令和8年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(全文)


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令和8年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号

 

議事日程 第6号
 令和8年3月6日(金曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第1号から議案第17号まで、議案第32号から議案第49号まで、議案第54号、議案第56号から議案第59号まで及び議案第61号から議案第75号まで並びに報第1号(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第1号から議案第17号まで、議案第32号から議案第49号まで、議案第54号、議案第56号から議案第59号まで及び議案第61号から議案第75号まで並びに報第1号(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(39人)
 1番 高田英亮
 2番 上山寿示
 3番 佐藤武治
 4番 鈴木德久
 5番 森 礼子
 6番 濱口太史
 7番 井出益弘
 8番 尾崎要二
 9番 玄素彰人
 10番 山家敏宏
 11番 鈴木太雄
 12番 岩田弘彦
 13番 吉井和視
 14番 中村裕一
 15番 北山慎一
 16番 坂本佳隆
 18番 堀 龍雄
 19番 新島 雄
 20番 山下直也
 21番 三栖拓也
 22番 川畑哲哉
 23番 秋月史成
 24番 谷口和樹
 25番 山田正彦
 26番 坂本 登
 27番 岩永淳志
 28番 小川浩樹
 29番 中尾友紀
 30番 岩井弘次
 31番 藤本眞利子
 32番 浦口高典
 33番 尾﨑太郎
 34番 藤山将材
 37番 中西 徹
 38番 林 隆一
 39番 片桐章浩
 40番 奥村規子
 41番 谷 洋一
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
 17番 欠員
 35番 欠員
 36番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         宮﨑 泉
 副知事        友井泰範
 知事室長       北廣理人
 総務部長       山本祥生
 危機管理部長     中村吉良
 企画部長       北村 香
 地域振興部長     赤坂武彦
 環境生活部長     湯川 学
 共生社会推進部長   島本由美
 福祉保健部長     𠮷野裕也
 商工労働部長     中場 毅
 農林水産部長     川尾尚史
 県土整備部長     小浪尊宏
 会計管理者      高橋博之
 教育長        今西宏行
 公安委員会委員長   岸田正幸
 警察本部長      野本靖之
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     田嶋久嗣
 選挙管理委員会委員長 和歌哲也
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       中嶋 宏
 次長         橋爪正樹
 議事課長       岩井紀生
 議事課副課長     田中 匠
 議事課議事班長    川原清晃
 議事課主査      川崎競平
 議事課副主査     西 智生
 議事課副主査     林 貞男
 総務課長       榊 建二
 政策調査課長     岩谷隆哉
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  午前10時0分開議
○議長(岩田弘彦君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第17号まで、議案第32号から議案第49号まで、議案第54号、議案第56号から議案第59号まで及び議案第61号から議案第75号まで並びに報第1号を一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。
 21番三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕(拍手)
○三栖拓也君 皆様、おはようございます。自由民主党県議団の三栖拓也です。
 令和8年2月議会におきまして、このように質問の機会をいただきましたこと、感謝申し上げます。早速ですが、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問を行います。
 大阪・関西万博は、昨年4月の開幕から184日間にわたり開催され、多くの来場者を迎えました。1970年の大阪万博、2005年の愛知万博と並び、時代の節目に開催される博覧会は、その時々の社会の方向性や価値観を映し出してきました。今回の万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」を掲げ、未来社会の実験場としての側面を強く持った点に大きな特徴があったと感じています。
 その万博に和歌山県がどのように向き合い、何を発信し、何を得たのかは、単なる一過性のイベントの成果という枠を超え、今後の県政を考える上で重要な意味を持つものだと考えます。
 関西パビリオンの和歌山ゾーンでは、本県の自然、歴史、文化、産業などが多面的に紹介されました。私自身も現地を訪れましたが、展示の内容以上に印象に残ったのは、和歌山らしさをどう表現するかに徹底的に向き合っている姿勢でした。
 昨年12月、自民党県議団の研修において、空間・和歌山ゾーン構築総合ディレクターを務められた吉本英樹氏を講師にお招きし、万博を振り返る機会がありました。その中で、吉本氏は、「和歌山らしさを徹底的に磨き上げることこそが強いコンテンツになる」と語られました。全国に通用するものを無理につくることではなく、それぞれの地域が持つ本質的な魅力を丁寧に掘り下げ磨き上げることが、結果として観光や産業の面でも強い発信力につながるというお話でした。
 万博は華やかな舞台ではありましたが、その舞台に立つまでの準備の過程こそが重要であり、地域の魅力を再確認し、再編集する機会であったのではないかと感じています。企業の挑戦、若者の表現、地域文化の力、それらが交差し、和歌山は挑戦している県であるという姿勢を国内外に示したことは、確かな成果であったと思います。
 一方で、万博は期限のある国家プロジェクトです。既に会場は閉幕し、展示はその役割を終えました。だからこそ今、問われるのは、何を発信したかではなく、何が残ったのかであります。和歌山ゾーンを通じて生まれたつながり、万博を契機として動き出した取組、そして、地域の魅力を改めて見詰め直した経験、それらをどのように振り返り、どのように位置づけるのか。まずは184日間の挑戦の中で、本県として何が実施され、どのような成果や経験が得られたのか、その事実を県民に共有することが重要であると考えます。
 そこでまず、万博で実施された具体的なプロジェクトについてお伺いします。
 昨年4月に開幕し、184日間にわたり開催された大阪・関西万博は、本県にとっても極めて大きな挑戦の場であったと受け止めています。
 万博は単なる展示イベントではなく、企業、海外パビリオン、様々な分野の人材など、多様な主体が交わる場であり、本県にとっても、新たな取組が数多く実施された機会であったと思います。万博会場で行われた取組、あるいは万博を契機に実現した取組について、企業との連携、海外との交流、県内文化の発信など、それぞれの分野においてどのようなプロジェクトが実施されたのか。万博期間中に実施した主なプロジェクトの内容とその実施状況について、知事室長にお尋ねします。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 知事室長北廣理人君。
  〔北廣理人君、登壇〕
○知事室長(北廣理人君) 昨年4月に開幕し、184日間開催されました大阪・関西万博におきましては、常設の和歌山ゾーンや期間限定の催事などを通じて、県の魅力を大いに発信するとともに、万博を契機とした交流も図ってきたところです。
 万博期間中取り組んだ企業連携といたしましては、未来社会の実験場として万博会場におきまして実証された空飛ぶクルマの県内での実用化に向け、民間事業者が行う取組に対し支援を行うなど、関係する企業との連携を図ってまいりました。
 また、万博会場で実施された翻訳技術を県内でも実施するよう関係企業に働きかけ、先月、高野山の壇上伽藍にて実証を行ったところでございます。
 次に、海外との交流の面では、食を通じてイタリアやオーストリアなど、パビリオンの人気が高かった国との交流を図り、県産フルーツを使ったデザートを当該国のパビリオンにて販売するなど、県産品の魅力発信につなげてまいりました。
 さらに、県内文化の発信の面では、県民総参加の思いの下、多くの県民の皆様に出演していただき、中でも和歌山DAYにおいて、りら創造芸術高等学校の学生など若者を中心とした舞台演出により、県内文化を表現し、国内外に広く発信してまいりました。
 以上のようなプロジェクトを実施し、万博の開催効果が県内に最大限波及されるよう取り組んでまいりました。
○議長(岩田弘彦君) 三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕
○三栖拓也君 御答弁いただきました。
 続いて、万博レガシーの継承についてお伺いします。
 先ほど知事室長から、万博期間中に実施された様々な取組について御説明をいただきました。184日間という限られた期間ではありましたが、その間に築かれたつながりや経験は決して小さなものではないと思います。本県にとって大きな財産であると受け止めております。万博は一つのイベントであったかもしれませんが、そこに至るまでの準備、そして期間中の挑戦の積み重ねは、県庁全体としても非常に大きな経験値となったのではないでしょうか。
 とりわけ印象的なのは、企業、海外パビリオン、様々な分野の人材など、これまで必ずしも十分に交わることなかった主体同士が万博という場を通じて交差して、新たな関係性が生まれた点であります。
 知事は、これまでも万博で得たつながりや経験は今後の発展に向けた財産であると述べられてきました。私も、万博の最大のレガシーは、目に見える展示物以上にそこで築かれたネットワークにあると感じています。
 そこで、お伺いします。
 万博を契機として生まれた企業、海外、人等との関係性を今後どのような考え方の下で継続し、本県の観光振興、産業振興、人材育成といった各政策分野にどのように結びつけ、県全体の成長へと昇華させていくお考えか。万博は終わりましたが、挑戦まで終わらせてはならないと私は考えます。万博で生まれた熱量を一過性で終わらせず、和歌山の次の挑戦へとつなげていくための知事のお考えについて、改めてお伺いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 三栖議員の大阪・関西万博のレガシー継承についてということで御質問を頂戴いたしました。
 万博といえば、開幕のときに前岸本知事がみこしを担いだところから始まったということで、大変和歌山にとっても思い入れのあるイベントであったかなというふうに思っています。万博を契機につながった企業や団体、人との交流が継承、継続されることこそが万博レガシーであると考えており、大変重要なことだと思っております。
 観光振興の面で言うと、常設の和歌山ゾーンや期間限定のイベントなどにより本県の魅力を大いにPRしてきました。その中で、構築総合ディレクターの吉本英樹氏をはじめ、和歌山ゾーンの展示に関わっていただいた方々と、そこに出展、出演いただいた方々との交流を図り、県内各地での展示や和歌山ゾーンで販売したスイーツを地元でも販売するなど、誘客につなげております。
 産業振興の面で言うと、空飛ぶクルマの県内での実用化により新たな産業を創出させるとともに、離着陸場が設置される地元との連携を図ってまいります。
 また、万博を契機につながりが生まれた国と食を通じた交流が継続できるよう働きかけ、県産品の販路拡大に向け取り組んでまいります。
 人材育成の面で言うと、万博を契機に生まれた海外の学生と県内の学生との交流を深めることで、グローバルな人材の育成につなげていきます。さらに、りら創造芸術高等学校の学生や和歌山児童合唱団の子供たちなど、若者を中心とした舞台文化活動について、万博を契機とし、さらなる発展を促し、県内にとどまらず広く国内外に向け発信できるよう、関係する団体等の活動に対し支援を行っていきます。
 以上のような万博を通じて得たつながりを継続し、県全体を成長させるため、今後も全力で取り組む所存であります。
○議長(岩田弘彦君) 三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕
○三栖拓也君 答弁をいただきました。
 まさに県を挙げて取り組んできた万博でございます。私も何度か足を運ばせていただきましたが、本当にあそこの場でしか体験することができない貴重な機会であったと思います。これらを通じて得たつながりや大きな意味での資産をどうか次の世代につないでいくために、ぜひともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 続いての質問に移ります。
 続いて、地域振興と関係人口創出についてお伺いします。
 人口減少が進む中で、地域を支える力を定住人口だけで捉えることは難しくなっていると考えます。地域と継続的に関わり、関心を持ち、時には地域課題の解決に参画する関係人口の存在は、これからの地域づくりにおいて極めて重要であると思います。
 例えば、2月に開催された和歌山Well-being Monthは、ウエルビーイングをテーマに県内各地で多様な体験型プログラムや学びの場を展開する試みでございます。私自身も第1回から参加をさせていただいております。回を重ねるごとに参加者の広がりや地域との接点が確実に深まっていることを実感しております。西牟婁郡内でも開催され、地域の自然や文化、産業に触れる機会を通じて、参加者が地域とつながるきっかけを生み出しています。
 もちろん、これは関係人口創出の全てではありません。しかし、こうした継続的な取組の積み重ねが地域との接点を広げる一つのモデルであることは間違いないと思います。
 ほかにも、西牟婁郡のすさみ町においては、移住一辺倒ではない関係人口の在り方を模索する動きが見られます。地域資源を生かした体験やプロジェクトを通じて、町外の人材が地域に関わり続ける仕組みづくりに挑戦をしており、住むだけではない多様な関わり方を生み出そうとしています。こうした地域発の取組は、関係人口という概念を現実の形に落とし込む実践であると感じております。
 私は、関係人口の創出には二つの側面があると考えています。一つは、オンラインでのつながり、もう一つは、リアルな場での出会いと共創です。オンライン上のプラットフォームは、関心を持つ層と広くつながる入り口として重要です。一方で、実際に地域課題に向き合い、プロジェクトが動き出すためには、顔の見える関係の中で議論し、挑戦が生まれるリアルな場が不可欠です。
