平成12年2月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(江上柳助議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十三番江上柳助君。
  〔江上柳助君、登壇〕
○江上柳助君 ただいま議長からお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 新たな千年紀を迎えたことしは、二十世紀の総決算と二十一世紀への確かな道筋をつける転換の年であり、県民に希望と勇気を与える県政が要請されている時代変革の大きな節目の年であります。
 ドイツの思想家であり社会学者のマックス・ヴェーバーは、その著「職業としての政治」の中で、「政治家にとって格別に重要な資質は何か。それは情熱と責任感と判断力とであろう。情熱がその責任感と結びついたとき、つまり、仕事に対する責任感が行為の決定的な基準となった場合、そこに正真正銘の政治家が生まれる。その結合が輝きを発するには、政治家の決定的な資質であるところの判断力が働かなければならぬ」とございます。
 どうか、二期目の再選を果たされました西口知事におかれましては、知事の持ち前の情熱と責任感と一身を行政にささげられる中で培われた判断力をもって、二十一世紀へのかけ橋とも言うべき重要なこの時期に、財政状況の大変厳しい折ではありますが、県民生活の向上と県勢発展のために、県民の抱く夢が現実のものとなるような県政の運営を切にお願いする次第であります。
 それでは、最初に橋本市の日本工業所の産業廃棄物処理場問題についてお尋ねいたします。
 県の調査で土壌から一グラム当たり最高の十万ピコグラムの高濃度ダイオキシン類が検出された問題で、西口知事は二月定例会のこの本会議の議場で所信を述べられました。その所信の中で、「このたび、本調査の結果、極めて高い高濃度のダイオキシンが検出されたとの報告を受け、付近住民の皆様の不安はいかほどであろうかと心を痛めているところであります。 私は、その不安を取り除くため最善の努力を尽くす決意をし、早速庁内に日本工業所ダイオキシン問題対策本部を設置して取り組み体制を整えた上、当面の緊急対策として、汚染土壌の飛散防止等の措置を講じたほか、風評被害の発生防止の観点も踏まえ、市脇川の水質調査を初めとする周辺の一般環境への影響調査にも着手したところであります。また、付近住民の皆様の健康診断、健康相談も早急に実施してまいります」とし、さらに、汚染土壌の撤去等を進めていくための調査への着手や、焼却施設の撤去などを業者に求める措置命令を出し、業者が従わない場合は行政代執行も辞さない考えであると、日本工業所のダイオキシン問題に取り組む並々ならぬ決意を表明されました。そして、三月二日、現地を訪れ、焼却炉や土壌を視察されました。
 高瀬副知事を本部長とする日本工業所ダイオキシン問題対策本部の設置、さらには、大井生活文化部長を初め、多くの皆様がその対応に当たられております。知事及び皆様の対応に心から敬意を表するものであります。
 昨年の夏に開催されました南紀熊野体験博は、壮大な和歌山の多彩な文化とそれをはぐくんできたすばらしい大自然を舞台にし、人々の心をいやし、満たし、蘇らせるをテーマとした博覧会でありました。知事は「癒し」という言葉で、一九九九年日本新語・流行語大賞を受賞されました。日本工業所のダイオキシン対策で、本県はいやしを代表する県として、いやしの県にふさわしい対応が強く望まれているところであり、またその取り組みに注目が寄せられているところであります。
 地域環境を守り、住民の不安を取り除くため、ダイオキシン汚染対策にどこまで取り組むお考えか、また事業者の責任をどのように求めていくお考えか、今回のようなダイオキシン汚染対策での国、県、市の役割をあわせてお聞かせください。
 新聞報道によりますと、一九九七年夏から翌年春にかけて、橋本市の産業廃棄物処理場内の産廃の一部を撤去した際、その半分に当たる約一万立方メートル余りを粉河町内の産廃最終処分場に持ち込んだとされておりますが、粉河町内の産廃最終処分場でのダイオキシン汚染の心配はないのかどうか、明確にお答えください。
 次に、仮称・和歌山工科大学の新設について質問をさせていただきます。
 私は、昨年の六月定例議会の本会議、この議場で、かつて紀州藩時代に藩主・吉宗が全国で初めて藩立学校を置き、その時代「紀州の学問は諸国一」と言わしめ、学問の奨励によって産業の振興に大きく寄与してきたことを取り上げました。優秀な人材の育成や若者の定着を図るための教育の振興は、本県の歴史的な過程の中で大きな役割を果たしてきたという認識を持っております。
 教育、学問は人づくり、地域づくり、国づくりの基本であり、未来への先行投資でもあります。また、個人が豊かで質の高い社会生活を営むための基礎的要素でもあります。教育の充実に真剣に取り組む国は、紀州藩時代の文教の隆盛がそうであったように、必ず発展と繁栄の時代を迎えています。教育の積み重ね、充実によって、人材という知的資源をふやし、生かしていくことが本県のさらなる発展と繁栄につながると思うわけであります。
