令和8年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)
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令和8年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号
議事日程 第3号
令和8年6月17日(水曜日)
午前10時開議
第1 議案第76号から議案第94号まで並びに報第2号及び報第3号(質疑)
第2 一般質問
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会議に付した事件
第1 議案第76号から議案第94号まで並びに報第2号及び報第3号(質疑)
第2 一般質問
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出席議員(41人)
1番 上山寿示
2番 岡本安弘
3番 鈴木德久
4番 玄素彰人
5番 森 礼子
6番 濱口太史
7番 井出益弘
8番 尾崎要二
9番 土井裕美子
10番 山家敏宏
11番 北山慎一
12番 鈴木太雄
13番 岩田弘彦
14番 吉井和視
15番 中村裕一
16番 坂本佳隆
17番 三栖拓也
18番 堀 龍雄
19番 秋月史成
20番 新島 雄
21番 山下直也
22番 高田英亮
23番 川畑哲哉
24番 佐藤武治
25番 谷口和樹
26番 山田正彦
27番 坂本 登
28番 岩永淳志
29番 小川浩樹
30番 中尾友紀
31番 岩井弘次
32番 藤本眞利子
33番 浦口高典
34番 尾﨑太郎
35番 藤山将材
37番 中西 徹
38番 林 隆一
39番 片桐章浩
40番 奥村規子
41番 谷 洋一
42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
36番 欠員
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説明のため出席した者
知事 宮﨑 泉
副知事 友井泰範
理事 北廣理人
知事室長 真田有理
総務部長 山本祥生
危機管理部長 中村吉良
企画部長 北村 香
地域振興部長 赤坂武彦
環境生活部長 湯川 学
共生社会推進部長 杉本吉美
福祉保健部長 𠮷野裕也
商工労働部長 今井善人
農林水産部長 川尾尚史
県土整備部長 小浪尊宏
会計管理者 阪木守彦
教育長 今西宏行
公安委員会委員長 竹山早穗
警察本部長 壱岐恭秀
人事委員会委員長 平田健正
代表監査委員 田嶋久嗣
選挙管理委員会委員長 和歌哲也
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職務のため出席した事務局職員
事務局長 中嶋 宏
次長 岩井紀生
議事課長 岸裏真延
議事課副課長 伊賀顕正
議事課課長補佐兼議事班長
川原清晃
議事課主査 川崎競平
議事課副主査 中川佳美
議事課副主査 長田和直
総務課長 岩谷隆哉
政策調査課長 田中 匠
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午前10時0分開議
○議長(堀 龍雄君) これより本日の会議を開きます。
日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
過日提出のあった議案第78号、議案第79号及び議案第89号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を徴しましたところ、回答があり、配付しておりますので、御了承願います。
次に日程第1、議案第76号から議案第94号まで並びに報第2号及び報第3号を一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。
13番岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕(拍手)
○岩田弘彦君 皆さん、おはようございます。
ただいま議長のお許しをいただきましたので、令和8年6月議会トップバッターとして質問の機会を与えていただきました皆さんに感謝し、質問に入らせていただきます。
初めに、今月3日、本県に上陸した台風第6号は、県内各地に激しい暴風や豪雨をもたらし、道路の陥没や床下浸水などの被害が発生いたしました。被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
また、県当局には、さらなる減災・防災対策の推進をよろしくお願いいたします。
それでは、質問に入らせていただきます。
大項目1番、「強く豊かな和歌山県」の実現に向けた取組についてであります。
(1)地域未来戦略を踏まえた今後の展開についてであります。
国が進める重要施策の一つに、地域未来戦略があります。日本の急速な少子高齢化の進展に的確に対応して、東京圏への人口の過度の集中を是正し、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくためには、全国各地で地方創生に向けた様々な取組が行われてきました。
しかし、人口減少や東京一極集中の流れを変えるまでには至っておりません。
また、地方部のGDPが我が国経済の半分程度を占めており、地方部の経済成長が重要であるにもかかわらず、地方部では、少子高齢化、人口減少が急速に進んでおり、地域経済全体の縮小につながることが懸念されております。
そのため、地域未来戦略を推進し、地方が持つ伸び代を生かすことで、国民の暮らしと安全を守り、地方に活力を取り戻すことを目的とし、これまでの地方創生で進めてきた取組に加えて、世界をリードする成長分野のクラスターや地域発のクラスターを全国各地に形成するとともに、地場産業の付加価値向上や販路開拓を推進し、地方から日本を成長軌道に押し上げていく、できるものから早急に実現するとされております。
ちなみに、自民党地域未来戦略本部の本部長は、自民党和歌山県連会長石田真敏衆議院議員であります。加えて、本県の副知事経験者が総務省事務次官を務めております。まさに今、和歌山県にとって絶好の強い追い風が吹いているのではないでしょうか。
そこで、この絶好の機会を逃すことなく、強く豊かな和歌山県の実現に向けてどのように取り組まれるのか、知事にお伺いいたします。
○議長(堀 龍雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
知事宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 岩田議員におかれましては、議長として1年間、大変御苦労さまでございました。同世代ということで、大変頼りにさせていただいてありがとうございました。
岩田議員の質問にお答えをしたいと思います。
地域未来戦略についてですが、おっしゃったとおり、石田衆議院議員は自民党地域未来戦略本部の本部長ということで、大変また頼りにしているところでもあります。
地方から日本を成長軌道に押し上げるべく、戦略分野における官民投資と合わせたインフラ整備や補助金の優先採択、規制改革など、国の集中的な支援が得られるものと認識しておりまして、地方創生を進める上で重要な契機になるものと受け止めています。
まず、国主導で策定する広域経済圏での戦略産業クラスター計画については、先般、その素案が示されたところであります。
本県といたしましては、脱炭素先進県を目指して、成長分野の産業集積に資するプロジェクト提案の調整を進めており、国と歩調を合わせて、次世代型産業構造への転換を加速させてまいりたいと考えています。
また、県主導で策定する地域発の産業クラスター計画及び地場産業成長プランにつきましては、主要産業のさらなる成長や国内市場の上位シェア獲得などを目指す計画を提案したいと考えております。現在、国における第一弾の取りまとめに向けて、関連事業者や市町村と調整を進めているところであります。
地域未来戦略を追い風として、新たな芽が出るように本県の持つポテンシャルを最大限に引き出し、強く豊かな和歌山の実現に向けて積極的にチャレンジしてまいります。
○議長(堀 龍雄君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 大いに期待しておりますので、知事、よろしくお願いいたします。
先ほどの答弁にもありましたが、(2)番であります。
広域経済圏での戦略産業クラスター形成における本県の役割についてでありますが、地域未来戦略の大きな柱の一つに、日本成長戦略における17の戦略分野に関する検討が主導する形で、大規模投資を中心に形成される広域経済圏での戦略産業クラスターがあります。
国において、全国をブロック分けした重点産業素案が示されており、近畿地域における戦略産業クラスター計画の素案も示されているとお聞きしております。
この素案の報告を受けた高市総理は、縦割りを排し、関係する自治体と緊密に連携を取り、産業クラスターを戦略的に形成していくと強調されまして、意欲ある自治体に対して、政府は支援を惜しまないと述べたと報道されております。どれだけ国を含む大規模投資を和歌山県に引き込めるか、これが重要なポイントではないでしょうか。
そこで、広域経済圏での戦略産業クラスター形成における本県の役割を踏まえ、どのように戦略的に取り組んでいくのか、知事にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 国においては、AI・半導体や航空・宇宙など、17の戦略分野の官民投資を促進し、さらなる経済成長の実現を目指すとともに、新たなGX産業の集積に向けたGX戦略地域の取組が進められております。
本年5月には、全国10ブロックごとの戦略産業クラスター計画の素案が国から示されました。近畿地域においては、宇宙・空モビリティー、GXなどがクラスター形成を期待される分野に位置づけられたところです。
本県には、国内初の民間ロケット発射場、公立高校初の宇宙教育課程、GX戦略地域の有望地域などが存在しています。本県としましても、宇宙、GX分野の集積産業推進や産業人材育成を加速させており、国レベルのクラスター形成に貢献できると考えております。
また、空モビリティーに関しても、本県の持つ観光資源等を生かし、民間事業者によるバーティポート──これは空飛ぶクルマの離発着場のことであります──の誘致や、関西のバーティポートとの広域ルートの構築により、貢献できると考えております。
今後も、国の動きに呼応しながら、宇宙・空モビリティー、GXを初めとする成長産業の集積、脱炭素先進県の実現に向けて、全国に先駆けて全力で取り組んでまいります。
○議長(堀 龍雄君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 全国に先駆けてということで、私、これは大切だと思うんです。やっぱり全国でもトップバッターぐらい思い切ってやっていくというのが重要だと思いますので、知事、よろしくお願いしときます。
1点気になるのが、5月19日の4大紙、どことは言いませんが、重点産業素案の記事が載っているんですが、ここに北海道はロケットと書いてあります。近畿は空飛ぶクルマと。ロケットは和歌山ですから、その辺は絶対に譲ることのないようによろしくお願いいたします。
それでは、(3)の質問に移ります。
脱炭素先進県を目指す本県の取組についてであります。
これについては2月議会で鈴木太雄さんも質問されていたのですが、本年度は宮﨑知事が初当選してから1年が経過し、知事が策定する和歌山県総合計画の初年度であります。
この計画では、2040年に実施したい和歌山の将来像を「人口減少や気候変動に適応した、持続可能で心豊かな和歌山」、そして「個人が尊重され、あらゆる分野で個性輝く和歌山」と表現しました。
これは、劇的に変化する人口動態への対応のみならず、脱炭素、循環型社会への構造転換や、デジタル技術を駆使した時間・空間・規模的な制約を克服し、多様な他者との共創などにより、持続可能でより豊かな社会に移行していくことを表していると思います。
その政策の柱の一つに、脱炭素、自然共生の早期実現を産業の競争力や地域の価値そのものを高める要素と捉え、生活や産業における構造転換を進め、脱炭素先進県を目指すがあります。この方向性は、本県の特性を生かした将来性が高いものと期待しております。
そこで、脱炭素先進県を目指す具体的な取組と、取組を通じてどのような和歌山県にしていきたいのか、知事にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 地球温暖化による様々な変化に対応し、将来にわたり豊かで住みよい和歌山を実現していくことは、私に課せられた大きな使命であります。
また、脱炭素の取組は、地域の魅力を高め、産業の競争力強化や投資を呼び込む上でも必要不可欠と考えております。
例えば、脱炭素先行地域として、本年2月に県内で初めて採択された和歌山市の取組は、地域の課題を解決し、活性化につなげる手段となり得るものです。
産業分野においては、先ほども申し上げましたが、本県の地域特性や地理的条件を生かしたGX関連産業の集積を進めてまいります。
さらに、県有林における森林クレジットの販売を開始し、その収入を森林整備に活用することで、地域産業の競争力の強化を図り、経済の好循環につなげてまいります。
このように、裾野が広い脱炭素の取組を全庁挙げて強力に推進する体制として、わかやま脱炭素社会推進本部を立ち上げたところであります。
今後も、強い決意を持って脱炭素の取組を推し進め、持続可能で心豊かな和歌山を実現してまいります。
○議長(堀 龍雄君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 知事、大いに御期待申し上げますので、よろしくお願いします。
それでは、(4)企業立地の推進(あやの台北部用地)についてであります。
以前より、本県では、次代を担う若者の働く場を確保し、定住を促進するとともに、新たな産業の創出による地域経済の振興を目指し、そして積極的な企業誘致を進めてきております。
日本経済新聞、令和8年1月10日の掲載記事の全国投資誘致力ランキングによると、和歌山県は全国で11位となっております。ちなみに、阪和自動車道でつながる大阪府は全国31位、京奈和自動車道でつながる奈良県は全国33位、京都府は全国32位となっておりました。
本県は、全国最高水準の奨励金制度やサポート体制の充実などにより、大きな成果を上げてきていると思います。
本県とUR都市機構との全国初となる共同開発事業である紀北橋本エコヒルズにおいては、用地が完売状態となりました。にもかかわらず、多くの問合せがあることから、紀北橋本エコヒルズに近接するあやの台北部用地において、県、橋本市、株式会社NANKAIの3者共同で大規模工業用地の開発に着手し、造成工事が完成し、分譲が開始されております。
道路ネットワークについてはさらに向上しているものの、最近の物価上昇、建設費の高騰や社会情勢の不安定感など、それが影響することが懸念されております。
そこで、あやの台北部用地の現状と今後の取組について、商工労働部長にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 商工労働部長今井善人君。
〔今井善人君、登壇〕
○商工労働部長(今井善人君) 県におきましては、新たな産業を創出し、地域経済の振興や雇用の拡大等につなげることを目的として、これまで市町村と共に企業誘致に取り組んでまいりました。
中でも橋本市役所は、企業誘致専門の部署を設置し、積極的に誘致を進められています。
議員御指摘のとおり、あやの台北部用地につきましては、建築費の高騰などを理由に計画を見直す企業も現れておりますが、これまでの積極的な誘致活動により、現在、全15区画のうち10区画において申込みをいただいている状況であり、残りの区画においても引き合いがあるところです。
加えて、京奈和自動車道や府県間道路の整備に伴うアクセスのよさから、この2月には関西一円の各店舗をカバーするコメリ関西流通センターが竣工した事例もあるとおり、あやの台北部用地を含む橋本市を中心とした地域は、関西における物流や製造拠点としての優位性が高い立地環境と認識しております。
県としましては、今年度において、県外企業の進出意向を把握するため、この地域を対象としたニーズ調査を実施しているところであり、引き続き関係市町と連携し、全力を挙げて企業誘致に取り組んでまいります。
○議長(堀 龍雄君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 全力を挙げて取り組むということで、ありがとうございます。
前段の質問は、どちらかと言えば産業クラスター、将来に向けた大きな取組ということですが、これは今までやっぱり着々と和歌山県は積み上げてきて、企業誘致も私は成功していると思いますので、確実に積み上げていく部分と、そして産業クラスターをしっかり狙っていくという部分と両方で頑張っていただけたらと思いますので、新人の部長に大いに期待しておりますので、よろしくお願いします。
次、大項目2、県の発展を支える地域人材の育成・確保についてであります。
(1)地域の発展を支える人材の育成について。
我が国では、2040年には少子高齢化、生産年齢人口の減少、地方の過疎化について、より一層の深刻化が見込まれております。よく言われる2040年問題であります。
