令和5年2月 和歌山県議会定例会会議録 第9号(全文)


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令和5年2月 和歌山県議会定例会会議録 第9号

議事日程 第9号

 令和5年3月7日(火曜日)

 午前10時開議

 第1 特別委員会中間報告の件

 第2 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第40号まで、議案第43号から議案第46号まで、議案第48号から議案第57号

     まで及び議案第59号から議案第75号まで並びに請願3件(委員長報告・同質疑・討論・表決)

 第3 意見書・決議案

 第4 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件

 第5 特別委員会閉会中継続審査の件

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会議に付した事件

 第1 特別委員会中間報告の件

 第2 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第40号まで、議案第43号から議案第46号まで、議案第48号から議案第57号

     まで及び議案第59号から議案第75号まで並びに請願3件(委員長報告・同質疑・討論・表決)

 第3 意見書案

 第4 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件

 第5 特別委員会閉会中継続審査の件

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出席議員(41人)

 1番 鈴木德久

 2番 山家敏宏

 3番 中本浩精

 4番 堀 龍雄

 5番 藤山将材

 7番 井出益弘

 8番 宇治田栄蔵

 9番 北山慎一

 10番 玄素彰人

 11番 中西峰雄

 12番 秋月史成

 13番 森 礼子

 14番 濱口太史

 15番 尾崎要二

 16番 冨安民浩

 17番 川畑哲哉

 18番 玉木久登

 19番 鈴木太雄

 20番 岩田弘彦

 21番 吉井和視

 22番 谷 洋一

 23番 佐藤武治

 24番 岩井弘次

 25番 中 拓哉

 26番 多田純一

 27番 新島 雄

 28番 山下直也

 29番 中西 徹

 30番 谷口和樹

 31番 藤本眞利子

 32番 浦口高典

 33番 山田正彦

 34番 坂本 登

 35番 林 隆一

 36番 楠本文郎

 37番 高田由一

 38番 杉山俊雄

 39番 片桐章浩

 40番 奥村規子

 41番 尾﨑太郎

 42番 長坂隆司

欠席議員(なし)

〔備考〕

 6番 欠員

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説明のため出席した者

 知事         岸本周平

 副知事        下 宏

 理事         田嶋久嗣

 知事室長       赤坂武彦

 危機管理監      福田充宏

 総務部長       吉村 顕

 企画部長       長尾尚佳

 環境生活部長     生駒 享

 福祉保健部長     志場紀之

 商工観光労働部長   寺本雅哉

 農林水産部長     山本佳之

 県土整備部長     福本仁志

 会計管理者      中家秀起

 教育長        宮﨑 泉

 公安委員会委員長   竹田純久

 警察本部長      山﨑洋平

 人事委員会委員長   平田健正

 代表監査委員     森田康友

 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫

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職務のため出席した事務局職員

 事務局長       出津野孝昭

 次長(秘書広報室長事務取扱)

            浜野幸男

 議事課長       長田和直

 議事課副課長     岩井紀生

 議事課課長補佐兼議事班長

            村嶋陽一

 議事課主任      伊賀顕正

 議事課主任      菅野清久

 議事課副主査     林 貞男

 総務課長       葛城泰洋

 政策調査課長     神川充夫

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  午前10時0分開議

○議長(尾崎要二君) これより本日の会議を開きます。

 日程第1、特別委員会中間報告の件を議題といたします。

 防災・国土強靱化対策特別委員会、人権・少子高齢化問題等対策特別委員会、行政改革・基本計画等に関する特別委員会、半島振興・地方創生対策特別委員会及びIR対策特別委員会から文書による中間報告がなされております。これらはいずれもお手元に配付しておりますので、御了承願います。

 この際、暫時休憩いたします。

  午前10時0分休憩

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  午後1時29分再開

○議長(尾崎要二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 日程第2、議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第40号まで、議案第43号から議案第46号まで、議案第48号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第75号まで並びに今期定例会の請願3件の計58件を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長及び予算特別委員会委員長の報告を求めます。

 福祉環境委員会委員長浦口高典君。

  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)

○福祉環境委員会委員長(浦口高典君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。

 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案4件であります。また、令和5年度当初予算関係議案のうち、当委員会所管分について議長から調査依頼がありました。

 委員会は、3月2日、第2委員会室において開催し、環境生活部、福祉保健部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第43号から議案第46号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、調査依頼のありました予算関係議案については、適当である旨、議長に報告いたしました。

