令和8年2月和歌山県議会予算特別委員会会議記録(総括質疑2日目)


令和8年2月和歌山県議会予算特別委員会会議記録(総括質疑2日目)

  予算特別委員会会議録 第2号

   令和8年3月11日(水)

   予算・決算特別委員会室

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  出席委員

   委員長  濱口太史

   副委員長 佐藤武治

   委員   上山寿示

   委員   鈴木德久

   委員   井出益弘

   委員   玄素彰人

   委員   山家敏宏

   委員   北山慎一

   委員   堀 龍雄

   委員   新島 雄

   委員   山下直也

   委員   尾﨑太郎

   委員   藤山将材

   委員   片桐章浩

   委員   長坂隆司

   委員   小川浩樹

   委員   岩井弘次

   委員   中西 徹

   欠席委員 なし

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  説明のため出席した者

   知事       宮﨑 泉

   副知事      友井泰範

   総務部長     山本祥生

   危機管理部長   中村吉良

   企画部長     北村 香

   地域振興部長   赤坂武彦

   環境生活部長   湯川 学

   共生社会推進部長 島本由美

   福祉保健部長   𠮷野裕也

   商工労働部長   中場 毅

   農林水産部長   川尾尚史

   県土整備部長   小浪尊宏

   会計管理者    高橋博之

   教育長      今西宏行

   警察本部長    野本靖之

   総務部財政課長  小林知広

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  午前9時57分開議

 ○濱口委員長 皆さん、おはようございます。

  定刻より少し早いんですが、皆さんおそろいのようなので、始めさせていただきたいと思います。

  ただいまより予算特別委員会を再開いたします。

  撮影等の許可についてお諮りをいたします。

  県政記者クラブ、地方新聞記者クラブ、県政放送記者クラブ、県広報課のほうから撮影等の申出がありました。許可することに御異議ござ

 いませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 ○濱口委員長 御異議なしと認めます。よって、撮影等の申出は、これを許可することに決定いたしました。

  なお、フラッシュ撮影等は御遠慮願います。

  ここで、議事に入ります前に、本日は東日本大震災の発生から15年を迎えます。亡くなられた方々に哀悼の意を表し、黙禱をささげたいと

 思います。

  皆様、御起立お願いします。

  黙禱。

    〔起立・黙禱〕

 ○濱口委員長 黙禱を終わります。

  お座りください。

  質疑予定表及び質問事項表は、配付のとおりです。

  また、本日、当委員会に出席を求めた者の職氏名は、配付している答弁者の範囲のとおりですので、御了承願います。

  なお、質疑の完結時間は答弁の時間も含めて50分をめどとする旨、申合せをしております。

  委員におかれましては、当委員会の目的を御理解の上、単刀直入に御質問していただくとともに、当局の答弁は、発言の趣旨を的確に捉

 え、簡潔明瞭にお願いいたします。

  それでは、これより議事に入ります。

  この2月定例会において当委員会に付託された議案は、配付している付託議案表のとおりです。これを一括して議題といたします。

  これより質疑を行います。

  長坂隆司委員。

   (拍手)

○長坂委員 おはようございます。

  委員長のお許しをいただきましたので、以下、通告に従いまして質問をさせていただきます。

  学校における保護者対応をめぐるカスタマーハラスメントについてであります。

  カスハラに対しては、昨年6月公布の改正労働施策総合推進法、すなわちカスハラ防止法で、事業者に対し、カスハラ対策を義務化。悪質

 なクレームに対し、方針の明確化や相談体制の整備などを求めています。全国でも、各地でカスハラ防止条例が制定されつつあります。以

 前、企業でのお客様からの過度な要求に対する対策の必要性を質問させていただいたことがありました。本年2月17日の産経新聞でも紹介

 されていましたが、教育現場においても、学校での保護者や地域住民対応をめぐって、教職員が心身に支障を来すケースが相次いでいます。

  例えば、教職員に対する暴言や侮辱的な発言、威嚇的な行動、長時間の拘束や不当な謝罪要求、過剰で執拗な問合せや要求、不適切な贈

 答品の強要、プライバシー侵害、SNSなどでのインターネット上での誹謗中傷、教育活動の妨害を目的とした苦情や要求、重大な結果を招

 く虚偽の情報提供、身体的接触や威圧的な態度、無断で学校施設を訪問し、業務を妨げる、さらに、退去要請に応じない行為等々が考えら

 れます。

  こうした行為はカスタマーハラスメントの一環とされ、各学校でも対策を進めようとされていますが、カスハラに当たるか否かの判断が

 難しくて、カスハラの基準が明確でないケースが多いようです。学校現場と教育委員会で対応方針に食い違いが出るところもあるようであ

 ります。

  堺市では、教師の生徒への指導に対する市教委の対応がパワハラに当たるとして、校長が市に慰謝料など330万円の損害賠償を求めて、

 大阪地裁堺支部に提訴しております。東京都は昨年4月に東京都カスタマーハラスメント防止条例が施行されましたが、本年2月2日、保

 護者の過剰要求に対するガイドラインを策定しました。教員へのカスハラ行為として、過度な謝罪の要求、担任変更などを執拗に要求、長

 時間の居座りや電話などを例示しています。複数回の面談を経て業務に支障が生じると判断した場合には、対応を終了することなどを盛り

 込んでいます。

  専門家は、保護者から過度な要求があった場合、カスハラに当たるかの線引きの基準をあらかじめ決めておかないと対応打切り判断は難

 しくなると指摘して、ガイドライン策定の重要性を訴えています。実効性のあるルールや制度で教員を守らなければいけません。

  そこで質問ですが、一つ目、学校は教職員が安心して教育活動に専念できる環境を提供するとともに、児童生徒等の健全な成長を支援す

 る役割を担っています。本県における教育現場での保護者等からの要求に対する学校側の対応について、和歌山県教育委員会においては、

 ガイドラインやカスハラの基準を示されていますか、教育長にお伺いいたします。

 ○濱口委員長 今西教育長。

 ○今西教育長 近年、学校現場における保護者等からの要望は多様化、複雑化しており、学校だけの判断では解決が困難な事案も増え、教

 職員が疲弊する場合があります。そのような状況を踏まえ、県教育委員会では、今年度、カスタマーハラスメント対応マニュアルを策定い

 たしました。マニュアルでは、長時間にわたって居座りや電話等を続ける行為、職員の揚げ足を取って責め立てる行為など、明らかに度を

 越える具体的な行為類型を示し、カスタマーハラスメントの定義や場面別の対応例などの留意点等をできる限り具体的に示しています。

  今後は、他府県で生じた事例などを踏まえつつ、社会通念に照らし、本県マニュアルを補足する改定を行いながら、より学校が組織とし

 て厳正かつ毅然と対応できるよう、実効性の高い仕組みづくりに取り組んでまいります。

 ○濱口委員長 長坂委員。

 ○長坂委員 和歌山県教育委員会の学校への意見や要望等への対応ハンドブックやカスタマーハラスメント対応マニュアルを拝見しまし

 た。確かに、場面場面での具体的な対応について詳しくマニュアル化されたものと評価させていただきました。教師側としては難しいと

 思いますが、くれぐれも冷静な対応が必要だと思います。

  2点目に、教育現場では、保護者や地域住民だけでなく、生徒からの教師に対するハラスメントもあると思います。小・中・高校生か

 らのカスタマーハラスメントに類する対策についてはどのようにお考えですか、教育長にお伺いいたします。

 ○濱口委員長 教育長。

 ○今西教育長 生徒の不適切な言動については、教育活動の一環である生徒指導の対象として、粘り強く教育的な働きかけにより自制を促

 し、成長を支援することが学校の本来果たすべき役割であると考えます。このため、一般社会におけるハラスメント対策の概念をそのまま

 適用するのではなく、組織的な生徒指導の徹底と教職員を孤立させない支援体制の強化を図ることにより、教職員の安全と教育環境の質の

 確保を両立させていくべきと認識しております。教育委員会では、生徒による著しい問題行動が発生した際には、担任一人に責任を負わせ

 ることなく、校長等の管理職を含めた複数の教職員、さらには、スクールカウンセラー等の専門職も加わった「チーム学校」としての体制

 構築を推進しているところです。

  今後も、現場の教職員がちゅうちょすることなく、速やかに組織の支援を求められる環境整備に努めてまいります。

 ○濱口委員長 長坂委員。

 ○長坂委員 生徒からの暴力的な振る舞いや過剰な要求も、個人的なものやグループ的なものもあると思います。これも教職員のメンタル

 ヘルスも考えないといけないと思うので、教職員1人での対応より複数人での対応が求められると思います。必要に応じて、スクール

 カウンセラーなどによる心のケアを行うべきかもしれません。児童生徒の興奮状態を鎮静化する、また、必要に応じ、自己や他者を守るた

 めの正当な防衛として、身体を取り押さえることもあるでしょう。周囲の児童生徒を遠ざけ、安全を確保しないといけないかもしれません。

 小中高それぞれで対応はおのずと変わってくるものと思いますが、丁寧な対話と生徒がカスハラを行う背景を冷静に探り出す辛抱強い取組

 が必要になってくると思います。当該生徒を取り巻く環境として、例えば、家庭の問題、学校でのストレス、情緒不安定など、精神的な不

 調等があるのかもしれません。

  3点目に、和歌山県におかれても、カスタマーハラスメント防止のための条例を検討されているとお聞きいたしておりますが、どのよう

 な条例で、いつ頃の制定を考えておられますか、知事にお伺いいたします。

 ○濱口委員長 宮﨑知事。

 ○宮﨑知事 カスタマーハラスメントを受けた人が心身を害し、休職や離職に至ることがないよう、事業主が雇用する従業員等を守り、誰

 もが安心して働ける環境を確保する、そういうために、県では条例の制定を検討してまいりました。そのような中、令和7年6月に、国に

 おいて労働施策総合推進法が改正され、カスタマーハラスメントに起因する問題に関する国、事業主、労働者及び顧客等の責務が明確にな

 りました。

  また、カスタマーハラスメントに対して事業主が講ずべき措置等について国が初めて指針として示すこととなり、令和8年2月に告示さ

 れたところです。この法律とか指針につきましては、大変細やかな、相談窓口のこととか、事業主が雇用者に対してこうしていかないとい

 けないとか、そういったことがかなり詳しく書かれています。まず、これを浸透させていくことから始めていきたいなというふうに思って

 おります。

  また、2年ごとに和歌山県労働条件等実態調査が行われます。その中でアンケートがあるんですけれども、それとか、労働相談件数など、

 そういったものにおいて、改正法の効果についてしっかりと検証していきたいなというふうに思っております。

  したがいまして、労働条例の制定につきましては、法律と同じものならつくる意味が大分薄れてきますので、改正法及び指針をしっかりと

 研究いたしまして、その内容とか必要性を検討してまいりたいなというふうに思っております。

  また、それとともに引き続き、カスタマーハラスメント防止に関する効果的な取組というのを実施してまいります。

 ○濱口委員長 長坂委員。

 ○長坂委員 令和7年6月の改正労働施策総合推進法、そして、令和8年2月告示のカスタマーハラスメントに対して事業主が講ずべき措置

 等についての指針を読ませていただきました。カスハラ問題は人権問題にもつながると思っております。理念としては理解するものの、実効

 性を持たせるためには、私は目に余るカスハラ行為には、行為者に猛省を促し、二度と過ちを繰り返さないようにするために、何らかの罰則

 を科すことを定めた条例化が必要ではないかと思っております。引き続き、条例制定の必要性の検討をお願いいたします。

  2点目に、地震の際の港湾の対応についてであります。

  15年前、3月11日、本日、東日本大震災が起こりましたが、それに関連して、おととしの正月の能登の地震を例に挙げて質問させていただ

 きます。

  令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震は、石川県能登半島を震央として、最大震度7──石川県輪島市、志賀町──が観測

