令和5年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


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令和5年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号

議事日程 第4号
 令和5年6月22日(木曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第78号から議案第95号まで及び諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第78号から議案第95号まで及び諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(42人)
 1番 坂本佳隆
 2番 三栖拓也
 3番 秋月史成
 4番 川畑哲哉
 5番 藤山将材
 6番 森 礼子
 7番 井出益弘
 8番 尾崎要二
 9番 玉木久登
 10番 佐藤武治
 11番 濱口太史
 12番 鈴木太雄
 13番 冨安民浩
 14番 吉井和視
 15番 鈴木德久
 16番 玄素彰人
 17番 岩田弘彦
 18番 中本浩精
 19番 中村裕一
 20番 谷 洋一
 21番 山家敏宏
 22番 北山慎一
 23番 堀 龍雄
 24番 谷口和樹
 25番 新島 雄
 26番 山下直也
 27番 高田英亮
 28番 小川浩樹
 29番 中尾友紀
 30番 岩井弘次
 31番 藤本眞利子
 32番 浦口高典
 33番 山田正彦
 34番 坂本 登
 35番 小西政宏
 36番 浦平美博
 37番 中西 徹
 38番 林 隆一
 39番 片桐章浩
 40番 奥村規子
 41番 尾﨑太郎
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
 知事         岸本周平
 副知事        下 宏
 理事         田嶋久嗣
 知事室長       北廣理人
 危機管理監      福田充宏
 総務部長       吉村 顕
 地域振興監      赤坂武彦
 企画部長       前 昌治
 環境生活部長     山本祥生
 福祉保健部長     今西宏行
 商工観光労働部長   三龍正人
 農林水産部長     山本佳之
 県土整備部長     福本仁志
 会計管理者      﨑山秀樹
 教育長        宮﨑 泉
 公安委員会委員    細江美則
 警察本部長      山﨑洋平
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     森田康友
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       林 伸幸
 次長(秘書広報室長事務取扱)
            萩原 享
 議事課長       長田和直
 議事課副課長     岩谷隆哉
 議事課議事班長    伊賀顕正
 議事課主任      菅野清久
 議事課副主査     西 智生
 議事課副主査     林 貞男
 総務課長       葛城泰洋
 政策調査課長     岩井紀生
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  午前10時0分開議
○議長(濱口太史君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第78号から議案第95号まで及び諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。
 19番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 おはようございます。質問の機会を与えていただきまして、まず感謝を申し上げたいと思います。
 先般の豪雨で被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 春の統一選挙で、御坊市民の皆さんの御支援をいただいて、当選することができました。そしてまた、議員の同僚・先輩の皆さんの応援もいただきました。岸本知事も応援していただいて、本当にありがとうございます。
 おかげさまで復活をさしていただいたんですが、議員というのは自分の力で生きてるというよりも、本当に生かせてもらってる、生かさせてもらってると、そういうふうに今、思っております。和歌山県勢の発展のために、そしてまた県民の幸福のために一生懸命頑張っていくことをお誓いいたします。
 今日は、私を応援してくれた御坊の人たちも来てくれて、ありがとうございます。
 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきたいと思います。力余って知事には失礼なことを言うかも分かりませんが、お許しをいただきたいと思います。
 まず、西川流域の河川整備についてでございます。
 御坊市でも、河川や内水があふれ、床上浸水などの被害が発生しました。
 日高平野の排水路ともいうべき西川は、河床掘削実施箇所は早速効果が発揮され、水が引くのが早かった一方、未整備区間の斉川などでは、越水がJRの線路でダムのように滞水し、住宅や避難所となる集会所が床上浸水しました。
 一刻も早い整備促進をお願い申し上げますが、西川本流や斉川、堂閉川、下川放水路の進捗状況や今後の見通しについて伺います。
○議長(濱口太史君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 知事岸本周平君。
  〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 中村裕一議員の御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、日高川の支川の西川につきましてですけれども、西川大橋から美浜大橋付近までの護岸工事、それから河道掘削等の整備がほぼ概成をいたしております。したがいまして、今年度は、さらに美浜大橋上流の護岸工事や河道の掘削を進める予定としております。
 それから、斉川につきましては、下流の西川の整備が斉川合流点まで到達次第、直ちに着手をする予定としております。
 今後、斉川の改修がさらにJR橋付近まで進めば、今、中村議員御指摘のような今回のような浸水被害は解消されると思われますので、できる限り早急に進めてまいりたいと考えております。
 それから、堂閉川、下川につきましては、現在設計中でございますので、設計を完了させまして、できれば今年度中に御地元への計画の説明を行えないだろうかということで、今、担当者が一生懸命働かしていただいております。
 それから、いずれの河川につきましても、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の予算を活用しまして事業を推進してまいりたいと考えておりますので、御指導よろしくお願い申し上げます。
○議長(濱口太史君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 ありがとうございました。どうかよろしくお願いいたします。
 2番目に、西川河口水門について伺います。
 近く発生する南海地震では、3連動の場合に、御坊市や美浜町の中心地は西川から押し寄せた津波で3分の1程度が浸水します。現在、浸水区域内には津波避難タワーが設置され、南海トラフ巨大地震でも避難困難区域はないとされています。
 しかし、深夜に地震動で停電した中を、ましてや家屋や電柱が倒壊し、液状化もある中で、1分間に25メートルも逃げられるのかと思います。特に高齢者や障害者など避難困難者は日中でも大変です。
 東日本大震災では、まちが壊れたら復旧しても住民が戻ってこない、復興しないという教訓があります。
 西川河口水門は、まちを守り、逃げられない人を救う、まさに救世主です。水門の技術的効果については、既に美浜町副町長を歴任された県土整備部OBや和歌山高専の小池教授が、西川河口水門の効果を認めています。
 私も、整備費用や工期などを考慮すると、国の事業による水門設置が最適と考えますが、平成30年2月の議会で、私の質問に対し、地元自治体の意向や技術的判断から、堤防かさ上げが有効との答弁がありました。最近、振興局から頂いた平成25年度の県による津波浸水予測調査を精査しましたが、かさ上げが有効との確信的箇所は見つかりませんでした。
 改めて、西川河口水門の判断を伺います。
○議長(濱口太史君) 知事。
  〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) お答え申し上げます。
 県といたしましては、まず、基本的には2014年に策定をさしていただきました「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」、これに基づきまして、3連動地震の津波避難困難地域をともかく解消したいということで事業を進めております。そのことによりまして、経済被害を抑え、早期の復旧・復興につなげるための港湾・漁港等の既存施設のかさ上げや、防波堤の強化等の津波対策を進めてきております。
 それから、御坊市、美浜町につきましては、3連動地震による津波避難困難地域は存在しておりませんので、現在のところ、私どもといたしましては、西川河口部の護岸のかさ上げ、それから水門整備につきましては、実施する予定はございません。
 今後の津波対策につきましては、被害想定を踏まえつつ、先ほど申し上げました「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」にのっとって、その充実した対策を県内全域で推進してまいりたいと考えております。
 ただ、中村議員のおっしゃることも、私も政治家の1人として地元を思うお気持ちについては本当に強く共感するものでありますので、例えば、高潮対策というような形で何か検討できないだろうかということで、高潮も含めた総合的な防災対策として検討をしてまいりたいと考えております。
○議長(濱口太史君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 ありがとうございました。
 私、今まで、平成25年と30年の2回、西川河口水門の質問をさせていただいたんですが、私は水門がいいと思うんですが、そのときの当局の御説明は、水門よりも西川の堤防のかさ上げがいいという、そういう答弁でございました。
 しかし、今回質問させていただいたら、堤防かさ上げも実は消えてしまってるわけでございまして、今日は、平成26年に県のほうで水門がいいのかかさ上げがいいのかということを恐らく1000万とかお金をかけて調査した資料がございますけども、そんな検討があったのに、どこかへ消えてしまってる。これは根拠だとか、それから手続についてお聞きはもうしませんが、ぜひ究明していただきたいと思いますし、それから、「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」でみんな逃げれるというふうに一応なってるんですが、私は本当に逃げることができるのかなあと思うんです。
 御坊市は人口2万2000で、今、少ないんですけども、昼夜間人口というのでいけば県内2位で、全国的にも57位。
 私も、毎朝、御坊の交差点に立って挨拶活動さしていただいております。知事も衆議院議員のときにはつじ立ちをずっとされてたということでございますが、私もつじ立ちをしてて、いろいろ気がつくことがたくさんありました。見えてくるものがありました。
 そんな中で、本当に御坊にはたくさんの人が朝働きに来てくれてるんだなあと思うんですけども、2万2000の人口ですけども、2万8000人ぐらいいるということであります。学校も、お店も、それから病院も、いろいろと施設があるので、1万人以上の人がいて、さあ地震だ、津波だといって逃げ切れるのかどうか。
 さらに、夜、停電になった後、まず自分ところの家が耐震化できてなかったら逃げられないと思うんですが、もし逃げられたとしても、避難路に家屋が倒壊してたり、電柱がこけたり、それから道路が液状化してる、そういうときに、御坊市は25メーターで逃げれるので避難施設に行けるという、そういう計算のようですけども、一般的には30メーター逃げることができるというんですが、私はちょっと難しいんじゃないかなと思っております。
 そういうことを考え、さらに、高齢者とか障害者の人が25メーターや30メーターというのは難しいんではないかと。そういう人たちの命、逃げれない人を助けるということからいけば、今の、私は今回初めて分かりましたけども、逃げるだけでは人の命は救えないというふうに思っております。