国の就業構造の変化の推計によると、生産年齢人口の減少や産業構造の変化により、事務職は余剰が生じる一方で、労働生産性を高めるAI、ロボット等の活用を担う人材などの不足が生じる、いわゆる深刻な労働力需給ギャップや、産業界のニーズに応じた理数系人材の不足が生じる可能性が高く、従来の教育システムのままでは社会の持続可能性を維持することが困難になると予想されています。
このことから、高度な専門知識やデジタル技術を活用しながら、地域社会や産業を支える人材、いわゆるアドバンスト・エッセンシャルワーカー等の育成、また、理数系人材の育成、多彩な学習ニーズに対応した教育機会の確保などが重要と言われております。
また、AIに代替されない、自ら問いを立て、仲間と協働し新たな解を出す力や、文理横断の探求や社会と連携した学びを通じ、一人一人の可能性を最大限に引き出す新しい学びの場をつくり出すことも重要と考えます。
そこで、将来の地域の発展を支える人材の育成について、どのように取り組むのか、教育長にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 教育長今西宏行君。
〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 人口減少や超少子高齢化の加速、デジタル技術の急速な進展など、社会を取り巻く環境は大きく変化しており、今後より一層拡大していくことが見込まれています。
こうした状況を背景に、国は本年2月に高校教育改革に関する基本方針を策定しました。この方針に基づき、産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業として、アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成、理数系人材育成、多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保の三つの類型が設定され、都道府県ごとにそれらの類型の先導拠点をつくり、取組を推進することとなっています。
本県では、アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成については、専門高校と産業界とのつながりを太くし、企業の技術者から実践的な知識や技能を直接学ぶ実習に取り組み、高度技能者を育成します。また、企業の方や地域の小中学生と共に物づくりに夢中になれる学びの場を整備することで、校種を越えてその面白さを共有し、魅力を県全体に発信します。
理数系人材育成については、地域の課題をデータに基づいて分析する探求的な学びを通して、論理的思考力を養います。さらに、理数系のロールモデルに触れることが少ない地方においても、遠隔技術を用いて大学等と接続し、高度な学びに触れることができる環境を整備します。
多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保については、小規模校をつないで相互に遠隔授業ができるようにし、多様な科目を学べる環境を整備します。
これらの取組については、いずれも地域の課題と関わりながら進めていくことで、地域を愛し、その活性化に貢献したいという気持ちを育み、県内の人材育成につなげていきたいと考えています。
なお、先導拠点校の選定については、現在、文部科学省と協議中でありますが、各先導拠点校の取組や成果は、一つの学校にとどめることなく、県内の高校に広く普及させることで、生徒の多様なニーズに応えるとともに、本県の発展を支え、未来を切り開く人材の育成につなげてまいります。
○議長(堀 龍雄君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 私、1年議長させていただいて、来賓出席って結構ありまして、教育長と御一緒に出席させてもらったときに、教育長が熱い思いで挨拶されていた印象がすごくあるので、大いに期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、(2)子育て世代を支える制度や保育人材の確保についてであります。
将来の地域の人材を育成するには、全ての子供について適切な養育や健やかな成長、発達を保障していく取組や、家族支援、地域の子育て支援の取組が重要であります。
今年度から本格的に実施されているこども誰でも通園制度は、保護者が働いていることを原則とする保育所制度に加え、月10時間まで、就労条件を問わず、時間単位で柔軟に利用できるものであります。
令和6年6月議会で、在宅の子育て家庭において、通常の制度や一時預かりとは異なる意義やメリットがあると思い、今年度からの本格実施を見据えて、実施主体である市町村への支援を求め、一般質問をさせていただきました。
そこで、今年度から本格実施されているこども誰でも通園制度の実施状況や、実施する市町村に対する県の支援についてはどうですか。
また、保護者が働いていることを原則とする保育所制度の保育現場からは、保育人材の確保について不安の声をよく聞きます。保育人材がいなければ、保育現場は成り立たないし、将来の地域人材を育てることもできません。
現場を支える保育人材の確保は重要な課題であります。保育人材の確保に対する県の取組も併せて、共生社会推進部長にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 共生社会推進部長杉本吉美君。
〔杉本吉美君、登壇〕
○共生社会推進部長(杉本吉美君) 今年度から全国で本格実施されたこども誰でも通園制度については、県内全市町村計52施設で実施しており、県も事業実施に必要となる経費の一部を負担しております。
事業実施に当たりましては、これまで市町村に対し説明会を開催するなど、円滑な導入に向けた支援を行ってまいりました。今後も事業開始後に生じる課題に対して丁寧に助言を行うなど、市町村に寄り添いながら支援してまいります。
一方で、制度を安定的に運営するためには、保育人材の確保が重要な課題であると認識しております。県では、これまで修学資金の貸付けや潜在保育士の再就職支援など、保育人材の確保に取り組んでまいりました。
本年3月には学校法人和歌山信愛女学院、和歌山県社会福祉協議会及び県内保育関係3団体と連携協定を締結し、関係団体が一丸となって県内の若い世代へアプローチできる体制を整え、「わかやまで保育士になろう」推進事業を立ち上げました。
本事業では、これまでアプローチしてこなかった中高生と現役保育士が交流するミーティング等を通じて、保育の仕事の魅力発信や、県内保育所等への就業促進などの取組を進めてまいります。
また、県外の保育士養成施設に在籍する学生の県内保育所等へのU・Iターン就職を促進するため、5月には和歌山県出身の学生が多い大阪千代田短期大学とも連携協定を締結したところです。
加えて、働きながら資格取得を目指す方など、新たな人材が期待できる地域限定保育士試験を令和9年度から導入する予定であり、今年度は県民に対し、広くその制度について周知してまいります。
このような取組を推進することで、一人でも多くの保育士の確保につなげ、安心して子供を産み育てることができる環境の整備に取り組んでまいります。
○議長(堀 龍雄君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 子供を産み育てやすいまちづくりは重要でございますので、新しい部長に大いに御期待申し上げますので、よろしくお願いします。
大項目3、県内産業の持続的発展に向けた取組について。
(1)中東情勢による県内への影響と対応についてであります。
中東情勢の緊迫化に伴う原油の供給不安は、素材・製造業において重大なリスクとなっており、その他の産業分野にも影響を及ぼしていると認識しております。
例えば、小売業界では、資源供給の混乱が商品供給と価格の両面で影響を及ぼしていると思います。
また、原油の供給不安は、梱包資材やプラスチック製品の価格上昇を招き、最終的には商品の値上げという形で消費者に転嫁されるのではないでしょうか。
先日、アメリカとイランの間で戦闘終結に向けた協議について合意がなされるとの報道がありました。事態の鎮静化へ向けた動きが期待されますが、全国的に様々な影響を及ぼしている状況が続いております。
そこで、本県の影響についてはどうなのか、どのように対応しているのか、知事にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 現在の国際情勢、特に中東情勢の緊迫は、これまでの物価高騰に加えて、原油及び石油製品の調達の不安定化により、さらなる物価の高騰を招き、企業の生産活動はもとより、農林水産、医療・福祉、建築など、あらゆる分野の事業活動に影響を及ぼす状況が続いています。合意はされたようですが、すぐに影響が出るということもなさそうなので、また見極めていきたいと思います。
こうした中、国においては、ホルムズ海峡を通過しない原油の代替調達や流通の目詰まり解消への対応などの取組が進められています。
県としても、出漁制限などの深刻な影響が生じた漁業に関しましては、速やかに燃油を供給するよう国に対して緊急要望を行った結果、燃油が供給され、当面枯渇を回避できる見通しとなりました。
現在、製造業では原材料や包装資材が、建築分野では接着剤や塗料などの資材が入手しづらい状況だと聞いております。知事会等を通じて必要な要望を行ってまいりたいと考えております。
また、これまでも価格高騰に苦しむ幅広い事業者の皆様への支援や金融機関と連携した資金繰り支援を行ってきたところです。さらに、中東情勢に関する融資制度を新たに設けるとともに、今定例会において、今年の夏の電気・ガス料金の高騰対策として、国の支援対象とならないLPガス利用家庭等への支援を行うべく、国からの交付金を活用して、補正予算を追加提案させていただきました。
一日も早く事態が収束されることを期待しつつ、これからも緊張感を持って県民生活や地域経済への影響を注視し、国と情報を共有しながら必要な支援に万全を期してまいります。
○議長(堀 龍雄君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 それでは、次の質問、(2)中小企業に対する支援についてであります。
本県経済を支えている大きな柱は、県内中小企業の皆様と言って過言ではないと考えます。県内中小企業の活性化は、和歌山県を元気にする重要なポイントではないでしょうか。
しかし、中小企業は、今回のような中東情勢をはじめ社会情勢の変化や不安定感などの影響を受けやすいのも事実であります。
そのような中、県内営業者から高い評価をお聞きする、ただいま募集中の頑張る事業者を応援する和歌山県中小企業成長促進事業のスピード感ある補正予算の対応など、知事の思いを感じます。
そこで、改めて中東情勢の影響を受ける県内中小企業者に対する支援について、知事にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 県としましては、中小企業融資制度による資金繰りの支援を行ってきたところでありますが、中東情勢の影響により経営環境が悪化する全ての業種の事業者を対象にした低利な融資制度を新たに創設することとしております。
また、今定例会においてわかやま賃上げ環境整備支援パッケージの一つである中小企業成長促進補助金を増額する補正予算案を計上しているところであります。この厳しい経営環境下にあっても、持続的な賃上げにつながる経営基盤づくりを後押しすることにより、事業者の前向きな取組を一層支援してまいります。
県経済の持続的な発展は、中小企業者の活力と成長があってこそでありまして、引き続き、守りと攻めの両面から支援してまいります。
○議長(堀 龍雄君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 中小企業の今の現在募集中の成長の支援事業なんですが、私は商工会議所の1号議員でもあるのですが、これに応募してくれる人が多くいるというのがうれしいんです。これって厳しい中で、3分の2補助があるとはいえ、3分の1は自分が投資して、なおかつ給料を上げるという条件がついた中で、これはすばらしい頑張ってくれる中小企業者がいるということで、まだ和歌山県は捨てたもんじゃないなと思っております。
今回は、商工会も商工会議所もかなり機能しておりますので、皆さん寄ってたかって応援しているという形なので、これはきっと和歌山の明日をつくると私は思っておりますので、今回補正予算を組んでいただきましたが、それでも足りない場合、まだ募集中だと思いますので、ほかを節約してでもこれは行くべきもの。何でもかんでも予算が予算がと、予算があるから駄目なんですは許されません。将来の芽を摘むことになります、この事業については。その辺は強くお願いを申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
大項目4番、公共施設の老朽化対策についてであります。
(1)安全で効率的な公共施設等の維持管理についてであります。
人口減少、少子高齢化による需要の変化や公共施設等の老朽化の進展により、今後の公共施設等の維持管理については、財政状況も踏まえ、厳しいかじ取りになることが予想されます。
そのような中、先日、包括外部監査結果において、財政状況が厳しい中、公共施設の改修が課題であるなどの御指摘や新聞報道がありました。
この結果を受けて、県民の安全・安心を確保した公共施設の維持管理や今後の老朽化などに対して、県としてどのように考えているのか、知事にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 過去に建設された公共施設等の老朽化に伴う多額の財政需要と人口減少や少子高齢化による需要の変化が見込まれる中、県では、将来にわたって安全で効率的な公共施設等の総合管理を実現するため、令和8年3月に和歌山県公共施設等総合管理計画の改訂を行ったところであります。
同計画に基づき、利用者の安全性の確保を最優先に、公共施設等の老朽化対策を行うとともに、計画的な維持管理、更新等に必要な経費を毎年度予算に計上して、県民が必要とするサービスを安定的に提供できるよう取り組んでおります。
その上で、昨年度の包括外部監査においては、施設の管理運営に係る指摘に加えて、人口減少社会であることを考慮した公共施設の適正規模を検討し、公共施設のスリム化に向けた取組を早急に進める必要があるとの指摘もいただいたところであります。
県としましては、今後の人口減少等を見据え、中長期的な視点から、公共施設等の適正規模を検討する必要があると考えています。
一方で、現在供用している施設につきましては、維持管理等に必要な予算を確実に確保し、引き続き県民の皆様に安全に安心して利用していただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○議長(堀 龍雄君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 知事、答弁ありがとうございました。
これ、知事にとってはちょっと難しいかじ取りというところもあるので、やっぱり施設を今後どうしていくかというのは、統廃合とかいろんなこともあるんであろうし、人口も減っていくしというところなので、難しいかじ取りでありますが、どうか頑張っていただけますようお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(堀 龍雄君) 以上で、岩田弘彦君の質問が終了いたしました。
質疑及び一般質問を続行します。
21番山下直也君。
〔山下直也君、登壇〕(拍手)
○山下直也君 皆さん、おはようございます。
自民党県議団、山下直也でございます。
本日から4日間にわたる一般質問が始まりました。先ほど岩田議員から、脱炭素の取組であったり中東情勢による県内の影響など、時宜に合った質問がございましたが、今回、私からは、最近の和歌山市内の喫緊の課題でありますホテルアバローム紀の国の閉館や南海フェリーの事業撤退、和歌山信愛短期大学の閉校後の施設活用について、また私のライフワークの一つでもあるわけでありますが、がん対策について4点、取上げさせていただきます。
今回は、久々に一括質問方式により質問をさせていただきたいと思います。少し長くなります。お許しをいただきたいと思います。
まず初めに、今月3日、本県に上陸をいたしました台風6号により、古座川町の古座川や那智勝浦町の太田川で川が氾濫したほか、道路の陥没や土砂崩れ、住宅の床下浸水など、被害が発生をいたしました。本県の農林水産業の被害金額は2億4000万を超えるとのことであり、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧を心からお祈りを申し上げます。
それでは、ただいま堀議長のお許しをいただきましたので、通告に従い順次質問をさせていただきます。
昨年6月に宮﨑知事が就任をいたし、はや1年が経過をいたしました。今年度は、新たに策定をいたしました県総合計画の1年目であり、当初予算も6499億円と過去最大規模であります。総合計画で定めた2040年に実現したい和歌山の将来像であります「人口減少や気候変動に適応した、持続可能で心豊かな和歌山」、「個人が尊重され、あらゆる分野で個性輝く和歌山」、この実現に向け、着実に歩みを進めていかなくてはなりません。