 されました。地震動による被害は、岸壁等の変位、液状化による段差や噴砂及び岸壁背後の沈下等が発生し、北陸地方整備局管内の29港湾

 のうち22港湾が被災しました。被害が甚大であった地域が半島部という条件不利地域であったことも特徴として挙げられています。

  南海トラフ地震の際の和歌山県も、同じ海に囲まれた半島県であり、大規模地震の発生が危惧されています。和歌山県では、主要港湾の

 港管理者は県ですが、大地震における港湾の初動体制が気になるところです。能登半島地震では、津波警報・注意報が発表されたことで、

 人による点検を直ちに実施することができず、まず、輪島港、金沢港、伏木富山港、新潟港に設置しているみなとカメラによる情報把握を

 行おうとしました。しかし、みなとカメラだけでは十分な状況把握ができないことから、防災ヘリコプター2台による被災状況調査を実施

 するとともに、一般社団法人海洋調査協会へ要請し、ドローンによる被災状況調査を1月の2日から4日にかけて、金沢港、輪島港、七尾

 港の順に実施しています。一方、津波注意報が解除された1月2日10時以降、順次、北陸地方整備局職員による国有港湾施設などの点検を

 開始しています。

  地震の影響が甚大であった能登地域については、1月2日より石川県の管理代行を開始したことにより、対象港湾6港のTEC-FORCE・緊

 急災害対策派遣隊による被災状況調査を1月3日から行っています。管理代行以外の地方港湾への支援対応として、1月3日に和倉港及び

 半ノ浦港の港湾管理者である七尾市からの派遣要請を受けたことで、TEC-FORCEによる被災状況調査を実施しています。七尾港、飯田港、

 小木港では、航路や泊地などの水域施設について、当局が所有する港湾業務艇と海底地形探査装置を用いた深浅測量を海洋調査協会の協

 力の下に実施しています。

  また、1月3日、北陸地方整備局港湾空港部のリエゾン・連絡員を輪島市及び珠洲市へ派遣しています。輪島港及び飯田港の被災状況の

 把握のほか、各自治体の支援物資輸送に関する調整、海上保安部、自衛隊等のリエゾンとの現地調整、その他、支援ニーズの把握などを目

 的として活動を実施しました。

  防災ヘリによる被災状況を確認した結果、能登地域では港湾全体に被害が及んでおり、港湾法第55条の3の3による石川県からの要請に

 基づき、七尾港、輪島港、飯田港、小木港、宇出津港、穴水港の計6港について、1月2日より港湾施設の一部管理を国土交通省港湾局が

 実施しました。ただし、入港手続等の管理事務は、本来の港湾管理者である石川県が引き続き実施しました。

  そこで質問ですが、一つ目、和歌山県において、津波を伴う南海トラフ地震が発生した際の港湾管理者としての和歌山県の初動体制につ

 いて、県土整備部長、御答弁をお願いいたします。

 ○濱口委員長 小浪県土整備部長。

 ○小浪県土整備部長 南海トラフ等における地震に伴う県土整備部所管の津波への備えとしましては、港湾・漁港の管理者、また海岸管理

 者、河口部の河川管理者等、多くの立場からの対策を進めております。いずれも被害の抑制・拡大防止と早期の復旧・復興を目指して、堤

 防等のハード対策、御指摘の初動体制や避難支援等のソフト施策、この双方について、国、市町村、関係機関と連携して取り組んでいると

 ころです。

  津波の発生が予測される場合、まずは港湾施設等の利用者に対して避難を促します。同時に、速やかに関係機関との連絡体制の確保を

 行ってまいります。並行して、県が管理する海岸河口付近等の水門等、計524か所のうち、常時閉鎖されている箇所を除く270か所を閉鎖し

 ます。このうち88か所は自動化等を終えておりまして、残る182か所は、市町の職員、地元自治会、消防団の皆様などにより、手動で閉め

 ていただく手はずとなっております。

  そして、津波が観測された後には、ヘリコプター映像など災害対策本部に集められた情報を活用し、油の流出といった海域への被害や堤

 防等の施設の被害状況の早期把握に努めてまいります。その後、津波注意報の解除等、一定の安全が確保された後に現地調査を行い、被災

 状況の詳細な確認を行います。

 ○濱口委員長 長坂委員。

 ○長坂委員 2点目に、施設の復旧と併せて、物流や漁業といった生活と産業活動を支える港湾機能の応急復旧について、本県の対応を県

 土整備部長、教えてください。

 ○濱口委員長 県土整備部長。

 ○小浪県土整備部長 先ほど申し上げました初動対応の後、被災箇所の応急的な復旧について、和歌山県建設業協会や和歌山県測量設

 計業協会等の災害時協定団体に応援を要請いたします。その際、作業船や重機といったものの被災状況も併せて確認いたします。これら

 の皆様の協力をいただきまして、緊急物資の輸送を可能とするため、岸壁、荷さばき地、臨港道路といった港湾施設の応急復旧、また、

 復旧作業の障害となる瓦礫等の移動や船の航路の確保などを行います。

 ○濱口委員長 長坂委員。

 ○長坂委員 南海トラフ地震など大規模災害等の危機的事象が発生した場合でも、当該港湾の重要機能が最低限維持されるよう、平時の

 マネジメント活動等を示す港湾の事業継続計画・港湾BCPの作成はなされているのでしょうか、県土整備部長にお伺いいたします。

 ○濱口委員長 県土整備部長。

 ○小浪県土整備部長 港湾の事業継続計画・港湾BCPについては、重要港湾以上の港湾について策定することとしておりまして、平成28

 年3月に国際拠点港湾である和歌山下津港、平成29年3月に重要港湾である日高港において作成しております。なお、いずれも令和3年

 3月に改定しております。

 ○濱口委員長 長坂委員。

 ○長坂委員 4点目に、被災地に支援物資を届けようとしても、陸路が遮断されて思うように支援が行えないことが考えられますが、中

 でも、船舶による海上運送は、大量の物資輸送を担うだけでなく、水、発動発電機、燃料、そして、通信機能を備えた支援活動拠点とし

 ても機能し、船舶の存在意義は非常に大きかったと感じます。船舶を利用した支援体制について、県土整備部長にお伺いいたします。

 ○濱口委員長 県土整備部長。

 ○小浪県土整備部長 海上輸送の確保のためには、先ほど申し上げました港湾施設の復旧と並行して、船舶運航事業者等との調整が必要

 となります。このため、まずは輸送可能な船舶、受入れ貨物、港湾からの運搬車両、保管場所といった情報を収集しまして、これを救助、

 救援や物資輸送に係る関係機関に共有します。船舶を利用した支援に当たっては、港湾施設の復旧が進むにつれまして、利用可能な船舶

 が拡大いたします。その結果、より大量の貨物輸送に対応可能となりますため、施設の復旧状況を踏まえつつ、関係機関との調整を進め

 ることとしております。

  なお、令和4年度より、国、県、沿岸市町などから成る和歌山県「命のみなとネットワーク」推進協議会が設立されまして、以降毎年、

 県内各地域で海上輸送による救助、救援や物資輸送の訓練を実施しております。

 ○濱口委員長 長坂委員。

 ○長坂委員 5点目に、災害時の情報収集のための遠隔カメラやドローンの整備状況はいかがですか、県土整備部長にお伺いいたします。

 ○濱口委員長 県土整備部長。

 ○小浪県土整備部長 遠隔カメラ、いわゆるCCTVについては、令和8年2月末時点で避難港や耐震強化岸壁を有する港湾、漁港、また、

 河川河口部等において計11基が整備済みであります。令和8年度当初には、残る1基の整備が完了する予定です。なお、国土交通省の

 CCTVがこれのほか、沿岸の国道沿いに7基、また、紀の川と熊野川の河口部にも整備されております。

  また、ドローンについては、県土整備部として、令和8年2月末時点で19機を保有しておりまして、本庁及び出先機関に配備しており

 ます。有人地帯におけるドローンの自動航行が可能となる資格、一等無人航空機操縦士を有する職員についても同時点で48名、育成して

 おります。災害時には、これら全てを活用し、また、御指摘ありました国土交通省による緊急災害対策派遣隊・TEC-FORCE等の御支援も

 いただきつつ、情報収集を行うこととなります。

 ○濱口委員長 長坂委員。

 ○長坂委員 6点目に、港湾の被災施設の早期復旧のために、応急時に不可欠な敷き鉄板や砂利などの備蓄計画や災害復旧に利用可能な

 資機材の分布状況を即座に把握できるような情報整備等が望まれますが、いかがでしょうか、県土整備部長にお伺いします。

 ○濱口委員長 県土整備部長。

 ○小浪県土整備部長 被災したインフラの早期復旧のための資材につきましては、各振興局の建設部や和歌山下津港湾事務所、また幹線

 道路に面した資材置場等に備蓄しております。御指摘のありました敷き鉄板などの仮設鋼材をはじめ、オイルフェンスや土のう袋、暗渠

 排水管など、災害の種類に応じた多くの資材がございます。各建設部でこれら資材の状況は把握してございます。

  また、国が設置している防災拠点にも多くの資材が保管されておりまして、災害時には被災地に届けられることになっております。加え

 て、災害の規模によっては、災害時協定団体を通じ、各建設会社が保有する資材や重機などを臨機に調達することとなります。このため、

 平時から関係行政機関や、また民間団体とも連携し、相互に協力体制の強化に努めているところです。

 ○濱口委員長 長坂委員。

 ○長坂委員 漁港では、石川県の漁協組合員の9割、生産額の7割を占める生産拠点である能登一円で大きな被害を受けました。特に奥能

 登では、各港は大きく損壊し、漁業生産活動に必要不可欠な荷さばき、製氷、給油施設などの共同利用施設の被害も100件以上に及び、ま

 た多くの漁業者、漁協職員も被災し、住宅を失い、長期にわたる避難所や市外での生活を余儀なくされました。

  しかし、志賀町、珠洲市、能登町、七尾市、穴水町では、前年には及ばないものの、1月に定置網漁から再開しました。県内最大の水揚

 げを誇る輪島港でも、海底隆起など、再建には時間を要する課題が厳然とありましたが、7月に海女漁、10月に底引き網漁、11月に刺し網

 漁が再開しました。それには国、そして県などの応急復旧の懸命の努力と漁業再開を目指す方針、そして、多くの漁業者の諦めたくないと

 いう強い気持ちとともに、漁業者自らの復旧への参画があったと聞いております。能登半島の漁業の完全復活を願うとともに、漁業の恩恵

 を受ける本県においても、大災害時における大きな教訓を残していただいたものと思っております。

  次、3点目、日本の建国と神話教育についてであります。

  先月、2月11日は建国記念の日、国民の祝日に関する法律の第2条で「建国をしのび、国を愛する心を養う日」とされています。この日

 は、日本最古の歴史書の一つである日本書紀で初代の神武天皇が即位した日を新暦に換算して、明治6年に定められた紀元節に由来して

 います。

  さて、1945年9月15日に、文部省が新日本建設の教育方針を発令し、従来の教科書の軍国主義的な戦前の記録をよみがえらせる箇所を

 墨で塗り潰す、すなわち教科書の黒塗りが行われました。例えば、雪合戦といった子供の遊びや、優しさ、他者への思いやりなどを記述し

 たところなど、何でここまで消したのか分からないくらい、日本政府が過剰に自主規制したとも言えます。この後、GHQの指令により、

 さらに広範囲にわたる削除や黒塗りが指示されました。これは、1946年4月からGHQの方針に基づく改定教科書が使用されるまで続きまし

 た。

  教育現場では、修身、地理、歴史といった科目の授業が禁止され、柔道、剣道などの武道や軍隊式の行進も禁止され、その上、不適格と

 された教育者の追放が行われました。

  また、日本の主に軍国主義や国家主義に関する記述を排除することを目的に、1945年9月、GHQは日本政府に対し、宣伝用刊行物没収を

 指令し、亀井勝一郎、和辻哲郎、菊池寛、それに柳田國男等の著名な作家の作品も含まれる日本の図書の没収、廃棄を命じ、日本政府に対

 して全国の書店、古書店、官公庁、倉庫などから該当書籍を収集するように指示しました。この中には、日本の皇室、武士道、歴史、文

 化、伝統、精神など、日本の根幹に関わる書籍が多く含まれていました。

  まさに日本の書籍の焚書が行われたのであり、約22万点の刊行物の中から7769点が没収指定されました。これらの書籍は、総数

 3万8000冊以上にも及びました。この作業は、国民には知られないよう秘密裏に進められたと言われます。GHQによる焚書は、日本人が持

 つ壮大な視野や先を見通す力を奪い、国民を愚民化または弱体化させることが目的の一つだったという見方もあります。

  神話といえば、古事記や日本書紀がそれに当たりますが、戦後、日本には、そのような非科学的な話をするなという唯物主義、目には見え

 ないものは存在しないという考え方、唯物思想がはびこった影響があるのではないでしょうか。皇學館大学の松浦光修教授に言わせれば、

 例えば子供の誕生は、唯物思想から言えば「子供ができる」であって、日本人からすれば「子宝に恵まれる」、「子供を授かる」という言い方

 をしたくなりますが、この考え方が戦後徐々に失われてきたのではないでしょうか。

  心や神様などより、日本人は目に見えるものだけが大切に思えるようになってきているのではないでしょうか。金や見た目の美しさばかり

 を気にするようになり、神話などは作り話、思い込み、錯覚にすぎないという人が多くなっているのではないでしょうか。なぜ神様は大切な

 のか、先祖は大切にしないといけないのかを答えられなくなってきて、目に見えないものが大切にされなくなってしまうのではないか、心を

 なくしてしまった人ばかりになるのではないかと懸念されるのであります。

  心理学の分野で河合隼雄氏は、著書「神話と日本人の心」で、我々が今を生き抜くために科学の知、すなわち分析、比較、数値化の後これ

 を応用する、すなわち目に見えるものだけでは十分ではなく、神話の知も必要なのだと言われています。かの万有引力の法則を発見したアイ

 ザック・ニュートンも、神の御業に迫ろうとしていました。目に見えない世界を徹底的に研究すれば、目に見えない世界が見えてくると言っ

 ています。例えば、子供のときの写真は、他人にはただの物にすぎませんが、自分にとっては、写真を通じて今は亡き人のことも語られる、

 物を通して語る、すなわち物語になるわけです。人々の現在、過去、未来を貫いて、時間的にも空間的にも広がりを見せるのが神話の世界

 ではないでしょうか。

  フランスのデュメジルは、「神話を持たぬ民族は、生命をなくした民族だ、すなわち神話を思い出すことによって人はよみがえるのだ」と

 言っています。「スター・ウォーズ」の監督ジョージ・ルーカスはジョセフ・キャンベルという神学者の話を聞きに行って、この作品を、神

 話を基に制作したと言われています。フランスの社会人類学者、民族学者のレヴィ・ストロースは、「古事記は文学的、日本書紀は学者風で、

 遠い過去との連続性を持っている」と評しています。そして実際に、日本は世界には比類を見ない、神代の初代神武天皇から第126代の今上

 天皇陛下まで血統が途絶えることなく継続されているのであります。

  日本建国神話は、神話、歴史、文学が複合した物語です。天地開闢や国産みは、古代日本人の宇宙観を象徴的に表現したもので、科学的

 事実ではないかもしれません。しかし、神武東征など、後半部分には弥生時代から古墳時代にかけての実際の歴史的出来事、権力の統一、

 部族の統合、稲作文化の広がりが反映されている可能性があります。

  重要なのは、事実かうそかという二元論ではなく、この神話が日本人の価値観や世界観の基礎として果たしてきた文化的役割です。神話が

 伝える真実とは、歴史的事実ではなく、人間社会の在り方、理想的な統治、自然との関係についての深い洞察なのです。世界の神話と比較す

 ることで、日本神話の独自性がより明確になります。ギリシャ神話の英雄主義、北欧神話の終末観、中国神話の創造論、キリスト教の唯一神、

 これらと対比することで、日本が、調和と協調、循環と永続、多様性と寛容とを重視する文化であることが浮かび上がります。

  にほんブログ村の旅行ブログによれば、日本建国神話が今に伝える五つの核心を挙げています。

  一つ目に調和を重んじる精神。対立ではなく融合、1人の英雄ではなく多くの協力、イザナギとイザナミの国産み、天の岩戸での神々の

 協働、神話は一貫して調和の価値を示しています。この精神は、現代の和の文化、コンセンサス重視、チームワーク重視として継承されてい

 ます。

  2点目に自然との一体感。やおよろずの神々が示す自然の全てに神が宿るという世界観、自然は征服すべき対象ではなく、敬うべき存在。

 この思想は、環境との調和、もったいないの精神、里山文化として現代に生きています。

  3点目に継承と革新のバランス。伝統を守りながら新しい環境に適応する。天孫降臨が示した守・破・離の精神は老舗企業の長寿、伝統

 工芸の革新、教育における基礎重視として実践されています。

  4点目に浄化と再生の希望。イザナギのみそぎ、スサノオの更生、失敗は終わりではなく、新たな始まりの契機。この再生の思想は、災

 害からの復興、個人の再チャレンジ、年中行事の循環として継承されています。

  5点目に多様性の尊重。欧州の神話にあるような善悪二元論ではなく、対立する要素の共存、スサノオのような荒ぶる神も祭られる寛容

 さ。この多様性尊重は、神仏習合、価値観の多元性、異なる個性の活用として現代社会に根づいています。

  そう考えると、日本建国神話は、実に現代の日本にも連綿と続いている重要な教育的見地を内含しているものだと言えます。

  前置きが長くなりました。

  そこで質問ですが、一つ目、和歌山県当局はたしか7年前、「わかやま記紀の旅」を観光商品にしてくださいました。記紀、すなわち日本

 建国神話は、前述のとおり、現代社会にも継承された精神を内に秘めた教育読本と言っても過言ではないと思います。国と郷土を愛する態

 度や伝統文化の尊重を重視した改正教育基本法などを受け、小学校の教科書に神話が取り上げられるようにもなってきました。

  また、前述の海外の学者が日本人のメンタリティーに大変興味を抱いているように、外国へ行くと、海外の人には必ずといっていいほど、

 親しくなると、日本はどんな成り立ちの国で、日本人ってどのような人間性なのかと尋ねられたりします。

  ですから、焚書と言うべき悲しい運命に見舞われた書籍の復刻も次第になされつつあり、片や、一層グローバル化も必要な今、日本の歴

 史、文化、伝統、そして精神性を取り上げた復刻本も活用できるものは活用して、さらに現状の神話教育から踏み込んで、長い歴史、文化、

 伝統を持つ日本に、そして、ふるさと和歌山県に誇りを持ち、世界の人々に堂々と日本の建国神話を語れるような教育を小中高それぞれで

 実現いただきたいと思いますが、知事の御見解をお示し願います。

 ○濱口委員長 知事。

 ○宮﨑知事 小・中・高等学校では、その発達段階に応じて、古事記や日本書紀などに見られる日本人の伝統的な自然観や宗教観など、そ

 ういったものを手がかりとして、国際社会に生きる日本人としての在り方を考えるという学習が行われています。

 県内には、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」など、神話とゆかりのある場所が各地にあります。その神話や伝承などを学ぶことで、伝

