らしを守るには適切なルールが必要だということで国民の世論は一致できるのではないでしょうか。知事として規制緩和計画の見直しについて政府に意見を出す考えはございませんか。
 商店は、単に商売をするだけではなく、地域の中で大きな役割を果たしています。ある商店主は、私の店が閉まったらここら辺のお年寄りが困るので、ボランティアでやっているようなものだとも言っておりました。地元の商店を守るには県独自にでも大型店の出店から地元商店を守る条例の制定を検討する必要があると考えますが、商工労働部長の見解をお尋ねいたします。
 第二項目めの、ダイオキシン、ごみ、産業廃棄物対策について質問いたします。
 二月二十二日に新宮周辺広域ごみ処理対策協議会から、平成十四年対応を迫られている新宮市及び三町は、将来一元化するまでの過渡的な処置として、RDF(固形化)方式を断念し、焼却方式として二焼却施設を設置するしか道がないとの要望書が提出されました。
 県のごみ処理広域化計画の見直しについては、昨年の九月議会で「今後、住民の合意並びに構成市町村の意見が集約されれば、厚生省とも協議しながら広域化計画の一部手直し事務を進めてまいる」との答弁がなされていることから、当然この方向で新宮広域ブロックの計画の一部手直し作業が進められ、同時にごみ処理広域化計画そのものの手直しも早急に行われると思いますが、いかがでしょうか。
 その手直しの際には、ごみの減量、分別についても目標値を明らかにし、減量などの取り組みを強めるべきではないでしょうか。
 また、新宮市のごみ焼却施設が新宮市の水道の取水口の上流に建設する計画になっております。以前から水道水への塩分遡上や生コンプラントの排水問題もあり、ごみ焼却場からの排出ガスのダイオキシンが体内に蓄積するおそれや不測の事態の心配、あるいは心理的嫌悪感も抱くことなど、住民が未来永劫焼却場下流から提供される水道水に疑惑を抱くことを防ぐためにも、取水口を上流に変更することが適切だと思います。
 次に、ダイオキシン類対策特別措置法が九九年七月十二日に成立し、ことしの一月十五日から施行されていますが、事業所などの焼却炉のダイオキシン対策について質問をいたします。
 これまで廃棄物の処理及び清掃に関する法律において、設置許可対象施設の廃棄物処理炉の規模は、時間当たりの処理能力二百キログラムまたは火床面積二平米であったものが、今回のダイオキシン類対策特別措置法によって、火床面積〇・五平米以上または焼却能力が一時間当たり五十キロ以上のものと定められ、ドラム缶程度の規模のものまで、既存施設は三十日以内に特定施設として県知事に届け出をしなければならなくなりました。既に五十日以上が経過しておりますが、届け出の進捗状況と今後の対策についてお尋ねいたします。
 また、設置者は毎年一回以上の排出ガスや排出水、または焼却灰などのダイオキシン類の測定をし、知事に報告することが義務づけられました。和歌山県にはダイオキシン類を測定・分析する機関がありませんが、これでは設置者の測定の要望に十分対応できますか。県衛生公害研究センターの体制強化などを含めて、公共の検査機関が必要ではないでしょうか。
 また、測定費用は、分析に一検体当たり約二十万、プラスサンプリングのための費用を要するため、毎年のことでもあり、中小零細企業にとっては大変な負担になります。ぜひ測定費用や施設改善に対する補助制度を検討してください。
 この測定の義務づけは悪質な事業者などに対する改善策として有効な手段にもなると思われますが、年一回、当日限りで、燃やし方によっては幾らでも操作できるのではないかと危惧する声も聞かれます。どのようにお考えになりますか。
 次に、不法投棄の監視とその後の撤収についてお尋ねいたします。
 不法投棄対策には県でもその根絶に取り組んでいると思いますが、環境や省資源化対策が進む中で、その必要性がより増してきております。昨日、村岡議員からも警察庁の不法投棄検挙件数は年々増加しているとの発言がありましたが、県下の不法投棄の状況について、ここ数年の確認件数と廃棄物の内容など、どのような傾向にあるのですか。
 一九九五年に和歌山県産業廃棄物処理防止連絡協議会が組織され、各市町村も参加して環境月間パトロールが実施されております。しかし、この月間パトロールで各市町村が実施結果報告書を提出しても、県は提出させるだけに終わっているとの指摘があります。当然、報告に基づいて不適切処理には敏速かつ適切な指導が行われていると思いますが、最近の不適切処理の件数と解決件数をお教えください。また、その指導内容は市町村に知らせているのでしょうか。