 次に、請願については、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第8号から議請第10号までは不採択とすべきものと決しました。

 最後に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、環境生活部関係では、環境生活部予算で大きく増額、減額した事業について、県有施設等の脱炭素化推進事業の効果について、環境衛生研究センター再整備による機能強化の内容について、不法投棄・不適正処理対策事業の増額理由について、自然共生社会の推進に係る課題とその取組について、高齢者の消費者被害防止及び男女共同参画推進の取組について、和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例に基づく住民説明会の範囲について、和歌山県ごみ散乱防止に関する条例の効果について、地域猫対策の目的について、家庭から出る廃食用油の再利用について、青少年施設管理運営・整備事業の増額理由について、南紀熊野ジオパークのユネスコ世界ジオパーク認定に向けた取組について、水道設備の耐震化等のため、国の交付金を要望している県内市町村の状況等について、福祉保健部関係では、リフィル処方箋の活用推進について、医療機関や薬局へのマイナンバーカードシステムの導入について、ジェネリック医薬品の使用状況、特定健診及びがん検診の受診率について、がん患者の就労、社会参加への支援の内容について、老人福祉施設整備事業の内容について、自立支援型ケアマネジメント推進強化事業の短期集中予防サービスについて、認定こども園施設整備事業の予算について、結核の現況と梅毒患者数の増加について、がん先進医療支援事業、アルコール健康障害対策事業及び災害拠点病院等の強靱化事業の内容について、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類へ移行されることの影響やその対応について、感染管理認定看護師確保支援事業の内容について、国民健康保険の保険料負担の軽減について、病床機能の分化・連携のための体制整備事業の内容についてであります。

 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 経済警察委員会委員長北山慎一君。

  〔北山慎一君、登壇〕(拍手)

○経済警察委員会委員長(北山慎一君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。

 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案3件であります。また、令和5年度当初予算関係議案のうち、当委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。

 委員会は、3月2日、第3委員会室において開催し、まず商工観光労働部・労働委員会、次に公安委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第54号、議案第55号及び議案第60号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 また、調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。

 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、商工観光労働部・労働委員会関係では、企業立地促進対策助成の内容と実績、県内企業からの要望等について、産業を支える人づくりプロジェクトの効果について、わかやまリフレッシュプランSワイド2nd終了後の観光需要喚起策について、再就職支援事業の取組状況について、公安委員会関係では、特殊詐欺対策として、防犯機能付電話機の普及状況や金融機関との連携等について、令和5年度サイバーパトロールのAI化事業によるシステム導入効果について、交通違反反則金未納者への対応について、サイバー犯罪の種類、検挙状況及び犯人の県内・県外在住の状況について、令和5年度当初予算が前年度より減額となった理由についてであります。

 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 農林水産委員会委員長鈴木德久君。

  〔鈴木德久君、登壇〕(拍手)

○農林水産委員会委員長(鈴木德久君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。

 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案1件であります。また、令和5年度当初予算関係議案のうち、当委員会所管分について議長から調査依頼がありました。

 委員会は、3月2日、第4委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第57号については全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 また、調査依頼のありました予算関係議案については、適当である旨、議長に報告いたしました。

 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、攻めの農業実践支援事業から、強い経営体育成支援事業への変更点について、農業担い手対策事業の支援内容について、農業の担い手育成総合対策事業の事業内容について、エコ農業推進モデル事業の増額理由について、県産品の戦略的な販路開拓における重点取組について、おいしく食べて和歌山モールの運用について、藻場の育成に係る取組について、和歌山版遊休農地リフォーム加速化事業の予算について、タチウオの資源回復と現状についてであります。

 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 建設委員会委員長佐藤武治君。

  〔佐藤武治君、登壇〕(拍手)

○建設委員会委員長(佐藤武治君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。

 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案11件であります。また、令和5年度当初予算関係議案のうち、当委員会所管分について議長から調査依頼がありました。

 委員会は、3月2日、第5委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第48号、議案第49号、議案第57号、議案第61号、議案第63号、議案第64号、議案第69号、議案第70号及び議案第73号から議案第75号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 また、調査依頼のありました予算関係議案については、適当である旨、議長に報告いたしました。

