令和4年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


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令和4年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号

議事日程 第5号

 令和4年12月9日(金曜日)

 午前10時開議

 第1 議案第136号から議案第164号まで(質疑)

 第2 一般質問

 第3 議案の付託

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会議に付した事件

 第1 議案第136号から議案第164号まで(質疑)

 第2 一般質問

 第3 議案の付託

 第4 休会決定の件

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出席議員(41人)

 1番 鈴木德久

 2番 山家敏宏

 3番 中本浩精

 4番 堀 龍雄

 5番 藤山将材

 7番 井出益弘

 8番 宇治田栄蔵

 9番 北山慎一

 10番 玄素彰人

 11番 中西峰雄

 12番 秋月史成

 13番 森 礼子

 14番 濱口太史

 15番 尾崎要二

 16番 冨安民浩

 17番 川畑哲哉

 18番 玉木久登

 19番 鈴木太雄

 20番 岩田弘彦

 21番 吉井和視

 22番 谷 洋一

 23番 佐藤武治

 24番 岩井弘次

 25番 中 拓哉

 26番 多田純一

 27番 新島 雄

 28番 山下直也

 29番 中西 徹

 30番 谷口和樹

 31番 藤本眞利子

 32番 浦口高典

 33番 山田正彦

 34番 坂本 登

 35番 林 隆一

 36番 楠本文郎

 37番 高田由一

 38番 杉山俊雄

 39番 片桐章浩

 40番 奥村規子

 41番 尾﨑太郎

 42番 長坂隆司

欠席議員(なし)

〔備考〕

 6番 欠員

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説明のため出席した者

 知事         仁坂吉伸

 副知事        下 宏

 理事         田嶋久嗣

 知事室長       赤坂武彦

 危機管理監      福田充宏

 総務部長       吉村 顕

 企画部長       長尾尚佳

 環境生活部長     生駒 享

 福祉保健部長     志場紀之

 商工観光労働部長   寺本雅哉

 農林水産部長     山本佳之

 県土整備部長     福本仁志

 会計管理者      中家秀起

 教育長        宮﨑 泉

 公安委員会委員長   竹田純久

 警察本部長      山﨑洋平

 人事委員会委員長   平田健正

 代表監査委員     森田康友

 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫

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職務のため出席した事務局職員

 事務局長       出津野孝昭

 次長(秘書広報室長事務取扱)

            浜野幸男

 議事課長       長田和直

 議事課副課長     岩井紀生

 議事課課長補佐兼議事班長

            村嶋陽一

 議事課主任      伊賀顕正

 議事課主任      菅野清久

 議事課副主査     林 貞男

 総務課長       葛城泰洋

 政策調査課長     神川充夫

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  午前10時0分開議

○議長(尾崎要二君) これより本日の会議を開きます。

 日程第1、議案第136号から議案第164号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。

 39番片桐章浩君。

  〔片桐章浩君、登壇〕(拍手)

○片桐章浩君 おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきたいと思います。

 本日の項目は、大項目一つ、県政16年を振り返ってということで、2問お尋ねさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。

 平成19年4月、僕が初当選したときに、既に知事は仁坂知事でした。そのため、仁坂知事以前の県政のことは詳しくは分かりませんが、この16年、和歌山県政は着実に前進、進展してきたのではないかと感じています。

 知事は、今年10月下旬に受けたインタビューで、「思い残すことはありませんね。思いついたことは全部やった」と話した上、「他策なかりしを信ぜんと欲す」と締めくくったとお聞きしました。これは、自分がやった政策がその時々の最善の策だった、他人が何を言おうと自分が最終決断者として判断したことだから、ほかに悔いはないと、そういう意味だというふうに個人的には思っておりますが、全てやり切ったということはすばらしいことだと思います。

 参考までに、この引用した知事の言葉というのが、知事が就任以来、尊敬していると話している陸奥宗光元外務大臣の言葉であり、「蹇蹇録」の多分三国干渉に関わるところの感想を書いた言葉だったというふうに思ってございます。知事にすれば未練も後悔もない、そういう県政を進めてきたのではないかと思っております。

 そこで、仁坂知事と議論を交わした質疑はどんなんがあったかなあと思い返して、初当選のときから16年を振り返ってみながら、知事への一般質問をさせていただきます。

 平成19年6月から令和4年6月、今年6月までの間、知事と交わした全質問、これは45回あったんですけども、これを読み返してみますと、質疑を重ねてきた結果が積み重なってきて県政が前進してきた、その一陣でいられてよかったかなあというふうに率直に思ってございます。毎回真摯にお答えいただき、政策実現のために行動してくれた仁坂知事に感謝するばかりであります。

 さて、この16年を個人的、自分の一般質問を中心に振り返させていただきますので、県政全体ではございませんが、少しお聞きいただけたらと思います。

 初登壇、平成19年6月でございます。

 このときのテーマは、観光医療立県和歌山を目指すことについてということで取り上げまして、観光医療立県を和歌山県は目指すべきだというふうに提言をさせてもらっております。

 これに対して知事の答弁は、新たな観光の形態として医療観光の分野は期待できるものであり、御指摘のように、県立医科大学が全国に先駆けて開設した観光医学講座の取組なども、その実現への一歩と受けとめているところであります、本県観光のメニューに観光医療が加わればさらなる観光の振興につながると考えるので、関心を持って育てていきたい、このように答えてくれました。

 次に、平成22年12月議会であります。

 このときのテーマは、県教育委員会と宇宙航空研究開発機構宇宙教育センターによる宇宙教育に関する協定の締結についての質問をさせてもらっております。

 このときの答弁は教育長だったわけですけども、このときの内容はJAXAですね、先ほどの宇宙航空研究開発機構宇宙教育センター、これ、JAXAの教育機関なんですが、「JAXAとの連携が始まり、宇宙に関する研修や講演会等を積極的に進めてまいりました。こうした中、JAXAの持つ教育力を生かし、本県の教育を一層充実させることを目的として協定を結ぶに至った次第でございます。この協定により、今後さまざまな事業を通して、理数系教科のみならず、環境教育や外国語教育等、学習活動の充実を図り、児童生徒の学習への興味、関心、意欲を高めるとともに、宇宙への夢をきっかけとして子供たちに広く科学への関心を持たせたい」、具体的には、このとき始めてくれました「教師のためのスペース・プログラムへの教員派遣、JAXA筑波宇宙センター職員と連携した授業実践等が実施できる見通しでありまして、今後JAXAとの協定が市町村にも広がり、宇宙教育プログラムの活用が進むことを期待しております」、このように答えてもらっております。

 この件については令和元年12月議会でも引き続いて取り上げまして、このときは元JAXA理事、故人となられました上野精一さんと築いてきた宇宙教育についてただしたところ、知事は、「上野精一さんの御研修とか地元の方々の大変な協力とか、それによって培われてきた宇宙教育を、さらにもう一つの要素、強力な要素がここに加わるわけでございますので」、この強力な要素というのは串本のロケットという意味だと思いますが、「子供たちにどんどんどんどんいろんな情報を与えてもらうということも工夫をしていけば、和歌山全体が、海もあり宇宙もあるというような、他にない教育環境ができ上がってくるんじゃないかというふうに思います」と答弁をいただいております。

