令和5年9月和歌山県議会文教委員会会議記録


令和5年9月和歌山県議会文教委員会会議記録

 

1 日時   令和5年9月25日(月)午前9時59分~午前11時1分

2 場所   第6委員会室

3 出席者  委員長   藤本眞利子

      副委員長  藤山将材

      委員    三栖拓也、山田正彦、坂本 登、林 隆一、中西 徹

      欠席委員  なし

      委員外議員 なし

4 概要

   午前9時59分開会

    ●藤本委員長

     ◎開会宣告 挨拶

     ◎報告事項 委員の欠席なし

     ◎傍聴協議 1件  

     ◎撮影許可 3件

     ◎議事   議案1件継続審査を要する所管事務調査7件

     ◎教育委員会審査宣告

     ◎議案等に対する説明要請

    ●宮﨑教育長説明

    ●藤本委員長

     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

 

  Q 林委員

   和歌山県内でいじめ問題が発生していて、昔は殴ったり蹴ったりして問題になった生徒が多かったが、最近はLINEとかSNS

  を使った嫌がらせやいじめが増えていると聞いている。

   いじめの加害者への指導について、実際殴ったり、蹴ったりはしないが、LINEとかSNSを使っていじめて、全国的にもそれ

  が苦になって不登校とか、ひどい場合は自殺する子もいることを鑑みて、加害者生徒への一定の指導、一定の基準が必要では

  ないかと思うが、当局はどう考えているのか。

  A 川口教育支援課長

   いじめ加害者への対応は、県主催の研修会、校内研修等で活用している「いじめ問題対応マニュアル」に基づいて各学校で

  対応している。マニュアルでは具体的に、加害者には「いじめは絶対に許されない」という毅然とした態度で指導することに

  加え、被害児童生徒との関係修復に向けて、加害児童生徒自らが反省して、謝罪できるように導くこと等を示している。

   また、指摘のとおり、SNS、LINE等のいじめが増えてきていることもあり、警察や環境生活部と連携して「ネットパトロー

  ル」を行っている。この中で個人を特定できる場合は、加害者等を指導している。

  意見 林委員

   引き続き、懸命に頑張ってもらいたい。特に中学生ぐらいでは反省というか、殴ったり、蹴ったりしていないのに、なぜSNS

  程度で怒られなければならないのかと思っていると聞いているので、くれぐれも被害者保護を中心に、加害者には反省を促して

  適切な指導を行ってもらいたい。

 

  Q 林委員

   通信制高校の充実について、一般質問をしたが、詳細について質問したい。

   令和3年度における通信制高校の学校数は、公立が77校、私立が183校だが、令和5年度における文部科学省の学校基本調査

  の速報値では、公立が78校、私立が210校となっている。私立の通信制高校がたった2年間で大幅に増加しているが、通信制の

  需要がなぜこんなに増えているのか。

  A 下村県立学校教育課長

   不登校生徒や、中途退学を経験した生徒が、近年、非常に増加をしている。通信制課程の、自分のペースで学ぶことができる

  という仕組みが合っていて、そのニーズが高まってきている。

   今質問のあった、私立高校の増加については、株式会社立学校の設置が容認されたり、高等学校通信教育規程の中で、設置基

  準が弾力化されたりした影響も考えられる。

  Q 林委員

   増えている理由はよく分かった。自分は大学の通信制課程で学位を取得したことがある。その際、ほとんど通学する必要がな

  く、スマートフォンで講義動画を視聴したり、メールでレポートを提出したという経験がある。また、学力試験等でも取り入れ

  られているが、テストを受ける際にも顔認証システムを導入することによって自宅で受験することが可能になっている。

   通信制高校でも、こういったICTの活用をもっとしたらいいのではないか。

  A 下村県立学校教育課長

   通信制のシステムにICTを活用することについては、私立高校の例になるが、インターネット学習システムを使って添削の課

  題を提出したり、メール機能やテレビ会議システムを活用して指導することはある。

   現在は、通信制に限らず、ICTの活用というのは必要不可欠になってきているので、通信制課程の学びの在り方については研

  究していきたいと考えている。

  意見 林委員

   財政的にも非常に難しい問題があるかもしれないが、実現するように頑張ってもらいたい。

 

