令和5年9月和歌山県議会経済警察委員会会議記録


令和5年9月和歌山県議会経済警察委員会会議記録

1 日時  令和5年9月25日(月)午前9時59分~午前11時38分  

2 場所  第3委員会室

3 出席者  委員長    川畑哲哉

      副委員長   岩井弘次

      委員     井出益弘、尾崎要二、佐藤武治、山下直也、浦口高典

      欠席委員   なし

      委員外議員  なし

4 概要

   午前9時59分開会

    ●川畑委員長

     ◎開会宣告 挨拶

     ◎報告事項 委員の欠席なし

     ◎傍聴協議 なし

     ◎撮影許可 3件

     ◎議事   議案4件継続審査を要する所管事務調査8件

     ◎審査順序宣告 公安委員会、商工観光労働部・労働委員会の順に審査

     ◎公安委員会審査宣告

     ◎所管事務に対する説明要請

    ●山﨑警察本部長、大髙刑事部長及び射場会計課長説明

    ●川畑委員長

     ◎所管事務に対する一般質問宣告

 

  Q 尾崎委員

   先日、経済警察委員による機動隊庁舎の視察を行ったが、同施設への進入路が住宅地の中の細い道を入っていかなけ

  ればならない状態であった。元々の施設である消防学校として使うのであればよいかもしれないが、機動隊は何かあれ

  ば大型車両も出動しなければならず、支障があるのではないかと感じた。また、同庁舎の所在地は、地形的にも水害が

  発生する可能性があり、その際には出動が難しくなるのではないか。もう一つ、あれだけ狭い道で水害になると、出動

  した大型車両が路外に逸脱し、動けなくなる事態が発生するようなことがあってはならない。

   急ぐ車両であるので、特に付近の主要道路である県道と機動隊庁舎のアクセス道路があの道でよいのかと思う。経済

  警察委員会で提議するとともに、場所が和歌山市内であるので和歌山市選出議員の力も借り、対象道路の管理者である

  和歌山市に働きかけをしてもらいたい。何らかの対応が必要だと感じるが、県警察の対応はどうか。

  A 森田機動隊長

   委員指摘のとおり、機動隊舎前の市道は一部狭隘であり、特に大型車両の通行時に、車両の対向が難しいのが実情で

  ある。

   同市道の冠水については、本年3月の運用開始以後は発生していないが、付近住民からは、過去5年間で2回程度、

  冠水したと聞いている。

   県警察としては、和歌山市等の関係機関と連携の上、協議・検討していく。

  要望 尾崎委員

   道幅を拡幅するのか、別のバイパス的な道路を新設するのか等、幾つかの対応策が考えられるが、いずれにせよ、和

  歌山市に検討していただく必要がある。

   委員会、県警察及び県行政当局が連携の上、和歌山市等の関係機関に働きかけを行うなどし、問題を解決するよう要

  望する。

  要望 尾崎委員

   重要犯罪で高い検挙率を示しているが、検挙に勝る防犯はないので、地域と県民の協力も得ながら、徹底検挙を要望

  しておく。

 

  Q 山下委員

   本年8月4日に経済警察委員会の県内視察ということで、新しくなった県の機動隊庁舎を訪問させてもらった。森田

  機動隊長から説明いただいた後、庁舎の案内や暑い中、隊員の訓練も見せてもらい、機動隊員の皆さんの活躍は計り知

  れないくらい大変だということを改めて知った。

   その際、施設の説明を聞かせてもらっていたところ、海中で捜索活動等の訓練をするためのプールが実は現在、和歌

  山市木ノ本にあるということを聞いた。

   重大な任務遂行に就いている隊員が、冬野から木ノ本まで訓練で移動するのは大変なのではないか。できれば、新し

  くなった庁舎のほうにプールを持ってきてもらいたい。新庁舎の裏には山がある。所有が民間のものかどうかは調べて

  おらず、また、予算の問題は別であり、あくまでも可能性の話として、立地的にはそんなに問題が起こることはないの

  ではと感じた。この際、できるだけ隊員がスムーズに、いざというときの出動に備えてもらうためにも、プールを新庁

  舎の敷地へ移転することを考えてほしい。

   もう一つは、トレーニング機器。いろんなものが置いてあったが、びっくりしたのはさびとかがあってとても古く感

  じた。関係者にいつから使っているのか尋ねたところ昭和の時代からと聞いた。これもお金のかかることではあるが、

  体力を鍛えるのは基本だと思うので、できれば、そういったものもこの際新しくしてほしい。いざ県内で何かが起こっ

  たときにきちっと素早く対応してもらうのが本来の姿ではないかと思う。

   以上2点について指摘するのでぜひ検討願う。

 

