令和5年9月和歌山県議会建設委員会会議記録


令和5年9月和歌山県議会建設委員会会議記録

 

1 日時   令和5年9月25日(月)午前10時0分~午前11時55分

2 場所   第5委員会室

3 出席者  委員長   玄素彰人

      副委員長  北山慎一

      委員    高田英亮、鈴木太雄、吉井和視、中村裕一、片桐章浩

      欠席委員  なし

      委員外議員 なし

4 概要

   午前10時0分開会
    ●玄素委員長
     ◎開会宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし
     ◎傍聴協議 なし
     ◎撮影許可 3件
     ◎議事   議案5件継続審査を要する所管事務調査5件
     ◎県土整備部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●福本県土整備部長説明
    ●玄素委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

    

  Q 片桐委員
   橋の老朽化対策だが、橋の点検、橋脚の点検は毎年実施していると思うが、本年度も実施しているか。点検と補修の状況

  を聞きたいのと、補修に必要な予算について、本年度も確保できているか。

  A 上柏道路保全課長
   橋梁の老朽化対策については、平成25年の道路法改正を受けて、平成26年度から5年に1度の点検が義務化され、近接

  目視による点検を実施しており、その点検の結果、早期に対策を行う必要があるとされた場合には、損傷に応じた補修を行

  っているところである。また、平成26年度から平成30年度に1巡目の点検を実施し、令和元年度からは2巡目の点検を実

  施中である。点検結果に基づき計画的な修繕を実施している。これら、点検、補修に必要な費用については、国の補助金を

  含め予算確保に努めている。

  要望 片桐委員
   昨今の大雨とか巨大台風で河川の近くの方々が不安に思っていることもあるので、点検とか早期補修に努めていただきた

  い。

 