 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、国道168号(仮称1号トンネル)道路改築工事に係る工事請負変更契約について、残土処分の基準について、職員のドローン操縦に係るライセンスの取得について、ドローンによる施設点検の自動化・迅速化について、航空測量データを活用した河川管理の高度化について、雑賀崎緑地にあるスケートボード場の看板について、都市公園内にある運動施設の管理について、予算説明書の科目の表記方法について、廃道敷地、廃川敷地の処理及びその管理について、大川峠自転車道の完成時期について、和歌山市田ノ浦の崖崩れの対応について、空き家対策関連事業について、クルーズ客船寄港促進事業の増額理由について、通学路の安全点検の担当窓口及びこれまでの経過と今年度の方針について、海南金屋線の延伸について、工事請負契約の審議について、工事完成時の評価の点数についてであります。

 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 文教委員会委員長多田純一君。

  〔多田純一君、登壇〕(拍手)

○文教委員会委員長(多田純一君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。

 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案5件であります。また、令和5年度当初予算関係議案のうち、当委員会所管分について議長から調査依頼がありました。

 委員会は、3月2日、第6委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第50号から議案第53号まで及び議案第62号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 また、調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。

 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、第4期和歌山県教育振興基本計画について、金融教育の取組について、教職員のメンタルヘルスに関わる相談体制について、教員等の体罰防止について、化学物質過敏症の対応について、統合を行う南紀はまゆう支援学校について、令和5年度の事務局組織改正について、令和5年度予算における新型コロナウイルス感染症対策について、教員の長時間労働について、県立高等学校入学者選抜における特色化選抜について、情操教育について、部活動担当教員の負担軽減について、特別支援学校の児童生徒数の増加要因について、全国学力・学習状況調査への参加状況について、教職員の人材確保についてであります。

 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 総務委員会委員長山家敏宏君。

  〔山家敏宏君、登壇〕(拍手)

○総務委員会委員長(山家敏宏君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。

 当委員会に付託された案件は、議案付託表に記載のとおり、議案16件であります。また、令和5年度当初予算関係議案のうち、当委員会所管分について議長から調査依頼がありました。

 委員会は、3月2日に第1委員会室において開催し、会計局、人事委員会、監査委員、選挙管理委員会、議会事務局、知事室、企画部、総務部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第34号から議案第40号まで、議案第56号、議案第57号、議案第59号、議案第65号から議案第68号まで、議案第71号及び議案第72号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 また、調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。

 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、会計局関係では、インボイス制度への県の対応について、外部委託している庶務業務の内容について、知事室関係では、和歌山未来創造プラットフォーム(仮称)の人数、年間実施件数及び議論内容の広報について、企画部関係では、人口減少対策について、県勢活性化企画調整事業の内容について、移住者数の目標について、地域公共交通のアドバイザー派遣に関わる事業成果等について、大滝ダム維持管理負担について、ガリシア州との姉妹道提携25周年記念事業に関わる共同プロモーション場所及び事業内容について、県地域公共交通計画の策定について、和歌山電鐵貴志川線の支援について、JR西日本紀勢本線の新宮-白浜区間に関する協議について、学校法人南陵学園に対する措置命令後の状況等について、総務部関係では、特定分野戦術パートナー募集制度の概要及び具体的業務内容について、ドローンを活用した防災・減災対策について、災害対応力強化事業の内容について、ネーミングライツの進捗状況及び各施設所管課の動きについて、市町村間の事業水準の差異についてであります。

 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 予算特別委員会委員長森 礼子さん。

  〔森 礼子君、登壇〕(拍手)