 それから、東日本の教訓で、津波で壊されたまち、今、何十兆円という復興の予算をかけておりますけども、なかなか元には戻らない、人はもう帰ってこないというような実態があります。できる限りまちは残すということがいいと思いますし、政治や行政の最大の役割は、生命、財産を守るということでありますので、ぜひともそういう意味で、まちは壊さないということをやっていただきたいというふうに思っておりますが、知事は、もう一度、まちを残す、人の命を救うという意味で、西川の水門ではなくて津波対策やっていただきたいと思いますが、今の計画では西川だけじゃなくて、県内の例えば田辺市にしろ、人口の多いまちについては、ハード対策、今のところ、やれることになってないので、何かやる必要があると私は思いますが、知事の御所見を伺いたいと思います。
○議長(濱口太史君) 知事。
  〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) お答え申し上げます。
 本当に、今、中村議員の地元の方々の命と暮らしを守りたいという思いがひしひしと伝わってまいりまして、同じ本当に政治家として共感させていただいております。
 その上でなんですけれども、まず、日高本港で防波堤の補強をしているけれども、かさ上げについての御質問でありますが、実は、日高港防波堤の補強と、それからかさ上げにつきましては、まさに中村議員が2018年の一般質問でされましたときの当時の県土整備部長が答弁をさしていただいておりまして、本来であれば津波避難困難地域でないところはハードの整備はしなくていいというのが県のルールなんですけれども、そうはいってもということで、例えば防波堤のかさ上げか、あるいは護岸のかさ上げについて検討するということを答弁しております。
 その結果として、国において、日高港防波堤の補強工事を行っていただいて、令和2年度、2年前に完成をしております。私どもとしましては、この日高港防波堤の補強によって住民の命と暮らしは守られるというふうに考えまして、答弁しましたとおり、護岸のかさ上げについてはしなくてもいいのではないかというふうに考えておるところでございます。
 それから、避難路について、この地震、夜間のお話ですけれども、これは本当にそのとおり心配です。震災というのは季節のいい昼間起きるわけではありませんので、それこそ大雨の中とか、あるいは夜中に地震が起きるということを十分想定しなければいけません。そういう意味で、おっしゃるとおりなんですけれども、しかし、一方で、私どもとしましては、安全な経路を設定して、いろんな訓練を住民の方々にお願いをしておりまして、住民の皆さんで避難経路の安全性を確保するということで訓練をしていただく。
 それから、当然、住宅やブロック塀の耐震化などの対策は、今、市町村がやっておりまして、県は支援をしております。
 それから、夜間につきましても、避難路に蓄電機能を備えた誘導灯ですね、これの整備を今、市町村にお願いしておりまして、県も応援をさしていただいておりますので、夜間でも停電しても避難路は明るくなるような今手だてを一生懸命やらしていただいております。
 それから、これももう本当に私もずっと草の根で戸別訪問している中で、和歌山市内もそうですけども、高齢者の方、障害者の方、たくさんいらっしゃいます。災害時、要支援者の皆さんの被害については、全く心配は共有させていただきます。
 その上で、今、個別に市町村が一人一人の要支援の方の個別の避難計画をつくっていただいてます。例えば美浜町ですと、ほとんど一人一人の避難計画がほぼできてます。御坊市さんはこれから、まさにこれからスタートいう状況でございますので、ぜひそういう個別の避難計画を応援してまいりたいと思っております。
 それから、事前にできるだけまちが水につからないようにしたほうが経済復旧が早いと。それも全く同感であります。
 同感でありますけれども、お金だけではなくて、資源の配分というのが、私ども県としては全県下を見ないといけないわけであります。全県下を見る中で、全ての財産を全て100%守るというには、あまりにも私どもの持ってる資源が少ないわけでありますので、そのため、「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」が一つありますし、また、事前に復興計画をおつくりいただいてます。これは、ある程度災害はしようがないという中で、事前の復興計画があれば、すぐに復興が取りかかれるということで、現在、海南市、美浜町、印南町、みなべ町、太地町では復興計画が既に出来上がってます、ここへ移転するとか。そうすると、できてますので、すぐにかかれると。現在、計画策定中が、まさに御坊市さん、計画策定中でございます。湯浅、由良、和歌山市、田辺市も今まさに策定中ですので、その辺の支援もさせていただきたいと思っておりまして、事前の復興計画の充実も一つの、不十分だとおっしゃるかもしれませんが、一つの手だてではないかと考えております。
 それから、最後になりますけども、津波災害時に完全には倒壊しない港湾・漁港の防波堤や岸壁の整備が背後地域の被害軽減、あるいは災害後の地域の早期復興、施設利用の早期再開に寄与するわけでありまして、これも全く同じ認識なんでありますけれども、日高港の防波堤の強化によりまして一定の効果は見込めるのではないかと考えておりますので、何とぞよろしく御理解を賜りたいと存じます。
○議長(濱口太史君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 すいません。難しい答弁にお答えいただきまして、ありがとうございます。
 私は、ソフトではもう十分でないので、ハード対策をぜひやるように、またそういう計画をつくっていただきたいと思います。
 お金がないのはもう全くそのとおりなので、静岡県の浜松へ行ったら、一条工務店というところが300億円寄附して、10数キロ、津波防波堤ができてました。和歌山県にそんな企業があればいいんですが、そうでなければ、やっぱりお金をつくっていくしかないと思います。
 私、今回質問はやりませんでしたが、県民の命を救うためには、やっぱりお金を生み出すような努力も必要だと思いますし、私はIRというのは和歌山県にとっては千載一遇のチャンスだと思いますし、それから、和歌山県は幸い海に面してるので、太平洋の海底に眠る海底の資源、そしてまた海流なんかも大いに和歌山県にとってプラスになることだと思いますし、和歌山に大学つくったりして、和歌山で発明、発見が常時起きるような、そういう和歌山にもぜひしていただきたいと思いますが、それは改めてお聞きするとして、どうかハード対策もお願いをしたいと思います。
 続けてさせていただきます。
 次は、日高川のしゅんせつと堤防強化についてであります。
 日高川河口については、4年前に掘削事業を実施していただきました。改めて御礼申し上げます。
 しかし、7.18水害や紀伊半島大水害を経験した市民から、椿山ダム設置後も継続して土砂が堆積していく日高川の状況を見て、心配の声が上がってます。ぜひとも西川のようにしゅんせつをしてもらい、枕を高くして眠れないものかと願っています。
 既に御坊市からもしゅんせつや堤防強化の要望が行われていますが、その対応はいかがですか。また、南海地震では日高川を津波が遡上すると予測されますが、その対応はどうなっているのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○議長(濱口太史君) 知事。
  〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) お答え申し上げます。
 日高川におきまして、河川整備計画上、いわゆる必要な流下量、流れる量が本当に確保されているのか、されていないのかにつきましては、現在、航空測量のデータを活用して、いろんな研究をしております。したがいまして、流下能力が足りないということであれば、堆積土砂の撤去については検討したいと考えております。
 それから、堤防の強化なんですけれども、例えば、いろいろ我々も研究しておりまして、御坊市から御要望のありました例えば左岸の野口地区の堤防について、ボーリング調査を実施いたしました。現状、ボーリング調査の結果は十分な安全性が確保されてるということでありましたので、御報告をさしていただきたいと思います。
 それから、津波対策におきまして、一部いろんな津波の高さが変わってきている中で、一部におきましては堤防の高さが不足している箇所があることは把握しております。その結果、現在は、今の河川整備計画をまずもって先に位置づけて、まずこれを完成させるということが最優先ではないかというふうに考えておりまして、まさにあれもこれもとはいかないので、まず今の計画を完成させてから早急に取りかかりたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 いずれにしても、現計画の整備が完成すれば、計画の変更に併せて津波対策や粘り強い堤防の整備についてはできる限り早急に実施していきたいと考えております。
○議長(濱口太史君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 どうぞよろしくお願いします。
 2問目に移ります。
 給食無償化についてであります。
 「同じ釜の飯を食う」ということわざや、外交関係でも宮中晩さん会など、人類にとっては食事を一緒にするということは、仲間意識の醸成や情報交換など、特別に意味のあることと考えます。
 給食は、戦後の食糧事情から始まったと聞きますが、義務教育での実施は、国民としてのアイデンティティーや地域の文化、伝統を学ぶ大切な機会であり、教科書のように国が提供すべきと考えます。
 そこで、私は選挙では、国費による給食無償化というのを訴えました。
 その頃、自民党の茂木幹事長も給食無償化のことを言われたんで、もう中村は言わなくてもできるから、小中で岸本知事がやろうとしてたお金は高校に回したほうがいいというような意見もございました。
 今、日高地方では、美浜町や由良町、日高川町で、もう既に無償化が始まっておりまして、全国的にも大きな流れになってます。
 その後、国で、児童手当を高校まで、所得制限なしでやるということなので、ちょっとトーンが弱まってるんじゃないかというふうに心配しておりますけども、知事は、給食無償化、皆さん期待をしてるという声をあちこちで聞きます。今のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(濱口太史君) 知事。
  〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) ありがとうございます。
 今、中村議員御指摘のとおりでして、学校給食費の無償化は、子育て世帯に対する経済的負担の軽減につながることが期待できる大変有効な政策ではないかと考えておりまして、私も公約に入れさしていただいたところであります。
 さらには、給食費の徴収の事務というのが結構大変でして、払いたい人は皆払いたいんですね。払えないから払えないという状況の中で、給食費の徴収のための事務負担の軽減にもつながりますので、一石二鳥なのではないかと考えております。
 ただ、これもまた同じことを言うとお叱りを受けるかもしれませんが、お金が要ります。県内全ての児童生徒を対象に学校給食費の無償化を実施した場合は、全額で毎年約33億円余り、仮に2分の1補助とした場合でも約17億円の費用がかかるわけであります。
 そして、今おっしゃいましたように、小中で学校給食の無償化をやってる市町、あるんですけれども、実は人口規模の小さいところなんですね、どうしても。ですから、生徒さんたちのうち15%しかまだ対象になってないということなので、私としては、まず今、茂木幹事長のお話も出ましたので、近畿ブロック知事会の国への要望に新たに入れていただきました。ちょうど先月開催してますけれども、国として学校給食の無償化をしてくれということを国に対して近畿ブロック知事会としての要望に入れております。これからは、知事会も含めて声を大にして、まずは国に対して恒久的な財源の措置をお願いしていきたいと思っております。
 一方で、私としては公約ですので、今後は市町村とも相談しながら、負担の在り方、あるいは負担の度合い、さらにはその財源をどうするのかということについては、悩みながら皆さんと一緒に考えていきたいと考えております。
○議長(濱口太史君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 3番目に、地域医療の充実について伺います。
 その1番目として、医療圏の医療レベルの見える化というのをやったらどうかと思うんです。