 不法投棄や産廃問題を抱える新宮地域においても、一九九六年に新宮周辺地域産業廃棄物適正処理連絡会議が、新宮保健所管内における関係行政機関が緊密に連携し産業廃棄物の適正処理に関する諸施策を効果的に推進するとともに、産業廃棄物の不適正処理に対する迅速かつ的確な対応を行うことにより生活環境の保全と公衆衛生の向上に資することを目的として発足いたしました。しかし、その後、九七年五月に会議を開催しただけで、会議開催の強い要望にもかかわらず開催されていません。なぜですか。
 また、タイヤの不法投棄(埋め立て)など、国道百六十八号線の熊野川沿いの不法投棄がありますが、なかなか解決されません。どのような指導を行っているのですか。
 廃棄物不法投棄処理特別監視として休日、夜間などのパトロールを警備保障などの民間に委託して実施しておりますが、通常の監視体制はどのような体制と内容で行われていますか。
 新宮市松山の産業廃棄物処理場について、お尋ねをいたします。
 これまでに二回の質問を行ってまいりましたが、これは現在、第一種中高層住宅専用地域で建設業者が自社処理を行っており、新たに中間処理業の申請をしたことから、自社処理だけでも騒音や煙などで迷惑をしているのに、中間処理場が許可されたら一層生活環境が破壊されると、住民は反対をしています。県は新宮市に産業廃棄物処理許可申請に係る意見書の提出を求め、市は昨年十月十五日に保健所に提出しました。しかし、県は市に意見書の再提出を求め、市はそれに応じて二月二十八日に、第一種中高層住宅専用地域は中高層住宅に係る良好な住宅の環境を保護するために定めた地域である、今回の申請はクラッシャープラントであり、現在の申請においては第一種中高層住宅専用地域の良好な住居の環境を保てるとは認めがたいので、市としては当地域での業の申請は不適当と考えるとの意見書を提出しております。また、ことしの一月十四日には地元住民が県庁を訪れ、知事あての陳情書と一万千八百人の反対署名を提出いたしました。
 こうした新宮市の意見書、そして住民の陳情と反対署名の重みを感じるならば、時間的経過からも速やかに申請に不許可の判断を下すことは当然だと思いますが、いかがでしょうか。
 また、意見書にもあるように、自社処分についても廃棄物の処理及び清掃に関する法律やダイオキシン類対策特別措置法などを厳守して運営することを厳しく指導することは当然だと思いますが、どのように対応されますか、以上についてまとめてお答えください。
 第三項の和歌山県警についてですが、警官の不祥事問題についてお尋ねを申し上げます。
 残念ながら近年、現職警官の不祥事が相次いでおり、神奈川県警、新潟県警へと広がり、ついには最高責任者である警察庁長官が処分されるという事態に至り、国家公安委員会のあり方や警察法改正の議論に発展をしてきております。
 私どものもとにも、県民の皆さんから、和歌山県警は大丈夫かとか、もう警察に自浄能力がないのではないか、警察官まで信用できない世の中だ、何とかしてくれ、子供のころは悪いことをすると巡査を呼ぶぞとしかられたが、今は全く効き目がないという声がある一方、まじめに頑張っている警察官がかわいそうだ、などの声が寄せられております。
 警察は、公共の安全と秩序の維持に重要な役割が期待されております。今渦巻く警察への不信は、期待が裏切られ続けていることへの反動となってあらわれているのではないでしょうか。
 さて、和歌山県においても、昨年末以降、不法残留タイ人女性と巡査部長の交際問題や情報漏洩事件、爆弾予告事件、最近では橋本のロッカー廃棄問題など、幾つかの不祥事がありました。
 まず最初に、こうした現職警察官の不祥事の再発防止についての見解をお尋ねいたします。
 そして、この二月十六日、近畿管区による和歌山県警の特別監察がどのように実施されたのか、報告をお願いいたします。
 神奈川県では、県警の不祥事事件を教訓として、警察行政の透明性を高めるために、二月議会に県警本部長及び公安委員会を対象に加える情報公開条例案が提案されております。本県でも警察及び公安委員会を情報公開条例の実施機関に加えるべきではないかと考えますが、本部長の見解を伺います。
 次に、警察の市町村への出向についてお尋ねいたします。
 県警から市町村への職員派遣、出向については、一九九二年から実施されていると思いますが、受け入れ側の幾つかの自治体では反対の声や疑問視する議論があります。議会の中でも、職員の人事配置や定数条例との関係、首長と警察本部長との協定のあり方、そして司法権を持つ警察の自治体への出向は問題ではないか、また職員の給与の自治体負担などについて論議されております。しかも今回から倍増させるとのことでもあり、ある自治体職員からは、県の市町村課は人減らし合理化をやれと言いながら、県警は警察官を押しつけてくる、給料を警察が持つのならいざ知らず、自治体に負担させ、一定の役職につけ、二年たったら引き揚げる、県警の合理化の片棒を担がされているのではないかとの声がありました。