先月、総務省が公表いたしました令和7年国勢調査の人口速報集計結果によりますと、昨年10月1日時点の本県の人口は86万4262人となっており、5年前の同調査では92万2584人でありましたので、約6万人近い人口が減少したことになり、減少率も6.32%と年を追うごとに人口減少のスピードは加速していっております。
人口がこれからどんどん減り、地域経済が縮小していく、そういう懸念がある中で、本県にとって今後ますます重要になってくる産業として幾つかあると思いますが、その中の一つが観光業であると考えております。県の総合計画の中でも「産業の創造力と生産性を高める」ことを政策の六つの柱の一つに位置づけており、観光業の目指す姿として、「デジタル技術を活用した経営の高度化・業務効率化に取り組むことで、高付加価値化と生産性向上が実現し、観光業が魅力的な雇用の場」となることが目標として掲げられております。
4月に県が発表した令和7年観光客動態調査の速報値によりますと、同年の県内全体の観光客数は約3392万6000人となり、前年と比べ3.7%の増加、うち外国人宿泊客数は約71万4000人と前年と比べ39.8%増加をしており、過去最高を記録いたしました。人数にして約20万人増えたとのことであります。
主要観光地別で見ますと、観光客数では、和歌山市が652万3000人と最も多く、次いで旧白浜町の309万人、旧串本町の205万9000人と続き、宿泊者数で見ますと、旧白浜町が181万7000人、次いで和歌山市が109万4000人となっております。
昨年は、皆さん方御承知のとおり、大阪・関西万博もありましたが、県の発表によりますと、万博を訪れた人のうち、約228万6000人もの多くの方が本県にもお越しをいただいたとのことであります。万博は、本県の文化や食をはじめ、和歌山の魅力を世界の皆様に発信をし、知っていただく大変重要な機会になったと感じております。
また、県では、さらなる観光客の誘致に向け、今年度から組織を改編し、地域振興部に観光産業共創課を新たに設置をいたし、高級ホテルの誘致などに取り組むとしており、県の観光振興アクションプログラム2026では、宿泊施設の充実なども図り、2024年には2781億円だった県内の旅行消費額を、2030年には2900億円、2040年には3100億円にしていく目標を掲げられております。
昨年12月には、広川町の名南風鼻に株式会社強羅花壇が高級宿泊施設の新設を計画していることが発表されました。また、報道によりますと、白浜町では、三段壁に隣接する町有地に1泊1人20万円くらいの富裕層向けの宿泊施設の開業が内定をしており、和歌山市内におきましても、株式会社丸和様が和歌山城の北側にある旧みずほ銀行和歌山支店ビルを増改築、ラグジュアリーホテルを建設することが決まっているとのことであります。
今、観光地として和歌山県が改めて注目されていることを感じ、これらの動きに大変期待をするわけであります。
しかしながら、そんな中、和歌山市の中心部にありますこのホテルアバローム紀の国が来年3月の末をもって閉館するとの発表が、3月25日、運営する公立学校共済組合和歌山支部からありました。
同ホテルは、昭和30年11月に営業を開始した紀の国荘、昭和45年5月に開業した紀の国会館を前身といたし、平成11年9月に現在の施設に建て替えられ、オープンをいたしました。客室65室のほか、宴会場や結婚式場、会議室などを備えており、私も、皆さん方もそうであると思いますけれども、たくさんの方々が利用しておるわけでありますけども、県当局におきましても、多くの皆さん方が宿泊や会議、イベント等で利用されてきたことと思います。
平成27年に開催された第15回全国障害者スポーツ大会(紀の国わかやま大会)では、皇太子時代の天皇陛下も御宿泊されたことがあるなど、地域を代表する宿泊施設でもありましたので、そのホテルアバローム紀の国が閉館するとの突然の発表に大変驚いたわけであります。
和歌山市の中心部にはホテルグランヴィアやホテルルートイン、ダイワロイネットホテルなど、幾つもの宿泊施設がありますけれども、アバローム紀の国は、和歌山城や県立近代美術館、県立博物館などが徒歩圏内にあり、県庁や県民文化会館にも近く、観光やビジネスの拠点として最適な立地にあります。
近年、和歌山城にも多くの外国人観光客が訪れるようになっておりまして、さらに今年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公である豊臣秀長が築いたお城でもありますので、今後、近隣の宿泊需要が伸びる可能性もあるだけに、閉館は大変残念でなりません。
紀の国荘の時代から数えますと70年以上、あの場所は宿泊施設として利用されてきた歴史があり、地域の方々からは、アバローム閉館後のあのエリアがどのようになっていくのかなということを心配する声もあるわけであります。
そこで、教育長にお尋ねをいたします。
ホテルアバローム紀の国の閉館の理由は何か。また、同ホテルの今後について、施設の所有権は公立学校共済組合本部が持っているため、施設を今後どうするのか等については本部に決定権があるということだと思いますけれども、土地や施設を売却するのであれば、本県の観光振興、地域振興につながる売却となることが望まれます。ホテル閉館後、何にも利用されないまま遊休施設として長期間放置されることも好ましくはありません。
つい先日の6月12日のことでありましたが、共済組合和歌山支部から、ホテルアバローム紀の国の施設売却に係る事業者選定支援業務の公募型プロポーザル実施要項が公表されました。次のホテル事業者を選定するための支援業務とのことであります。
つきましては、県からも共済本部に対し、ホテル事業を継続する事業者へできる限り速やかに売却するよう働きかけなどを行っていただきたいと思いますが、今後の県の対応についてお伺いをいたします。
次、2点目であります。
南海フェリーの事業撤退についてお伺いをいたします。
3月30日、南海電気鉄道株式会社から、子会社である南海フェリー株式会社が運営する和歌山─徳島間のフェリー事業について、令和10年3月末をもって撤退するとの発表がなされました。
南海フェリーは昭和50年の設立で、以来50年間の長きにわたり、本県と徳島県を結ぶ重要な交通機関として、物流や観光などで両県にとって大きな役割を果たしてまいりました。最盛期の平成7年度には、年間のフェリー乗客数が約97万人、トラックにつきましては約10万9000台が利用したとのことであります。
しかしながら、平成10年に明石海峡大橋が開通すると、神戸淡路鳴門自動車道を利用する陸路のルートが主流となり、フェリーの利用者が大幅に減少、昨年度のフェリー乗客数は約36万人、トラックが約2万4000台となり、最盛期と比べますと乗客者数は半分以下、トラックにつきましては4分の1以下まで落ち込んでおります。
また、同社の発表によりますと、コロナ禍の期間中は収入が大幅に減少し、令和3年度以降は債務超過の状況が続いており、加えて、近年の燃料費高騰や船体の老朽化に伴う更新に約40億円以上が必要となるなど、収支改善の見通しが立たず、今後の経営は困難との判断に至った、そういうことであります。
撤退時期は、令和10年3月末がめどとされておりますが、場合によっては撤退時期が早まる可能性もあるとのことであり、本県の物流や観光への影響が非常に心配されます。
過去、平成21年に国の政策として高速道路料金の休日特別割引が実施をされ、和歌山─徳島間のフェリー航路の存続が危惧された際には、本県と徳島県とが協力し、社会実験という手法で航路の利用促進事業を実施するなど様々な支援を行い、この航路、この交通手段を守ってまいりました。
南海フェリーがなくなりますと、本県と四国を直接結ぶルートが消滅をしてしまいます。和歌山─徳島航路のフェリーは、本県と四国を結ぶ重要な移動・輸送手段であるとともに、災害発生時の緊急輸送手段でもあります。平成16年9月には、県と南海フェリー株式会社の間で、船舶による災害時の輸送等に関する基本協定書も交わされており、災害時には被災者の輸送業務や災害救助に必要な食料品、生活必需品等の輸送業務を担っていただくことも想定をされております。
平成7年の阪神・淡路大震災の際には、通行不能となった山陽新幹線や山陽本線に代わり、和歌山─徳島間のフェリー航路が四国と関西以東を結ぶ迂回ルートの一つにもなりました。本県は半島という地理的特性上、主要な陸の交通路が限られており、半島防災という観点におきましても、多様な交通手段を確保しておく必要があるのではないでしょうか。
そこで、知事にお伺いをいたします。
フェリー航路の廃止に伴う県内への影響について、どのようにお考えになっておられますか。また、今回の撤退発表を受け、今後、県としてどのように対応していかれるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
次に、和歌山市にある和歌山信愛短期大学についてであります。
同短期大学での学生募集停止に伴う県内における保育士等の養成や人材確保につきましては、過去の議会において他の議員から質問がなされており、私自身も和歌山市民間保育協会の顧問を務めていることから、関心を持って注視をしているところでありますが、今回は少し別の観点から、同短期大学の閉校後における施設活用について取上げさせていただきたいと思います。
今年の2月に同短期大学で開催されました鯨、この鯨などの県産食材を使った学校給食の新メニュー試食会にお招きをいただき、そのときに校内を案内していただく機会を得たのでありますけれども、築35年の建物ではありましたけれども、非常に立派な校舎でありまして、体育館とグラウンドもあり、このまま学校がなくなるのは大変残念であり、正直もったいないなあという気がいたしました。
場所も緑豊かな高台に位置し、和歌山電鐵貴志川線岡崎前駅から徒歩10分、車の場合も近くに阪和自動車道の和歌山南スマートインターチェンジがありまして、南港山東線の全線完成により和歌山市内中心部からのアクセスも大変便利な好立地にあるわけであります。
昨年度の入学生を最後に、新たな学生の募集が停止をされておりますので、令和10年3月には全ての生徒が卒業する見込みとなっております。
同短期大学が撤退することにより、200名近くいた学生がこのエリアからいなくなるわけでありますので、貴志川線利用者の減少をはじめ、周辺地域へのダメージは計り知れないものがあると思われます。
もちろん、和歌山信愛短期大学は私立であり、土地と建物は学校法人和歌山信愛女学院の所有でありますので、閉校後の施設の活用や売却等につきましては、同法人が主体的に検討することだとは思いますけれども、同法人からは、行政である県や和歌山市も一緒になって施設の活用や学校、企業等の誘致について考えていただければ大変ありがたいなという声があるやに聞いております。
同短期大学は、学校設立以来70年以上にわたり、県内で活躍する様々な人材の育成において、本県に多大な貢献をしていただいてまいりました。県当局におかれましては、日々アンテナを高く、そして幅広い情報収集をされておられることと思いますし、また多方面から様々な情報が寄せられることも期待をされておりますので、当該施設の活用に興味を示す学校や企業等の情報がございましたら、ぜひ同法人にも情報提供していただくなど、県としてもこのエリアの地域振興につながるような、そのような協力をお願いしたいと思います。ぜひ、この際一緒になって施設の有効活用などについて考えてあげていただいたらありがたいなというふうに思います。このことについて答弁は求めませんが、この場で要望とさせていただきたいと思います。
次であります。
がん対策についてお伺いいたします。
我が国のがん対策の根幹でありますがん対策基本法が成立してから、昨日でちょうど20年となります。
がん対策につきましては、県のがん対策推進条例の制定の際、条例案検討会の座長として関わらせていただいたこともあり、これまでの県議会においても度々質問をしてまいりました。
条例制定時点における本県のがんによる死亡者数は3394人となっており、疾病による死亡原因の第1位であり、人口10万人当たりのがんによる75歳未満の年齢調整死亡率は87.7人と、残念でありますけど、全国でワースト4位という状況でありました。
当時、このままではいけないとの強い危機感から、超党派の議員の方々にお集まりをいただきまして検討会をつくり、そして議員提案条例として平成24年12月、和歌山県がん対策推進条例を制定したわけでありますけれども、条例案の作成に当たりましては、がん対策について、できること、すべきことは全てする。そのために規定すべきことは全て規定するという方針で、33条にわたる条文に思いを込めたわけであります。
条例制定から早くも13年が経過をいたしました。この間、ちなみに私もたばこをやめたわけでありまして、県議会におきましても喫煙所以外では禁煙となるなど、喫煙とがんの関係が広く知られるようになり、社会におけるがん対策に関する意識も随分変わってきたように感じております。
県当局におかれましても、がんによる死亡率を減らすためにこれまで様々な取組を行ってきたことは承知をいたしておりますが、本県におけるがんによる死亡率の現状及び今後どのようにがん対策に取り組んでいかれるのか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
次に、がん教育についてお伺いいたします。
がんによる死亡や治療などによる生活の質の低下を軽減するためには、早期発見、早期治療が重要であり、早期に発見するためには、毎年のがん検診が何より大切であります。
しかしながら、本県のがん検診受診率は全国的に見ても決して高くはないのであります。本県の特徴としましては、他府県に比べ企業等が従業員を対象に実施するがん検診、いわゆる職域検診での受診率が低いということが分かっております。これは、県内企業の大半が中小零細企業であるという本県の特性によるところもあるかもしれませんが、職域検診の受診率を上げる取組を急がなくてはなりません。企業が従業員の健康管理や健康増進を積極的に行うことは、優秀な人材の確保、ひいては企業の生産性や企業価値の向上にもつながります。
商工労働部長、すみません。今回質問はしませんけど、企業の健康経営ということに関わることでもあると思いますので、ぜひ職域検診の受診率向上に向けて、商工労働部もいろいろと考えていただきまして、福祉保健部と一緒になって取組を行っていただきたいと思いますので、その点よろしくお願いを申し上げます。
そして、がん検診の受診率を上げる取組としてもう一つ大切なのが、子供の頃からの教育であると思います。
内閣府が実施しているがん対策に関する世論調査によりますと、がん検診を受診しない理由として、時間がないからや健康に自信があり必要性を感じないからなどが上位を占めております。早期にがんを発見できれば治る可能性があるにもかかわらず、このような理由でがん検診を受診しない方がおられるというのは、誠に残念なことであると言えると思います。
多くの方々にとって、学生時代にがんやがん検診に対する正しい知識を学ぶ機会がなかったということも現在がん検診の受診率が低い原因の一つではないかと考えます。
がんは、国民の2人に1人が罹患をし、3人に1人が亡くなる病気だと言われてきました。しかしながら、近年の医療の進歩、がん治療の進展によって、がんのイメージも随分変わってきております。かつては、がんは不治の病として恐れられてきましたが、現在では早期発見、早期治療で治る、もしくはうまく付き合っていく病気という認識にも変わってきているというふうに思います。
また、がんにならないためには、適切な食生活、適度な運動、禁煙、節度ある飲酒など、がんを予防するための生活習慣を身につけることが大切であります。こうした習慣は、子供の頃からの継続的な教育によって育んでいく必要があります。
学校におけるがん教育につきましては、現行の学習指導要領において、中学校及び高等学校の保健体育でがんについても取り扱うことが明記をされております。
また、県のがん対策推進条例では、第9条において教育関係者の役割を規定しており、児童生徒ががんに対する正しい知識を習得できるよう適切な指導を行うこととしております。
がんの正しい知識を学ぶことは、自分だけではなく、家族や身近な人の命を守ることにもつながってまいります。
そこで、教育長にお尋ねをいたします。
今西教育長は、令和5年度から6年度まで、県の福祉保健部長も務められておりましたので、がん対策につきましてはよく理解していただいていると思うわけでありますが、県内の教育現場におけるがん教育の取組状況についてお答えをいただきたいと思います。また、今後、どのようにがん教育を推進、充実させていかれるのか、併せてお伺いをいたします。
最後になります。
男性へのHPVワクチン接種の公費助成についてお伺いをいたします。
HPVワクチンは、子宮頸がんなどの原因となるヒトパピローマウイルスの感染を防ぐワクチンでありまして、一時期副反応のおそれがあるとして定期予防接種の積極的勧奨が差し控えられていた時期もありましたが、令和4年4月以降、国による積極的勧奨が再開されました。現在は小学6年生から高校1年生相当の女子を対象として、全額公費での接種が可能となっております。
