令和6年2月和歌山県議会防災・国土強靱化対策特別委員会会議記録


令和6年2月和歌山県議会防災・国土強靱化対策特別委員会会議記録

 

1 日時  令和6年3月6日(水) 午後2時24分~午後3時18分

2 場所  予算・決算特別委員会室

3 出席者 委員長   尾崎要二

      副委員長  堀 龍雄

      委員    坂本佳隆、井出益弘、高田英亮、 玉木久登、鈴木太雄、冨安民浩、中村裕一、長坂隆司、中尾友紀

      欠席委員  なし

      委員外議員 なし      

4 概要

   午後2時24分開会

    ●尾崎委員長

     ◎開会宣告

     ◎報告事項 委員の欠席なし

     ◎傍聴協議 なし

     ◎撮影許可 3件

     ◎議事   能登半島地震における和歌山県の対応等、令和5年6月台風第2号に伴う被害からの復旧・復興

           のその後の状況等に係る説明要請 

    ●福田危機管理監、片家災害対策課長、藤戸防災企画課長、鈴置河川課長、川尾農林水産総務課長及び末松福祉保健総務課長説明

    ●尾崎委員長

     ◎説明に対する質疑等宣告

  

  

  Q 中尾委員 

   去年の線状降水帯の被害で、和歌山市内では、亀の川の羽鳥橋で溢水があったが、その対応について教えてほしい。

 

  A 鈴置河川課長

   亀の川については、河川整備計画に基づき下流から順次整備を進めている。このことについては、引き続き早期完成に

  向け進めており、河川整備計画の点検を現在行っているため、その結果も踏まえ、必要に応じて河川整備計画を変更し、

  対応していきたいと考えている。

 

  Q 中尾委員

   具体的に掘削であったり、護岸を強化することなど、そのあたりはどうなのか。

 

  A 鈴置河川課長

   亀の川については、羽鳥橋から下流のあたりは、ある程度川幅があるので、基本的には土砂掘削という形になると思うが、

  そのあたりについても、河川整備計画の点検等を踏まえて考えていきたい。

 

  Q 中尾委員

   和田川の坂田橋から西側にかけて、道路にクラックが入り、河川の堤防自体に少しずれが生じているような状態になっており、

  11月ぐらいには工事に入るということを聞いたが、まだ工事が実施されていないがどのような状態か。

  A 鈴置河川課長

   いま手元の資料で確認できるものがないため、別途説明させてもらう。

 

  Q 中尾委員

   和歌山市の田ノ浦で積み石が崩れ、今ブルーシートを張っている状態になっている。危険を回避できるように要望も出しているが、

  こちらの進捗状況を教えてほしい。

 

  A 森川砂防課長

   漁港の集落排水などと調整する部分があり、非常に難しい対応を迫られている。今結論を話しすることができないため、

   また説明させてもらう。

 

  要望 中尾委員 

   去年6月の線状降水帯、1月早々からの石川県の地震があり、本当に今何が起こるかわからない状況である。

  しっかり傷が浅いうちに手だてをすれば、それだけ復旧の予算も少なくて済むという観点から是非とも今実施してほしい。

 

  Q  中村委員 

   知事の提案説明の中にも「リエゾン」という言葉が出てきたが、私は今まで聞いたことがなかった。連絡要員とか救急要員といった

  日本語であれば誰でも分かるのに、なぜこのような言葉を使うのか。また、連絡要員で行っても地名が分からないのに仕事ができてい

  るのか。

 

  A 片家災害対策課長

   「リエゾン」の用語の定義については、持ち合わせがないため、後で委員に報告させてもらう。次に「リエゾン」の業務は、

  市町村に入っての被害状況等の聴取、避難所等の状況の調査、情報収集である。そういう意味で、地名等について知識を持っているに

  越したことはないが、ない場合でも市町村と連携を取りながら業務を進めていく。

 

  意見  中村委員

   能登半島地震で亡くなられた方の検案について、県立医大からも、法医学教室の近藤先生が現地に行かれたようだが、

  資料に載っていなかった。こういった業務があるというのを資料に載せておいてほしい。

 

  Q  中村委員

   近藤先生から、能登へ行く高速道路が寸断されていたと聞いた。和歌山県の命の道である紀伊半島一周を早く進めてほしいと思うが、

  道路ができても寸断されることはあるのか。国道ではなく、規格の高い高速道路を造るわけだが、大丈夫なのか。点検をするとか、

  規格を見直すとか難しい話だが、寸断されたときにどうするのかを考えないといけない。国でやる部分もあると思うが、分かる範囲で

  教えてほしい。

 