○予算特別委員会委員長(森 礼子君) 予算特別委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。

 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案17件であります。

 委員会は、2月28日に予算・決算特別委員会室において総括質疑を行い、質疑終了後、直ちに議長を通じ各常任委員会に対し部局別質疑・調査を依頼しました。その調査結果の報告を受けて、3月6日に予算・決算特別委員会室において委員会を開催し、慎重に審査いたしました結果、付託を受けました議案第1号、議案第3号、議案第7号、議案第8号及び議案第16号は賛成多数をもって、議案第2号、議案第4号から議案第6号まで、議案第9号から議案第15号まで及び議案第17号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、総括質疑での付託議案に係る各委員の主な質疑項目を申し上げますと、予算調整作業を終えての知事の感想について、西川の河川整備について、道路照明に係る電気料金の返還について、鹿の捕獲強化について、緊急浚渫推進事業債の活用について、印南川の河川整備計画について、行政改革の実施状況を県民に周知することについて、広報誌「和 -nagomi-」の予算、印刷部数、配布先、件数及び事業効果について、公用車の管理について、押印廃止の状況について、歳計現金の不足による一時借入れの状況について、本県への大学農学系の学部の創設あるいは誘致実現について、本県における企業誘致について、児童相談所職員の研修について、指導教育担当児童福祉司の配置について、里親委託の状況について、欧米豪圏からのインバウンド推進について、足こぎ車椅子「COGY」の普及について、(仮称)DREAM Wind和歌山有田川・日高川風力発電事業について、(仮称)和歌山印南日高川風力発電事業について、脱炭素社会実現に向けて増加する風力発電開発に対する知事の見解について、県営射撃場について、日高川水系河川整備計画の進捗状況について、県道御坊美山線の現状と令和5年度の計画について、県の空き家バンク運営について、空き家対策の促進について、介護人材の確保を図るための県の取組について、介護人材の報酬アップについて、介護報酬の地域格差についてであります。

 以上をもちまして、予算特別委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 以上で、常任委員会委員長及び予算特別委員会委員長の報告が終わりました。

 これより委員長報告に対する質疑に入ります。

 質疑はありませんか。

  〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎要二君) 質疑なしと認めます。

 次に、討論に入ります。

 まず、杉山俊雄君から反対討論の通告がありますので、許可いたします。

 38番杉山俊雄君。

  〔杉山俊雄君、登壇〕(拍手)

○杉山俊雄君 日本共産党県議団を代表して、議案第1号、第3号、第7号、第8号及び第16号並びに議請第8号、第9号及び第10号の不採択に対する反対討論を行います。

 議案第1号令和5年度和歌山県一般会計予算は、前年度よりも94億円増の6138億円で過去最大です。歳入では、県税収入で25億円、地方消費税清算金で44億円、基金繰入金で75億円、貸付金などの諸収入で70億円が主な増額です。減額では、国庫支出金68億円のうち新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金で64億円、その他は臨時財政対策債で50億円、県債で10億円などが減っています。

 歳出では、コロナ感染症対策で病院などを支援する補助費で33億円の減額、PCR等検査で12億円の減額となっています。第8波では感染者数が急増する中、自主的に登録する方式が取られたため、感染状況の全体像が把握できていたとは思われません。高齢者施設などでは感染者が入院できず、施設で療養を余儀なくされる事態が起きました。また、救急搬送困難の事例も増えました。検査体制、外来・入院体制を削減するのではなく、強化することこそ必要です。

 再編の名で病床を削減する地域医療構想を進めるための予算が2022年度の6億6000万円から23年度は7億7400万円に増額されています。コロナ禍でこれだけ入院医療体制が逼迫したにもかかわらず、病床削減をさらに推し進めようとしています。1万2540床あった病床が既に約1000床減らされました。即刻中止するよう求めます。

 中小企業支援では、コロナ禍における飲食・宿泊・サービス業等支援金が昨年に打ち切られたままです。私どもの周辺では、中小零細事業者の経営が回復したとはとても言えない状況が続いています。支援金を再開することを求めます。

 子育て支援では、岸本知事が選挙公約に掲げた医療費無料化の拡大と、学校給食の無償化が見送られました。恒久的財源の確保が必要ということですが、段階的にでも進めていくよう求めます。

 農業分野では、国内食料自給率を上げるための取組が求められますが、そのための予算が必要です。

 関西国際空港建設の土取り跡地であるコスモパーク加太では、莫大な借金を抱えました。県土地開発公社の借金返済のための財源を2023年度も4億7700万円計上しています。近い将来には231億円の債務保証が待っています。見通しの甘い大型開発失敗の後処理を県民に負わせることは許されません。

 下津港湾和歌山北港区において、関西電力LNG発電所計画が行き詰まる中、南防波堤建設だけが進められています。既に県は39億円を負担し、2023年度も850万円が計上されています。かなりの減額ではありますが、進められていることに変わりはありません。無駄な大型工事であるとともに、発電所ができたとしてもLNGは化石燃料であり、気候危機の打開に逆行するものと指摘しておきます。