  Q 片桐委員
   部長から説明のあった県道長井古座線八郎山トンネルの件について、お聞かせいただきたい。今、検証作業を進めてくれ

  ているが、進捗状況とどんな議論がなされているのか、まずお聞かせいただきたい。

  A 鈴木道路建設課長
   今回、八郎山で起きた一連の事象については、不良工事となった原因究明やその対策工法等について調査、検討を進めて

  いるところである。我々発注者としても現場管理や完成検査のあり方等について、不備がなかったか一つひとつ検証を行っ

  ている。淺川組に対しても、現在、会社内で施工管理と品質管理等の問題を総括し、再発防止に努めるよう指示している。

  Q 片桐委員
   今の説明だと分かりにくい。今、我々に公開されているのが、この記者発表した資料、それと検討委員会へ提出された検

  討資料のみ。委員会にあたって幾つか調べようとしたが、なかなか難しかった。できれば技術検討委員会のこの議事録がま

  だ公開されていないが、この審議に必要だと思うので委員会への提出をお願いしたいと思うが、委員長どうか。

    ●玄素委員長
   部長、議事録は出しても大丈夫か。

  A 福本県土整備部長
   議事録については、議事概要をホームページに公開することを技術検討委員会の規約の中で、議事録ではなくて議事要旨

  を公表することとなっている。それについては、先週、各委員の確認が終わったので、早急にホームページに公開すること

  となっている。今日、その前であるが、今からお配りしようと思うがよろしいか。

    ●玄素委員長
   はい。どうぞお配りください。この概要でよいか、片桐委員。

  Q 片桐委員
   これに付随して技術検討委員会が、なぜマスコミに対して冒頭部分だけの公開だったのかということと、これだけだった

  ら議論された内容や時間が分からない。1時間半をコンパクトにまとめてくれて分かりやすいが、議論の内容がこれだけで

  は分かりにくい。できればフルスケールである程度出してもらいたい。語句の確認をしていると聞いていたが、ある程度や

  りとりを示してくれると思ったが、まとめてくれすぎてちょっと分かりにくいところがある。この議論された内容を説明し

  ていただきたい。

  A 鈴木道路建設課長
   まず、冒頭だけの公開については、委員会では自由で率直な意見交換を行うため、非公開で行っている。詳細な議事につ

  いては、この議事要旨を読み上げさせてもらう。

  Q 玄素委員長
   読み上げなくてよい。要旨はこれで分かった。我々、調査する立場であるから、一般の方には、それは非公開っていうこ

  とであっても、我々もそれを調査する権限があるし、逆に断る理由もないと思うので、1回、局内で相談をして、委員にも

  相談して、それはやはり出したほうがいい、僕らもそれを外部にこんな話だったということは、言うべきでもないだろうし、

  一定守秘義務も生じるので、そのことも踏まえて当局で議論してもらえないか。その上で私に返答願う。部長よろしいか。

  A 福本県土整備部長
   今回の件については、確かにまだ、我々当局側として、明確に説明できる状況ではないということで、これまでも説明が

  少し足りなかった部分もあろうかと思う。我々も、その辺を早急になるだけ明らかにした上で、最終的なきちんとした報告

  書として取りまとめて、原因究明であるとか、再発防止策、対策について、この技術検討委員会の中で取りまとめることに

  なっているが、節目節目というか、1回目の技術検討委員会もあったので、改めて、どういう議論があったのかは、御説明

  させていただければというふうに思っている。そういう意味では、まだ我々としてもまだ推測でしか物が言えない状況の部

  分は、御了承いただき、その上で、あくまでも現時点での状況という形で、また別途説明をさせていただければと思ってい

  る。これまでもそういうこともあり、7月の記者発表の段階でも、今以上に状況がまだ判明していなかったところで、事前

  の説明が少し足りなかったという点は、我々も反省しており、申し訳なく思う。今後、もう少しその辺は改善していきたい。

  Q 片桐委員
   部長、課長から今、説明を受けて、実は今言ったように公開されている情報が非常に少なく、これから質問させてもらう

  が、読んでないので推定に基づいての質問になると思う。もしかしたらずれているかもしれない。ただ、僕は知る限りこの

  資料に基づいて、コンサルであるとか、測量であるとか、土木の会社と聞き取りをしただけでも数時間にもなる。推測でそ

  れだけ議論してくれる。多分こうだろうと。この専門家の検討委員会、この4人の先生方を集めて、部長も入っていると思

  うが、専門家が現場を見て、議論した内容というのは、まだ多分、そんなに精査しなくても、出せると思う。実はね、推測

  だけでも専門家だったらこう違うかっていうふうに聞いている、関わってない人から、それなりの一流のコンサルなり測量

  会社から。そこがまだ9月7日に委員会があると分かっていながら出ていないというのは、ちょっと疑問に思うが、もう一

  度、説明をお願いしたい。

  A 福本県土整備部長
   確かに、今回の一番、原因究明の肝となるのが、どういう施工をしていたのかというところが、まだ判明してない部分が

  あり、そこをきっちりと確定しないと、結局、今のトンネルの状況もまだ分からないということで、どうしてもその辺がま

  だ我々もすっきり説明できていないという状況である。いろいろ推測はできるが、その上で、結局は、トンネルの今の具体

  的な状況をもう一度しっかり確認しないと、結局対策工法も決められないというのが委員の皆様の一致した意見である。9

  月8日に第1回目の技術検討委員会は行ったが、現状の認識というか、トンネルの今の本当の状況というのをもう少しきっ

  ちりと調べないと分からないというふうな状況になっているのが現状である。

  Q 片桐委員
   技術検討委員会の開催頻度、2か月に1度程度とあったが、基本2ヶ月に1度だったら、9月にやったら次11月で年内に

  結論をだす。たった一回しかやらない。今分からない状況のまま2か月に1回程度というぐらいの委員会の開催頻度でいい

  のか。開通時期も急ぐと思うが、そんな工程で検証とか報告書策定、あるいは開通までの見通しというのが果たして示せる

  のかどうか、お答えいただきたい。

  A 福本県土整備部長
   御指摘のとおり、今のところ、また10月か11月ぐらいに第2回を開いて、そのときまでには、今追加で行っている調査等

  の結果もかなり明らかになってくるであろうと、我々も期待している。そこはほぼ確実に分かるのではないかと思っており、

  それが分かれば、ある程度、めども立ってくるのではないかというふうに我々としては思っている。そのため、次の技術検討

  委員会までに、調査結果、今の追加調査の結果も明らかになる中で、次の1回だけでめどが立つかどうかというのは、まだ不

  明であるが、何とか年内にさらにもう1回ぐらいやりたいと。年内にあと2回ぐらいは少なくとも技術検討委員会をやり、そ

  の場で、何とか方向性は明らかにできるのではないかというふうに、我々としても今そういう目論みというか期待をしている

  ところである。

  Q 片桐委員
   技術検討委員会では、当然原因究明して対策をこういう工法で、施工をやり直しというのが来ると思うが、その報告書も作

  成はすると思うが、報告書を作成してから着手するまでというのは、年内とかは現実的に無理だと思う。報告書作成、最終仕

  上げがどれぐらいになるのか。一般的にこの工法は、例えば分からない。僕の推測で分からない。設計をやり直して、例えば

  剝がして施工するとなると、一般的に設計だけでも、年単位でかかるだろうし、施工でももう少しかかるということになり、

  限りなく、年内どころか来年も難しいと思うが、その辺の報告書の作成の見込み等を含めてお聞かせいただきたい。

  A 福本県土整備部長
   御指摘のとおり、最終的な報告書が取りまとめるまでは、もうしばらくは時間かかると思う。今まではまずは、先ほど言っ

  た追加の調査をして現状が明らかになってくると、対策工法については、何らかのめどが立つのではというのが、今の考えで

  ある。そういう意味で年内に何とか方向性とか、大まかな工期とかも粗々だが出せるというふうに思う。そのため、詳細に精

  査したものは、最終的な報告書となって、取りまとめるのは、それからさらに今からで言うと、来年に入ってからには当然な

  ると思う。御指摘のとおり、さらにその設計をして、施工となると、確かに1年、2年、少なくとも数か月という話ではない

  と思うので、そういうふうなレベルのスパンの話になってはくると思う。その辺についても今の段階ではちょっとまだ明確に

  はお答えできない。大変申し訳ないが、そういう状況である。

  Q 片桐委員
   見方を変えるが、今回、報道によると、和歌山県の検査が不十分だったと報道もされている。
   例えば本来であったら、60数回の段階確認をすべきだったようだが、数回だけの確認で終わっていたとか、そういうふうな

  ことも書かれているし、これは決められたとおりの段階確認をしなかった理由をお聞かせいただきたい。またコンクリート施

  工が68か所と聞いているが実際確認したのは、3か所だったということだが、この回数の違いをお聞かせいただきたい。

  A 鈴木道路建設課長
   段階確認については、基本的に請負者から要請があり、立会することとなっている。初めの3回について要請があり、段階

  確認を行っているが、残りについて要請がなく、一切行っていない。

  Q 片桐委員
   違っていたら申し訳ないが、60回の段階確認、規定か内規があると仮にすれば、それに基づいて段階確認をするとしたら要

  請があっても、なかってもすべきだと思う。最初3回だけ要請があったからして、あとは全然しなかったというのは、例えば

  ポンポンポンと仮にやっているほうが、まだましだったと思うが、なぜそんな要請がないから、しなかったというのがよく分

  からない。

  A 鈴木道路建設課長
   八郎山トンネルについては、覆工コンクリートに関する段階確認の認識が、部全体で欠落していたため、このような事態を

  招くことになった。本来なら、要請がなくとも、疑問に思えば、自ら段階確認を行うことができる。

  Q 片桐委員
   部全体で意識が薄れていたというか希薄だったという感じもするが、これ組織、行政組織、県組織だから、組織としての仕

  事をここで仕事をしているわけではなく、担当課、所管課だけでやる話ではなくて部全体、もしかしたら県全体でやるべき組

  織の仕事である。トンネルだから20億の仕事だから、これができていなかったというのは、いかがなものかなと今の答弁を聞

  くと思う。例えば、担当の方が、現場を見に行ったりとか、工事の進捗の報告が来たら、これ報告書と言うのか、伺いまでは

  どうかちょっと分からないが、普通は上司に上げるべきだというふうに思う。そんなこともできていない、組織として問題と

  思うが、お答えいただきたい。

  A 福本県土整備部長
   この点については、議員御指摘のとおり、県土整備部としても組織としてきちんとその対応ができていなかった。確かにそ

  の工事を担当するのは、担当者だが、それをきちんと全体組織としてチェックしたり、内部で複数でちゃんときっちりとその

  仕事の状況であるとか、フォローする体制ができていなかったんではないかということは我々としても反省をしている。そう

  いうことも含めて、今回、再発防止策と、まず第1弾としては、その段階確認の徹底をすると、その徹底というのは、きちん

  と先ほど言ったその組織で、上司と含めて、今行っている工事もしくは今から行う工事については、その段階確認をあらかじ

  めちゃんとその共通仕様書という決まった和歌山県の工事については、全般的に決めているその仕様書の中で、それぞれの工

  種によって、どういう段階で、段階確認をしなさいというのがこう書かれているので、それに即して、きちんとそれぞれの工

  事で、この工事はいつ段階確認をしなければいけないというのを、その担当者と施工者だけではなくて、我々としてはその上

  司とか、組織として全体でそれをきちんと確認するような、措置をとるよう周知をした。

  Q 片桐委員
   今の部長にお答えいただいた背景、これもちょっと背景がよく分からない。
   福本部長、新聞とかのニュースによると、現場の記録がここまでなされていないのは驚きを隠せないというニュアンスの発