 時あたかも、本年一月、小渕首相は施政方針演説で、我が国の二十一世紀の国家像として教育立国と科学技術創造立国を挙げております。小渕首相は演説の中で、教育立国については「輝ける未来を築くために最も重要なことは、いかにして人材を育てるかであります」とし、科学技術創造立国については、「我が国の発展の原動力となるものは科学技術であります。科学技術の進歩こそ、創造性の高い社会を築くために不可欠なものであります。政府一丸となってその振興を図ってまいります」と述べております。
 昨年の十二月、旧南紀白浜空港跡地を利用した大学の設置を検討してきた航空工学系大学基本計画検討委員会は、西口知事に報告書を提出しました。これを受けまして知事は、本年二月四日、和歌山工科大学──仮称でございますが──計画について事業化を進めることを決断されました。
 計画案では、名称は和歌山工科大学とし、航空機の開発・研究技術などを学ぶ航空機工学コースと運航管理などを学ぶ日本初の航空運用システムコースを設ける、大学設立方式は公設私学法人方式で、県が準備財団を設立して開設経費百四十六億円を寄附、財団が学校法人を設立して大学を運営する、また、地域経済波及効果は大学建設時に約二百二十億円、開設後も二十九億円の経済波及効果が見込まれるとしています。
 しかしながら、本県の財政が厳しい状況の中、工科大学構想実現に慎重論もありますが、どのように県民の理解と協力を得られようとされるのか。工科大学設置の趣旨と必要性、大学の特色とあわせて知事のお考えをお聞かせください。
 次に、大学開設経費百四十四億円でございますが──これは当初、百四十六億円でしたが、財政当局の見直しで百四十四億となったわけでございます──この県財政への影響についてであります。
 本県の財政は、バブル崩壊後の長期不況で県税収入が大幅に落ち込み、県立医大の新築移転など大規模プロジェクトや数次にわたる経済対策の実施に伴い大量に発行された県債の償還が本格化している時期でもあります。これらの状況に対応するために財源不足額を基金の取り崩しで補てんしてきた結果、基金残高が急激に減少してきたこと等から、大変厳しい状況であります。そして、平成十二年度から行革大綱の最終年度である平成十五年までの四年間を財政健全化期間と位置づけ、収支不均衡の解消に積極的に取り組んでいるときであります。大学建設を優先させる余り他の事業にしわ寄せは来ないのか、人件費、公共事業の削減や補助金のカット、福祉・環境予算など心配はないのか、財政当局にお尋ねいたします。
 次に、大学運営と工科大学の学生の確保についてであります。
 航空工学系学科志願状況を見ますと、入学定員は名古屋大学で百八十人、東京科学技術大学で四十五人、大阪府立大学で三十人、東海大学で八十人、日本大学で百二十人、日本文理大学で六十人、合計で五百十五人で、競争倍率も平均で十四・六倍と高いわけでありますが、これは入学定員が少ない関係で競争倍率が高くなっていると思われます。果たして、和歌山工科大学で二百三十人の定員を設定して、少子化の傾向で学生数が減る中、一方で若者の都会志向という状況の中で学生が集まるのかどうか、甚だ疑問であります。航空工学系大学基本計画検討委員会の会議録を見ましても、「要するに、航空工学を学べるような能力の学生はそんなにいないんですよ。それで、新たにここへ二百三十人の定員を設定して本当に集まるのかしらと実は心配しながら聞いていたんですが、それはどんな感じなんでしょうか」との厳しい指摘、質問が検討委員会のメンバーからも出されております。
 以上のことから、企画部長にお尋ねいたします。
 第一点は、当初の計画の段階では二百人であった定員をなぜ二百三十人と増員されたのか。また学生の確保は本当に大丈夫なのか。
 第二点は、県内の入学者をどのくらい見込み、県内及び県外指定校推薦入学の割合をどのようにされるのか。
 第三点は、入学金、授業料は幾らで、どのような就学支援があるのか。
 第四点は、大学開設後の大学運営についてであります。少子化の影響で経営が傾いたら補助するのか、大学経営が赤字になったら公費で補てんするのかという問題であります。赤字補てんのための財政支援は、いかなる名目を問わず避けるべきだと考えます。独立採算で運営する体制をどのように考えているのか。
 以上、四点についてお答えください。
 次に、工科大学卒業者の就職についてであります。就職の問題は入学志願者との関係で重要であります。
 平成十一年三月、航空関係学科卒業・修了者の就職状況調査によりますと、大学卒業者の三八%、約四割が大学院に進んでおります。この数字は国公立、私立も含むものでありますが、私立だけを見ましても一一%、しかも二七・七%が就職未定となっています。合計しますと三八・七%、すなわち約四割の卒業者が大学院に進学するか就職が決まらない、こういう状況であります。
 また、本県で実施された和歌山県外企業アンケートの新大学の設置に対する意見要望によりますと、採用については、企業として実績のない大学から採用は難しいとの極めて厳しい回答が出されております。航空工学系大学基本計画検討委員会の議事録を見ましても、「和歌山大学システム工学部は、ことしの最初の就職で県内からの求人は非常に少なかった。学生さんも余り行きたがらないし、県内で見つけるのは非常に厳しかった。工科大学の学生さんが就職戦線で戦うときは、一般の機械のエンジニアと競争するという形になると思う。航空のスペシャリティーというものは県内企業ではほとんど役に立たない。県外でもかなり厳しいだろうという感じがいたします」との指摘が検討委員会のメンバーから出されております。