 教育では、全国学力テストをやめるべきという声が保護者や教員からたくさん寄せられてきた中で、県独自のテストを継続し、2022年度から中学校においては2回実施されるようになりました。日本の教育は、国連子どもの権利委員会から、過度に競争的でストレスが多いと指摘されています。2007年に全国学力テストが導入され、第2次安倍政権の2012年以降、いじめや不登校、自殺が急増しています。子供を苦しめ、学校からゆとりを奪う学力テストはもうやめませんか。平均点競争で真の学力は身につきません。

 定数内講師を5年間で半減し、正規教員に置き換える計画は投げ出されました。教員の長時間労働を是正するためにも、少人数学級を進めていくためにも、正規教員を増やしていくよう求めます。

 以上が一般会計予算に対する反対理由です。

 次に、その他の議案について申し上げます。

 議案第3号は、中小企業振興資金特別会計です。ゆがんだ同和行政の下で行われた中小企業高度化資金貸付けでは、ずさんな融資審査と債権管理により、57億8000万円が償還されていません。粘り強い努力で回収の成果が出ていることは十分承知していますが、これまで10件、45億円もの債権を放棄してきたことを合わせると、県民の理解は得られません。

 議案第7号は、国民健康保険特別会計です。高過ぎる国保料・税は、限界を超えています。統一保険料にしていくことが示されてから、一般会計からの繰入れをやめざるを得なくなった市町村では、保険料の値上げが相次いでいます。新年度でも半数近い市町村で値上げが予定されています。保険料・税を無理に統一するのではなく、減らされてきた国庫負担の増額で住民負担軽減を求める立場から、国保特別会計には反対します。

 議案第8号は、県営競輪事業特別会計です。2023年度は、大阪・関西万博協賛競輪が開催されることなどから、93億円以上もの増額となっています。県が公営ギャンブルを運営することには反対です。

 議案第16号は、土地造成事業会計です。呼び込み型開発失敗の反省なしに、県民の税金から毎年損失補塡することには賛成できません。

 次に、議請第8号は、物価高騰に見合う年金額引き上げを求める請願書、議請第9号は、加齢性難聴者の補聴器購入に対する医療保険適用を求める請願書、第10号は、和歌山県として、加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度創設を求める請願書です。いずれも必要な内容ですので、採択を求めるものであります。

 以上で、反対討論を終わります。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 次に、濱口太史君から賛成討論の通告がありますので、許可いたします。

 14番濱口太史君。

  〔濱口太史君、登壇〕(拍手)

○濱口太史君 議長のお許しをいただきましたので、今議会に提案されている令和5年度当初予算関係議案及び諸議案に対し、賛意を示す自由民主党県議団、改新クラブ、公明党県議団を代表して、賛成の立場から討論させていただきます。

 まず、令和5年度当初予算案についてであります。

 先日、岸本知事は、物価高騰や金利上昇といった、足元の社会経済情勢の変化を踏まえて、今後10年間の財政収支について推計を行い、将来の県の財政状況を見据えて財政危機警報を発出しました。今後は、さらに増加することが見込まれる社会保障関係経費や公債費を賄いながら、同時に、県内の課題解決のための新たな財政需要にも機動的に対応する必要があります。

 このような中、岸本新知事になって最初の予算を「財政見直し元年予算」と銘打って、新たに設立した公債費臨時対策基金の活用とともに、今後、事業の見直しや予算の賢いやりくりを徹底することにより、持続可能な財政構造への転換に向けて積極的に取り組まれようとする姿勢は評価できるものと考えます。

 具体的な施策としましては、五つの柱に重点を置き、編成されております。

 まず、産業の振興として、紀州材の生産性向上のため、林業事業者がエネルギー効率や生産性向上に優れた省力化設備を導入する際の支援、2025年に開催される大阪・関西万博を見据えた観光誘客などの施策。

 次に、子供を育む環境づくりとして、妊娠から子育てまでの伴走型相談支援と経済的支援の一体的な実施、子供食堂への支援、宇宙教育など専門性を伸ばすための教育の充実、いじめ、不登校の解消などの施策。

 次に、脱炭素社会の実現に向けた取組として、県内企業の脱炭素化に向けた取組の支援、県有施設への太陽光発電設備の導入などの施策。

 次に、活力あふれる地域づくりとして、道路ネットワーク、港湾、空港の整備、移住定住促進、にぎわいのある空間を創出しようとする市町村への支援などの施策。

 最後に、安全・安心に暮らせる社会づくりとして、新型ドローンを活用した防災・減災対策、新型コロナウイルス感染症対策、地域医療枠の医師の県内定着促進、介護人材の確保に向けた介護未経験者の就労促進などの施策が盛り込まれています。