 その後、宇宙教育が深化していった──これは深く化けていくという意味ですけれども、深化していった──のではないかなというふうに思いますし、知事の実行力によって、また多くの人々が情熱を持って関わっていただいたことによって、あの頃の未来であった今日まで、具体的な形に宇宙教育が進展しているのではないかというふうに思っております。

 平成30年2月議会、スケートボード練習場の整備について取り上げて、知事と質疑を交わしました。

 このとき、2020年の東京オリンピックまでにスケートボード場を設置することを提言したものですが、当時は今ほどスケートボードへの理解が乏しかった時代だったと認識しております。

 しかし、知事は、スケートボードは東京オリンピックの正式種目になったことによりますます関心が高まっており、今後、楽しむ人も増えると思われます、スポーツということのみならず、新しい若者文化の振興にもつながるものと確信しています、そのような中、スケートボードを練習できる場所の確保は、県民のスポーツの振興とか、にぎわいの創出という観点から非常に有意義であると考えておりますと理解を示してくれた上で、結論として、県庁として、こういう新しい風には積極的に関与していきたいと思っていますと答弁をいただきました。

 その後、和歌山市内の県有地にスケートボード練習場を設置していただき、現在、僕も時々訪れますが、子供たちを中心に練習している光景が日常の光景として定着しているように思います。

 平成30年6月、和歌山県の明治150年に関する取組について質疑も交わしております。

 ここでは、「明治の日本外交」展を開催した外交史料館との連携展示を開催することを要望したところ、「和歌山県においても、外交史料に含まれる陸奥宗光の関連資料を紹介し、陸奥が明治期に果たした役割を県民に知っていただくことは大変重要だと考えております。今後、外務省外交史料館と協議を行い、来年度以降の開催を検討してまいります」と答えていただき、そのお答えどおり、翌年、和歌山県として、明治150年記念事業として、「外交史料と近代日本のあゆみ」展を開催していただきました。これは、明治政府の最重要課題であった不平等条約を改正した、知事が尊敬する陸奥宗光伯の足跡が実感できるすばらしい企画展となり、ふるさとの歴史と偉人に対する尊敬と誇りを感じることができるものでした。

 これは、中学生とか小学生にも呼びかけていただいて、多くの生徒に見学していただいたものと記憶しております。

 この精神は現在も引き継がれ、今年5月13日から令和5年、来年の6月14日まで、県立文書館では、「外交史料と近代日本のあゆみ」のパネル展示展を開催しているところであります。

 先日、僕も見に行きましたけども、外交史料と近代日本の歩みの精神を生かして条約改正を目指して、そして最初の対等条約として日墨修好通商条約調印書の批准書、この写しが展示されておりました。

 令和元年9月の知事の答弁が未来志向で、すばらしいので、ここで引用させていただきます。「今回開催する外交史料展は、まさにその郷土の大先輩である陸奥宗光が活躍した、日本外交史の中でもとても重要な時期の史料に触れられる機会なので、よく勉強してほしいというふうに思います。陸奥宗光は、明治政府が抱える多分最大の課題であった治外法権の撤廃や関税自主権の確立を実現し、外務大臣として日清戦争を我が国の利益を守るために成功裏に遂行し、その後起きた三国干渉については、彼我の戦力や国力を考えて『これは今やれない』ということで受け入れた。そういう非常に論理的にもすばらしい外交をやっている人だと思います。数々の難局に立ち向かった陸奥の外交での活躍を知ってもらって、それらの業績をたたえ、外務省内に唯一銅像が建立されていることの意味を受けとめて、そのような人物が自身と同じ和歌山出身であるということを実際の史料の中で子供たちに体感してほしい」。子供たちの未来を導く言葉だと思います。知事がふるさとの偉人を敬う気持ちが込められた言葉でもあります。この精神が「外交史料と近代日本のあゆみ」展の継続、来年以降も続けていただけると聞いておりますが、つながっているものだと思います。

 同じく平成30年6月は、紀淡海峡ルートと四国新幹線の早期実現に向けた取組についての質疑を交わさせていただきました。

 「紀淡海峡ルート、四国新幹線は、和歌山県のみならず関西の発展、あるいは日本の将来の発展のかなめとなる重要なプロジェクトであるとともに、これができますと東京一極集中からの脱却にもなるし、双極型国土構造の構築とか、地方回廊の整備とか、あるいは国土強靱化とか、もう全部に役に立つ不可欠なプロジェクトだと私は思うわけでございます。そういうことで、ぜひとも実現しなきゃいけない」と、このとき力強く語ってくれました。

 そして、このとき、淡路島と四国との間の大鳴門橋が道路とともに新幹線仕様になっていることを知り、紀淡ルートの課題は山積しているものの、将来の実現性があるなあというふうに感じた次第であります。

 このとき、知事が関係府県の知事に働きかけていただきまして、関空・紀淡・四国高速交通インフラ期成協議会を立ち上げて活動してくれたのもこの時期からだと認識しております。

 令和2年9月、「わかやま記紀の旅」についての質疑を交わさせていただきました。

 歴史に彩られた和歌山県、特に神武東征の足跡が残る和歌山県で記紀を記すことは大事なことだと議論をしている中、「日本書紀編さん1300年に合わせて発刊しているセンスがすばらしい」と知事にお伝えをさせていただいたところ、知事は、「『古事記』や『日本書紀』の中では、建国神話や神武東征などが語られ、御指摘のように、和歌山県内にも登場する舞台が数多くございます」、「日本書紀編さん1300年を記念して、本県にある記紀にゆかりの場所がたくさんあることを県民をはじめ多くの方に知ってもらって、実際に県内を巡っていただきたいというふうに考えまして、『わかやま記紀の旅』というものを作成した」と、このように答えてもらっております。

 この「わかやま記紀の旅」では、神武東征について、後に神武天皇が都探しのため紀伊国において激戦を繰り広げ、さらに熊野から大和に向かい、様々な試練を乗り越え、初代天皇に即位するまでのストーリーが掲載されている冊子となっています。

 「これらの神話と本県の関わりを『わかやま記紀の旅』を通じて知っていただくことによりまして、例えば自然崇拝の地である熊野が神話の時代から特別な地域であったということが分かるとか、あるいはヤタガラスとか大きな熊などの様々な神秘的なものが出てきて、この地域が尋常でないような特別な魅力を持った地域だというふうなことが印象づけられる」、「今後も、まだまだ知られていない、地域で守り継がれている資産を掘り起こし、『わかやま記紀の旅』の充実を図りながら、その魅力を発信し、県民をはじめ多くの方々に県内を繰り返し巡っていただきたい」と答えてくれました。

 そして、早速、この記紀の旅では取り上げていなかった、いわゆる口碑である太刀ヶ谷神社もホームページに掲載してくれるなど、充実を図ってもらっているところでありますが、今後さらに充実してくれることを期待しているところでございます。