 警察官として専門知識や経験を生かしつつ、地元と警察とのパイプ役になろうということですが、私は、暴力団などに対しては警察の職務、権力が物を言うのであり、交通安全対策などでも警察と自治体などが一緒に協議会など各種団体をつくっており、こうした出向という形ではなく警察官として自治体にいろいろ協力する形が適正だと考えます。なぜ出向が必要なのか、その目的は何なのか、効果があったのか、また現在どのような自治体に出向しているのですか、警察からの押しつけにはなっていませんか、本部長にお尋ねいたします。
 最後に、高田のトンネルの早期完成についてお伺いいたします。
 高田地区への主要道路である県道高田相賀線は、百六十八号線を起点にその整備が進められています。しかし、未改良区間として高田トンネルから大宮橋までの間が道幅が狭い上にカーブも多く、落石などによる危険性が心配されることから、安全な交通の確保が図られることは、地域住民はもとより高田地区を訪れる人々の願いであり、地域を活性化する上でも重要であります。
 県当局は、当区間の改良を図るために高田トンネルの整備に着手され、九九年度は整備計画延長千三百七十メートルのうち二号トンネル二百三十メートルの工事に着手されておりますが、今後の取り組みをお伺いし、同時に早期の完成を強くお願いするものであります。
 以上で、私の第一回目の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの金田眞君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 金田議員にお答えをいたします。
 規制緩和についてのご質問でございますけれども、議員のお話にございましたように、商店街を取り巻く経済環境には大変厳しいものがあると認識をしてございまして、平成九年三月に閣議決定されました規制緩和推進三カ年計画は、二十一世紀に求められる行政の機能を問い直した上で、国民の主体性が生かされる行政を実現するために国において策定されたものでございます。
 この計画は、規制改革委員会の監視結果あるいは内外からの意見、要望を踏まえて平成十一年度内をめどに改定が予定をされてございますが、この計画の推進につきましては、現在国におきましてもいろんな角度からさまざまな議論がなされてございますので、今後はその議論の方向を十分注視してまいりたい、そのように考えてございます。
○議長(下川俊樹君) 商工労働部長上山義彦君。
  〔上山義彦君、登壇〕
○商工労働部長(上山義彦君) 規制緩和についてのうち、大型店の出店から地元商店を守る条例の制定についてお答えします。
 ことし六月から、商業調整を目的とする現行の大店法が廃止され、大型店周辺の生活環境の保持を目的とする大規模小売店舗立地法が施行されることとなっております。この法律においては、大型店出店による交通渋滞や駐車・駐輪場、騒音、廃棄物等の生活環境の保持に係る問題について、市町村や地域住民の意見が出店者との協議を通じて十分反映される仕組みとなっております。また、都市計画法や中心市街地活性化法を活用することにより、大型店を都市機能の一部として、あるいは大型店の立地しない町づくりをするのかなど、市町村が主体性を持ち、みずからの町づくりを推進するものと考えてございます。
 県においては、魅力ある商店街づくりに向け、従来から商店街等からの要望にこたえてハード、ソフト両面からさまざまな施策を実施してきたところでありますが、今後とも市町村と連携しながら各商店街等の実情を十分把握し、商店街のにぎわいの創出に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 金田議員のダイオキシン、ごみ、産業廃棄物対策などのうち、ごみ処理広域化計画のご質問についてお答えいたします。
 まず一点目の、新宮周辺広域ごみ処理対策協議会の要望書についてでございます。
 提出された要望内容につきましては、平成十一年三月に県が策定したごみ処理広域化計画の趣旨を逸脱するものでないこと、及び当地域の市町村の総意であることから、一部見直しの方向で国とも協議を進めてまいりたいと考えてございます。
 二点目の、県のごみ処理広域化計画の手直しについてでございますが、ごみ処理広域化計画そのものも見直しが必要ではとのことにつきましては、各ブロックの進捗状況を見ながら検討してまいりたいと考えてございます。また、その際、ごみ減量に関しても目標量を明確にし、ごみ処理広域化計画に盛り込むべきではないかとのことにつきましては、各ブロックが策定するごみ処理基本計画の中でごみ減量目標を設定するよう、市町村を指導してまいりたいと考えてございます。