 統と文化を尊重し、和歌山県が推進している我が国と郷土を愛する態度を育むという、ふるさと教育にもつながるものと考えております。

  これからも、ふるさと教育の取組をはじめとして、日本人の伝統的な物の見方や考え方などを手がかりに、我が国の長い歴史や伝統、文

 化について、誇りと自信を持って世界に発信していける、そういった人材を育成してまいります。

 ○濱口委員長 長坂委員。

 ○長坂委員 御答弁いただきました。

  私は、記紀神話で伝えられる日本建国の成り立ちを学校の生徒が認識しておくことが必要だと思います。生徒たちは、きっと興味深く聞

 いてくれるものだと思います。イザナギ、イザナミの国産み神話、アマテラスオオミカミは葦原の中つ国、すなわち地上世界を治めるため、

 降孫ニニギノミコトを天下りさせ、その子孫である神武天皇の統制と橿原の宮での即位から始まり、今に続く皇統といったことは、世界で

 はほかに類のないことであるし、日本の生徒が学校で学んでおくことは何らおかしいことではないし、外国の人にも誇りを持って日本建国

 神話を伝えていくべきだと私は思っております。

  2点目に、和歌山市和田に所在する927年成立の延喜式神名帳に記載されている竈山神社は式内社に列しており、かの神武天皇の東征の

 際に、孔舎衛坂、現東大阪市日下町で、ナガスネヒコの軍との戦いで流れ矢に当たって負傷。その後、男之水門で崩御され、後に竈山に葬

 られたと言われている彦五瀬命が主祭神です。お参りに行かれた方なら一様に驚かれると思いますが、本殿は、背丈も高く、奥行きがあり、

 屋根は檜皮葺の見るからに異様な、かつ勇壮なたたずまいの建築物であります。昭和13年に社殿が整えられたようでありますが、その少し

 前に改修された奈良県の吉野神宮は重要文化財に指定されておりますが、決して引けを取らない竈山神社を、本県の誇るべき重要文化財

 の一つに加えるおつもりはないでしょうか、教育長にお伺いいたします。

 ○濱口委員長 教育長。

 ○今西教育長 建造物の重要文化財指定は、国による全国的な価値判断に基づき行われるものであることから、県がその可否について判

 断することは困難です。しかしながら、県内には、潜在的に価値を有する未指定建造物も多いことから、継続的な物件調査を推進すると

 ともに、所有者や関係市町村の意向を十分踏まえ、国に対して必要な協力を行ってまいります。

 ○濱口委員長 長坂委員。

 ○長坂委員 了解いたしました。今後、竈山神社の宮司さんや和歌山市としっかり話もさせていただくことをお約束したいと思います。

  これで、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)

 ○濱口委員長 以上で、長坂委員の質疑は終わりました。

  引き続き、質疑を行います。

  佐藤武治委員。

   (拍手)

○佐藤委員 それでは、委員長のお許しをいただきましたので、通告に従い、質問に入りたいと思います。

  まず、大項目1の令和8年度重点施策に係る観光施策について、世界遺産等推進事業についてお伺いをいたします。

  先日の部長説明では、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の保全と活用の推進及び周知と啓発、さらには、日本遺産を活用した情報

 発信等を実施するとされております。世界遺産登録、2004年7月から年月が経過する中で、改めて問われているのは、守りだけではなく、

 いかに生かすという視点であると考えますが、まず、保全についてであります。

  世界遺産は、一度登録されたら終わりではなく、適切な保全管理が継続されてこそ、その価値が守られます。参詣道の維持管理、文化的

 景観の保護、担い手不足への対応など、課題も少なくありません。また、県は、和歌山を通過点から目的地へと転換すると掲げております

 が、そのためには、単なる観光客数の増加だけではなく、滞在時間の延伸、宿泊単価の向上、体験プログラムの充実など、質の向上が必要

 だと考えます。世界遺産や日本遺産における保全と活用に向けた令和8年度の取組について、地域振興部長にお伺いをいたします。

 ○濱口委員長 赤坂地域振興部長。

 ○赤坂地域振興部長 世界遺産等推進事業につきましては、本県の世界遺産や日本遺産が有するブランド力を生かし、歴史や文化資源、ス

 トーリーなど、地域固有の価値を発信することで、誘客促進をはじめ、広域周遊や滞在日数の延長などにつながる取組を推進するものです。

  まず、世界遺産につきましては、熊野古道や高野参詣道での道普請による保全活動をはじめ、次世代を担う児童生徒への学習支援、世界

 遺産の価値を伝える公開講座の開催、さらに、街道マップや押印帳を活用した巡礼ウオークの推進や、三重県、奈良県と連携したプロモー

 ションなどを進めてまいります。また、日本遺産につきましては、地域ストーリーに沿ったモデルコースや周遊マップの作成、公式ホーム

 ページやSNS、外部メディア等により、ターゲットに応じた情報発信を行うほか、地域の魅力を伝えるガイド養成研修会などの取組を進め

 てまいります。

  これらの取組により、保全と活用、両方の視点に立って地域の魅力を高めてまいります。

 ○濱口委員長 佐藤委員。

 ○佐藤委員 それぞれ取組をお願いいたします。

  続きまして、ジオパーク推進事業についてお伺いをいたします。

  事業概要では、ユネスコ世界ジオパーク認定に向けて、南紀熊野ジオパークセンターを拠点に、保護と保全、人材の育成、地域活性、防

 災教育、連携と協働を基本方針として取組を推進するとされております。ジオパークは、単なる観光資源だけではなく、地質遺産を核とし

 た持続可能な地域づくりの仕組みであると認識し、ジオパークを効果的に活用し保全をする上で、特に人材育成は重要であると考えており

 ます。

  例を挙げると、地域ガイドの養成をはじめ次世代への継承、また、地域での保全活動など、持続可能性を高めるために地域一体となり、

 様々な取組を進める必要があると考えます。さらに、南紀熊野ジオパークの地域には世界遺産に登録をされている熊野がありますので、熊

 野というブランド力との相乗効果が図られる取組も重要ではないかというふうに考えております。

  そこで、令和8年度のジオパーク推進事業について、地域振興部長にお伺いをいたします。

 ○濱口委員長 地域振興部長。

 ○赤坂地域振興部長 ジオパーク推進事業につきましては、地質遺産を核に南紀熊野地域の自然、歴史、文化の魅力向上と誘客につなが

 る取組を推進するものです。令和8年度は、外部メディアによるジオサイトを巡る周遊ルートの情報発信やガイド団体主催のモデルツアー

 をはじめ、地質等に関する学術研究成果を国際会議などで発表する予定です。

  さらに、環境保全を周知する取組として、多言語版ガイドブックや小中学校向け学習用教材の作成、中高生を対象に自然環境の探求活動

 を行うジオパーク探偵団、ジオサイト保護のための掲示板の設置などを行ってまいります。

  また、世界遺産熊野は、1400万年前の巨大な火山活動によってつくられた大地の上に成り立っており、その自然への畏怖の念が聖地とし

 ての信仰の背景になっているという認識の下、世界遺産センターと南紀熊野ジオパークセンターが連携し、ガイド養成や南紀熊野の地質を

 伝える教育活動などを行うことで地域の魅力が一層深まるよう、相乗効果を図ってまいります。

  こういった取組を通じ、本県が持つジオパークの魅力を国内外に発信し、より多くの観光客に訪れていただくことで、地域の活性化につ

 なげてまいります。

 ○濱口委員長 佐藤委員。

 ○佐藤委員 答弁ありがとうございます。世界遺産、先ほど言った熊野との相乗効果、ぜひ図っていただいて、地域の活性化につながるよ

 うによろしくお願いいたします。

  それでは、続いて、大項目の健康づくり及びがん対策施策についてお伺いをいたします。

  県民の健康意識の高揚及びヘルスリテラシーの向上についてですが、本県は高齢化率が高く、医療費の増大も大きな課題となっておりま

 す。その中で重要なのは、治療中心から予防重視への転換であり、県民一人一人の健康意識の高揚、すなわちヘルスリテラシーの向上だと

 思います。単なる情報提供だけでは、行動変容にはつながりません。健康診断を受ける、運動を始める、食生活を改善する、そうした具体

 的な行動に結びつける仕組みが必要だと思います。重点施策で県民の健康意識の高揚及びヘルスリテラシーの向上を図るため、地域、職

 域、教育などの関係団体等が連携して地域における健康課題を把握するとともに、健康づくりに資する普及啓発を実施するとのことです

 が、具体的にどのように取り組んでいくのか、福祉保健部長にお伺いをいたします。

 ○濱口委員長 𠮷野福祉保健部長。

 ○𠮷野福祉保健部長 県では、健康に関する情報の発信をはじめ、様々な対策に取り組んでまいりましたが、依然として心疾患で亡くなる

 方が多いなど、食生活や運動などの生活習慣に課題があります。心疾患をはじめとする生活習慣病は、40歳頃からリスクが高まることから、

 就労世代の生活習慣改善につなげていくため、民間企業等とも連携し、職域への啓発を充実してまいります。

  また、生活習慣病の予防には、バランスのよい食生活が重要です。しかしながら、昨年12月に公表された国民健康・栄養調査において、

 和歌山県は野菜摂取量が全国最下位となったことから、特に野菜摂取量の増加を主体とした食生活の改善の啓発を進めていきたいと考え

 ております。加えて、市町村で実施している地域イベント等に参加し、骨密度測定や血管年齢測定など、その場で自分の健康状態を知る

 ことができる機会をつくり、体験を通して自主的な健康行動が促進されるような取組を推進いたします。

  ヘルスリテラシーとは、健康に関する情報を知り、それを活用していく力のことです。生活習慣を改善し、健康寿命を延ばしていくため

 に、市町村や民間企業等と連携しながら、県民の皆さんが健康に関する正しい知識を得て、その情報を活用し、健康的な生活習慣を身につ

 けることができる機会を増やしていくことで、県民一人一人のヘルスリテラシーの向上を図ってまいります。

 ○濱口委員長 佐藤委員。

 ○佐藤委員 ありがとうございます。本当に健康づくりというのは、将来の医療費の抑制のみならず、県民生活の向上、さらには地域の活

 性維持にも直結する重要な施策であるというふうに思います。成果指標を明確にして、実効性のある取組を進めていただきたいと思います。

  それでは、次の質問に移ります。

  がん検診の受診率向上に向けた取組についてですが、第4次和歌山県がん対策推進計画に定める目標を達成するために、がん診療連携

 拠点病院等の活動支援や、がん診察施設・設備支援、がん検診の受診勧奨を実施する市町村に対する支援等、総合的に取り組むとのこと

 でありますけれど、がん対策の取組として最も重要なのが、がん検診だというふうに思います。がんは依然として本県における死亡原因の

 上位、1位を占めておると思います。早期発見、早期治療が重要であることは言うまでもありません。しかしながら、本県のがん検診の受

 診率は、いわゆる5がんと言われる胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんの全てにおいて全国値よりも低い状況であり、これま