 医大の入学定員が100人になり、地域枠ができて10年が経過しました。しかし、いまだ和歌山市以外は医師不足、専門医不足が言われています。
 県内どこでも同じレベルの医療を受けることが地域医療の原則ですが、今日までの報道によれば、出産や小児医療など、医療圏によって大きな格差があります。
 私は、選挙戦で小児救急など地域医療の充実を訴えましたが、地元医療関係者から、小児救急をやれば病院経営が悪化するとの声がありました。大変難しい問題で、医師確保も含めて、いつも何が何でも最高の医療をやるというのではなく、費用負担を含めてどのレベルの医療を実現するかという問題があることに気づきました。
 最終的には、各医療圏においてコストや住民の声を勘案して医療サービスの供給を決定する必要があります。
 そこで、まず、各医療圏の現状はどうなっているのか。診療科目や常勤医の数、課題など現状を見える化するところから始めるべきだと考えますが、御所見を伺います。
○議長(濱口太史君) 知事。
  〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) お答え申し上げます。
 和歌山県といたしましては、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据えまして、将来の医療需要に応じました病床機能の転換、それから病床数の適正化を通じまして、それぞれの医療圏におきまして、効率的で質の高い医療提供体制を構築するための地域医療構想を進めております。
 その上で、各医療圏の地域特性や中核病院等の経営上の課題、将来の医療需要に基づく収支見込みなど、客観的なデータを用いた分析を行い、希望のあった医療機関には示してまいりました。
 ただ、これらの情報は病院の経営情報が含まれますので、現在のところは病院関係者までということで、病院管理者以外のところまで情報共有するには至っておりません。
 これは、和歌山県だけの問題ではなくて、日本の病院経営全体の問題でもあるんですけれど、アメリカでは、ほとんど全ての医療情報は見える化されてます。それこそ個別の病院のA先生の手術の失敗例とか成功例の率まで全部出てる、そういうオープンな見える化されてる社会と、ちょっとそこまで今努力されてるんですけど、なかなかそういうことができない社会の中で、ちょっと和歌山県としても悶々としているという状況でございます。
 一方で、県民に対しましては、医療機関の適切な選択を支援するために、診療科目、診療日のほか、対応可能な疾患、治療など、個々の医療機関に関する診療情報につきましては、できる限り客観的に比較できるよう、現在、和歌山県のホームページで公表をさせていただいております。
 ただ、中村議員の御指摘はもっともだと思いますので、今後とも、各医療圏の診療科目や常勤医数等も含め、どのようにすれば県民に分かりやすい手法で情報提供し、かつ病院関係者の皆様に御理解いただけるのかどうか、検討してまいりたいと考えております。
○議長(濱口太史君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 次に、県立医大入学者の出身市町村の公表について伺います。
 2代前の知事の頃に、医大の入学定員60人中8人しか和歌山県内から入れないというときがありました。その後、県内の高校から推薦入学で入るという制度ができました。それでも少ないので、南條学長の頃に、学長が鶴保先生を通じて二階先生にお願いをしました。その結果、全国の医学部の入学定員が増え、和歌山県立医大も60人から100人に増えたということがありました、当時の仁坂知事も御努力をいただいたというふうに聞いております。
 今、私の地元のひだか病院では、内科医が増えたので、すごくありがたいというふうに聞いております。しかし、いまだに人工透析の常勤医というのがおりませんし、小児科は休日・夜間は田辺か和歌山に行かないといけないという、その状態は全く変わっておりません。
 有田市立病院や新宮市立医療センターでは、産科医がいないということで大騒ぎしたことがまだ記憶に新しいところであります。
 貧乏な本県が医科大学をつくって、せっかく入学定員が増えたのに、他県からたくさん入学させておいて、県内では相変わらず医師不足で、失われる命があったかもしれない、この状況を知事はどう思われますか。よろしくお願いします。
○議長(濱口太史君) 知事。
  〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 今、中村議員がおっしゃられましたことにつきまして、私も国会議員時代に全く同じような所感を持っておりました。
 ただ一方で、個別論になりまして、医大の入学者の和歌山県の学生を増やすためのいろんな手だての中で、例えば、和歌山県の生徒なのか和歌山県外の生徒なのかという人数につきましては、公表をさせていただいております。できるだけ県内の生徒さんに入学、合格していただきたいという思いは持っております。
 一方で、市町村別で入学者の情報、数だとしても、これ公表しますと、人口の少ないところでは、個人情報保護との関係で、どなたなのかということが分かってしまうようなことにもなりますので、あんまり細かい市町村単位での公表等については難しいのではないかというふうに考えております。
 ただ、お気持ちはよく分かっております。
○議長(濱口太史君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 誠に申し訳ありません。ちょっと質問の順序が違ってたので、申し訳ないです。
 お答えはもう全く私が思ったとおりのお答えをいただきましたので、それで結構でございます。
 とにかく貧乏な和歌山県がせっかく医大をつくってるわけでありますから、本当に県民の医療に、県民の命を助けるために医師を養成していただきたいと思います。
 WHOも、それから自治医大も、医師不足のところの子供を医者にしたら残ってくれるというふうに言っております。和歌山県も、やっぱり和歌山県内、特に和歌山市外の子供たちを医師にすると、自分のふるさとのために働いてくれるというふうに、確率は高いと思います。
 奨学金を出すということで誘導してきましたが、この10年間の経験を見ても、必ずしもうまいこといかなかったというふうに思っております。医師不足の地域から医大の入学者を入れてもらいたいというふうに、そう思ってますが、これなかなか難しいと思うんですが、そのことを県民の皆さんに分かってもらうためには、どこから入ってるかということを公表する必要があると思います。
 どこの誰が入ったかということを言えないというふうに言われましたけども、私の母校の日高高校から1人入ったら、地元の新聞に出て、おめでとうとみんな喜んでくれるんです。だから、誰が入ったかというようなことよりも、本当に喜んでくれるような、そんなことなので、私は堂々とすればいいと思います。
 そんなことよりも、入ってないところ、特に紀南のほうなんかは、もうほとんど県立医大入ってないんじゃないかというふうに思います。
 同じ学力でも、近大新宮からは三重大学の医学部には入れるけども県立医大には入れないという、そんな状態もあるわけで、ぜひ、医師不足の地域から入ってくれるような仕組みをつくっていただければ、今の地域枠じゃなくて三重大学だとか島根大学のような、そういうものをつくっていただいたら私はもう何も文句はありませんが、そうでない場合は、まず医大の市町村、入学者の市町村、出身市町村を公表するということをぜひ求めていきたいと思います。
 次に行きます。
 4番目に、直轄国道の整備促進についてであります。
 痛ましい事故を経て、全国的に通学路の安全対策が実施されています。
 私の印象では、御坊市については、国道42号の歩道整備は県道より遅れているのではないかと思います。
 私は、昨年から1年間、天田橋北詰で週に1度、挨拶活動をやってきました。同所は時差信号で渋滞は解消されたとの印象を持っていましたが、朝夕の通学・出勤時は、単に渋滞するだけではなく、右折する車の横を擦り抜けて直進する車が多く、大変危険な状態にあります。さらに、北進の陸橋部には歩道もありません。
 これまで堤防道路の4車線化など交差点改良の機会はありましたが、天田橋がトラス橋という構造上の問題からか、改良されていません。私は母に背負われて渡った鮮明な記憶があるのですが、約60年前とは、歩道がついただけで全く変わっていません。
 どうか天田橋北詰の交差点改良や、丸山・名田両地区の歩道整備の延長促進をお願いしたいと思います。
 また、42号線の整備については、整備方針や計画、事業採択など、分かりにくいことが多く、ぜひPRや地域の声を聞く機会をつくっていただくことも併せてお願いします。
○議長(濱口太史君) 県土整備部長福本仁志君。
  〔福本仁志君、登壇〕
○県土整備部長(福本仁志君) 1点目の国道42号の天田橋北詰交差点の現状につきまして、国土交通省に確認したところ、「右折車線がなく、右折車が右折できず停止している状況が見受けられることもあるが、主要渋滞箇所にも事故ゼロプランにも指定されておらず、緊急に対応が必要な交通課題がないことから、交差点改良の計画は現時点ではない」と聞いております。
 今後、新たな集客施設の立地計画など、交通流動の変化が予測され、事前対策が必要となる場合には、警察等関係機関と連携した検討を行うことを国に働きかけてまいります。
 2点目の国道42号の歩道整備事業につきましては、通学路の指定、周辺の交通状況、警察や教育委員会等との合同点検の結果、地元要望等を勘案して事業化されると聞いております。
 この方針に基づき、御坊市内の名田地区、丸山地区の歩道整備事業が平成30年度に事業化されました。
 これら事業中の箇所が完了しましたら、また必要な箇所を順次整備していくと伺っております。
 3点目のPR、地域の声を聞く機会を設けることにつきましては、国土交通省では、地域や警察等との歩道の合同点検の実施や、事業着手時の地元説明など、地元に身近な事業について、地域の声を聞きながら取り組んでおります。また、広域にわたるPRを行うため、主要事業について、ホームページで事業進捗などを掲載しております。
 県といたしましても、今後も、歩道整備事業などの交通安全対策や分かりやすいPRに取り組んでいただくよう併せて国に働きかけてまいります。
○議長(濱口太史君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 天田橋の交差点、問題ないというふうに国交省は思われてるという御説明でございました。
 私、毎週見て、そこを通ってる人の顔まで見えるわけですけども、本当に皆さん、お気の毒に思います。
 これで問題がないというふうに思われてるような国交省さん、高速道路、忙しくてやっていただいてるの、これ、ありがたいんですけども、本当に見えてるのかと、国民の顔が見えてるのかというふうに思っております。
 県も、伺えば、国道の直轄事業の改良とかでは3分の1負担金を出しているということであります。知事と近畿地方整備局長の懇談会もあるということですけども、私は、3分の1お金出してるんですから、もっと大いに県の意見を強く言っていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 次に行きます。
 5番目に、農業資材の高騰についてであります。
 ウクライナ戦争や円安であらゆるものが高騰し、国民生活や中小企業など、悲鳴を上げています。同様に農業資材も高騰し、価格転嫁が難しいため、国では、燃料や肥料の高騰分を補助するなど、農家の支援に努めています。
 農家の話では、特にパイプハウスの高騰がひどく、かつてパイプハウスのコストは10アール当たり300万円でしたが、最近は500万円、800万円などと言われ、とても建て替えは困難と聞きます。
 県が実施する次世代野菜花き産地パワーアップ事業は、ハウスの建て替えはもちろん、災害時の施設復旧など需要も多く、農家にとってありがたい事業ですが、昨今の物価高騰への対応はどうなっていますか。
○議長(濱口太史君) 農林水産部長山本佳之君。
  〔山本佳之君、登壇〕
○農林水産部長(山本佳之君) 県では、気象の影響を受けにくくするため、耐風性や耐暑性を高めたパイプハウスの整備を支援しているところです。
 議員お話しのとおり、ハウスの建設コストは上昇しており、一般財団法人建設物価調査会のデータによりますと、主要部材である令和4年の鋼管の物価指数は、前年に比べて2割上昇しています。
 こうした資材高騰に対応するため、今年度、例えば、耐風性ハウスの補助上限事業費を10アール当たり930万円から1140万円に引き上げたところです。
 今後も、社会経済情勢や農家のニーズに応じた支援内容の充実に努めてまいります。
○議長(濱口太史君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 御答弁ありがとうございました。