 三点目の、新宮市の焼却施設と水道水についてでございますが、県といたしましては、新宮市が実施している生活環境影響調査の結果を待ち、対応してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、焼却炉のダイオキシン対策についてお答えいたします。
 まず一点目の焼却炉の届け出の進捗状況と今後の対応についてでございますが、ダイオキシン類対策特別措置法の施行後、二月末現在で九十三事業所から届け出を受理してございます。今後とも、届け出状況を見ながら、関係団体及び関係業界等を通じて、届け出の必要性等、法の周知を図っていくとともに、該当事業所の把握に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、二点目の公共の検査機関と職員の立ち会いについてでございますが、議員ご指摘のとおり、県内にはダイオキシン類の分析機関がございませんので、事業者からの問い合わせの際、民間分析業者等を紹介しているところでございます。また、公共の検査機関としては衛生公害研究センターがございますが、現在のところ、施設整備及び技術者の育成の観点から検査体制が確立してございません。将来的には、行政検査を主体とした検査体制の整備について検討してまいりたいと考えてございます。
 測定について、年一回、燃やし方によって操作はできるのではないかとのことでございますが、この測定は法に定める自主検査であり、測定に当たっては、焼却炉の通常使用等、実態に即して行うものと理解しております。県といたしましては、事業者が実施した自主測定結果報告を踏まえて随時立入調査を行うとともに、焼却炉の適正な使用について指導に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、三点目の測定費用や施設の改善への補助制度についてでございますが、法に基づく排出基準の遵守については事業者の責務であるとの観点から、事業者が行う測定に要する費用は県の補助制度にはなじまないものと考えてございます。
 なお、施設改善に要する費用は、補助制度ではございませんが、県公害防止施設設備資金特別融資制度等で対応してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、県下の不法投棄の状況についてでございますが、産業廃棄物の不法投棄件数は、平成八年度が十六件、平成九年度が十二件、平成十年度が十九件となってございまして、これらの大半が建設系の廃棄物でございました。また、日常の監視につきましては、保健所及び市町村等、関係機関と連携し、対応しておりますが、さらに休日等の監視強化を図るため、平成十一年十一月から廃棄物不法投棄特別監視事業を実施してございます。
 続きまして、環境月間パトロール実施の報告状況と対応についてのご質問にお答えいたします。
 平成十一年度の実績につきましては、県下で七十六件の不適正処理が報告されてございます。その内訳は、建設系廃棄物の不法投棄が三十件、野焼き行為が二十三件、一般廃棄物の不法投棄が二十三件となってございます。なお、これらのうち四十五件については、指導により適正処理が行われてございます。
 しかし、いまだ解決に至っていない不適正処理につきましては、今後ともより一層市町村及び関係機関との連携を密にし、行為者等に対し強く指導してまいりたいと考えております。
 続きまして、新宮周辺地域産業廃棄物適正処理連絡会議につきましては、平成八年十二月二十日に発足いたしました。諸般の事情により連絡会議の開催はできてございませんが、個別市町村とはその都度協議いたしております。
 議員ご指摘のように、連絡会議の活動は必ずしも活発なものではございませんでした。今後は、廃棄物の不適正処理を防止するため、連絡会議を活発に活用し、不適正処理への迅速な対応を図るよう保健所に指導してまいります。
 続きまして、タイヤの不法投棄など、熊野川沿いの不法投棄についてでございます。
 熊野川沿いの不適正処理につきましては、かねてより行為者に対し、保健所と振興局建設部が共同して、河川敷等に投棄している建設廃材やタイヤ等の適正処理、及び野焼き行為の禁止と燃え殻の適正処理を指導してございますが、議員ご指摘のとおり、一部放置されている状況でございます。今後は、法的措置も念頭に置きまして、さらに強く指導してまいりたいと考えてございます。
 次に、四点目の新宮市松山の産業廃棄物処理場に関するご質問にお答えいたします。