 工科大学卒業者の就職について県当局はどのように考えておられるのか、お答えください。
 次に、工科大学新設について最後の質問を、教育委員会との関係でお尋ねいたします。
 工科大学の設置について、私は教育委員会の対応が少し遅過ぎるのではないかと思っております。昨年三月、旧南紀白浜空港跡地への高等教育機関等の整備に関する基本的な考え方もまとめられております。本県には、高等教育機関である四年制の大学は国立和歌山大学と県立医科大学、高野山大学の三校と近畿大学生物理工学部の一学部と、極めて少ない状況にあり、そのためか、高校卒業生の県外流出を招く結果となり、県外大学への進学者は全国ワースト一位であります。航空工学系大学基本計画の検討が県企画部でなされているならば、和歌山県内から一人でも多くの優秀な学生を県が設置する工科大学に送り込むという意気込みがあってしかるべきだと私は思います。しかも、工科大学は平成十五年春の開学となっておりますので、最初の入学者は平成十二年度、本年四月からの三カ年の高等学校教育で対応しなければなりません。特に、和歌山工業、紀北工業、御坊商工、田辺工業などの工業系高等学校で、総合学科への対応を初め、工科系大学で絶対必要とされる英語や物理、数学などに比重を置いたカリキュラムを組んだ教育を考えなければなりません。普通科高等学校においても同じであります。そうしなければ、工業系高等学校からの工科大学への進学の機会を閉ざすことにもなりかねず、また、せっかくの県内指定校推薦枠によって工科大学のレベル低下につながるおそれがあります。
 県教育委員会は、工科大学の設置構想に対して今までどのような準備をし、平成十二年度からの取り組みとして新年度予算に反映されたのか、また今後どのように取り組むお考えか、お聞かせください。
 以上が、工科大学の新設についての質問であります。明快なご答弁をお願いいたします。
 次に、河川環境の整備と保全についてお尋ねいたします。
 「川が文明をつくり、文明が川を壊す」との言葉があります。人類は川の水によって田畑を耕し、作物を実らせ、産業を復興させ、営々と文明を築いてきました。古来、人の流れは絶えず水の流れとの戦いでありました。人が定住し生活を営むことは自然との戦いであり、特に川との戦いは熾烈なものがあったようで、「水を治める者は天下を治める」とのことわざが如実にこのことを物語っております。
 一九七〇年代の高度経済成長期における都市化の進展は、川の水の流れを大きく変えました。雨水が浸透していた田畑や森林は、雨水が浸透しない住宅、工場、道路へと変貌し、不浸透域の増加は洪水時の川の流量を増大させました。洪水を防ぐために川は深く掘り下げられ、高い堤防が築かれたため、人と川とのつき合いは疎遠となりました。また、次々に生まれた工業地帯が安定した大量の水と電力を必要としたため、全国各地で多目的ダムが建設されました。その結果、ダムの下流には水の流れていない区間、魚が遡上できない区間があらわれました。さらには、生活雑排水などによる水質の悪化、ごみの不法投棄なども加わって、河川環境は著しく悪化したのであります。
 このようなことが重なって、川は水を流すだけの水路となり、もともと川が持っていた生物をはぐくむ潤いのある自然環境は消滅し、情緒のない川の景観へと変貌し、川の魅力は失われてきたのであります。高度成長によって産業、工業が発達し、世界に類を見ないほど急速なテンポで私たちの生活水準は向上し、洪水による大水害や深刻な水不足も少なくなりましたが、周りを見る余裕ができたとき、「文明が川を壊す」との言葉のとおり、初めて私たちは川がこうむった代償の大きさに気づいたのであります。
 私たちは今こそ、大切な水を与えるだけでなく、大自然のバロメーターであり、環境に潤いを与え、生態系に不可欠な生息空間を提供している河川を保全するだけでなく、積極的にその復元に努めるときであります。近年、河川が本来持っている生物の良好な生育環境を保全し、美しい景観を創出するための多自然型川づくりや魚に優しい川づくりが進められているところであります。
 建設省では、平成九年五月二十八日、百年間使ってきた河川法に初めて「河川環境の整備と保全」というキーワードを挿入し、大改定をしました。この河川法の改正を県としてどのように受けとめ、河川行政において河川環境の整備と保全に取り組んでおられるのか、また、今後限られた予算の中で河川環境の整備と保全のための予算配分をどのようにされるお考えか、お聞かせください。
 次に、具体的な河川浄化についてお尋ねいたします。
 本県の平成十一年版「環境白書」によりますと、河川の有機汚濁の代表指標でありますBODについて、環境基準を超えている河川は、紀の川の藤崎井堰、船戸、それから南部川の古川橋、新宮川──現在は熊野川でございますが──の四滝、及び和歌山市の土入川河合橋の付近、大門川、有本川、和田川であります。