  言があったと思うのだが、こういう発言があったというふうに報道されているし、今回の委員会の大西委員長は、測量データ

  等の記録がほとんど残っていない、こんなずさんな工事も珍しいと発言をしている。
   これは業者の管理不行き届きなのか、発注者側の管理かという問題がこれからいろいろ出てくると思うが、驚きであるとか、

  珍しいとかの発言の元になった背景、はたしてどんな事実があるかということと、この事件というか事象が報道されたことで、

  これは首都圏も含めて全国的に和歌山県ってどうなっているの、土木技術どうなっているのというようなことも聞かれ、意識

  の低さも含めて、報道についてどう考え、思われているのか、併せてお答えいただきたい。

  A 福本県土整備部長
   私が第1回の委員会の後で答えた発言であるとか、大西委員長が発言した、具体的にどういうことを指してそう言っている

  かということについては、大きく二つある。
   両方とも、計測に関することだが、一つはトンネルを実際掘削していくときに、淺川組もそれなりの機械を使って測量をし

  ていたが、機械の実測値を残していないということを聞いている。
   普通だったら計測していたそれぞれの実測値を残すのが普通ではないかと我々としては思っている。
   それが記録として残っていないという話を聞いたことがまず1点と、もう一つは今回のトンネルの場合、我々切羽と呼んで

  いるが、トンネルの掘削の最前面のところをいう。切羽を掘削したときに、地山周りの地盤が少し変位する。少し地盤が柔ら

  かいところは掘った分山が膨らむことがある。
   そのような変位があるというのが一般的で、通常その変位を観測し、計測する。
  これは当然やっておかなければいけないことだが、どうも計測をやっていないという証言が請負者からあり、その2点が我々

  としては、非常に不可解である。
   現場が今どういう構造物ができているか、覆工コンクリートが確かに薄かったというのは分かるが、トンネル本体を実際支

  えている支保工という部材が、どういう位置に設置されているのかというのが明らかになっていないというのが今の状況であ

  る。
   そういうところも把握しないと、対策工法も立てられないというのが今の状況である。
   とにかく当然やっておくべき測量のデータの保存であるとか、本来やっておかなければいけない地山の変位のデータ観測と

  いう計測をやっていないというのが我々としては正直なところ、非常に遺憾に思っている。このようなことを和歌山県の業者

  がやっていたっていうことについても、全国的にも悪い意味で非常に影響があり、我々も非常に懸念をしている。

  Q 片桐委員
   今お答えいただいたのが、ここでいうところのレーザースキャナーとか写真測量とか最新の機器があるにもかかわらず活用

  されていなかったということになるのかと思うのだが、管理監督者としての技術レベルとか、事業者の自覚とか、そういった

  ことにも問題があるのかと思うし、掘削の記録が今言ったようにほとんど残っていないということは、多分部長も課長も皆思

  っているところで、ありえないことだ。
   こういった記録は、きっちりと残して報告するのが事業者として当然の責務だと思うが、報告書が仕上がってきて、なぜ保

  管していないのか。もしかしたら意図的に破棄したのではないかと思うし、今の時代だから、手書きとかでやっているわけで

  はないから、デジタルデータのはずで、それを探せば見つかるのではないかと思うのだが。そのあたりはどうか。

  A 福本県土整備部長
   今回のデータについて確かに我々としては、いわゆる完成図書のそもそも測量データは、言ってみれば掘削手順の途中で行

  うものなので、我々はその報告書を受け取ることは特にない。
   しかし、普通であれば施工者として、その現場管理、施工管理の一環として、当然残しておくものだと我々は思っていたの

  で、それを求めたところ、ないという回答が返ってきた状況である。
   ないものをこれ以上突き詰めても難しいと我々も思っているが、そこが、本当にないのかどうかは、改めて今確認をさせて

  いるところである。今のところは、残っていないということと、そもそも計測していないと言われている状況である。

  Q 片桐委員
   そもそも計測していないのは問題で、残っていないというのはさらに問題だと思う。
   今、言った計測について、誰かが昭和の時代じゃないかと言っていたが、アナログで計測していたのかデジタルで計測して