私も過去、令和2年9月定例会におきまして、当時はまだHPVワクチン接種の積極的勧奨が控えられていた時期ではありましたが、ワクチンのメリットがかなり分かってきておりましたので、ワクチンがあることを知っていたら接種したかったのにという声をなくすべく、正しい情報を県民の方々に届ける必要があると感じましたので、ワクチン接種対象者へ個別案内やワクチンについての周知活動の再開などに関して、知事に質問を行いました。当時は仁坂知事でございました。私と同じ思いを持っていただきまして、正しい情報は出したほうがよいということで、市町村に対して個別通知の働きかけを行うなど前向きな答弁をいただくとともに、すぐに実行をしていただきました。その後、ワクチンの積極的な勧奨を行っていなかった時期の対象者の方に対するキャッチアップ接種なども行われ、過去の県議会におきましても、何人かの議員がこの問題に対し質問をしております。
本県におけるHPVワクチンの定期接種の状況について、厚生労働省が公表しております都道府県のデータを見ますと、令和6年度のHPVワクチン接種率は12.3%となっており、全国で41位となっております。全国1位の宮崎県の接種率が20.8%でありますので、大体8%ぐらいの開きがありまして、自治体間で接種率に差が生まれております。
もちろん、ワクチンを接種するかどうかは、感染症予防の効果と副反応のリスクを十分理解した上で、本人が納得した上で打つかどうかを判断してもらう必要があるわけでありますけれども、対象が小学6年生から高校1年生相当ということでありまして、未成年でもありますので、保護者の方にもしっかりと説明を行い、よく理解していただいて、子宮頸がんを予防できるワクチンがあるなんて知らなかったよという方がいないようにしていただきたいと思うのであります。
まだまだ全国的に女性の接種率が低い状況ではありますが、そんな中、近年、男性へのHPVワクチンの接種にも注目が集まっております。
4月28日付の毎日新聞の記事によりますと、奈良県総合医療センターの研究チームが、9価HPVワクチンの接種を受けた男性は、頭頸部がんの発症リスクが未接種の男性と比べ5割近く抑制されたという研究結果を発表いたしました。
HPV、ヒトパピローマウイルスは、女性の子宮頸がんの原因となるウイルスとして広く知られておるわけでありますが、実際には男女ともに感染し、肛門がんや中咽頭がん、尖圭コンジローマなどの原因となることも分かってきており、男性へのHPVワクチン接種を進めることは、男性のがん予防にも効果的だと言われております。
国内における男性へのHPVワクチン接種については、令和7年8月に従来の4価ワクチンに加え9価ワクチンの接種が承認をされましたが、女性が公費により全額無料で打てるのに対し、男性接種は任意接種でありますので、ワクチンを打つ費用は全額自己負担となっております。このワクチンは半年間で大体2回から3回接種するのが一般的なスケジュールでありまして、9価ワクチンを3回接種いたしますと10万円程度の費用がかかりますので、かなり高額ということになると思います。これだけ自己負担が多いと、かなりなかなかワクチンを接種したくても接種をためらう人が多いのではないでしょうか。実際、男性へのHPVワクチン接種はほとんど進んでいない状況であると聞いております。
しかし、これ、世界で見ますと、既に80か国以上が男性へのHPVワクチンの定期接種を導入しておりまして、欧米やオセアニアではほぼ全ての国が対象となっております。アメリカやイギリス、カナダなど、いわゆるG7の主要7か国の中で導入されていないのは実は日本だけであります。
県議会といたしましても昨年の9月、男性のHPVワクチンの定期接種化に関する意見書を国会及び政府に対して提出し、男性への定期接種化について迅速に審議を行い、早急に結論を出していただくよう強く要望をいたしました。
そんな中、新たな動きといたしまして、国の定期接種化を待たず、独自で男性へのHPVワクチンの接種費用の助成を開始する自治体が増えてきております。既に60以上の自治体で独自の公費助成の制度が設けられておりまして、近いところでは奈良県の天理市、また大阪府の河内長野市が男性のワクチン接種に係る費用の全額を助成されております。都道府県で見ますと、実はまだ東京都だけなんですけども、都内の区や市町村が男性へのHPVワクチン接種の公費助成を行う場合、その半額を支援しているということであります。
今年の2月には、県医師会、また県の和歌山小児科医会、県耳鼻咽喉科医会、県産婦人科医会の各会長の連名により、「男性へのHPVワクチン接種に対する公費助成を求める要望書」が県に対して提出されたと聞いております。県内医療を支えてくださっている各専門の医師の皆様からの御要望であり、非常に重みのある御意見であると思います。
先ほども述べましたが、HPVワクチンの男性接種が進まない大きな要因の一つは、ワクチン接種に係る自己負担が約10万円と大変高額であることであります。
ワクチンにより救える命があるのであれば救いたい、そう考えるのは、私も含め行政、また医療現場も、ここにいる議員の皆さん方も思いは同じだと思います。
そこで、知事にお尋ねをいたします。
男性へのHPVワクチン接種の公費助成について、県の見解をお伺いいたします。
以上の点をお尋ねいたし、ちょっと長くなったんですけど、通算私の40回目の質問、まず1回目を終わらせていただきたいと思います。
○議長(堀 龍雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
知事宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 山下直也議員の質問に対しまして、私から二つ答えさせていただきます。
まず、南海フェリーの事業撤退についての御質問でございます。
南海フェリーの事業撤退につきましての一報は、私にとりましても大きな衝撃でありました。
和歌山─徳島航路は、長年にわたり本県と四国を結ぶ重要な航路として大きな役割を果たしてきたし、今なお同様であると認識をしております。
フェリーを利用される方にとっては、南海フェリーが事業撤退することによりまして、陸路への転換を余儀なくされることとなり、移動手段の選択肢が失われることで、本県と四国間の観光や物流等に一定程度の影響が生じるものと懸念をしております。
議員御指摘のとおり、多様な輸送ルートを確保しておくことは、災害時の緊急輸送手段の確保の観点からも重要と考えております。
現状では南海フェリー株式会社は、令和10年3月末を目途に事業撤退することと表明しているところでございますが、県としては、国に対して必要な支援を要望するとともに、新たな事業者による運航継続など、徳島県や徳島市、そして和歌山市をはじめとする関係自治体等と連携をしまして、引き続き航路存続に向けてあらゆる手だてを講じてまいります。
次に、がん対策についてでございます。
山下議員におかれましては、がん対策につきまして、県の施策を牽引していただきまして本当にありがとうございます。
男性へのHPVワクチン接種の公費助成についてでございます。
御指摘のとおり、男性へのHPVワクチン接種は、ウイルス感染を予防するという観点から重要な取組であると認識しております。
一方で、持続的に男性への接種を進めていくためには、国の責任において定期接種化を行い、実施主体である市町村に対する安定的な財源を確保した上で、全国の市町村が一律で公費助成に取り組むこと、これが重要でありまして、その結果として、社会全体でウイルスの感染を予防することができるものと考えております。
しかしながら、世界の状況を見ましてもやっぱり大変な状況であるということ、それから、やはり公費で出しているところというのは進んでいるなということを考えまして、県としましても、今年度から新たに国に対しまして、男性への定期接種化が早期に行われるように県単独で要望を行ってまいりたいと考えております。
○議長(堀 龍雄君) 福祉保健部長𠮷野裕也君。
〔𠮷野裕也君、登壇〕
○福祉保健部長(𠮷野裕也君) 平成24年に議員提案条例である和歌山県がん対策推進条例が制定されて以降、県ではがんの予防と早期発見、がん医療の充実を柱に、様々ながん対策を進めてまいりました。
がんの予防と早期発見では、県民の友やテレビ、ラジオ番組を通じてがん検診の受診を広く呼びかけるとともに、個別受診勧奨を行う市町村に対し、案内文の印刷、郵送費の一部を支援してきました。また、がん教育の一環として、企業と連携し、和歌山大学やイオンモール和歌山で幅広い世代を対象とした啓発イベントも開催してきました。
がん医療の充実では、がん診療連携拠点病院等の施設・設備整備への支援や、一定の条件を満たす方が高度ながん医療を受ける際の治療費助成などの取組を進めてきました。
こうした取組により、現状としては、本県の75歳未満年齢調整死亡率は条例制定当時より17%改善しましたが、それでも令和6年度の死亡率は、10万人当たり72.8人と全国ワースト4位となっています。
県としましては、死亡率を減少させるためには、やはり県民の皆さんにがん検診を受けていただき、早期発見、早期治療につなげていただくことが重要だと考えております。
そこで、他県に比べて職域検診の受診率が低いことに着目し、職場でのがん検診導入に向け、事業所への働きかけを強化しています。
具体的には、昨年度は、事業主に早期発見、早期治療の重要性や従業員と家族の受診機会の確保を呼びかけるチラシを作成し、商工団体や健康保険協会を通じて約4万社に配布したほか、今年度からは、民間企業を訪問し、県と連携した啓発活動への協力を依頼しているところです。
県としましては、今後も官民一体となって、より一層県民の皆さんにがん検診の受診を促し、がんによって亡くなる方を一人でも減らしていくよう努めてまいります。
○議長(堀 龍雄君) 教育長今西宏行君。
〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 2点お答えいたします。
まず、ホテルアバローム紀の国の閉館についてでございます。
ホテルアバローム紀の国は、公立学校共済組合和歌山支部が経営し、当該宿泊所が運営を行うこととなっており、運営に関しては、原則、宿泊所の独立採算となっております。
閉館を決定した経緯につきましては、新型コロナウイルスの感染が一定収まりました令和5年以降、落ち込んでおりました売上げを回復すべく、様々な営業活動を実施してまいりましたが、現状、コロナ禍前の収益を下回る状況が続いております。
また、年々物価高によって経費がかさむ一方で、宴会、特に婚礼の需要が激減しておりますし、近年同業他社との間で宿泊料金の価格競争も非常に厳しくなってきております。
さらに、当該施設はアバローム紀の国として、平成11年の新築開業から26年が経過し、大規模修繕が必要な時期を迎えておりますが、その費用も今後、増加することが見込まれております。
閉館を決定した主な理由としては、今後の収支見通しが厳しいことや大規模修繕等に要する資金の確保が困難なことなどから、経営の責任者である公立学校共済組合和歌山支部が総合的に勘案し、令和9年3月末をもって閉館することを決定し、本部の承認を得たところでございます。
次に、県としての今後の対応についてでございますが、閉館後の施設売却については、議員御指摘のとおり、本部が決定をいたします。
しかしながら、現在、本部と和歌山支部で協議を行っており、県としてはホテル事業を継承する事業者に売却してほしいこと、遊休施設として長時間放置されることがないよう、来年3月の閉館までに優先交渉事業者を決定してほしい旨を強く要望したところでございます。
本部からは、これまでアバローム紀の国が果たしてきた役割、和歌山県の地域事情等も十分考慮し、売却条件については和歌山支部が主体的に決定していくということで一任していただいております。
公立学校共済組合和歌山支部を所管する県教育委員会としましては、知事部局の協力を得ながら、本県の観光振興、地域振興につながるようホテル事業を継承した施設売却を進めてまいりたいと考えております。
次に、がん教育の取組についてお答えします。
がんは誰もが直面し得る身近な病気であり、子供の頃から正しい知識を身につけ、自他の命の貴さを学ぶがん教育は極めて重要であると認識しております。
現在、県内の学校におきましては、学習指導要領に基づき、適切な生活習慣を身につけることでがんのリスクを軽減し予防につながること、また、定期的ながん検診などで早期に異常を発見できることなど、発達の段階に応じて指導を行っております。
さらに、医師やがん患者、経験者などの外部講師を招き、専門的な知識やがん患者への理解を深めるとともに、がん患者やその家族の思いに寄り添うことで自他の健康と命の大切さを主体的に考える授業を実施している学校もあります。経験者からは、がんに罹患しても正しく理解していればがんと向き合うことができるとのお話もいただいており、児童生徒ががんについて前向きに学ぶ貴重な機会となっております。
県教育委員会としましては、こうした外部講師を活用したがん教育を多くの学校で実施してもらうため、モデル校を指定し、公開授業や実践発表を行っております。
今後は、モデル校において、オンライン授業の実施により同時に複数校で学べるようにすることや、授業参観の実施により保護者もがんの予防や検診の必要性を学べるようにするなどの取組により、がん教育のさらなる充実に努めてまいります。
○議長(堀 龍雄君) 答弁漏れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(堀 龍雄君) 再質問を許します。
山下直也君。
〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 ただいまそれぞれ私の質問に対して御答弁をいただきました。
まず、アバローム紀の国についてでありますが、近隣において、先ほども申し上げましたとおり、和歌山市内の多くの皆さんは、やっぱりこれからあそこはどうなっていくのかなということで、注目と心配をされていると思います。どうか今の御答弁であったように、ホテル事業が継承されていって、そして県としても共済本部と連携をしながら、協力して進めていっていただきたいと思います。
何か、今の客室の数ではなかなか黒字に持っていくのは難しいというようなこともお聞きをいたしました。部屋数を増やすとか、いろんな形は変わっていくかもしれませんけれども、新しい、そんないいホテルとして生まれ変わってくるように、そういう意味での再生を御期待申し上げたいと思います。
また、今まで定期的にアバロームの会場を使っていた方々、大変多いと思うわけでありますけども、閉館している間、いわゆる次の別の会場を探さないといけないわけでありまして、そういう意味からおきまして、できるだけ早く次のホテル事業者によるリニューアル計画でありますとかスケジュールなんかも示していただいたら大変助かるんではないかなというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
そして、最後、気になるんですけど、今働いておられる方、従業員の方々については、やっぱりこの先どうなるのかなという不安を感じている中で頑張っておられる方が僕は大変多いと思います。私自身も、この議員の皆さんもそうでありますけれども、いろんな機会を見つけてアバロームを使わせていただいて、自民党和歌山県連なんかもよく使うわけでありまして、多くの皆さんがこのアバロームを度々利用しております。毎回、ホテルスタッフの皆さんの接客、対応はすばらしいものがあって、また利用したいなというふうに思わせてくださる、そんな方々ばかりであると思います。そんな従業員の皆さん方を路頭に迷わせることがあってはならないと思います。従業員の方の健康管理やアバローム閉館後の再就職につきまして、できる限り希望がかなうように、全力で支援をしてあげていただきたいというふうに思います。
宮﨑知事も一昨年まで教育長をお務めされておりまして、私が言わんとしている気持ち、分かってくれるというふうに思うわけでありますけども、今も一生懸命働いていただいている従業員の方々、今後について何とか頑張ってあそこでまた働いていけるように、くれぐれもよろしくお願い申し上げたいと思います。これは答弁は要りませんので、要望とさせていただきたいと思います。
次に、南海フェリーの撤退についてでありますが、徳島県や徳島市の動向も大変気になるところでありますが、本県にとっても必要な航路、交通手段だと思いますので、先ほど御答弁にありましたとおり、国への要望をはじめ、あらゆる手段を検討し、しっかりと対応をお願いしたいと思います。
ちょっとここでお話をしたいことがありまして、このルートというのは、実は今まで多くの議員さん、僕も何回か言ってきたんですけど、このルートは太平洋新国土軸の一部でもあるわけですね。この紀淡海峡ルートにつきましては、令和5年12月議会でも質問を行いましたが、今も申しましたように、私以外に多くの議員がこれまで繰り返しこの問題を取り上げてきたわけであります。南海フェリーが廃止となれば、ますます紀淡海峡ルートの早期実現、紀伊淡路連絡道路の新規事業化が強く望まれるところであります。こちらにつきましても、国に対して粘り強く要望していくことが必要だと思いますので、県当局におかれましては、紀淡海峡ルートが少しでも進展していきますように、この際、併せて取り組んでいただきたいと思います。
次に、がん対策についてであります。