 私の地元である白浜町も、一昨年、東京事務所を開設しました。民間の共創型ワークスペースであるWeWorkの中に拠点を構え、同じフロアに入居する多様な企業やスタートアップとの交流が生まれる環境の中で、新たな接点づくりに挑戦しています。単なる出張拠点ではなく、都市部の人材や企業と交わりながら、新たなアイデアや事業の芽を生み出す実験の場としての役割を担っています。
 しかし、そこで常に問われるのは、拠点を持つことそのものではなく、そこで生まれたものが地域にどう還元されるかであります。都市部での出会いや共創が最終的に地元の産業や観光、雇用の創出につながってこそ、その意義は大きくなります。
 県が設置する首都圏の共創施設も同様ではないでしょうか。来年度予算では、わかやまFUNBASEの活用や首都圏共創施設の設置が掲げられています。昨年9月議会では、岩永議員がFUNBASEについて質問をされ、県としての方向性が示されました。私も、デジタルを活用した関係人口施策の推進は重要であると考えております。
 しかし、一方で、オンライン上の登録や交流だけでは、地域の具体的な変化にはつながりません。重要なのは、そのつながりをリアルな挑戦や事業創出にどう結びつけるかであります。
 そこでまず、わかやまFUNBASEについてですが、関係人口創出のためのデジタル基盤として立ち上げられたこのプラットフォームについて、現時点での地域活動の登録状況と取組内容、そして、次に、首都圏の共創施設について、どのように活用し展開していくのか、併せて地域振興部長の御所見をお伺いします。
○議長(岩田弘彦君) 地域振興部長赤坂武彦君。
  〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興部長(赤坂武彦君) わかやまFUNBASEの登録状況は、本年1月20日のサイト開設以来、2月末時点で、地域で活躍するキーパーソン、団体が40者、プロジェクト活動が42件となっております。現在も継続的に多数の登録申請が寄せられており、地域活性化に向けた自主的な取組が広がってきていると考えております。
 県といたしましては、この流れを一層加速させるため、市町村や地域のキーパーソン、地域おこし協力隊等と緊密に連携し、地域で活動する実践者の掘り起こしを行っているところであり、引き続きこれらの連携を強化するとともに、発掘した人材の育成に向けて取り組んでまいります。
 また、首都圏の共創施設につきましては、単なるワークスペースではなく、本県出身者をはじめとする首都圏で活躍する多彩な人材と県庁全ての部局はもちろんのこと、市町村や地域で活動する方々が共に地域課題に向き合い、解決に向けて取り組む場といたします。そこから生まれるアイデアやエネルギーを、首都圏の多彩な人材と交流、協働しながら地域へ還元させ、本県の活性化につなげてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕
○三栖拓也君 せっかくすばらしい取組だと思いますので、この取組を実際に形に落とし込んで、ぜひともこの和歌山の地で活用できるようにしっかり取り組んでいただけたらと思います。よろしくお願いします。
 では、続いての質問に移りたいと思います。
 大項目の3番目、わかやま海外留学応援プログラムについてお伺いをいたします。
 まず、新年度予算について、新規事業として創設をされるわかやま海外留学応援プログラムについてです。
 私は過去の一般質問において、和歌山の教育について取り上げた際、当時の岸本知事は、「これからの教育には、答えを覚え正解を導く力だけではなく、自ら問いを立てる力が重要である」と答弁をされました。私もその考えに深く共感をし、議場でその方向性についてやり取りをさせていただいたことを記憶しています。私自身も、その方向性に強く共感をし、これからの教育政策を考える上で大切にしてまいりました。
 社会の変化は加速度的に進み、生成AIやデジタル技術の進展によって、知識の蓄積そのものの価値は相対的に変わりつつあります。これから求められるのは、与えられた問題を解く力ではなく、そもそも何が問題なのかを見抜く力であり、自ら問いを設定し、挑戦し続ける姿勢であります。
 その力は教室の中だけで育まれるものではありません。異なる文化、異なる価値観、異なる常識に触れ、自分自身の前提が揺さぶられる経験の中でこそ本当の意味での探求心は芽生えると考えます。
 海外留学は、単なる語学習得の機会ではありません。自分の立ち位置を見詰め直し、世界の中での和歌山、日本の存在を考える契機であり、自らの将来を主体的に設計する経験であります。
 本県は、全国的に見ても留学実績が十分とは言えない状況にあります。その背景には、経済的な要因や地理的要因、あるいは心理的なハードルもあると考えられます。だからこそ、県が主体となって新たな制度を創設し、経済的理由で挑戦を諦めていた生徒に道筋をつくることは、大きな意義を持つものであります。
 私は、このわかやま海外留学応援プログラムという制度を単なる支援策ではなく、将来の和歌山への人材投資であると位置づけるべきだと考えます。世界を知り、多様な視点を持った若者が将来どこで活躍するにせよ、和歌山との接点を持ち続ける、そのネットワークこそがこれからの地域にとって重要な資産になるのではないでしょうか。
 その観点から、具体的な制度設計についてお伺いします。
 まず、本事業は単なる県の単独事業ではなく、民間企業等も巻き込んだ新たな仕組みとして実施されると伺っております。グローバル人材の育成は、一過性であってはなりません。持続可能な枠組みが不可欠です。
 どのような産学官連携体制を構築し、企業からの寄附や国からの助成を含め、どのような財源スキームによって本事業を安定的に運営していく計画なのか。本事業の枠組みと持続可能性について御説明をお願いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 教育長今西宏行君。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 本事業は、文部科学省がトビタテ!留学JAPANとして全国的に実施している事業の和歌山県版として、新たに実施するものです。全国版では競争率が高いため、今回、独自に和歌山県版をつくることで、県内高校生の計画的な留学を支援することが可能となります。この事業を活用し、一人でも多くの生徒に海外での学びを経験させ、広い視野を持ってグローバルに活躍する人材を育てたいという願いを持っています。
 運営母体としては、わかやま留学支援コンソーシアムを組織し、県はもとより、県内の各経済団体や国際交流協会など、産学官から計10団体で構成する予定です。
 財源は、民間企業等からの寄附金と日本学生支援機構からの交付金です。寄附金につきましては、新たに設置する和歌山県グローバル人材育成基金等に積み立てることで、持続可能な支援体制を構築します。また、県独自に所得に応じた支援を行うこととしており、留学を希望する生徒が家庭の経済状況にかかわらず応募しやすい環境づくりに取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕
○三栖拓也君 御答弁をいただきました。
 次に、学びの設計についてお伺いをします。
 本事業では、本県独自のわかやま探究コースが設けられると聞いております。語学力の向上にとどまらず、生徒が自ら地域課題を設定し、留学を通じて解決策を探る探求型留学をどのように具体化していくのか。宇宙や観光、多文化交流、教育、未来といったテーマを掲げていると承知しておりますが、それらを単なるテーマ設定に終わらせるのではなく、生徒自身が問いを立て、主体的に学びを設計する仕組みをどのように担保していくのか。
 また、企業訪問や帰国後のフォーラムを通じて、留学経験を一過性の体験ではなく、県内への還元や次世代への波及につなげるための設計をどのように考えておられるのか。世界に挑戦した若者が再び和歌山とつながって、その経験を地域の未来へと還元する、その循環をどのように描いているのか、教育長の考えをお伺いします。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 本事業では、語学学習にとどまらず、自ら課題を見いだし解決策を探る探求型留学として、20名程度募集する予定です。
 募集コースにつきましては、本県独自にわかやま探究コースを設けています。このコースには、産業・宇宙、観光・多文化交流、教育、未来の四つのテーマを用意しており、生徒は自身の興味関心に基づいて、一つのテーマを選ぶことになります。その上で、そのテーマに関係する和歌山県あるいは地域の課題を自ら設定し、留学を通じて解決策や改善策を考えてもらいます。
 さらに、プログラムの一環として、支援いただく企業を留学前に訪問することとしています。県教育委員会といたしましては、企業の活動はまさに社会課題解決のモデルケースになると考えており、生徒が企業の活動や理念に触れることで、自身が想定している探求活動を見詰め直し、その意義や可能性をより深く考える機会にしてもらいます。
 帰国後は、留学で学んだことや経験したことを支援企業の方々や広く県内の高校生等が参加するフォーラム等で報告してもらい、さらに、参加した高校生全員で議論をしてもらいます。こうした機会を設けることで、新たに留学を希望する生徒を増やすとともに、フォーラムに参加した生徒全員に課題意識を持って地域の活性化等に貢献しようとする気持ちを高めてもらいたいと考えています。
○議長(岩田弘彦君) 三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕
○三栖拓也君 では、最後に、募集スケジュールと周知戦略についてお伺いをします。
 この制度の意義がどれほど大きくても、現場の生徒や保護者に届かなければ意味がありません。今後の具体的な募集、広報のスケジュールはどのようになっているのか。
 また、経済的な理由で留学をためらう生徒への配慮や遠隔地を含む県内全ての高校生がひとしく情報にアクセスし、挑戦できる環境をどのように準備していくのか。本制度が一部の挑戦意欲の高い層に限られることなく、県内各地域の若者に広がり、挑戦する文化を育む契機となるための具体的な周知・支援戦略について、教育長のお考えをお聞かせください。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 募集については、4月から開始します。3月末に募集要項を公表して、全ての生徒の手元に届くよう各学校にチラシの配布を行い、併せて県教育委員会公式noteやホームページへ掲載します。
 また、本事業の魅力を県内全域の生徒や保護者に直接届けるため、明日、和歌山市と田辺市の2会場で説明会を開催いたします。この説明会では、全国版「トビタテ!留学JAPAN」の経験者を招き、留学先での体験等を直接伝えることで生徒の調整意欲を喚起します。また、この内容をインターネット上でも配信することにしています。
 こうした取組を通して、一人でも多くの高校生が留学にチャレンジする機運を高めていきます。
○議長(岩田弘彦君) 三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕
○三栖拓也君 ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。
 今回のわかやま海外留学応援プログラムは、一つの新しい取組にすぎないかもしれません。ですが、その根底にあるのは、これからの和歌山の教育をどう描いていくのかという問いであると私は考えております。
 正解を覚える力だけではなく、自ら問いを立てて挑戦し、学び続ける力をどう育てていくのか。そして、その学びを個人の経験で終わらせず、地域の未来へとどういうふうにつなげていくのか。制度そのものの成否以上に、その思想が現場に根づいて広がっていくことが重要であると思います。
 この事業がその一歩となるのかどうか、今後の着実な運営と検証をお願い申し上げ、私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、三栖拓也君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 22番川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕(拍手)
○川畑哲哉君 皆さん、おはようございます。無所属クラブ代表の川畑哲哉でございます。登壇の機会をいただきまして、ありがとうございました。
 多様性という言葉には、危うい側面も内包されていると思っています。そして、そのことに気づかずに、活用幅だけが広がっていくことを危惧しています。一方で、その言葉の意味の広さや深さについて真の理解が及ばなく、既存の考え方や持論に合わない思想や発想を排除しようとする言動も今なお存在するようですので、言葉の真髄を理解してその大切さを重んじていくということも図らなければいけないと思っています。
 このたびは、改めて多様性の字義の深淵に踏み込む機会となりますことを強く念じ、議長よりお許しをいただきましたので、以下、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 個性を尊重するということが我が国の教育かいわいで本格的に打ち出されたのは、1984年(昭和59年)に公布された臨時教育審議会設置法に基づいて総理府に設置された臨時教育審議会により、1985(昭和60年)から1987年(昭和62年)に出された4次の答申によります。つまり、教育改革を進める視点の一つとして、個性重視の原則を確立することであるとされたわけでございます。
 果たしてゆとり教育の基礎ができ、教育の自由化が主張される流れとなり、2002年施行の学習指導要領では、多くの教科書で円周率をおよそ3で計算することによる社会問題が発生していくものの、その背景には、受験地獄、詰め込み教育、偏差値重視、学歴偏重等、それまでの教育方針や社会観から様々な弊害が出ていたことが挙げられるようでございます。
 そんな個性尊重の潮流にある1990年4月に、私は岩出中学校に入学をいたします。当時は、いわゆる変形学生服の全盛期は過ぎていたもののまだまだ現場では温度を保っていたこともあり、私の周りでは、キングダッシュ、ベンクーガー、ジョンカーターが3大ブランドをなし、裏ボタンやガラスをあしらったボタンへの変更はもちろん、ベルト通しからチェーンでつないだ二つ折りの長財布をズボンの右後ろポケットに挿すことが一種のトレンドともなっていました。
 丈幅の様々な上着の下にはMICHIKO LONDONのロングTシャツを着て、ズボンはチャックが装着された裾が13センチ前後にして、わたり38センチや中には40センチオーバーの変形学生服をはいている生徒も出現していました。
 この多様な自己表現は、折に触れて生徒指導の対象となるわけですが、一方で、小学生時には見せなかった顔が中学生になって見られたこともあり、同級生としてもいろいろな個性や考え方、はたまた家族構成や家庭環境の発見があったと記憶をしています。