  いたのか、技術・機器も分からないが、普通デジタル化しているはずで、デジタルだったら、例えばパソコンに穴を開けてハ

  ードディスクを捨ててしまうとか、そんなことをしない限り残っていると思う。そこまで踏み込んで探すべきだと思うがどう

  か。

  A 福本県土整備部長
   そのことについて、再度確認を指示しているところだが、今までのやりとりの中では、その機械がリースだったようで、そ

  れを本来だったら返す前に、データを保存するはずだが、そのまま返しているのか、消去した上で返しているのかは、確認を

  しているところである。

  Q 片桐委員
   データを消去して返却したとしてもコピーを取っているかもしれないし、個人のパソコン等に保存しているかも分からない

  が、工事の責任者だったらいずれかの方法で保存するのが普通で、そこには疑問が残るがそれも含めて、これから改善すると

  思う。このトンネル工事に関係する必要な書類というのは淺川組に全部そろっているのか。あるいは県が必要な書類として求

  めたものは全て提出されたのか。
   県が求めて提出されなかった資料は、どんな資料が欠落していて、事業者に提出させることができるのか、その辺も含めて

  お答えいただきたい。

  A 鈴木道路建設課長
   工事の完成書類は全て提出されているが、先ほど部長の答弁にあったように、掘削後の地山の変位を計測するデータにつき

  ましては、提出されてないのと、覆工コンクリートの厚さを証明する書類は改ざんされていた。
   このため、実際の数値が残っていないという状況である。

  Q 片桐委員
   今課長がおっしゃったように、令和4年の12月20日に事業者から県に出された完成図書の中には、覆工厚が設計どおりで

  あるということで、きっちりと出されていたが、これは実は改ざんされていたと、考えていいか。

  A 鈴木道路建設課長
   そのとおりである。

  Q 片桐委員
   事業者が施工時にこの掘削の出来高不足というのか、実は報告した内容と現場が違っていたということを認識していたにも

  かかわらず、適切な対応や掘削のやり直しをしていなかったと、仮に考えるとすると悪意とも取れることや、県民の命を守っ

  てトンネル工事を施工した事業者として安全意識の大きな欠落、欠如とも思われる。また設計通りと虚偽の報告が上がってき

  たとお聞きしたが、本当に虚偽の報告であったとすれば検査する段階で偽装の報告をされていればわからず、事業者の責任と

  いうのは非常に大きいと思う。こんな事業者が虚偽の報告を県にあげていたということ自体恥ずかしいことであり、議会とし

  てこれはどうかと思っている。
   そういうことを鑑みて淺川組と堀組が指名停止6か月、川合組が指名停止3か月であるが、このような指名停止の期間では

  たしていいのか。原因がまだわからないのにこの程度で先に決めてよいのかこの根拠をお示しいただきたい。

  A 山本技術調査課長
   本県では、県発注工事の適正な施工を確保するため、県の建設工事等の入札参加資格を有する業者が過失による粗雑工事、

  贈賄及び不正行為等を起こした場合など、事案ごとに入札参加資格停止期間などを定める「和歌山県建設工事等契約に係る入

  札参加資格停止等措置要綱」を設け、公表しているところである。
   今回の元請業者である淺川組、堀組については、調査により施工不良等の不備が認められ、同要綱別表第1第1項第2号

  「過失による粗雑工事」に該当し、3か月の指名停止である。また、その内容が極めて悪質であると判断することから、同要

  綱第7条第6項「入札参加資格停止期間の特例」を適用し、その期間を2倍して6か月の指名停止としている。
   また、川合組については、「過失による粗雑工事」に該当するため、3か月の指名停止である。

  Q 片桐委員
   基本過失があったら3か月の指名停止とし、さらに虚偽の報告という悪意というか悪質性があったため、3か月の加重から

  6か月の指名停止である。こういう意味でよいか。

  A 山本技術調査課長
   先ほどの3か月を2倍するということで、6か月ということである。

  Q 片桐委員
   6か月というのは、過失があったら3か月だが悪質だったら2倍の6か月ということで、県として比較的重い処分を下した

  と受け取ってよいか。

  A 山本技術調査課長
   この特例自体を通常は使うことがなく、粗雑工事だけで3か月というのが、通常あり得ることだと考えている。

  Q 片桐委員
   この覆工厚不足っていうのが、この図面で何か所かあるわけだが、具体的に見た感じで難しすぎてちょっと分かりにくいが

  どの程度あったのか、例えば数センチしかコンクリート厚がなくて、空洞が多いとかいろんなことと言われているがトンネル

  内の全て再検査した上で、この報告書が出ていると思う。どの程度の規模の覆工厚とか箇所があったのかを再度お示しいただ

  きたい。

  A 鈴木道路建設課長
   ここで空洞と覆工厚の書類を、配付してよろしいか。

    ●玄素委員長
   はい

  A 鈴木道路建設課長
   お手元に配付した1枚目が空洞の分布図、2枚目については覆工厚の分布図になっている。
   1枚目の空洞分布図につきましては、緑や黄色になっているところや、縞々になっているところが空洞になっており、黄色

  等があるところについては空洞が大きいところになっており、ないところもあるが、全般的にこのような分布となっている。
   2枚目につきましては、覆工厚の部分で、緑のところが、規定の30センチかあるというふうになっており、黄色になると30

  センチを切っている、オレンジになると25センチを切っている。こういうオレンジになると、20センチをもっと切っている等

  という形での覆工厚不足になっており、覆工厚不足は、ほぼ全域像に近いぐらいの分布となっている。
   覆工コンクリート以外の箇所についても、必要に応じて調査していこうと考えている。
   また、完成見込みについては、どこまでやり直しが必要か判断できない状態でもあるため、今後見込みがたっていない。

  Q 片桐委員
   今課長から資料について説明があったが、虚偽の報告という技術レベル以前の問題で、空洞の箇所もこれだけあった覆工厚

  はほぼ全面になると技術云々というか、トンネル工事は結構もうける工事だと聞いているが、この利益を抜いてやろうと思う

  ような工事にしかなかった。これを示されるとその誠意をもってやっているという感覚はこのデータを見ると全く見受けられ

  ないと思うが、例えばこの淺川組が参加施工したトンネル工事は和歌山県内で過去どの程度あったのか。淺川組が施工した過

  去のトンネル工事は、再々検査というか再度確認しているか。

  A 鈴木道路建設課長
   淺川組が施工したトンネル工事は、完成未供用の八郎山トンネルと、工事中の2トンネル以外に、供用中の18か所ある。そ

  のうち、供用中のトンネルで、JV代表者及び単体で施工した11か所につき、完成図書として提出された以外の全ての覆工コ

  ンクリートの写真を淺川組より、改めて提出させた。
   それらを職員で、確認して、問題がないということは、今確認している。
   なお、これらについては道路法に基づく定期点検を5年前に実施しており、緊急に対策を要するものはない。
   今後、覆工コンクリートの厚みを実測したいと考えている。

  Q 片桐委員
   工事中の八郎山トンネル以外に2件トンネルについて、淺川組が代表者になっているということか。

  A 鈴木道路建設課長
   今現在、2件のトンネル工事を施工している。

  Q 片桐委員
   2件のトンネルというのは、段階確認とか含めてきちんとしていると思うが大丈夫か。

  A 鈴木道路建設課長
   一つのトンネルは、覆工コンクリートの工事が終わり、そのコンクリート厚さについて確認をした。
   もう一つのトンネルは掘削が始まったばかりで、覆工コンクリートの工事に至っていない。今後施工不良がないように指導

  していく。

  Q 片桐委員
   過去の11か所のトンネルはきちんとできていて、このトンネルだけ、データがないとか、古い設備を使っていたというのは

  なぜか。

  A 鈴木道路建設課長
   八郎山トンネルは、地盤が柔らかいという特性があり、機械掘削を行っている。
   監理技術者は、八郎山トンネルでの機械掘削が初めてで、今までは発破掘削が主だったため、初めての機械掘削だったこと

  によるものと推測している。

  Q 玄素委員長
   鈴木課長、私が聞いているのは、地盤が柔らかいというような話は聞いてなくて、むしろ固いと理解していた。
   今の話だったら、地盤が柔らかいというふうに聞こえたが、どういうことか。