13年前の条例制定時と比べ死亡率は改善してきたものの、全国順位はいまだワースト4位ということで、こちらはあまり変わっていないということでありました。がん条例の制定に携わった身といたしましては、誠に遺憾であり、今後、より力強くがん対策を進める必要があると感じております。
繰り返しになりますけれども、がん対策の肝は、何といっても早期発見、早期治療であると思います。そのために、自覚症状のない段階からがん検診を定期的に受けることが必要不可欠であり、本県におけるがん検診の受診率をもっと上げていかなくてはならないということになると思います。
残念ながら、私の周囲にもがんとの診断を受け、日々不安な気持ちで過ごされている方が多くいらっしゃる。がん患者の方だけでなくその御家族、心身ともに大きなストレスを抱えておられると思います。がんで苦しむ方を一人でも減らすためにも、くどいようでありますけれども、がん検診の受診率向上のため、またその対策に県を挙げて取り組んでいただきたいというふうに思います。
次に、男性へのHPVワクチン接種についてでありますが、県においても国に対して要望を行っていくとのことでありますので、県内の医師の方々の話もよく聞いていただきまして、加えて、他府県の取組も常に見ながら、早期に定期接種が実現されますよう、しっかりと取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。
最後になりますけれども、今回質問させていただいたいずれの課題も、ある意味、これは時間との闘いでありまして、もちろん多くの予算も必要になってくるものであると思います。本県も厳しい財政状況の中、多岐にわたる分野の様々な課題に対応していかなくてはなりませんので、その大変さは十分に理解をしております。
しかしながら、これらはいずれも県民の方々の関心も高く、極めて重要なものと考えておりますので、県当局におかれましては、しっかりと御対応いただきますよう、再度この場からお願いを申し上げ、私の再質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(堀 龍雄君) 以上で、山下直也君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時30分休憩
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午後1時0分再開
○議長(堀 龍雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
12番鈴木太雄君。
〔鈴木太雄君、登壇〕(拍手)
○鈴木太雄君 皆さん、改めまして、こんにちは。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問を行います。
まず、産地を守る取組について、クビアカツヤカミキリの防除対策について質問をいたします。
近年、外来生物クビアカツヤカミキリの被害が全国的な問題となっております。
特定外来生物であるクビアカツヤカミキリは、桜や梅、桃などのバラ科の樹木に寄生をし、幼虫が幹の内部を食い荒らすことで樹木を枯死させる害虫であります。強い繁殖力で、国内の生息域を急速に広げており、令和8年2月末現在、17都道府県で被害が確認されています。
県内においては、令和元年にかつらぎ町で初めて被害が発生をし、しばらくは県北部にとどまっていたものの、令和5年以降は、梅の栽培が盛んな県中部に被害が拡大をし、現在では18市町の園地や街路樹で被害が確認されております。
昨年12月10日には、印南町内でも梅の園地2か所で5本の被害樹が確認されましたが、速やかに伐採されたため、現時点、他の被害は確認されていないということであります。ただ、印南町は、国内有数の梅産地であるみなべ町、田辺市に隣接しており、もし両市町に被害が広がれば、本県の梅産業に大きな打撃を与えます。
皆さんも御承知のように、既に伊都郡をはじめとする紀北地域においては、桃、スモモ、梅等に対する被害が深刻化しております。また、果樹だけでなく、他府県においては、桜の木が穴だらけになり、倒木の危険があることから伐採が行われているとの報道もあります。
地域のおいしい果樹や桜並木に代表される美しい景観を守ることは、私たち世代の責務であり、地方創生や観光振興の観点からも、一歩も引けない闘いであると承知をいたしております。
クビアカツヤカミキリの対策において最も重要なのは、早期発見、早期駆除することであります。県民一人一人がクビアカツヤカミキリの特徴や、幼虫が排出するフラス──これは、木くずとふんが混ざったものであります。この特徴を知り、異変にいち早く気づくことが重要であり、その体制づくりが必要であります。
被害が確認された場合、その樹木や薬剤処理には多額の費用や労力がかかることから、被害樹木の所有者が駆除をためらわないように、伐採後の改植に係る費用についての支援制度を創設することなども必要ではないでしょうか。
また、クビアカツヤカミキリの移動能力は高く、自治体の境界を越えて被害が拡大していることから、隣接府県や国など関係機関との情報共有や共同防除のネットワークを構築することも大切であると考えます。
本年1月13日付の日本農業新聞の記事を見ますと、県は、農家や地域住民へ周知のため、JAなどと連携して、ネットの被覆方法の実演などを交えた研修会を開催するとともに、各研究所において産卵抑止効果を確認した目合い0.3ミリの白色ネットの活用や一斉防除の有効性などについても検証していくとのことであります。
そこで、小項目1として、県内の被害状況と対策に向けた取組の現況及び今後の対策方針について、被害防止に向けた決意と併せてお伺いをいたします。
○議長(堀 龍雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
農林水産部長川尾尚史君。
〔川尾尚史君、登壇〕
○農林水産部長(川尾尚史君) 本県におけるクビアカツヤカミキリによる梅や桃、桜等への被害は、本年3月末現在で紀北及び紀中地域の18市町に及んでおり、被害本数は、農地で1949園地、1万853本、公園等の非農地で436地点、1329本となっています。議員御指摘のとおり、昨年12月には印南町で被害が確認されており、梅の主産地であるみなべ町や田辺市に迫っている状況であります。
県では、令和元年に初めて被害が確認されて以降、農地や公園等における被害樹周辺の悉皆調査や定期的な巡回調査、メディアや各種広報紙等を通じた県民の皆様への発見協力の呼びかけ、被害樹の伐採等への支援、梅や桃等の生産者を対象とした研修会の開催など、関係者と連携協力しながら早期発見、早期駆除に取り組んでまいりました。
また、試験研究面では、防除に有効な農薬や産卵抑制効果の高い資材の選抜、産卵されやすい条件の把握など、対策技術の開発や知見の蓄積を進めるとともに、昨年度から、化学的防除と物理的防除を組み合わせた総合的防除のモデル実証にも取り組んでいます。
しかしながら、外来生物で非常に繁殖能力が高く、広範囲に移動する本害虫に対する抜本的な防除技術は現時点では確立されておらず、全国的にも被害が拡大していることから、今月、国に対して、被害対策に係る予算の確保とともに、防除技術の開発加速化や有効性が確認された技術の早期実用化などを要望したところです。
今後は、新たな防除技術の実用化を急ぐとともに、未発生地域における薬剤一斉防除や産卵阻止ネットの設置、樹皮が滑らかで産卵されにくい若木への改植等の被害を未然に防ぐ対策を強化するなど、より一層危機感とスピード感を持って取り組んでまいります。
○議長(堀 龍雄君) 鈴木太雄君。
〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 先ほど申し上げたとおり、全国に誇る梅の主産地に被害が及ぶのも時間の問題だと言われており、果樹大国の本県にとっては危機的な状況にあります。
そういった中、本県においては、試験研究や防除指導、啓発、発生調査、被害拡大防止のための経費支援など、積極的に取組を行っているものの、被害地域は依然として広がりつつあるのが現状であります。
急速に拡大するクビアカツヤカミキリの被害を食い止めるためには、被害地域の周辺部も含めたエリア全体での防除対策や、効果的な防除技術の実用化に向けた研究が必要でありますが、年々、国の予算が減少しているなどの課題もあります。
そういったことから、県では、国に対し、具体的な措置として、被害地域のみならず周辺部も対象とする一体的な蔓延防止対策を講じることや、オープンイノベーション研究・実用化推進事業の予算を拡充し、国が中心となって防除技術の開発を加速させるとともに、試験研究で有効性が確認された防除技術については早期に実用化すること、また、防除対策のための消費・安全対策交付金及び自然観光資源の棄損を防ぐための外来生物対策事業については、必要な予算を確保することを重点要望しているところであります。
しかし、県域を越えて被害が拡大している特定外来生物であるにもかかわらず、県境にとらわれることのない広域的防除へ向けた取組については、国に対し要望されておりません。もとより、果樹農業は本県の基幹産業でありますが、果樹への被害が全国で最も深刻視されている県の一つであります。中でも、梅については6次産業化が図られているだけに、被害が蔓延すれば、その影響は計り知れないものがあります。
また、近隣府県によっては、被害の状況やその性質も異なることから、意識に温度差が生じることも懸念されています。各県の防除対策への温度差をなくすためにも、国に対し、単なる地域課題と捉えるのではなく、国家的課題として明確に位置づけ、実効的な対策の確立を要望すべきではないでしょうか。
本定例会において、クビアカツヤカミキリ対策の抜本的強化を求める意見書の提出を準備いたしておりますが、県としても、以上の内容を踏まえていただいて、しっかりとその充実を図られることを要望いたします。
続いて、生産量の安定化に向けて質問を行います。
日本一の生産量を誇り、地域経済を支える梅の生産基盤が、今、かつてない危機に瀕しております。
JAわかやま紀南地域本部によりますと、6月6日現在における青梅の市場販売量は、南高梅で801トン、計画1500トンの53%にとどまっているようであります。ひょう被害が大きかった昨年の販売量は1515トン、凶作と言われた一昨年でさえも1277トンであり、今の状況からすると、それをも下回る見通しであります。
また、収穫時期が早い小梅の販売量は100トンで、計画の45%、古城梅は78トンで、計画の65%にとどまっております。これら青梅の市場販売量は、過去最少になる可能性があるとのことであり、供給の不安定化は一段と強まっています。
御承知のように、梅の主力商品である梅干しは、収穫した果実を塩蔵し、加工業者が半製品在庫として保管した上で、製品に加工をいたします。塩蔵梅が持つ防腐効果を生かし、梅干し加工事業者は、原料が不作であっても、これまでの在庫を取り崩して対応してきましたが、保管期間は実務的に2年から3年程度が中心であり、3年続けて不作となれば、当然のことながら原料は逼迫状態に陥ります。
紀州梅干しは、お中元の定番商品でありますが、数量が確保できなければ百貨店のギフトカタログから外され、一度外されれば復帰が困難であります。それは、スーパーなどの売場においても同様であり、供給の不安定化は、販売機会の大きな喪失につながります。
原料梅の不作の主たる要因は、暖冬の影響によるところが大きく、南高梅の開花が早まり、不完全な状態の花が多くなったことや、受粉樹である小梅との開花期、蜜蜂の訪花活動期とのずれが生じていることにあります。その上、降ひょう被害による傷とカメムシの大量発生による吸汁被害が重なり、秀品率の低下も深刻になっています。
加えて、生産者の高齢化と後継者、労働力不足による影響も浮き彫りになっており、耕作放棄地や、収穫し切れずに実を落としてしまう園地が年々増加しているのが現状であります。
それに併せて、園地の老木化も収穫量の低下に影響を及ぼしております。
梅の木の経済樹齢は、一般的に10年から30年とされ、樹齢25年頃がピークとされております。そういった意味において、多くの園地が梅の木の更新時期を迎えておりますが、改植の進まない状況があります。
その背景には、生産者が高齢で後継者もいないことに加え、実が収穫できるまでに4年から5年の歳月を要し、その間の収入が途絶えることにあります。経営的リスクや抜根、改植に係る過度な肉体的、金銭的負担が足かせとなり、改植に踏み切れない農家は少なくないと思います。
今年も不作の見通しということで、生産地からは、より強い諦めと憂いの声が聞こえており、将来にわたって紀州梅のブランドと生産量を維持することができるのか、その先行きを懸念しているところであります。
梅産地を守ることは、単なる農産物の生産維持にとどまらず、地場産業の振興や地域固有の文化、自然環境を次世代へ継承することでもあります。梅の安定供給は、一刻の猶予も許されない最重要課題であり、早急な対応策が求められます。
まず、短期的な対応策としては、収穫後、次年度の花芽を充実させるための夏季剪定、夏場の強い乾燥を防ぐ小まめなかん水、樹木が貯蔵養分を蓄えられるよう、元肥の施肥と施肥効果を高める土づくり、着果量の増加を目的とした春季に行う摘心処理など、徹底した営農指導とサポートが必要であります。
また、収穫期の労働力を補うため、外部労働力のマッチング強化及び作業を省力化できるアシストスーツやドローン等のスマート農業技術の導入をスピーディーに進めなければなりません。
さらに、中期的な視点に立てば、老木樹の計画的な改植が求められているところであり、それを促進するには、改植に係る初期費用への補助、拡充に加え、収穫ができない期間の経営を支える補償金、奨励金制度の創設も視野に入れるべきであると考えております。
そして、長期的に生産基盤を維持するためには、暖冬であっても南高梅を栽培できる新たな技術や、自家和合性品種の研究、導入が求められます。
現在、紀州うめ研究協議会において、暖冬の影響を受けなかった南高の優良樹を各地域から選抜し、その穂木から苗木を育成、選抜を重ねて優良苗木を育成しており、令和20年から産地に普及させる取組に着手していると伺っております。
また、県うめ研究所では、台湾梅に注目し、南高との交雑育種を進めているということであり、他の新品種育成と併せて、産地としては期待しているところであります。
ただ、新品種は、収穫できるようになっても、青梅として販売する場合、ブランドとして認知されている南高梅とはうたえず、雑梅の扱いとなるため、売り方も課題となりますし、市場の評価を得るまでにおいても相当な時間と労働力が必要となるため、それらの取組はスピード感を持って進めなければなりません。
県においては、これまでも国や市町、JAわかやまと連携して、産地を守るための施策に取り組まれてきましたが、梅の不作がこれほどまでに続き、梅産業が歴史的にも厳しい局面に立たされていることを改めて認識をいただき、梅の安定生産に向けた迅速かつ強力なてこ入れが必要であります。
そこで、小項目の2点目として、産地の現況を鑑み、梅の生産量安定化に向けて、今後、どのような対応策を講じていくのか、知事にお伺いをいたします。
○議長(堀 龍雄君) 知事宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 鈴木太雄議員の梅生産量の安定化に向けての御質問を頂戴いたしました。
梅は、県の花として広く県民に親しまれているとともに、全国シェア約6割の生産量を誇る本県を代表する農作物の一つであります。また、梅干しや梅酒等を含めた産業は、地域経済や雇用を支える重要な産業であります。
去年、知事選挙数日前に梅の降ひょう被害を見てまいりまして、早速、当選した後、6月議会で対策の補正予算を計上させていただいたということなんですけれども、そういったことを思い出します。
しかしながら、鈴木議員仰せのとおり、近年続く着果不良や降ひょう被害で、大きなダメージから回復を急ぐことは必要であるということは、大いに認識をしております。
これまでの研究により、梅の不作の要因については、暖冬や水分不足などの環境条件の影響を明らかにしているところであります。
また、対策に関しましては、暖冬条件でも安定的に着果する南高の優良樹の選抜や新品種の育成を進めるとともに、降ひょう被害の軽減技術開発等に着手しております。
一方で、栽培管理面では、適切な施肥や土づくり、剪定、それから授粉樹の混植などが重要であることから、生産者の皆様に、ふだんの管理と生産量への影響について再認識していただく研修会を開催いたします。施肥につきましては、ドローンを使った効果的な方法というのも今試行しているところであります。
また、梅樹の老木化も不作の要因と考えられるため、改植をより一層推進し、産地の若返りを図ることが必要と考えています。これまでも国や県単独の事業により支援してまいりましたが、改植は、クビアカツヤカミキリの侵入リスクを下げることにもつながることから、産地を守るために、現在、改植を加速させる施策について、市町やJA等と協議を重ねているところであります。
加えて、今回は蜜蜂が少なくなっているなどのことから、養蜂業者との連携した授粉用蜜蜂の確保など、生産量の安定化に向けた取組を積極的に進めてまいります。
世界農業遺産としてのPRや梅酒の輸出促進等を効果的に展開し、梅産地が早く元気を取り戻せるように、関係者と一丸となって機運の醸成に努めてまいりたいと考えております。
○議長(堀 龍雄君) 鈴木太雄君。
〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 次に、農業における共同利用施設について質問いたします。
さきの質問で、梅の安定生産について御答弁をいただきましたが、言うまでもなく、農業というのは和歌山県にとって重要な基幹産業であり、その経済効果は、一次産業のみならず、二次、三次産業へも影響を与えるものであります。
県内には、梅のみならず、ミカンや柿などの果樹をはじめ、野菜や花の産地も多くあります。現在、高齢化や人手不足等による労働力の減少を補うため、園地改良やドローン活用などのスマート農業の推進等、安定生産を行うための構造転換が進められていると認識をいたしております。
先日、JAわかやまの理事とお会いする機会がありました。昨年度の合併を機に、県内全てを管轄する農協へと生まれ変わり、これまでそれぞれの旧JAが所管していた共同利用施設について、1組織で所管することになったとの話でありましたが、それぞれの施設が整備からかなりの年月が経過をしており、建物の改修や機械の新規導入、さらには広域的施設の再編集約を検討するなど、施設における構造転換も進められているようであります。
このような中、国においても、令和6年度の補正予算から5年間を期間として、共同利用施設の再編集約、合理化に向けた新たな整備事業ができたとお聞きをいたしております。この事業は、集中期間中に共同利用施設の整備を推し進めるため、通常の2分の1補助に加え、地方公共団体が12分の1の上乗せを行えば、さらに国が12分の1を支援し、地元負担を最大3分の1までに圧縮できるような仕組みとなっているものであります。
産地において、共同で利用する集出荷場は、選果作業時間と労力の軽減、センサー選別による出荷品質の均一化に寄与するとともに、共同販売のスケールメリットを生かして有利な価格交渉ができるなど、生産者にとって大変重要な役割を果たしています。
現在、県内においても、JAわかやまがこの事業を活用した共同利用施設の整備について検討をされているようでありますが、県として、生産者の負担を軽減するためにも、上乗せ補助について私は行うべきと考えております。知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(堀 龍雄君) 知事。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 議員御発言のとおり、農業は本県の地域経済を支える基幹産業であり、私自身も、知事就任以来、一次産業の振興に全力で取り組む旨を様々な機会で申し上げてまいりました。
共同利用施設につきましても、有利販売やブランド商品作り、品質データのフィードバックによる生産性の向上など、生産者にとって重要な施設であると認識しています。
昨年12月に策定した和歌山県総合計画においても、収益性を高める農業生産体制を構築するため、デジタル等先端技術による生産性の向上に取り組むこととしており、具体的な項目として、AI技術を活用した高精度な選果機の導入を挙げているところであります。
また、令和7年から令和11年の5年間で農業の構造転換を集中的に推し進める方針が示され、老朽化した共同利用施設の再編集約や合理化の促進を図るための事業が、議員御指摘のとおり、創設されております。
県といたしましては、この機会を捉え、こうした国の手厚い支援の活用も視野に入れながら、共同利用施設の整備が計画的に進められるよう支援してまいりたいと考えております。
今後、産地の皆様の声を聞きながら、関係市町村や関係団体と協議を行ってまいります。
○議長(堀 龍雄君) 鈴木太雄君。
〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 続いて、大項目の2点目、動物愛護行政について、1点目として、動物愛護への取組について質問をいたします。
近年、少子高齢化が急速に進み、人と人とのつながりの希薄化も指摘される中、犬や猫をはじめとする伴侶動物は、単にかわいがる愛玩の対象から、家族の一員として暮らしに寄り添い、癒やしや安らぎをもたらす存在になっていると感じております。
一昔前は、家の軒先に犬小屋を造り、番犬としての役割を期待するほか、近所の子供たちからかわいがられている風景がありました。時代が流れ、現在において、犬猫のような身近な動物は、高齢者の孤独感の軽減や子供の情操教育等にも寄与するため、今後は、特に人と動物が共生できる地域づくりへの視点が重要であると考えます。
このような社会の風潮を踏まえ、動物愛護行政を取り巻く状況が大きく変化してきております。かつては、野犬対策や苦情対応など、公衆衛生上の観点が中心の業務であったようですが、現在では、動物を命ある存在として適正に取り扱うという考え方が広く社会に浸透し、行政に求められる役割も拡大しているかと思います。
国では、動物の愛護及び管理に関する法律が時流に応じて改正され、特に、動物の所有者責任の明確化、終生飼養の徹底、殺処分の削減、さらには、虐待防止や適正飼養の推進が全国的な課題として位置づけられました。
また、各自治体においても、環境省が策定した動物愛護管理基本指針に基づき、地域特性に応じた施策が進められています。具体的には、本県も含め、多くの自治体が譲渡事業の充実、所有者への啓発、地域猫活動への支援などの施策を推進することで、全国的に犬猫の引取り数や殺処分数は長年にわたり減少傾向となっております。
しかし、多頭飼育崩壊への対応、飼い主の高齢化に伴い飼育継続が困難となる事例、災害時における同行避難体制の整備、さらには、ペットショップや繁殖業者への適正指導など、新たな課題が顕在化してきております。
加えて言えば、これまで申し上げた動物の愛護の観点にとどまらず、地域社会との共生の視点も重要です。例えば、飼い主のいない猫をめぐる問題では、生活環境被害を訴える住民と保護活動に取り組む住民との間であつれきが生じることもあるため、行政には、新たな課題への対応とともに、双方の意見を可能な限り理解し、調整しながら、持続可能な地域づくりを支える役割も求められています。
つまり、これからの動物愛護行政は、従来の単なる規制行政ではなく、県民の価値観や暮らしに密接に関わる政策分野へと変化しております。とりわけ、動物との共生は、少子高齢化や人口減少が進む中で、心の豊かさだけではなく、地域コミュニティーの形成にも寄与する重要なテーマとして、県の主体的な取組が必要不可欠であります。
そこで、本県において、こうした動物愛護に対する社会環境の変化を踏まえ、これまでどのような取組を実施し、成果はどうだったのか、また、今後の取組方針について、環境生活部長にお伺いをいたします。
○議長(堀 龍雄君) 環境生活部長湯川 学君。
〔湯川 学君、登壇〕
○環境生活部長(湯川 学君) 本県では、人と動物が共生できる地域社会の実現を目指し、犬猫の譲渡事業の充実、適正飼養の普及啓発及び地域猫対策の推進などに取り組んできたところでございます。
その結果、令和2年度以降、譲渡可能な犬猫の殺処分ゼロを継続して達成しております。
また、最近の主な取組としては、動物愛護センターが開館以来25年経過し、老朽化が進んでいることから、開館以来、初めて設備改修を実施いたしました。具体的には、デジタル技術を活用したタッチパネルの導入や犬猫とのふれあいルームの整備など、時代の潮流を踏まえた機能強化を図ったところでございます。
これらの取組により、来館者数は前年同月比で2割以上増加するなど、着実に成果が現れ始めているところです。
今後とも、ボランティアや関係団体の皆様と連携しながら、人と動物が共生できる地域社会の実現に向けた取組を進めてまいります。
○議長(堀 龍雄君) 鈴木太雄君。
〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 次に2点目、紀南地域における推進体制について質問をいたします。
本県の地理的特性として、南北に長く、紀北地域から紀南地域まで広範な県域を有しております。そのため、県民が行政サービスを利用する上で、地理的影響は少なからず存在し、動物愛護行政を進める上でも本県特有の課題であると考えます。
県内の動物愛護行政の拠点である県動物愛護センターは紀美野町に設置され、譲渡事業や普及啓発、適正飼養の推進など、多くの役割を担っていると承知しております。ただ、かつて殺処分を主な機能としていた側面を持つがゆえに、人口集中地域より少し離れた場所に所在しており、特に西牟婁や東牟婁などの紀南地域からのアクセスには、それなりの時間を要します。
紀南地域では、動物病院の数も少なく、動物に関する相談や受診機会が限られている上に、譲渡会や啓発イベントへの参加などにも地域による差が生じているのではないかと考えます。
動物愛護行政は、行政が一方的に施策を進めるだけではなく、県民一人一人が適正な飼育の実践や地域猫活動などへ主体的に関わることによって、より効果が得られるものであります。こういったことからも、居住地域によって、先ほど申し上げた譲渡会等への参加機会に差が生じていることは望ましい状況とは言えません。県全体で動物愛護を推進するという観点から、より広く県民が行政の取組に触れ、動物との関わりを持てる環境づくりが必要ではないでしょうか。
そこで、本県の地理的特性を踏まえ、紀南地域にも推進拠点を整備するなど、紀南地域における動物愛護行政を今後どのように推進をしていくのか、また、どう取り組んでいくのか、環境生活部長にお伺いをいたします。
○議長(堀 龍雄君) 環境生活部長。
〔湯川 学君、登壇〕
○環境生活部長(湯川 学君) 本県の動物愛護行政につきましては、動物愛護センターを中核とし、各保健所が機能を補完しながら、紀南地域においても、譲渡機会の拡大や動物愛護に関するイベントの開催など、県民の皆様が参加しやすい環境づくりに取り組んでまいりました。
一方で、議員御発言のとおり、本県は南北に長い地理的特性を有しており、紀南地域の皆様が動物愛護センターを積極的に活用していただく上では一定の制約がございます。
例えば、動物愛護週間のイベントや獣医師体験教室は、動物愛護センターで飼養している動物の移送に係るストレスを考慮し、これまで紀南地域では実施できておりません。このため、より身近な場所で動物愛護行政に触れていただけるような拠点づくりが重要であると考えております。
今後は、まず、紀南地域における動物愛護行政の拠点となる動物愛護センターのサテライト施設の設置など、機能強化を図り、普及啓発や譲渡会の回数増加により、地理的特性による制約の解消に努めてまいります。
また、本県では、動物愛護行政を主に担当する獣医師が不足しており、その確保に向けて、首都圏での採用試験実施など、様々な取組を進めているところでございますが、将来にわたり業務を維持していくため、人員の集約化などについても検討を進めてまいります。
○議長(堀 龍雄君) 鈴木太雄君。
〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 続きまして、大項目の3点目であります。
紀南地域への大学入学共通テスト会場の設置について。
1点目、試験会場の在り方とこれまでの取組内容について質問をいたします。
大学入学共通テストとは、大学入試センターが実施する大学入試の一つで、毎年1月中旬に行われます。この試験は、国公立大学の一般選抜受験者にとって必須であり、私立大学でも共通テストの成績を利用する共通テスト利用方式、共通テスト併用方式を設定しています。
共通テストの点数は、大学の個別試験との配点比率によりますが、合否の行方を大きく左右いたします。例えば、和歌山大学システム工学部は、共通テストと個別試験を合わせた満点が1500点であり、そのうち1100点が共通テストの配点であります。つまり、個別試験の配点は400点しかなく、共通テストを失敗すると、個別試験で挽回しても合格は難しくなります。
大学受験において、このように重要な意味を持つ共通テストでありますが、令和8年度における県内の試験会場を見ますと、和歌山市に所在する和歌山大学、向陽高等学校、県立医科大学薬学部キャンパス、紀の川市に位置する近畿大学生物理工学部キャンパスの計4会場であり、その全てが紀北地域にあります。これにより、田辺・西牟婁、新宮・東牟婁などの紀南地域の受験生は、受験するに当たり、公平でない条件を強いられております。
紀南地域の受験生の多くは、当日の交通機関の遅延リスクや体調管理を考慮し、試験前日に和歌山市内などのホテルに前泊をせざるを得ないのが実情であります。また、連泊が必要な受験生も多くいます。自宅を離れ、慣れないホテルで決戦の前夜を過ごす精神的、肉体的負担は大きなものがあります。
事実、多くの保護者から、環境の変化により、子供が一睡もできなかったなどという声を耳にいたします。自宅から入試会場に通える紀北地域の受験生に比べ、スタートラインで既に大きなハンデを背負っていると言っても過言ではありません。
また、慣れないホテルで過ごす子供を案ずる気持ちと相まって、宿泊先の確保など、保護者にのしかかる精神的負担も軽いものではありません。加えて、受験費用はもちろんのこと、往復の交通費、宿泊費、食事代など、追加の出費が必要になり、経済的負担も大きくなります。この場におられる皆さんは、この状況をどのように感じられるでしょうか。
教育の機会均等は、憲法に保障された人権であり、生まれ育った地域にかかわらず、全ての子供たちにひとしく与えられるべきものであります。ただしかし、高校進学の選択肢において現実を見れば、紀北地域の学生と比較すると、紀南地域の学生は、公共交通機関の脆弱さも相まって、極めて限定的なものになります。
また、先ほどから申し上げているとおり、より多くの選択肢を得るために挑む共通テストの受験環境さえ、紀北地域の生徒と比べれば大きな隔たりが生じております。
この問題については、平成28年に、濱口議員が試験会場の地理的な条件の格差を訴え、教育委員会として関係機関に対し働きかけをするのかと質問されております。それに対し、当時の教育長は、より多くの受験生ができるだけ負担を少なく受験できるよう、高等学校長会等から様々な意見を聴取しつつ、関係機関に県教育委員会として働きかけていくと答弁をされております。
それから10年もの歳月が経過しましたが、いまだに状況は何も変わらないままであります。
そこで、現状の試験会場の在り方について、教育長はどのような認識を持たれているのか、また、これまで関係機関に働きかけてきた具体的な内容についてお伺いをいたします。
○議長(堀 龍雄君) 教育長今西宏行君。
〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 大学入学共通テストの試験会場につきましては、現在、県北部以外には設置されておらず、県南部の生徒は、前日から宿泊して受験している状況にあります。受験の不安がある中で、さらに長距離の移動や費用面での負担が重なっていることから、紀南試験会場が必要であると認識しております。
紀南試験会場の設置に向けた働きかけにつきましては、平成28年8月に、大学入試センター連絡会議に対し、県教育委員会及び県高等学校長会からそれぞれ要望書を提出しております。当時の回答は、試験を円滑に実施するには、県内大学の数や規模から、運営等に係る人員の確保や試験問題の輸送、保管等に課題があり、これ以上試験会場を増やすことは困難であるというものでございました。
○議長(堀 龍雄君) 鈴木太雄君。
〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 それでは、2点目の今後の取組について質問をいたします。
受験生は、悔いなく万全な状態で試験に挑戦すること、そして保護者は、悔いなく万全な状態で試験に挑戦してほしいと切に願うものであります。その思いを酌み、全ての受験生が安心して実力を発揮できる環境づくり、あえて言えば、受験環境の公平性を担保するという使命感を持って、地域格差の解消に取り組む強い姿勢が必要であると考えます。
試験関係者が主張する、受験者が400名に達していない、人員不足、厳格な運営という壁があるのは、ある程度理解をいたしますが、他県に目を向ければ、岩手県や島根県等は地域格差の解消を図っておりますし、鹿児島県の離島でも、現地の公立高校などを会場として共通テストが実施されております。なぜ和歌山県ではできないのか、理解に苦しむところであります。
試験関係者に対して、できない理由を課題とすれば、県が主導してその解決策を提示すべきであります。例えば、試験監督の補助員として地元の教職員やその退職教員、地域の公務員OBを動員する仕組みを県が保証する、あるいは、問題用紙の保管、警備に行政がバックアップをする体制を示すなど、具体的な提案を示して試験関係者に働きかけるべきであると考えます。
そこで、紀南地域における試験会場設置に向けた今後の取組について、改めて教育長にお伺いをいたします。
○議長(堀 龍雄君) 教育長。
〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 県教育委員会といたしましては、紀南試験会場を設置する上で課題となっている人員の確保や試験問題の管理等について、大学入試センター連絡会議と一つ一つ解決に向けて具体的な提案を行いながら、協議を重ねてまいりたいと考えております。
県南部の生徒や保護者の負担が軽減され、地理的条件によって不利になることなく、受験機会の公平性を担保するべきであるという立場から、紀南試験会場設置の実現に至るまで粘り強く働きかけていくとともに、最大限協力してまいります。