  Q 林委員

   東京学生寮について、当初は県が主導して建設した経緯もある。全国的に見て、都道府県が経営している学生寮はあるのか。

  A 藤戸総務課長

   各都道府県に設置している状況を分かる範囲で確認したところ、少数であった。1件か2件、県立で学生寮を設置している府

  県があったと記憶している。

  Q 林委員

   東京学生寮の設置主体は、公益財団法人になっていて、600坪ほどあると聞いている。役員からの一つの案として、県に譲渡

  して、県の外郭団体として運営するという話も出ている。そういった場合、検討の余地はあるか。

  A 藤戸総務課長

   東京学生寮を運営している公益財団法人からは、施設の老朽化の関係もあり、今後どのように運営していくかについて、県も

  相談を受けている。

   先ほどの提案を含めて、今後、相手の法人からの意見提案や、県もどのような助言をできるかについて、引き続き協議を進め

  ていきたい。

  意見 林委員

   引き続き、積極的に検討してもらいたい。

 

  Q 中西委員

   先ほど教育長の説明の中で、教員のなり手不足について、令和6年度和歌山県公立学校教員採用候補者選考試験の結果が説明

  された。受験者が1175名で332名合格とのことだが、もう少し詳しく教えてほしい。

   また、秋選考の実施要項も発表されているが、その特徴や期待できること、そして、大学3年生を対象とした選考はどのよう

  なものか。

  A 𠮷田教職員課長

   教育長の冒頭の説明では、採用候補者選考の結果、受験者1175名のうち、332名が合格であったが、小学校で最終合格率は2.5

  倍、全体では3.5倍となった。志願者の減少ということが最近言われているが、各校種・教科のうち、中学校の国語、中学校の技

  術、高等学校の看護、高等学校の工業、特別支援学校で募集人員を確保することができなかった。

   9月20日に要項を発表した秋選考については、小学校、特別支援学校に加え、確保できなかった中学校の技術、高等学校の看

  護、高等学校の工業を追加で実施する予定である。他府県での現職教諭、県内での講師経験、さらに中学校の技術と高等学校の

  工業においては、社会人経験を受験資格とした募集をしており、即戦力として期待できる教員を採用できればと考えている。

   大学と連携して実施する、大学3年生を対象とした大学推薦特別選考では、3年生で合格した後、4年生の1年間をかけて、

  ボランティアや現場実習などを積極的に取り入れた、大学が作成した実践的な研修プログラムを実施することで、実践力を十分

  に高めた初任者として教壇に立ってもらう予定である。

   教員のなり手不足に対応していくためにも、今後も複数回の採用試験の実施やいろいろな手を使って、引き続き教員の確保に

  努めていきたい。

  意見 中西委員

   なかなか一気にいかないとは思うが、しっかりと取り組んでもらいたい。

 

  Q 中西委員

   フリースクールについて聞く。 

   和歌山県内ではフリースクールがほとんど開設されていないのが現状で、インターネットを見てもあまり出てこない。関東で

  はたくさんあり、和歌山県の課題の一つであると思う。

   不登校児童生徒が増える中で、一つの支援策としてよいと考える。県としてフリースクールとの連携等は考えていないのか。 

  A 川口教育支援課長

   不登校の要因、支援ニーズ等は多岐にわたっている。

   欠席しがちな児童生徒には、フリースクールのような落ち着いた雰囲気の中で、自分のペースに合う学習環境があれば、社会

  的自立に向かう場合もある。

   県では、不登校の支援について、いろいろと取り組んではいるが、フリースクール等については、県内では十分に開設されて

  いない現状である。ただフリースクール自体は少ないが、そこに実際に通う生徒はいる。

   このような中、今年9月に、不登校対応に係るワーキングチームが立ち上がった。今後はそのワーキングチームにおいて、フ

  リースクールとの連携等について、具体的に検討していく。

 