 参考までに、この「わかやま記紀の旅」は、関西広域連合議会で堺市議会議員の水ノ上議員が、泉南市議会では添田議員が、それぞれ議場にこの和歌山県が作ったパンフレットを持ち込み、和歌山県が歴史を大事にしている県であり、その歴史を生かした観光の取組はすばらしいと、それぞれの議会で取り上げてくれたこと、そして、その頃から、泉南地域から和歌山県を歴史と人でつなぐきっかけになったということを付け加えておきたいと思います。

 令和4年、今年に入った2月議会で、和歌山県の価値向上に向けた企業等への取組についての質疑を交わさせていただきました。

 知事からは、和歌山県の価値を向上させるためには、何といってもたくさん投資を和歌山県に持ってこなければいけません、和歌山なんかにお金を出すもんかと言っていた大銀行がしまったと後で思うような、そんなふうにしてやるぞと思って頑張っております、そのため、考えられる全ての領域で、あらゆる手段を講じ、取り組んでいかなければならないと思います、そして、新しい雇用を増やす方向の、すなわち競争力をつける投資を増やしていく取組、これに加えて、県内の所得を向上させるためには大企業からの富の分配が必要でありまして、取引条件を改善させることが重要であると思っている、今後も、成長を促す投資につながるような政策を進めるとともに、取引条件の改善に向けた取組を通じて成長と分配の好循環が生まれるよう、全力で取り組んでまいりたいと決意を述べてくれまして、現在につなぐこの難しい課題への対応というのをしっかり果たしてくれているのかなあというふうに感じているところであります。

 以上、一般質問で主な質疑を振り返ると、着実に具体的に和歌山県政が動いてきた、こういうふうに感じているところであります。

 そこで、知事に質問したいと思います。

 近年の医療観光の取組について、宇宙教育への思いについて、紀淡海峡ルートと四国新幹線について、和歌山県の価値を向上させることについて及び「わかやま記紀の旅」の発刊、外交史料と近代日本の歩みとふるさとの偉人の顕彰について、以上、これら県政の取組について、そしてこれからの和歌山県政に関わる知事の思いについてお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○議長(尾崎要二君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。

 知事仁坂吉伸君。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) たくさんの項目についていろいろ御質問をいただきましたので、ああ、そういうこともあったなあというようなことを改めて思い出しまして、私自身が感激をしております。

 お答え申し上げます前に、陸奥宗光の「他策なかりしを信ぜんと欲す」という「蹇蹇録」にある言葉を御引用なさいましたけれども、あれをもうちょっとだけ言わせていただきますと、実はこれ、「他策なかりし」と、それから「信ぜん」というのと、「欲す」というのと、3連発加わっているわけでございます。すなわち、ほかに策はなかったんだよというのと、なかったんだよと信じたいんだよというのと、それから、信じたいと思うんだよねというのが三つついておりまして、それで、これは陸奥宗光さんのような頭がとってもよくて、それで行動力もすばらしい人でも、いろいろやっぱり悩みながら、ほかに策はなかったかなあと思いながらやってきたんだなあというようなことをそこから思うわけでございまして、私なんかましてやでございますから、常に悩みながらいろんな仕事をしてまいりました。

 お答えを申し上げますと、まず、医療観光の件でございます。これにつきましては、海外の傾向とか、海外の人の医療に関する気持ちとか、そういうことを私はたまたま立場上、たくさん経験をしてまいりました。そこで言えることは、日本の医療に対する尊敬の気持ちというか、それが物すごいと。幾らお金を出しても日本で医療を受けたい、こういう人がいっぱいいるなあということでございましたので、これについては前向きに取り上げたいと思っていたわけでございます。

 ところが、意外と簡単ではございませんでして、すなわち保健医療の日本の立派な体制を壊してしまわないかというような懸念が医学界というか医療界にはあるわけでございます。これもごもっともでありまして、県民の医療がおろそかになってはいけない。私は、それはそうしないように、二つを分けてうまくやることは十分可能だと思ったから提案をしたわけですが、反対の気持ちも分かりますので、これは粘り強くやっていかないといけないなと思いまして、医療関係者、観光事業者、学識経験者などから成る医療観光協議会というのを令和元年でございましたが立ち上げまして、それで、いろいろ議論の上、まずは中国を対象としたウェルネスツーリズムのモニターツアーですね、実験でございます、これをやってみるかということを予定しておったんですが、ちょうどコロナになりまして、中断をしているということでございます。

 今後は、コロナの影響を見極めながらも、議論をしながら対応を検討していく必要があると考えております。

 2番目は、宇宙教育でございますが、これはやっぱり串本町に国内初の民間小型ロケット発射場の建設が決定したということで、大きく進展したと思います。

 ロケットの打ち上げに向けて機運を高めていこうと思いまして、串本町で決定以来、毎年、宇宙シンポジウムをかなり大きな規模で開催をしてまいりました。全国の人が見てくれています。そのシンポジウムに登壇いただきました東京大学の中須賀真一先生や、スペースワン株式会社に今行っておられるんですが元はJAXAの遠藤守最高顧問らと話をする中で、特に遠藤さんから、鹿児島県にはちょうどロケット発射場に近いところに物すごい学校を鹿児島県が造ったんだよというようなお話をお聞きしました。そこで、早速調査に行ってもらいましたところ、ちょっとそのものずばりだと違うなあと。これは要するにスーパー受験校を県立でつくったというような感じなんでございます。それならば、宇宙という優れた題材を用いて、全国にはない新たな高校教育を串本の地で、ほかならぬ串本の地で実現していこうというふうに考えたわけでございます。

 今年の7月に開催したシンポジウムにおいても、まだこの宇宙のコースを本格的に受験していただく方はもうちょっと後なんですけど、現在いる高校の生徒さんたちがもう既に受付や誘導、司会進行、発表など、どんどん協力してくれているわけでございまして、特に発表はすばらしくて、大変感激をいたしました。今後は、この高校を上手に滑り出させて育てていかないといけないというふうに思っております。

 あわせて、この高校に限らず、宇宙のことについて興味を持って、それで勉強しようという子供たちが和歌山でいっぱい出て、それで大学生になってもまだ一生懸命研究しているというような雰囲気をつくっていきたいなあというふうに思っておりまして、そのためには、スペースワンがあるわけですから、子供たちの教育ツアーをしたり、あるいは先ほど御指摘がありましたけども、JAXAとの協力協定を土台にして、JAXAの方とかスペースワンの方などに来ていただいて特別講演をいっぱいやるというようなことで、憧れが勉強の気力になるというような循環ができていけばいいなあというふうに思っております。

 次に、御指摘の順番からいいますと、外交資料と故郷の偉人の顕彰ということになるかと思いますが、この「外交史料と近代日本のあゆみ」展は、明治期の外交史料等の実物を目にするということで、改めて歴史の歩みと郷土の偉人の功績を再認識していただくことを意図して開催したものでございまして、和歌山県がこういう展覧会、特に陸奥宗光さんにフォーカスを当てていろいろ勉強しておられるということを聞いてくださったと思いますが、外務省がとても協力をしていただいたわけでございます。