 でも様々な取組を行ってきたと思いますが、なかなか受診率が上がらないというふうな状況であるというふうに思っております。

  また、紀南地方では、医療アクセスの問題もありますし、特に未受診層への対策が課題であるというふうに考えております。

  そういう状況下である中、来年度予算案には、子宮頸がんの検診車の更新費用も計上されております。県として、がん検診受診向上に向

 け、今後どのような具体的な取組を行っていくのか、福祉保健部長にお伺いをいたします。

 ○濱口委員長 福祉保健部長。

 ○𠮷野福祉保健部長 がん検診の受診率向上を図るため、県ではこれまで、県ホームページ、県民の友、テレビやラジオを活用しながら県

 民の皆さんに広く受診を呼びかけてきたほか、個別に受診勧奨を行う市町村に対し、案内文の印刷や郵送に係る費用の補助を行ってきまし

 た。さらに、包括連携協定を締結した企業と協力して、和歌山大学やイオンモール和歌山で「がんについて知る」をテーマに、高齢者から

 若者まで幅広い世代を対象とした啓発イベントも開催してきました。しかしながら、令和4年度の本県の受診率は、委員御指摘のとおり、

 5がん全てにおいて全国値を下回っており、とりわけ乳がんや子宮頸がんについては、ともに40%未満となっています。

  そこで、受診率が高い他の自治体の状況を分析すると、職域検診の受診率に差があることが分かったため、まずは、事業主への働きかけ

 として、がん検診による早期発見、早期治療の重要性や従業員とその家族に受診機会を確保することを呼びかけるチラシを作成し、商工団

 体や健康保険協会を通じて、約4万社への配布を始めたところです。その結果、職域検診を導入したいがどうすればよいかといった問合せ

 が寄せられるなど、がん検診に積極的に取り組む事業所も出始めており、県としてはこうした動きを広げながら、受診率の向上につなげて

 まいりたいと考えています。

  また、子宮頸がん検診車は、県内各地に出向いて受診機会の確保を図っており、中でも、受診できる医療機関が限られている過疎地域に

 おいては、大きな役割を果たしています。現在の検診車は、導入から23年が経過し老朽化が進んでいることから、来年度、買換えを予定し

 ているところであり、引き続き、検診を受けやすい環境を整備しながら、受診率の向上に努めてまいります。

 ○濱口委員長 佐藤委員。

 ○佐藤委員 ありがとうございます。

  今、部長のほうからも言われましたが、私も、年齢はもう70を超えましたけども、やはりもう若いうちに、50代、60代で亡くなった同

 級生もおるわけでありますけども、やっぱり検診に行っていないと、職域に勤めておったときでも、やっぱり1回も職域の検診等に行って

 なかって、気づいたときにはもう手後れやというような状態になって亡くなる同級生や近所の方もおられました。そういう意味では、やっ

 ぱり検診率を上げていく、一つこれが大事、最重要だなというふうに感じておるところであります。自身も、そういうことで検診を受けて

 早期発見をしていただいたというような経験もございます。今後、ぜひがん検診の受診効果を上げて、県民の命を守っていただきたいと、

 このように思います。ありがとうございました。

  それでは、次に移ります。

  新宮保健所串本支所の統合についてお伺いをいたします。

  新宮保健所串本支所の歴史は古く、昭和23年に高池保健所として古座川町に設置され、昭和27年に現住所である当時の西向町に新築移

 転されたのをきっかけに、西向保健所と改称されました。また、昭和31年、昭和の大合併に、西向町、田原村、古座町の合併を機に古座

 保健所と改称され、平成2年に現在の庁舎が新庁舎として供用されてきたところであります。平成12年の組織改正にて、現在の東牟婁振

 興局健康福祉部串本支所へ改称されました。

  このように、長年にわたり地域に根づき、串本・古座川地域の保健福祉行政サービスを提供し、地域の人々の健康、福祉を支えてきまし

 た。しかしながら、このたび本所である東牟婁振興局健康福祉部に統合されるとのことで、県民意見募集が2月6日から開始され、3月9

 日に終了したところであります。この統合の検討を始めるに当たり、きっかけというのは何だったんでしょうか、福祉保健部長にお伺いを

 いたします。

 ○濱口委員長 福祉保健部長。

 ○𠮷野福祉保健部長 新宮保健所串本支所を本所へ統合する検討を始めるきっかけにつきましてお答えいたします。

  まず、近年、保健師や獣医師等、公衆衛生に携わる専門職の重要性はますます高まっています。一方で、都市部の生活環境の優位性や若年

 層の職業観の多様化などを背景に、地方の公務員を志す方が減少している傾向が続いており、人材確保が年々困難になっております。とりわ

 け先ほど申し上げましたような専門職については、採用自体が難しくなっている状況です。

  このような状況を踏まえますと、新宮保健医療圏における保健所機能を安定的に維持していくためには、本所と串本支所に分散している

 職員を集約し、人材育成や専門性の確保に向けた取組を強化する必要があります。職員を集約することにより、専門的なノウハウの継承や

 研修の充実が図られ、地域に必要なサービスを継続して提供できる体制が確立できると考えています。

  また、串本支所が津波浸水想定区域内に立地していることから、大規模災害が発生した場合、支所の業務継続が困難となるおそれがあり

 ます。被災市町村に対して迅速かつ継続的に人的・専門的支援を行うためには、平時から災害リスクを踏まえた機能の集約を進めることに

 より、災害時にも確実に対応できる体制を整え、県民の安全・安心を守る必要があると判断いたしました。

  以上の点から、保健所機能を平時、有事を通じて確実に維持し、県民の命と暮らしを守るとともに、被災市町村への支援が確実に行える

 体制を整備することを目的に、串本支所の本所への統合について検討を開始したところです。

 ○濱口委員長 佐藤委員。

 ○佐藤委員 ありがとうございます。

  今、統合について検討を開始されたということでありますけれども、串本支所が新宮保健所に統合されるということになりますと、串本町

 民、それから古座川町民、ここへの住民サービスの低下につながらないかというふうに心配をされるところです。今後どのような対応策を実

 施していく想定であるのか、この辺について福祉保健部長にお伺いをいたします。

 ○濱口委員長 福祉保健部長。

 ○𠮷野福祉保健部長 統合に伴う住民サービス確保のための取組といたしましては、まず、保健師やケースワーカー等の職員が支所統合後

 も従前と同様に家庭訪問や面談を実施できるよう、串本・古座川地域における活動拠点としてのサテライト事務所を確保する予定としてお

 ります。あわせて、東牟婁振興局地域づくり部串本地区駐在へのパスポート窓口の移管や出張窓口の設置、さらに電子申請の一層の普及促

 進を図るなど、多様な手段を通じて、串本・古座川地区における利便性の確保に努めてまいります。

 ○濱口委員長 佐藤委員。

 ○佐藤委員 そうですね、串本については、以前、串本警察署の統合なんかもありまして、そのときにもやっぱり住民さんからいろんな心配

 をしているというふうな話を聞かされました。幾つかのところでその辺のサービスが継続していただくような運びになりましたけれども、今

 回におかれましても、サテライト事務所というふうなところも確保していただいて、住民の利便性の確保に努めていただきたいと、このよう

 に思います。

  次に、パンデミックが発生した場合の地域住民への感染対策、この対応について伺いたいと思います。

  コロナ禍では、保健所の役割は大変重要であったなというふうに思いました。串本支所でも、クラスターの管理やコロナ感染患者の支援、

 入退院調整で地域住民のコロナ感染症対策に尽力をされてきたところでありますけれども、こうして統合をされると、串本支所がなくなって

 しまう、当時のような機能が果たせなくなるのではないかというふうに考えますが、この点、いかがでしょうか、福祉保健部長にお伺いを

 いたします。

 ○濱口委員長 福祉保健部長。

 ○𠮷野福祉保健部長 コロナ禍において、串本支所では、他の保健所と同様に、感染者の疫学調査や入退院の調整、住民からの電話相談等

 に対応してきました。統合後に、新型インフルエンザ等感染症が発生した場合であっても、感染症の予防や拡大防止対策については、従前

 と変わりなく取り組んでまいります。

 ○濱口委員長 佐藤委員。

 ○佐藤委員 分かりました。本当に従前と変わりなく取り組んでいただくようにお願いを申し上げます。

  続いて、統合の時期についてお伺いしたいと思います。

  先ほども申し上げましたけれども、県民意見募集というのは、もう3月9日に終了したというところであります。こういうところを踏ま

 えて、今後、いつ頃統合する予定であるか、福祉保健部長に伺います。

 ○濱口委員長 福祉保健部長。

 ○𠮷野福祉保健部長 統合の時期につきましては、専門性の高い人材の確保と育成は喫緊の課題であり、できるだけ早期の統合を進めた

 いと考えております。その一方で、統合により住民サービスが低下しないことが最優先であり、事務の流れや業務体制を丁寧に検証し、

 住民サービスに支障のない体制を確立してまいります。これまで、串本町及び古座川町をはじめとする地元関係者の皆様に対して、継続

 的に説明を行ってきたところです。

  今後も、両町と事務レベルを含めた協議を続けるとともに、今回のパブリックコメントや区長など地元の皆様から寄せられる御意見を踏

 まえ、令和9年4月の統合を目指して準備を進めてまいりたいと考えています。

 ○濱口委員長 佐藤委員。

 ○佐藤委員 今、部長のほうから、令和9年4月の統合というふうな具体的な、ありました。もうあと1年余りあると思います。本当に答弁

 いただいたように、人材不足とか省力化に伴う集中化というのは、もうこの時勢の流れで避けようがないのかなという部分もありますけれど

 も、しかしながら、既存していたものがやっぱりなくなるというふうなことは、住民からすれば住民サービスの低下につながるのではないか

 という、やっぱりこの不安というのが付きまとうというふうに思います。

  先ほど警察の例も挙げましたけれども、今後1年余りありますので、地域や地元住民とのやり取りを十分重ねていただいて、その上で、お

 互いが納得する形で進めていく、そういうことが望ましいと思います。急がずに時間をかけて検討、また準備を行っていただくよう要望して

 おきます。

  以上をもちまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)

 ○濱口委員長 以上で、佐藤委員の質疑は終わりました。

  これにて、午前中の質疑は終了いたしました。

  再開は午後1時とし、この際、暫時休憩といたします。

   午前11時13分休憩

 ────────────────────

   午後0時57分再開

 ○濱口委員長 予算特別委員会を再開いたします。

  休憩前に引き続き、質疑を行います。

  上山寿示委員。

   (拍手)

○上山委員 皆さん、こんにちは。

  委員長のお許しを得ましたので、質問を始めたいと思います。

  外国人人材の確保についてでございます。

  外国人労働者の受入れ体制についてお伺いいたします。

  現在、我が国では、少子高齢化が急速に進行し、生産年齢人口の絶対数が全国的に減少しています。総務省の統計によれば、15歳から

 64歳までの人口は、この10年間で600万人規模で減少しており、全人口に占める割合も年々低下しております。特に地方においては、若年

 層の都市部流出と高齢化の進行が顕著であり、地域社会の活力そのものが問われる状況となっております。このような人口構造の変化は、

 農業では高齢化が進み、建設業では技能者の高齢化と後継者不足が課題となり、介護分野では、高齢者人口の増加に対し人材確保が追い

 つかない状況が懸念されております。

  こうした背景の下、全国の外国人労働者数は、近年、増加傾向が続き、過去最多を更新しております。外国人材は幅広い分野で活躍し、我

 が国の産業構造を支える重要な存在となっております。しかしながら、これまでの技能実習制度については、本来の技能移転による国際貢献

 という理念と実態との乖離が指摘されてきました。技能移転を目的としながらも、実態としては労働力確保の側面が強く、転籍制限により職

 場変更が難しいことや、劣悪な労働環境問題が社会問題化した事例もありました。

  こうした反省を踏まえ、国においては、技能実習制度を発展的に解消するとともに、新たに我が国の人手不足分野における人材の育成確

 保を目的とする育成就労制度が創設され、令和9年4月1日から運用が開始されることとなっています。この制度は、暴力やパワーハラス

 メントなどの人権侵害を受けた場合、やむを得ない事情がある場合の転籍を認めるほか、新たに一定水準の技能及び日本語能力の習得や

 一定の就労時間経過などの要件の下で、本人の意向による転籍が認められることになります。これにより、労働者の権利保護が適切に図

 られる仕組みとなっております。また、単なる労働力補完ではなく、キャリア形成と人材育成を意識した制度設計へと転換が図られてお

 り、3年間の就労を通じた技能及び日本語能力の習得により特定技能に移行することで、より専門性の高い人材として長期就労も可能と

 なっております。

  一方で、受入れ拡大が進む中、都市部への人材集中や地方間の人材獲得競争、賃金水準の地域格差、住居確保の困難さ、日本語能力不

 足による労働災害リスクなどなど、新たな課題も顕在化しております。制度改正により転籍が容易になれば、賃金水準の高い都市部へ人

 材が流出する可能性も指摘されており、地方にとっては一層厳しい競争環境となることが懸念されます。外国人政策は、単なる人手不足

 対策ではなく、地域の持続可能性そのものに関わる政策へと変化しております。

  和歌山県においても、生産年齢人口は減少を続けております。本県においても、外国人材の受入れは現実的かつ重要な政策課題でありま

 す。しかしながら、単に労働力として受け入れるだけでは、持続可能な地域づくりにはつながりません。例えば、日本語教育の体系的支

 援や、また、技能向上や資格取得支援など、様々な観点から具体的な受入れ体制の整備が不可欠であります。そのために、本県における

 外国人労働者の分野別の現状や育成就労制度への移行が、本県の企業や産業に与える影響の分析が必要です。

  そこで、お尋ねいたします。

  県内の外国人材の受入れ状況と人材活用について、商工労働部長に御見解をお伺いいたします。

 ○濱口委員長 中場商工労働部長。

 ○中場商工労働部長 本県の外国人労働者数は、令和7年10月末現在6808人で、対前年の増加率は19.2%と全国1位となっており、本県

 においても、外国人材の受入れは着実に拡大しています。中でも、製造業をはじめ、医療福祉、卸売小売業、宿泊サービス業、建設業な

 ど、人手不足が顕著な分野を中心に活躍の場が広がっているところでございます。

  このように、外国人材が県内産業を支える重要な担い手となりつつある中、持続的な社会経済活動を維持していくためには、単なる労

 働力としてではなく、地域を支える人材として迎えることが重要であると考えております。県といたしましては、受入れ環境整備に係る

 助成や県内企業における受入れ事例集の作成などを通じて、外国人材が安心して生き生きと働くことができる職場環境づくりを支援して

 まいります。

  また、産業別では、主に技能を重視する製造業や高度な日本語コミュニケーション能力を必要とする宿泊サービス業など、産業分野ご

 とに求める人材像は異なるため、産業別セミナーの開催を通じて、各企業に親和性のある技能や知識を持つ外国人材の採用に向けた取組

 についても支援してまいります。

 ○濱口委員長 上山委員。

 ○上山委員 はい、御答弁いただきました。

  ただいま、外国人材の受入れ、人材活用について答弁をいただきましたが、その中で、在外県人会など、県との関わりの深い人材の受入れ

 についてお伺いいたします。

  県内では、農業、建設業、介護分野などで外国人材の存在が年々重要性を増しており、受入れ体制の整備がこれまで以上に求められてお

 ります。こうした産業構造の転換期において、外国人材を単なる労働力としてではなく、地域の一員として迎え入れ、共に育ち、共に働く

 仕組みをどう構築するのかが県政の重要課題であると考えます。

  私は先般、海外県人会の皆様との交流の機会をいただきました。ハワイ、ロサンゼルス、そして、シアトル移民120周年の節目を迎える中、

 現地の県人会の方々と懇談を重ねました。1世から2世、3世へと世代が移る中で、日本語が話せない若い世代も増えている一方で、自分の

 ルーツである和歌山に一度は住んでみたい、祖父母のふるさとに何らかの形で貢献したいという声を数多く耳にいたしました。特に若い世代

 の中には、日本で働くことや学ぶことに強い関心を持つ方もおられました。ここに大きな可能性を感じております。すなわち、外国人材の受

 入れを単なる国の制度に沿った受動的対応としてではなく、和歌山にゆかりのある県人会ネットワークを活用し、信頼関係のあるゆかり人材

 として受け入れていくという視点であります。

  こうした仕組みを県人会との交流政策と連動させることで、単なる労働力確保ではなく、交流、定住、次世代育成へとつなげる戦略が可能

 となるのではないでしょうか。さらに、ゆかりのある人材であれば、地域との心理的距離も近く、地域住民との共生も比較的円滑に進みやす

 いと考えます。これは地域共生社会の実現という観点からも重要であります。

  そこで、お尋ねいたします。

  海外県人会ネットワークを活用し、和歌山にゆかりのある人材を受け入れるという視点について県としてどうお考えか、企画部長にお伺い

 いたします。

 ○濱口委員長 北村企画部長。

 ○北村企画部長 日系移民は、日本の教育を現地で実現するための学校を設立するなど、子や孫への教育に熱心であり、そういった施設で

 教育を受け、日本の文化や風習に理解のある方々は、日本社会になじみやすいのではないかと考えています。委員御指摘のとおり、特に自

 身のルーツを和歌山県に持つ県人会の子弟は本県との親和性が高いことから、知事が県人会のある国を訪問する際には、県人会のネットワ

 ークを生かして現地の教育機関でプレゼンを行うなど、本県の魅力を発信し、本県への留学及び就労をPRしています。

  加えて、昨年7月には、在外和歌山県人会次世代リーダーズの集いを実施し、県人会の将来を担う子弟に県内の学生との交流、県内企業

 への訪問などをしていただきました。こういった取組を通して、本県をより身近に感じ、本県への就労等を考えていただく機会を創出いた

 しました。そのほか、これまでも県内教育機関への留学や県内企業での就労に意欲のある県人会青少年のサポートを実施してきたところで

 ございます。

  今後も、在外和歌山県人会との交流を通じて、和歌山県にゆかりのある外国人材の受入れに努めてまいります。

 ○濱口委員長 上山委員。

 ○上山委員 御答弁いただきました。

  私が特に申し上げたいのは、ゆかりの力であります。海外県人会を訪問させていただいた際、若い世代の皆さんが口にされたのは、祖父母

 の故郷に一度は行ってみたい、和歌山で何か役に立ちたいという素直な思いでありました。世代が2代、3代と移り変わる中で、日本語や文

 化の距離は確かに広がっております。しかし一方で、心の中にあるふるさとへの思いは決して消えないと私は強く感じました。だからこそ、

 外国人材の受入れを単なる労働政策として捉えるのではなく、和歌山にゆかりのある若い世代が学び、働き、暮らし、そしてまた世界へ羽ば

 たいていく、そのような循環型の交流の仕組みを築くことができれば、これほど意義深いことはありません。

  農業においても、GX分野においても、建設分野においても、人を育てることは未来を育てることであります。そして、その中にゆかりとい

 う絆があれば、それは単なる労働力ではなく、共に和歌山をつくる仲間になります。さらに、その若者が将来、次の世代に自分は和歌山で学

 び働いたと語り継ぐことができれば、2世代、3世代を超えて再び和歌山へ戻ってきていただける流れが生まれるのではないでしょうか。私

 はそこにこそ、人口減少時代の地方創生の新しい可能性があると考えます。ぜひ海外県人会との絆を生かし、ゆかり人材との持続的な交流

 と受入れの仕組みづくりとして、県としても一層踏み込んで取り組んでいただくことを強く要望し、私の質問を終わります。

   (「拍手した」と呼ぶ者あり)