 とにかく議会の質問というのは予算を使えという話ばっかりでありますから、私たちも、これからは使えというだけではなくて、どうやったら県税収入が上がるかというようなことについても大いに勉強していきたいと思っております。
 以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(濱口太史君) 以上で、中村裕一君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 42番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、以下、通告に従いまして一般質問をさしていただきます。
 一つ目に、外国人観光客受入れについてであります。
 訪日観光客の受入れ再開から、6月10日で1年が経過しました。本県においても、コロナも落ち着きを見せて、さらなるインバウンドの回復、増加が期待される中、外国人観光客の受入れに際し、2点質問をさせていただきます。
 一つ目に、外国人観光客受入れ環境整備として、外国人観光客が快適・安全に県内を周遊できる環境を整備するため、市町村などが実施する観光資源の整備の支援について、その内容を商工観光労働部長にお伺いいたします。
○議長(濱口太史君) 商工観光労働部長三龍正人君。
  〔三龍正人君、登壇〕
○商工観光労働部長(三龍正人君) 日本を訪れる外国人観光客が不便を感じることなく旅を楽しむためには、充実した受入れ環境が必要です。
 外国人観光客が快適・安全に周遊できるよう、ハード面では、市町村が実施する多言語案内表示の整備、観光公衆トイレの洋式化、公衆Wi-Fi整備等に対し、観光施設整備補助金により支援をしているところです。
 また、ソフト面につきましては、市町村、観光協会やDMOによる本県のほんまもん体験などの体験型観光コンテンツをインバウンドに対応させるため、例えば、専門家の招聘やモニターツアーの実施等の経費を、やる気観光地魅力アップ協働事業により支援しているところでございます。
○議長(濱口太史君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 2点目に、外国人観光客受入環境高度化事業として、外国人個人観光客が紀伊半島をストレスなく移動できる環境整備やデジタル化の強化をうたっておられますが、具体的な内容を商工観光労働部長、お示しください。
○議長(濱口太史君) 商工観光労働部長。
  〔三龍正人君、登壇〕
○商工観光労働部長(三龍正人君) 本県を訪れる多くの外国人観光客にとって、駅やバス停等の交通拠点から目的地までの二次交通の利便性向上は重要な要素となっております。
 本県では、鉄道、バス事業者のほか、地元自治体やDMOで構成する紀伊半島外国人観光客受入推進協議会を立ち上げ、バス停情報や観光案内板の多言語化、県内バス情報のオープンデータ化、グーグルマップへの登録等に取り組んでいるところです。
 二次交通対策以外では、交通・観光施設のチケットや、地域の飲食店等で利用できるクーポン等について、スマートフォン一つで予約、決済等を可能にするKiiPassを運用しているほか、今年度は新たに、外国人観光客が災害時に適切に避難できるような環境整備にも取り組むこととしております。
 引き続き、外国人観光客が紀伊半島をストレスなく快適に過ごせるよう、受入れ環境整備に取り組んでまいります。
○議長(濱口太史君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 特に2023年から2025年までダイヤモンドイヤー、23年の弘法大師生誕1250年、24年は「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録20周年、そして25年は大阪・関西万博と、海外からのお客さんをたくさん呼べるイベントがめじろ押し。この機会に外国人観光客を快くおもてなしできるよう、受入れ側の環境整備をどうかよろしくお願いいたします。
 2点目に、小学校における英語教育についてであります。
 令和2年4月より、小学校の英語教育が必修化されました。小学校3、4年生は外国語活動というカリキュラムとして年間35単位、小学校5、6年生は、外国語という科目として年間70単位で英語を学習するとのことです。
 英語は、子供の頃から英語で物事を考える力や英語の音を聞き分ける力があればと、自らのかつての反省を込めて思っておりますが、小学校における英語教育の充実のためにどのような取組を行っておられるか。また、中学校における英語教育にどのようにつなげておられるのか、教育長にお伺いいたします。
○議長(濱口太史君) 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○教育長(宮﨑 泉君) 小学校における英語教育については、子供たちがより興味関心を持って学習に取り組み、積極的に英語でコミュニケーションを行うことが重要です。
 そのために、県教育委員会では、子供たちが本物の英語になれ親しむことができるように、外国語指導助手の効果的な活用と配置拡充を働きかけております。
 また、県内の小学校に専門性の高い英語専科教員を32名配置し、それらの教員による聞く、話すなどの言語活動を中心とした授業の公開や、効果的な指導方法等の普及を行っております。これらの取組を通じて、小学校英語教育の充実を図っております。
 さらに、小学校での英語の学びが円滑に中学校へとつながるように、小学校の英語の専科教員等の授業を中学校英語担当教員にも公開し、小中学校の教員が共に協議することで、相互の認識を深め、授業改善に取り組んでおります。
 今後とも、小中学校の連携を図りながら、体系的な英語教育を一層進めてまいります。
○議長(濱口太史君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 小学生は柔軟な適応能力を持っているので、英語を聞いたり話したりするスキルを身につけやすいのではと考えられます。小学生も高学年になると外国語や海外の文化に興味を持つ時期なので、国際理解を高めるのに適していると思います。小学校のうちから英語の音や会話に慣れておくことで、英語で物事を考える力や英語の音を聞き分ける力が身につくのではと思います。日本の常識にとらわれない考え方ができるようになるのはメリットでしょう。外国語を学ぶことで、かえってコミュニケーション意欲や日本語に対する学習意識が高まるものではないでしょうか。
 とにかく小学校では、子供に英語の勉強を楽しんでもらうことを重視した授業内容にしていただきたいと要望させていただきます。
 3点目であります。子供の体力低下について。
 一つ目に、子供の体力低下の現状及び対応についてであります。
 小中学生を対象とする小学5年と中学2年を対象にしたスポーツ庁の全国体力・運動能力、運動習慣等調査で、昨年度の成績が8種目の合計点で、小学校男子において過去最低を記録しました。特に小中共通して、50メートル走、立ち幅跳びという種目の低下が目立ちました。
 学校現場では、子供の体力や運動能力の低下への懸念が広がっています。肥満の子供の割合も増えたと聞いております。ゲームや動画に接する時間が増えていることに加え、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う行動制限が運動不足に拍車をかけて、運動時間がコロナ禍前の水準に戻っていないのではないかと見られます。
 本県における子供の体力低下の現状及び対応について教育長にお伺いいたします。
○議長(濱口太史君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○教育長(宮﨑 泉君) 令和4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査における本県の体力合計点は、小中学校男女で全国平均を上回っておりますが、前回よりは低下しております。
 低下した要因は、コロナ禍により、1週間の総運動時間が減少していることや生活習慣が変化したこと等が考えられます。
 子供の体力向上については、子供たちが運動の楽しさや大切さを実感できるような授業改善や、指導者の資質向上を図ることで、運動好きな子供の育成に努めてまいります。
 また、きのくにチャレンジランキングや紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスのさらなる活用、子供向けの体験教室等の開催により、運動機会の拡大に向けた取組を推進するなど、引き続き、学校、家庭、地域と連携協力し、子供の体力向上につなげていきます。
○議長(濱口太史君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 コロナ禍で外遊びをする子供は減っていますし、運動時間が減少しています。体が硬いとかけがをしやすいのは、運動習慣がないことが背景にあるでしょう。
 確かに全国一斉休校の期間中、子供たちは、いつでも食べられる環境になって、お菓子などを多く食べ、外出できず、体を動かさなくなったことが影響したのではないでしょうか。ぜひ運動習慣をつける運動機会の拡大に向けた取組をよろしくお願いいたします。
 2点目ですが、運動の不足と過多という二極化も起きていて、けがをしにくい体づくりや故障への対処方法を学ぶことも大切だと思いますが、本年4月、公益財団法人運動器の健康・日本協会が専門家を小・中・高校などへ派遣する認定スクールトレーナー制度の創設を決めたと伺っています。
 同協会は、運動器の健康を通じて、人々の生活の質を向上させる活動に取り組みます。全国の整形外科医などの専門家や関係学会が参加するとのことです。スクールトレーナーになれるのは理学療法士です。協会独自のカリキュラムに沿った研修を受け、試験に合格すると認定されます。令和6年から開始する予定だと聞いております。今後、運動器の健康・日本協会が具体的な指導内容を企画、監修し、各地の大学、病院の理学療法士や整形外科医、教育委員会に参加を呼びかけるそうであります。
 ぜひ、本県も、けがをしにくい体づくりや故障への対処方法を学べるこのスクールトレーナー制度を検討されてはどうかと要望をさせていただきます。
 4点目、要望でありますが、以下、やらせていただきます。
 コロナ禍における統計データと施策の反映についてであります。
 一つ目、令和2年度から同4年度というのは、新型コロナウイルスの蔓延もあり、がん検診も随分と受診控えが見られたと思いますが、この3年間の本県におけるがん検診率は低下したのではないかと容易に推測されます。国の公表も、令和4年度が公表されるのがこの夏だと伺っています。判明次第、本県としても結果次第で手だてを打っていただきたいと、まずは要望させていただきます。
 二つ目に、このコロナ禍の3年有余、がん治療をはじめ、ほかの疾患に対して十分な受診ができていたのか。また、受診控えなど、コロナによるしわ寄せが来ていなかったのかということも憂慮しています。何らかの統計が取れ次第、本県においても十分な検証をしたほうがよろしいのではないかと思います。
 3点目に、とりわけ高齢者はコロナ禍の中、特に外出自粛など、生活の質も低下して、心身のフレイル──虚弱や認知機能の低下をもたらしたのではないかと思います。
 去る6月15日、産経新聞夕刊に掲載されていましたが、新型コロナウイルス禍による生活の変化で、医療・介護施設の70%が認知症の人の状態に「影響が生じた」と認識していることが、広島大と日本老年医学会の全国調査で分かりました。施設の感染対策による面会制限や外出自粛などが認知機能の低下といった悪影響を与えたと見られるとのことです。広島大学の石井伸弥寄附講座教授(老年医学)は、「状況を改善するには、中断していたリハビリを進めることや、面会制限などを徐々に緩和することが必要だ」と指摘されています。
 調査は、第8波流行の最中だった1月から2月に実施。全国の特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームなど995の医療・介護施設から回答を得ました。今回が3回目の調査です。生活の変化で生じた具体的な悪影響は、認知機能の低下が最多で、重度認知症の人の約78%でした。そのほか、身体活動量の低下、基本的日常生活動作の低下が目立ちました。「影響が生じた」と回答した施設は、令和2年の1回目は39%、令和3年の2回目は53%、そして今回が70%と、回を重ねるごとに増加をしております。新型コロナの長期化が患者の心身に深刻な影響を与えている実態が浮き彫りになっているわけであります。
 このようなデータも示されていますので、どうか時期が参りましたら、本県におけるデータの把握の下、諸施策へ反映いただきたいと要望をさせていただきます。