 当時はバンドブームでもあり、中でもBOØWYの人気はすさまじく、既に1988年4月の「LAST GIGS」をもって解散していたにもかかわらず、メンバーの衣装や髪型を意識したり、楽器を手に取ったりと、身近でもなお社会現象が起こっていました。女性アーティストでも、PERSONZのJILL氏やPRINCESS PRINCESS等の影響が色濃く感じられました。
 一方、高校を卒業して大学へ進学させていただく1990年代中盤以降では、いわゆる不良文化が衰退し、学校現場でも取締り強化の反転攻勢が行われたこと、少子化により変形学生服ショップが減少したこと、何よりファッションの流行が変容していったこと等により、身だしなみによる多様な自己表現の風潮が減退していったものと認識をしています。
 特に、Mr.Childrenの登場は影響が大きく、ラフな格好でステージに立つことが格好いいとなり、殊さらにメイクや衣装に凝らないトレンドが起こるに至ったと考えられます。
 Mr.Childrenの大ヒットした4枚目のシングル「CROSS ROAD」は1993年11月10日の発売であり、同様にラフな格好でステージに立つ同時期より台頭してきたスピッツの11枚目となる大ヒットシングル「ロビンソン」は1995年4月5日の発売、その後、ゆずが1998年2月21日にメジャーデビューし、和歌山県ゆかりのアーティスト、コブクロは2001年3月21日にメジャーデビューを果たしています。
 そして、この頃より、個性の尊重、ゆとり教育が教育現場を覆うようになり、時に個性の尊重を解き誤ったわがままの許容が広がってきています。つまり、2000年代には強烈な自己表現を流行としては求めることのない世相でありながら、教育現場では自己表現を求め、広く許容する風潮の中で、少子化、多情報化、デジタル化等が進んできたと言えるでしょう。
 そんな折、羅針盤を持たされず、かじの切り方も厳しく教わっていない中で、自由な航海を勧められているかのような心持ちを感じる児童生徒が出てきても不思議ではありません。
 臨床心理士、公認心理師の深谷薫先生は、「不登校には多様な背景があり、原因は一つではありません。対人関係や学業不振、学校や家庭の環境、年代特有の疾患等、様々な要素が複雑に絡んでいることが多いです」と、和歌山リビング新聞社の取材に答えられています。
 2024年度(令和6年度)の全国小中学校の不登校児童生徒数は35万3970人で、少子化が続く中、12年連続で増加しています。この間にコロナ禍があったとはいえ、その前後を比べても増加し続けているということは、コロナ禍以降の登校への意識変容は根本的な原因ではないと解釈するべきであると私は考えます。
 心身ともに成長期にあり、多感で敏感な児童生徒が時の流れや人間関係においてうまく居場所をつくることができず、あるいはうまく自己表現をすることができず、心身の調整機能が働かなくなって学校を休むことにつながっているということが往々にして起こっているのではないでしょうか。深谷先生も「怠けでも甘えでもなく、学校に行かないことで自分の心身を守っているように思う」と述べられています。
 先日、試写会にて鑑賞させていただきましたヤングケアラーを取り上げた映画「助けてなんて言えないよ」では、教諭の心ない言葉が児童を不登校に追い込んだ可能性が描かれていました。不登校の原因もSOSのサインも多様である以上、その対応や支援の形も多様であるべきですが、現実的に教育現場ではどこまで多様性を追求できるのでしょうか。
 教育長が日頃意識をされている学校現場の働き方改革並びにワーク・ライフ・バランスの確立と両立し得るものか疑問を感じます。やはり不登校支援としては、不登校児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程や体制により、児童生徒の学びの継続を実現していくべきであると思います。
 文部科学省初等中等教育局教育課程課長の武藤久慶氏によりますと、不登校または不登校傾向にある現中学生と卒業生の学びたいと思える場所は、「学校の先生だけではなく、地域の人など、様々な社会人が先生になってくれる」15.5ポイント、「クラスや時間割に縛られず、自分でカリキュラムを組むことができる」33.1ポイント、「常に新しいことが学べる」37.2ポイント、「自分の学習のペースに合った手助けがある」44.6ポイント、そして、最も多いのは、「自分の好きなこと、追求したいこと、知りたいことを突き詰めることができる」67.6ポイントだそうです。不登校児童生徒の学びたいという気持ちにどこまでも応えていく覚悟を決め、応えられる環境を整えていくことが大切です。
 昨年6月定例会にて学びの多様化学校の設置を提案させていただいた際、設置に向けての課題を整理してまいりますとのことでございましたが、その後、整理状況はいかがでしょうか。
 児童生徒にとりまして、学生生活は有限です。遠足や修学旅行等だけではなく、日常の中にも大切な人生の学びや思い出づくりの機会があるわけですから、1年となりますと、それはとてつもない期間であり、損なわれるもろもろの機会も相当数になります。
 また、学生時代に学びや思い出という糧をどれほど蓄積できるかということが社会に出てからの幅広い活動や活躍の礎になることを思いますと、不登校児童生徒の学びの継続だけではなく、学校生活を送るということをいかに守っていくかが公に携わる大人たちの責任だと私は考えています。
 教育長は、昨年12月定例会にて岩永淳志議員の御質問に際しても、学びの多様化学校が不登校児童生徒の学びの場の選択肢の一つであり、各市町村教育委員会からの相談等の求めに応じ、県教育委員会も一緒になって協議を行っていると答弁されています。
 今日までに蓄積されてきたものがあると推察をいたしますが、今後はどのように整理をし、設置に向けてどのように取り組まれるのでしょうか。教育長の御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(岩田弘彦君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 教育長今西宏行君。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 県教育委員会としては、複数の学びの多様化学校を訪問し、他府県の取組状況など先進事例の情報を集めているところです。
 現在、各市町村教育委員会に対して学びの多様化学校設置についての意向調査を実施しており、今年度内に設置の意向や設置に向けた課題等をまとめる予定です。
 学びの多様化学校では、特別に教育課程を編成することができ、児童生徒の登校意欲につながることなどが期待できます。一方で、現時点で認識している課題としては、特別の教育課程を運用するための専門的な指導力のある人材がいないこと、新たに校舎を改修する必要があることなどがあります。
 来年度は、課題の解消に向けて、文部科学省の助言もいただきながら、引き続き研究を行ってまいります。
○議長(岩田弘彦君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 ここで、私と不登校という事象との関係について御説明をさせていただきます。
 私自身の不登校の歴史は古く、幼稚園入園当初まで遡ります。当時、親の決めた進路への反発が原因で、出発の準備や迎えのバスへの乗り込みに大層抵抗したことを覚えています。
 しかし、しょせん幼稚園児の体力では登園拒否を成し遂げることはかなわず、バスに乗せられることになり、不意にバスへの乗り込み拒否に成功したとしても、直ちに母親の車に乗せられて幼稚園へと連れていかれました。幼稚園の門の前では、園長が待ち構えていてくださり、野菜畑やウサギ小屋への視察等、個別指導を行ってくださいました。
 結局、空腹には勝てず、おやつや給食の匂いを嗅ぐと、自ら教室へと入っていき、それを何日か繰り返しているうちに登園拒否活動は終わりを迎えたそうです。
 その後、小学校、中学校と健やかに通学をさせていただきましたが、高校2年生時に不登校熱が再燃します。それは、当時は理不尽だと思えた生徒指導を受けたことへの反発からでした。
 不登校が2週間ほど続いた頃だったでしょうか。音楽と体育の授業だけは出席をしていたのですが、ある日、体育の授業に出るべく登校して教室へ入ったところ、前の授業の教諭がまだ教室に残っておられて、「あなた、体調でも崩しているのかね。このまま欠席が続くと出席日数が足りなくなるので、心配をしていてね」とお声かけをいただきました。生徒指導と関係のない方に心配をかけてはいけないと、次の日からちゃんと登校するようになりました。
 この間、毎日授業のプリントを自宅に届けてくれた同級生や温かく迎えてくれたクラスメート、また、辛抱強く見守り続けてくださいました担任の深野泰宏現桐蔭中学校・高等学校校長には改めて心より感謝を申し上げます。
 そして、大学へ入学し、大学を5年かけて卒業した後のフリーター2年目の頃、不登校生徒の個別指導を担わせていただきました。とある塾の一室にて不登校の中学生と向き合った1年足らずのことでございました。出会った当初は全く心を開いてくれず、こちらからの問いかけにもほとんど答えてくれませんでしたが、それでも数か月たつと、ぽつりぽつりと自分のことを話すようになってきてくれました。
 お気に入りのものを見せてくれるようにもなり、あるときには、親から買ってもらったのであろう携帯電話をうれしそうに見せてくれました。授業終了後には塾長に様子を報告することになっていましたので、携帯電話を買ってもらって喜んでいたことも報告したところ、実は、その生徒の母親と塾長は携帯電話を与えないという約束をしていたそうで、恐らく塾長が母親をとがめ、母親が生徒から携帯電話を取り上げたのでしょう。その生徒は再び心を閉ざし、それ以降、二度と私に心を開くことはありませんでした。今でもそのことは申し訳なく思っていますが、願わくは充実した人生を送っていてほしいと思っています。
 拙いながら私の経験もあり、不登校については一家言を持っています。多様性とは、それぞれの違いを認め合うことですが、不登校を多様性の実現やら個性の尊重やらとするわけにはいきません。原因もSOSのサインも求められる対応も本当に多様ですが、決して選択を間違えてはいけないと思います。
 不登校児童生徒が一日でも早く登校できるようになり、一日でも多く楽しい学校生活を送れるよう、ぜひとも学びの多様化学校設置に向けてお取組いただきますように強く要望を申し上げます。
 それでは、次の質問に入ります。
 「AI vs.教科書が読めない子どもたち」の著者で、国立情報学研究所社会共有知研究センター長の新井紀子教授は、昨年2月に発行された新書「シン読解力」の中で、教科書の文章を正確に読解できる力であるリーディングスキルテスト、RSTの能力値と学力は相関すると説明されています。
 RSTとは、解釈が一意に決まるはずの文書を多くの人が読めていない可能性があることを前提に、誰でも読めるはずの文書を読む力をはかるために新井教授が開発されたテストであり、1、係り受け解析、2、照応解決、3、同義文判定、4、推論、5、イメージ同定、6、具体例同定の六つの分野に分けて能力診断をし、毎年500を超える学校、200を超える企業や団体等が受検しているそうです。そして、このRSTではかる力をシン読解力と呼ばれています。
 さらに、新井教授は、猛烈なスピードでテクノロジーが進化する現代社会で人間に求められているのは、自力で学び続けられるスキルであり、その基盤となるのがシン読解力であること、仕事上のやり取りが電話や対面からメールや添付ファイルに置き換わったことで、1日に読む文字数が以前に比べて明らかに増えていることから、文書や説明文を正確に読みこなし、それらに文書で返答し、報告書や提案書を作成することが当然のように期待されるようになっていること、また、生成AIの台頭により、現状のAIでは呼吸をするようにうそをつくということも踏まえると、自力で読み解く力がないまま生成AIを使うことで、かえって生産性を低下させる懸念さえあることを述べられています。
 確かに、先日、私が日頃使用している生成AIにて県議会の先輩議員と「激動の和歌山」について尋ねたところ、思わぬ創作ストーリーが返ってきて非常に驚きました。それは、私と新島雄大先輩議員が議長選で大もめをし、それを生中継で見ていた人も多かったというものでございました。
 生成AIを使うに当たり、いわゆるリテラシーは必要だと思います。ネットリテラシーにつきましては、令和6年12月定例会にて取上げさせていただきましたが、先日、私の心の連立会派こと公明党県議団幹事長の小川浩樹議員も取り上げられていました。ネットリテラシー教育も引き続きどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 論を戻します。
 新井教授は、シン読解力の伸びは、何らトレーニングをすることなく自然な成長に任せると、15歳ぐらいでぴたりと止まってしまうこと、そして、トレーニングによって伸びること、RST平均能力値の平均と生徒1000人当たりの延べ有名私立大学合格者数がほぼ比例することを研究によって明らかにされ、高校や大学受験だけではなく、あらゆる資格試験の合否にシン読解力が影響すると結論づけられています。
 ネットリテラシー教育を進める上でも、RSTを活用してシン読解力をはかることは有効だと私は考えています。新井紀子教授が提唱されるシン読解力及びRSTについて、県教育委員会としてはどのように受け止められているでしょうか。
 また、文部科学省は2016年12月に「読解力の向上に向けた対応策について」を発出し、語彙力の強化やデジタル読解及び情報活用指導の充実等を指摘していますが、それより本年で10年となります。
 この間、読解力を向上させるために県教育委員会としてはどのような取組をしてこられているのでしょうか。またどのような成果が見られているでしょうか。教育長の御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 県教育委員会では、これまで、読解力や思考力、判断力、表現力など、学力の総合的な育成を目指し、現状を把握分析するとともに課題に対する取組を進めてまいりました。
 議員御指摘のシン読解力は、新井紀子教授がこれからの社会で求められるスキルであると提唱されていることは存じておりますが、リーディングスキルテストについては、児童生徒の学力のうち、読解力を把握する手法の一つであると捉えています。
 本県の小中学校における読解力の状況といたしましては、全国学力・学習状況調査等の結果から、文と図表などを結びつけて必要な情報を見つけることや根拠を明確にして考えることなどに課題があると把握しています。
 課題への対応として、児童生徒の学力向上を目指し、学校訪問等をはじめとする様々な機会を通して授業改善を促進するほか、教材の提供や学校図書館の効果的な活用に向けた取組等を行ってきております。
 これらの取組を通して、特に小学校において一定の成果が見られており、引き続き、全ての教員が児童生徒の学力向上に向けて学校全体で取組を進められるよう努めてまいります。