 このように、令和5年度当初予算案は、現下の政策課題に対応しており、県行政を推進していくために必要な内容であります。

 また、その他の諸議案については、和歌山県暴力団排除条例の一部を改正する条例や、幼保連携型認定こども園以外の認定こども園について、通園を目的とした自動車にブザー等を備え、降車時の子供の所在の確認を行うことなどを認定要件に追加する条例など、いずれの議案も時宜にかなった適切なものであります。

 なお、今定例会冒頭、知事から「丁々発止議論して」との発言もありましたが、まさに議論をしっかりとする定例会であったと思います。県行政の動向は、市町村や民間企業、県民の皆さんに様々な影響を与えるものであり、丁寧かつ誠実な対応が求められると思います。今後も、そうしたことを念頭に、しっかりと議論が行われることを期待して、本議案には賛成いたします。

 我々自由民主党県議団をはじめ、賛意を示す各会派といたしましては、以上申し上げた認識の下、今議会に提案されている令和5年度当初予算関係議案並びに諸議案について、原案のとおり成立することを期するものであることを申し上げ、賛成の討論とさせていただきます。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 以上で、討論を終結いたします。

 これより採決に入ります。

 まず、議案第1号、議案第3号、議案第7号、議案第8号及び議案第16号を一括して採決いたします。

 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。

 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。

  〔賛成者起立〕

○議長(尾崎要二君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。

 次に、議案第2号、議案第4号から議案第6号まで、議案第9号から議案第15号まで、議案第17号、議案第34号から議案第40号まで、議案第43号から議案第46号まで、議案第48号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第75号までを一括して採決いたします。

 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。

 本案をいずれも委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。

  〔賛成者起立〕

○議長(尾崎要二君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。

 次に、議請第9号を採決いたします。

 本請願に対する委員長報告は、不採択であります。

 本請願を委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。

  〔賛成者起立〕

○議長(尾崎要二君) 起立多数であります。よって、本件は委員長報告のとおり決定いたしました。

 次に、議請第10号を採決いたします。

 本請願に対する委員長報告は、不採択であります。

 本請願を委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。

  〔賛成者起立〕

○議長(尾崎要二君) 起立多数であります。よって、本件は委員長報告のとおり決定いたしました。

 次に、議請第8号を採決いたします。

 本請願に対する委員長報告は、不採択であります。

 本請願を委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。

  〔賛成者起立〕

○議長(尾崎要二君) 起立多数であります。よって、本件は委員長報告のとおり決定いたしました。

 次に日程第3、和議第92号「『人権侵害の救済に関する法律』の早期制定を求める意見書(案)」、和議第93号「アスベスト被害を抑える対策の強化を求める意見書(案)」、和議第94号「新型コロナウイルス感染症の後遺症の方々の日常を守る取組の強化を求める意見書(案)」、和議第95号「地域のグリーントランスフォーメーション(GX)の促進を求める意見書(案)」、和議第96号「認知症の人も家族も安心な社会の構築を求める意見書(案)」を一括して議題といたします。

 案文は、お手元に配付しております。

 お諮りいたします。本案については、いずれも提出者の説明等を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎要二君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。

 これより採決に入ります。

 まず、和議第92号を採決いたします。

 お諮りいたします。本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。

  〔賛成者起立〕

○議長(尾崎要二君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。

 次に、和議第93号から和議第96号までを一括して採決いたします。

 本案をいずれも原案のとおり決することに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎要二君) 御異議なしと認めます。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。

 次に日程第4、常任委員会及び議会運営委員会の閉会中継続審査の件を議題といたします。

 お諮りいたします。お手元に配付のとおり、それぞれの閉会中の継続審査として付議することに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎要二君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。

 次に日程第5、特別委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。

 お諮りいたします。防災・国土強靱化対策特別委員会、人権・少子高齢化問題等対策特別委員会、行政改革・基本計画等に関する特別委員会、半島振興・地方創生対策特別委員会、予算特別委員会及びIR対策特別委員会に付議されたそれぞれの問題について、さらに閉会中の継続審査とすることに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎要二君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。