  A 鈴木道路建設課長
   硬ければ、発破掘削と言いダイナマイトで掘削する。
   そこまで固くなければ、機械掘削で進め、八郎山トンネルは、発破掘削ではなく、機械掘削に値する地盤だったと言うこと

  である。

  Q 玄素委員長
   多少は柔らかいという理解か。

  A 鈴木道路建設課長
   そのとおりである。

  Q 片桐委員
   私も委員長と同様に思った。固いからシールド工法ができないと議会で聞いたが、今回くらい柔らかかったらシールド工法

  とか含めてできなかったのか。

  A 鈴木道路建設課長
   今回の工法は、山岳トンネルの工法であるナトムという工法を用いており、委員の言われたシールド工法という工法につき

  ましては、柔らかい地盤の箇所でシールド機を使用して掘削し、後ろから管を推し進めていく工事なので、シールド工法とは

  違う方法で行っている。

   Q 片桐委員
   設計会社がナトムで設計したら、淺川組もそのとおり施工しただけだと思うので大丈夫なんだろうが、そもそも今回の工事

  予算は約20億と聞いているが、通常、200億の売上規模の会社が、10分の1ぐらいの工事の受注は業界からすると極めてまれ

  な発注の仕方だと聞いていて、リスクの高い発注だと聞いている。
   一般的に20億円の予算規模のトンネル工事でどんな会社が請負するか聞いてみると、準ゼネコンレベルが請負して、地元企

  業と組むと聞いている。
   和歌山県はなぜこの20億円のトンネル工事をこのレベルの会社に仕事を任せたのか分からないという意見がある。
   今回、淺川組と堀組のJVに発注した経緯を説明してほしいのと、入札審査会での議論の経過も示してほしい。

  A 鈴木道路建設課長
   JVで発注した経緯は、トンネル工事については規模の小さいトンネルについては県内企業に限定した入札としており、県

  内は単体及びJVでも入札が可能となっている。
   規模の大きいWTO未満の工事ついては、県内は単体及びJV、県外はJVの幹事として入札が可能となっている。
   今回の八郎山トンネルについては後者の条件に該当し、入札を行ったところ県内県外JVが1者、県内県内JVが2者、県

  内単独が1者の合計4者の参加があり淺川・堀JVが落札した。
   入札審査会では、八郎山トンネル工事の難易度から、入札参加に必要な条件を議論している。

  Q 片桐委員
   委員会で認めたのでいいと思うが、淺川組で20億円のトンネル工事のJV代表や単独で施工した実績があるのか。

  A 鈴木道路建設課長
   八郎山トンネルの入札時点で、実績期間が平成10年以降で18件の実績を有している。

  Q 片桐委員
   18件あったが、トンネル工事は例えば20億円と100億円では施工が全く違うと聞いている。淺川組は過去20億円ぐらいのト

  ンネル工事の実績があったと解釈してよろしいか。

  A 鈴木道路建設課長
   分かっていないので、答弁は控えさせていただく。

  Q 片桐委員
   今回トンネル工事の設計はどこが請負ったか。

  A 鈴木道路建設課長
   国際航業株式会社である。

  Q 片桐委員
   国際航業は大手だから、信頼性がある会社なので大丈夫だと思う。設計に問題なかったら、施工業者である淺川組の責任、例

  えば県民への不利益とか、県庁への損失、あるいは信頼を失墜させているということ鑑みると、損害賠償請求は検討しているか。

  A 鈴木道路建設課長
   損害賠償につきましては、現在、弁護士に相談しているところだが、現時点で供用日数の見通しが立っておらず、損害額が確

  定できない状況である。他の事例を調査し、対応を考えていきたい。

  Q 片桐委員
   指名停止は6か月であるが、今後の調査次第で営業停止ということは考えているか。

  A 山本技術調査課長
   今回の粗雑工事が、建設業法第28条第1項第2号及び第3項に基づく「建設業者等の不正行為等に対する監督処分基準」に該

  当する場合、営業停止処分や指示処分となる。
   建設業法による監督処分については、淺川組は国土交通大臣許可、堀組は和歌山県知事許可となっていることから、それぞれ

  の監督官庁である国と県が所管することになる。
   今後も、事実関係を確認した上で国の動向を注視して適切に対応したいと考えている。

  Q 片桐委員
   補正予算説明書では7700万になっているが、根拠を示してほしい。
   また、この予算は全て事業者が負担すると聞いているが、間違いないか。

  A 鈴木道路建設課長
   現在、行っている技術検討委員会の運営補助を行ってもらうコンサルタント費用、本トンネルの再設計費用、委員報酬等で7700

  万余りとなっている。
   事業者による費用の負担については、八郎山トンネルの施工不良等にかかる対策に関する協定書を締結しており、その中で全

  ての費用について淺川組が負担するものとなっている。

  Q 片桐委員
   委員さんの4名の選定基準と報酬はどの程度出ているかお聞かせいただきたい。

  A 鈴木道路建設課長
   委員の選定基準は、最新の技術知見を熟知している、公正中立な立場にある学識経験者としており、報酬は県条例第三条附属

  機関の委員その他の構成員の報酬及び費用弁償条例に定められた額としている。
   先ほど述べたが、大西委員長については、平成29年の紀の川市西脇地区の土砂災害対策での委員長の実績があり、京都大学名

  誉教授で地盤工学が専門というところからお願いしている。
   砂金委員につきましては、東京都立大学教授でトンネル工学が専門である。
   日下委員につきましては、国立研究開発法人土木研究所上席研究員でトンネル工学が専門である。
   中本委員は、和歌山高専名誉教授で、コンクリート工学が専門である。

  Q 鈴木委員
   この書類の在り方とか、委員長にも問わなければならないが、こういうことは、ちょっと前に分かっているはずだ。
   それで今日の説明の中で、次から次へと書類を出して、これはこれでよいが。
   出していただかないよりは、出していただいたほうがよいが、聞きたいのは、こういう書類を聞かなかったら出さないのかっ

  てことだ。
   説明するに当たって、こういうのを見たら、こんなに空洞があると一目瞭然で分かると思う。そこが、少し丁寧さに欠ける。
   先ほど部長から、これまでの進め方について、少し丁寧さに欠けるところがあった、という表現があったので、聞かないでお

  こうとずっと思っていたが、でも、こういうのが次から次へと、聞けば出てくるっていう話になると、正直申し上げて本当に反

  省されているのかなっていうような認識になる。
   それで、これ以上のこと言うと申し訳ないと思うが、こういうことをしていると一時が万事になって見えてくる。
   本当は早くから、このことを発見されていたはずだから。7月に公表はされているが、この問題については、もっと以前から