 以上で、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(濱口太史君) 以上で、長坂隆司君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時5分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(中本浩精君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 22番北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕(拍手)
○北山慎一君 皆さん、こんにちは。
 午後のトップバッターで登壇をさせていただきます自由民主党県議団の北山です。議長のお許しを得ましたので、早速ですが、質問に入りたいと思います。
 まず、一つ目の質問項目ですけども、歩道整備と通学路の安全対策についてお伺いしていきます。
 一つ目の小項目、岩出市内における県道の歩道整備についてお伺いします。
 私の選挙区である岩出市は、和歌山市から紀の川市を東西に結ぶ県道小豆島岩出線、県道粉河加太線、県道和歌山打田線があり、また、南北には県道泉佐野岩出線と県道新田広芝岩出停車場線があります。
 この県道5路線は、地域経済の活性化にとって主要な路線となっているだけでなく、地域住民の生活を支える基幹的な道路でもあり、小中学校や高校へ通学する多くの児童や生徒の通学路としても利用されているところです。
 特に、県道泉佐野岩出線につきましては、平成31年3月、岩出市内において完全4車線化と両側に歩道が整備され、交通渋滞の緩和や地域住民の生活利便性を向上させるだけでなく、周辺地域の産業や観光などの地域活性化につながっています。
 しかしながら、他の県道4路線は、非常に交通量が多いにもかかわらず、狭隘な箇所や歩道が未整備の箇所があり、その区間では、児童や生徒は大型車両などが走行する傍らを危険な状況の中で通学しています。これらの危険な状況を早急に改善するため、地元から歩道整備の強い要望が提出されていると伺っています。
 そのような状況の中、県においては、過去から横断歩道の注意喚起のための路面標示や歩道整備など、歩行者の安全確保のため対策を講じていただいており、さらに、県が作成された歩道整備計画により歩道整備が加速化され、新たな区間についても順次着手していただいているところです。
 今後も、歩行者のさらなる安全確保のために、その計画に基づいた一日も早い歩道整備の完成が重要であると考えます。
 そこで、お伺いいたします。
 現在実施している県道小豆島岩出線、県道和歌山打田線の事業進捗と、県道粉河加太線の根来地区、北大池地区及び新田広芝岩出停車場線の水栖地区、高塚地区の今後の整備予定について、県土整備部長にお伺いいたします。
○副議長(中本浩精君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長福本仁志君。
  〔福本仁志君、登壇〕
○県土整備部長(福本仁志君) 歩道整備につきましては、子供や高齢者が安心して生活できるよう、通学路の合同点検において抽出した要対策箇所も踏まえ、市町村と調整の上、歩道整備5か年計画を策定し、歩道整備の加速化を図っているところです。
 この計画を踏まえ、岩出市内におきましては、現在、県道小豆島岩出線と県道和歌山打田線において歩道整備を進めているところです。
 県道小豆島岩出線につきましては、高瀬地区、中黒地区、西野地区、吉田地区の4か所で設計や用地取得を進めるとともに、用地取得が完了した箇所から順次工事を実施しています。
 また、県道和歌山打田線につきましては、高塚地区から岡田地区間で用地取得を進めているところです。
 なお、県道粉河加太線及び県道新田広芝岩出停車場線の御質問いただいた箇所につきましては、現在実施している箇所の進捗状況を踏まえ、岩出市や地元の意見を聞きながら、事業化について検討してまいります。
○副議長(中本浩精君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 では、次の小項目2の質問に移ります。
 通学路の安全対策と今後の方針についてお伺いいたします。
 令和3年6月に、千葉県八街市において、下校中の児童の列にトラックが突っ込み、5名が死傷する痛ましい事故が発生したことを受け、改めて全国の市町村立小学校の通学路の一斉点検が行われ、関係機関が連携しながら対策を進めていると聞いております。
 私の選挙区である岩出市では、登下校時における児童生徒の安全確保に取り組むため、岩出市教育委員会が中心となり、日頃から学校、道路管理者及び地元警察署との間で通学路の安全点検を実施し、児童生徒の安全確保に万全を期していただいているところです。
 また、岩出市教育委員会では、通学路の安全確保のため、学校区域の見直しを図られるとともに、ボランティアによる見守り活動など、学校、家庭、地域が連携しながら通学路での安全確保に取り組まれております。
 しかし、新1年生も学校生活に慣れてきた頃で、これからの登下校に際して一段と注意が必要となってきている中、先月の5月29日、岩出市内の小学校1年生が事故に遭いました。幸い軽傷であったと聞き、胸をなで下ろしました。事故はいつ、どこで起こるか分かりません。見守り活動なども含め、さらなる安全対策が必要となってきています。
 そこで、お伺いいたします。
 小学校の通学路の緊急一斉点検を受け、令和4年度において県が講じた安全対策と今後の方針について、教育長、警察本部長、県土整備部長、それぞれお答えください。
○副議長(中本浩精君) 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○教育長(宮﨑 泉君) 県の教育委員会から、通学路の安全対策と今後の方針についてお答えします。
 千葉県八街市の交通事故を受けて行われた令和3年の通学路の緊急合同点検において、市町村教育委員会及び学校が対策する必要箇所数は579か所であり、令和5年6月時点で全ての箇所において対策が完了となっています。
 これ以外にも、市町村教育委員会において、定期的に行われる合同点検で新たに抽出される危険箇所について、適宜安全対策の徹底をしてまいります。
 また、登下校時における児童生徒の安全確保については、通学路セーフティネットの日を設け、学校、保護者、学校安全ボランティア及び警察等が連携し、県内一斉の見守り活動を実施していくとともに、教職員を対象とした交通安全に関する研修を実施することで、児童生徒の安全意識の向上と交通安全教育のさらなる充実を図ってまいります。
○副議長(中本浩精君) 警察本部長山﨑洋平君。
  〔山﨑洋平君、登壇〕
○警察本部長(山﨑洋平君) 今回の合同点検の結果、県警察としましては、ハード面では、信号機のLED化、歩行者用灯器の新設、横断歩道の新設・補修等、ソフト面では、交通取締り、交通監視等を講ずることとなりました。
 このうち、ハード面の対策が必要な場所として120か所を抽出しましたが、令和5年3月までに全ての対策を完了しております。
 一方、ソフト面では25か所を抽出し、通学路集中取締りや朝夕の交通監視、安全指導を現在も継続して実施しており、交通事故防止に努めております。
 また、昨年7月から、各警察署では、管内の小学校を対象に、サイン+サンクス運動推進校を指定し、横断歩道において児童が手を挙げて自動車にサインを送り、止まってくれた運転者にお礼をするという、通学路上での児童の安全を確保する取組を進めております。
 今後とも、通学路及びその周辺道路の交通実態を踏まえつつ、適正な安全施設の維持管理に努めるとともに、交通ボランティア等、関係者との連携を図りながら、各種交通安全対策を講じていきたいと考えております。
○副議長(中本浩精君) 県土整備部長。
  〔福本仁志君、登壇〕
○県土整備部長(福本仁志君) 令和3年6月に千葉県八街市で発生した事故を受け実施した通学路の合同点検において抽出した要対策箇所の安全対策について、道路管理者としてお答えいたします。
 道路管理者が実施する安全対策は、歩行空間の確保などのハード整備を行うこととなっています。
 合同点検の結果、国、県、市町の道路管理者が実施する要対策箇所は県内で397か所あり、令和5年3月までに約7割の279か所の対策が完了しています。このうち、県管理道路では、要対策箇所154か所のうち114か所の対策が完了しています。
 ただいま御質問のありました令和4年度に講じた安全対策につきましては、路面標示、ラバーポールの設置、歩道整備など、38か所で実施をしております。
 引き続き、県内の要対策箇所の対策を進めるとともに、教育委員会や警察などの関係機関と連携しながら交通安全対策に取り組んでまいります。
○副議長(中本浩精君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 答弁いただきました。
 歩道整備が進めば、通学路の安全はより確保されていくことは言うまでもありません。歩道整備は、通学路として使う子供たちだけでなく、高齢者の方々や散歩する方々など、全ての歩行者の安全確保にもつながります。
 もちろん、全ての道路に歩道を設置するなど、不可能なことかもしれません。用地買収なども伴うため、予算を確保することもなかなか厳しいと思います。そんな状況であっても、歩道整備は進めていかねばなりません。交通量が多い道路や事故が発生している道路など、今現在も、予算を確保しながら状況に応じて優先的に対応しなければいけない道路の歩道整備を実施していただいてると思いますが、より歩道整備が進んでいくよう取り組んでいただきたいと願います。
 また、通学路に関しても、関係部局がしっかりと連携を取り、さらなる安全確保に向けた取組をぜひお願いいたします。
 つい先日の6月16日の金曜日になりますが、岩出市内の学校近くの県道で、横断歩道を渡ろうとしていた下校中の児童が車にはねられる事故が発生いたしました。ドクターヘリで運ばれたということでしたが、後ほど、幸い命に別状はなかったと御連絡をいただき、ひとまずほっとしたところであります。
 そのような状況も鑑み、各機関が取り組む安全対策をしっかり行っていただくのはもちろんのことですが、児童生徒が安心して登下校できる通学路の安全対策にもつながる歩道の整備をさらに加速して進めていただくよう、県土整備部長、よろしくお願いいたします。
 続けて、次の質問項目の2に移ります。
 県内における子供のバス送迎の安全対策についてお伺いいたします。
 2021年7月、福岡県内の保育園で、5歳の男の子が送迎バスに置き去りとなり熱中症で死亡した事故や、2022年9月、静岡県内の認定こども園において、3歳の女の子が通園バスに約5時間放置され熱中症で死亡した痛ましい事故は、皆さんの記憶にも新しいと思います。ここ数年、幼い子供たちが教育や保育の現場で命を失うことや、虐待を受けたりする問題が発生するなど、時には幼い子供たちの安心や安全が脅かされている現状であります。
 これまでも、子供を預かる現場では痛ましい事件や事故が発生しました。発生した後には、二度と起こらないよう、国や各自治体がそれぞれに応じた対策や対応をしながら、子供たちの安心・安全に十分気を配り、配慮し、細心の注意を払ってきたことと思います。
 しかしながら、子供を預かる現場で、事案は違えど、事件や事故が発生しているのも事実です。その事件や事故の多くは、人為的なミス、いわゆるヒューマンエラーが重なることで発生していることがほとんどであると思います。人間ですから、うまくいかず、時にミスをすることや失敗することもあるでしょう。ですが、小さな命を預かる保育等の現場では、その一つのミスや失敗が重大な事件や事故につながることもあります。
 これは、教育や保育に限らず、様々な職種や職業にも言えることですが、全ての仕事や業務をミスや失敗なく完璧にし続けられる人はそういるものではありません。ミスや失敗を経験している方が大半なのではないでしょうか。その多くの方は、ミスや失敗を繰り返さないよう、また、しないよう、慎重かつ丁寧に取り組むなど、注意していることと思います。ついついやうっかりなどがないように、点検やチェックをしっかり行うこと、つまり、確認をするという行動を取ることでミスや失敗を回避できる確率が随分上がり、ミスや失敗を予防することができます。
 ただ、状況や環境によっては、ミスや失敗が起きやすいケースはあると思います。全てがミスや失敗につながるというわけではないですが、例えば、人員に余裕がないときや時間に追われて慌てている状況下でついついやうっかりをしてしまい、ミスや失敗をしてしまうことや、体調がよくない、優れない、コンディションが悪い、そのようなときなどにもついついやうっかりということになってしまい、ミスや失敗をしてしまうなど、ふだんできていることや、やらなければならないことを怠ったり、おろそかにしてしまうことで、ミスや失敗が生じることもあるかと思います。もちろん、そんなときでも何も起こらずスムーズにいくこともあるでしょう。しかし、人を預かる、命を預かる現場では、そのついついやうっかりが時に命、生命に関わってくることもあります。