 偉人の功績を知るということは郷土への愛着や誇りへとつながるものでありますので、本県にゆかりのある偉人について、今後も様々な機会を捉えて顕彰を行い、これら偉人たちの志を受け継いでいく中で、和歌山県勢がさらに発展していくということを願っております。

 また、和歌山のプレゼンスを高めるということで、この展覧会とは違いますが、ちょっとコロナで中断をしておりますけど、明治大学で物すごい規模の和歌山の偉人シリーズのシンポジウムをやっております。これなんかも、和歌山ここにありということを多くの人に知っていただくにはいいかなというふうに思っております。

 最近は二つの新しい動きがございまして、まずは我々全体がよく知らなきゃいけない、あるいは勉強しないといけないということを前提として、新しい動きでございますが、紀州学研究会を発足させようと言って、今、運動中であります。それをまたベースにして、東京大学との連携協定をこの間、結ばせていただきました。こういう場で、さらに知の部分、知の領域というのを深めて、それを県民の行動を通じて県勢が発展していくということになるといいなと思っている次第でございます。

 次は、紀淡海峡でございます。この構想は物すごくいい話なんでございますが、実は一旦死んでいました。ちょっと本四連絡橋のあの時代に乗り遅れたというのが原因でなかったかと思いますけども、平成19年にはとうとう調査を打ち切られまして断念ということになりました。

 ただ、ちょっとそのときの時代の背景は、これはあまり風呂敷を広げ過ぎると危ないなあと。紀伊半島一周の高速道路とか京奈和とか4車線化とか、すぐやらなきゃいけないのがたくさんありますから、あれもこれもと言い始めると、当時、「コンクリートから人へ」の民主党政権になった、そういう時代でございますから、これはちょっとまずいなというふうに思って自重しておったんでございますが、また再びインフラ投資が軌道に乗ってきて、国土強靱化の時代になってまいりましたので、これは、よし復活させてやるぞということで、従来にない要素も入れてプロジェクトを再構築しようとしました。すなわち、これが第二国土軸ということではあります。

 もう一つは、四国新幹線でございます。

 三つ目に、関空の機能強化にこの四国新幹線をつなげば、物すごく役に立つ。

 四つ目は、実は自動車で言えば、関西大環状道路とか大阪湾環状道路とか、そういう構想があるものの唯一と言ってもいいミッシングリンクがまさにここなんでございます。これが全部できたら関西もよくなるんでございますが、実は和歌山が中心に躍り出るんでございます。ということで頑張ろうと思ったんですが、昔うまくいかなかった理由の一つは、兵庫県との対立があるわけであります。紀淡を通るか明石海峡を通るか、それは決まっておりませんでしたので、もめごとをやっているうちに見捨てられてしまったというところがあります。そこで兵庫県知事を一生懸命説得いたしまして、それで明石海峡はもう放棄すると、紀淡で頑張ってくださいというふうに言ってくださったんで、ここで歴史的和解があったんですが、かなりちょっと遅れた和解であったかなというふうに思います。

 そこで、関係府県の知事に働きかけまして、関空・紀淡・四国高速交通インフラ期成協議会を立ち上げまして、国への提案要望やシンポジウムの開催など、機運醸成に取り組んでまいりました。シンポジウムなどは東京、大阪・堺、和歌山、徳島などで行いまして、だんだんと物すごく盛り上がりがあったと思います。

 政界や官界でも、これは無視できないなという感じは出てまいりましたんですが、一方、北陸新幹線を早く完成させなきゃいけないという観点から、有力政治家の方からは、やっぱり北陸新幹線を先にして、その後ということにいたしましょうという交通整理があったという状態でございます。

 ただ一方では、億単位の調査費がつきまして、新幹線の技術的問題を研究してくれることに国でなっているわけでございます。今後、新知事に大いに期待したいというふうに思っております。

 次は、「わかやま記紀の旅」でございます。これは令和2年に日本書紀編さん1300年を記念し、「日本書紀」や「古事記」につづられた建国神話、神武東征などにおいて、ゆかりのある舞台が県内にも数多くあることから、「わかやま歴史物語」という観光プロジェクトがあるんですが、この特別企画といたしまして、わかやま記紀の旅周遊スタンプラリーという商品を出しました。多くの方に参加していただいたところでございます。

 この分野は、まだまだ人気のあるテーマであります。今後もさらに継承して頑張っていくべきだと考えております。

 ここで、実は同じテーマのもう一つのプロジェクトで、奈良県、島根県が中心になって記紀シンポジウムと立派な研究について表彰するというプロジェクトをやってきたんですが、和歌山県もそれに飛び乗って一緒に参加してきました。島根県が若干消極的だそうなんで、これは今、荒井奈良県知事に、奈良県と和歌山県と、できれば三重県も入れて、紀伊半島だけでも絶対やりましょうよと言って、今ちょっとけしかけているところでございます。こういうソフトはぜひ大事にしながら、観光につなげていきたいと思っております。

 それから、ちょっと順番がぐちゃぐちゃになっておりますが、次は、和歌山県の価値を向上させることについてということでございます。これは投資を呼び込むことというふうにそのときに申し上げて、それについて主として申し上げたいと思います。

 何がいいというようなえり好みをしているようなものではございませんので、一生懸命努力をしてまいりました。その結果、これはうまくいったなと思いますが、政府の資金を使ってパナソニックエナジー株式会社が和歌山工場で新型車載電池を量産するということを決めてくれました。

 それから、バイオマス発電所もだんだんと、規模の大きいものも含めて立地してくれました。

 それから、ICT企業の誘致も、これはそんな巨大なものはないんですけども、有力な企業がどんどんとサテライトオフィスを開いてくれることになってきました。

 それから、ENEOSが製油機能を停止することを発表したのは大変な衝撃でございましたが、和歌山製油所を持続可能な航空燃料の製造に関する事業化調査の対象製油所に決定してくれました。これは将来性が物すごくある話なんで、大いに期待できると思います。

 IR誘致が実現できなかったことは、これは投資という点では残念でございましたが、新知事に大いに期待したいと思います。

 ここで重要なことは、ただ誘致で一生懸命営業する、それから奨励金を出す、あるいは直接的なインフラを造る、それだけではなくて、投資のためには、住まい、あるいは医療、教育、環境、福祉、みんな関係するわけであります、現在は。これを一生懸命やっていかないといけませんし、また、地域の政治風土、例えば、知事が汚職で捕まったとか、これはとても障害になります。それから、たかりが横行しているぞなんていうのも広がると、あっという間に企業が逃げてしまいますので、これはもう全員が心してやっていかないといけないと思います。

 企業誘致の取組に加えて、県内企業が今、事業拡張のために投資を結構やってくれるように今なっています。若い人もそうだし、それから従来の老舗の和歌山企業も結構いろいろ考えてくれて新しい事業に投資をする、あるいは事業を拡張する、そういうことをやるようになってくれていまして、これは非常にいいのじゃないかな。それから、農業でもスマート農業がこれからでございますし、観光においてはホテル誘致をいろいろやって少し成功しているのに加えて、前からのホテルも、少し前にございました耐震化の強化に併せて設備を新しくぴかぴかにしてくれたところもございまして、今後期待したいと思います。