  すみません、1項目めを終わります。まだ終わりません。

  大項目の2項目め、職員住宅の活用であります。

   (「まだするのか」と呼ぶ者あり)

  まだいきます。

  次に、職員住宅の活用についてお伺いいたします。

  本県は、広い県土を有し、多くの県有施設を保有しております。庁舎、研修施設、文化施設、職員住宅など、その種類は多岐にわたり、県

 民生活や行政運営を支える重要な基盤となっております。近年、全国的にも人口減少や少子高齢化の進行、財政制約の深刻化を背景にし、

 公共施設の統廃合や再編、いわゆる公共施設マネジメントの取組が進められております。施設を単に維持するのではなく、機能を集約し、

 用途を見直し、総量を適正化しながら、持続可能な形へ再構築していくことが求められております。

  特に大きな課題となっているのが高度経済成長期に集中的に整備された公共施設が、今まさに更新時期を迎えているという現実でありま

 す。昭和40年代から50年代にかけて整備された多くの施設が築40年、50年を超え、大規模改修や建て替えの判断を迫られております。こ

 の更新ピークは、今後10年、20年にわたり地方財政に大きな影響を与えると指摘されています。

  国においても、こうした状況を踏まえ、公共施設等総合管理計画の策定を自治体に求め、長期的視点での資産管理と計画的な更新、さら

 には総量の適正化を促してきたところでございます。本県においても、公共施設等総合管理計画を策定し、施設の長寿命化や再編に取り組

 んでいるところではございますが、人口減少が進み、行政需要や社会構造が大きく変化する中で、これまでの人口規模や成長を前提に整備

 されてきた施設を、今後どのように位置づけ、どのように維持し、どのように生かしていくのかが改めて問われております。

  県有施設は、県民の大きな財産であります。しかし、利用実態の検証が十分でないまま更新や修繕を重ねれば、結果として将来世代に大き

 な財政負担を残すことになりかねません。将来世代への責任という観点からも、施設の在り方を今の時点で丁寧に見直すことは、避けて通

 れない課題であると考えています。一方で、人口減少社会においては、単なる縮小や削減だけではなく、資産をどう生かすかという視点も

 同時に求められます。守りの管理にとどまらず、地域の実情や将来の需要を見据えながら価値を生み出す戦略的な資産活用へと発想を転換

 していくことが重要でないでしょうか。

  こうした全国的動向、更新ピーク問題、公共施設等総合管理計画の枠組み、そして将来世代への責任を踏まえ、本県の県有施設の実態を

 改めて確認する必要があると考えます。その上で、今回は、数ある県有施設の中でも、職員住宅の利用状況に絞ってお伺いいたします。

  職員住宅については、整備当時と組織体制や職員数、さらにはライフスタイルも変化しており、需要構造が変わってきていると思われます。

 更新時期を迎える施設もある中で、現状の利用実態を正確に把握することが、今後の維持、更新、再編、活用の方向性を議論するための出発

 点になると考えます。

  そこで、お尋ねいたします。

  一つ目、現在、県が保有する職員住宅の各部局別の総戸数は幾つあるのか。

  二つ目、直近の入居率はどの程度となっているのか。

  三つ目、また、使われなくなった職員住宅はどのように取り扱われているのか。

  まずは、現状について具体的にお示しいただきたいと思います。総務部長に御答弁よろしくお願いいたします。

 ○濱口委員長 山本総務部長。

 ○山本総務部長 県有の職員住宅は、知事部局、教育委員会、警察本部がそれぞれ所管していますが、利用状況につきましては、総務部から

 一括して答弁いたします。

  令和8年2月1日現在における知事部局所管の職員住宅の戸数は496戸で入居率は70.4%。教育委員会所管の職員住宅の戸数は119戸

 で入居率は61.3%、警察本部所管の職員住宅の戸数は595戸で入居率は59.5%となっています。用途廃止となった職員住宅の処分方法に

 つきましては、各施設所管課において売却等の判断に至った物件情報を管財課で集約した上で、当該物件に係る取得希望の有無を、ま

 ず庁内向けに照会し、希望がなければ、次に、国及び県内全市町村に照会を行います。国及び市町村からの取得希望がなければ、一般競争

 入札により売却することにしております。

 ○濱口委員長 議事の途中ですが、傍聴及び撮影等許可についてお諮りをしたいと思います。

  ただいま、2名の方から傍聴及び撮影等の申出がありました。これを許可することに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 ○濱口委員長 御異議なしと認めます。よって、傍聴及び撮影等の申出は、これを許可することに決定しました。

  なお、フラッシュ撮影等は御遠慮願います。

  それでは、質疑を続行します。

  上山委員。

 ○上山委員 御答弁をいただきました。

  職員住宅の利用状況と処分方針が一定明らかになったところで、次にお伺いしたいのは、小項目2項めの職員住宅の所在市町村との利活

 用の在り方であります。

  本県では、人口減少が急速に進み、とりわけ地方では若者の流出が大きな問題となっています。高校卒業後、多くの若者が進学や就職のた

 めに県外へ移動し、そのまま戻らない。この流れが続けば、地域の活力は低下し、将来の担い手不足はさらに深刻化していきます。一方で、

 県内の専門学校や高等教育機関では、県外からの学生を受け入れたい、留学生を積極的に迎えたいという前向きな動きも広がっておりま

 す。しかし、現場からは、学生向け住宅が不足している、家賃が高く受入れの妨げになっている、住環境が学生誘致のボトルネックと

 なっているといった切実な声も上がっております。実際に、住居さえ確保できれば、受入れを増やせるという具体的な声もあります。そ

 の一方で、県内には利用率が低い職員住宅や空室のまま維持管理費だけが発生している施設も存在していると思います。

  この状況を見ますと、住環境を求める地域ニーズと活用されていない県有資産が、必ずしも十分につながっていないのではないかと感じ

 ます。人口減少時代において重要なのは、単なる維持管理ではなく、地域の未来にどう生かすかという視点であります。

  そこで、お伺いいたします。

  市町村によっては、学生等の住居として、使用していない職員住宅の活用を考えているところもありますので、可能な限り早い段階で、市

 町村に対し売却対象施設の取得要望を照会すべきではないかと思いますが、総務部長の御見解をお伺いいたします。

 ○濱口委員長 総務部長。

 ○山本総務部長 総務部といたしましては、教育委員会、警察本部と連携して、可能な限り早い段階で市町村へ情報提供できるよう努めて

 まいります。

 ○濱口委員長 上山委員。

 ○上山委員 御答弁いただきました。

  今回、申し上げております職員住宅の利活用は、単に空いている施設をどう利用するか、あるいは維持管理費を削減するかという財政面

 の議論だけにとどまるものではないと考えております。人口減少が進む中で、地域に若者を呼び込み、県内に人材を確保し、地域の活力を

 取り戻していく、そのための基盤づくりそのものであります。実際、教育現場では、住む場所さえ確保できれば受入れを増やせるという切

 実な声がある一方で、県内では利用率が十分でない職員住宅も存在し、活用されない維持管理が発生しているケースがあります。このミス

 マッチをつなぎ直すことが今まさに求められているのではないでしょうか。

  ここで、例えば有田市の状況を一つの参考として申し上げますと、有田市では、スポーツ振興を担う専門学校に、外国人を含め、県外、県

 内から生徒が集まりつつあります。しかし、住居の確保が十分に進めば、さらに受入れを拡大できるのではないかという現場の声もあります。

 こうした地域の実情を踏まえるのならば、利用率の低い職員住宅、例えば警察官舎なども含め、学生、留学生等の住まい、あるいは地域に人

 を呼び込む住環境として利活用を検討できる余地があるのではないでしょうか。

  もちろん、これは有田市だけの話ではございません。一つの地域で、県、市町村、教育機関等が連携し、職員住宅の利活用をモデルとして

 形にできれば、その成果や手法を県内各地へ横展開することが可能になります。各市町村には、それぞれ異なる課題とニーズがございます。

 子育て、福祉、移住・定住、産業振興、人材確保、地域が何を求めているかを丁寧に把握し、所在市町村と協議を重ねながら、県有資産を地

 域の未来に結びつけていく、その積み重ねが県内全体の活性化につながっていくと考えます。そして、結果として活用が進めば、県有施設を

 空きのまま維持する状態から脱し、将来の大規模修繕・更新リスクを含めた維持管理費の負担の在り方にも大きく影響してまいります。

  将来、次世代に負担を残すだけではなくて、将来世代に価値と可能性を引き継ぐ資産経営へと転換していくことが重要であります。県有施

 設を眠る資産ではなく人材確保と地域づくりを支える未来への資産として生かす、そのために所在地の市町村や関係者機関と連携し、

 モデルをつくり、県内へ広げていく、こうした前向きな検討を強くお願い申し上げます。

  続きまして、大項目、流域治水について質問いたします。

  県内の河川整備計画の策定状況及び有田川水系の取組についてお伺いいたします。

  近年、全国各地で豪雨の激甚化・頻発化が顕著となっております。線状降水帯の発生による記録的短時間大雨やこれまでの想定を上回る

 豪雨が相次ぎ、従来の治水計画の前提そのものが問い直される時代となっております。気候変動を前提とした治水対策への転換は、もはや

 選択肢ではなく、不可避の課題であります。

  本県は、紀伊山地を源とする急峻な河川が多く、上流域から下流域までの流下時間が短いという地理的特性を有しております。山間部で

 は集中豪雨が短時間で下流域に到達し、水位が急上昇する構造にあり、堤防や河道の能力を超える事態が発生すれば、被害は一気に拡大

 する可能性を抱えております。さらに、下流域には市街地や農地、産業基盤が集積しており、一たび浸水が発生すれば、住民生活のみな

 らず、地域経済にも大きな影響を及ぼします。こうした本県特有の地形条件を踏まえれば、河川整備計画の着実な推進は、県民の生命、

 財産を守る上で最重要課題の一つであります。

  令和6年12月議会では、県内の河川整備計画の策定状況について確認させていただきました。その後の答弁では、2級水系における新規

 策定や計画変更が進められているとの説明があり、一定の前進が図られているものと認識しております。また、有田川本川においては、河

 口部での堤防整備や堤防強化、流下阻害となる樹木伐採や堆積土砂の撤去が進められていること、さらには、支川においても遊水地整備や

 護岸整備、土砂撤去などが実施されているとのことであります。現場での具体的な取組が進んでいることは評価いたします。しかしながら、

 気候変動の影響を踏まえれば、現在の整備水準が将来にわたって十分であるのか、また、整備の進捗が地域住民の安心につながるほどの

 スピード感を持って進められているのか、改めて確認する必要があると考えます。

  そこで、改めてお伺いいたします。

  河川整備計画の現在の策定状況や見直し状況はどうなっているのでしょうか。また、有田川水系における本川、支川、それぞれの整備の進

 捗状況と今後の整備見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。

 ○濱口委員長 小浪県土整備部長。

 ○小浪県土整備部長 まず、県内全域の河川整備計画の策定状況についてお答えいたします。

  1級水系である紀の川水系は、国管理区間について国が計画を策定しているほか、本県管理区間については、和歌山市、貴志川、紀泉の三

 つの圏域について、それぞれ県が計画を策定済みです。熊野川等の新宮川水系は、同様に国管理区間は国が、本県管理区間は三重県と共同

 でそれぞれ策定しております。また、和歌山県の管理する2級水系については、県内85水系のうち19水系で計画を策定しております。

  続きまして、以前、委員に御質問いただきました令和6年12月以降の進捗についてお答えいたします。

  令和6年12月に湯浅町を流れる山田川水系の河川整備計画を新たに策定いたしました。また、令和7年3月に、日方川水系、亀の川水系

 の計画をそれぞれ変更いたしました。加えて、左会津川水系の計画の変更の検討を進めているところです。

  次に、有田川水系の整備状況についてでございますが、有田川本川については、河口部の堤防整備、有田市宮原・糸我地区の堤防強化の

 工事をそれぞれ行っているほか、洪水が流れる際に影響があります樹木の伐採や堆積した土砂の撤去について、保田大橋付近、宮原橋付

 近、田殿橋付近等の広範囲にわたって進めているところです。また、有田川に流れ込む各支川については、天満川では遊水地の整備を、宮

 前川では護岸の整備を進めております。また、西谷川、早月谷川等の5河川では、令和5年の大雨を含む近年の豪雨によって土砂が堆積し

 ているところについて、集中的に土砂の撤去を進めております。

  これらの事業は、先般、議決いただきました令和7年度補正予算や現在御審議いただいております令和8年度予算案により進捗を図って

 まいります。

 ○濱口委員長 上山委員。

 ○上山委員 御答弁をいただきました。

  河川整備計画及び有田川水系の取組については、ただいまの答弁でおおむね理解いたしました。計画の策定や見直し、堤防強化や河道整

 備、土砂撤去など、具体的な取組が進められていることは評価いたします。今後も着実に推進していただきたいと思います。

  一方で、治水対策を県民の安心につなげていくためには、単に取組を列挙するだけでなく、どの程度まで整備が進んでいるのか、いつまで

 にどこまで到達するのかという、数値や目標を明確に示すことが極めて重要であると考えております。整備率や完成度、目標年度といった具

 体的な指標を示しながら進捗管理を行うことで、初めて県民の理解と信頼が得られるものだと思います。

  その上で、次の小項目2項目め、次に、流域治水の取組についてお伺いいたします。

  令和6年12月議会の一般質問では、近年の異常気象とも呼べる豪雨災害が頻発する中で、有田川を含め、これまでの河川整備中心の対

 策で十分であるのか、十分でなければどのように治水対策に取り組んでいくべきかについて質問いたしました。その際の答弁では、流域

 のあらゆる関係者が一丸となって対策を進める流域治水が重要であるとの説明がありました。一方で、流域治水への転換は道半ばであり、

 従来の河川管理者中心の対策から完全に脱却しているとは言い難い状況であるとの認識も示されました。

  それから1年以上が経過しております。全国においては、特定都市河川制度の活用や流域水害対策計画の策定など、制度面でも前進が見

 られます。本県でも、日高川水系西川流域の指定などの取組が進んでおりますが、当時、道半ばと評価された状況からどこまで具体的に前

 進したのかを改めて確認する必要があると考えます。

  そこで、改めてお伺いいたします。

  当時、道半ばと評価されていた本県の流域治水の取組は、現在、どの段階まで進展しているのか、特定都市河川制度の活用状況や流域水

 害対策計画の進捗状況について、県土整備部長にお伺いいたします。

 ○濱口委員長 県土整備部長。

 ○小浪県土整備部長 流域治水とは、今、委員御紹介いただきましたとおり、流域全体のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害軽減さ