  Q 三栖委員

   今回の一般質問の内容と少し重複する部分もあるが、先ほど教育長から説明があった、7月31日に公表された全国学力・学習

  状況調査の結果に関する部分で質問する。

   説明の中にもあったとおり、中学校の国語が全国的にも下位という状況がここ数年続いていると認識している。これに関して、

  対策や今後の方向性は一般質問の答弁で承知しているが、この内容をもう少し詳細に見てみると、同じこの調査の中で、生徒に

  アンケートをとっており、中学校の国語は、点数としてはなかなか上がってこないが、このアンケートでは、国語の授業がよく

  分かると回答している生徒が80%くらいいる。この傾向は数年同じで、アンケートの結果では、よく分かると答えているものの、

  実際に点数が追いついていないという状況が数年続いている。普通に考えたら授業がよく分かるのであれば、点数もそれに付随

  してきてほしいと思うがどう考えているか。

  A 大堀義務教育課長

   国語の授業の内容を分かると回答した生徒の割合は比較的高くなってきているが、国語についての質問紙はもっとたくさんあ

  る。例えば「根拠を明確にするために必要な情報を資料から引用して書いている」や、「場面の展開や登場人物の心情の変化な

  どについて、描写を基に捉えている」などの回答については全国を下回っている。これについては、国語の授業自体にまだ一定

  の課題があると考えている。この課題を改善するために引き続き授業改善を進め、研修の内容を充実させようと考えている。

  Q 三栖委員

   学力が向上するには、時間がかかるし、対策も粘り強くやっていかないといけないことは重々理解している。先日、本件に関

  する質問をしたときに、知事から、今後学力を追い求める偏差値教育だけではなくて、もっと自ら問題を発見して解決していく

  能力を育んでいくのだと、それが和歌山らしい教育であるというような答弁があった。

   一方、全国学力・学習状況調査で、定量的に学力をチェックしていきながら、生徒たちの学力を向上させ、想像力であったり、

  表現力というものを培っていくことも重要だと思う。そのあたり、一見相反する方向性とも受け止めたが、県教育委員会として

  は、今後どのように、どういうふうにバランスを取りながら、生徒たちに指導していくのか。

  A 大堀義務教育課長

   教育の大綱に示されている、例えば「なぜ」と追究することや、問題を見いだして探究的にその答えを求めていくということ

  は、本当にこれから求められる力と思っている。

   委員が一般質問で質問したように、私たちは全国学力・学習状況調査で問うのは基礎・基本もそうだが、これを活用して解決

  していく力を見るためのものでもあると考えている。それから質問紙調査から分かってくる学習状況も、学校の教育活動を改善

  していくためには必要なものと考えているので、この調査も大事にしながら、子供たちの力をつけるためにいろいろな取組をし

  たいと考えている。

  意見 三栖委員

   私も両方大事だというのはよく分かっているし、当然、社会がどんどん変化していく中で、今までどおりの教育のやり方では、

  太刀打ちできない状況も多々あると思う。前回の委員会でも述べたように、今どんどん子供たちが都会に出て行ってしまって、

  和歌山に戻ってこないという、この負のサイクルをどこかで断ち切らないといけないなと思っている。引き続き、和歌山らしい

  教育という形でしっかりと県民の教育を支えるように、しっかり取り組んでほしい。

 