○議長(堀 龍雄君) 鈴木太雄君。
〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 生まれ育った場所が違うというだけで学生の挑戦の場が公平でないことは、あってはならないと考えております。もし試験会場が紀南地域だけとなれば、紀北地域の学生や保護者はどのような思いを抱くでしょうか。
関係機関に対し、知事さんも含めて、教育長自らが赴くほどの姿勢を持って、紀南地域への共通テスト会場の設置をぜひ推し進めていただきたい、これを強く要望いたして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(堀 龍雄君) 以上で、鈴木太雄君の質問が終了いたしました。
質疑及び一般質問を続行いたします。
37番中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕(拍手)
○中西 徹君 皆さん、こんにちは。
それでは、早速ですが、議長の許可を得ましたので、一般質問を始めさせていただきます。
大項目1、保育所などの公定価格における地域区分の見直しについてを質問させていただきます。
近年の日本では、個人の生き方やキャリアに対する考え方が多様化し、共働き世帯が主流のライフスタイルとなっています。その共働き世帯を支える重要な社会基盤の一つが保育所などであります。未来を担う子供たちにとって、保育所などでの経験は、人格形成や社会性を育む大切な財産となります。
そして、その成長を支えているのが保育士の皆さんです。保育士は、まさに、こどもまんなか社会を実現するための根幹を担う大変重要な職業であります。県においても、これまで潜在保育士の再就職支援や保育士修学資金貸付事業など、人材確保に向けた様々な施策に取り組まれてきました。しかしながら、依然として保育士不足は深刻であり、その影響として待機児童が発生しています。
本県の待機児童数は、令和7年4月1日時点で、県全体で53人、主な内訳は、和歌山市18人、海南市33人となっています。また、年度途中の令和7年10月1日時点では210人まで増加し、主な内訳は、和歌山市120人、海南市64人、橋本市23人と聞いています。
特に、共働き世帯の増加に伴い、ゼロ歳から2歳までの低年齢児の保育ニーズが高まっています。低年齢児は、配置基準上、多くの保育士を必要とするため、保育士不足が直接的に受入れ枠の不足につながり、待機児童発生の大きな要因となっています。
こうした状況を受け、県では、今年度から、「わかやまで保育士になろう」推進事業をスタートしており、将来までを見据えての取組として大変期待しているところですが、本県の保育士が不足している原因の一つに、給与などの処遇面もあるのではないかと考えます。
保育所などの運営は、国が定める子供1人当たりの保育に通常必要な費用、いわゆる公定価格で賄われており、保育士の給与もその中から支払われています。そして、公定価格には地域区分が設定されており、その地域区分は、国家公務員の地域手当の区分に準拠することを基本としつつ、隣接地域との地域区分の差が大きい市町村には一定の補正ルールが適用されています。
具体的には、現行の地域区分では、和歌山市及び橋本市は地域手当の区分に準拠して6%、紀の川市、岩出市及びかつらぎ町は補正ルールが適用されて6%となりますが、海南市などの他の市町村は、補正ルールが適用されず、ゼロ%になっています。その地域区分の差は、保育士の給与水準の差につながるため、例えば、海南市は和歌山市や大阪府南部と比べて地域区分が低く設定されていることから、保育士が給与水準の高い地域へ一部流出しているのではないかと考えます。
そのような中、令和6年度の人事院勧告に伴う国家公務員の地域手当の見直しにおいて、地域手当の級地区分の設定が市町村単位から都道府県単位に変更されたことから、本県と隣接する地域では、大阪府が6%から12%に、奈良県及び三重県がゼロ%から4%にそれぞれ引き上げられた一方で、和歌山県はゼロ%とされ、個別に指定される和歌山市及び橋本市は6%から4%に引下げとなりました。
現在、その見直し内容を令和9年度から公定価格の地域区分へ反映させることが国で検討されていますが、そのまま反映されると隣接府県との給与格差が発生します。また、仮に現行の補正ルールが適用されると、紀の川市、岩出市及びかつらぎ町が和歌山市及び橋本市と同じ4%になり、海南市などの他の市町村はゼロ%のままとなるため、県内の市町村間の給与格差も解消されないことになります。
そこで、地域手当の見直しを令和9年度から公定価格の地域区分へ反映させることについて、国に対しどのように働きかけてきたのか、共生社会推進部長にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
共生社会推進部長杉本吉美君。
〔杉本吉美君、登壇〕
○共生社会推進部長(杉本吉美君) 議員御指摘のとおり、公定価格の地域区分は国家公務員の地域手当の区分に準拠して設定されており、令和6年度の人事院勧告に伴う見直しは、隣接する府県との保育士の給与格差に対して大きな影響を与え、人材確保に大きく関わる重要な問題であると認識しています。
現在、国においては、この見直しを踏まえた公定価格の地域区分の見直し方法について検討が進められており、県では、これまで、給与水準の高い地域への保育士の流出という共通の課題を抱える複数県と共に、国に対して地域区分の格差是正を要望してまいりました。
そのような中、本年3月に、地域区分については国家公務員の地域手当に準拠することを基本としつつ、新たな補正ルールを検討するという方向性が国から示されました。こうした状況を踏まえ、県では今月、国に対して、県外の隣接市町村との格差に加え、県内の市町村間の格差是正や、県全体として現行を上回る水準への引上げを要望したところです。
今後も、国の動向を注視しながら、引き続き、地域の実情を踏まえた保育士の給与改善が図られるよう国に対して働きかけるとともに、県としても、ICT化の推進や業務効率化への支援などを通じて、保育士の負担軽減や職場環境改善を図り、保育士不足の解消に全力を尽くしてまいります。
○議長(堀 龍雄君) 中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕
○中西 徹君 公定価格の地域区分は、保育士の処遇にほんまに直結する問題であり、県内外の給与格差で人材流出につながらないよう、県として引き続き国へ働きかけていただくことを要望します。
大項目2に入ります。
ツキノワグマ対策についてであります。
環境省の6月2日の速報値によりますと、令和7年度のツキノワグマの全国出没件数は5万801件に上り、記録が残る平成21年度以降、過去最多を更新いたしました。前年度、令和6年の2万513件から実に2.5倍という急増であります。人身被害も216件、被害人数238人、死亡者13人と、これもいずれも過去最悪の水準となっております。
近畿地方に目を向けますと、令和7年度の出没件数は、京都府が1241件、兵庫県が510件、滋賀県140件、大阪府25件、そして、和歌山県、奈良県、三重県の紀伊半島3県を合計すると344件に達しております。
和歌山県については、令和6年度に180件と急増し、令和7年度も99件と高い水準が続いております。とりわけ、これまで熊の出没が少なかった紀北地域、私の地元、海南市においても目撃情報が確認されており、県民の不安は高まるばかりであります。
こうした状況を受け、和歌山県は、令和7年10月、紀伊半島の推定生息数が環境省基準の400頭を超えた467頭になったことを踏まえ、第二種特定鳥獣管理計画を策定し、これまでの保護政策から管理政策へと大きく政策転換いたしました。これは、今の時代にかなった重要な決断であると思います。
しかし、政策転換の方針を打ち出すだけでは、県民の安全は守れません。問題は、その実効性を担保する現場の体制整備が追いついているかどうかであります。前回の議会でも、同僚・先輩議員からも個体数管理の方針や緊急銃猟制度の連携体制について御質問がございました。私は、それらを踏まえた上で、現場の初動対応に直結する3点についてお伺いします。
1点目は、熊の出没時の対応についてであります。
緊急銃猟制度は、昨年9月から施行され、銃器による迅速な対応が可能となりましたが、熊が出没した際の初動対応としては、箱わな、くくりわななどの設置が最初の手段となるケースが考えられます。銃猟に比べ安全性が高く、集落周辺でも活用しやすいわなの設置は、緊急銃猟と車の両輪をなす対策であると考えます。
私の地元、海南市で熊が確認され、特に農家の皆さんから、熊が出没した際の対応について不安を訴える切実な声を聞いております。
そこで、環境生活部長にお伺いします。
市町村がツキノワグマの有害捕獲を行う場合に必要となる箱わな、くくりわなの整備状況、また、熊対策資材を購入する場合の支援制度についてお聞かせください。
○議長(堀 龍雄君) 環境生活部長湯川 学君。
〔湯川 学君、登壇〕
○環境生活部長(湯川 学君) 議員御発言のとおり、本県では、昨年10月にツキノワグマの第二種特定鳥獣管理計画を策定し、これまでの保護政策から管理政策へ転換したところでございます。
ツキノワグマの有害捕獲において、国の指針では、捕獲者などの安全性に鑑み、くくりわなの使用は認められていないことから、箱わなによる捕獲に限定されています。このため、ツキノワグマの捕獲を目的としたくくりわなは保有しておりません。
なお、箱わなにつきましては、現在、伊都振興局に3基、日高振興局に2基、その他の振興局に各1基、計10基を配備しております。これらを市町村の要請に応じて貸し出すことで、機動的に対応してまいります。
また、市町村が箱わなや従事者の安全を確保するためのヘルメット、盾など、必要な資機材を購入する場合、今年度当初予算に計上しているツキノワグマ対策事業において、事業費の4分の3を補助することとしております。
今年度は、複数の市町において本事業の活用が予定されており、引き続き、こうした取組を通じて市町村の取組をしっかりと支援し、県民の不安を払拭してまいります。
○議長(堀 龍雄君) 中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕
○中西 徹君 答弁ありがとうございます。
実際、海南市で熊が目撃されたときに、私の携帯にその熊の写真が送られてきたときは、正直驚きました。「うわっ、熊や」というのが正直な感想ですね。その後、農家の皆さんから、消毒にも行けないというぐらい不安な声を何件かお電話いただいて、早く対応してほしいというような声がたくさんあって、実は昨日、また熊の出没が下津町で確認されたということで、ちょうど今、この時間に、市と県が連携して対応していただいているということなので、それについては本当にありがたいと思いますし、即対応していただいていることに感謝したいと思います。
本当に、第一次産業を守るということに直接つながると思いますので、どうか今後とも対応のほう、よろしくお願いいたします。
そのことを感謝したことを申し上げて、第2点目、熊の出没時における情報共有、初動体制についてお伺いします。
今の質問にも関係するのですが、前回の議会で林議員、坂本議員の質問への答弁では、県の自然環境課ホームページの目撃情報の公開や、市町村、警察を交えた研修会の実施が示されていました。
海南市においては熊の出没が現実のものとなっており、市民から、「熊が出たらどこに通報するのか」「行政はすぐ動いてくれるのか」という声が届いております。住民が求めているのは、ホームページではなく、出没した際に迷わず動ける連絡系統と即応体制であります。
そこで、改めて環境生活部長にお伺いします。
熊出没時における市町村、県、警察間の緊急連絡体制と住民への注意喚起の伝達手段はどうなっているのか、お聞かせください。
○議長(堀 龍雄君) 環境生活部長。
〔湯川 学君、登壇〕
○環境生活部長(湯川 学君) 本県では、和歌山県ツキノワグマ保護管理指針に基づき、熊の出没情報が市町村や県、警察等に寄せられた場合、直ちに関係機関相互で情報を共有する体制を構築しております。
あわせて、何より県民の皆様の安心・安全を確保するため、市町村及び警察が必要に応じて、防災行政無線やホームページ、防災メール等により出没情報を周知するとともに、不要な外出を控えていただくよう注意喚起を行っているところでございます。
○議長(堀 龍雄君) 中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕
○中西 徹君 3点目に入ります。
ツキノワグマ対策の担い手育成についてであります。
わなの設置も、緊急銃猟も、それを運用する人がいなければ絵に描いた餅であります。坂本議員の御質問でも、猟友会員の高齢化、若手不足、山間地域での地理的偏在という構造的課題が指摘されていました。県の答弁では、県猟友会への協力依頼や他県での訓練参加が示されていました。
和歌山県内でも、狩猟免許取得費用の補助や若手狩猟者育成のための実践的訓練プログラムを設けている自治体も出てきておりますが、熊対策の担い手を計画的に育てる仕組みを早急に構築しなければ、管理計画は機能しないと考えます。
そこで、環境生活部長にお伺いします。
ツキノワグマ対策を担う狩猟者の育成に向けて、人員確保や技術向上など、具体的な施策について、県としてどのように強化していくお考えなのか、お聞かせください。
○議長(堀 龍雄君) 環境生活部長。
〔湯川 学君、登壇〕
○環境生活部長(湯川 学君) ツキノワグマ対策を担う狩猟者の確保につきましては、まず、何よりも新規の狩猟免許取得者を増やすことが重要であると認識しております。
このため、県では、狩猟者の確保、育成に向け、狩猟の魅力を伝える体験研修や、銃猟による捕獲技術の向上を図る研修などを実施しているところでございます。加えて、ツキノワグマの生態や捕獲時の具体的な対応に関する知識習得のための研修会開催も予定しております。
また、昨年12月以降、人の生活圏に熊が出没した場合を想定した緊急銃猟訓練を複数回重ねてまいりました。今年度につきましても、引き続き、県内全域で緊急銃猟訓練を実施してまいります。
○議長(堀 龍雄君) 中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕
○中西 徹君 訓練と新規狩猟免許を取得することを増やすことが私も重要と思いますので、どうか引き続き取組のほうをよろしくお願いいたします。
次、大項目3、行政システムのサイバーセキュリティー対策の強化についてお伺いします。
近年、サイバー攻撃は巧妙化、大規模化しており、企業だけでなく、自治体にとっても、県民生活を脅かす重大なリスクとなっています。
昨年、アサヒグループホールディングスでは、令和7年9月29日に発生したサイバー攻撃によりシステム障害が発生し、ランサムウエアによる被害が確認されました。同社の発表でも、原因究明や情報漏えいの可能性、再発防止策が示されており、一企業の問題にとどまらず、物流や取引先を含めたサプライチェーン全体に大きな影響を及ぼす事例となりました。
自治体においても、行政システムが攻撃を受ければ、住民情報や機密データの漏えい、戸籍、税務、医療、福祉、防災などの重要サービスの停止に直結し、県民生活に深刻な影響を与えます。このアサヒグループホールディングスの事例を他山の石として、本県においても、より一層の対策強化が必要であると考えます。
また、情報システムが巨大化、複雑化の一途をたどり、人間の力では脆弱性を全て見つけ出すことは物理的に不可能に近い状況であることから、直近では、高度なAIモデルをサイバーセキュリティー対策に活用する動きも進んでいます。
本県のサイバーセキュリティー対策において、異常通信の検知、インシデント対応の迅速化、職員研修や標的型メール訓練の高度化など、生成AI活用の可能性は大きいと考えます。
そこで、お聞きします。
現在、和歌山県が保有、運用している行政システムに対し、どのようなサイバーセキュリティー対策を講じているのか、また、アサヒグループホールディングスの事例のようなランサムウエアによる大規模なシステム停止攻撃に対し、県としてどのような備えをしているのか、例えば、県の業務が継続できるように、暗号化を防ぐための対策、データのバックアップの確保などはできているのか、総務部長にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 総務部長山本祥生君。
〔山本祥生君、登壇〕
○総務部長(山本祥生君) 県では、行政システムの安全性を確保するため、情報セキュリティーポリシーを策定し、これに基づいて様々な角度から対策を講じております。
まず、近年の攻撃手段に多く見られるネットワーク機器からの侵入予防として、これらの機器を常に最新のバージョンに更新して脆弱性に対応しているほか、外部からのアクセス制御を厳格化するなど、攻撃を未然に防ぐ対策を行っております。
また、万が一侵入された場合の内部防御策として、マイナンバー等の秘匿性の高い情報に直接インターネットから接続できないようネットワークを分離しているほか、パソコン等を24時間監視し、例えば、暗号化をされる前にプログラムの不審な挙動を確認した際には、当該プログラムの停止やファイルの隔離を行うなど、被害を最小限に抑える対策も実施しております。