  A 射場会計課長

   機動隊の庁舎や潜水訓練槽は、国費で整備されることになる。

   機動隊庁舎新築・移転の国への予算要求時において、潜水訓練槽の新築についても要求していたが、耐用年数内であ

  ったため、容認されず、現在に至っている。

   訓練槽、それとトレーニング機器ともに委員の意見を踏まえ、今後、早い段階で整備できるよう予算獲得に努めてい

  く。

  Q 山下委員

   潜水訓練槽には耐用年数があるのか。いつまでか。

  A 射場会計課長

   潜水訓練槽については、平成9年に建築している。

   耐用年数は35年、令和14年まであるので、それよりも早く移転できるよう努めてまいりたい。

  意見 山下委員

   耐用年数があるということであるが、早い移転に向けて尽力願う。

 

  Q 浦口委員

   逮捕術について3点伺う。1点目は実戦、2点目は訓練、3点目は競技である。

   まず、実戦について、1か月くらい前、大阪で木刀を振り回した者に警察官が拳銃で対応し、怪我をさせたことがあ

  った。そのことに違和感というか、そこまでやる必要があるかと思う。この場合、木刀なので、本来は警棒で対応すべ

  きであったと思うがどうか。

  A 喜多教養課長

   大阪の案件での質問と思う。

   大阪府警のことであり、答弁する範疇ではないが、拳銃の使用判断には定めがあり、本県においては、きちんと使用

  判断の訓練や指導を行っている。

  Q 浦口委員

   確かに大阪府警のことである。和歌山県警の場合、どう指導しているか。相手が木刀の場合、拳銃で対応せよと教え

  ているのか。  

  A 喜多教養課長

   和歌山県警の場合、明らかに木刀であると判断できれば、拳銃ではなく、警棒や警杖などの適切な武器で犯人を制圧

  する。

  Q 浦口委員

   2点目は、10日ほど前の和歌山市駅での訓練について、3人の警察官が1人の暴漢に対応しているとき、ナイフを持

  った相手に素手で対応していた。非常に危険であり、警棒で対応すべきだと思う。ナイフの場合、振り回すより個々に

  対して当たってくる可能性がある。素手での対応は非常に危険であると思うが、訓練としての対応マニュアルはつくっ

  ていないのか。本来は警棒で対応したほうがよかったのではないか。

  A 喜多教養課長

   今の質問の訓練は、私どもで計画した訓練ではないので、詳細は分からないが、犯人が持つ武器によって、警棒、拳

  銃等を判断して使用するよう指導している。和歌山市駅の訓練では、警棒等の武器を使用できる状況でないと判断して、

  素手で制圧したのではないかと思うが、相手の武器に応じて適切な警棒、拳銃等の使用による制圧を指導している。

  Q 浦口委員

   訓練ではあるが、1人に対して警官3人が3人とも素手で対応していたことに違和感を覚えたので今回質問した。

   3番目は競技について、逮捕術の試合を見て、若い人を中心に元気があっていいなと思うが、素手の場合に自分の武

  器になるのは打撃であり、突きや蹴りの訓練をすれば変わってくる。いざとなれば身体が武器になる。また、接触時に

  組み打つことがある。柔道をやっている方はすぐに投げや足をかけたりするが、あまりやっていない方は押し合いにな

  ったりするのが散見された。接触時にいきなり組みつくのは危険であり、肩や肘を取る技術などを身につける必要があ

  ると思う。また、倒れたときの最後の制圧はきちんと頭部を押さえに行くべきである。

   一般署員の訓練でそこまではどうかと考えるかも知れないが、基本的に突き・蹴りを身につけさせるため、短時間で

  の訓練をするべきかと思う。以前、短時間での訓練を見たが、警棒での型であり、それも悪くないが、もう少し素手を

  中心に固め技などの技術を身につけるべきと思うがどうか。

  A 喜多教養課長

   現在、警察本部、県下各警察署に、柔道、剣道、逮捕術、拳銃の種目ごとに指導者を置いている。平成20年からは、

  県下警察署を4つのブロックに分け、柔道、剣道及び逮捕術を指導するブロック術科指導者の制度も導入している。こ

  れら指導者の下、警察官らは計画的に訓練を行っており、気力及び体力の錬成を図っている。

  意見 浦口委員

   我々が思う以上に現場は大変な危険が伴うので、少しでも自分の得意分野を鍛えて、怪我のないように頑張っていた

  だきたい。

 