 せる治水対策ということで、令和3年より全国的に進められている施策です。本県としても、流域治水を進めるためには、県が管理する河

 川の整備を着実に推進するとともに、関係部局が連携して対策を充実させていきまして、流域の市町村においても、雨をためる、しみ込ま

 せる、ゆっくり流すといった、いわゆる流域対策に取り組んでいただくことなどが重要と考えております。

  このような認識に立ちまして、令和7年1月に、御紹介いただきましたとおり、日高川水系西川流域を県内初、また2級水系としては近畿地

 方初となる特定都市河川浸水被害対策法に基づく特定都市河川に指定いたしました。西川流域では、令和7年9月に、県及び流域の御坊

 市、美浜町、日高町、日高川町の4市町が共同で、同法に基づく流域水害対策計画を策定いたしまして、現在、この計画に基づき、様々な

 取組を進めているところです。

  例えば美浜町では、将来にわたって遊水機能を維持するための貯留機能保全区域の指定に向けて、町と県が共に検討を進めているところ

 です。また、日高町では、県内初となります田んぼダムの実証実験がスタートしております。日高川町では、同様に田んぼダムの実証実験

 に加えまして、ため池を治水にも活用する取組を拡大していただいているところです。また、御坊市では、浸水リスクの高い地域の小学校

 において、過去の水害の歴史を学び、命を守るための授業を実施していただいております。

  また、同法に基づきまして、一定規模の開発等に際し、雨の水をためたり、地中にしみ込ませたりする雨水貯留浸透施設の設置が義務づけ

 られております。これに基づき、既に流域で民間企業による貯留施設整備が始まっておりますほか、また、県が事業主体となる御坊市の下富

 安団地の建て替えに際しても、貯留施設の整備を検討しているところです。

 ○濱口委員長 上山委員。

 ○上山委員 御答弁いただきました。流域治水の進捗状況について確認をいたしました。

  西川流域における特定都市河川指定や流域水害対策計画の策定、田んぼダムやため池活用、また防災教育など、具体的な取組が進めら

 れていることは理解いたしました。一定の前進であると受け止めております。しかしながら、昨年は、本県では大規模な豪雨災害に見舞

 われませんでしたが、全国では毎年のように豪雨災害が頻発しており、気候変動の影響を踏まえれば、本県も決して例外ではなく、流域

 治水の効果が確実に発揮される体制を整えていかなければなりません。

  続きまして、小項目の三つ目、流域治水の課題について質問いたします。

  特に私の地元である有田市の高山川流域においても、これまで度々浸水が発生してきた地域であります。大規模な外水氾濫に至らずとも、

 局所的な豪雨により内水的な浸水が発生するなど、地域住民の不安は決して小さくはありません。西川の事例は一つのモデルとありますが、

 こうした地域の実情を踏まえたとき、流域治水を全県的に広げていく上で、どのような課題が横たわっているのかを明らかにすることが極

 めて重要であると考えます。例えば、市町村における専門人材や体制の不足とか、また、農業者や土地所有者との合意形成に時間がないと

 か、また、部局間連携が制度上は整っていても実務上は調整に時間を要していないのかとか、いろいろな課題があると思いますが、実際の

 推進過程における課題ではないかと感じております。

  そこで、お伺いいたします。

  県として、これまで流域治水を推進してきた中で、具体的にどのような課題に直面しているのか、それは西川流域に限った課題なのか、そ

 れとも高山川流域を含め、県内各流域に共通する構造的な課題なのか、また、現場で最も難しさを感じている点はどこにあるのか、率直な

 課題認識を県土整備部長にお伺いいたします。

 ○濱口委員長 県土整備部長。

 ○小浪県土整備部長 流域治水を進めていくためには、一般的に河川管理者だけではなく、流域の様々な関係者それぞれが水害対策につ

 いて、誰かがやってくれることではなく、自分でも取り組めることとして認識する自分事化が大事だと考えています。例えば、先ほど御

 紹介した田んぼダムやため池の活用といった農家の方々に御協力いただく取組については、気候変動の影響ですとか地域の水害リスクと

 いったものを丁寧に御説明をいたしまして、まさに自分事として御理解いただくこと、また、これらの対策がどのような、どの程度効果

 があるのかを分かりやすく見える化していくことも重要だと考えています。これは、先ほど申しました貯留浸透施設等の整備が義務づけ

 られております民間事業者との間でも同様になります。

  したがって、流域治水の課題として考えていることとしましては、組織ごと、部局ごとの縦割りを乗り越え、地域全体で水害に立ち向かう、

 いわば流域治水文化といったものをいかに根づかせるか、そのための意識改革をどう進めていくのかといったことだと考えております。県と

 しても、そのきっかけとなるように、県の広報番組での流域治水の紹介、また、県独自の流域治水のロゴマークの制作、ステッカーやシール

 の配布などの取組をしてきたところです。

  今後とも引き続き、関係部局のみならず、関係市町村、民間事業者や県民の皆様と連携して対策を進めていくために、様々な機会を通じて

 情報発信や働きかけをしてまいります。

 ○濱口委員長 上山委員。

 ○上山委員 御答弁いただきました。流域治水を進める上での課題については確認いたしました。今の答弁で、水害の自分事化を進めるこ

 との難しさ、効果の見える形の重要性、そして、行政の縦割りを廃し、流域全体で取り組む必要性が示されました。

  その中で、私は特に地域と連携した取組に注目しております。流域治水は、行政だけで完結するものではなく、地域住民やの農業者の協

 力が不可欠であります。県内において、農家の皆様が協力して実施している田んぼダムの取組は、まさに地域ぐるみの防災対策であり、流

 域治水を象徴する事例であると評価しております。

  本県は、古くから農業用ため池が数多く存在し、農業生産を支えてきました。現在、県内には約4700か所の農業ため池があり、そのうち決

 壊すれば下流の住宅等に被害を及ぼすおそれのある防災重点農業用ため池が約1900か所存在すると承知しております。つまり、下流域に

 守るべき生命、財産が多く存在しているということであります。これらのため池は、本来の利水機能に加え、洪水時の一時的貯留機能を

 発揮する重要な地域資源でもあります。国においても、農業分野を含めたグリーンインフラとしてため池の有効活用が位置づけられ、流

 域治水の重要な構成要素として整理されております。また、近年は農業従事者の高齢化や担い手不足が進み、農地やため池の維持管理自

 体が課題となっております。

  こうした状況の中で、農業分野を流域治水の中にどのように位置づけ、持続可能な形で取組を広げていくのかが今後の鍵となると考えま

 す。流域治水は、単なる治水対策にとどまらず、防災と農業振興、さらには地域づくりを結びつける総合政策であるべきであります。

  そこで、お伺いいたします。

  流域治水については、地域住民を巻き込んだ多方面からの取組が重要であると考えますが、ため池を活用した治水対策について、農林水

 産部長にお伺いいたします。

 ○濱口委員長 川尾農林水産部長。

 ○川尾農林水産部長 委員御指摘のとおり、流域治水対策を進める上で、地域との連携は重要であると認識しております。このため、農業用

 ため池の所有者や管理者に対して、下流域の浸水被害軽減対策として、ため池の水位を低く保つ低水管理や大雨予想時の事前放流が有効

 であることを、研修会等を通じて周知しております。また、県が改修工事を行ったため池につきましては、所有者や管理者に対して、直

 接、低水管理や事前放流の実践をお願いしております。

  今後も、地域との連携が一層進むよう、関係者に対して流域治水におけるため池の重要性を啓発するとともに、具体的な取組の実践を働

 きかけてまいります。

 ○濱口委員長 上山委員。

 ○上山委員 御答弁いただきました。流域治水対策の中で、ため池での取組についてはおおむね理解いたしました。

  しかしながら、気候変動の影響により豪雨が激甚化する中で、農業防災の役割はこれまで以上に重要性を増しております。農地やため池を

 守ることは、単に農業を守るということになりません。それは、流域全体の安全を守り、県民の安心な暮らしを支える取組であります。

  本県の農地やため池は、急峻な地形の中で先人たちが築き上げてきた大切な財産であり、豪雨時には下流域の被害軽減に寄与する重要

 な防災インフラであります。田んぼダムの取組に見られるよう、農家の皆様は地域の安全のために協力してくださっております。その思

 いを持続可能なものとするためにも、ため池の洪水調整機能の強化や整備などを計画的に進めるとともに、どの程度の施設を対象とし、

 どの規模で機能向上を図り、地域と共有していくことが重要であります。

  また、その実現には、県土整備部と農林水産部が横断的に連携した事業計画の下で、一体的な予算措置を講じていく体制の強化が不可欠

 であると考えます。個別事業として分散的に扱うのではなく、流域全体の安全確保という共通目的の下、包括的に措置できる枠組みとする

 ことが重要であります。とりわけ、流域治水と農業防災を一体的に推進するための新たな具体的な共同予算枠の創設も含め、実効性ある財

 政的裏づけを図っていただきたいと思います。流域全体の安全確保という共通の目的の下、横断的な取組と予算措置のさらなる充実を強く

 要望し、私の質問を終わります。

   (拍手)

 ○濱口委員長 以上で、上山委員の質疑は終わりました。

  引き続き、質疑を行います。

  尾﨑太郎委員。

   (拍手)

○尾﨑委員 それでは、早速、質問に入ってまいりたいと思います。

  昨年、竹村公太郎先生という国交省のすごい先生と食事をする機会がありまして、「日本文明の謎を解く」というすごい名著がありまし

 て、その本を読んで感動して、以来ずうっとその先生の本、出る本、出る本全部読んでいたんですけど、憧れの先生に会うことになって、

 本当にいろんな話して楽しかったんです。

  その先生の書いた本の中に、何で平安京、鎌倉幕府ができたときに京都に幕府を開かずに、鎌倉へ行ってしまったのかというのを書かれ

 ていたんです。それは何でかというと、木を全部切ってしもうて、非常に京都は汚かった。それで疫病がばあっと、そういう話が出てくる

 でしょう。あれ、木を切ってしもうたから環境が破壊されて疫病が来て、その辺いっぱい死体があって臭くていられなかったんです。もう

 こんな不潔なところにいたくないわと言って、頼朝がもう鎌倉に引っ込んじゃったというようなお話が書かれていたんです。ああ、なるほ

 どなあ。当時は木の文明ですよ。文明というのはそうやってずうっと変遷していきますよ。それから石炭の文明があって、石油の文明に

 なって、20世紀は石油の文明と言われていますけど。大きなこの文明の変換が、今21世紀に起ころうとしていて、その一つが脱炭素という

 ことだと思うんですよね。

  私これ、二酸化炭素を減らしたから地球の気温が下がると、大分、そうかなあと思っていたんですよ、その点に関しては。なんですけ

 ど、文明ということの観点から考えると、そういう人間の意識、人類の意識がそっちへ向いていったというのは事実で、これはエネルギー

 をどこに依存するかということの文明史的な転換で、必ずしも化学的な事実として二酸化炭素が減ることが地球温暖化を減らすということ

 とは、別のところで成り立っているのかもしれないなあというふうに思い至ったんです。

  岸本知事と話したときに、「知事、そんなこと言うても、日本がちょっと二酸化炭素を下げたからどうなるものでもない」と言ったら大分

 怒られて、「何を言っているんですか」と。もうそういうグリーンエネルギーの供給ができない県に企業誘致なんかできませんよ。あっ、

 なるほどそういう視点があるんだなと思って、心を入れ替えたんですよ。

  それで、9月の議会で、それだったら、脱炭素先行地域に何で和歌山が入ってないのよという質問したんですよ、何でやねんと。近畿で

 和歌山だけ抜けているじゃない、それだけ知事が脱炭素先行するんだと言っていて、そんな国の施策、いい補助事業、補助率いいですから

 ね、採択されていないってちょっとあかんのではないのという意味の質問をしました。そしたら、必ず採択されるように頑張りますと当時

 の部長、すごい勢いで言ってくれたんですよ。それで、ずっと見守っていた。

  というのは、3回連続、和歌山市は落ちとったんですよ、それまで。チャレンジはしていた、でも、駄目だった。それで、今回僕は

 ちょっと和歌山県のお尻も押して、もう共同提案して頑張ってと言って、何と先月、採択されましたという連絡が来たんですね。これから

 ですよ、事業が始まるのはこれからやから。脱炭素の意気込み、そして、共同提案者としてどういう姿勢でこの事業に臨むのか、知事の見

 解を伺いたいと思います。

 ○濱口委員長 宮﨑知事。

 ○宮﨑知事 脱炭素先進県を目指す和歌山県にとって、県全体で脱炭素を進めていくためには、市町村の取組が欠かせないところでありま

 す。このたび、人口も産業も集中する和歌山市が脱炭素先行地域に選ばれたことは、今後、県内全域に脱炭素の取組を広げていく上でも非

 常に大きな一歩であるというふうに思っています。和歌山市の申請に際しては、県も協力をいたしましたが、何度もチャレンジして、よう

 やく採択を勝ち取った市職員の皆さんの頑張りには頭が下がる思いであります。

  脱炭素先行地域づくりの事業の交付金額は、5年間で最大50億円という事業規模であることから、非常に大きな経済効果も見込まれてお

 ります。採択された計画では、公共施設等に太陽光発電設備や蓄電池を導入し、電力を和歌山市駅の周辺エリアに供給するなど、再生可能

 エネルギーの地産地消を推進します。また、空き家を断熱改修することで建物の価値を向上させ、空き家解消につなげます。これは、空き

 家率の高い和歌山県にとりましても、課題解決への有効な取組となり得るものと考えています。

  共同提案者である県といたしましては、今後、計画に記載されている県有施設への太陽光発電設備の設置を着実に進めていくとともに、

 この計画の実現を目指して、和歌山市と共に全力で取り組んでまいります。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 なるほど、頑張ってほしいですね。県の職員の方々も御苦労さまでございました。