  A 市川道路政策課長

   紀伊半島一周道路については、国土交通省で整備されている。高速道路は、耐震等の技術基準に基づいて整備されているが、

  今回想定以上と思われるような地震があったが、そうして寸断されたときにも、すぐに復旧できる体制が整っていると聞いている。

  県としても、国に対して、防災体制の構築と災害に強い高速道路整備について引き続き強く働きかけたい。

 

  Q  中村委員

   被災者生活再建支援制度を創設すると説明があったが、来年度から開始となるのか。また、既に公表されているのか。

 

  A 末松福祉保健総務課長

   県の令和6年度予算の重点施策において公表しており、令和6年度からの運用開始を考えている。予算については、

  災害の規模も様々であるため、補正予算でお願いしたいと考えている。

 

  Q  中村委員

   この3月に災害が起こった場合は対象とならないのか。

 

  A 末松福祉保健総務課長

   現時点では令和6年度から開始と考えている。

 

  Q  玉木委員 

   今回の能登半島の地震において2か月も経つが断水が続いているというニュースをよく耳にする。この要因はわかっているのか。

 

  A 安宅食品・生活衛生課長

   はっきりと把握しているわけではないが、今回直下型地震ということで、道路がジグザクになってしまい、その関係で破損した管が

  多いのではないかと考えている。

 

  Q  玉木委員

   災害のときには災害復旧という国費が出ると思うが、災害に遭う前に未然に防ぐということで、国土強靱化の5か年の加速化や、

  防災・減災対策強化事業推進費などがあると思うが、この制度の中で、例えば河川などを直していくなかで、こういう制度があった

  らよいとか、これがなかなか当てはまらないというようなことはないのか。

   例えば堤防を強化するというときに、この国費はこういうところでなかなか使いにくくてよいのがないと、振興局で言われた。

  予算がないのではなく、当てはまる制度がなかなかない。

   例えば低水護岸が長年壊れていて、それはもう矢板をやり変えないといけない工事である。状態を見る限り、崩れていくのが

  毎年のようにだんだん広がっているが、国費を充てていこうとすると、良い制度がなかなかなく、予算規模も少し大きくなるので

  難しいといったことを聞いたことがないか。

 

  A 鈴置河川課長

   まさに河川課もそのあたりを悩んでいるところであり、実は政府提案で矢板護岸を、いわゆる河川修繕のかたちでできるような

  補助金事業や交付金事業を創設してもらえないかという提案を続けている。

 

  Q  玉木委員

   農地災害復旧事業において、園地の被災規模により復旧限度額を超える場合があり、超過した額は農家の負担となるため復旧を

  諦める園地もある。

   また、被災が小規模で、国の災害復旧事業の対象とならない園地もある。国の災害復旧事業の対象とならない災害の把握が重要

  と考えるが、県で国の災害復旧事業以外の事業費について把握しているか。

 

  A 箕澤農業農村整備課長

   災害復旧事業の査定はすでに完了し査定結果については、把握している。

   しかし、小規模の災害や、復旧限度額を超えるような事業費の把握については、現在調査中となっている。

   詳細がまとまり次第報告させてもらう。

 

  Q  鈴木委員

   石川県の震災で亡くなられた方の約9割近くの方が家屋の倒壊によるものと聞いている。和歌山県においても石川県の能登半島

  と同じような特性を持っていて、大規模地震が発生したときには本県においてもこれらの課題が発生することが見込まれると説明

  を受けた。この中で、公共施設も大事だが、まずは、命を守ることを考えているとは思うが、その点についてのコメントが必要では

  ないかと考える。発生したのが正月だったので家におられたと思うのだが、そうなると家屋の耐震というのが石川県では重要であった。

  和歌山県が、石川県と同様の地震を受けた際に何よりもまず家屋の倒壊を防ぐ、ということを今以上に政策として掲げる必要がある

  のではないか。もっと呼び水になるような制度を考える必要があるのではないか。県も耐震診断等で頑張っているが、各市町に

  おいても動いているところもあると思われるため、そこを助ける制度がいいのか、それとも県独自の制度がいいのか、いろいろな

  考え方はあると思うが、まずは家屋の倒壊を防ぐことで何よりも命を守ることを、まずは最優先として捉える政策を考えてほしい。

 

  A 前山建築住宅課長 

   住宅の耐震化については、かねてから命を守る補強として長期総合計画に重点事業として位置付けて取り組んでおり、次回の

  長期総合計画の中でも改めて委員の指摘も含めて取り組んでいきたい。また、今まさに委員の指摘のような、どういったことが

  考えられるのか、ということについて関係団体、各市町と検討会を立ち上げ、検討を開始したところであり、その点も含め方法

  を検討していきたい。

 