  Q 佐藤委員

   先週、一般質問の中で水上オートバイのことを質問したが、少し関連して簡潔に質問したい。

   今、和歌山県内において、水上オートバイの事故はどのくらいあるのか、過去、少し遡ってでもよいので把握してお

  れば説明願う。

  A 森本地域指導課長

   県下における水上オートバイの事故に関し、本年8月末までに警察で把握している件数についてはゼロ件となってい

  る。

   過去5年間を見てみると、平成30年が4件、令和元年が3件、令和2年が2件、令和3年が1件、令和4年が4件と

  なっており、令和4年のうち1件は、単独による死亡事故となる。場所については、和歌山市のマリーナシティ、片男

  波周辺、広川町唐尾、白浜町沿岸において複数件発生している。

   また、取締件数については、本年8月末までの取締件数は、警告指導を含めゼロ件となっている。過去5年間を見て

  みると、平成30年が1件、令和元年が2件、令和2年が2件、令和3年がゼロ件、令和4年がゼロ件となっており、主

  なものについては、免許証不携帯、救命胴衣非着用、船舶検査済票不貼付になる。

  意見 佐藤委員

   今年はまだゼロ件で推移しているようだが、過去5年間の中では数件発生している。最近、マリンレジャーが結構多

  くなっているように思う。一般質問の中でも話したが、そういう状況の中、なかなか陸上と違って、取締り等も難しい

  面があると思う。1件は、単独ということだが死亡事故も発生している。一般質問でも話したように、普通に海水浴場

  で海水浴を楽しんでいる子供等に危害があれば非常に困るので、難しい面もあると思うが、引き続きお願いしておく。

 

  Q 佐藤委員

   水上オートバイの事故であるが、万が一事故があると大変なことになるので、事故防止に関してはどのような取組を

  行っているのか。

  A 森本地域指導課長

   県警においては、警備艇「きしゅう」を活用し、沿岸水域の警戒警備、事件事故発生時の初動活動、水上オートバイ・

  プレジャーボート等による法令違反の取締り、水難者の捜索活動、水難・船舶事故防止の啓発活動等を実施している。

  特に水難事故が多発する夏場は、片男波海水浴場周辺の水上オートバイが多数航行する海域等において、水上パトロー

  ル活動を強化しているところである。また、海上保安庁や国土交通省との合同パトロールのほか、水上安全協会等と情

  報共有を図るなど、他機関とも連携しながら、各種イベント等の機会を通じ、海や川などでの水難事故全般に関する啓

  発活動を積極的に行っている。

   今後も、「和歌山県遊泳者等の事故防止に関する条例」を効果的に運用するとともに、海上保安庁を始め、関係機関・

  団体等との連携を密にするなど、水難事故防止及び水上オートバイ操縦者等のマナー向上に努めていく。

  意見 佐藤委員

   本当に事があってから死亡事故につながると取り返しがつかないこととなるので、海や川の取締りについては難しい

  面があると思うが、海上保安庁等としっかり連携をしてもらいたい。

   最終的には、私も一般質問で話をしたが、運転する人のマナーというところになってくるのでなかなか難しい面があ

  ると思う。

   引き続きよろしくお願いしたい。

 

  Q 佐藤委員

   太地町における捕鯨をめぐる動向として、警察本部長から、反捕鯨関係者の来町者数が約20人と説明があったが、外

  国人の反捕鯨関係者の来町はどうか。外国人、日本人の内訳が分かるのであれば教えてほしい。

  A 塩見公安課長

   外国人の来町者は2人で、残りの活動家は日本人となっている。

 

    ●川畑委員長

     ◎一般質問終了宣告

     ◎議案に対する採決宣告

     ◎公安委員会審査終了宣告

     ◎休憩宣告

   午前10時41分休憩

 