  グーグルが来ると言ってなかなか着工しませんけど、グーグルなんかも企業ポリシーとしてグリーンエネルギーしか使わないそうです、

 化石依存のエネルギーは使わないと。事ほどさようにそういうふうになってきて、これからいろんな企業を誘致して各課が頑張ってくれる

 と思いますけど、岸本前知事がおっしゃったように、その際に、グリーンエネルギーの供給能力というのを問われる時代になったんです

 ね。だから、ぜひ企業を振興するという意味でも頑張ってもらいたいな。私も心を入れ替えて頑張りたいと思います。

  それで、この間、国会議員とちょっとお話ししていたら、「いいものができた」と言われたんですよ。「何ができたんですか」と言った

 ら、「スタートアップする企業を育成するための入札の制度、公共調達の在り方を見直したんだよ」と言ったんですよ。「えっ、そうなん

 ですか」と僕は言ったんです。というのは、国の入札は会計法でやっていますから、県は地方自治法ですけど、会計法、これは難しいで

 すよ。難しいというか当たり前のこと書かれているんだけど、一般競争入札でやれと書いているんですよ。一般競争入札でやるのは、そ

 りゃそうですよ、税金だから。だけど、この参加の要件とか値段でたたき合うから、実績は何ですかとか言われるから、なかなかスター

 トアップした企業が入っていかれないわけですよ。

  そこで、アメリカとか、よその国のスタートアップってばあっと伸びるのが早いけど、公共マーケットになかなかアクセスできないの

 で、スタートしたばかりの企業がその市場、要するに公共市場を取りに行けないということがあって、これを見直そうじゃないかという

 ことで、最近、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局というのができて、スタートアップからの公共調達等の推進に向けた施策と

 いうのをつくっているんですよ。このことについて、県は御承知いただいているでしょうか、担当部長にお伺いします。

 ○濱口委員長 中場商工労働部長。

 ○中場商工労働部長 スタートアップについては、新技術を開発し、それを社会実装につなげるまでの過程において、資金調達や研究開

 発、販路拡大などの課題が存在し、事業化をするまでに時間を要するものと考えております。

  このような中、国におけるスタートアップに関する公共調達については、高度かつ独自の新技術の活用や需要創出を主眼に行政課題の

 解決策を公募し、各省庁と協議を行いながら仕様を確定させた上で、随意契約を可能とする新たな調達スキームが令和6年度に創設され

 ています。また、革新的技術に対して多段階の研究開発補助を行うとともに、開発成果を国が積極的に調達する仕組みであるSBIR制度を

 通して多面的にスタートアップの支援が推進されていると認識をしております。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 知ってくれているんですね。なかなかアンテナ高くて結構なことですけど、物すごいことでしょう、これ随契までするとい

 うんだから。

  今まで、小泉内閣以降、新自由主義がばあっと日本を席巻してどうなのかなあと、安けりゃいいんだ、食料安保と最近言われますけど、

 安いもの、外国で買ったらいいではないか、自由貿易、それは結構なことですけど、安かったら外国で買ってきたらいいということで、

 日本の生産がどうなのと。戦争が終わって貿易できなかったら、飢え死にするのではないかとこの頃言われてきましたけど、市場だけに

 任せると、そういうことになりつつあって、企業も育てる、トランプは関税をばかんとかけて自国の製造業を戻すと言っています。この

 ことがいいか悪いかは別として、程度の問題で、何でもかんでも市場に任せていたら、国内の産業がすかすかになるというのは、最近

 30年で分かってきたことなんですよ。

  それで、国も、これは物すごい大きい転換だと思うんですけど、一部会計法の運用を見直して、随契までやってでもスタートアップを

 育てようと。こんな、僕は非常にいいんじゃないかと思うんですけど、県としてはこの施策に対してどのような御見解をお持ちでしょう

 か、担当部長にお伺いします。

 ○濱口委員長 商工労働部長。

 ○中場商工労働部長 国が行うスタートアップに関する公共調達の取組については、初期需要の創出ですとか資金支援、信用力向上を通

 じて事業成長を後押しするものと認識をしております。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 いいものと思ってくれているみたいですね、いいものと思ってくれている。

  じゃあ、今スタートアップというのは物すごくみんな期待しているでしょう。だから、国の制度は、後ほどまた知事にでもお聞きする

 けど、県がどう取り入れていくかは。取りあえず今、現時点で県はどんなスタートアップの企業支援を行っておられるかお聞かせくださ

 い。部長にお伺いします。

 ○濱口委員長 商工労働部長。

 ○中場商工労働部長 県では、スタートアップの創出・成長に向け、様々な支援を行っております。まず、スタートアップを目指す者を

 湧出するため、中高生を対象に、自ら課題を発見し、主体的に解決策を考え行動する人材の育成を目指したアントレプレナーシップ教育

 の実施や、和歌山にゆかりのある起業家団体である和歌山イノベーションベースと連携して、新たな企業の創出・育成を支援しています。

  また、先ほどの答弁のとおり、スタートアップが新技術の開発から、それを社会実装し、事業化につなげるまでの過程の多くの段階に

 おいて課題が存在するものと認識しておりまして、その段階においてスタートアップも対象となる支援を行っております。

  そして、基礎研究や応用研究の段階では、成長産業にもつながる先駆的な技術を用いた事業開発を支援する先駆的産業技術研究開発支

 援事業や、わかやま産業振興財団と連携し、国が進める中小企業が大学、公設試等との物づくり基盤技術の高度化を図ることを目的とし

 た費用補助につながる支援を行っております。

  また、サービスや商品を市場に展開し、技術を実用化、事業化する段階では、新商品や新サービスの開発、販路開拓につなげるために

 中小企業応援ファンドを活用し、試作品の開発や市場調査に係る支援を行っております。

  これら県の各種支援によりまして、スタートアップの創出・成長を着実に後押しし、国の制度の活用にもつながるよう取り組んでまい

 ります。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 いろいろやってくれているんですけど、それらはスタートアップを生み出すところを支援してくれているんですよ。でも、

 生んだ後、育てる、どうやって育てるのということなんですよ。歴史を見ると、大体帝国主義とか重商主義というのがあって、ばばっと

 それは市場を取りに行くんですよ。自分のところで作っていたら生産力が上がってくる。生産していったら、さばく市場がないとだぶつ

 いちゃって不況になるから、なかなかよその国はそんなの入ってきたら困ると言うんですよ。だから、ばあっと軍艦を持っていって、

 「おい、開けろ、開港しろ」と言うわけですよね。それで、イギリスはインドをばばばっと市場にして、インド人は貧しくなるけど、英国人

 は金持ちになるみたいな、こういうのがある。だから、マーケットが要るんですよ、製品作ったら。なかなかそのマーケットどこにある

 のと。

  新しく作ったものは、そんなものは実績がないから、県庁へこれ使ってくださいと、どこか和歌山市で使ってもらったら考えるとか、これ

 国で使ってるのかと言われるわけですよ。だから、ここでいつもスタートアップの企業が、いいものを作ったんだけど、なかなか売りにく

 い、売れない。それで、もちろん民間のマーケットに売りに行く、この努力も大事ですよ。しかし、日本のGDPの多くの部分、全部とは言

 いませんけど、公共調達マーケットというのはすごく大きいわけですよ。だから、国は今までちょっと閉ざしていたところに──だからと

 いって何でもかんでも入れていいというわけじゃないけど──こういう段階を経て認証されたものについては、実績を問わずに入札に

 入っていいよみたいな制度をつくった。これ、いいのではないかなと僕は思うんですよね。

  僕、過去に県のファンドを使って、例えば木で木ぐいを作った会社とか知っているんですよ、木のくい。これ、和歌山の施策にも合って

 いるでしょう。それで、ちゃんとNETIS登録もやったり、いろいろできたんですよ。それ、県のファンドを使ったの。それで、そういう技

 術できたんだけど、広がらないですよね。なかなかそんなのやったことないから使ってくれないから。

  そういうことで、新しい技術を生み出すとか支援はいろいろやってくれているんですけど、生み出された企業を育てるということに関し

 て、国はそういうふうにかじを切って、これを参考に、すぐにはできないでしょうけど、和歌山県もそういうのを公共調達に取り入れてく

 れたらどうかなあと思うんですけど、知事の御見解をお伺いします。

 ○濱口委員長 通告にない答弁者ですけども、関連性があると思いますので、認めます。

   (「書いてる」と呼ぶ者あり)(「知事って書いてある」と呼ぶ者あり)

  あっ、本当だ。すみません、失礼しました。

  では、知事。

 ○宮﨑知事 お答えいたします。

  元気な和歌山を築くためには、次代を担うスタートアップや中小企業の成長を支えることが大事でありまして、知事としては、その必要

 性、十分に認識しております。

  これまでの調達の基本というのは経済性ということになりまして、もちろんこれは本当に大事な一面でありますし、また一方では、でも

 行政が新たな技術や企業の育成に寄与すべきという考え方も一つの重要な観点であるというふうに捉まえています。この国の制度は、これ

 までの調達の在り方に一石を投じる挑戦的な試みであると思います。しかし、新しい制度を導入する際には、まずは方法と価格が県民から

 見て公平かつ納得できるものであるかという点が肝要かなというふうに思います。

  企業を育てるということは大変重要なことでありまして、そのために、まずは透明性をしっかり確保して、県民の誰からも応援してもら

 えるような仕組みづくりを大切にしていきたいと考えています。この制度は、政府だけでは最適な解決策の確定が困難であるというような

 新技術ということでありますので、まずは、この制度がどのように運用されていくのかということ、またスタートアップへの効果、そし

 て、対象とする発注業務などを丁寧に見極めていく必要があるのかなというふうに思います。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 何かちょっとIRと似たような答弁ですけど、見極めてもらうのは別に悪いことではないので、ちょっと見極めてもらって、国が

 いいようだったら、まねするというのは別に悪いことじゃないですから。まねしてもらって、県の公共調達の制度によかったら取り入れてい

 くのにはばかることなかれじゃないでしょうかね。期待をしておきます。

  でも、それはそうとして、これはお願いをしておくんだけど、担当の部局に。国のこの制度に応募していくような企業、これは県内でつく

 っていかなければいけないのかなと思うんですよ。今おっしゃったようなSBIR制度というの、これはもともと、そこの段階に行くまでに、

 それぞれの売上げとかいろんな内容があるんだけど、これ全国でどれだけがここに応募するのか分からないけど、和歌山県ゼロだったら悲

 しいなと思うので、こういう企業の育成をまずして、それで、その企業がどんなにして国で公共調達して成長したのかというのを見なが

 ら、新しい制度をつくっていっていただきたいなと思います。要望しておきます。

  それで、次は指定管理者について、これちょっと最近多いでしょう、不祥事いろいろと。改めて指定管理制度はどういうものなんでしょう

 かということを、まず担当部長にお伺いしたいと思います。

 ○濱口委員長 山本総務部長。

 ○山本総務部長 指定管理者制度は、地方自治法第244条の2の規定に基づき、住民の福祉を増進する目的を持って、その利用に供する

 ために設置される公の施設の管理運営に、民間事業者やNPO法人等の能力を活用することを可能とする制度であります。本制度導入の

 趣旨は、従来の公共団体による直営や出資法人等に限られていた施設の管理運営主体を広く民間に開放することにより、多様なノウハ

 ウや専門性を取り入れ、住民サービスの向上を図るとともに、管理運営の効率化や経費の縮減を行うことであります。

  また、民間の創意工夫を生かすことで、施設のさらなる利用促進や地域の活性化にも資することが期待されております。本県においても、

 現在、40施設において指定管理者制度を導入し、運営しているところでございます。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 この制度も、何か知らないけども、官がやるより民が管理するほうがいいという前提でつくられているんですけど、何で官が

 やったほうが悪いのかなあと思わないでもないんですよ。これも時代の趨勢みたいなものがありましたよ、新自由主義の。やってみたら、

 ぽろぽろとそんな悪いことをする人も出てきておるわけですね。

  それで、もともと指定管理は3年だったんですよ。それで、知らない間に5年になっているの。これは、何で3年から5年になったんで

 しょうか、部長にお答えいただきたいと思います。

 ○濱口委員長 総務部長。

 ○山本総務部長 指定管理者制度における指定期間につきましては、法令上の定めはなく、以前は原則3年として運用していたところです

 が、令和6年度以降、5年を上限として各施設の実情に応じた期間を設定しているところでございます。

  御質問いただきました指定期間を拡大した理由については、期間を拡大することで、事業者による施設運営に係る事業計画の多様化、人

 材確保等の安定化が期待でき、それによる利用者へのサービス向上など、より効率的かつ効果的な施設運営の基盤を整えることが期待でき

 るためです。

  なお、総務省の調査においても、令和6年4月1日時点、全国で8割を超える施設について、5年以上の指定期間が設定されている状況で

 ございます。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 何かもう一つ理由がよく分からないのですけど、それで3年から5年に変えて、そんないいことあったのなら言うてほしいです

 けど、ぽろぽろ悪いことをしているじゃないですか。気が緩んでくるということもあるかも分からんよ、長かったら。僕も、選挙、10年に

 1回やったら、もう緩みっ放しやわ。

  それで、40ほど施設が指定管理されているんですけど、これ、一律に5年にする必要あるのかなと思うんですよ。その施設、施設に特性

 があると思うわ。だから、福祉の色が強い施設なんか、確かにおっしゃるように、ずうっと同じ人がやっていたほうが、よりいいか分から

 んですよ。だけど、そうじゃなくて、より提案したり、民間の方に使ってもらったりという提案色が強い施設は、また、あの指定管理者よ

 り俺のほうがもっといい運用ができるというところが出てくるかもしれない。そういう意味で、チャレンジして競争性を高めるのに値す

 る施設もあるはずなんですよ。だけど、何かもうばっと40全部一気に3年から一気に5年だみたいな、ちょっと施設ごとに色をつけると

 いうことも考えてもいいのではないかなと思うんですよ。何でそんなに全部一緒かなと思うんです。だって、指定管理といったっていろい

 ろあるじゃないですか、施設ごとにと思うんですが、いかがでしょうか、部長、答弁お願いします。

 ○濱口委員長 総務部長。

 ○山本総務部長 指定期間が長くなるほど、新たな事業者との競争機会の減少につながるという課題があることも認識しております。よっ

 て、先ほども申し上げましたが、指定管理者の指定に当たっては、5年を上限として各施設の実情に応じた最適な期間を設定した上で、

 各施設に具体的な成果指標、KPIを設定し、毎年度評価を行い、その結果を公表するとともに、未達成項目については改善計画の提出を求

 めることで、客観的評価に基づく自発的なサービス改善を促すこととしているところでございます。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 そんなに言っても、全部5年のような気がするけど、施設ごとにと言っても。それで、5年は長いですよ。では、悪いことを