○議長(岩田弘彦君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 ちなみに、県立高校では、RSTの実施も検討実績もないものの、小中学校では、海南市、有田市がRSTを過去に一度実施され、橋本市では、その有用性については認識されているものの、読売新聞社のよむYOMUワークシートを実施されています。岩出市では、令和2年度から令和5年度までは教員向けに、令和5年度から本年度までは小学校高学年と中学生の希望される児童生徒に実施されてきましたが、来年度からは、令和5年度より取り組まれているよむYOMUワークシートを継続させ、RSTは取りやめられるそうです。各市とも受検料等の経費負担が大きいことが主たる理由の一つとしてあり、継続的な実施に至らない、あるいは来年度から取りやめとのことでございました。
 昨年9月定例会にて、新島雄先輩議員より、教育にはお金がかかるということが事実。もっともっと思い切って教育長からも国に対してこんなお金が欲しいという要望をどんどんしてほしいという御発言がございましたが、私も全く同じ思いでございます。教育にはお金がかかります。そして、直ちに成果が見えるものでもないと思いますが、見える化をしていかなくては、いつまでたっても質の高い教育は確立できず、学力の経済学は成り立ちません。
 それぞれの教育委員会でそれぞれが努力をされて、児童生徒たちの学力を上げようと取り組まれていると思います。県教育委員会には市町村教育委員会に対して様々な支援をしていただいているとは思いますが、RST等を実施したいがお金がなくて実施できないという教育委員会には、ぜひお金の支援もしていただきたいと思います。
 今後、県内の市町村教育委員会がRST等の実施に取り組まれる際には、受検料あるいは教材費等の一部負担や国への要望等を御検討いただけないでしょうか。教育長の御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 教育長。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 県教育委員会では、市町村教育委員会と連携しながら様々な形で学力向上の取組を支援しているところです。
 そのうち、学校等への支援としては、児童生徒への指導方法等を研究している団体や学校教育に関する研究や研修を自主的に行う団体に対して補助金等の支援を行っており、これらの取組を通じて教師の授業力向上を図るとともに、児童生徒の読解力、学力の向上に資する支援を行っています。県教育委員会が支援しているこれらの取組を基盤として、市町村教育委員会が学校の実態や地域の実情に応じた取組を主体的に進めることが重要であると考えています。
 今後も、議員が言及されたリーディングスキルテストも含めて学力向上に向けた効果的な方策について研究し、十分な効果が見込まれる場合には、国への要望等を検討してまいります。
○議長(岩田弘彦君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 それでは、次の質問に入ります。
 昨年11月13日に開催されました令和7年地方行財政・金融講演会にて、大塚竜日本銀行大阪支店副支店長より、関西における外国人1人当たりの消費額は、大阪、京都に次いで和歌山は3番目との説明がございました。飲食、娯楽は兵庫の後塵を拝するものの、宿泊等では京都に匹敵する消費額であり、観光庁のインバウンド消費動向調査によりますと、2025年7月から9月期は1人当たり平均4.6万円で全国27位とのことでございます。
 また、観光庁の宿泊旅行統計調査によりますと、和歌山県における昨年の外国人延べ宿泊者数は、対前年比13.8%増の89万6340人で全国21位、近畿では4位、2024年は対前年比52.3%増の78万7900人で全国20位、近畿4位となっています。全体では、昨年の延べ宿泊者数は495万8220人で全国32位、2024年は501万2290人で全国31位、近畿ではいずれも4位となっています。
 世界的旅行ガイドブック「ロンリープラネット」の「Best in Travel 2021」において、「読者が選ぶサスティナビリティーに配慮した観光地」に和歌山県が選出されてから5年がたち、本県の国際戦略及び当局の皆様の不断の御努力により世界からも徐々に注目されてきているものと感じていますが、2024年における外国人の平均宿泊数は2.6日とのことでございます。
 ちなみに、和歌山県への観光客全体での1人当たりの消費額は、全国30位、85%が日帰りで、平均宿泊数は1.2日とのことでございます。もちろん、国内における観光客誘致にも努め続けるべきではありますが、未曽有の国難とも言える人口減少に面している国内マーケット事情を鑑みますと、海外からのインバウンド需要を喚起し続けていくことは、和歌山県の持続可能な発展に向けて必須の施策だと私は考えています。
 すばらしい景色、おいしい食べ物、穏やかな気候を持ち、近畿のグアムと称されることもある和歌山県ですので、ぜひとも長期滞在を含め、消費額拡大につながる、インバウンド需要の一層の喚起に取り組むべきと思いますが、当局のお考えはいかがでしょうか。地域振興部長、御答弁どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 地域振興部長赤坂武彦君。
  〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興部長(赤坂武彦君) インバウンドの旅行消費額の拡大は、本県の観光業の持続的発展の観点から大変重要であると認識しており、旅行の大きな構成要素となる宿泊、飲食、体験の消費単価を引き上げていく取組を進めているところです。
 まず、需要喚起の取組としては、市場ごとの特性を踏まえながら高付加価値旅行者層をターゲットとした誘客を強化しており、例えば、欧米豪市場では、長期滞在や広域周遊を促すために、紀伊半島3県が連携して域内の宿泊施設や飲食店等について面的にプロモーションを行っているところです。また、受入れ体制の整備の取組としては、高級宿泊施設の誘致、インバウンド向け体験コンテンツのブラッシュアップなどに注力しているところです。
 このような取組により、本県のインバウンドの旅行消費額は、コロナ前2019年の111億円から2024年には179億円まで拡大しており、引き続き、需要喚起や受入れ体制整備を進め、一層の旅行消費額の拡大を図ってまいります。
○議長(岩田弘彦君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、いよいよIRについてお尋ねいたします。
 先ほど赤坂武彦地域振興部長より、長期滞在、広域周遊を促すべく必死に取り組んでいただいているとの御答弁をいただきましたが、和歌山県の持続的な発展に向けて、観光立県を目指すに足りる消費額拡大につながる長期滞在型、とりわけ和歌山県らしい体験型の施策としては、まさに統合型リゾート(IR)がセンターに置かれると思います。
 それも平成29年に私たちが視察をさせていただきましたシンガポールはセントーサ島のようなIRであろうと思います。和歌山県全体をセントーサ島に見立て、テーマパークや水族館、ビーチや川下り、山・森の中でのアクティビティーやアスレチック、さらに国際会議場やラグジュアリーホテル、そして、カジノやショッピングモール等、世界から観光客が一度は長期滞在したくなるリゾート施設の誕生を御一緒に夢見ていただける方はきっと多いと思います。
 先日、IR誘致について独自調査をさせていただきました。およそ200名にお尋ねし、オンライン、オフラインで70名の方より回答をいただき、果たして、「和歌山に誘致すべき」41%、「和歌山に不要」21%、「大阪の事例を見てから判断すべき」31%、「その他」7%で、少なくとも現時点で誘致すべきと回答された方は、現時点で不要と回答された方の2倍に当たり、大阪の事例を見てから判断すべきという声を30%強、上回っていました。
 IRといえば、和歌山県議会では、前回募集時の申請期限が迫った令和4年4月臨時会にて関連議案を否決するという、私としては振り返るのもつらく苦い軌跡を持ちます。
 観光庁は、昨年12月17日にIRの区域整備計画で未定の2枠について2027年5月6日から同年11月5日までを申請期間とし、改めて公募すると発表しましたが、それまでに観光庁による検討状況の調査やヒアリングが行われていたこともあり、和歌山県議会の本会議場でも複数のIR誘致に関わる質問が行われてきました。
 昨年12月定例会での中村裕一先輩議員の御質問及び知事の御答弁までを踏まえさせていただいた上で、年末の知事の定例記者会見での御発言をお聞きし、私の心及び多くのIR誘致を望まれる県民の皆様の心にもやっとしているものを解消すべく、令和元年9月定例会にて採択されました統合型リゾート(IR)の誘致に関する決議を当時総務委員会委員長のゆえんから提出をさせていただき、くだんの臨時会にて賛成の思いを抱いて質疑に登壇させていただきました責任を持ってお尋ねをいたします。
 知事は、さきの記者会見にて、今回は申請を見送る方向性とのお考えを明らかにされました。一方で、可能性を全く閉ざしてしまうということではない、非常に高い可能性を持った企業から打診があれば、駄目だということではないと含みも持たされています。
 ということは、非常に高い可能性を持った企業から打診があれば、対応すべく和歌山県としては門戸を開いているという解釈でよろしいでしょうか。
 であれば、企業の背面調査や信用調査、事業開催場所の適格性や周辺住民の合意形成具合等を精査しつつ、当該事業者と共に区域整備計画を作成する構えはあるということだと思います。でなければ、門をたたいてこられる事業者やIR誘致に期待を寄せられている県民の皆様に極めて不誠実なコメントと受け取られてしまいます。
 前回は、庁内より精鋭が結集されたIR推進室を創設され、相応の予算を計上されて区域整備計画策定に臨まれました。経られた4~5年の間、関わられた皆様が流された涙や汗は相当なものであったことと推察をいたします。
 これより2年弱では申請に至ることが時間的に極めて難しいことは理解できますが、和歌山県には一たび立派な議案書を作り上げられた技術と経験、そして、IR誘致実現に向けて情熱を燃やされた歴史があります。本気で取り組む覚悟があれば、できないことはないのではないでしょうか。挑戦しない県に未来はないと思います。
 宮﨑知事にお尋ねいたします。
 IR誘致に向けて、和歌山県は門戸を開いているのでしょうか。そのことをIR事業者や関連事業者にはどのように発信されているのでしょうか。現実に高度な打診があれば、どの課室のどういうメンバーで対応されるのでしょうか。区域整備計画策定に向けて必要な予算はどのように捻出されるおつもりでしょうか。御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 川畑議員のIRについての御質問をいただきました。
 IRの誘致につきましては、昨年12月23日の定例記者会見においてお答えしたとおり、今回の再公募については見送る方向で考えております。
 そのため、事業者に対しては積極的な働きかけを行ってはおりません。しかしながら、御提案があればお聞きしていくつもりでありまして、IR誘致の可能性を全く閉ざしてしまうというわけではございません。
 同じ理由によりまして、IR誘致に係る組織づくりや予算案の提案は行っておりませんが、誘致に取り組むと判断した際には、適切に対応したいと思っております。
○議長(岩田弘彦君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 結婚する意思があるかないか分からない人間に、突然結婚を申し込むセレブが出現するということは現実にはほぼ起こり得ないと思います。万が一出現したとしても、にわかな対応でもろもろ成就させて、無事に式を挙げられるに至るとは思いません。
 知事がこれまで繰り返しおっしゃってこられました議会で否決された事実は大変重い、そのとおりでございます。それが議会制民主主義の根幹であり、そして、そのことはこれから和歌山でIRをやろうかと考える事業者に対しても強い影響を及ぼすと思います。
 私たちは、4年前に千載一遇のチャンスを逃したんだろうと思っています。IRは壮大な夢です。夢は夢として大切に胸のうちにしまい、いつかまた取り出すときが来た際には、当局も部局を超えて、県議会の会派を超えて一丸となって取り組むことが肝要だと思います。IR誘致に取り組まないのであれば、和歌山県勢発展につながる別の迫力のある施策に一丸となって取り組んでいこうではありませんか。
 最後の質問に入ります。
 2月25日に予定されていた我が国初の民間小型ロケットカイロス3号機の打ち上げが延期になると御連絡をいただきましたのは、打ち上げ予定日より3日前のことでした。非常に残念な思いがあふれましたが、あくまで天候不順の見通しからの御判断だったとのことであり、果たして当日、雨が降りました。むしろ気象への見立ての確かさを感じ、今後のロケット打ち上げ成功に一層期待が膨らんだところでございます。
 続く3月1日、4日と延期を重ねたものの、いよいよ打ち上げられました昨日は、宇宙へと向かっていくカイロス3号機に驚嘆と感動の声があふれましたが、およそ70秒後に自動で飛行中断措置が取られました。
 和歌山県民だけではなく、世界のロケットファンが打ち上げ成功を楽しみにしています。不断の努力と果敢な挑戦を続けられますスペースワン社はじめ、御関係の皆様に心より敬意を表します。
 本年1月30日、第6回経済産業省産業構造審議会 製造産業分科会 宇宙産業小委員会にて、宇宙戦略基金実施方針案が取りまとめられました。「民間ロケット打上げ実証加速化」と題された技術開発テーマに240億円程度が計上され、民間ベースで持続可能な国際競争力のある打ち上げサービスの実現に向けて、事業化初期段階にある民間ロケット打ち上げ事業者において必要な技術開発と複数回、最大6回の打ち上げ実証を行うものであり、内訳としましては、1件当たり支援総額120億円を上限として最長5年の支援を行うとされています。
 これは、世界を見渡してもロケットの打ち上げが6回目までは失敗の可能性が20%から30%と比較的高く、ゆえに保険も利かないものの、やはり失敗は成功のもとであり、打ち上げ経験を重ねることで、かのイーロン・マスク氏率いるスペースX社のような成功率を誇れるようになるとの事象が前提になっているとのことで、世耕弘成衆議院議員がこれまでに各地各所で当該支援の創設を訴えられてきていました。
 もちろん採択されるには細かな複数観点における評価を重ねていくことが求められますが、スペースワン社にはぜひとも当該支援を有効に御活用いただき、一日も早いロケット打ち上げ成功の栄誉を手にしていただきますことを願っています。県当局におかれましても、全力でサポートをしていただきますようお願いを申し上げます。
 和歌山県では、新年度の重点施策として、宇宙まちづくり推進事業に3870万円、新政策として成長産業を支える人材育成事業に751万円が計上されています。宇宙産業並びに宇宙まちづくりを進めていくに当たり、まずはロケットの射場をしっかりと確立することが先決ではありますが、関連産業の誘致や集積等、当該産業に参入しやすい環境を整えていくこと及び携わる人材を地元でも育成していくことは非常に大切なことだと思います。まさに、和歌山県の未来を乗せる宇宙まちづくりを今後どのように進めていかれるのか、知事の御答弁をどうぞよろしくお願いいたします。