 BODというのは生物化学的酸素要求量で、水中の汚染物質を微生物が分解する際に必要とする酸素量のことで、この数値が大きくなればその河川などの水中には汚染物質、有機物が多く、水質が汚濁していることを意味します。
 私は、七つの河川のうち、新宮川以外の六河川をこの目で見てまいりました。共通して言えることは、ごみと汚濁でとても魚がすめる状況ではないということであります。
 知事はお忙しいですから、見に行かれる機会もないと思いますので、私、写真を撮ってきました。ご参考までにちょっと見ていただきたいと思います。
 河川の改修、浄化は、そのほとんどが県の管理河川でありますから、県の事業であります。和歌川は、県が河川の改修に取り組むとともに、下水道の整備や工場からの排出規制によって、まだまだ十分とは言えませんが、かなり浄化され、魚がすめる状況になってきております。この点は評価させていただきます。
 私は、市議会議員のときは環境対策特別委員会に所属をしておりまして、何回か和歌山市の内川であります大門川、有本川、和田川や土入川などの河川の浄化について議論をしましたが、河川管理者は県でありますので、市当局は「県に要望いたします」で終わっておりました。
 私の家は、土入川の前であります。朝夕眺めておりますと、干潮のときは水が引いて真っ黒のヘドロやごみが見えます。そこにシラサギやユリカモメがやって来ます。白と黒いヘドロのコントラストが痛ましい限りであります。また、夏にはヘドロの悪臭が立ち込めてきます。本格的に河川を浄化しようと思えば、最終的には公共下水道の完備にまつしかないと思うわけでありますが、それまでには何十年という歳月がかかります。県において一日も早く環境基準を超えている七河川の水質汚濁の原因を究明するとともに、浄化を初めとする河川環境の整備と保全に積極的に取り組むべきだと考えますが、ご見解を承りたいと思います。
 次に、梅酢廃液処理への行政の対応についてお尋ねいたします。
 自然環境が豊かで梅の産地である南部町を流れる南部川の支川であります古川がなぜ環境基準を超えているのか。私は南部町、南部川村の現地をこの目で見て回りました。
 かつて南部川は、アユがたくさんとれたそうであります。私が現地の釣り道具屋さんに聞きますと、十年ぐらい前まではアユがたくさんとれたということでありました。アユの漁獲量は平成九年で有田川、日高川ともに年間二百トンでありますが、南部川はわずか三トンであります。アユがすめる・すめない環境であることを証明する数値が県の「環境白書」の「生活環境項目」に出ております。それは、BODであります。ちなみに、南部川の支川であります古川は水域類型のBで、BODの基準値は三であります。この数値が大きくなれば水質が汚濁していることを意味します。BODは有田川で〇・六から〇・八、日高川で〇・七から一・七であります。一方、南部川の古川橋地点は五・三で、極めて高い数値を示しております。
 私は、南部町、南部川村で「梅酢を南部川に不法投棄するな」という看板をたくさん見かけました。また、新しい梅加工場は水質汚濁防止法に基づく排出規制のためでしょうか、工場からの廃液は一切出されておりませんでしたが、古い梅加工場からは色のついた廃液が流されておりました。
 本会議において、先輩議員、同僚議員が梅枯れや生育不良対策について議論されておりますが、この点は暴露実験や土壌改良、品種改良を当局は徹底して行い、梅枯れや生育不良の原因を究明し、解決すべきであります。とともに、河川環境を保全し、本県の農産物の主力産品であります七百億円の梅産業を守り、将来、一千億、二千億円産業に育てる観点から、梅酢廃液の処理についても行政の対応が強く望まれているところであり、梅加工農家や梅加工業者が安心して梅づくりに取り組める環境をつくるべきだと考えます。ご見解を承りたいと思います。
 次に、河川の水量確保と水源涵養機能の充実についてであります。
 河川の水量が減少すれば、それだけ水中の汚染物質を希釈する、いわゆる薄める力が低下します。例えば、牛乳のボトル千ミリリットル分のてんぷら油を完全に希釈するためには、ふろおけ二十杯分の水が必要と言われます。米のとぎ汁ですと、十杯から十五杯分の水が必要と言われています。
 本年一月策定にされました県の環境基本計画では、「河川や海岸の自然環境の保全」として、「河川環境を適切に維持するため、河川特性を考慮し必要な河川流量を確保します」とし、「水環境の保全」では、「森林や農地が有する水源かん養機能を維持、向上させ、県土の適切な水循環を確保するため、森林及び農山村地域を適切に保全するとともに、水源林の保育や広葉樹林等の植樹、耕作放棄地の再緑化などの整備・管理を推進します」としています。また、「森林や農地等の保全」として、「広葉樹林等による漁民の森──すなわち漁業環境の保全を目的として漁業者が植栽した落葉広葉樹林──の造成事業等を支援し、海と森との交流を促進します」としております。先月、漁師の皆さんが日高川沿いの美山村にコナラの苗木を植えられました。必要な河川の水量確保にどのように取り組むお考えか、あわせて、森林、農地などの有する水源涵養機能が極めて重要だと思われますので、その取り組みについてお答えください。
 以上が、河川環境の整備と保全についての質問であります。明確なご答弁をお願いいたします。