  A 藤戸防災企画課長

   まず命を助けるということの重要性は十分認識しており、紀伊半島大水害や東日本大震災以降、命を守ることを最優先に、家屋の

  倒壊はもちろん、津波の避難に対しても重点的に対策してきた。公助にも限界があるかと思うので、公助の支援と併せて県民の方へ

  の啓発も改めてしっかりとやっていきたい。

 

  要望 鈴木委員

   家で被災したときには、まずは怪我をしないように家で身を守り、その後津波から逃げることになる。十分理解していると思うが、

  ぜひよろしくお願いしたい。

 

  Q  中尾委員

   地震・津波観測監視システムの概要について教えてほしい。

 

  A 藤戸防災企画課長

   紀伊半島の串本沖から四国の徳島沖に観測点を設けており、海底に震度と合わせて水圧で波を検知することができる観測網を張り

  巡らしている。波を検知したら津波が来るか予測していち早く情報を入手する仕組み。国の防災科学技術研究所で開発されたものを、

  県で活用し、津波の予報という形で対応している。

 

  Q  中尾委員

   既に運用されているシステムか。

 

  A 藤戸防災企画課長

   既に運用されている。

 

  Q  中尾委員

   DОNETで県民にどういったメリットがあるか、予算も計上されているので詳しく説明してほしい。

 

  A 藤戸防災企画課長

   県では津波観測予報システムを構築しており、津波が発生した場合のいろいろなパターンをシミュレーションしている。津波発生時、

  一番近いパターンで、どの地域で何メートルくらいの津波が来るか予報する仕組み。そのDОNETの情報を感知したら市町村や

  消防本部に予報という形で情報提供する。その情報に基づき、防災行政無線や緊急メールにより県民に情報が伝えられる。周知不足の

  部分があれば、一所懸命周知に努めていきたい。

 

  Q  中尾委員

   県として市町村や県民に対して情報を発信できるのか。

 

  A 藤戸防災企画課長

   システムで検知すると市町村や消防本部に情報を発信する仕組みになっている。

 

  Q  中尾委員

   気象庁に一回情報を上げて、気象庁から情報が発信されるのか。それとも、和歌山県として市町村や住民に情報を発信するのか。

 

  A 藤戸防災企画課長

   和歌山県として津波予報についての許可を得ており、和歌山県として情報を発信することになる。

 

  Q  冨安委員 

   知事も本会議でも言っていたスクラップ&ビルドという財政規律はもちろん大事だが、そちらのほうへシフトし過ぎて、命を亡くす

  ということになれば、何のための財政かということになる。能登半島の地震・津波を見て、やはり防災対策はビルド&ビルドであるべき

  だと思う。危機管理監の考えはどうか。

 

  A 福田危機管理監

   私自身も、そういう姿勢で臨みたいと考えている。しかし、時代が変わってきており、やり方が古くなったものは、新たなやり方に

  見直すことは必要だと思っている。また、県内は小規模な市町村が多いので、例えば避難所生活などの対策は、市町村が中心となって

  いるが、県としては、しっかりサポートして、防災対策や資質の向上をしていきたいと考えている。

 

    ●尾崎委員長

   各委員の質問を聞き、また当局の答弁を聞いていると、やはり今回の地震は大変であり、こちらで起こったら、どのように対応していく

  のか。第一義的には、それぞれの部署で最大限アンテナを高くして、やるべきことを着実にやっていくということが大事ではないかと思う。

  また、市町村は市町村で、それぞれできる範囲のことを一生懸命考えてもらう。そして、民間の協力をいかにして得て、災害が発生する前

  の備えをどうするかということも、これからに課せられた一つの大きな課題である。そして、発生直後からどうするのかということも課題

  である。今回、交通インフラから始まり、ほとんどの水道や電気が被害を受けた。消防車も駆けつけられない、救急車も行けないというよ

  うな今回のこの状況など色々なことを参考として、我々は対応していかねばならないと思う。議会もその思いを強く持って皆さんに話をさ

  せてもらう。 

   一番は交通インフラで、例えば、道路では、市町村の道路は市町村で、できるだけ整備点検をしてもらう、老朽化したものは直していく

  というような努力をしなければならない。ほとんどの高速道路、直轄国道以外の全ての主要インフラの道路は、県がやらねばならないとい

  う中で、未だ道半ばという形であるので、財政も厳しい状況ではあろうと思うが、各委員に提案したいのは、正副の委員長で、今回の事を

  基にして、当局として大事な措置を、きちんと進めるべきだという申し入れをしたいと思うが、いかがか。

   [「異議なし」の声]

 

    ●尾崎委員長

   全員の賛成をもらったので、お互いに危機感を持ってこれからも臨んでいきたいと思う。

 

    ●尾崎委員長

     ◎説明に対する質疑等終了宣告

     ◎閉会宣告

   午後3時18分閉会

 

 

 

 

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