 もう一つは、御指摘のありましたように、県民の所得を上げるためには大企業と県内下請企業との取引条件の適正化、これを熱心にやっていかないといけない。これはやっぱり相変わらず大問題であるし、また、円安とか資源高とか、そういう点で余計加速化しているところもございます。引き続き取り組んでいく必要があると思います。

 実は、これを推進して世の中をリードしてきたところは私の40年来の盟友でございます三村日商会頭と、知事会を代表して、そっちでは私ということになりましたが、それぞれ引退でございます。後は新知事や、あるいは新会頭に、あるいは総理はじめ全体のリーダーの方々に大いに期待したいと、そんなふうに思います。

○議長(尾崎要二君) 片桐章浩君。

  〔片桐章浩君、登壇〕

○片桐章浩君 お答えいただきまして、ありがとうございます。

 今日、議場には、卒業論文を執筆中の大学4年生であるとか、東京のプログラミングの技術者で和歌山に移住というか和歌山市に住んでくれた方とか、あるいは会社を休んで知事の答弁を聞きたいという方とか、いろんな方が来てくれておりまして、若い方が結構来てくださっているというふうに思います。今の知事の答弁をお聞きして、和歌山が発展している、課題はあるものの道筋は延ばしてくれているというふうなことを感じてもらえれば幸いかと思います。

 それでは、2点目の和歌山県のすばらしさについてということで話をさせていただきたいと思います。

 今朝、議場に来る前に、岡公園の周りをぐるっと一周回ってきまして、何でこれ岡公園に立ち寄ってきたかといいますと、先般、アメリカから和歌山に来てくれた方を岡公園に案内したんですね。そしたら、我々地元の人間にとったら、岡公園を見るといったら10分、20分で終わってしまうんですけども、2時間ぐらいかけて興味深く回ってくれたんです。例えば、池であるとか石碑であるとか、あるいは陸奥さんの銅像とか、いろいろ聞かれるわけなんですね。要約しますと、ここにこういう銅像がある、建造物・石碑がある、記念碑がある、池がある、これ造った人の思いがきっと込められているはずだと、全てのものには物語がある、なのに誰も気づかずに素通りしているというのはおかしいんじゃないかと、ここの公園だけでもこんなにたくさんの物語があるのに、造った人たちの思いというのを受け継いでいないから語れないんではないだろうかと、ここに和歌山のよさというのはまだまだあると思うので、しっかり物語を語ってほしい、こういう話をしてくれた次第であります。

 そこで、2人の方の和歌山に対する思いというのを紹介させていただきたい。

 1人が、現役プロレスラーのディラン・ジェイムスさんというレスラーの方です。

 10月のタイトルマッチで世界タイトルを獲得した人なんですが、このディランさんというレスラーはニュージーランド出身、世界を転戦して試合をしてきたんですけども、日本が気に入ったので活動の拠点を東京に移しておりました。東京で8年間、生活をしながらプロレスをしていた。その間、日本各地を転戦して回り、断トツですばらしいと思ったのが和歌山県。それなら和歌山県に住もうと思い、現在、和歌山市で生活をして4年が経過しているところであります。和歌山から──ちょうど今ニュージーランドへ戻っているんですけども──世界に試合へ行っている、こういうプロレスラーの方がいらっしゃいます。

 この方と何度かお会いして、和歌山の印象を談義しているんですけど、この話がすばらしいので、ぜひ紹介をさせていただきたいと思います。

 彼は、「和歌山県は最高です。日本中を回ったけれど、こんなすばらしい県はほかにありません。山と海、自然、おいしい魚と野菜などの食材があるのが和歌山県」。彼はこんな表現していました。「Mountain God,Sea God,Food God、和歌山の自然には全ての神が宿っています」。このことは、これまで和歌山県を訪れてくれたビジネスパーソンが同じようなことを言ってくれているので、なるほどなあと思うところがあります。

 彼は続けて言います。「あえて言うなら、新潟県もよいのですが、ヒストリーがある点で和歌山県にはかないません。和歌山県は、日本でナンバーワンの県です。ただ、和歌山県の人には自信がないように思われます」。「no spirits」、こういう表現をしておりました。「和歌山県には人生を楽しむ全てがありますから、もっと誇りと自信を持つべきです。good food,good energy,good lifeを受け取れるのは和歌山県だけです。だから、Wakayama go up」──という表現をしてくれましたが──「Go upだ、和歌山県。自然が豊か、食べ物がおいしい、ヒストリーがある、可能性がある、そしてアメージングな人生が過ごせる県はほかにはありません。和歌山県の人だけが、和歌山県がすばらしい県であり、将来の可能性を持っている県であることを知らないのです。そんなアメージングな県で暮らしているのに侍スピリッツを持たないなんて、とてももったいないと思います。Life is amazing、それを感じられる和歌山県で暮らしていることは、毎日、gift(贈物)をもらっているようなものです。なのに、和歌山県の方と話をすると、weak,weak,weak,weak,weak」──重ねていました──「weak,weak,weakと思っているばかりの生活をしているのではないですか。そんなことを思って、毎日はよくならないですよ。人生は今を楽しむことで、明日ではないのです。私たちは、誰もが明日この世にいないかもしれないのです。今、生きているのに、自分の人生を疑うことは、もったいないことです。それを分かっていないのではないでしょうか。どうして疑うのですか。疑っても、心も体も縛られて楽しいですか。今の時間、今いる人との時間を楽しむことが人生の全てです。私には日本語で好きな言葉があります。『偶然の出来事はない。全ての出来事には意味がある』。食べることを楽しむ。この人との会話を楽しむ。遭遇した出来事を楽しむ。明日ではなくて、今が人生なのです。全てがある和歌山県で生きられていることに感謝してください」、こんな話を聞かせてくれました。

 ディランさんが和歌山県の有する自然、歴史、神秘性、潜在能力に気づいていることに感動しますし、私たちはすばらしい和歌山県を語っていくことに自信を持てる考え方だと思います。

 もう1人、世界を駆け巡っている経営者の話です。

 この方は、何度も来県してくれているのですが、そのたびに、「和歌山県が持っている能力はすばらしい」と語ってくれています。「和歌山県は、世界が注目している県ですよ。和歌山県の価値に気づいていないのは、和歌山県の人だけかもしれません」と、会うたびに話をしてくれます。

 毎回のようにこの話を伝えてくれるのですが、持っている潜在能力を顕在能力として発揮できていないと、こういうことです。

 さらに続きます。「和歌山県の持つ観光資源はもちろんのこと、国際ビジネスの視点からも国内での立地条件は優れています。和歌山に対抗できるのは九州と東北の一部の地域くらいだと思いますよ。関西空港は和歌山県のためにあるようなものですし、南紀白浜空港の国際線は大きなチャンスで、アジアとのビジネスは和歌山県が玄関口となり、優位に立つことになります。さらに、世界につながる港湾がありますし、陸路でも首都圏とつながろうとしています。九州や東北よりも立地的には優位性があると思います。空路、海路、そして陸路で他県とつながることができる県は少ないと思いますし、これから世界とつながる可能性があるのは和歌山県だと思います。問題であり残念なことは、和歌山県が現状からの変化を好まない保守的な考え方を持っていることです」、こういう話を常に聞かされております。