   午前10時44分再開

    ●川畑委員長

     ◎再開宣告

     ◎商工観光労働部・労働委員会審査宣告

     ◎議案等に対する説明要請

    ●三龍商工観光労働部長、在塚償還指導室主幹及び芝労働委員会事務局長説明

    ●川畑委員長

     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

 

  Q 尾崎委員  

   説明の中で、エネオスとの方向や問題点を説明されたが、いよいよもう10月で閉めるという段階になって聞こえてく

  るのは、一部クリーンエネルギー的なもので決まったというもの。それは結構なことだが、その規模は年間の製造量が

  30万トンということである。今までエネオスに入港したタンカーは20万トンのものであり、1杯と半分の量を1年通じ

  て製造するということであるが、もうその点を見ても、今までの雇用がどれだけ厳しいものになるかというのは分かる。

   そのことについて、それぞれ言っていることはDXやカーボンニュートラルなど先の話である。それは間違いではない

  が、随分先の話をもう目の前の話のようにどんどん話をしている。実際、何ができているかというと、公有水面を埋め

  立てて得た貴重な土地にソーラーを敷き詰めている。今回この新たなことをしようとしていることはありがたいが、本

  当に雇用へつながるのかと思う。つながっても、どの程度の人数かということを大変案じている。

   それと見えてくるのは、まず会社がどうなるか、従業員がどうなるかになっているが、それ以外にも下請、孫請があ

  り、今までそれで一生懸命してきた人たちがピンチになったときに、県の施策としてこういうことができるというよう

  な説明を聞いたことが一度もない。ひょっとしたら何か勘違いされていて、「エネオスは有田にあるから」という考え

  方をしているのかもしれないが、エネオスは有田市も主要な市であるが、元の下津町にもエネオスの敷地があり、関係

  がある。だから、市長同士が集まって地元対策をやっていただいている中には入っているが、我々の地元の下津のほう

  には海運やいろんな海の関連もあり、その人たちに何か話があるか聞くと何もない。閉まるのはもう目の前である。ど

  うするのか知らないが、いろいろなことがどんどん進み、そのままじっとしていても下請や孫請として雇用や事業を保

  障してあげるよと言って、ちょっと待ってなさいというなら、いくらでも待てるが、片一方で華々しくこういう書類に

  して、地元の議員にも渡してくれるが現実はそんなものじゃないような気がする。

   なぜ、このような言い方をするのかというと、私の地元は下津町であり、丸善石油が撤退したときにどうなったかと

  言えば、もう飲食店から始まっていろんな関連に影響がでた。どんなところまで影響が出たのかというと、丸善石油が

  ある頃は準急など普通列車以外の電車も駅に止まってくれた。ところが、現在はどうかというと、もう全くひどい状況

  になり、朝の通勤快速も止まらない。以前は、急行列車が止まったような駅が通勤快速も止まってくれない。それは何

  を物語っているのかというと、もう全く元気がなくなっているということ。そうすると、その会社の関係の従業員の皆

  さんの子弟が来なくなり、小学校や中学校でも生徒数が一気に減る。

   そして、従業員の一部は配置換えをしてくれた。それはどういうことかというと、「長男で家が農家だけど農業では

  暮らしていけないような家だったので、その長男が丸善石油へ勤められ、こんな幸せなことない。近くへ通ってくれて、

  ありがたい」と言って喜んでいたその両親に、今度は「配置換え。みんな、もうなくなるから外へ行く」と。じゃあど

  こへ行くのかというと、千葉へ行くのか、どこへ行くのかという辞令がバンバン飛ぶ。それはちょっと困るのでと言う

  と、もう辞めてくださいとなる。

   そうなってくると、下請や孫請なんてもう、ましていわんやである。そうすると町の灯が消える。だから、警鐘を鳴

  らしておきたいのは、和歌山市ものんきにいるけれども、住友の高炉が消えたらどんなことになるかっていうことであ

  る。大変なことになるなんて言葉で言うのは簡単であるが、本当に大変なことが起こったら、打つ手がないぞというぐ

  らい、ひどい形になる。そんな中で、有田市の関連するところ、私の地元である下津町の関連する下請や元請も本当に

  前が見えていない。

   片一方では、県の発表でSAFをやってくれて、そしてGXというようなことを並べてくれるがそんなものではもたない。

  実際、そのときにどれだけの下請、孫請その下がいて、そしてその人たちがどの方向へ向いていけるかというようなこ

  とまで、きちっと調査しているのか。「地元の市にお伺いをすると・・」というぐらいの程度ではないのか。それであ

  ればいけない。きちっと聞き取りもして、どうしていくのかということをしないと。

   そのことすら分からないで、文章だけ書いたら、何とかなるかというと、そんなことにはならない。車でいうと、車

  を止めるのにブレーキが効くのかと、ブレーキで止めるより擁壁にそのままぶち当たった方が早く止まる。その代わり

  中に乗っている人はもたない。結局、そういうやめ方をせざるを得ない事業所が一気に出てくる。

   そういうことになるので、それに対する施策とか、いろんな形が私にはあまり聞こえてこない。火事になったら考え