  Q 三栖委員

   7月に文部科学省から、生成AIに関するガイドラインが公表されたと思う。まだ暫定的なガイドラインなので、これを使って

  どうこうしなさいという話ではないと理解しているが、和歌山県としても生成AIに関する向き合い方を考えておかなければいけ

  ないと思う。現時点で、ガイドラインに対して和歌山県はどう考えているのか。

  A 榊教育DX推進室長

   生成AIについては、文部科学省から教育現場での取扱いの暫定的なガイドラインが7月に示され、同月14日に、このガイドラ

  インについて、県立学校と市町村教育員会に周知したところである。このガイドラインについては、基本的な考え方ということ

  で、生成AIの活用の適否に関する暫定的な考え方が示されている。

   県では、県立学校に対し、授業で生成AIを教員や生徒に利用させるような場合については、あらかじめ教育委員会へ協議を行

  った上で、実施するように通知したところである。

   また併せて、情報のモラル教育について、生成AIを使うにあたってのメリットやデメリット等を十分把握した上で、この情報

  モラル教育の充実を図るということを、研修等を通じて周知していく。

  意見 三栖委員

   生成AIとか、こういう新しい技術はなかなか先進的な事例もなく、とりわけ生徒たちにとっては興味が湧く一方で、悪用につ

  ながるようなケースも考えられるので、そこは慎重に取り組んでもらいたい。

   ただ、新しいICTの話もそうだが、世の中に出回って、気がついた頃には、もうちょっと出だしが遅れてしまっているという

  ケースも多々あると思うので、いいものはいい、使い道のあるところは使っていくという、柔軟な姿勢で今後進めてもらいたい。 

 