 外国企業に対して僕自身が誇りと自信を持って「和歌山に来てください」と、今、交渉できている背景にあるのは、この言葉です。

 和歌山県のすごさを知れば和歌山県が日本で1番の県になる、取組次第で世界が注目する県になることは可能だと思いますし、それを目指していきたいと思います。

 そこで、和歌山県のすばらしさについて質問を行います。

 外国人のこのレスラーの方、そして多くの国際的なビジネスパーソンが和歌山県のすごさを伝えてくれています。僕もこの指摘のとおりだと思っていますが、和歌山県に足りないのはふるさとへの誇りと自信だと思います。和歌山県は、将来の発展の可能性がある、世界に誇れるすばらしい県だと思いますが、仁坂知事が思う和歌山県のすばらしさについてお聞かせをいただきたいと思います。

○議長(尾崎要二君) この際、申し上げます。

 携帯電話は、マナーモードにするかスイッチを切っていただきますようお願いいたします。

 知事。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 和歌山県にはたくさんのすばらしいところがあるにもかかわらず、議員御指摘のとおり、県民自身がそれらに気づいていないということがあることも現実だなあというふうに思います。

 実は、かつてというか就任早々でございますが、テレビのバラエティー番組、具体的に言うと「秘密のケンミンSHOW」なんですが、和歌山のタレントがあまり出ないんですけど、たまたまある大物年寄りタレントが出ていました。元スポーツ選手です。その方が、「和歌山には何もないからね」とかなんか、「何がいいですか」と言われたら、「何もないもんね」とかなんか言われて、私はそれを聞いて、何ということを言う人かというふうに思ったんでございますが、考えてみますと、私の子供時代には、和歌山県では、子供たちに郷土についての知識を全く教えることがなかったなあと思うわけでございます。それを考えて、昔の県政と教育委員会を恨んだわけでございますね。

 そこで、後世の人たちがまた同じことを私に対してとか今の教育委員会に対して思ってもらったら困るなあというふうに思いまして、ふるさと教育を始めようということにいたしました。

 そこで、すばらしいふるさとを知ることで、自らに自信と誇りを持つ。それで、そのすばらしい和歌山で育ったんだということでエネルギーが湧いてきて、それでやる気が出て、世界で活躍できるようになるんじゃないかな、こういうふうに考えました。

 具体的には、「わかやま何でも帳」というものを作りまして、これを中学生のみんなに配って勉強をしていただいておりますし、物知りの子供を刺激するように、わかやまふるさと検定などというのを実施したりしております。

 問題は大人なのでございまして、私も含めて昔教えられていないわけですから、今、もう1回勉強し直さないといけないということでございます。

 そこで、和歌山放送にお願いをいたしまして、この「わかやま何でも帳」を出版してもらって、販売をして、読んでもらおうというふうに思っております。

 だんだんと皆さんの中に、和歌山ってすばらしかったんだねというようなことを思ってもらえる人が多くなり、歴史についての認識も深まってきたんじゃないかな。

 これも努力をしての結果なんですが、テレビなどでいっぱい取り上げてもらえるように、県庁の職員全員がすごく頑張っております。そうすると、だんだんだんだん出てまいりまして、これもいいことだなというふうに思います。

 和歌山県のすばらしさについて述べよという質問でございますが、答えは全部ということでございますので、それじゃあちょっと答えになりませんから、二つばかり申し上げたいと思います。

 第1は、自然の美しさ。環境も大変いいと思います。ジオも森も川も海もあります。海産物も果物も野菜も、それからそれらをもとにした食事もおいしいし、温泉もあると。こういう自然が文化、伝統、歴史と一体となって、世界遺産とか日本遺産として国内外から高く評価されている。これが和歌山の第1のいいところだというふうに思います。

 これらは全て和歌山の資源なんでございます。資源はちょっと軽はずみに間違った開発などをするとなくなってしまう可能性がございますので、それは毀損させないようにしなきゃいけないということで、自然保護とか景観条例とか、いろいろ工夫をいたしましたが、皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 二つ目は、人間だと思っております。議員御指摘のように、陸奥宗光などが活躍して、そのほか経済界でも科学の世界でも多くの人たちが活躍をしております。陸奥の周辺で言えば明治維新による近代国家の原型となっているわけで、「明治維新は和歌山モデル」、「早稲田も慶応も全部和歌山」と、こう言って私は人を驚かせているわけでございますが、しかし、そういう立派な人たちというのはこういう有名な偉人だけではございませんでして、遭難したトルコ軍艦エルトゥールル号の乗組員を一生懸命救助に当たった串本町の樫野の人々、あるいはデンマーク船エレンマースク号のクヌッセン機関長の遺徳をたたえ続ける美浜町や日高町の人々、また南米の異国の地で日本人としての信用を保ち続けようと誠実に生きてこられた多くの和歌山県移民の人々、こうした市井の人々の献身的な振る舞いや誠実さのDNAも私たちは受け継いでいるというふうに信じております。

 さらに、よそ者を差別しない。これは和歌山県の物すごくいいところだというふうに思います。いろいろと私は世間を見てまいりましたが、実は世界も日本も和歌山のようではありません。あの人は2代も3代も前からそこにいるのに、「あれ、よそから来た人やで」と、こういうようなことを言うようなところもいまだにあります。それは和歌山では非常に希薄であります。これはすばらしいところだというふうに考えている次第でございます。

○議長(尾崎要二君) 片桐章浩君。

  〔片桐章浩君、登壇〕

○片桐章浩君 知事にお答えをいただきましたので、本日は2問ということで一般質問を終わらせていただきますが、先週、元メジャーリーガーの岩村明憲さんに和歌山へ来ていただきまして、若い人たちへの講演の機会をいただきました。

 岩村さんは、来年開催されるWBCの1回目、2回目に出場して、どちらも世界一になっているという経験持っている方なんですが、この方が会場の人たちに、「和歌山県のすばらしいところを言ってみてください」ということを問いかけたんですね。そしたら、大学生の方が、今、知事がおっしゃったように、「和歌山の人は心が温かくて親切です。すばらしい」と、こういうお答えをしていましたが、そこで課題として、岩村さんからは、「みんなが和歌山県のよさというのを考えていただいて、語れるようになってほしい」、こういう課題が与えられました。そして、岩村さん自身も、今、福島で独立リーグの監督やっているんですけど、これを御縁に和歌山のよさを私も語っていくよと。ここへ、こういう触れ合いができたんだよ、こういう話をしていただきましたので、1人でも多くの方にこの和歌山のよさというのを知っていただいて、もっとこの道を延ばしていきたいと思っています。

 そして、本日、仁坂県政16年を振り返ったということで質疑を交わさせていただきました。改めて今日の知事のお言葉を聞いて、和歌山県は自信を持つべきだ、すばらしいところだということが1人でも多くの方に伝われば幸いでございますし、和歌山県の未来は明るいものになっていくと思います。