  ましょうかというよりも、火事になる前にそれをどうしていくかを考えて、少し発信してもらわないと。もうちょっと

  したら、それも出てくるかと思っていたが、もうこの時期を迎えてしまった。だから、そういうところにもう一回どう

  していかなければならないのかということをやはり考えてもらいたい。

   これは、急に言ったから「お答えします」というような話ではない。やることをやっていたら、こういうことも調べ

  て、こうだったということを話ができるだろうけれども、まだ、そこまでのところまでいってないと思う。エネオス当

  局と市町村と、その中に県も入って、これが災い転じて福となるという方向へ行きたいというようなほうへ神経が行く

  のはやむを得ず、またそれをしてもらわないといけない。一方で、大変なことになるというのがもうすぐ目の前にある。

  そう言っている間に、一つその関係のところに聞くと大変なブレーキの音がするだろう。だから、そうなりにくいよう

  に、それらも次へ進めるように、商工観光労働部をあげて、関連する商工会、商工会議所、いろんなところと連携を取

  りながら、できるだけ、後でここまで来ることができたのでまあまあよかったなと言えるところまで、何とか手厚い情

  報収集をしてやってもらいたい。そういうところをきちっと情報収集に来ているかというと、来ていないという話を聞

  く。下請や孫請や関連するところがどうなっていくかというようなことに思いをいたすよりも、本体との話を一生懸命

  しないといけないとなっている。それが間違っていると言わないが、一方で、今、言ったことも考えてやってもらわな

  ければ、何もかもなくなっていく。そして元気もなくなっていく。もう丸善石油のときに感じた町のことを言うが、昔

  は、町民税もいらなかった町が、もうお気の毒にと周りの市町村から言われるぐらいのさびれ方になる。そういう状況

  になってしまい、その地域の何もかもが変わってしまう。

   そういうことであるので、心して、その点も早急に部長をトップとして、いろいろと情報を集めていただき、どう対

  応していくか、備えるかということをやってもらいたい。

   やってもらいたいということで、詳しいこと、何とか事業を利用してなどは言っていただく必要ない。その決意だけ

  聞かせてほしい。

  A 三龍商工観光労働部長

   委員指摘のとおりであり、我々もそこまで細かいところまで至っていないと感じたところである。エネオス社との折

  衝に加えて、協力企業関係約40社とも多少の調整はさせていただきながら、今まで進めてきた。再度、引き締めて、各

  事業者の状況等を聞き取りさせていただいて、きめ細やかに対応していきたい。できる限りのことをしていくのは当然

  であり、県としてそこは頑張っていくので、先生方にもいろいろとお力添えいただくかもしれないが、よろしくお願い

  する。

  A  田端企業振興課長

   尾崎委員の厳しい指摘を真摯に受け止めたい。 部長の発言の補足だが、和協会というエネオスの下請会社の会があり、

  そちらとは定期的に意見交換を実施している。和協会との話し合いで、影響調査を既に実施しており、今回、発表した

  ことを踏まえて、どういった影響があるのかということについて全社聞き取り調査を現在実施しているところである。

  そういった形でしっかり情報収集をしていきたい。併せて、雇用については、県内の他の地域を含めて求人の情報が県

  に入った場合には、和協会にこういった業種で何人くらいの雇用が求められているという情報を適宜提供しており、そ

  の情報は和協会から各企業様に伝わっている。ただ、和協会にもいろいろな業種があり、尾崎委員が言われた海運もあ

  り、オペレーションも建築系もある。建築系についてはSAFの建設が今後あるので、そちらの仕事はある。業種によっ

  て、海運やオペレーションのほうは仕事が少なくなることは聞いているので、その辺を中心に情報共有や情報提供をし

  ながら、引き続き対応していく。

  要望 尾崎委員

   それぞれ担当部のところの思いを語ってもらったが、結局は、十分、孫請、ひ孫請、そんなところまでいくかと言え

  ば、やっぱり必ずこうした議論に出てくるのは会社がこうされるとなったら、その従業員がどうなるのだということ。

  実際、そのとおり。そこで、生活を立てて、家族を養って。ところがその下請も、孫請も、ひ孫請けもそう。それは自

  分のところでやっている事業の5%減るとか1割減るというぐらいならまだしも、そうじゃなく、100%乗っかってい

  る。だから、もう船と一緒で、船が沈むと、もろともになってしまう。

   そうならないように、ぜひ、いろんな点でまた指摘もしていきたいけど、力合わせて、ちょっとでもよかったなと言

  えるような方向へ進んでほしいと思うので、部長よろしくお願いする。

  要望 川畑委員長

   僭越ですが私からも。実は私の父は丸善に勤めていた。父が祖母のお腹の中にいるときに祖父が戦死しているので、

  父は母一人子一人で育った。その祖母を置いて、千葉へ行けと言われて行けないということで退職した。もう父の人生

  も変わったし、その後の一年大変な思いをしたのかなと子供のころに思っていた。そんな職員、従業員がもう何百何千

  人と出たのだろうなと思う。ぜひ、今、尾崎委員が言われたように、従業員の方のお気持ちを、ご家族の思いもおもん

  ぱかっていただきながら、取り組んでもらえればと思う。よろしくお願いする。

 