 最後に、建設副産物いわゆる建設残土の最終処分場の確保についてお尋ねいたします。
 建設現場などで副次的に発生いたしますアスファルト塊、コンクリート塊、土砂などは、廃棄するだけではなくリサイクルを進めることが求められているわけであります。どうしても資源化及び再生資源として利用できないものについては、最終処分場での適正な処理が必要であります。これは、産業廃棄物とはまた違うわけでございます。
 平成八年三月から和歌山市西浜地区及び薬種畑における建設残土の受け入れとあわせ建設廃材の破砕処理を行っておりました公共的関与の最終処分場は、本年一月末をもって終了いたしました。和歌山市雑賀崎埋め立て計画は、外貿機能の拡充、また紀北地域の建設残土の処分場を確保することなどを基本方針としまして、建設残土は平成二十二年度までに三千二百万立米、年平均で二百五十万立米発生するとされております。
 現在、紀北地域での公共的関与の最終処分場はフェニックス処分場になるわけでありますが、フェニックスの受け入れ基準に適合しないものについては一定の中間処理が必要でありますので、中間処理機能の整備が必要であります。結果的に、フェニックスへの建設副産物、いわゆる建設残土の搬出にはコストがかかってしまうわけであります。これらの課題に対処するとともに、建設工事、下水道工事、河川の改修などから発生する建設残土を適正に処理するためには、公共的関与すなわち行政側が関与できる最終処分場が必要であります。
 建設残土の公共的関与の処分場の確保について、県ではいろいろと検討がなされていると聞き及んでおりますが、すぐには確保できないのではと推察いたします。その間、暫定的に公的関与できるストックヤード──いわゆる仮の処分場──を設置するお考えはあるのかどうか、お尋ねいたしまして、私の第一問といたします。ご答弁のほど、よろしくお願いいたします。
○議長(下川俊樹君) ただいまの江上柳助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 江上議員にお答えをいたします。
 まず、日本工業所のダイオキシンの問題についてでございます。
 このダイオキシン汚染対策への取り組みについては、先ほどお話にもございましたが、緊急対策として立入禁止措置、あるいは飛散防止シートの設置、また汚染範囲の実態調査を行ったところでございまして、さらに、早急に健康診断、健康相談等、及び一般環境の調査を行うとともに、現在行ってございます調査の結果によりダイオキシンの濃度分布を把握して必要な土壌対策を実施してまいりたいと考えてございます。
 次に、事業者の責任についてでございます。
 事業者には、廃棄物を適正に処理する責任があります。したがいまして、不適正な処理により生活環境保全上の支障を生じさせた場合には、事業者の責任において必要な措置を講ずべきものでございますので、日本工業所に対しては、焼却施設等の撤去をさせるために措置命令を発することはもとより、強い姿勢で臨んでまいりたいと考えてございます。 
 また、県、国、市の役割につきましては、廃棄物処理法上、県が中心的な役割を担うべきものと規定されてございまして、国は法制度の整備と地方公共団体に対する指導、市は県の施策に協力するべきと定められておるわけでございます。したがいまして、このたびの高濃度ダイオキシン対策は県において取り組まなければなりませんが、ダイオキシン対策は技術的にも極めて新しい分野であり、また財政的にも多額の経費が見込まれますので、国に対しても支援を求めると同時に、市民に直結する住民の健康や福祉対策などにつきましては橋本市にも協力を求めてまいりたいと考えてございます。
 次に、和歌山工科大学についてのご質問でございます。
 本計画は二十一世紀における本県の発展の礎となる重要な意味を持つプロジェクトでございまして、厳しい財政状況のもとにあっても、なお県勢活性化のために推進すべき事業であると考えてございます。このため、今後、行政、教育、産業など各界の関係団体や関係機関と連携をしながら、組織づくりや説明会の開催などを行い、本計画に対する県民の皆様のご理解を得るとともに、ご意見を反映させてまいりたいと考えてございます。
 航空機を活用した実践的な教育研究の実施、あるいは我が国では初めての航空運用システムコースの開設、欧米型の斬新な運営組織や運営方法の導入などにより極めてユニークな特色を持った大学づくりを進めることとしてございまして、世界に誇り得る科学技術の研究開発拠点となるよう、計画の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、河川環境の問題でございますが、先ほどは、古川を初め多くの河川の状況を写真で拝見をいたしまして、ありがとうございました。
 平成九年の河川法改正につきましては河川環境の整備と保全を実現していく上で大変時宜を得たものと認識をしてございまして、今後、和歌山にふさわしい河川環境を整備・保全していくために、河川改修に当たり和歌山流の多自然型川づくりの技術を確立いたしまして、人とともに生き物にも快適な川づくりを進めてまいりたいと考えてございます。厳しい財政状況下ではありますが、必要な予算措置についても十分検討してまいりたいと考えてございます。