 仁坂知事の16年に感謝申し上げまして、一般質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 以上で、片桐章浩君の質問が終了いたしました。

 質疑及び一般質問を続行いたします。

 25番中 拓哉君。

  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)

○中 拓哉君 おはようございます。本会議44回目の登壇です。

 片桐さんの質問終わって、皆さんが出ていくのは残念です。よかったら聞いといてください。

 仁坂知事と議論を交わすのも最後かと思うと、寂しさを覚える次第でございます。

 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。

 まず冒頭、昨日、県文の小ホールで、精華大学との包括交流締結1周年記念のシンポジウムが行われまして、そこには李廷江・清華大学の教授が講演してくれました。そこでは、私もパネリストとして呼ばれておりましたんで聞かせてもらいましたけど、改めて李先生の和歌山県と日中の研究を拝聴するにつけ、改めて私自身が会長を務めています和歌山県日中友好協会の設立前の、あるいは設立前後の歴史も教えてもらいまして勉強になりましたし、何より二階代議士が和歌山県と日中のことについて貢献されているすべを、私らの知らないところの話を李先生が教えてくれました。仁坂知事も、仁坂さんの御功績をたたえていらっしゃいましたけども、大変勉強になりました。

 また、私からは、和歌山大学で留学生として女性が勉強をしていまして、その子が山東省政府に戻って、山東省政府の役人になって、今、対外友好協会の会長に李栄さん、なっているんですけど、和歌山で学生の頃に一緒に和歌山日中の方々とギョーザ会やったりいろいろしたことを覚えてもくれていますし、泊めてあげた和歌山の友好協会のメンバーは自分の娘のように思ってくれていますし、また李さんも向こうで、「和歌山に世話になったよ」と、こういうことを言うてくれています。

 また、私も、昭和50年に創価大学に入学しました。そのときに、まだ国交ができていなかったときに、池田先生が6人の留学生の身元保証人となって、自分がつくった創価大学に迎えてくれました。入学式で、「私の大事な6人のお客さんです。将来、中国の発展に尽くす方々です。今日入学する5期生の皆さんは、生涯にわたる友情を築いてください」と、こういう講演がありました。ぼやっと聞いていましたけども、私、その後、程永華さんなんかが駐日中国大使として日本に赴任されて、私も日中の役をやらせてもうて、また程さんが二階さんの招待で御坊へ来て、お会いさせてもらって、その後、友情を深めております。今も、大使終わった後も、中日友好協会の常務副会長として活躍してくれていて、この前もリモート会議で拝見しました。

 そういう個人的なつながりでやっていく中で、政治的には中国ともごたごたしますけども、やはり大事なところはそういう人間的な結びつきがあったら乗り越えていけるんじゃないか。そういう提携も和歌山県が精華大学と結んでくれているということをうれしく思います。

 ただ、四川省と提携結んだのに、このまま仁坂さんが行けやんまま辞めるのは、ちょっと残念かなと思いますけども、それは次の知事がつないでいってくれるんやと思います。

 そんなことを申し上げながら仁坂さんとの議論を、今日が最後になるわけですけども、交わしていきたいと思います。

 仁坂知事、あなたが初めて知事選に臨まれる折、和歌山市議会公明党の控室にお越しになりました。そのときが、私があなたをお見かけした最初のあなたとの御目文字でございます。

 初対面のあなたに、公明党和歌山県連会長・西博義に対する推薦依頼の文書を県本部に持ってきましたので、私は、「公明党には県連という組織も会長という役職もありませんよ。公明党和歌山県本部代表・西博義が正しい表現ですよ」というようなこと、生意気にも「お間違いなきように」と申し上げたことがあったかと思います。知事もその当時は初々しくて、「はあ、分かりました」とおっしゃっておりましたけども。

 その後の知事選で、今日はあそこに持ってきていますけども、公明党も仁坂さんを推薦しましたんで、これは一生懸命応援せなあかんということで、市会議員の1人として、自分が受け持っている党員さんの支部の方々に一生懸命運動しましたし、外部の方にもお話しかけしました。

 そのときに、大下英治さんの著作で和歌山放送さんが出版しました「人間到る処青山あり」という仁坂さんのストーリーを書いた本がありましたんで、それを一生懸命勉強しまして訴えたんです。

 俗な言い方をしますと、メリヤス屋のぼんぼんで、桐蔭から東大へ行くときに、東大紛争で入学試験がなくなりました。そのときに、やむなく京都大学──京都大学行った人に対しては失礼か分かりませんけど、京都大学に行っていて、どうも京都学派の経済学が面白くなかったのか、改めて東大を受けるわけですね。もう2年間、東大へ行きたい人がたまっちゃう中、並の東大で通ったん違うて、2年間、東大へ行きたい人がたまっている中で無事合格しまして、その後、通産省の官僚を務め、ブルネイ大使まで出世したエリートのあなたの活躍ぶりを皆さんに薦めて、選挙運動で無事勝ち取ったわけでございます。

 翌年の19年の春に、私が今度、市会議員から統一地方選挙でこの県議会議場に送っていただきました。あなたと同じ議場で対峙することになって自来16年間、本会議や予算特別委員会で随分鍛えていただきましたことを謹んで感謝申し上げます。

 さて、そこで、11月29日の今議会の初日の議案の提案説明で腑に落ちない点がありましたので、お尋ねいたします。

 毎回議案の提案では、ここで仁坂さんが現下の和歌山県の抱える課題などを申し述べた後、主な予算の内容を紹介して、続きまして、いろんな──事務的な条例が多いですけど、条例を示して、訴訟の提起やら契約議案のことに触れるのが一般的でございます。

 今議会でもそういう定型的なことを踏襲なさるのかと思いきや、予算案が二手に分かれていまして、「議案第136号は、一般会計で総額387億2000万円余の補正をお願いするものです」と述べて、交通事業者に対する補助であるとか、中小事業者への支援であるとか、あるいは子育て世代への支援、公共事業の追加等を示して136号の内容を説明しています。ほんでまた同じように、「一般会計で33億3000万円余の補正をお願いするものです」と述べて、同じ「補正予算をお願いする」という述語を使いながら、補正予算という項目は一緒なのに別々に出されたわけですね。非常に分かりにくいです。じゃ、総額は幾らよというようなことになるんですけども、この補正予算を136号と164号に分離して提案した理由をまずお示しください。お願いします。

○議長(尾崎要二君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。

 総務部長吉村 顕君。

  〔吉村 顕君、登壇〕

○総務部長(吉村 顕君) 12月定例会に向け準備していた案件については、議案第136号としてまとめ、11月22日に開催された議会運営委員会において、私から開会日に提案したい旨を御説明し、その旨了承いただきました。

 その後、年明け以降の観光需要喚起策として、11月25日に国から補助金の交付限度額の内示があったことから、新たに予算を調製する必要が生じました。

 議会開会前の時間的に限られた中、最も確実で、極力誤りのない方法を考えた結果、議案第136号とは別の議案として追加提案することを選択し、補正予算案を作成いたしました。