  Q 浦口委員

   今、尾崎委員の話を聞かせてもらい、私もより感じるところがあった。例の和歌山IRのときに議論された問題だが、

  和歌山県は今まで重厚長大、いわゆる重化学工業を中心に発展してきた。人も伸び、どんどん地域経済を活性化してき

  たのは事実であって、それがだんだん、そこだけの問題ではなく、世界的な動きの中で衰退していく中で、和歌山は変

  わっていかなければいけないということから和歌山IRということであったが、これはもう終わったことであるが、議会

  で否決された。

   それで、和歌山IRとは若干違うが、外からの産業振興という面で、知事も観光の振興ということを言っているが、外

  から人を呼び寄せないといけない。その中で直近の和歌山市の、私は和歌山市ですから和歌山市中心に聞かせていただ

  きたいが、和歌山市で去年、令和4年度にはだいたい何人くらいの人が宿泊されたのか。

  A  林観光振興課長

   和歌山市の最近の観光客の状況ということで、令和4年の県の観光動態調査では、令和4年の年間宿泊客数は約87万

  人と、コロナ前の令和元年と比較すると約86%まで回復しているような状況となった。

  Q 浦口委員

   87万人で86%まで回復しているということで、それは結構なことだが、ということはコロナ前にはだいたい100万人

  くらいの宿泊客があったということである。

   それを前提にお聞きしたい。委員長が前に本会議で質問された、いわゆる和歌山のナイトライフであるが、和歌山の

  歓楽街というところ、アロチとか、築地は少し寂しくなってきたが、JRのあの辺の歓楽街を見ていると年間100万人く

  らいの観光客、観光客だけでなくビジネスのお客さんも来る割には、外から来た人にまず会っていない。いわゆる他府

  県から来て和歌山の夜を楽しみたいと、スナックなりラウンジなり飲食、飲食は詳しくは分からないが、なかなかそう

  いった方には会っていない。

   現実的には、もちろんこれは県のいわゆる行政だけの問題ではなく、各店舗とか商店街というか飲食業の皆さんの努

  力もあると思うが、県として和歌山にせっかく泊まってくれる方に対して、和歌山で食事をしてもらったり、お酒を飲

  んでもらったり、地元へお金を落としてもらうような努力はどのようなことをされているのか。

  A  林観光振興課長

   委員指摘のとおり、観光にとって県内の消費拡大というのは一番大事なことだと思っており、取組としては、現在、

  観光客の方に飲食など和歌山の夜も楽しんでいただくために、和歌山県の公式観光ホームページで「ナイトライフイン

  わかやま」というサイトを公開している。

   このサイトでは、和歌山市をはじめ和歌山県内にある居酒屋とか、カフェ、バーなど夜間営業している飲食店である

  とか、飲食店ではないが夜景スポットなどを紹介しており、これまで宿泊施設へリーフレットなどを設置したり、各種

  パンフレットやSNSなどでも紹介し、サイトの案内をしている。

   今後も県内の消費拡大を促進するためにも、随時、掲載数を増やすなど、継続して取り組んで行きたいと思っている。

  Q 浦口委員

   努力されていることは十分評価したいが、正直言ってあまり効果が出ていない。私の肌感覚だが、7、8年前の本会

  議でも話させてもらったが、人口減少については20年前からずっと言っている。非常に減ってきますよということ、事

  実そのとおりになってきたし、今、県全体でも89万人、和歌山市も40万人あったのが35万人ぐらいになっている。

   そこで、いわゆる肌感覚だが、議員としていろんな委員会で他府県に出たときに、夜、一次会で皆さんと食事した後