  分かっていたはずだ。そういったときに、例えば、知事が、記者会見を行って、その1日前か何時間前か忘れたが、こういった

  ことが起こり、新聞記事に出てから説明しようかみたいな、厳しい言い方をするが、これはちょっと県民をばかにしていると思

  う。
   それだけ地元の人は、本当にこのトンネルに対して経済的なことって、さっきも言ったが、それ以上に、便利になるっていう

  ようなことを含めて、期待をしていたわけである。
   そういった方々に対して、これからやることをしっかり詰めていただいたらよいかと思うが、これまでのことに対して、ちょ

  っと疑問に思うがいかがか。もしお答えがあるのであれば、お聞かせいただきたい。

  A 福本県土整備部長
   ただ今の御指摘に対し、誠に申し訳なく思っているところである。
   確かに今、お出しした資料は、説明の関係上、手元にないと説明しづらいということもあって配付したが、その空洞とその覆

  工厚さのデータは、確かに7月27日、最初の記者発表のときには、作成していたので、その時点でお示しすべきものだったかも

  しれない。
   結局、それだけだと、まだ背景であるとか、そこまで我々も説明がつかなかったので、配付するのを控えていたが今後は、事

  実が分かった時点でそういうことはきちんと説明して、その上で、まだその背景であるとか、その原因までは分からないってい

  うことは条件つきでの説明になるかと思うが、そういう形で説明させていただければと、考えているところである。
   いずれにしても、今回、非常に重大で社会的な影響も大きいこの事案につきまして、当局としても、事前の説明が不足してい

  たということは改めてお詫び申し上げる。

    ●玄素委員長
   今、鈴木委員からも本当によい指摘をいただいたと思っている。
   一事が万事って先ほど鈴木委員からもお話しがあったが、この件だけにかかわらず、別に説明に来ていただくということは、

  事前審議にも該当しないから、できるだけオ-プンにというか、ディスクローズしていただくほうが、この会議も円滑に行くと

  思うし、県民の理解も深まっていくと思うので、以後、それに努めていただくように、部長にお願いしておきたいと思う。

  Q 中村委員
   先ほど、道路建設課長から説明があった中で、ナトム工法をやったことがない人が、技術者だったというようなことを聞いた

  が、これは聞き間違いか。

  A 鈴木道路建設課長
   ナトム工法の中には、機械掘削で行う工法と、発破掘削で行う工法があり、技術者はナトム工法の実績を有していた。

  Q 中村委員
   では何をやったことがなかったのか。

  A 鈴木道路建設課長
   その中で、ナトム工法の中の発破掘削工法の経験はあったが、機械掘削工法に関する経験がなかったということである。

  Q 中村委員
   私も詳しい話は分からないが、条件つきの入札なので、条件の中に、その工法をやったことがあるというようなことは求めて

  いなかったのか。

  A 鈴木道路建設課長
   求めていたのは、トンネルの実績であった。

  Q 中村委員
   よく分かった。
   トンネルは、やったことがあるが、ナトム工法で、さらに柔らかいので機械で施工しなければならないというようなことまで

  は言ってなかった。それは県も、そんな必要があるかどうかっていうのは、掘ってみないと分からない。

  A 鈴木道路建設課長
   ナトム工法であれば、機械掘削であるか発破掘削であるかというところは、大丈夫であると考えており、発破掘削の現場でも

  機械掘削の現場でも十分対応できると考えて発注をした。

  Q 中村委員
   ちなみに、その技術者というのは、どこの建設会社の技術者なのか。

  A 鈴木道路建設課長
   今の淺川組の技術者である。

  Q 中村委員
   よく分かった。
   トンネル以外の質問だが、いいか。

    ●玄素委員長
   どうぞトンネル以外も。

 

  Q 中村委員
   6月定例会の一般質問で西川河口水門の質問をしたが、知事も高潮対策で検討してみようと答弁をいただいたが、3か月たっ

  てその後の進展はあるのか。

  A 米地港湾漁港整備課長
   6月定例会において、西川河口水門について答弁をした。作業的には進んでいないが、今後、高潮も含めた総合的な対策を考

  えていこうという状況である。

  要望 中村委員
   南海地震は待ってくれないので、早く対策をお願いする。

 

  Q 吉井委員
   「けんさんぴん」について聞きたい。この夏の7月7日に「けんさんぴんフェア」というのがあったが、「けんさんぴん」は

  県下で製品数・商品数はどれくらいあるか。                                              
  A 山本技術調査課長
   現在「けんさんぴん」で登録されているのは、8月末現在で843品目である。

  Q 吉井委員
   「けんさんぴん」は県内産業の育成だと思うが、843品目というのは非常に多い気もする。「けんさんぴん」の選定の規程は

  どうなっているか。

  A 山本技術調査課長
   「けんさんぴん」は、県内に主たる事務所がある企業で製造された製品や、県内の工場で主要な工程が施された製品、県内の

  材料を大部分用いて県外の工場で製作される製品、おおむね三つの工程で「けんさんぴん」は構成されている。

  Q 吉井委員
   三つの工程であるということだが、一回使えば総合評価方式で1点の加点が3年間つく。主たる事務所が和歌山県でなくても、

  下請けにさせれば「けんさんぴん」ということで登録される。一つ一つ検証したらそうなっている。
  「けんさんぴん」と純然たる本当の「県産品」というのは、当局も認識されていると思うが違いがある。
  「県産品」の加点の方法もやっぱり純然たる「県産品」の加点と、和歌山県の材料で県内産業に下請けさせたら、「けんさんぴ

  ん」として通じる。そうなれば、計画的な県産品になってくる。奈良の業者が、和歌山県でつくらせたら、滋賀県でつくらせた

  ら、長野県でつくらせたら、滋賀県と長野県の「けんさんぴん」になる。
   そういう取り扱いは、他の県はやっているか。

  A 山本技術調査課長
   他県でも取り組んでいると思うが、具体的にどの県で取り組んでいるのか、この場では確認できない。

  Q 吉井委員
   私が言いたいのは、県内技術を開発した「県産品」と県内技術を使った「県産品」にはプラス0.1ポイントの加点がつくと聞

  いているが、純然たる県内産品であれば、もっと細かく、そういう加点を多くするということを考えられないか。

  A 山本技術調査課長
   県内の企業等が開発した建設工事に関わる製品、いわゆる県内開発建設技術で製作された製品については、県内の企業等の競

  争力を図る上で重要であると認識している。
   この制度については、令和元年8月から運用し開始しているところであり、登録件数は現時点で15件とまだ少ない状況である。
   一方、令和4年度の総合評価方式の入札においては、対象の工事のうち、約5割が県内開発建設技術の加点された方が落札し