○議長(岩田弘彦君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) ロケットの打ち上げ、宇宙産業への御理解、激励をいただきましてありがとうございます。
 宇宙産業の集積につきましては、昨年8月に和歌山県宇宙アクションプランを策定し、12月に公表した県総合計画で主要施策に位置づけたところであります。
 御指摘の新年度予算、宇宙まちづくり推進事業では、宇宙関連展示会への出展やビジネスカンファレンスの新規開催等を通じて、県内企業の宇宙分野への参入や企業誘致を強力に進めていきたいと考えております。
 成長産業を支える人材育成事業では、宇宙分野の即戦力人材を育成するため、工業系高校で新たな教育プログラムを構築したいと考えております。
 また、カイロスロケットの打ち上げについても、引き続き渋滞対策等に予算を措置して万全にサポートしてまいる所存であります。加えて、2月20日にはJAXA幹部と面談し、衛星データを活用したインフラの予防保全や脱炭素の取組について、新たな共同実証を検討開始するに至ったところであります。
 引き続き、関係機関と一丸となり、あらゆる施策を活用して宇宙分野を通じた和歌山県の発展に全力で取り組んでまいります。
○議長(岩田弘彦君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 「たとえ明日世界が終わるとしても、今日私はリンゴの木を植える」これはドイツの神学者マルティン・ルターの言葉です。夢や希望を持つことができると、人生は輝かしいものになると思います。
 ちなみに我らが大学の大先輩に当たります作家、開高健氏が好んで色紙に書かれた言葉は、「明日世界が滅びるとしても、今日君はリンゴの木を植える」だそうです。色紙に書かれた言葉とのことですので、恐らく激励や育成の意味が込められていたものと推察をいたします。
 100年後も200年後も、私たちの和歌山県が光り輝き、和歌山県で育つ子供たちの未来が光り輝きますように、明日我が身が滅びようとも、今日私たちはリンゴの木を植えようではありませんか。そのことを申し添えさせていただきまして、私の人生22度目の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田弘彦君) 以上で、川畑哲哉君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時15分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(秋月史成君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 39番片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕(拍手)
○片桐章浩君 こんにちは。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行いたいと思います。
 3月2日、県立高校、公立高校の卒業式がありまして、母校に赴き、後輩たちに送る言葉を届けてきました。旅立ちの日に感じる期待と不安の入り交じった笑顔と涙を見て、同じように感動させていただきましたので、ぜひ彼ら、彼女らに応えられるようないい質問にできたらというふうに思ってございます。
 この卒業シーズン、就職シーズンを迎えると、いつも思うことがあります。和歌山県で生まれ育ち、地域に愛着を持っているはずの多くの若者が、進学や就職を機に県外へと巣立っていく。それ自体は若者の挑戦であり、決して否定されるものではありません。しかし、問題は、一度県外に進学、就職した若者の多くが再び和歌山県に戻ってこない、この現実が長年にわたり確実に積み重なっている結果が、今日の和歌山県だと思います。これは単なる人口移動の問題ではなく、本県の将来の担い手の流出、地域経済の縮小、税収基盤の弱体化、そして、地域の活力そのものの低下につながる極めて深刻な構造上の問題があろうかというふうに認識しています。
 県内の公立高校の先生方に聞きますと、保護者も含めてなのですけども、「地元に魅力的な就職が少ない」、「和歌山県が誘致している産業の実績が見えない」、「若者が挑戦できる舞台が県内に不足している」、このような声が、今年のみならず、毎年のように繰り返し聞かれています。これは個々の若者の問題ではなく、地域の産業構造の問題だと思います。若年層の域外流出が本県人口の減少の大きな要因となっていること、そして、若者の雇用機会の創出が喫緊の政策課題であることについては、知事も同様の共通認識をお持ちだと理解しています。仮に、この認識が共有できるのであれば、次に問われるべきは極めて明確です。若者が地元に残り、そして、外に出ていっても戻ってきたくなるだけの産業基盤と雇用環境を本県は本当に用意できているのか。人口対策は掛け声だけでは結果が出ません。移住施策や子育て支援だけでは、若者が本格的に定着するには限界があります。最終的に、若者の進路を決める最大要因は就きたい仕事が和歌山県にあるかどうか、この1点に尽きます。
 この前提の下、まず一つ目、財政認識です。
 本県の令和8年度一般会計予算は6499億円ですが、その内実を見ると、約125億円の県債管理基金の取崩しに依存した予算編成となっています。さらに、県試算では、令和10年度には財政調整基金と県債管理基金が枯渇する可能性が示されています。しかも、今後を見通すとすれば、金利上昇局面を迎えること、物価高の長期化が予想される状況になっていること、社会保障費の自然増が見込まれること、そして、中期的にも長期的にも生産年齢人口が減少傾向にあることなど、財政面で厳しい環境が同時進行することになります。これは単なる年度運営の問題ではなく、構造的な財政圧力とも言えることです。
 仮に、和歌山県の財政調整基金と県債管理基金が枯渇した場合、直ちに財政破綻になるわけではありませんが、県政運営は一気に不安定化することになります。前知事と同様に、これらが枯渇する可能性がある年度を示したことは知事の英断ですが、そうならないため、県民の皆さんが不安に陥らないための道筋を示す必要があると思います。
 そこで、財政健全化の手段ですけども、本質的には二つしかありません。歳出削減と歳入拡大です。しかし、和歌山県の人口動態を踏まえれば、歳出削減のみで持続可能な財政を構築することは極めて困難だと言えます。したがって、核心は税収をどう増やすかに尽きると思います。税収を押し上げる最大の要因は何か、それは民間投資、企業集積、雇用創出、つまり、投資を呼び込める地域かどうかが税収の将来を決定づけることになります。
 ここで重要なことは、市場評価の重大性だと思います。和歌山県は、過去一度、IRに挑戦しようとしたわけですけども、今回、公募に関してIRに挑戦しないとなれば、和歌山県は挑戦しない県だと市場はみなし、民間の大型投資が期待できなくなるおそれもあります。投資を促すことこそ成長を促進させるために必要な施策ですから、投資を呼び込めなければ、停滞または衰退の道が待っているだけです。これはIRという問題ではなく、投資先としての県のブランド評価の問題だと思います。しかも、IRの要諦は単なる観光ではありません。本質は都市基盤形成のための戦略的インフラ投資にあります。これは世界の先行事例を見れば証明しているので分かりやすいです。
 例えばマカオ、IR導入後に国際観光がハブ化されました。MICEが集積してエンターテインメントが世界中から寄ってきております。それから雇用創出、税収の飛躍的増加、こういったものを実現させた上に、都市経済の核インフラはIRであると聞いておりますし、さらに、この地域では教育基金というのが数多く設立され、学生の支援にも資している。つまり、人材育成にもつなげているわけなんです。それからシンガポール、こちらはマリーナベイ再開発、高付加価値観光、国際ビジネスの集積が一気に進展しています。同国はIRを国家競争力強化の戦略装置と明確に位置づけて対応をしているところであります。
 さて、このIRは、これらの事例と同じように、都市形成基盤であるとの認識に立ち、愛知県は既に次の一手を打ちました。さきの2月12日、愛知県、大村知事は、記者会見で次のように説明しています。ちょっと割愛しながら紹介させていただきます。
 愛知県では、人口減少が進んでおり、特に若年層が東京圏、首都圏に流出している状況が県の人口減少に拍車をかけている。そのため、IRを整備することで、若者が愛知県で暮らしたいと思えるような魅力を高める契機にしたいとの考えを示しました。その上で、IRによる国際観光の活性化を通じて県内経済や雇用の魅力を強化し、若者の地域定着を図る、つなげたい、そういう意図があると認識しているところであります。要するに、IR誘致は、単なる観光開発ではなく、若者が県外に出ていく流れを変え、地域にとどまりたいと思える環境づくりの一助にしたいという狙いがあり、首都圏への人口流出が続いていることで、若者定着には新産業が不可欠だという認識の下、IRは選択として重要な趣旨を明確に述べていると思います。極めて現実的な危機認識と選択だと思います。
 また、知事は、検討の進め方について、次のように説明しています。
 関心のある民間事業者がいるかどうかをまず聞いてみたい。ここから始めようとしています。誘致に向けて事業者の関心や意見を把握した上で進めたいという姿勢を示しているわけです。愛知県知事の説明は、県として、まず、IRの可能性について民間事業者の関心、意向を確認する段階から始め、その上で、実際に具体的な計画や審査手続を進めるかどうかを判断していくというものです。つまり、やりたいと思ったところで、一緒にやってくれる事業者がなければどうしようもない。まず、関心ある事業者があるかどうかを聞いてみようじゃないかと、こういう発言をしているので、これ、見習うべき点ではないだろうかというふうに思っております。
 付け加えて言いたいことは、愛知県でさえ、新しい産業を創出しなければ、若年層が地元に定着しないので、産業構造の更新こそ人口対策の核心だとの趣旨を明確に述べていることです。自動車産業という強固な基盤を持つ愛知県ですら危機感を持って次の成長産業を模索している、このように思います。
 愛知県知事が記者会見した当日、どれくらいか分からないほどのたくさんの意見を聞かせていただきました。全て紹介すると時間にはまらないので、三つか四つ紹介をさせていただきます。
 「ついに愛知県が発表しました。またしても和歌山県は遅れてしまいましたね。和歌山県の将来をどう考えているのか、知事に聞きたいです」、「愛知県は、関心のある事業者がいるかどうかの意向を聞きたいとしています。せめて事業者が和歌山県でIRをやってくれるのかどうか、それだけでも聞いてほしいと思います」、「愛知県の大村知事の記者会見を見ました。国際観光都市を目指し、人口減少に歯止めをかけようと挑戦的です。愛知県でさえ、東京圏への人口減少に歯止めをかけようとIRに取り組むようですので、和歌山県の人口減少や経済への危機感はないのでしょうか」。それから、もう一つ、「愛知県は、必要な施策を進めるための財政捻出が厳しいとのことです。そのため、IRで税収を増やし、財源確保を図り、県民の健康と命を守るために医療と福祉の恒久的な財源にしたい、このような発言をしていました。和歌山県民が思っている課題は愛知県と同じだと思います」。
 また、ほかの県でも、成長戦略と注目される動きがあったことを友人が伝えてくれました。香川県です。香川県は、あのエヌビディアが政策連携を行っています。AI人材育成とデータ活用基盤、そして、産業高度化に関する政策協定を同県は進めているようです。これは明らかに次世代産業を誘致するための布石です。目指しているところは、エヌビディアのAIインフラや技術支援を活用することで県内企業がAIを導入しやすくなり、仕事の効率化や新しい価値づくりにつながることが期待されています。また、教育機関、技術機関と連携し、AI分野の高度な人材育成を進める体制を整えることやGPUを活用する技術系企業、AIデータセンターの立地を促進し、技術集積や雇用の創出、地域経済の活性化につなげること、そして、地域産業全体の活性化、DX化を加速させ、香川県の産業競争力を高めようとしています。
 以上、まとめますと、香川県とエヌビディアの連携は、単なる技術導入にはとどまらず、企業誘致、人材育成、産業高度化、地域のデジタル競争力強化という成果を目指していると言えます。この取組は、人口規模に関係なく、新産業への参画を明確にした自治体に資本が集まるという現実を示しています。
 先日、和歌山県から徳島県に移住した友人が和歌山市に戻ってきて一緒にしたときのことです。この友人は、徳島県の神山町というところで仕事をしているわけなんですけども、神山町の挑戦を語ってくれました。神山まるごと高等専門学校というのを神山町で立ち上げ、デジタル人材育成、起業家教育、そして、地域発のイノベーションを狙った取組を行っているというものです。
 彼の言葉を少し紹介します。「私が仕事をしているのが徳島県神山町ですが、ここで有名なのが神山まるごと高等専門学校です。この学校は、講師に現役の起業家を招き、起業家を育成することを目指し、卒業生の4割が起業家、特に地元で起業してくれることを目標として掲げています。この神山町はコンビニが1軒だけしかないらしいんですけども、1軒だけの田舎町ですが、この学校は、全国から注目されています。神山の精神は『やったらええんちゃう』ですから、小さな町が挑戦する姿勢があるからこそ、この学校ができたのでしょうね」と話してくれました。
 神山町の挑戦、これは単なる教育施策ではなく、若者を呼び込み、地域に定着させるという産業政策です。その設立の本質は、優秀な若者が県外に出て二度と戻らないという地方の構造問題を、教育そのものから逆転させる試みにあります。従来の地域モデルは、高校までは地元で、大学は都市部、そして、そのまま都市に就職するという流れでしたが、神山町はこれを、全国から学生を集め、地元で高度なIT起業家教育を行い、卒業後も地元で活躍する人材を育成する逆流モデルに転換しようという取組であります。つまり、地方からの人材流出構造を断ち切る挑戦だと言えます。
 これらの事例を目の当たりにすると、極めて重要な問いが浮かび上がりました。和歌山県は、投資を呼び込む県として市場に認識されているのだろうか、他県が成長投資の旗を掲げる中で、本県のメッセージは十分市場に対して明確であると言えるのか、投資の世界の評価軸は、政策の継続性、首長の意思、そして事業への本気度です。それがあって、資本の流入先が決まります。つまり、和歌山県は成長に挑戦する県であり続けるのかという問いに答えなければならないと思います。判断を先送りにする時間的余裕は、もはや多くは残されていません。財政は待ってもくれません。人口減少も待ってもくれません。そして、投資家の判断も待ってはくれません。民間資本は、成長意思が明確な地域、政策の継続性が見える地域、首長の覚悟が読み取れる地域に流れます。逆に言えば、意思が曖昧な地域からは資本は静かに離れていく、これが現実であります。今、本県に求められているのは、明確で市場に伝わる意思表示だと思います。