  に、一人夜の街を、別に何をするというわけでなくその辺の地域のお客さんだとか人の出入りを見るのを楽しみに行く

  のだが、7、8年前に長崎市に行ったときに、実はこの30年の間で、県庁所在地で和歌山市は人口減少率で見て全国2

  番目に人口が減っている。一番減っているのは長崎市である。3番目は青森市である。

   長崎市がなぜ減ったかというと造船の不況でものすごい数が減っているみたいである。和歌山市は、先ほども尾崎委

  員から少しお話があったとおり、日鉄さんの関係、住金さんの関係だが、ただ、長崎市においてさえ結構夜の街に人が

  出ている。もちろん町の構造とかがあると思うが、なにか和歌山の歓楽街というのは、さっきも言ったように、他府県

  からのお客さんもあまり見たこともないし、実際、店の経営者なんかに聞くと、何十年か前は泉南のほうからもたくさ

  んお客さん来てくれたけれど今は全く来てないと。今、言われた努力をされているのはよく分かるがほかに何かいい方

  法というか、打開策というのは行政のレベルでは考えられないのか。今の意見を前提に伺う。

  A  林観光振興課長

   委員の指摘も踏まえて、お店の方のご意見とかそういった話もあったかと思うが、地域の方とも議論してどういった

  形が一番いいのか、観光客が夜の街に来ていただけるかというのも一緒に考えながら充実した取組を進めていければと

  思う。

  意見 浦口委員

   なかなか行政サービスを進めるのは難しいと思うが、私が議員になる前、秘書をやっている時に、30年以上前だがア

  ロチにいくと誰が一番多いかというと県庁の職員であった。県庁の職員が非常に景気よく飲んでいたし、県庁の職員も

  お行儀よくなったのであまり行かないと思うが、また、実際なかなか行きにくい部分もあるかと思うが、ぜひとも少し

  でも、あたりまえだが地元の人が地元にお金落としていかないと夜の経済が回らないと思うので、その辺も踏まえてい

  ただき、努力していただきたいと思う。

  要望 川畑委員長

   夜の経済活性化については、先ほど紹介のあった「ナイトライフインわかやま」のサイト名を出して、先日、関西広

  域連合議会のほうでも紹介させてもらい、構成府県市の皆さんから大賛同を得たところ。

   今後、関西広域連合構成自治体のほうから、和歌山県の先進的な夜の経済活性化策について研究されることも大いに

  予想されるので、ぜひ、県庁職員皆さんも現地に行って調査していただき、さらにブラッシュアップしていただきたい。

  私からの要望である。

 

  Q 佐藤委員

   8月20日にあった宇宙シンポジウム、毎回行かせてもらって楽しみにしているが、その場で先ほどの報告にもあった

  ように、今回4回目になるが、スペースワンの遠藤取締役から打ち上げ延期の話があった。

   前回は半導体の部品がまだ調達できていないなど、いろいろ延期の理由があったようであるが、確実なロケットの打

  ち上げを皆さん楽しみにしているところなので成功してもらわなければと思う。また、衛星を載せていくわけだから、

  失敗するとスペースワンにも大きな影響がでるということは理解できる。県としては温かく見守ってということである

  が、いつまで見守るのかという話にもなってくる。言いにくい部分もあるかと思うが、今まで3回は何月頃、何月頃、

  夏頃、次は季節も何もなかったので気になるところである。地元の町長と話をしていると、最終的に関連企業にここに

  来ていただかないといけない。観光ばかりだけではなく、関連企業誘致もしないといけないと思う。

   こういうところについても、県も現在関わっている部分があれば、話をできる範囲で教えてほしい。

 