 現在、処分業の許可申請書が保健所に提出され、保健所としては新宮市及び申請者の意見を聞きながら調整してきたところでございますが、近く審査に着手し、知事への陳情と反対署名も参考にいたしながら、新宮市長のご意見を尊重し、総合的に判断してまいる所存でございます。
 なお、自社処分につきましては、廃棄物処理法及びダイオキシン類対策特別措置法に基づき、強く指導してまいる考えでございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 高田トンネルの早期完成の要望について、お答えいたします。
 県道高田相賀線の改良事業につきましては、平成八年度に事業着手し、一部供用をしております。特に交通の難所である現道のトンネル付近は、現道拡幅が困難であることから、二カ所のトンネルを含むバイパス区間として平成十一年度に相賀側のトンネルに着手したところであります。平成十二年度では、引き続きトンネル本体と照明設備、及び取りつけ道路等の工事の促進をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 警察本部長樋口建史君。
  〔樋口建史君、登壇〕
○警察本部長(樋口建史君) 不祥事案でありますが、その絶無を期さなければならないということは、論をまたない当然のことであります。不祥事案がひとたび発生しますと、警察本来の責務である厳正な犯罪の摘発、各種事件・事故の取り締まりといった活動が、ともすれば大変やりづらくなります。また、この不祥事案への対応処理に追われまして、これらの業務が遅滞・停滞するといったことにもなりかねないといった事情がございます。
 我々は、そういったことから、日ごろからこの規律の振粛には真剣に取り組んでいるところであります。具体的には、職員の身上把握を徹底する、そして高い倫理観を全職員に植えつけるということ、さらには各般にわたる警察業務の適正管理を期していくということであります。
 特に、幹部職員に対しましては、多くの部下職員を指揮監督するかなめの立場にあるわけでありまして、その管理能力向上のための教養にも近時は力を入れておるところでございます。
 次に、二月十六日の近畿管区警察局長特別監察についてでございますが、総務部長以下八人の担当者により実施されました。警察本部におきましては、午前十時から午後三時まで、警務部長以下関係幹部十六人が対面をし、所要の説明を行いました。その後、岩出警察署におきまして、午後三時三十分から四時三十分までの間、署長以下同署の幹部が監察を受けたところでございます。
 次に、情報公開条例についてでございますが、これは県警察といたしましても、行政の透明性をいかに確保するか、さらには説明責任の遂行といった観点から、大変重要な条例であると認識してございます。
 しかしながら、警察や公安委員会が実施機関となるかどうかにつきましては、果たして犯罪捜査活動等の警察業務に支障を生じることとならないかどうか、また警察の保有するもろもろの個人情報の保護が十分に図られるかどうか等について、十分な検討が必要だと存じます。さらに、平成十三年四月から施行される情報公開法の運用状況等をも見きわめる必要があろうと考えておるところでございます。
 最後に、警察官の自治体への出向についてでございます。
 今、私どもは幾つもの大きな課題に直面しておるわけでございます。具体的には、悲惨な交通事故から県民のとうとい命を守るためにいかにして県内津々浦々にまで安全な交通環境を整備するのかといったこと、また、いじめや家庭内暴力などの問題を含めて深刻化する少年問題に対していかにしてきめ細かな対策を講じることができるか、また、市民生活だけではなく、近時は行政にまで巧妙に介入して威力をちらつかせながら資金をかすめ取ろうとする暴力団をいかにして排除するか、さらには大勢の高齢者の方々をもろもろの事件・事故からいかにしてお守りするか、こういった重要な課題がございます。
 これらはいずれも、当然のことながら第一義的には警察の責務でありますと同時に、自治体の責務でもあろうと思います。この両者が緊密な連携のもとに、地域社会、地域住民の具体的なニーズに即したきめ細かな施策を講じていくことによらずして本当の解決は難しかろうと思います。
 市や町への出向は平成四年から始めたものでございますけれども、これまでこれらの出向警察官を通じまして、高齢者交通安全大学の実施であるとか、行政に介入し地元企業を恐喝した暴力団事件の掘り起こしであるとか、大きな成果をおさめてきておるところでございます。
 昨年五月の全県市町村長会議におきましては、私から厳しい県下の治安情勢と警察官の出向の意義についてご説明を申し上げましたところ、広くご賛同をいただきました。これまで四市四町九人の出向だったわけでございますけれども、今春からは倍増の予定でございまして、五市十二町十八人となる予定でございます。