 詳細につきましては、担当部長からお答えをいたします。
 以上であります。
○議長(下川俊樹君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 江上議員の、日本工業所のダイオキシン問題に関する産廃の最終処分場でのダイオキシン汚染についてお答えいたします。
 日本工業所に野積みしていた廃棄物は、平成九年に地域環境課長、社団法人和歌山県産業廃棄物協会及び株式会社日本工業所の三者の覚書に基づきまして搬出したものでございます。
 搬出後の処分先につきましては、現在まで具体的な搬出先は明らかにできない旨お答えしてまいりましたが、粉河町の許可処分場に搬入したことを申し上げます。この対応につきましては、私が粉河町に参りまして今日までの経過を説明し、ご理解を賜りたいと考えてございます。
 なお、この廃棄物は焼却前のものであり、ダイオキシン汚染の原因となる燃え殻やばいじんが含まれていないことは搬出時に確認いたしてございます。なお、県では、県内の産業廃棄物処分場について定期的に重金属等の水質検査を行っており、この処分場につきましても水質検査を行っておりますが、これまで異常のないことを確認いたしております。また、日本工業所が堺市内の自社用地に橋本市から搬入した廃棄物のダイオキシン濃度を堺市が測定した結果では、二百六十ピコグラムでありました。
 今後は、重金属調査に加えまして、ダイオキシン類の調査も実施し、環境監視を継続してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、三番目の質問の河川環境の整備と保全のうち、環境基準を超えている七河川の原因究明と対策についてお答えいたします。
 BODが環境基準値を超えている河川のうち、土入川の上流部、大門川、有本川及び和田川の四河川については和歌山市が測定しておりまして、また紀の川は建設省近畿地方建設局が測定し、新宮川の支川である北山川は三重県が測定しております。和歌山県が測定しているのは、南部川の支川である古川であります。
 この古川につきましては、現在、汚濁原因を把握すべく調査を行っているところでございます。また、他の六河川につきましては、それぞれの測定機関と連絡を密にし、原因の究明に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) 和歌山工科大学建設に伴う県財政への影響につきまして、江上議員にお答えいたします。
 本県の財政状況は厳しく、ここ数年は歳出規模の抑制が避けがたいところでございます。聖域のない事務事業の見直しに取り組んでいく考えでございますが、他方で厳しい優先順位づけに基づいて限られた財源を重点的に配分し、県勢発展の基盤を築いていくことも重要であると考えてございます。
 和歌山工科大学の新設に係る総事業費は約百四十四億円になると見込んでおりますが、本大学は二十一世紀における発展の礎となる人づくりと産業の活性化に極めて大きな意味を持つものでございまして、長期的な視点から事業化を図ったものでございます。
 いずれにいたしましても、極めて厳しい財政状況の中でのビッグプロジェクトの実施でございますので、県民の皆様のご理解をいただきながらその推進に努めていくことが重要であると考えてございます。
○議長(下川俊樹君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 和歌山工科大学についてのご質問にお答えいたします。
 まず入学定員につきましては、独立採算が可能かどうかの検討を行い、入学定員数が百六十名以上であれば自立的経営が可能であるとの結論を得ました。さらに、入学定員数に伴って段階的に増収する収支についての試算を行い、学生数ができるだけ少なく、同時に最も採算性の高い入学定員数を検討した結果、入学定員を二百三十名としたものでございます。
 次に、学生の確保につきましては、競合する大学が少なく、進学を希望する者が極めて多いなど、他の学部学科に比べて優位でありますが、今後、さまざまな工夫、努力を行い、学生の確保に努めていく必要があると考えています。また、県内外の高校からの推薦入学枠につきましては、最大で入学定員の四割程度としたいと考えております。
 なお、一般、推薦を合わせての県内からの入学者の割合につきましては、県内の高等学校など教育関係機関と十分な協議、協力を行いまして、今後、具体的な目標数値を定めるなど、できる限り多くの方が入学できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、計画上、学生納付金につきましては、全国の類似規模の工学系私立大学の平成十一年度の平均値を参考にしまして、入学金は二十八万円、授業料は九十二万円と設定しております。今後、国立大学の独立法人化により国公立大学と私立大学との教育費の格差はかなり縮小するものと見込まれますが、学生の就学を支援するため、大学独自の奨学金制度の創設を行う予定です。
 次に、大学の経常的収支が赤字になった場合の県の対応につきましては、法制度上県に助成義務はなく、また大学の自立的経営を確立するためにも、運営収支の赤字補てんを目的とする財政的支援は行うべきではないと考えております。