 そこで、第1問、財政認識についてです。
 先ほど言いましたけども、このままいきますと、令和10年度に基金枯渇見通し、金利上昇局面入りという明確な財政圧力の時間軸の中にあり、これは政策論争ではなく、時間との競争であると思います。今、議論しているのは、令和8年度の予算の問題だけではなく、10年後、20年後の和歌山県の姿です。若者が戻ってくる県にするのか、それとも、財政余力を失い、緊縮均衡に入る県にするのか、その分岐点に立っていることを議論していると思います。
 先日、元銀行員、バンカーの方と会議をしたところ、面白い話になりました。銀行家の目から地方自治体の財政を簡単に分析してもらったんですね。(傍聴席より電子音を鳴らす者あり)それは、民間企業の投資や出資を地方自治体の財政に例えると、こうなるということです。地方債、これは銀行融資、基金の取崩し、内部留保の食い潰し、成長投資、これはエクイティー的政策となります。現在、和歌山県の財政構造を彼に分析してもらいますと、「借入れ、いわゆる借入プラス基金取崩し型運営であり、税収増の構造改革が弱いと言えます」と答えてくれました。地方債とは将来税収の前借りなので、人口減少局面での借入依存は、企業で例えれば、成長なき借入拡大、借金が拡大するということになる。
 さて、出資に当たるものは、では、何だろうかといいますと、地方自治体におけるエクイティー発想は、国の大型政策資金を呼び込むことに該当します。例えば、今であったらデジタル田園都市やGX投資、そして、観光への観光再生などがあるようですが、最大規模の事例としては、大阪の大阪IR、これは民間の大型投資を呼び込むモデルで、エクイティー的発想だと言えます。市場が好むような発想だということです。これは自治体が借金するのではなく、民間事業者がリスクを取る仕組みです。これらから分かるように、和歌山県が全部借金するのではなく、民間事業者が収益リスクを持つ、これが自治体版エクイティーと言えます。
 もう一つ、資金調達方式としてはキャプティブがありますが、これは自治体に当てはめると、県主導の地域投資ファンドのようなものであり、具体的には、現在、ある町が検討している宿泊税、これが当てはまります。和歌山県の場合、県債削減だけでは縮小となる。基金取崩しは延命措置にすぎず、成長戦略がないと、財政再建はなかなか難しいのではないかと言えます。つまり、借金削減より税収創出モデルが重要となるわけです。本県財政の中長期持続可能性について、現時点で強い危機意識を有しているとは思いますが、財政破綻をしないためにすべきことは何なのでしょうか。知事にお聞かせいただきたいと思います。
○副議長(秋月史成君) この際、申し上げます。
 携帯電話は、マナーモードにするか、電源を切っていただきますようお願い申し上げます。
 ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 知事宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 片桐議員の一連の質問に答えていきたいと思います。
 財政認識についてでございます。
 県財政を将来にわたり安定的に運営していくためには、総合計画に基づく施策の実施に必要な財源の確保と基金の適切な活用・積立てを含めた健全で持続可能な財政運営を両立していくことが不可欠であります。財政調整基金及び県債管理基金が枯渇し、予算編成が困難となる事態を防ぐためにも、まずは、業務量適正化の観点も踏まえて事業の見直しを行うなど、歳出面で不断の努力を重ねてまいります。
 さらに、国庫補助金を有効に活用するとともに、企業版ふるさと納税のさらなる活用や県有施設のネーミングライツの推進などの新たな歳入確保策にも積極的に取り組むことで、歳入基盤の強化を図ってまいります。特に、県の歳入の中核である税収を増加させる取組として、観光需要の増加を踏まえた宿泊税など、新たな観光振興財源の導入の検討を進めてまいります。加えて、東京一極集中が続き、行政サービスの地域間格差が顕在化する中、国においては、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に向けて取り組む動きがあり、県としても積極的に要望を実施してまいります。
 その上で、将来世代に対して責任を持った財政運営を行うことが大切であります。決算剰余金なども活用し、借換債の発行抑制など、将来の公債費負担を抑制する努力もしつつ、突発的な財政需要に備え、財政調整基金及び県債管理基金への積立てを行ってまいります。今後の財政見通しを踏まえ、新たな行政需要への対応と健全で持続可能な財政運営の両立に向けて、より一層の危機感を持って対応してまいります。
○副議長(秋月史成君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 お答えいただきました。県債の発行抑制などという前向きな取組をするということもいただきました。長期金利とか超長期金利は4%も超えるという、ちょっと今回のイラクのあれで金利は下がりましたけども、4%近くになりますから、やっぱり発行を抑制するというふうなところも含めて、財政運営に当たっていただけたらと思います。
 その上に立って、2点目の和歌山県の成長のための投資受入れという項目に入りたいと思います。
 先ほど前段で、この件についても説明をさせていただきましたので続けさせていただきたいと思いますが、若者が県外に一度出ていくと決して戻らない、それは雇用機会がやっぱり限られているということが問題だと指摘しました。成長産業であるとか、和歌山県にいても世界に挑戦できる、そういった舞台を用意する、こういった産業構造の転換が必要かなというふうに思います。そして、さらに問題になるのが、大阪IRが開業した場合、さらに和歌山県内の若年層、若い人たちが大阪圏に吸収されていく可能性が高くなるということです。若者の県外流出の問題は、単なる人口問題ではなく、それは和歌山県に世界とつながる産業があるかどうかという彼、彼女たちからの問いかけだと思います。いつの時代も若者は挑戦できる場所へ行きます、成長できる環境を求めます、そして、現在であれば、世界とつながれる舞台へ行きます。それが今は和歌山県外にあるという現実です。和歌山県の若者が県外へ出なくても海外企業と働き、国際水準の給与を得て世界と接続できる、そんな環境をつくれる可能性を持つ政策が今必要だと思います。
 また、さきに述べたように、企業で言えば地方債は銀行融資、基金の取崩しは内部留保の食い潰し、成長投資はエクイティー的政策となりますから、和歌山県の現在の借入と基金取崩し型運営ではなく、税収増の構造改革が必要だと言えます。
 仮に、税収創出戦略を考えるとすれば、観光GDPの拡大戦略、大型民間投資の誘致、高付加価値型産業の育成になろうかと思います。具体的に、大阪は大阪IRによって民間投資1兆円を超える投資を呼び込む選択をしました。和歌山県の場合、観光消費額は年間約3000億円であると認識しておりますが、仮にもしこれを10%押し上げるだけで300億円の経済効果が期待できますから、県税換算でも数十億円規模の増収余地があります。しかし、観光によってGDPを上げるというふうな明確な戦略は見えていません。
 そこで、質問です。
 若者が希望する職種を創出することが最重要課題であることについて、知事も強い危機意識をお持ちだと思います。もう歯止めをかけるべきですが、どう対応しようとしているのでしょうか。また、借入を減らすことが財政健全化ではなく、税収を増やす構図をつくることこそ財政健全化だと思います。県が縮小均衡を選ぶのか、成長投資を選ぶのかは、民間資本の導入を本気でやるかどうかの選択が迫られている状況です。本県の現在の産業戦略は投資家に対して十分競争力があると認識しているのでしょうか。
 以上、知事からお答えいただきたいと思います。
○副議長(秋月史成君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 和歌山県の成長のための投資受入れについてでございますが、御指摘のとおり、若者の県外流出に歯止めをかけるためには、魅力のある雇用を創出するということが重要であります。昨年12月に策定をした県総合計画では、和歌山県が2040年に目指す姿を具体化した上で、県政の柱として、産業の創造力と生産性の向上を掲げました。今後5年間で実施する主要施策として、成長産業の開拓、産業人材の育成・確保を提示しています。成長産業につきましては、例えば、国のGX官民投資に関連した大規模県内投資の実現に向けた産業用地化と成長企業誘致の推進、ロケット発射場を中心とする宇宙産業の集積・推進等に取り組んでまいります。
 また、和歌山県がGX関連産業に選ばれる地域となるべく、洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入に向けた取組、脱炭素社会実現に向けた行動変容の推進など、産業、社会の脱炭素化に向けた環境整備を進めます。産業集積の取組と連動して、若者と成長産業をつなぐため、各成長産業で求められる教育プログラムの開発・導入や県内就職の促進にも取り組んでまいります。
 令和8年度予算案では、県総合計画で示した主要施策を実行に移すべく、行動変容と産業の脱炭素化の推進として6億2000万円、宇宙産業の推進に6378万円、成長産業を支える人材育成に2844万円など、戦略的に予算を配分しました。今説明しましたように、中長期的な将来像と計画、その道筋を確かなものとする具体施策を明らかにし、戦略的にリソースを分配していくことで、少子化をはじめ様々な関係者にとって魅力的な和歌山を実現いたします。引き続き、強い危機認識を持ちながら、未来の県民にも誇れる和歌山の創造に向けて積極果敢に挑戦してまいります。
○副議長(秋月史成君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 第2問にお答えいただきまして、まさに和歌山県がGX産業に選ばれる地域、それから、洋上風力、それから、宇宙産業等々、前向きに取り組む姿勢は伺いました。問題は、例えばGXの関連産業に選ばれる地域ということなんですけど、選ばれたらいいんですけど、じゃ、選ばれなかったときに手後れにならないかというふうな問題も多少は残っているかと思うんですが、そういう意味から第3問目に移りたいと思います。
 関西は、昨年の万博とかを契機として、国際観光拠点として再編されようとしています。和歌山県は、この変化を外から眺め、機会を見送る県であるのか、それとも、挑戦する県として存在感を示すのか、今回の観光庁のIR公募は、単なる制度手続ではなく、和歌山県の将来像そのものを問う機会になると思います。さきに大阪IR開業後は、県内の若年層がさらに流出するとしましたが、一方、和歌山IRが実現した場合には、大阪にないような、全国に誇れるようなコンテンツが生まれます。観光掛けるAI掛ける国際業務、あるいはeスポーツ運営、コンテンツ制作という地方では希少な職種が創出され、若年層の定着率が上昇することにつながります。
 また、和歌山IRが地方人口流出の構造的問題に対する実効的対策となり得ること、和歌山県を観光から国際コンテンツ産業へと転換させる機会となること、大阪IRと競合せず、関西圏全体の成長を促進することにつながると考えます。そして、和歌山ブランドの質的転換が図られることになります。従来のイメージを聞きますと、高齢化、それから、地方都市、観光は国内、インバウンドもあるんですけども、それに加えて、今回実現するとなると、伝統掛ける最先端、それから、日本文化掛けるデジタル、それから、若者が集まる国際都市と変化し、日本においては、東京とともに和歌山ジャパンが英語で連呼され、海、山、神社、温泉という唯一無二の背景を有する和歌山IRは、観光のコマーシャル、これを換算すると1億回流すのと同等か、それ以上の効果があるという話も聞いています。
 また、昨年、外国から和歌山でビジネスをするということで、若者たち、エンジニアが来てくれたわけなんですけども、彼らの認識からすると、外から見ていれば、東京も和歌山県も同じだと思っていたと、ビジネスをするんだったら同じだと思っていた。しかし、和歌山県に来てみると違いました。ビジネス機会が少ない、市場が小さい、仕事の単価が1桁安い、SNS市場は異次元に少ない、こんな意見がありました。しかし、和歌山県だけが自然、信仰、歴史、世界最先端を同時に出せ、東京以外の日本を見せられる大きな武器になります。また、政策、地方自治体にとっての意味は、教育、人材面にも影響があります。県内高校・大学の就職先として有望で、映像、AI、英語通訳などの人材定着と、地元に世界がやってくる体験がUターン、Iターンへの動機となります。これらの観点から、やらない理由ではなく、やるための条件整理を行ってはいかがでしょうか。
 大阪IR開業後、投資、人材、消費が大阪に集中したとき、和歌山県は何で対抗するというのでしょうか。検討する間に時間だけが過ぎ去っていきます。挑戦しないという判断も政治判断ですが、しかし、その結果、成長機会を逃した責任は誰が負うのでしょうか。もちろん無条件に推進を求めているものではありません。財政負担を抑制し、リスク遮断スキームを明確にし、そして、撤退条件の事前設定を前提とした再挑戦を考えられると思います。もしやらないのであれば、IRに代わる年間数百億円規模の投資、税収増を具体策としてここで示していただきたいかなというふうに思いますし、示せなければ、検討を開始すべきだと思います。
 そこで、質問です。
 和歌山IRが実現した将来と和歌山IRがない将来は、和歌山県にとってどのような違いがあると想定できますか。人口、雇用、経済規模、県内総生産、税収の違いを5年後、10年後でお示しいただきたいと思います。
 2点目、愛知県でさえ、エンターテインメントがないことから、首都圏への若者人口流出を止めるために、政策実現に必要な税収確保のためにIR誘致に踏み切ろうとしています。知事が昨年12月23日の定例会見で言いましたが、事業者に来てもらうためには、知事が和歌山県でIRに関心のある事業者は来てくださいと伝えなければ、来てくれることはありません。事業者に対して呼びかけるべきですが、いかがでしょうか。観光庁が特定複合観光施設区域の公募時期を発表しました。和歌山県の将来を考えて、ここに挑戦する意向はあるのでしょうか、知事の答弁をお願いいたします。
○副議長(秋月史成君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 和歌山県におけるIR誘致につきましては、現在、用地や運営事業者、投資規模など、具体的な計画自体が白紙であります。したがいまして、IRの有無による将来の人口や雇用、県内総生産等を比較した数値というのをお示しすることはできません。しかしながら、IRが県内に整備され、仮に大きな経済波及効果や雇用効果が発生すれば、本県経済の活性化につながる可能性は十分あると考えております。
 一方で、ギャンブル等依存症患者の増加や交通渋滞の発生、様々な負の影響の可能性に対する強い懸念もあることはございます。加えて、令和4年4月の臨時会において、区域整備計画案が否決されたという事案を大変重く受け止めており、IR誘致の是非については十分な検討が必要であると考えております。