 そんな中、国は、昨年9月に発生した送迎用バスの置き去り事故を受け、子供を預かる保育等の施設に対し、置き去り事故防止対策として所在確認、いわゆる点呼の実施と、送迎用バスへの安全装置の装備を義務づけることを決定いたしました。義務化は既に2023年4月1日からスタートしており、現在は義務化開始から約2か月半が経過したところです。
 加えて、国においては、安全管理の体制づくりの参考となる「こどものバス送迎・安全徹底マニュアル」を作成するなど、ヒューマンエラーに対する安全対策も講じています。
 また、安全装置に関しては、装備に際しての事業者の費用負担を減らすよう補助金が創設されており、早期に装備が進んでいくよう取り組んでいる状況となっています。
 そのような状況を踏まえ、質問いたします。
 県では、送迎用バスの置き去り事故を受け、幼稚園や保育所等に対し、安全対策に関してどのような通知や指導を行ってきたのでしょうか。また、本県においても同様に、安全装置の装備の義務化の対象となる幼稚園や保育所等があると思いますが、装備状況はどのようになっているのか、福祉保健部長、お答えください。
○副議長(中本浩精君) 福祉保健部長今西宏行君。
  〔今西宏行君、登壇〕
○福祉保健部長(今西宏行君) 昨年9月に発生した静岡県の認定こども園における送迎用バスの園児置き去り事故を受けて、県内の保育所、認定こども園、認可外保育施設、幼稚園及び特別支援学校幼稚部に対し、直ちに業務の点検を行い、バス送迎における安全管理を徹底するよう指示をいたしました。
 さらに、県独自の取組として、安全管理に関するポイントを取りまとめ、バス送迎を実施する保育所等の全ての施設において、複数人による人数確認や子供の出欠状況の共有、保護者への確認などの業務の点検と、万一バスに取り残されたときを想定した訓練等の実施を依頼し、その実施状況を確認したところです。
 送迎用バスへの安全装置の装備の義務づけについては、1年間の経過措置がありますが、各施設に対し6月末までの装備を働きかけた結果、全体の約5割である99台が完了することとなっており、今年度中に全て完了するように取り組んでまいります。
 県としては、今後とも、毎年度実施する施設に対する実地監査等において、送迎用バスの安全管理や安全装置の整備の状況を確認するとともに、適切な運用による安全確保が徹底されるよう、指導を行ってまいります。
○副議長(中本浩精君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 答弁いただきました。
 今後、季節は梅雨を終え、夏を迎えようとしています。夏になれば、毎年のように最高気温が更新されるなど、猛暑日が連日続いたりもします。そんな気温が高くなる夏本番を迎える前に、早期の安全装置の装備が望まれます。
 もちろん、各幼稚園や保育所等にも、すぐ装備できない事情があるかもしれません。しかし、置き去り事故で一番警戒しなければいけないのが熱中症です。熱中症は、気温が高くなる夏が最も起こりやすく、注意が特に必要な時期となり、車内の温度はエンジン停止後すぐに上昇していきます。夏本番を迎える前に、送迎用バスを利用・使用している幼稚園や保育所等に、あってはならないことではありますが、もしもの場合に備えて、小さな子供の命を守る安全装置の早期装備を促していただくとともに、安全管理の体制がしっかりと取られているのかなど、取組状況についても定期的に確認していただき、事故防止に努めていただくよう、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、次の質問に移ります。
 県内小中学校における防犯カメラの設置状況についてお伺いいたします。
 この質問は、私がこの議場で初めて登壇させていただいた令和元年12月定例会において、教育長に対し問いただした項目の中の一つになります。
 その質問の内容としましては、全国的に、通学中において児童生徒に関する事件や事故が発生していることから、県内の小中学校の登下校時における安全、防犯対策についてをお聞かせいただきました。その中で、私は、時代の流れとともに子供を取り巻く環境は大きく変わっていることを踏まえ、より防犯対策の強化が必要なのではないかと学校の防犯対策の現状について教育長に尋ね、県内の小中学校における防犯カメラの設置状況と、防犯カメラの設置に対する県教育委員会の考えを教育長にお聞きいたしました。
 当時の私の質問に対し、教育長は、県内の防犯カメラの設置状況は、小学校では234校中117校で設置率50%、中学校では118校中48校で設置率41%であるとお答えいただき、設置に対する考えとしましては、学校の出入口に設置することで、学校への不審者の侵入や接近を防ぐことになるなど、有効な防犯手段の一つであると考えていると述べられ、最後に、「各市町村に働きかけてまいります」という言葉で答弁を締めくくられました。
 あれから約4年がたち、現在の設置状況がどのようになっているのかということと、やはり先ほどの質問の中でも述べましたが、子供が関係する痛ましい事件や事故がいまだ発生していることもあり、子供の安心や安全により備えなければいけないという思いから、今回、改めて質問項目として取上げさせていただきました。
 現在の県内小中学校における防犯カメラの設置状況と各市町村への働きかけはどのようになっているのか、教育長、お答えください。
○副議長(中本浩精君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○教育長(宮﨑 泉君) 県内公立小中学校における防犯カメラの設置状況についてお答えします。
 令和4年度末で、小学校では229校中135校、中学校では117校中83校と、年々整備が進んでいます。
 県教育委員会としましては、国の財政措置の拡充を受け、市町村教育委員会に対して積極的に活用を進め、防犯カメラ及びオートロックシステム等の導入による防犯対策の徹底について働きかけていきたいと考えております。
 また、県立学校及び市町村教育委員会に対して、各学校の危機管理マニュアルを点検し、それにのっとった訓練を実施するよう指導や助言を行っており、今後も引き続き、学校における安全管理体制について、さらなる強化を図ってまいります。
○副議長(中本浩精君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 御答弁いただきました。
 令和元年12月定例会において、私は、施設内というより、正門や裏門など、生徒が登下校時に通る出入口に防犯カメラを設置してほしいと述べました。その考えは今も変わっておらず、一斉に下校する時間帯の校門付近では多くの児童生徒が行き交い、下校する児童生徒を見守る先生や保護者、また、見守り隊などのボランティアの方々では全ての児童生徒に目が行き届かないおそれもあり、そういう状況下で事件や事故が起こる可能性もあるかもしれないという思いを持っているからであります。
 仮に、防犯カメラが設置されている校門付近で事件や事故が発生したときには、どのような状況で、どんな人物かなど、事件や事故解明につながる情報等が防犯カメラに記録されているため、映像から特定しやすく、早期解決にもつながります。また、防犯カメラを設置していることで、不審者の侵入や犯罪の抑止効果にもつながり、子供たちの安心・安全を守る有効な手段の一つになると思います。
 子供たちの安心・安全を守るためにも、防犯カメラの設置の推進、各市町村への働きかけをより強力にお願いいたします。
 それでは、次の最後の質問に移ります。
 紀の川沿いのサイクリングロードに係る維持管理についてお伺いいたします。
 本県では、サイクリング王国わかやまの実現に向け、安全で快適なサイクリング環境の充実、自転車と公共交通機関との連携、自転車の活用による県民の健康の保持増進を施策として、自転車活用の推進に取り組まれております。
 特に、サイクリストが安全で快適に走行できるよう、河川敷を利用した専用道路の整備や一般道路の安全対策を行うなど、利便性、安全性を備えた走行環境や、サイクリングを活用した観光振興の向上に向けた取組を推進していただいております。
 また、サイクリングロードの整備が進められている紀の川は、奈良県大台ヶ原を源流として、奈良県より和歌山県橋本市、岩出市を経由して和歌山市に入り、紀伊水道に注ぐ全長135キロに及ぶ近畿有数の1級河川であり、レジャーを楽しむ家族連れや、アユ釣りをはじめとした釣り人が多数訪れるとともに、地元である岩出市では河川敷が夏祭りの会場となるなど、観光資源を有する地域となっています。
 しかし、紀の川沿いに整備されているサイクリングロードは、場所によっては紀の川の樹木等で対岸の景色が見通せないところがあること、また、沿道では雑草が伸びているなど、走行環境の向上の面からも適切な維持管理が望まれております。
 そこで、お伺いいたします。
 紀の川沿いに整備されているサイクリングロードの維持管理状況について、県土整備部長、お答えください。
○副議長(中本浩精君) 県土整備部長。
  〔福本仁志君、登壇〕
○県土整備部長(福本仁志君) 紀の川沿いのサイクリングロードにつきましては、堤防や河川敷を活用した平たんで走りやすく、初心者でも安心して走行できるルートとして整備しています。
 利用者が快適に走行できるよう、年1~2回の頻度で道路脇の除草を行っています。また、月1回の道路パトロールにおいて走行に支障となる草木が確認された場合は、適宜対応しているところです。
 そのほか、舗装や区画線の劣化状況を確認し補修を行うなど、今後とも、安全で快適なサイクリングロードの維持管理に取り組んでまいります。
○副議長(中本浩精君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 答弁いただきました。
 利用者が快適に走行できるよう、除草やパトロールなど、適宜行っていただいているとのことでした。
 サイクリングは、走ることの楽しさに加え、景観を楽しむというのも一つの醍醐味であると思います。特に、紀の川沿いのサイクリングロードは、川や緑があり、自然を感じながら走ることができます。ですが、場所によっては、紀の川のすぐ横を走っているのに、生い茂った木々が壁となり、紀の川を望めない場所もあります。
 サイクリングロードのすぐ横で、5メートル以上の高さの木々が何百メートルも連なって壁となり、紀の川を望むどころか対岸も見えないような箇所もあり、サイクリングの醍醐味の一つである景観を楽しむことができない箇所があるのは非常に残念に思います。そういった箇所の対応は、サイクリングロードを管理する県なのか、河川を管理する国なのかは分かりませんが、県内外の、特に県外のサイクリストがまた走ってみたいと思ってもらえるようなサイクリングロードにするためには、景観にも気を配る必要があるのではないでしょうか。
 野球で例えるなら、甲子園でプレーしたいと、大半の野球人が聖地と言われる甲子園で野球をすることに非常に憧れを持ちます。そこまでとは言いませんが、サイクリストが紀の川沿いを走りたいと思ってもらえるようなサイクリングの聖地と言われる、そんなサイクリングロードとなるよう、除草や路面等の補修はもちろんのこと、景観を妨げるような樹木などに関しては国に伐採等を要望していただくなど、今後もしっかりと対応していただくようお願い申し上げ、私の一般質問を終えたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(中本浩精君) 以上で、北山慎一君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 2番三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕(拍手)
○三栖拓也君 皆様、こんにちは。
 議長の許可をいただきましたが、その前に、一言御挨拶を述べさせていただきます。
 私は、去る4月執行の和歌山県議会議員選挙西牟婁選挙区において初めて出馬をさしていただきました。厳しい選挙でしたが、おかげさまで西牟婁の皆様から御支援をいただき、初当選さしていただきました。大学卒業後10年余り、東京の民間企業で勤務した経験がございますが、これまで歩んできた生活環境とは全く異なる政治の世界に身を置かせていただくことになりました。先人が残してくださったこのすばらしいふるさと和歌山のさらなる発展のため、全身全霊を注いで取り組んでまいります。