さらに、ランサムウエア等の攻撃を受けた場合の備えとして、データを外部に持ち出しづらくする仕組みを導入しているとともに、データ保存の二重化や定期的なバックアップを行うなど、情報漏えい防止や早期復旧のための対策も講じています。
加えて、これらの対策が適切に取られているかを外部専門家の定期監査により客観的に点検しているほか、各課が所管する個別システムについても、セキュリティー診断によって脆弱性を確認し、全体としてのセキュリティー水準の向上に努めております。
今後とも、国や社会情勢の動向も注視しながら、セキュリティー対策及び運用方法について継続的に検討、研究してまいります。
○議長(堀 龍雄君) 中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕
○中西 徹君 分かりました。
サイバー攻撃は、日々高度化、巧妙化しており、昨日まで安全だった対策が今日には通用しなくなる時代となっています。県においても様々な対策を講じていることは理解できましたが、まず、行政サービスを止めないことが何よりも重要だと思いますので、しっかり取組のほうをよろしくお願いします。
2項目、職員を対象とした研修、訓練及び専門家などとの連携構築についてお伺いします。
サイバー攻撃への対策は、システムや機器による技術的防御だけでは十分ではなく、実際に対応する職員一人一人の危機管理能力や判断力が極めて重要であると考えます。特に近年は、標的型メール攻撃やランサムウエア被害など、人の対応ミスを起点とする事案も多く発生しており、平時からの訓練や人材育成が不可欠だと考えられます。
そこで、お聞きします。
サイバー攻撃は、技術的な対策だけでなく、人の対応力も極めて重要です。県職員を対象とした研修、訓練は実施されているのか、また、特にセキュリティーを担う専門人材の育成や外部からの専門家などとの連携体制はどのように構築されているのか、総務部長にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 総務部長。
〔山本祥生君、登壇〕
○総務部長(山本祥生君) サイバーセキュリティーへの人的対応力の向上につきましては、各課の担当者を集めた集合型研修だけでなく、全ての職員を対象に、繰り返し学習することで定着を図るオンライン型研修も実施しているほか、研修の理解度の確認も兼ねた抜き打ちでの標的型メールの模擬訓練を行うなど、全職員の知識と意識を高めるための取組を行っております。
また、情報基盤課職員に国主催の実践的なサイバー防御研修を受講させるなど、情報セキュリティーを所管する職員の対応能力の向上にも努めております。
さらに、サイバーテロ対策連絡協議会に参画し、県警察と適宜情報交換を行っているほか、ネットワークやセキュリティーを専門とする学識経験者を2名委嘱し、情報セキュリティー対策へのアドバイスを受けることができる体制も整備しております。
○議長(堀 龍雄君) 中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕
○中西 徹君 大項目4、中小企業、小規模事業者の価格転嫁支援についてお伺いします。
今、世界では、米国の関税政策や原油価格の不安定化、そして円安の継続により、あらゆる原材料、エネルギーコストが高止まりしています。この波はもちろん和歌山にも直撃しており、和歌山市の消費者物価指数は、令和7年平均で前年比3.5%上昇しています。問題の本質は、この上昇したコストを販売価格に転嫁できているかどうかです。
帝国データバンクが令和8年2月に行った調査では、全国の価格転嫁率は僅か42.1%にとどまっています。つまり、仕入れコストが上がっても、かかるコストの上昇分の約60%を自らのみ込んでいる、その分だけ利益が削られ、賃金も上げられず、設備投資もできない悪環境に陥っているわけです。
こうした状況を受け、令和8年1月には下請法が約20年ぶりに大改正され、中小受託取引適正化法として施行されました。委託事業者が価格協議に応じず、一方的に代金を決定することは、新たに禁止されました。
法律の整備は前進しました。しかし、施行後もなお価格転嫁率は42.1%止まりです。法律はできましたが、現場には届いていないのではないか、この危機感から、以下の質問を行います。
本県における価格転嫁の実態把握について、お伺いします。
全国平均42.1%という価格転嫁率が示されていますが、これは、あくまで全国の数字です。中小企業、小規模事業者が多い和歌山のような地方では、この数字はさらに厳しい可能性があります。
そこで、お聞きします。
県は、本県の中小企業、小規模事業者の価格転嫁の状況について、独自に実態調査を行っているのか、また、コスト上昇を転嫁できずに経営を圧迫されている事業者の現状を県としてどのように認識しているのか、商工労働部長にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 商工労働部長今井善人君。
〔今井善人君、登壇〕
○商工労働部長(今井善人君) 県としましては、上昇コストを販売価格に転嫁できない状況は、企業の存続に関わる重大な課題と考えていることから、令和6年に、県内企業3000社を対象とした県独自の経営実態調査を実施しました。
調査結果としましては、県内の価格転嫁率は、労務費では56.7%、エネルギーコストでは60.7%、原材料・部品価格では63.2%となっており、民間会社が調査した全国平均と比較しても、価格転嫁が進んでいる状況でありました。
○議長(堀 龍雄君) 中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕
○中西 徹君 県独自で調査をされていたということは評価します。全国よりも和歌山県は価格転嫁できているようですが、ただ、依然として約4割前後が価格転嫁できていないということですので、引き続き調査のほうをよろしくお願いいたします。
次に、中小受託取引適正化法の周知と支援体制についてお伺いします。
先ほども申しましたが、中小企業、小規模事業者を守る下請法が改正され、令和8年1月1日から中小受託取引適正化法に変わりました。その背景には、近年の急激な物価上昇と、これを上回る賃上げの実現という目標があり、受託事業者に負担を押しつけるような商慣習を一掃するため、協議に応じない一方的な代金決定や手形払いなどの禁止が定められました。
新法の下では、委託事業者が価格協議を無視することや、理由なく低い代金を押しつける行為は違法となります。これは、受託事業者の県内事業者にとって大きな武器になり得ます。しかし、法律の存在すら知らない事業者も多いのが実態ではないでしょうか。
そこで、知事にお伺いします。
この新法について、県内の中小企業、小規模事業者への周知はどのように行ったのか、また、説明会の開催実績などはあるのか、さらに、不当な価格据置きを強いられた事業者が相談できる窓口として、県として取引適正化を後押しするための具体的な支援策はあるのか、併せてお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 知事宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 中西徹議員の質問に答えさせていただきます。
まず一つ目に、中小受託取引適正化法の周知につきましては、国や関係機関において様々な周知を行っているところです。
県といたしましても、ホームページに情報を掲載するとともに、価格転嫁支援事業として実施したセミナーにおいて周知を行ったところであります。
二つ目に、相談窓口につきましては、不当な取引を強いられた事業者に対し、国が設置する取引かけこみ寺やよろず支援拠点などの相談体制がしっかりと構築されております。
三つ目に、県の施策につきましては、当法律を後押しするため、価格転嫁を促進するセミナーや原価計算方法を学ぶワークショップを開催しております。さらに、価格転嫁の手法に詳しい専門家を派遣し、交渉スキルの向上を図るなど、個々に事業者に応じた伴走支援を行っております。
過去、本県におきましても、あしき商取引慣行によりまして事業者が廃業した事例を受け、国に対して業界全体への指導を要請し、不適正な取引を是正したところであります。
県としては、全国に先駆けて、取引改善に向けた連携協定を経済産業省と締結しています。今後も、不適正な取引を市場から完全に排除し、適正な利益循環を生み出す取引環境を構築するため、個々の事業者に寄り添った支援を実施し、円滑な価格転嫁の実施を図ってまいります。
○議長(堀 龍雄君) 中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕
○中西 徹君 帝国データバンクの調査では、価格転嫁が十分に進んでいない企業ほど収益環境が悪化しており、2026年4月における物価高倒産が過去最多を更新したと報告されています。価格転嫁できる事業者とできない事業者の二極化が進めば、和歌山の地域経済は静かに、しかし、確実に空洞化していきます。
中小企業、小規模事業者は、和歌山の雇用と暮らしを支える根幹です。価格転嫁できない事業者が廃業に追い込まれることを県として座視するわけにはいかないですし、今の答弁では、知事も同じ思いでしっかりと取り組んでいくということですので、引き続き、状況に応じた支援をよろしくお願いいたします。
それでは、最後の質問に入ります。
和歌山県の伝統工芸を守り、未来への体制整備についてであります。
和歌山県の未来にとって大変重要なテーマである伝統工芸の継承と振興について質問します。
和歌山県には、紀州漆器、紀州箪笥、紀州へら竿など、全国に誇る伝統工芸が数多く存在します。これらは、単なる古い技術ではありません。地域の歴史そのものであり、文化の象徴であり、そして、本来は観光や付加価値産業として未来の和歌山を支える、稼ぐ力にもなり得る大きな可能性を秘めた資産であります。
しかし、現実には、県内の多くの伝統工芸が今、継承の危機にあります。従事者の高齢化が進み、後継者不足が深刻化し、技術を体系的に記録する仕組みも十分ではありません。
国の指定制度や補助金は、職人の数、工房の数、組合組織の規模、生産量の大きさを基準に評価されるため、技術の高さや歴史そのものが評価の中心ではないように考えます。そのため、歴史は深いのに産地規模は大きくない、個々の技術の専門性が極めて高い工房が小規模で分散しているといった特徴を持つ和歌山の伝統工芸は、制度上、大産地の中に埋もれてしまう構造になっています。つまり、技術だけではなく産地の規模でも評価が決まるため、和歌山独自の技術や歴史が制度上十分に評価されない、これが現場の危機意識の背景にあります。
これらを放置すれば、数百年にわたり継承されてきた技術が私たちの世代で途絶えてしまう、県内の職人からはそのような危機感が強く語られています。私自身も、これは看過できない重大な課題だと感じております。
そこで、質問です。
まずは、このような危機感を抱える和歌山の伝統工芸品産業に対して、県はどのような取組を行い、これからをどのようにお考えなのか、伝統工芸の振興に関する県の考え方について、商工労働部長にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 商工労働部長。
〔今井善人君、登壇〕
○商工労働部長(今井善人君) 本県の伝統工芸につきましては、経済産業大臣が指定する伝統的工芸品として、紀州漆器、紀州箪笥、紀州へら竿の3品目が指定されております。
国の指定を受けるためには、事業協同組合などの団体でなければ指定の申出を行うことができず、加えて、一定数以上の従事者がいることなど、いわゆる産地の規模に関することも要件の一つとして設けられております。
そのため、県では、独自の制度として、産地の規模にかかわらず、伝統的な技法または技術により製造され、工程の主要部分が手工業的であることなどの要件を備えた工芸品を和歌山県郷土伝統工芸品として指定しております。
県の郷土伝統工芸品としましては、有田川町の保田紙や田辺市本宮町の皆地笠、紀美野町の棕櫚箒など、10品目を指定するとともに、経済産業大臣指定の伝統的工芸品3品目と併せて、後継者育成に関する助成やイベントの開催に対する支援を行っているところです。
伝統工芸品産業は、長年にわたり地域に根差し、職人の手仕事により受け継がれてきたものであり、伝統製作技術の保存、継承を担う重要な役割を果たしていることから、県としましても、県内事業者の声をお聞きしながら、引き続きその振興に取り組んでまいります。
○議長(堀 龍雄君) 中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕
○中西 徹君 県内事業者の声を聞きながら引き続き取り組んでいただきたいのと、他府県では、独自の制度として、品目を指定するだけではなく、その工芸品の製造従事者を伝統工芸士として認定する制度を設けている例もあると聞いておりますので、本県についてもそのような取組ができればいいのではないかというふうに考えております。
次の質問に入ります。
伝統工芸を横断的に支える体制について、お伺いします。
伝統工芸は、商工行政の領域であると同時に、文化行政の領域でもあると考えます。技術保存、人材育成、事業者支援、販路開拓など、複数分野にまたがる課題を扱うため、横断的な支援体制が重要なのではないかと考えます。私は海南市出身なので、紀州漆器の関係者の皆さんにお話を聞いたところ、伝統工芸を横断的に支える体制も必要だと話されていました。
県として、横断的支援の体制をどのように考えているのか、商工労働部長にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 商工労働部長。
〔今井善人君、登壇〕
○商工労働部長(今井善人君) 伝統工芸品につきましては、伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき、地場産業としての振興を図るという観点から、商工労働部が所管しているものです。
一方で、伝統工芸品は、長年培われた歴史的背景や伝統技法から生まれる洗練された意匠により、芸術的要素を備えるものでもあります。文化振興を所管する企画部においては、伝統製作技術の保存継承に特に功績のある方をたたえる和歌山県名匠表彰制度を設けており、これまで多くの方々を顕彰してきております。
これらのことを踏まえ、今後も、商工行政部門と文化行政部門が引き続き連携しながら、伝統工芸品産業の振興と、伝統製作技術をはじめとする技術、文化の保存継承の両面から支援してまいります。
○議長(堀 龍雄君) 中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕
○中西 徹君 よろしくお願いします。
それでは、最後に入らせていただきます。
伝統工芸の製造に関わる職人同士、業界間のつながりについてお伺いいたします。
石川県では、職人、学校、行政、産地組織がネットワークで結びつき、技術資料の保存や学習機会の整備が進んでいます。
また、石川県の体系的な取組以外にも、他県では、職人同士の連携強化、技術資料の体系的な保存、若手育成につながる学びの場の創出などを担う伝統工芸士会のような組織が形成されています。職人同士の情報共有に始まり、工芸品同士のコラボレーションによる新たな価値の創造のような効果も期待できるのではないでしょうか。紀州漆器の関係者の皆さんからも、そのような取組への前向きな声をお聞きしており、和歌山県でもこのような職人同士のつながりを構築することは、意義のある取組だと考えます。
県として、このような職人同士、業界間をつなぐネットワーク構築に向け、どのような方向性を描いているのか、商工労働部長にお伺いします。
○議長(堀 龍雄君) 商工労働部長。
〔今井善人君、登壇〕
○商工労働部長(今井善人君) 議員御指摘のとおり、伝統工芸に携わる職人同士、業界同士が相互に連携することは、情報の共有や分野を超えた連携による新たな価値の創出、さらには、和歌山県の伝統工芸品としての一体的なブランド力向上などの効果が期待できるものと認識しております。
県としましては、職人の皆様の御意見も伺った上で、これまで接点のなかった職人同士の関係構築への支援や、交流の場を設ける際のきっかけづくりなど、必要に応じた支援を行うことで、職人の皆様による自立的なネットワークの形成を促してまいります。
○議長(堀 龍雄君) 中西 徹君。
〔中西 徹君、登壇〕
○中西 徹君 和歌山の伝統工芸は、観光、インバウンド、地域ブランド、ふるさと納税なども連動し、地域の未来を支える稼ぐ力を生み出す可能性を持っています。他県の例を見れば、制度と体制を整備した県では、技術が守られ、若者が集まり、経済効果が生まれています。
和歌山の豊かな文化を守り、技術を未来へつなぎ、産業として育てていくためには、県が強い意志を持って制度を整えることが不可欠だと考えますので、引き続き、状況に応じた支援をお願いします。
それでは、これで私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(堀 龍雄君) 以上で、中西徹君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開きます。
本日は、これをもって散会いたします。
午後2時37分散会