  Q 藤山副委員長

   9月11日の知事記者会見の模様が記事になっていた。県立自然博物館のことについて、海南市にボールを投げている段階とい

  う知事の発言があったが、これを聞いてまず庁内の情報伝達はどうなっているのかというふうに感じた。自然博物館の防災公園

  の移転の話はどうなっているのか。

  A 宮﨑教育長

   まず、海南市にボールを投げている状態であるということに関しては、教育委員会としては、県にボールがあると認識はして

  いたが、知事への報告の際に、説明が不十分であったことから、知事の発言につながった。そのことは大変申し訳なく思ってい

  る。謝罪を行うとともに、今後の対応について協議を行い、海南市には理解してもらっていると認識している。

   教育委員会では、大野中のいわゆるわんぱく公園への水族館の移転が難しい状況において、どのような施設整備が考えられる

  かということを検討しつつ、海南市とずっと協議をしてきた。協議の結果、残念ながら合意には至らなかったという状況である。

  こういったことを知事に報告をした上で、大野中の移転を断念せざるを得ないと今は考えている。

  Q 藤山副委員長

   合意が得られずということだが、それは理解が得られずという解釈でよいか。

  A 宮﨑教育長

   そうである。合意が得られずというか、理解が得られずにも該当すると思う。

  Q 藤山副委員長

   理解が得られずというのはおかしい。

   そもそも当初水族館機能をそのまま移転するという前提だったものが、途中で移転により水族館機能がなくなるという話にな

  った。海南市としても県の要請に応じて、埋立ての用地は嫌だと、切土でないと困るというような要望を受け入れて、自然博物

  館が来るということで、3億円近くもかけて、60名くらいの市民にも協力してもらって、海南市は用地を取得している。それ以

  外にもいろいろな迷惑を海南市は被っている。それでも長年親しまれてきた県立自然博物館の水族館機能を存続させてほしいと

  いうのが、海南市の願いであったわけである。そこへ水族館機能のない自然博物館にすることには、海南市としても納得のいく

  話ではなく、理解されないのも当たり前の話だ。

   今回の県の決定について、海南市に非があったのかどうか、まずこの点をはっきり答えてほしい。

  A 宮﨑教育長

   海南市に非があったとは考えていない。県の財政の関係、水族館の移転の困難さの状況、水族館以外の展示が適当なのではな

  いのかという意見を総合的にみて、県としては、よりよい博物館の施設を目指して、一生懸命海南市と協議を重ねてきた。一生

  懸命、誠心誠意、協議を重ねてきたけれども、残念ながらそういったことでは合意を得られないという、今の結果になっている。

  Q 藤山副委員長

   海南市は、先日から防災公園の運営事業者の公募を始めた。要項の中には、「自然博物館用地はどうなるか分からないが、事

  業者に提案を求める」という非常に困難な条件付で公募せざるを得ない状況になっている。このことについても、海南市に対し

  て、県が迷惑をかけているという認識はあるか。

  A 宮﨑教育長

   いろいろなやり取りの中で、結果として海南市に迷惑をかけたと考えている。

   ただ県としても、なるべく海南市に残したかったということもあって、一生懸命合意を得られるように話をしてきたが、それ

  もうまくいかなかったため、今回もう一度仕切り直しということになった。

  Q 藤山副委員長

   海南市に迷惑をかけていることを理解しているのであれば、県立自然博物館を現状のまま存続させることだけではなくて、そ

  の隣接するプールや温山荘の用地を含めた再開発にも取り組んでほしい。

   それと、海南市が防災公園内に自然博物館のためにわざわざ取得した用地については、その活用や、活用のための事業に対し

  ても、県として何かしらの支援をしてもらいたい。

  A 宮﨑教育長

   今後について、もちろん海南市の意見を聞きながら、現地での建て替えなど全ての可能性も含めて、博物館としてどのように

  整備していくかということを虚心坦懐考えていきたい。県の財政や災害リスクを見極め、検討会なども立ち上げて十分に検討し

  た上で、今後の方向性を決めていきたいと考えている。

   海南市の今の防災公園についての協力は、海草振興局を中心にいろいろと動いているようなので、しっかりと対応していると

  認識している。 

 