 したときに、ペナルティーというのはどうなっているんですか、契約内容では。普通、事業者だったら、何かやったら、いわゆる入札参加

 資格停止と来ますけど、指定管理者の場合は長いから、出だしで何か悪いことしても、そのままうやむやともう忘れてしまうのではないか

 と、次の入札まで。不祥事を起こした場合のペナルティー、罰則はどうなっているんでしょう。

 ○濱口委員長 総務部長。

 ○山本総務部長 まず、本年1月20日に、県民交流プラザ・和歌山ビッグ愛などの指定管理者である公益財団法人和歌山県スポーツ振興財

 団の職員及びその委託業務を受託する会社の関係者が贈収賄容疑で逮捕されたことは、指定管理者制度に対する県民の信頼を大きく損な

 うおそれがあり、重く受け止めているところでございます。

  不祥事を起こした場合のペナルティーについてですが、地方自治法において、公の施設の管理の適正を期するため、県は指定管理者に対

 して業務や経理に関する報告を求め、調査を行い、必要な指示をすることができる旨、規定されているところです。

  さらに、これらの指示に従わないときや管理を継続することが適当でないと県が認めるときは、指定を取消し、または業務の全部または

 一部の停止を命ずることができることとされています。

  その上で、基本協定書においても、協定事項に係る違反など、管理業務を継続することが適当でないと認められるときは指定の取消し等

 ができる旨、明記しているところでございます。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 でも、そんな処分されたとまったく聞きませんけど、何か指導しているみたいなことを聞きましたけど、そういう不祥事を起

 こした指定管理者が、何か一部事業停止とかそんなの聞いたことないですけど、これは別に県がそんなことしなくてもいいと、贈収賄ぐら

 いだったら大したことないわと。いや、そんなふうに今の話だったら聞こえるわな。

  でも、贈収賄は、大体お金をもらったほうが悪いんですよ、量刑的には。渡したほうより。我々悪いことしたら、収賄側は5年ですよ、

 時効。贈賄側が3年ですよ。だから、お金もらったら、もう3年からたって、あとの2年びくびくしなければならんから悪いこと

 したら駄目ですけど。だけど、渡したほうはいろいろされている、当たり前だけど、渡した個人は捕まって、そして、法人は今、入札参加

 資格停止状態。聞いたら、有罪が確定したら登録抹消とかなるらしいんですよ、担当課に聞いたら。いかにもこれ、バランスが悪いんじゃ

 ないかと、贈収賄と、もらったほうも悪いんだからという気がするんです。

  それで、もう今どのようになっているのか分からないけど、今の規定でそういう公平に処罰するような規定をなかなか適用するのが難し

 かったら、今の仕事辞めてしまえというのも乱暴かもしれませんよね、よほどのことがない限り。だから、そうでないのであれば、例えば

 5年後に、これ最初に悪いことをしたら、あと4年ぐらいあるわけですけど、次の入札のときに、これ総合評価でやっているわけですよ、

 入札って。それで、総合評価の項目いろいろあるんだけど、今の時代、その総合評価の項目の中にコンプライアンスという項目があっても

 いいと思うんですよ。コンプライアンスに対するその団体の姿勢、それを評価項目として書けばいいじゃないですか。

  例えばそこに、法律いろいろややこしいのがあって、刑法の贈収賄というのは公務員を縛るためのものですよ。だから、公務員以外の人

 は刑法では罰せられない。今回捕まったのも、一般社団法人法という法律らしいですよ。それで、めったにこれでは捕まらないのだけど、

 例えば会社法にも贈収賄はあるけど、ほとんど立件されません。これは背任とか横領です。なぜかというと、会社だと接待するのは当たり

 前ですから。僕仕事もらっていたら、出してくれている課長、ちょっと焼き鳥食いに行きませんかと言いますよ。だけど、公務員だとここ

 は、額にもよりますし、届出とかいろいろルールがあって、過度な接待はもちろん立件された場合もありますし、県庁に倫理規程があるん

 ですよ、国家公務員もあるけど。だけど、株式会社の場合は、そういうのがない会社もたくさんありますよ。ある会社もあるけど、倫理規

 程が。

  だから、指定管理者は、今回は一般社団法人が取っているけど、株式会社が取ってもいいわけですよ。ということは、株式会社で応募し

 たところが、うちは株式会社ですけど、職員の倫理規程、こんなにつくっていますよというのを評価項目としてもいいじゃないですかとい

 うことを言いたい。今ないから、その項目。やっぱりこの間も、これだけ違うでしょう、もっとちょっと前にも指定管理者の不祥事があっ

 て、そこは仕事を入れ替えちゃったけど。だから、そういう項目をつくって評価をしていくということを考えたらいかがですか、部長に
 お伺いします。

 ○濱口委員長 総務部長。

 ○山本総務部長 指定管理者の選定につきましては、原則、公募によることとし、施設ごとに具体的な審査基準により、申請者からの事業

 計画等を点数化する形式で実施しております。今回の事案を踏まえ、現行の取扱いの見直しについて検討を行ってまいります。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 それは結構なことですね。やっぱりこういう問題が起きたら、それを踏まえて検討してもらったらいいと。せめて渡したほう

 をもう指名停止で、何か聞いたら、2年間。長いですよ、もう潰れるのではないかと思うぐらい長い。しようがないですけど、そういう規

 定になっているんだから。

  だけど、今度の指定管理した人は次の入札も入ってくるとしたら、そういうコンプライアンスの項目があれば、それはちょっと総合評価

 の中のコンプラ点は、そこが10点満点としたら、5点とか4点とかになるでしょう。それによって公正な入札というのは担保されるんじゃ

 ないかと僕は思うんですよ。そうじゃないと、何か普通の事業者は、何か悪いことしたら指名停止で、そもそも入札に入れないんだから。

 それは当たり前と思っていますよ、県に登録している業者は。今、入札参加資格停止と言いますけど。

  指定管理期間は長いから、5年とか。そうなってくると、もう僕も次の選挙で落ちていないかも分からないし、知事もいないかも分から

 ない、4年しかないんだから。そのぐらい長いんですよ。だから、今の間、部長から指示してもらって、次の入札のときには、よりよい項

 目で入札できて、県の指定管理者の設置目的にかなうような事業者を選定してもらいたいなと思います。

  それで、続いて、指定管理は議会の議決が要るでしょう。議会の議決が要るんだけど、何で議会の議決が要るのかなあと。そして、これ

 は協定とかなっていますわね、議案を見たら、協定すると。契約と書いていなくて協定って書いていますが、この議会の議決が要るという

 のはどういうところに理由があるとお考えなのでしょう。

 ○濱口委員長 総務部長。

 ○山本総務部長 指定管理者の指定に当たっては、地方自治法において、あらかじめ議会の議決を経なければならないこととされており、

 意思決定の適正性が確保される仕組みとなっております。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 意思決定の適正性を確保するといったら、半分ぐらいあなたたちにも責任あるという話でしょう。そうじゃないですか。長期

 総合計画と我々は聞いて審議するけど、あなたたちも半分ぐらい、口を出してもいい代わり、責任を半分負わせるということですよ、IRも

 そうでしたけど。妥当だと思いますよ、そんな長期にわたって契約したら。だから、我々はここで質問して意見を言っているんだから、

 そういう議会の議決が要る協定に鑑みて、ちょっと尊重してやってほしいなと思うんです、議会の議決が要るんだから、半分責任だから

 ということです。

  それから、公の施設を指定管理すると書かれていますよね、今答弁いただいたら。そしたら、公の施設なんだけど、庁舎は公の施設に

 入らないんでしょう。その辺ちょっと教えてください。

 ○濱口委員長 総務部長。

 ○山本総務部長 先ほどお答えさせていただきましたとおり、指定管理者制度は、住民の福祉を増進する目的を持って、その利用に供する

 ために設置される公の施設の管理運営について、民間事業者やNPO法人等の能力を活用することを可能とする制度でございます。したが

 いまして、住民利用に供するための施設での導入が想定されているため、庁舎や研究施設は指定管理者制度の対象とはなっておりません。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 そうなんですね。だから、庁舎なんていうのは、この北別館なんていうのは指定管理できないんですね。だけど、南館は、

 何か指定管理みたいなやり方でずっとやられているんですよ。それで、「何これ」と聞いたら、包括委託というのをやっているんですって。

 包括管理か、包括管理。では、包括管理と指定管理はどこが違うのかと、包括的に管理するのを指定管理と言うんじゃないかと思うんだ

 けど、募集はしていません、募っているんですとか、そんな話のような気がするよね。だから、ちょっとよく分からない、この包括管理

 と指定管理でどんな法的な違いがあるんでしょう。御教示ください。

 ○濱口委員長 総務部長。

 ○山本総務部長 指定管理者制度においては、地方自治法に基づき、民間事業者等を活用するに当たっては、あらかじめ議会の議決を経

 て、地方公共団体が民間事業者等を指定することによって、公の施設の管理を行わせることができるものでございます。制度上、公の施

 設の管理権限を委任するとされており、例えば、施設の利用許可などの行政処分も含めて管理を行っているところでございます。一方、

 県庁南別館で行っている庁舎管理業務につきましては、地方自治法に基づき、公有財産である庁舎を管理するため、県が作成した仕様書

 に基づく契約により、複数の管理業務を包括的に業務委託を行っているものでございます。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 これ、ほとんどの人は分からないと思いますよ。外形的に一緒だもん。だから、南館以外の仕事は、普通の管財とかそれぞ

 れの担当課の入札のルールにのっとって行われているんですよ。掃除は掃除、警備は警備と出していますよ、県警でも。でも、南館だけ

 全部くっついているんですよ。これ、理由がよく分からない。そんな今の答弁を知らない人は、南館も指定管理の入札だと思って行って

 いますよ。だって、入札方法もそっくりだもん、見たけど、公募要項も、総合評価で。そして複数年度だし。ほかの入札は全部、予算が

 単年度だから、債務負担を取るほどのことはないでしょう、そんなもん掃除って。今年の予算で審議しているんだから、ここの庁舎の

 掃除、警備もそうですよ。だけど、南館だけは債務負担を取るわけ。不可思議なことなんですよ。それでも、何か理由あるんならまあ

 いいかなとは思いますけど、一遍、一応理由聞いてみましょうか。一応聞いてみましょう、

 この包括的にやっているのはどういった理由なんでしょうか。

 ○濱口委員長 総務部長。

 ○山本総務部長 包括的な民間委託につきましては、民間活力を活用し、効果的、効率的に維持管理を実施する手法として取り入れて

 おります。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 そんな、もしそれがもうずうっと大分長いことやっていますけど、民間活力を取り入れて、それが行政効果としてすごくいい

 のであれば、何でここはそれでやらない。南館だけそんないいものやってとなるでしょう。あんまり理由がよく分からないんですよ、そ

 れが。だから、できるだけ入札というのは例外がないほうがいいですよ。県が定めたルールでびしっとやってもらわないと、和歌山県も

 ちょっと前に不祥事を起こして、新しく来た知事が日本一の入札制度をつくるとやったわけですよ。大分自慢していましたよ、そのと

 き、知事。でも、今いいものできましたわ、それで。だから、せっかくそういうルールがあるんだから、それでやったらいいと思うん

 ですよ。

  なんだけど、何かよく分からないけど、どうなってるのと、その入札結果を見たら、ずうっと同じ業者が取っているんですよ。複数年

 だから、もう忘れた頃にまた入札するから、なかなか。それで、せめてこんな南館の掃除ぐらい、掃除は掃除で出したらどうでしょうか

 と思うんですよ。だから、競争性を高めるなんてことを、さっき知事、ちょっとそういう妥当な価格というのも言っていましたよ。ここ

 の掃除だと、そんな総合評価はやっていないんです、掃除は掃除だから、役務の提供で。安いところにやってもらっています。もちろん、

 それを管理するに足る資格者は要りますよ。それで、事業者の妥当性を確保して競争の入札にしているんですよ。でも、南館は総合評

 価でやっているんですよ。その結果、ずっと同じということは、あんまり競争性が高まっていないんじゃないかと思うんですよ。もう

 ちょっとこれは考えたらどうかなと思うんですけど、部長の見解をお伺いします。

 ○濱口委員長 総務部長。

 ○山本総務部長 同一事業者の受託が継続している状況につきましては、競争入札の参加者が十分確保できていない状況に起因するとこ

 ろが大きいと考えております。入札参加者が少ない要因の一つとしては、包括委託に伴い、事業者に求められる能力、負担が大きい点が

 挙げられると考えております。そのため、入札参加者の増加と競争性を確保する観点から、防災センターとして24時間体制の機能を十分

 発揮できることを前提に、コストの削減や職員の業務効率化も含め、慎重に評価し、必要な措置を検討してまいります。

 ○濱口委員長 尾﨑委員。

 ○尾﨑委員 必要な措置を考えてくれるということで、それでよしとしますけど、今回ちょっと不祥事の報道を受けまして、いろいろつら

 つら考えてみたことがあります。先ほど、部長から答弁があったように、指定管理については議会の議決が要るということを我々も肝に銘

 じなければいけない。なぜ議会の議決が要るかということは、さっき部長が答弁したとおりなんですよ。だから、我々も長期総合計画で

 こうしたらいいんじゃない、ああしたらいいんじゃないかといろいろくちばしを入れますけど、それはやっぱりできたものを県民に見せて、

 これが羅針盤です、和歌山県のと。それで、我々も知事と一緒にこれをつくり上げたんだから、これにそぐってなかったら追及もするし、

 我々も県民から成ってないではないかと言われるということなんです。

  そういうことで、指定管理者もそういうものです。だから、不祥事が出た以上、改善をしなければいけませんよ、絶対。そのままにして

 おくということであれば、議決をした我々の責務の放棄になりますから、今日は私の案が全部いいわけじゃないですけど、提案をしている

 以上、ちょっと考えていただいて改善をしていただければと思います。

  以上です。ありがとうございました。」

   (拍手)

 ○濱口委員長 以上で、尾﨑委員の質疑は終わりました。

  ただいまの尾﨑委員の質疑をもちまして、総括質疑は終了いたしました。

  次に、部局別質疑について申し上げます。

  部局別質疑は、各常任委員会が行う調査をもって代えるものとすると申合せをしておりますので、所定の手続を議長に申し入れることを

 御了承願います。

  この際、当委員会の委員を兼ねている各常任委員会の委員長に申し上げます。部局別質疑に関する調査報告は、3月13日金曜日午後5時

 までに提出していただくようよろしくお願いいたします。

  次回の委員会は、3月16日月曜日に付託議案の採決を行いますので、委員各位におかれましては、御参集のほどよろしくお願い申し上げ

 ます。

  本日は、これをもって散会いたします。

  午後2時29分散会

 

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