  ていることもあり、制度が始まった令和元年の3割から着実に増えて、その効果も現れている。
   御指摘の県内の企業等が技術を開発した製品の普及や活用を支援することは大変重要だと考えており、今後、この県内開発建

  設技術の登録状況などを踏まえ、よりよい制度となるよう、検討していきたい。

  要望 吉井委員
   初期の目的は、県内産業の育成である。県内産業の育成というのは県内で雇用も考えられる。いわゆる県内が潤うということ

  である。
   それで県内産業を開発するには相当な各産業・事業者が、努力してると思う。 お金を使い、時間も使い、社運をかけてやっ

  ている企業もある。
   だから、県内のそういう企業を優遇することは、県内の雇用を優遇するということ、そしてまた産業育成という見地になって

  くると思うので今後の取り扱いとして努力してもらい、もう少し加点が進むように、県内産業の県内産品を使えば、そういうこ

  とが励みとなるような制度設計を今後してもらいたい。

 

  Q 高田委員
   京奈和自動車道紀の川インターから阪和自動車道上之郷インター付近へ直結させる自動車道路、京奈和関空連絡道路と称して

  いるが、本道路の実現を紀の川市は目指している。それに対して近接市町村にいろいろとお願いして、今は14市8町に賛同いた

  だき期成同盟会を結成し、早期実現のために御苦労いただいている。なかなか難しい問題だとは思うが、実現すればいろいろな

  面で和歌山県の発展が望めるし、物流・輸送、地域の経済・産業の活性化、企業立地の促進、観光ルートの確立、大規模な災害

  のときにも救急活動等のルートの確立にもなるので、早期実現のために、大阪府や奈良県とも連携いただき、今後とも国や関係

  機関に働きかけていただくようお願いしたい。

  A 市川道路政策課長
   京奈和関空連絡道路は府県間道路であり、本道路の事業化には地域全体で取り組むことが必要と考えている。本県では、京奈

  和関空連絡道路の具体化に向け、平成28年度から紀の川市、大阪府、泉佐野市、国土交通省近畿地方整備局、ネクスコ西日本と

  ともに、京奈和関空連絡道路調査検討会を設立し、この道路の整備効果や必要性の検討を実施している。この検討結果などを踏

  まえ、これまで機会を捉え繰り返し国に対して早期事業化に向けた計画段階評価の実施を要望しており、本年も5月31日の政府

  提案要望を国に対し実施したところである。引き続き国に対し、まずは早急に概略ルート・構造の検討に着手し、早期事業化さ

  れるよう働きかけてまいりたい。

 

  Q 高田委員
   県道桃山下井阪線は、通勤、通学時間帯での渋滞が慢性的に発生しており、特に井阪橋から県道和歌山打田線の交差点までの

  間は、通学の自転車や歩行者の危険性が増している。交差点改良も含め、自歩道の確保また、渋滞緩和が図れるようにどう取り

  組むのか。

  A 上柏道路保全課長
   県道桃山下井阪線と県道和歌山打田線の交差点改良については、現在、詳細設計を進めているところである。
   当該箇所では、以前に一部地権者の用地協力が得られない状況となっていたことから、今後とも紀の川市とともに所有者に対

  し粘り強く事業の必要性を説明する。

 

  Q 高田委員
   国道424号と県道かつらぎ桃山線交差部は、朝夕の通勤時間帯には車両通行量が多いうえ国道424号から県道かつらぎ桃山線

  への右折レーンが短いこともあり渋滞が発生している。近くに荒川中学校や安楽川小学校があり通学時間帯と重なり危険な状態

  であることからこれの交差点改良及び周辺歩道の整備を早期に完成されるようどう取り組むのか。

  A 上柏道路保全課長
   国道424号と県道かつらぎ桃山線の交差点付近の事業進捗につきましては、令和3年度に新規事業化し、現在、用地取得を進

  めているところである。
   今後も引き続き、用地取得を進めていく。

 

  Q 高田委員
   桃山町を流れる柘榴川について、国工事区間が完成し、上流側の県の管理区間の改修を令和元年度より進めていただいている

  が、これも早期完成ができるよう引き続きよろしくお願いしたい。それにその近くにある貴志川側になるが、丸田川については、

  令和元年度に貴志川合流付近の堆積土の撤去を行っていただいているが、引き続き維持管理をされるよう特別のお願いをしたい

  と思う。

  A 鈴置河川課長
   柘榴川については、国道424号最上大橋付近から上流約1.3キロメートルの区間で整備を進めており、これまで下流側左岸約

  180メートルの区間で護岸工事が完成したところである。
   今年度は、堂前橋の上部工事やその上流の護岸工事を進める予定としており、今後とも、防災・減災、国土強靱化のための

  5か年加速化対策の予算も活用し事業を推進していく。

  A 鈴置河川課長
   貴志川の丸田川合流付近の土砂撤去については、本年6月の台風第2号に伴う浸水被害を受けて、国が宮前第一樋門と宮前

  第二樋門付近の浚渫を実施したと聞いている。
   今後とも、円滑な流下を阻害する堆積土砂を撤去し、貴志川沿川の浸水被害を軽減させるよう、国に対して働きかけていく。

 

  Q 高田委員
   県道垣内貴志川線について、海南市、紀美野町、紀の川市による紀の海クリーンセンターが、桃山町最上地区に完成してい

  る。紀美野町方面から紀の川市方面への重要なアクセス道路であることから、未整備区間である貴志川町高尾地内の整備を実

  施していただきたい。引き続き、早期完成に向けてどう取り組むのか。

  A 鈴木道路建設課長 
   県道垣内貴志川線の紀の川市桃山町野田原地区の610メートル区間のうち490メートルについては現道対策による整備を完

  了している。また、紀の川市桃山町調月地区から貴志川町高尾地区までの約1.0キロメートル区間については、愛宕橋が令和

  元年6月に、愛宕橋から東側の区間の拡幅工事が令和3年8月に供用している。残る貴志川町高尾地区の延長200メートルの

  狭隘区間については、令和4年度より測量設計に着手し、本年5月に用地取得が完了している。現在、山切工事に伴う残土の

  受入れ地の調整を進めているところである。

  要望 高田委員
   今後の取組をよろしくお願いする。

 