  Q 藤本委員長

   先ほど、三栖委員も言ったように、文科省の学力調査の結果が出た。県では文科省の学力調査以外に、学力調査をしている。

  それはどのような形でされているか、説明してほしい。

  A 大堀義務教育課長

   県学習到達度調査は、全国学力・学習状況調査の対象と異なる小4、小5、中1、中2と、中3の児童生徒の学力の定着状況

  をきめ細かく把握・分析し、個々の課題に合わせた指導を行い、学習内容を確実に身に付けさせることを目的に実施している。

  Q 藤本委員長

   学習内容をより理解させるために、この学力調査をしているということでよいか。

  A 大堀義務教育課長

   調査して、その結果を個々の指導と、授業改善に生かすという取組をしている。

  Q 藤本委員長

   学力調査をするのに、どれぐらいの予算を使っているか。

  A 大堀義務教育課長

   令和5年度の予算は、小学校調査に約800万円、中学校調査に約4000万円である。

  Q 藤本委員長

   かなり多額の費用を、この学力調査に使っている。文科省が年に1回調査をし、県は中学校で2回学力調査をしていると聞く

  が、間違いないか。

  A 大堀義務教育課長

   間違いない。

  Q 藤本委員長

   学習内容の理解を深めるためにされている学力調査が、私が見てきた中では、あまり効果を上げていないのではないかと思う。

  今回の文科省の調査の結果を見ても、中学校は特に、2回も学力調査をしているにも関わらず、あまりよい成績ではない。私は

  この学力調査だけを一生懸命言っているわけではなく、それを見て一喜一憂するという立場で発言をしていないが、4800万円

  をかけて学力調査をした結果としてはあまり芳しくないというふうに捉えている。その点について、教育委員会はどのように捉

  えているか。

  A 大堀義務教育課長

   小学校よりも中学校がなかなか課題を改善できない状況にある。中学校は全学年について、そのような状態だと把握しており、

  2回実施にしたのは、令和4年度からである。今年度の結果につながらなかったのは大変に残念で、申し訳ないと思う。

   ただ、中学校の様子から、より短いサイクルで調査をして、生徒個々にどこにつまずきがあって、それから授業をどう改善し

  ていくのか、短いサイクルで手を打つことで課題の改善に努めていきたいと考え、実施している。

  Q 藤本委員長

   学力調査を2回したから、成績が上がるとは到底思えない。それなら本会議でも申し上げたように、本当の学力をつける、探

  究する力であったり、基礎をしながら解決していく力というのは、私は本会議で読書のことを取り上げたが、そういうことも学

  力をつけるためには大事な取組だと考える。それが和歌山県では学校司書も少ない、蔵書の数も少ない中に、子供たちが置かれ

  ているわけである。

   本会議で三栖委員が言ったように、今1人1台端末を子供たちが持っているが、5、6人の子供たちが一斉に使った場合、動

  かないという状況もある。そのときには、教育長も環境を整えていきたいと言っていたので、私は学力調査を2回するといった

  方向性は、もうやめたらいいのではと考えている。4800万円も使っているのだから。文部科学省が調査を実施し、継続してい

  ろいろな教育の課題や子供たちの意欲なども調べているので、もう県で2回も学力調査をする必要はないのではないか。滋賀県

  や奈良県はやめている。そういうふうに文部科学省がやっているから、それを参考にしながらきちんとした教育をしていこうと

  しているところもあるので、私は県の学力調査を2回もすることは少し立ち止まって考え直したほうがいいのではないかと考え

  るが、その点はどうか。

  A 大堀義務教育課長

   県学習到達度調査の分析に基づいた対応については、学力向上に一定の成果があったと考えているが、より効果的に実施でき

  るように、市町村教育委員会や学校の意見も踏まえて、今後、実施の仕方について検討しながら継続していきたいと考えている。

  Q 藤本委員長

   教育委員会は現場に負担をかけないよう、採点から何から業者に任せた調査をしている。そもそもどこにつまずきがあるかと

  か、どういうふうにこれを改善したら授業に生かしていけるかというのは業者に任せて戻ってきた採点を見てもできるものでは

  ないと思う。

   でも、これをまた学校現場で調査を2回やるとなると、現場が大忙しで、先生たちのその超過の労働時間のこともあり、なる

  べく負担をかけたくないという配慮も分かるが、そもそもその学力調査は一度見直してみるということも視野に入れて検討して

  もらいたいが、その点はどうか。

  A 宮﨑教育長

   義務教育課長が言ったように今後検討をしていくが、この調査は中学校ではどうして成績が悪いのかというところから始めて、

  その様子、その原因を探ろうということで始めた。生徒の成績を見て、それから先生たちが検証をしてということはやってきて

  いるが、今回非常に強く感じたのは、学校全体の問題もあるのではないかと、何となく気づいたところである。確かに言われる

  ような内容もあるが、まだ始まって間がないので、もうしばらく継続したい。実施の仕方については検討していきたいと考えて

  いるので、しばらく温かい目で見てもらいたい。

 

  Q 中西委員

   自然博物館の移転に対して、私自身、長期計画に重きを置いているが、先ほど教育長は、移転は断念ということになると言っ

  た。その中で長期計画に載せている以上、リニューアルは継続して進めていくと考えてよいか。

  A 宮﨑教育長

   長期計画に記載されている案件なので、その上での検討となるが、海南市の意見を聞きながら、これから進めていく中で、い

  ろんな可能性全て含めて考えていくということである。

  Q 中西委員

   現地施設は、あとどの程度もつのかということを考えたことはあるか。

  A 宮﨑教育長

   現地施設があとどの程度もつかはもちろん考えた上で、今、全ての議論をしている。どのくらいもつかということは、当面大

  丈夫であると考えている。

  意見 中西委員

   当面大丈夫とのことなので、今後も海南市としっかり連携を取っていってもらう必要があるので、その辺はしっかりと話し合

  ってもらいたい。

 

    ●藤本委員長

     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告

     ◎議案に対する採決宣告

     ◎議案第111号は、全会一致で原案可決

     ◎教育委員会審査終了宣告

     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし

     ◎県内調査については令和5年9月26日、県内外調査については令和5年11月8日から11日10日までの日程で実

      施することを報告

     ◎閉会宣告

   午前11時1分閉会

 

 

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