 そのような中、新たな区域整備計画の受付に向け、昨年12月に国が示した政令案の中では、申請期間が令和9年5月6日から同年11月5日までの6か月間とされています。現状、IR誘致に取り組むと判断したわけではなく、具体的な検討を行っていない中で、今回示された申請期限までに十分な検討を行うのは容易ではないということから、今回の再公募については見送る方向で考えております。そのため、事業者に対して積極的な働きかけは行っていませんが、御提案があればお聞きするつもりでありまして、IR誘致の可能性を全く閉ざしてしまうというわけではございません。
○副議長(秋月史成君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 お答えいただきましたので、検討ができていないということがあったんですけども、例えば前提条件、前回から物価高等々を掛けて、初期投資額を仮に8000億円と見積もった場合をシミュレーションしていただきました。和歌山IRがある場合、5年後、人口は85万人を維持する、県内総生産は3.9兆円、雇用はプラス2万人、県税収は300億円から400億円、建設業は需要拡大、若者流出は抑制、このような話です。もし実現しなかった場合、人口83万人、県内総生産3.4兆円、雇用は横ばいから減少、建設業は県外依存継続、若者流出も継続、こういう見込み。
 では、10年後どうかなというのをシミュレーションしていただきますと、ある場合、人口84万人から85万人を維持、県内総生産は4.2兆円、雇用はプラス2万円を維持、県税収は400億円から500億円、建設業は持続的需要を創出、仕事があるということです。若者流出は抑制及び一部流入となります。では、実現できない場合どうか、人口80万人前後、県内総生産は3.2兆円、ある場合と比べて県内GDPが1兆円の違いがある、こういうことです。雇用は縮小傾向、建設業は県外依存が固定化、若者流出は加速する、このようになっております。
 加えて、近年、いろんな企業、特に建設業や設備業を尋ねてみますと、これらの仕事は、実は売上げは減っていないんですね、維持しているんです。「何でそんなことになっているの」と聞きますと、「大阪、兵庫、奈良県、それから、首都圏の工事を受けているから、売上げが維持できているんですよ」と。それに対して、県内工事が減少しているので、県内の仕事量だけで会社を存続できることは難しくなっていると、このように幾つもの会社から聞いています。また、昨年、大阪IRの仕事を請け負ったゼネコンから受けた会社から、和歌山市内の会社に実は見積依頼が来ているんですね。これが現状だと思います。それで、和歌山県内の建設業とか設備産業、果たして守れるのでしょうか。
 加えて、令和7年9月の定例会で同僚議員が、この10年間で和歌山市に誘致した企業の投資実績、どれぐらいあるのかという質問に対して、和歌山市において、誘致などにより県奨励金の対象となった企業の投資実績としては、過去10年で30社、112億円。そして、雇用は485人の創出があったという答弁がありました。10年間で112億円の投資実績ですから、IRが実現した場合とそうでいない場合の数値の差は、到底埋められるものではありません。これだけの違いが予測できますが、この数字を見て、和歌山県の将来についていま一度考えるべきではないでしょうか。同じ課題を抱える愛知県のように、関心のある事業者がいるかどうかをまず聞いてみるべきだと思いますが、いかがでしょうか、知事の答弁をお願いします。
○副議長(秋月史成君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 先ほどからもお答えしていますとおり、IRが整備されれば、本県の経済の活性化というのは、本当に活性化につながるという可能性はあると考えております。しかしながら、先ほど議員がいろんな数字を出していただきましたけれど、また、負の影響ということも懸念があるという認識はあるということは分かっておいていただきたいと思います。
 そういったことからもですが、私も全く閉ざしているわけではないということなので、そういった御要望とかあれば喜んで話を聞きたいなというふうには思っておりますし、そういうことを、じゃあ打ち出していないじゃないかという話もあるかもしれないんですけど、私自身は議会、議場でこういった形で、皆さん方、投資案件があるならぜひ来てくださいねということも申し上げておりますし、幸いなことに、マスコミの方々も取り上げていただいているということもありますので、もしそういう気があるならば、ぜひ声をかけていただけたらなというふうに思いますので、そういったことで対応していきたいと思います。
 以上でございます。
○副議長(秋月史成君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 答弁いただきまして、確認だけさせてください。今、記者会見とかどうかではないんですけども、門戸を閉ざしたわけではないので、そういう和歌山でIRやりたいという事業者があれば、どんどん来てくださいねという知事からのメッセージと受け取ってよろしいんでしょうか。来てくれる事業者があればお越しくださいというメッセージだと僕は認識したんですけど、そこだけ確認させてください。お願いします。
○副議長(秋月史成君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 前にも議員にも申し上げたと思うのですけども、有望な投資案件があったら、ぜひ持ってきてくださいねというふうに申し上げました。そういったことの同じ対応でありますので、どのように取っていただいても結構ですけども、そういうことでございます。
○副議長(秋月史成君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 ありがとうございます。
 先日、和歌山県とか和歌山市の課題というのを友人たちと一緒にディスカッションやったんですね。そのときの議事録というかレポートを僕もらったんですけども、本当に課題がたくさんありまして、観光客を増やすのどうするのとか、公園の整備どうするのとか、今まで造った箱物の維持どうするんですかとか、飲食店、今それほどお客さん来ていないけど何とか増やさなきゃいけない、治安の維持はどうするのとか、災害時の対応は何とかしたいなと、これ課題いっぱい出てきたんですね。
 じゃ、これやろうと思ったら知恵を出し合って政策立てられるわけなんです。ところが、なぜできないか、これだけの課題出ると、お金がないからです。となったら、歳入を増やしたらいいんじゃないのというふうな話を実はさせていただいたんですけども、そのための歳入、例えばこれを全部実現しようと思ったら、1年とは言いませんけど、2年、3年の税収が、実現した場合の税収でできるのではないかなというふうに実は思っております。
 そこで、どのように解釈したらいいのかよく分からなかったので、事業者に来てくださいという意思があるかどうか、明確にお答えください。
○副議長(秋月史成君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 先ほどからいろいろ述べていただいているんですけど、議員おっしゃるような、いわゆる打ち出の小づちというのは、僕はないと思っているんですね。そんなに簡単に、投資があるから、じゃあ、もうこんなに税収が増えるよねと、そういうものではないと思っています。もちろんそういう可能性は大分秘めていますから、非常に魅力のあるものだと僕は思っているし、そういう投資案件があるならば、ぜひお話を持ってきてくださいということは言っていますし、そのとおりなんですけれども、ただ、本当に懸念もございますし、いわゆる打ち出の小づち的というふうに聞こえてしまうので、ぜひ和歌山県としては一生懸命地道なことを考えて、地に足のついた施策をしっかりとやっていくつもりでありますので、そういったことも認識をしていただけたらなというふうに思います。
○副議長(秋月史成君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 お答えいただきありがとうございます。
 時間も迫ってきたので1点だけ、県の総合計画の54ページに、4月からたしか総合計画施行されるんではないかなと思うんですが、「特定複合観光施設の誘致については、国の動向」、国の動向は再募集するということが決まりました。多分要望書なんかも来ていると思うんですけども、県民の意見もあります。それを踏まえて、その是非を含めて検討しなきゃならないんですね、これ、もうすぐ。でも、もうすぐだったら結構遅くなっちゃうと思いますので、ぜひ事業者に来ていただくという今意向を示していただいたと認識したので、ぜひ呼びかけを含めて、前向きにというんでしょうか、進めてもらえるようにお願いして、4問目に移りたいと思います。
 和歌山県が投資を呼び込む県でありたいということは、今、いろんな表現、知事していただきましたが、共通認識だと僕は思っております。これを市場に示すため、今後打ち出す具体的な政策というのをやっぱり示すべきだというふうに思うんですね。仮にIRという大型投資を起こさず、かつ、GX、AI等の成長産業集積も十分に進まない場合、これ別にネガティブに言っているわけじゃないんですが、本県が今後人口減少を反転させ、若者雇用を拡大し、県財政を持続的に強化できる実効性のある代替成長戦略は存在するのでしょうか。存在するとお考えであれば、時期であるとか投資規模であるとか雇用数、税収効果を含め、定量的根拠をもって示していただきたいと思います。これ以上の抽象論では、和歌山県の将来利益は守れないと思います。
 本県財政は、基金取崩し依存、将来枯渇見通し、金利上昇リスクという構造的問題を抱えています。この状況下で、成長投資戦略なき財政運営は持続不可能だと思います。和歌山県が今問われているのは、挑戦する地方自治体であり続けるのか、それとも現状維持にとどまるのかという歴史的な分岐点だと思います。言い方を変えるなら、和歌山県が挑戦する県として評価されるのか、果たして機会を見送る県として見られるのか、その分水嶺に今立っていると思いますので、知事の明確で責任ある答弁をお願いいたします。
○副議長(秋月史成君) 知事。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事(宮﨑 泉君) 大型の民間投資案件につきましては、本県の地域特性や地理的な条件を踏まえ、積極果敢に誘致活動を展開しているところであります。具体的には、新総合計画等でお示しをしているロケット・宇宙産業やGX関連産業などの成長分野における企業集積のほか、高付加価値旅行者等を誘客するための高級宿泊施設の立地などでございます。議員が懸念されているとおり、仮にこうした取組がうまく進んだ場合でも、一企業体の誘致によってIRに匹敵する事業効果が得られる案件の成立というのは非常に難しいというふうに思います。しかしながら、関連産業の集積を進め、裾野を拡大していくということで、大きな事業効果が期待できるものと考えまして、戦略的に取組を進めているところであります。
 また、事業実現の時期や投資規模等の事業効果の算定につきましては、一企業体の誘致によって実現するIRは比較的見込みが立てやすいですよね。それに対しまして、複数の投資案件の積み重ねによって段階的に事業効果を広げていく産業集積戦略の場合は、将来的な広がりが未知数でありますし、相手方もあるということもあります。そのために、現時点においては、事業効果の全体像をお示しすることは困難であります。
 なお、IRにつきましては、先ほどお答えしたとおり、現時点において誘致の是非を判断はしておりませんけれども、そもそも和歌山県は、民間投資を積極的に呼び込む県としてこれまでも取り組んできたつもりでありますし、これからもその考えに変わりはございません。
○副議長(秋月史成君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 知事、ありがとうございます。
 今回、和歌山県が成長し続ける県であるか、あるいは市場から評価される県であるかという是非を問う質疑をさせていただきまして、やっぱり県が成長戦略を描いていただいておりますので、GXもDXも洋上も宇宙産業も全て本当に実現させていただきたいなというふうに思いますし、これはIRも含めて、知事のリーダーシップに強く期待をして、一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございます。(拍手)
○副議長(秋月史成君) 以上で、片桐章浩君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 1番高田英亮君。
  〔高田英亮君、登壇〕(拍手)
○高田英亮君 皆さん、こんにちは。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を始めたいと思います。
 まず、和歌山電鐵貴志川線の魅力向上についてであります。
 昨年11月に、和歌山電鐵貴志川線の存続のために、公設民営による上下分離方式での運行を目指すことが発表されました。思い起こせば、沿線人口の減少に伴う乗客数の減少などによって、一時は廃線も危ぶまれたことがありましたが、平成18年に岡山の両備グループが南海電鉄から運行を引き継ぎ、新しく和歌山電鐵貴志川線として生まれ変わりました。その後、日本一心豊かなローカル線を目指し、三毛猫のたま駅長やいちご電車、おもちゃ電車、たま電車といった独創的な取組で、全国的、世界的な注目を集め、国内外から多くの観光客が訪れることになりました。
 さらに、地元を中心とした貴志川線の未来を“つくる”会の皆さんが「乗って残そう」を合い言葉に、地域を巻き込んだ利用促進に取り組んでいただいたかいもあって、移管前の平成17年には190万人台まで落ち込んでいた年間の利用者も、平成27年度には230万人を超えるまで回復しました。ただ、コロナ禍以降は利用客の低迷や物価高騰によって収益が悪化し、さらに、施設の老朽化で修繕費用も今後かさんでくるということで、また存続が危ぶまれることにならないかと心配していたところです。しかし、このたびの上下分離方式への移行によって、12月議会の坂本議員の質問に対する知事の御答弁にもありましたように、行政が鉄道施設を保有、管理することで、鉄道事業者は運行に専念することができ、利用者の利便性の向上や沿線地域の活性化につながることが期待されるとのことです。合意を決断された関係の皆様には敬意を表する次第です。
 今回の質問では、新しい段階に入った貴志川線に、より多くの人に乗ってもらえるよう、利便性の向上や魅力の向上に向けた取組について幾つかを当局にお尋ねしていきたいと思います。
 一つ目の質問は、駅のトイレの整備についてであります。
 駅のきれいで快適なトイレは、通学や通勤で利用する人はもとより、遠方からの観光客にとっても、心地よく旅を楽しんでもらい、また訪問したいと思ってもらうために大切な設備だと思います。ただ、貴志川線においては、全14駅中、トイレのある駅は9駅に対し、トイレのない駅が5駅であり、さらに、トイレがあっても水洗でない駅が5駅となっています。今後、駅の利便性を高めて、多くの人に貴志川線に乗ってみたいと思われるようにするためには、ぜひとも各駅に快適できれいなトイレを整備していく必要があると思います。