 出向警察官は地域社会の幅広い安全対策に非常に重要な任務を担うべきものと考えておりまして、その期待に十分にこたえられるようにということで、経験、力量を考慮の上、適材を人選しておるところでございます。
 以上です。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十四番金田 眞君。
○金田 眞君 どうもご答弁ありがとうございました。
 まず最初に、要望等をさせていただきます。
 規制緩和については、知事から注視したいとの答弁でございましたが、ぜひ規制緩和に苦しむ商店のためにも積極的な取り組みを心からお願いするものでございます。
 警察については、今国の方でも警察のあり方について論議が始まっており、和歌山県でも、県の情報公開制度の実施機関への参加、外部からの知恵や力をかりての提案や第三者機関による外部からの監視制度を確立し、徹底した情報公開による県民に開かれた民主的な警察行政の確立を目指し、県民の信頼を得ることに努力されることを強く願うものであります。
 また、各自治体の人減らし合理化、あるいは職員定数との兼ね合いからも、職員の派遣、出向については疑問があります。出向しなくても警察として自治体に協力できるのではないかという思いは、変わりありません。ないとは思いますが、押しつけというような行動はぜひ慎んでいただきたいと思います。
 高田トンネルについては、二〇〇〇年度で二号トンネルが供用開始されることを期待すると同時に、一号トンネルについて一日も早く着工されることを心からお願いする次第でございます。
 次からは、質問になります。
 まず、県のごみ処理広域化計画の手直しが必要との答弁ですが、急がなければならない課題でもあり、既に検討作業に入っておられるのかどうか、お尋ねいたします。
 次に、小型焼却炉などの届け出も法施行後三十日以内に定められていますが、三カ月近く経過しても全体の届け出件数が九十三事業所とは、余りにもお粗末だと思います。さらに、対象となる焼却炉などの特定施設の総数も把握できていない状況では、特別措置法が泣きます。「県民の友」一月号への告示と関係機関への文書の送付などでは早急に県民に周知徹底できるとは思われませんし、特別対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 焼却炉の測定費用などについて、測定は業者の責務であるから県の補助事業になじまないとのご答弁ですが、県の補助金等交付規則第五条の交付の決定には、法令に違反しないかどうか、目的及び内容が適切かどうかを判断して決定することになっており、環境を守り、不況にあえぐ中小企業の経営を助け、新しい制度の導入に伴う激変緩和措置としても県が補助を行うことは適正な対処だと考えられますが、いかがでしょうか。
 不法投棄について、まことに申しわけありません。私のミスで、皆さん方のお手元にあります発言の項目の中で一カ所訂正をお願いしたいと思います。それは、私の発言のページの下から二行目、「新宮周辺地域産業廃棄物適正処理連絡協議会」とございますが、これは「会議」の誤りです。おわびして、ぜひ訂正していただけるようお願い申し上げます。申しわけございません。
 不法投棄について、多くの産廃の不適切処理問題があるにもかかわらず、新宮周辺連絡会議については三年近くも会議を開催せず、会議の開催にこたえてこなかった責任は重大であります。深く反省されると同時に、急いで会議の開催の要望にこたえていただけるのでしょうか、お尋ねをいたします。
 また、不法投棄の監視ですが、和歌山県でも特別体制が必要だと思います。参考までに、お隣の三重県では、公害パトロール制度があり、現在、県職員五名、警察官五名で五班編成され、一班は県庁に、残り四班は県内を四ブロックに分けて巡回をしております。そのためか、熊野川を挟んで和歌山県側は不法投棄などが多くて見苦しいですが、三重県側はきれいだと思います。こうした体制が和歌山県にもぜひ必要ではありませんか。
 最後に、新宮の産廃問題で大変前向きのご答弁をいただきましてありがとうございました。しかし、総合的に判断するとのご答弁には少し引っかかりますのでお尋ね申し上げますが、新宮市の意見書の、当地域での業の申請は不適当と考えるとの意見を尊重すると理解させていただいてよろしいのでしょうか、お尋ねをいたします。
 これで、私の再質問を終わります。
○議長(下川俊樹君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 金田議員の再質問にお答えしたいと思います。六点ほどあったと思うわけであります。