 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議は全て終了いたしました。

 この際、知事から発言を求められておりますので、許可いたします。

 知事岸本周平君。

  〔岸本周平君、登壇〕

○知事(岸本周平君) お礼の言葉。令和5年2月議会の閉会に当たり、一言御挨拶申し上げます。

 議員の皆様には、平成31年から4年間の任期における最終の議会が終わろうとしています。これまで、県勢の発展、県民生活の向上のために各般にわたり御尽力を賜り、誠にありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。

 今議会におきましては、令和5年度当初予算案をはじめ多数の重要議案について御審議の上、御賛同を賜りました。今後とも、現状に満足することなく、新たな分野の事業にも挑み続け、和歌山県がさらに飛躍するために、職員一丸となって誠心誠意、謙虚な姿勢で全力を尽くしてまいる所存であります。

 来る4月9日には、統一地方選挙が行われます。県議会議員選挙に立候補される議員の皆様におかれましては、どうか見事当選を果たされますことを心よりお祈り申し上げます。

 また、今議会を最後に勇退される議員の皆様には、ふるさと和歌山県の発展のため、ひたすら情熱を傾けてこられたこれまでの歩みに深く敬意を表し、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。県議会から離れられましても、健康に御留意いただき、今後とも新しいお立場から御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、皆様のますますの御活躍と御健勝を心からお祈り申し上げ、お礼の言葉といたします。どうもありがとうございました。

○議長(尾崎要二君) 閉会に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

 顧みますと、私ども議員は、平成31年の春、厳粛なる県民の皆様の負託を受け、地域住民の代表としてこの議場に挑み、はや4年となります。過ぎ来し方を思いますと、誠に感慨深いものがございます。

 第19期任期と同時に、平成から令和へと新しい時代が幕を開けました。東京オリンピック・パラリンピックやワールドマスターズゲームズ2021関西を控え、景気の回復が期待されましたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延により生活が一変し、また、ロシアによるウクライナ侵攻や急激な円安、物価の高騰など、まさに激動の4年間でございました。

 一方、この間、本県では、ねんりんピック紀の国わかやま2019や、紀の国わかやま文化祭2021・紀の国わかやま総文2021の開催、有田-印南間の近畿自動車道紀勢線の4車線化、都市計画道路西脇山口線や南港山東線の全線完成、日本初の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」の完成、農林業分野では、「聖地高野山と有田川上流域を結ぶ持続的農林業システム」並びに「みかん栽培の礎を築いた有田みかんシステム」の日本農業遺産認定がありました。また、この有田みかんと、先に認定された下津蔵出しみかんは「有田・下津地域の石積み階段園みかんシステム」として、世界農業遺産への認定申請が承認されました。

 このような喜ばしい出来事のほか、昨年は何よりも知事の交代がありました。県政のバトンも、長年御苦労いただいた仁坂知事から岸本知事へと渡され、岸本知事の今後のかじ取りが期待されているところであります。

 また、本県では、本年、令和5年から令和7年までの期間、ダイヤモンドイヤーとして、弘法大師生誕1250年の各種行事に始まり、来年、令和6年は「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録20周年の節目を迎え、令和7年には、大阪・関西万博が開催されるなど、大きなイベントが予定されています。新型コロナウイルス感染症も5類への移行が予定され、ようやく長いトンネルを抜け、明るい光が見えてきたように思います。

 さて、このような状況の中、いよいよ議員の改選期が迫ってまいりました。今期をもって勇退される議員各位には、今日までの輝かしい御功績をたたえ、これまで賜りました御交誼に深く感謝を申し上げますとともに、今後の御健勝と御活躍をお祈り申し上げます。

 また、既に立候補を決意され、必勝を期しておられる議員各位には、どうか御健闘の上、見事御当選の栄冠を勝ち取られ、再びこの議場で相まみえることを心からお祈り申し上げます。

 最後になりましたが、この4年間、私どもの議会活動に御理解と御協力を賜りましたことに対し、県民の皆様、並びに知事はじめ当局の皆様に、議員を代表して厚く御礼を申し上げます。

 そして、議会運営に当たり、今日まで、岩田副議長をはじめ議員各位、関係各位の御協力を賜り、議長の職責を果たさせていただきましたことに、心から御礼申し上げます。閉会に際しての御挨拶といたします。

 これをもって、令和5年2月定例会を閉会いたします。(拍手)

  午後2時26分閉会

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