 そこで、お尋ねします。
 上下分離方式では、行政が線路や駅舎などの鉄道施設を保有し、維持管理していくことになると思いますが、駅のトイレの整備に対する県の考え方はどうでしょうか、地域振興部長にお伺いいたします。
○副議長(秋月史成君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 地域振興部長赤坂武彦君。
  〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興部長(赤坂武彦君) 貴志川線につきましては、現在、令和7年11月に取り交わした合意に基づき、令和10年4月からの上下分離方式への移行を目指し、和歌山電鐵、和歌山市、紀の川市及び県において、施設の所有や管理体制などについて協議を行っているところです。議員御指摘の貴志川線のトイレ整備については、駅の利便性向上を図る上で大切なことであると考えており、利用者の実態を見ながら、関係者間で協議してまいります。
○副議長(秋月史成君) 高田英亮君。
  〔高田英亮君、登壇〕
○高田英亮君 御答弁ありがとうございました。
 上下分離方式への移行を目指し、施設の在り方について協議を行い、今後詳細を決めていかれると思いますが、その中で、利用者の利便性の向上のため、ぜひ快適できれいなトイレの整備を進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 次に、沿線の魅力づくりについて、特に終着駅の貴志駅を中心にお伺いしたいと思います。
 平成19年に三毛猫のたまが猫の駅長に就任して以来、貴志駅には、一目見ようと県内外や海外から多くの人が訪れ、猫の顔をモチーフにしたユニークな檜皮葺の駅舎内にあるたまカフェやたまショップでは、ドリンクやスイーツを楽しみ、オリジナルの猫グッズを購入する観光客でにぎわっております。先日の2月22日には猫の日ということで、貴志駅においてにゃんにゃんにゃんの日のイベントが行われました。駅長のよんたま、伊太祈曽駅長のごたま、それに、ふく駅長のろくたまが勢ぞろいで、多くのファンが集う中、ろくたまのキャラクターがお披露目されるなど、大変な盛り上がりでした。
 ただ、大勢の観光客が駅長を目当てに貴志駅に来てくれますが、駅舎やカフェで満足してそのまま帰ってしまい、なかなか駅から周辺にまで足を延ばす人は少なく、滞在時間が短いという課題があると思います。貴志駅周辺には、野鳥観察のスポットやイルミネーションで有名な平池緑地公園やイチゴ狩り、少し離れていますが、桃で有名な桃源郷など、観光資源が豊富です。駅という点にとどまらず、周辺の地域の観光資源を生かした魅力づくりを進めることで、面として誘客を図ることができれば、全体として貴志川線の集客の増加につながり、地域の活性化にも役立つと思います。
 そこで、お尋ねします。
 貴志駅への観光客を周辺エリアに誘客するために、県としてどう取り組んでいくのか、地域振興部長、御答弁よろしくお願いします。
○副議長(秋月史成君) 地域振興部長赤坂武彦君。
  〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興部長(赤坂武彦君) 貴志川線は、地域の方々が通勤、通学などに利用する地域交通としての役割だけでなく、観光振興にとっても重要な路線であると考えております。そのため、県では、和歌山市、紀の川市と共に沿線地域の魅力向上に取り組んでいるところであり、貴志駅周辺においては、フルーツの収穫体験や観光レンタサイクルなどによる誘客を行っているところです。
 上下分離への移行後は、鉄道事業者には、民間の発想による地域資源を活用した観光コンテンツの充実や沿線のまちづくりへの寄与を期待しているところであり、県としても、地域一体となって貴志川線沿線の魅力向上に取り組んでまいります。
○副議長(秋月史成君) 高田英亮君。
  〔高田英亮君、登壇〕
○高田英亮君 御答弁ありがとうございました。
 上下分離方式への移行によって、鉄道事業者は運行に専念でき、民間の発想によって沿線の活性化が進められることが期待されます。県におかれましても、現在の取組に加え、沿線の魅力が向上し、貴志川線の乗客が増えるよう、一層の御尽力をよろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に移ります。
 高等支援学校の設置についてであります。高等支援学校については、今議会でも、鈴木議員、奥村議員も質問されたところではありますが、私から、地元の貴志川高校との併設の意義についてお尋ねしたいと思います。
 先日、文教委員会の県外調査で、委員のほか、教育長をはじめ教育委員会、議会事務局の皆さんと、札幌市にある市立札幌みなみの杜高等支援学校を視察してまいりました。同校は、軽度の知的障害がある生徒を対象に、卒業後、職業的に自立して社会参加ができるよう、実習を中心とした職業教育を実施しています。開校は平成29年で、令和7年4月現在、3学年で計156名の生徒が在籍しておりました。
 特徴としては、生徒の特性や将来の就労希望に柔軟に対応するため、道内で初となる普通科職業コース制を取り入れており、生徒は入学後1学年目に、生産、サービス、営業の3部門7職業コースの作業を全て経験した上で、2学年以降、自分に合ったコースを選び、そこでプロの外部講師から技術を学ぶとともに、地元企業の協力を得て、インターンシップを通じて実習を重ねていくとのことです。また、学内にカフェを設置し、その運営を通して接客や応対などの実践的な能力を身につけるとともに、地域の人との交流を積極的に行っています。
 視察では、ホテルの人を招いて接客のマナーを学ぶ授業を見させていただきましたが、どの生徒も講師の説明に熱心に聞き入っており、真摯に取り組む姿勢に感銘を受けました。高等支援学校のよさは、社会での自立と就職に特化した手厚くきめ細かなサポートにあると言われますが、今回の視察で、本県においても障害のある子供たちの社会的、職業的な自立のためにこのような学校があればとの思いを強く持ったところでございます。
 こうした中、来年度当初予算案において、県内初となる高等支援学校の開校準備を貴志川高校の敷地内で進めることが発表されました。私は、高等支援学校の貴志川高校への併設は、貴志川高校の活性化にもつながり、地域にとっても非常に有意義なことだと考え、大変期待をしております。
 貴志川高校では、毎回100人を超える生徒による地域清掃活動や地元保育所の子供たちと一緒にチューリップの苗を植える「花いっぱい運動」など、地域とのつながりを大切にした取組が進められています。ほかにも、貴志川高校の吹奏楽部の生徒たちによる「音楽のあふれるまち・きし川」をつくる会の人たちと一緒に開催する演奏会や和歌山県警察音楽隊との合同演奏会など、音楽を通して、地域とのつながりを大切にしたイベントなども開催されています。
 また、先日、生徒たちが地域の課題に向き合い、活動する課題探求という授業の学習発表会があり、私も参加してきました。生徒たちは、1年間、地域の方の力を借りながら取り組んできた研究成果を、出席された約50名の地域の皆さんを前に、分かりやすく立派に発表しておりました。その後の交流会では、パンの試食やしおり作り、段ボールの空気砲、静電気実験など、体験ブースが設けられ、生徒と地域の方との世代を超えた交流の輪が広がり、体育館は笑顔とにぎやかな声にあふれておりました。
 この2日には、貴志川高校の卒業式と人間科学科の閉科式が行われました。同科は、ふるさと学習や社会貢献を特徴とする専門教育を行い、地域の皆さんと一緒になって地域の課題に取り組んできました。27年にわたって約1000人の卒業生を送り出してきた人間科学科の閉科は本当に残念ですが、これからも地域と共にある学校である貴志川高校での学びを生かし、卒業生の皆さんには、ぜひ地域の発展を支える人材として、様々な分野で活躍されることを強く願っております。このように、地域とのつながりを大切にした教育こそが、貴志川高校の大きな強みだと私は感じております。
 そこで、お尋ねします。
 これから検討される高等支援学校の取組が貴志川高校のこうした取組と一緒になることで、両校がさらに充実、発展するのではと期待しているところですが、教育長のお考えはどのようなものでしょうか、答弁をよろしくお願いします。
○副議長(秋月史成君) 教育長今西宏行君。
  〔今西宏行君、登壇〕
○教育長(今西宏行君) 貴志川高校ではこれまでも、生徒が地域に出て地域の課題と向き合う探求学習を行うなど、地域に根差した教育活動を実践しています。こうした活動は生徒を大きく成長させるとともに、地域の活性化や地域を担う人材育成にも寄与すると考えます。高等支援学校では、貴志川高校との共同学習の機会の創出など、高校生同士が共に学び合うインクルーシブな教育環境の実現を目指すとともに、産業現場等における実習の機会など、生徒が地域に出て行う教育活動を積極的に取り入れてまいります。両校の生徒が交流し合い、共に地域に出て学ぶことによって、1校だけでは得られない大きな教育効果が生まれます。こうした取組を通して、地域に愛され、地域と共にある学校づくりの実現につなげてまいります。
○副議長(秋月史成君) 高田英亮君。
  〔高田英亮君、登壇〕
○高田英亮君 御答弁ありがとうございました。
 貴志川高校への高等支援学校の併設によって、両校の生徒が共に学び合うことで、個性や多様性を認め合う豊かな心が育まれることが期待されます。また、貴志川高校は、人とのつながりを大切にした学校づくりを進めており、併設により、お互い認め合い、支え合う教育が深まることと思います。さらに、生徒が増えることで、より一層地域のにぎわいにつながることが期待できます。開校に向け、鋭意取り組まれますようお願いをしておきます。
 それでは、最後の質問としまして、子供の体験活動についてであります。
 私は、長年、子供の健全育成に取り組んできました。先日も、地元の地区の小学生を対象にした集いを催し、20人を超える子供が参加してくれました。マジックショーに驚き、腹話術に笑い、ビンゴゲームに熱中する子供たちの明るくはつらつとした姿を見て元気をもらうとともに、今後の健やかな成長を心から願わずにはいられませんでした。私は、毎朝、交差点で登校の見守りをしておりますが、次の日、子供たちが口々に「楽しかったよ」、「またやってね」と声をかけてくれ、本当に満足そうな様子でした。子供たちが集団で遊ぶことには、単なる楽しさを超えて、将来、社会で生きていくための土台となる生きる力を育むという意義があると思います。そのためにも、体験活動の機会を確保することは、子供の健全育成において重要だと考えます。
 体験活動には、キャンプ、ハイキング、登山や星空観察など、自然の中で行うものや、米作りや農業体験、工作やミュージカルの体験など、生活や文化に関わるものなど、多岐にわたっていますが、いずれも日常とは違う環境の中で、友達と一緒になって一つのことに取り組み、何かをやり遂げた達成感や新しい発見や感動など、心を動かす体験を積み重ねることで、豊かな感性を育んでいくものです。
 私も、体験活動として3年ほど前に地元の子供たちを、広川町の白木海岸に化石発掘に連れていったことがあります。自然博物館の学芸員の指導の下、慣れないタガネとハンマーで、何度も一生懸命石を割って、お目当ての恐竜の化石こそ見つかりませんでしたが、貝や木の葉の化石を手に入れることができました。感想を聞いてみると、「石を割るたびに化石が出るかどきどきしてとても楽しかった」、「小さな化石でも、見つけたときはうれしくて達成感があった」、「昔の生き物が存在していたことが実感できた」と、どの子も興奮を隠し切れず、本当に楽しい体験となりました。
 また、地域の青少年育成の事業で、県の青少年の家で野外活動を行ったこともあります。野外ゲームで野原を夢中になって駆け回ったり、みんなでわいわいと晩御飯のカレーを作ったり、夜、キャンプファイアを囲んで過ごしたり、僅か1泊2日ですが、自然の中でみんなと一緒になって取り組んだ楽しい思い出は、いつまでも子供たちの心に残ることだろうと思います。今後も、青少年の家のような自然を満喫できる場を活用しながら、子供たちに体験の機会を与えていければと思います。
 このように、体験活動は、仲間との活動を通じて、自ら学び、考える力や他者との関わりなどを身につけることができ、子供の成長にとって重要なものだと思います。しかし、最近では、子供の数が減っている上に、テレビゲームやスマートフォンなど、1人で家の中で遊ぶ機会が増えて、みんなと一緒になって体験活動を行う機会や場が減ってきているのではないかと危惧しております。
 そこで、お尋ねします。
 様々な自然や文化を体験し、いろんな世代や地域の子供たちが交流できる体験活動の推進について、県の考え方や取組状況を共生社会推進部長、お答えください。
○副議長(秋月史成君) 共生社会推進部長島本由美君。
  〔島本由美君、登壇〕
○共生社会推進部長(島本由美君) 議員御発言のとおり、自然体験や社会体験活動、異世代間や地域間の交流などの体験活動は、様々な学びや社会で生き抜く力を得る上で、非常に重要であると考えております。県としましては、多様な体験や遊びができるよう、青少年教育施設や社会教育施設を通じて、体験の場を確保してきたところです。加えて、地域において子供の体験の機会が減少しているという近年の状況を踏まえ、子供の育成を担う団体が実施する体験活動事業に対し、支援を行っております。これにより、今年度は、異なる世代を交え、雪遊びなどの自然体験や古民家での宿泊体験といった、非日常的な体験の機会を創出しました。また、和歌山県青少年育成協会とも連携し、子供たちが気軽に立ち寄れる居場所でも様々な体験ができるよう、支援を行っております。
 今後も、次代を担う全ての子供たちが多様な体験を享受できるよう、体験活動の充実に取り組んでまいります。
○副議長(秋月史成君) 高田英亮君。
  〔高田英亮君、登壇〕
○高田英亮君 ありがとうございました。
 県においても、子供たちの体験活動の推進について、いろいろと御尽力いただいている旨の御答弁をいただきました。
 体験活動は、ふだんの生活で味わえない自然の中で五感を働かせ、共同作業を行うことで、教室では学べない、本当の生きる力を身につけることができます。子供たちの成長の点で非常に大切なものだと思いますので、県におかれましても、より一層の充実をお願いするとともに、私も取り組んでいきたいと思います。
 これで、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(秋月史成君) 以上で、高田英亮君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は、3月9日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時24分散会

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