 ごみ処理の広域化計画が検討作業に入ったかということでありますけれども、この広域化処理計画の認定につきましては、十一年四月一日までに国で認証を受けており、現在、具体的には橋本広域についてはこれから環境影響調査に入ることになっております。その他の──ちょっと具体的には忘れておりますけれども──二、三の広域で、既に基本計画の策定作業には入っております。
 これからも事業実施についていろんな問題があると思いますけれども、その広域内で事業が円滑に進むよう今全力で取り組んでおりますし、また県からも指導いたしているところであります。
 二点目の、ダイオキシン類の特別措置法による特定施設としての届け出であります。その数がこれでよいのか、また今後もっと啓発しなければならないのではないかという質問であったかと思います。
 先ほどもご答弁させていただいたとおり、法施行後、逐次届け出がされておりますけれども、今後とも関係業界あるいは関係団体を通じて法の周知を図るとともに、今、中小企業中央会あるいは病院、医師会等、関係団体に出しておりますので、これから成果が期待できるのではないかと考えております。
 なお、これから一定期間、成果が期待できない場合には、大気汚染防止法等、各種法令に基づく届け出事業所を把握しておりますので、事業者を督励するとか、ちょっと地道でありますけれども、環境パトロール等を行い、事業所に焼却炉施設があるかどうかの確認についてもこれから実施してまいりたいと考えております。これは、ダイオキシンを削減するための法律でありますので、すべて網羅できるよう頑張ってまいりたいと思っております。
 それから、三点目のダイオキシンの測定費用の補助についてであります。
 先ほども申し上げましたとおり、産業廃棄物の責任はやはり事業者責任ということでありまして、事業活動により発生するダイオキシン類による環境への汚染防止に必要な措置を講ずる責務があると思っております。そのため、排出濃度の把握あるいは焼却炉の自主管理の徹底は事業者みずからに行っていただきたいと、私自身そういう考えでございまして、県費による補助制度はなじまないと申し上げたところであります。
 しかしながら、施設改善とか、そういうものにつきましては、やはり産業の育成、また企業の育成という観点から、補助ができるかどうか、関係部局といろいろこれから協議してまいりたいと考えております。
 四点目ですけれども、新宮の連絡協議会が適切に動いていないというご指摘でありました。先ほども申し上げましたとおり、そうであったと思うわけでありますけれども、保健所の方を指導いたしまして、これから円滑に動けるようにしてまいりたいと考えております。
 それから五点目は、パトロールによる指導体制、職員体制の話であったかと思うわけでありますけれども、これは今言いましたとおり、連絡協議会とか市町村あるいは(「「協議会」か「会議」か、どっち。本人は「会議」て訂正してあるんや」と呼ぶ者あり)──連絡会議であります。失礼しました。そうした機関とか、職員の活動によりまして、これからも実施いたしてまいりたいと思っております。
 今、先生から三重県の査察班というお話もございました。そういうことも今後十分参考にさせていただきまして、対処できるようにしてまいりたいと思っております。
 六点目は、新宮の産業廃棄物の許認可の関係であります。先ほど申し上げましたとおり、厳正に対処してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 三十四番金田 眞君。
○金田 眞君 簡単に要望させていただきます。
 ダイオキシンの問題ですけれども、特別措置法の問題について、施行令あるいは規則等の告示の最終が昨年の十二月二十七日ということで、確かにこれは国の責任も大きいと思います。しかし、県として市町村への説明が施行日の二、三日前に説明会をするというようなことでは、余りにも計画性がない、法を守っていくという姿勢に欠けるのではないかと私は思います。こういう姿勢はぜひ改めていただきたいと思いますし、焼却炉の測定に対してのご答弁は満足なものではございません。納得できません。やはり、奨励制度等の創設も含めてぜひ再度お考えいただきますよう要望して、終わります。
 以上です。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で金田眞君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時三十分休憩
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