  Q 鈴木委員
   数年前に仮称文里湾架橋の建設について、推進していただくこととなっており、鋭意努力して進めていただいていることに

  ついて、改めてこの場でお礼を申し上げる。文里湾横断道路の取組み経緯とこれからの計画について伺う。

  A 鈴木道路建設課長 
   文里湾横断道路については、令和2年度から事業着手している。これまで現地測量や地質測量を行い、令和4年3月に道路

  詳細設計、令和5年3月に文里湾橋梁の詳細設計が完了した。また、令和5年7月に都市計画変更を行い、その後、事業認可

  を受けたところである。現在、用地補償を推進中であり、約3割の補償が完了している。また、関係漁協においては3漁協が

  存在し、海上工事における影響調査を今年度より実施し、現在、その説明を開始したところである。当該工事は海上部の施工

  が主なものであり、多くの関係機関と調整を行いながら、陸上部の用地取得を進め、事業を推進しているところである。今後、

  用地補償については、企業が多く存在することから、営業を行いながらの事業協力や、近隣での代替え地が必要となることな

  ど、移転条件の整理を行いながら、早期の用地取得に努めていく。また、工事については、橋梁工事着手に向け、仮設桟橋工

  事の一部2件について、入札手続き中となっており、関係漁協等との調整を行いながら、工事を推進していく。

  要望 鈴木委員
   用地取得について、地元の方、用地買収の対象となっている方からいろいろな意見を伺っている。先ほどの話でもあったと

  おり、事業者が多いということで、まとまった土地がないと移転できない土地が何件かあると思う。これらの相談も承ってい

  るが、また、県と市と力を合わせていただきたい。土地の少ない地域でもあり、なかなか探すのも難しいというのは私も認識

  しているが、ご努力いただきたい。

 

  Q 北山副委員長
   私から県が発注している公共工事全般について、基本的なことを何点かお聞きする。
   県が発注している公共工事が設計どおりに適正に行われているか施工段階の確認を実施していると思うが、どのような体制、

  どのような基準となっているかお聞きする。

  A 山本技術調査課長
   県発注工事の各施工段階の確認については、監督員が立会等により、実施することとなっている。
   その内容については、各工種ごとに確認時期、確認項目、確認の頻度が土木工事監督技術マニュアルにより定められている

  ところである。

  Q 北山副委員長
   工事内容や工期によって確認の体制、基準、立会の実施回数は違うのかお聞きする。

  A 山本技術調査課長
   確認の基準については、工種毎に定められており、工期によっては変わるものではない。なお、施工条件が厳しい工事、第

  三者に対する影響のある工事、低入札工事等については、重点監督として、確認の頻度を増やすこととしている。

  Q 北山副委員長
   先ほど片桐委員の質問の答弁にもあったかと思うが、再確認のためお聞きする。
   県側、発注者側から確認を実施する旨を受注者側に伝えることはあるのか。
   先ほど、基本的には受注者側から確認の依頼がないと立ち会いにいかないとあったと思うがそのことをお聞きする。  
  A 山本技術調査課長
   各施工段階の確認については、受注者からの申し入れが原則で、先ほど道路建設課長からも説明があったところである。監

  督員が必要と判断する場合には、監督員から求める場合も当然あり得る。
  Q 北山副委員長                                                
   施工が完了し、本来なら適宜行われる検査が実施回数を満たしていないことや施工途中に行わなければならなかった検査に

  漏れがあった工事案件は今までにあったのか。また、あった場合、その工事案件はどういう扱いになっているのか。直近のデ

  ータでいいので教えてほしい。

  A 北村検査・技術支援課長
   御質問につきまして、八郎山トンネル工事の覆工コンクリート工における段階確認の実施回数について、その条件を満たし

  ていなかった。近年、令和3年度、令和4年度の検査では、段階確認の実施回数が満たないことや漏れていたようなことは八

  郎山の件を除けば、あったということは把握していない。このようなことがあったので、必要となる段階確認を事前に確認す

  ることを既に文書において発注機関に対し周知しているところである。また、完成検査時に検査員が監督員に対して実施状況

  の確認を行うなど、既に再発防止に取り組んでいる。
   再発防止の観点から、このような検査を実施したところ、本年度の検査において、1件の工事で段階確認書類の不備を確認

  した。この工事については、段階確認書類の不備を発見した段階で検査を一時中断し、改めて段階確認が現実になされていた

  かどうかを関係書類等で確認した。この件については書類の不備があったものの、段階確認を実施していたことが確認できた

  ため、引き続き、残っていた検査を実施し検査は終了している。
   繰り返しとなるが、今後も万が一、検査において必要な段階確認の実施が確認出来ない場合には、検査を一時中断し、検査

  員は発注機関に対し段階確認で確認すべき内容が他の手法等により認められないかなどを確認し、発注機関の対応を経て、改

  めて検査を実施することとしている。今後も、より厳格な検査の実施に努める。

  要望 北山副委員長                                                
   さっきの八郎山の件ではないが、物品であれば納入業者が納入するときに発注側が仕様書のとおりであるかどうか、破損と

  か、椅子ならキャスターがちゃんとついてるかどうか、マイクなら音声が出るかどうか、そういう検品を行って、問題がなけ

  れば受領し、サインをして検品完了となると思う。公共工事も一緒だと思う。途中の段階段階でいろいろ工程が進んでいく中

  で、設計のとおりとなっているのかどうかは、発注者が最終的にチェックして確認するのが当たり前だと思う。現場に赴くの

  はしんどいかもしれないが、毎日とは言わないが最低でも週に一回ぐらいは現場に赴いて、進捗状況の確認、設計のとおりに

  なっているか等の確認も必要であるし、あとは現場の方とのコミュニケーションをしっかり取ってもらうのも大事だと思う。

  もちろん、現場もたくさんあって、人員不足などもあって大変なのは承知している。また、オンラインなどでの確認する方法

  もあるが、やはり発注者としての責任がある以上、現場に赴くことを大切にしてほしいということをお願いして、そこは肝に

  銘じていただきたいと思う。

  

    ●玄素委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第104号、議案第109号、議案第112号、議案第121号及び議案第122号については全会一致により原案可決
     ◎県土整備部審査終了宣告
     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし

     ◎発議された意見書(案)に対する協議宣告

      委員会から「防災・減災、国土強靱化等に資する社会資本整備の推進を求める意見書(案)」を提出することに全会

      一致で決定
     ◎閉会宣告
   午前11時55分閉会
 

 

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