 次に、卒業者の就職の見通しについてでございます。
 ご質問にございましたように、航空工学系学科の学部卒業者の就職、進学の状況を見ますと、大学院への進学率が極めて高くなっております。特に国公立大学では大学院修士課程を修了後、就職する学生が大半です。このため、大学院の開設は今回の計画におきましても必要不可欠であろうと考えております。このため、学校法人設立後、当該法人において早急に大学院の開設に向けての取り組みを進めることが重要だと考えております。
 また、航空宇宙産業、自動車工業などの機械産業、電気機器産業、情報産業等への厳しい就職戦線に本大学が新たに参入していくことになるわけですから、企業との緊密な信頼関係を築くため、企業からの教職員や役員の確保、共同研究などの産学交流事業の具体化などの企業との関係づくり、ネットワークづくりに今後準備財団の段階から大学が全力で取り組んでいかなければならないと考えてございます。
 また、県内の企業への就職につきましては、機械金属や材料加工などの分野への就職が期待できるものと考えておりますが、やはり企業との有機的な信頼関係づくりがその前提となります。今後、長期的な視点から、県内企業との交流連携事業の具体化やその推進に大学が努力していくことが必要であると考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) まず、河川環境の整備と保全についてお答えいたします。
 河川環境の整備と保全における本県河川行政の取り組みについてでございますが、これまで、護岸を石積みとしたり植生が可能なものとするほか、浄化用水の導入による水質の改善などの措置を講じてまいりました。さらに、これまでの取り組みを一層確実なものとするため、県内八つのモデル河川において和歌山流多自然型川づくりの技術の確立を目指した取り組みを開始したところでございます。今後は、この取り組みをさらに展開することにより他河川への応用も検討し、広く一般化していく予定でございます。
 次に、河川浄化等に対する取り組みでございます。
 一般に、河川の水質汚濁には生活排水等の流入、川底の泥からの汚濁物質の溶出など、さまざまな原因が考えられますが、河川ごとに主たる原因と流域の特性を十分考慮し、下水道の整備や浄化用水の導入及びヘドロの除去等、個々に実効性のある浄化対策を講じることが重要と認識してございます。
 ご指摘の七河川のうち、有本川については国が建設してきた有本揚排水機場が完成し、本年度末に通水開始する予定と聞いてございます。また土入川、大門川及び和田川については、今後、川底のしゅんせつを行うこととしております。今後とも、実効性があり、事業実施が妥当と思われるものについて対策を講じてまいります。
 次に、河川水量の確保対策でございますが、これまで必要な河川においてはダムを築造し、渇水時にはダムからの必要な水量を放流したり、水量が少なく汚濁の進んだ河川については浄化用水の導入を行い、必要な水量を確保する等の事業を実施してまいりました。今後とも、適切な水量の確保が必要と認められる河川については、その河川の実情に応じ、河川環境に配慮した実効性のある対策を検討してまいります。
 次に、四項目めの公共的関与の建設残土処分場の確保について、ストックヤードの設置でございます。
 紀北地域では、社会資本整備として下水道整備、道路整備などの公共事業や京奈和自動車道、紀の川大堰などの大規模プロジェクトがあり、建設発生土の増加が予想されることから、公的処分場が必要となっています。特に、和歌山市周辺では陸上での公的処分場の確保が難しく、海面処分場が必要となっていますが、すぐに確保するのは困難であります。引き続きその確保に努めてまいりますが、暫定的な措置としまして、建設発生土のリサイクルを進めるためにもストックヤードが必要であり、公的用地等に一時的に仮置きする方法も有効でありますので、候補地を検討してまいりたいと考えています。
 設置の条件といたしましては、周辺の環境に配慮し、振動、騒音等の公害防止対策等、適切な措置を行うとともに周辺住民の理解を得ることが必要であり、今後、関係機関との調整を図りながら取り組みをしてまいりたいと考えています。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 河川環境の整備と保全に関しましてのご質問の二点にお答えをいたします。
 まず、梅酢処理への行政対応についてでございますが、環境問題への意識の高まりの中にありまして、梅加工量の増大に伴い増加する梅酢等の適正処理が強く求められていると考えております。このため県では、梅酢等を適正に処理するよう市町村や農協等を指導し、それぞれの広報紙や地域の農業振興協議会等を通じ啓発に努めてきた結果、農家から排出される梅酢につきましては一次加工した梅干し原料の販売と同時に加工業者に引き取ってもらう形が多くなってきてございます。しかしながら、このような方法での限界もあり、地域ぐるみでのリサイクルが重要となってきております。
 こうした中、一部の加工業者等において梅酢を活用した新商品開発や調味廃液のリサイクル試験などが行われておりますが、現時点では処理コストや販路の確保などの課題があると聞いてございます。一方、昨年十一月から関係部局において、加工業者が増加している状況もあり、衛生管理面や梅酢等の処理方法について実態調査を行っておりまして、本年三月には調査結果がまとまる予定となってございます。