 また、この伝統ある和歌山県議会において登壇をさせていただく機会を得られましたことは、誠に光栄で、身の引き締まる思いであります。岸本知事はじめ、県当局の皆様、また、議長をはじめとする諸先輩の議員の皆様には、何とぞ御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、質問に入りますが、何分初めての一般質問でございます。お聞き苦しい点もあろうかと思いますが、御容赦いただければ幸いです。
 さて、何事も最初が肝腎であります。
 私は白浜町で生まれ、育ちました。幼い頃から、近所には観光のお客様が大勢いらっしゃる環境が当たり前で、おのずと観光に対する興味や関心は高まってまいりました。初めての一般質問では観光を取り上げたいという思いが強く、今回は、和歌山県の観光振興について伺います。
 まずは、和歌山県全体の実情と課題を調査するには何が適切かなど、支援者の方々とも議論を交わしました。そこで、長期総合計画という和歌山県の将来像が記された10年間の計画が策定されていることを知りました。大変興味のある計画であり、10年先の行政課題や進むべき方向、目標などが網羅された総合計画は、新人議員の私にとりましては大変貴重な資料の一つであります。
 和歌山県では、2017年に策定されたこの長期総合計画に基づき、達成目標年度の2026年に向け、「『世界とつながる 愛着ある元気な和歌山』~県民みんなが楽しく暮らすために~」と表現し、目指す将来像が県政を進める上での指針と記されています。その達成年度が2026年度となっている長期総合計画においては、県内の観光客誘客の年間目標数が日帰り観光客数3300万人、宿泊観光客数770万人、外国人宿泊客数が170万人、クルーズ客船の寄港数が30隻と、積極的な目標を掲げていました。
 しかし、当初計画段階では予想もできなかった新型コロナ感染症により、ここ数年は県政を挙げてコロナ対策に取り組んでいただき、今を迎えています。皆様方の御尽力に心から感謝とお礼を申し上げます。
 一方で、国の動きに目を向けてみますと、観光立国推進基本法、これの規定に基づき、観光立国の実現に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、令和5年度からの新たな観光立国推進基本計画が閣議決定されたのは御承知のことと存じます。本計画は、訪日外国人旅行消費額5兆円、国内旅行消費額20兆円の早期達成を目指すとともに、令和7年までに、持続可能な観光地域づくりに取り組む地域数100地域、訪日外国人の旅行消費額単価を1人当たり20万円、訪日外国人旅行者1人当たり地方部宿泊数2泊などの目標を掲げており、これらの達成のために政府全体として講ずべき施策等について定めています。
 そこで、質問です。
 国が示した観光立国推進基本計画の目標を踏まえ、和歌山県として観光立県の復活に向けたビジョンはどういうものか、岸本知事にお尋ねいたします。
○副議長(中本浩精君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
 知事岸本周平君。
  〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 三栖議員の御質問にお答えを申し上げます。
 今御指摘の国の観光立国推進基本計画では、コロナ禍で大打撃を受けた観光産業に関して、単なるコロナ前への復旧ではなく、コロナ前とは少し違った持続可能な形での復活を図ることとされております。キーワードは、持続可能な観光、消費額拡大、地方誘客促進であります。これまで以上に質の向上を重視した観光へと転換すべきだとされております。
 こうした中、和歌山県の観光振興アクションプログラム2023では、まず、本年が弘法大師御誕生1250年、そして来年が世界遺産登録20周年、さらには2025年大阪・関西万博というビッグイベントが続きます3年間をダイヤモンドイヤーと捉えて、積極的なプロモーション活動を展開し、国の内外からの誘客に努めることとしております。
 そのためには、今、私ども部内でやっておりますけれども、和歌山あるいは和歌山県のブランドをもう一度定義をし直してはどうかということで作業を進めております。そのヒントといたしましては、2年後の大阪・関西万博のテーマが「和歌山百景-霊性の大地-」、そして、コンセプトは「“上質”のつまった和歌山」であります。
 このコンセプトとテーマの背景には、今、観光では三つのSが大変重要だとされております。一つは精神性、熊野・高野で代表される精神性、スピリチュアリティーのSです。それから、当然和歌山県は持続可能性、サステーナビリティーがあります。そして、静ひつさ、静けさというんでしょうか、荘厳さというんでしょうか、セレニティー、この三つのS、これが和歌山県のこれからのブランディングをしていく中で大変重要なことになっていくのではないかということで、今検討しております。
 具体的には、まずは世界遺産、そしてアウトドア観光、温泉と食、サイクリング王国わかやまを重点テーマに掲げております。本県独自の精神文化、歴史、豊かな自然といった素材を存分に活用しまして、県内全域に観光振興の効果が及ぶよう取り組んでまいります。
 また、インバウンドは今後本格的な回復が見込まれますけれども、県内への延べ宿泊者数の増加だけではなく、地域での旅行消費の拡大につなげるため、例えば、高付加価値の旅行者の誘客など、マーケティング能力の強化を図りながら、現地旅行博への出展や、あるいは海外も含めたメディアプロモーションなどに積極的に取り組んでまいる所存です。
○副議長(中本浩精君) 三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕
○三栖拓也君 岸本知事に御答弁いただきました。
 本年から大阪・関西万博までの3年間をダイヤモンドイヤーとして位置づけ、精力的にプロモーションを展開していき、コロナ禍からの反転を図るという意味で、大変力強いお言葉をいただいたと思います。私どもが暮らす紀南地方にもその効果が波及するよう、御答弁の中にもありました三つのSを存分に活用していただき、戦略的に誘客に努めていただければ幸いです。
 では、次の質問に移ります。
 続いては、和歌山県が持つ観光コンテンツを体験していただくための取組について伺います。
 和歌山県は、温暖な気候に加えて、自然に恵まれており、山、川、海、全てを満喫できる点が特徴であろうと思います。西牟婁においても、紀伊山地の雄大な山々、富田川や日置川などの美しい河川、枯木灘の豊かな海などがあり、大自然を存分に体感できる条件が整っています。さらに、これらの豊かな自然がもたらしてくれる様々な食材がおいしいものばかりであることは言うまでもありません。
 また、歴史や文化においても、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に代表されるすばらしい財産を有しております。特に2023年は、高野山を開創した弘法大師・空海が香川県善通寺市で誕生し、今年で1250年と記念の年を迎えます。このような歴史ある文化財を現代まで守り抜いてこられた先人に改めて敬意を表するとともに、私たちも、それらを後世に受け継いでいきながら、より多くの人に魅力を伝えていく必要があると考えます。
 先ほどの知事の答弁にもありましたとおり、2025年には大阪・関西万博が開催されるということで、海外からより多くのインバウンド観光客が日本を訪れることが予想されます。この絶好の機会に、和歌山県の魅力ある観光コンテンツを世界中の方々に体験していただきたいと心から願っております。
 旅先で買物を楽しむ従来型の「モノ消費」から、サービスや体験を楽しむ「コト消費」への転換は、国内消費の動向のみならず、インバウンド市場においてはより顕著に現れています。観光庁がコロナ禍前の2019年に発表した訪日外国人の消費動向に関する調査では、来訪目的の1位は96.6%で「日本食を食べること」となっており、「ショッピング」の82.8%を上回っています。この調査による「ショッピング」は、今回したことでは82.8%ですが、次回したいことにおいては42.9%に下がっています。つまり、訪日観光客のリピーターを増やすという意味でも、その土地でしか味わえない体験やサービスを提供できる観光コンテンツが重要であることは明白ではないでしょうか。
 その点、和歌山県においては、自然や食、文化、歴史といった世界に胸を張ってアピールできるすばらしいコンテンツを用意しています。私は、これこそが観光の価値となり、今後の観光地における競争力となっていくと考えています。
 そこで、質問です。
 世界的に体験型観光の需要が高まっている中で、令和5年版「観光白書」でも、体験型の観光コンテンツを充実させていくことは重要であり、非日常の特別な体験を提供することが地域の稼ぐ力を高めていくと示されています。和歌山県においても、この流れを捉えて体験型観光のさらなる充実、発展に注力していくことが必要と考えておりますが、県としての取組状況と方向性について、商工観光労働部長にお尋ねします。
○副議長(中本浩精君) 商工観光労働部長三龍正人君。
  〔三龍正人君、登壇〕
○商工観光労働部長(三龍正人君) 体験型観光につきましては、観光客の訪問先での滞在時間を延ばし、消費を拡大していくために、本県の観光振興においてますます重要な要素になってくると認識してございます。
 これまでも、県では、自然、農林漁業、地域の歴史、文化、伝統産業などに触れていただくほんまもん体験を観光の目玉として力を入れており、今年度は、予約、決済をオンラインでできるシステムを新たに構築し、さらに多言語対応とすることで、外国人観光客の利用にも対応できるものとする予定でございます。
 このほか、近年人気の高まりを見せるアウトドア体験について、カヌーやトレッキング、ダイビング、フルーツ狩りなどの体験メニューや、バリエーション豊かな県内キャンプサイトを一元的に紹介し、予約までできるウェブサイトを運営してプロモーションを行っているところです。
 今後も、新たな体験メニューの掘り起こしを図るとともに、さらなる質の向上に努めてまいります。
○副議長(中本浩精君) 三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕
○三栖拓也君 御答弁いただきました。
 体験型観光が今後の観光振興において重要であるとの認識で一致できたと思います。
 県内には、まだ発掘されていない体験メニューも多くあるでしょうし、ほんまもん体験のウェブサイトに載っているメニューを知らない旅行者も多くいらっしゃると思います。一人でも多くの方に和歌山の魅力を体験してもらえるよう、プロモーションに取り組んでいただければと思います。
 では、次の質問に移りたいと思います。
 続いては、和歌山県にお越しくださったお客様の2次交通についての質問です。
 2025年の大阪・関西万博を機に、国内外の観光客は、大阪を起点に多くの場所に移動することが予想されます。しかし、和歌山県においては、南進するに伴い、利便性の高い交通手段が限られてしまい、レンタカーや自家用車でなければ紀南の広大な観光エリアを網羅することは難しいのが現状ではないかと想定します。
 旅行先の主要な空港や駅から観光目的地までの移動手段を2次交通と呼びますが、県内唯一の空港である南紀白浜空港やJR紀勢本線の特急停車駅を抱える西牟婁郡では、特に2次交通の充実、整備が不可欠であると考えます。
 また、2次交通の充実は、インバウンド観光客だけでなく、都市圏在住の車を所有しない若者グループ、主婦仲間グループ、高齢者グループといった観光地における交通事業者の稼働率を上げるために有益なターゲット層を誘致する大きなきっかけとなり得ます。
 さらに、将来的に自家用車による移動から地域公共交通への切替えが進むことで、カーボンニュートラルやネーチャーポジティブといった国が主導する脱炭素社会実現に向けた戦略とも合致していきます。
 このように、2次交通の充実を図ることは、持続可能な観光を目指す上でも利点が多くございますが、現時点では、路線バスの本数や稼働するタクシー台数にも限りがあり、今後ますます増加していくと期待される観光需要に対して十分な供給が実現できていないのではと想定します。
 特に、夜間についてはこのような状況が顕著で、白浜町を例に取ると、夕方に宿泊先から飲食店等へ外出する際はバスやタクシーを利用できたが、夜間の帰り際にはバスの運行も終わり、タクシーも台数が極端に減ってしまい、迎車を依頼しても長時間の待ち時間が発生し、諦めて数十分から1時間以上かけて徒歩で宿泊先へ戻るといった事象が頻発している状態です。夜に白浜駅へ到着してから宿泊先へ移動する場合も同じような状態です。旅行者の皆様が旅先での移動にストレスを感じることのないよう、観光地としても競争力を高めていく必要があると考えます。