  A 大原産業技術政策課長

   まず、時期については、我々のほうにも夏を延期するという話の後のものは入ってきていない状況で、我々としても

  いつまでも待ちますよということではないので、今年どうかとか、年度どうかという話は折りに触れて聞いていきたい

  と思う。状況としては、JAXAのロケットが2回ほど失敗し、最近は成功したけれども、その失敗の原因というのも徐々

  に見えて来ている中で、「カイロスロケットはどうなのか」という話をされていることが大きいと聞いている。状況が

  どうかというのは、我々のほうからも聞いて、話をできる範囲でまた報告したいと思う。

   産業集積についても、我々もぜひというふうに思っているので、どんな場所があるかとか考えていければと思うが、

  これもどうしても初号機が打ち上がって、5機、10機、20機となっていくのであれば、例えばその燃料の基地をもう少

  し近くに造れないかとか、整備場がもっといるんじゃないかというような話をできるだろうと我々も思っているし、話

  としては、スペースワン社にもしているが、まだ、1機目が打ち上がっていないのでと言われてしまっている状況でも

  ある。ただし、徐々に進んでいるのは事実で、本当にいつ上がるかというところだと思うので、それも見据えながら、

  どういった場所があって、高速道路もつながるし、そういった中で、どういったものが必要かというのは、粘り強く聞

  いていきたいと思っているので、委員からも支援をもらえればと思う。よろしくお願いする。

  要望 佐藤委員

   まあ、そういう話になろうかと思う。打ち上げ時期はなかなか厳しいところがあると思うが、これだけ延期してきた

  中で、地元の方もそうだし、打ち上げ応援サイトに登録されている方は1万人を超えると聞いている。その人たちの期

  待もあろうかと思うし、そこはスペースワン社としっかりと協議する機会があると思うので、何かとやっていただいて、

  一日も早く実現するようにお願いしたいと思う。関連の部分については、本当に場所から始まって、まだまだこれから

  だと思う。ただ最終的には、そこかなという思いはある。県のほうも一つよろしくお願いする。地元としっかりコンタ

  クトをとってやってもらいたい。要望しておく。

 

  要望 山下委員

   本会議で堀議員が初日に触れていたが、和歌山県事業再構築チャレンジ補助金について、県も一生懸命やっているの

  は分かるが、残念ながら採択率が本当に低い。そもそもこのチャレンジ補助金ができた趣旨は、やはり厳しい時代、応

  援していかないといけないわけであって、何とか採択率が上がっていくよう県も尽力してほしい。

   民間業者で計画作成の着手金や成功報酬を取っているところもある。事業として成り立つのであろうが本来の補助金

  の趣旨を考えると、本当にそれでよいのかと思う。そのような不意なお金を使って採択に持っていくのではなく、何と

  か1社でも多く採択できるよう、県も一緒に考えてもらえると有り難いし、よろしくお願いする。

 

    ●川畑委員長

     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告

     ◎議案に対する採決宣告

     ◎議案第104号、議案第110号、議案第119号及び議案第120号については、全会一致で原案可決

     ◎商工観光労働部・労働委員会審査終了宣告

     ◎意見書案に係る協議宣告

 

    ●尾崎委員

   特に問題はないかと思うが、「電気」や「ガス」、「エネルギー」といった表記はされているので「燃料」も表記す

  べきではないか。文言を修正するかどうかは正副委員長に一任する。

 

    ●川畑委員長

     ◎意見書案に対する採決宣告

     ◎「物価高騰対策の強化を求める意見書(案)」については、正副委員長協議により軽微な文言修正した上で

      経済警察委員会から提出することを全会一致で可決

     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし

     ◎県外調査について、令和5年10月30日から11月1日までの日程で実施することを報告

     ◎閉会宣告

   午前11時18分閉会

 

 

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