 県といたしましては、こうした調査結果も踏まえながら、関係部局の連携を図り、適正処理の一層の推進に努めるとともに、地域循環を目指した資源リサイクルの実現に向け、地域市町村や関係団体と一体となって取り組みを行ってまいりたいと考えてございます。
 次に、森林、農地の有する水源涵養機能についての取り組みでございます。
 森林の保育、間伐など人工林の適正な整備を進めるとともに、水資源の確保という面から、水源涵養保安林の機能強化に加え、広葉樹林整備特別対策事業やボランティアの方々の参加によるかしの木バンクの森づくりのほか、広葉樹林の造成による漁民の森づくりなど、多様な森林の造成に努めているところでございます。
 また、農地につきましては、農業生産の重要な基盤であることはもちろん、水田のかんがい用水の半分以上が河川に還元されるとともに、農業用として消費された水も地下に浸透し、地下水の涵養に貢献しているところから、農地の保全に努めているところでございます。
 今後とも、農林水産業の振興を基本に、森林、農地の持つ多面的機能の維持、発揮に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 和歌山工科大学の新設と教育委員会の対応についてお答えいたします。
 本県高校生が県外の大学へ進学する割合が高い中、県内での大学の設立、とりわけ工学系の大学の新設は本県教育にとって大いに歓迎すべきものであると受けとめております。
 もとより理数教育の振興は極めて大切であることから、本県ではこれまで理数系の専門学科を八校に設置してまいりました。また、大きな成果を上げている総合学科については、今後、紀南地方を視野に入れて設置を検討してまいりたいと考えております。
 次に、工業高校からの進学につきましては、大学受験に対応できるカリキュラムを工夫するとともに、放課後の補習や個別指導等を行っております。このたびの工科大学設置により工業高校からの進学希望者の増加傾向が一層強くなることが予想されることから、専門学科としての特色を生かしながら、数学、理科、英語等の学習を一層充実させる必要があります。
 こうしたことを踏まえ、今後、理数系及び工業系の学科はもとより、総合学科、普通科等においても教育課程の一層の工夫、改善を進めるとともに、学科の改編についても取り組みを進めてまいります。また、県立学校長会議や進路指導部長会議等において、目的意識の高い生徒が和歌山工科大学への入学を目指すよう、進学指導の一層の充実に努めてまいる所存であります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十三番江上柳助君。
○江上柳助君 ご答弁いただきまして、ありがとうございました。
 まず日本工業所のダイオキシン問題で、今最大の関心事は何かと申しますと、県が日本工業所に対して焼却施設等のダイオキシン汚染原因施設の撤去や悪臭の原因であると特定される廃棄物の撤去の措置命令をいつ出すかということであります。知事は所信の中でも事業者に対し速やかに措置命令を発しますと述べておられますが、いつ措置命令を発するお考えか、この点、生活文化部長にお尋ねいたします。
 それから、粉河町につきましては、住民の皆さんが大変不安に思っていらっしゃいますので、調査していただくというお話でございましたので、どうぞ速やかに調査をしていただきまして、そしてまたその調査の結果を公開していただくということを要望させていただきます。
 それから工科大学ですけれども、ただいまご答弁いただきました。教育委員会の準備が整っていないということは一つ言えると思います。それから、非常に少子化、若者の都会志向で、学生が本当に集まるのかなという問題。それから大学の運営は大丈夫かと、多くの課題がございます。できるものなら開学を一年ずらして、平成十六年開学として全庁的に万全の体制で取り組むべきだと思います。このことが県民の理解と協力を得る一つの道ではないかと私は考えております。
 大学を設置することはいいんです。賛成なんです。その準備が整っていないということで、開学を一年ずらすことについて、本当は答弁いただきたいんですが、これは答弁要りません。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いします。
○議長(下川俊樹君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 措置命令に関してでございますが、一応、三日を予定しておったんですが、本人に手渡す必要もありますから──近々にできると思います。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) 以上で、江上柳助君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午後零時一分休憩
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