 他県でも、観光ニーズに合わせて地域公共交通の再編に取り組んでいたり、観光事業者と地域が一体となり、MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)の活用を進めていたりといった新たな事例が出てきています。やはり2次交通とは言いつつも、基本となるのは地域公共交通であり、これらを維持しながら利用者の利便性を高めていくことが重要ではないでしょうか。
 そこで、地域振興監に御質問です。
 さきに述べたように、観光客のみならず、地域の移動手段に関する課題が顕在化している中、和歌山県として、課題認識と解決に向けた現状の取組についてお聞かせください。
○副議長(中本浩精君) 地域振興監赤坂武彦君。
  〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興監(赤坂武彦君) 観光やビジネスで本県に来られる方や、通勤や通学など県民の移動手段を確保するため、地域公共交通を維持し利便性を向上させることは非常に重要であると考えております。
 一方、人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響による利用者の大幅な減少、さらには運転手不足などにより、交通事業者の経営環境は大変厳しい状況にありますので、効率的で利便性の高い地域公共交通の確保が求められております。
 そのため、県では、市町村に対し、地域交通の専門家派遣やデマンド交通の導入等に向けた支援を行うとともに、交通と観光の関係者が連携し、駅での案内看板の充実、バスの共通時刻表の作成、スマートフォンでの経路案内の導入に取り組んでいるところです。
 今後とも、増加する観光客の移動ニーズへの対応について、地域の関係者と十分に議論し、地域に適した公共交通ネットワークの構築に取り組んでまいります。
○副議長(中本浩精君) 三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕
○三栖拓也君 御答弁いただきました。
 人口減少に加えて、コロナ禍によって利用者が減ったことの影響から、運転手不足などを招いているとの現状は、まさにそのとおりであると私も認識しております。
 答弁の中にもございましたとおり、県としても市町村に対して具体的な支援を行っていただいているところと思いますが、まだまだ効果が浸透していない部分も多くございますので、現状を何とか突破していくために、引き続き、市町村と一緒になって取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、大項目の二つ目、デジタル社会の実現に向けて、和歌山県としてどのような取組を進めているのかについて質問いたします。
 私は、県議会議員としてはある意味で異色かもしれませんが、NTTデータというIT系の企業に昨年まで所属しておりました。大学を卒業してから新卒で入社して以来、主に民間企業に向けたシステム開発のプロジェクトや新規サービスの企画立案などの現場を経験してきました。デジタルトランスフォーメーション(DX)、この言葉が登場して久しいですが、まさにこのDXを提供する側の者として仕事をしておりました。
 その際に痛感したのは、DXという言葉が独り歩きしてしまい、デジタルトランスフォーメーションの意味を理解しないまま横文字を使っている方や組織が非常に多いということでした。
 言葉の定義について、ここで踏み込むことは避けたいと思いますが、劇的に変化する世の中に対応するために、デジタル技術を駆使して新しい価値を創出するための営み全体を広くDXと呼んでいることで、捉え方が人によってばらつきが出ているのが実情ではないでしょうか。つまり、ICTやデジタル技術を使っていれば、何でもDXと呼んでいるような状態です。総務省の「情報通信白書」でも、DXという用語について説明をしているものの、「現在、世の中で使われている『デジタル・トランスフォーメーション』の定義は厳密には一致しておらず、使い方も人や場面によってまちまちである」との記載もあるくらいです。
 このような状況において重要なのは、何を目指してICTやデジタル技術を使うのかという点です。あくまでもICTやデジタル技術を使うことは手段であり、目的ではありません。どういう未来の姿を目指してそれらを使っていくのかをしっかり考えておく必要があるということです。
 そこで、和歌山県としてのデジタルトランスフォーメーション(DX)の目指す姿について、企画部長に御質問いたします。
 繰り返しになりますが、デジタル技術は、私たちの暮らしに利便性をもたらしてくれる非常に有効な手段であり、もはやアナログからデジタルへの転換は避けては通れない大きな潮流です。国としても、デジタル田園都市国家構想など、デジタルを活用した社会の将来像について検討を進めているところですが、和歌山県として目指すべきDXの姿について、ビジョンや方向性をお示しいただけないでしょうか。
○副議長(中本浩精君) 企画部長前 昌治君。
  〔前 昌治君、登壇〕
○企画部長(前 昌治君) デジタル技術は、県民の社会生活や経済活動に深く浸透し、利便性の向上や業務の効率化を実現させています。
 本県が考えるDXの推進によって目指す社会とは、デジタル技術の効果的な活用により新たな価値を創出し、県民生活の質的向上や官民の業務効率化を推進することで、県民一人一人が幸せや豊かさを実感できる社会であり、あわせて、産官学の連携により、県内投資やイノベーション、所得の拡大といった好循環につなげていくことも目指しています。
 そのため、本県では、国の交付金等も活用して、医療、教育、防災等、様々な分野におけるDXを積極的に支援しており、さらに今年度、産業、地域におけるDX推進のための体制強化として、DXのプロジェクトを企画・統括するデジタル社会推進課を設置したところです。
 今後、国の動向等を注視しつつ、県内外の民間企業や教育機関等の知見も活用しながら、産業、地域におけるDX関連プロジェクトの推進に取り組んでまいります。
○副議長(中本浩精君) 三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕
○三栖拓也君 御答弁いただきました。
 デジタル技術を使って県民生活を豊かにし、産官学で連携しながら県内投資やイノベーションを促し、所得の拡大につながる好循環を目指すということは、まさにデジタル技術を手段としてうまく使っていく姿勢であると思います。また、新たにデジタル社会推進課を設置されたということで、和歌山県として、真のデジタルトランスフォーメーションに向けて、引き続き取り組んでいただければと思います。
 次の質問に移ります。
 次が最後の質問になります。
 再び私の前職の話に戻ってしまいますが、DXという言葉がまだ世間一般に出回っていない頃、ある大手企業のお客様から、社内システムを刷新したいので、企画段階から検討してほしいと、そういう依頼がございました。そのお客様いわく、勤怠管理、成果管理、人事管理など、社内で複数のシステムが乱立しており、運用コストが非常に高い。社内全体で最適化して、効率よくシステムを運用できるようにしたいという御要望でした。後から振り返ると、これぞまさにDXといった内容でしたが、結果的に、私たちはこのプロジェクトで大変苦労することになりました。
 企画・検討に約1年、開発に1年半ほどかけて運用を開始しましたが、いざ使ってみると、実際のユーザーである一般社員から、使いづらい、従来のシステムのほうが仕事がしやすいなど、多くの苦情が寄せられることになりました。多くの時間と費用をかけて運用を開始した新システムは、結局、再度改修を行うことになり、追加のコストを要してしまう羽目になりました。
 この話には幾つかの教訓が含まれているのですが、最大の失敗要因は、企画・検討段階で実際のユーザーである一般社員の意見を聞かず、運用の効率化ばかりに目が行ってしまったこと、そして、社内業務の整理を専門家任せにしてしまったことでした。ここで言う専門家とは、当時の自分たちICT企業のことを指しています。
 これは、ICT業界では本当によくある失敗事例の典型で、発注側の企業にICTのことが分かる人材がおらず、開発ベンダーに丸投げしてしまうことで起きてしまう悲劇です。つまり、どれだけICTやデジタル技術が進化しても、それらを使いこなす側の人が重要であり、特にこれからの時代は、ICT企業だけの専門知識とするのではなく、どこの組織でもデジタルのことが分かる人材が必要になってくると想定します。
 その点において、和歌山県では、以前よりICT企業等の誘致を積極的に推進しており、近年は、コロナ禍によるリモートワークの推奨といった時代背景にも後押しされ、ワーケーションという新たな働き方も登場し、ますますデジタル人材の流入が増えているように感じます。これは、地方にとって非常に喜ばしいことであり、以前より県として取り組んでこられた成果の表れであると感じています。今後、ますますデジタル人材の確保、育成に注力していただけるようお願い申し上げます。
 さて、和歌山県として取り組んでこられたICT等の企業誘致についてですが、全体としてはいい流れであるとの評価がある一方で、地元の地域住民にとっては効果が実感しづらいのが実情です。
 さきに述べましたとおり、デジタル人材の流入という点においては成果が表れていると思います。和歌山県を挙げてICT等の企業誘致に注力していただいたおかげで、今や県内に44社の企業が進出していただいています。特に白浜町においては、その先駆けとして様々なICT等の企業誘致に取り組んでいただきました。また、コロナ禍以降は、全国的にもワーケーションの聖地として注目されています。
 一方で、ICTやDXなどは地域住民にとってはなじみの薄い分野であり、ワーケーションやサテライトオフィスといった横文字の意味も伝わりづらく、何をしている場所なのか、自分たちには関係ないという認識が大半であろうと感じています。
 そこで、商工観光労働部長に御質問です。
 和歌山県として、ICT等、企業のオフィス誘致はどのような効果をもたらしているとお考えなのかお聞かせください。また、進出していただいた企業と地域住民との交流に関して、具体的な取組があれば併せて教えていただけますでしょうか。
○副議長(中本浩精君) 商工観光労働部長。
  〔三龍正人君、登壇〕
○商工観光労働部長(三龍正人君) ICT企業等の誘致につきましては、テレワークが急速に進んだことで、場所を選ばずに働けることが企業・個人で広く認識され、加えて、首都圏で人材確保が難しくなっていることもあり、優秀な人材を求め、企業の地方進出意欲が高まっていると実感しています。
 本県では、この動きをチャンスと捉え、首都圏からアクセスのよさなどのビジネス環境の強みと、安全で快適な生活環境のよさを「New Work×Life Style」として企業に提案しているところでございます。
 その結果、昨年度のICT企業等の誘致は過去最多の8社となり、今年度も既に3社の進出が決定し、新たな地元雇用が生まれています。
 進出した企業においては、高齢者の移動手段確保に資する自動運転事業や、空港、ホテル、観光施設などで顔認証によってサービスを受けられる事業、アナウンサードローンによる避難誘導の実証実験等、少子高齢化、観光、防災といった地域課題の解決に、地元自治体や企業と連携してデジタル技術を駆使した事業に取り組んでいます。
 また、地元小学生向けのプログラミング教室の開催や住民向けのIT勉強会、首都圏本社の社員も参加した地元農家での収穫体験などのワーケーション事業等、様々な面で地域交流を深めているところです。
 ICT企業等の進出は、雇用創出のほか、県内でのDX推進や地域活性化にも大きな役割を果たすものと期待しており、今後も市町村と協力して、全力で誘致に取り組んでまいります。
○副議長(中本浩精君) 三栖拓也君。
  〔三栖拓也君、登壇〕
○三栖拓也君 ただいまの御答弁にもありましたとおり、従前よりICT企業等のオフィス誘致に取り組んできた結果、多くの企業に進出いただき、西牟婁郡では地域住民の認知度も上がってきていると実感しております。
 進出されたICT企業の皆様におかれましても、各社で地域交流を深める工夫をなされているとのことで、大変ありがたく感じております。今後、もっと多くの方々にまでその交流の輪が広がっていき、さらなる地域活性化につながるよう、県としても引き続きフォローしていただきますよう、重ねてよろしくお願いいたします。
 以上で、私の一般質問を終了したいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(中本浩精君) 以上で、三栖拓也君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時16分散会

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