 当該議案を11月29日に開催された議会運営委員会において御説明した上で、今議会に提案したものであります。

 このように、議案を提出いたしましたので、提案説明において議案第136号で387億2000万円余、議案第164号で33億3000万円余と、それぞれ補正額を知事から御説明したところであります。

○議長(尾崎要二君) 中 拓哉君。

  〔中 拓哉君、登壇〕

○中 拓哉君 一旦はそういうことがなるほどなと思いましたけども、知事さんがここで提案するときのお話の中では、「補正予算はこれこれでございます」という2行がありましたんで、改めてお尋ねした次第です。

 議案書の目次を見ていただけますか。(議案書を示す)こう言うても議案書を置いてくれている人は少ないんであれですけども、議案第136号令和4年度和歌山県一般会計補正予算、1ということで、1ページなんでしょうね。最後のページは、議案第163号工事請負変更契約ということになって終わっております。今おっしゃった追加の分が同じ日に出ているんですね。そこには、確かに議案第164号令和4年度和歌山県一般会計補正予算と、こうなっております。地方自治法には、予算を提出した折は丁寧な説明書をつけなさいと、こう書いてくれています。確かにそうですね。この議案だけで予算審議せえといったら大変ですわ。そんな中で説明書を作ってくれています。

 予算説明書も開いていただけますか。(補正予算説明書を示す)出のところで37ページです、補正予算説明書のね。そこには観光費とありまして、観光費が載っています。これは、もうほんまに普通の事務的な補正予算だそうでして、観光交流課が持っています職員費やら──これは観光振興課も含むかな──職員費の補正やら、外国人観光客受入環境高度化ということで予算が補正されております。今言うてくれた追加の分がまた別冊で同じように、これは1ページですけど33億と載っています。

 本来なら、この12月定例会の予算書にちゃんと商工観光費の費目があるわけですから、ここに33億足した形で載るのが本来かと思います。そうならなんだ理由を一生懸命聞くんですが、国交省から言うてくるのが遅かったんで後になったんでということで、技術的に印刷できなかったことが大きな理由かなあと思いますけども、吉村さんはそうやとも言わんのですね。もし和歌山県に昔みたいに印刷所があったら、言うてきた時点で、議案書なんて、そんなん何千部も刷らんなんわけと違うんですから、先ほどの国からあったことをここに溶け込ませて、観光費として総額これこれですと、全体の県予算も6600何十億ですと、こうやって言うてくれるのが本来だと思いましてお尋ねしました。

 それで知事さんにも答弁を求めたいんですけど、結局、12月補正予算一般会計で、議案第136号は一般会計でこれこれですと、それで最後の行のほうにも一般会計で33億ですと、こう書いたときに、ですから今議会に提案する12月の補正予算は420億何がしですと言うてくれたほうがよかったのになあと思います。そのことについて知事さんの御所見をお伺いしたいと思います。

○議長(尾崎要二君) 知事仁坂吉伸君。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 私も国家公務員などをやっておりまして、私はどうかなあと思うようなことが国会ではあります。それは、例えば議案を出して、特に予算関係の議案を出しているときに、後で追加を出したくなったとき、それは出したほうが国民経済にとっては絶対いいはずなんだけど、それをやると予算の出し直しだといって声高におっしゃる野党の方がいらっしゃって、それをやると今度は国会のスケジュールがばばばばばっと後ろへ行きます。そうすると、それはいかんのじゃないかと。だから追加で出させてもらったらいいのにというふうに、私なんかはずっと思っておりました。

 和歌山県議会はそういうことを決しておっしゃらない、すばらしい議会だと私は16年間、そういうふうに思ってきました。

 今回は、初めから追加の配賦があるということが分かっていれば、もちろん溶け込まして一つの予算として持ってくるべきであったと思います。

 ただ、本当に直前しか分からなかったんです。そのときに、じゃあ次の議会まで置いとこうかというと、それは県民のためによろしくございませんし、かといって溶け込ますとなると、先ほど印刷のお話をしましたけど、印刷の原稿を作らないといけません。これはもう職員も大変だし、大変なことになるわけでございます。

 それならば二つ出させていただいて、ちゃんと説明をすればいいじゃないか。私も、議案が二つあって、それぞれ金額を申し上げたわけでございまして、何か悪くないんじゃないかなあというふうに思っております。

○議長(尾崎要二君) 中 拓哉君。

  〔中 拓哉君、登壇〕

○中 拓哉君 私も秘書をやっていましたので、国会で提案されることについてはちょいちょい経験もしました。でも、大概皆追加で、後なんですね。岸田首相が開会日に二つ出すということは、まあないですわ。

 そういう意味で、今までも、ここで条例改正するのに議案の番号がないまま出したやないかとか、同じ議会の中で直しに来て、これどうなってんのよと、ややこしいやないかということは再三申し上げた次第でございます。

 だから、今回も今のお話によると出せますし、問題ないんだというんならそれでいいんですけど、最後に知事さんの説明の中で、最初は387億ですよと、次に33億ですよと、ですから都合で420億余になりますよ、予算審議をお願いしますと言うたほうが丁寧になるんじゃないかということで、ちょっとかみついているというような次第でございますので、御理解いただけたらと思います。

 それはそれでこういう技術的なことですから、結構でございます。議案が出されて、一生懸命見やんなんと思って見ていて、そこは疑問に思っていたわけでございます。

 それでは、次にお尋ねします。

 ずっと一般質問を聞いていて、皆ここに立つ議員も仁坂さんに、惜しまれながら辞めていくの寂しいよ、こういうお話をしてくれますし、県民の方からも、そういう問合せは受けるわけでございます。

 また、12月2日の「知事からのメッセージ」にも書かれておりましたように、御生家をリフォームして、転居なさって、何かそこに同所する事務所というて和歌山研究会というのをさらっと書いていました。

 それで、お尋ねするんですけども、6月議会で谷議員からの質問に答える形で、多選やら、72歳になるという年齢のこと、あるいは、当時IRやら何やらで対立していましたので、県政の対立の解消のこと、あるいは新しい立派な方が名のり上げやすくなる環境を整えるのも私の仕事かな、こういうことのお話がございました。

 その次に、非常に感動を呼ぶわけですけども、「ある意味、私の犠牲となった妻の体調が思わしくないため、県のリーダーは私に代わるよき人は幾らでも出てくるけども、私の家内にとって夫は私1人しかいないので、妻の体調を見るにつけ、あと4年、こういう苦労をさせることはどうかな。そういうことは人倫にもとる」と、こういう険しい言葉で引退を表明なさいました。

 奥さんを気遣うあなたのそのお言葉は、県下の御婦人方にすごく響いて、仁坂さん、ええ人やな、中君も見習いなあよと、こうなるわけですけども、胸に迫るものがございました。議場からは期せずして拍手も沸き起こった次第でございます。

 16日には退庁式が組まれておりますし、私も花束ぐらい用意せんなんかなと思っております。

 そういう中で、奥様への看病とともにその後のことについて28日の記者会見でも聞かれておりますが、御実家に入所する和歌山研究会ですか、これはどんなことを取り組んでいかれるのかなと。構想の一端をお述べいただけたらと思います。

 お父さんのお通夜、お葬式には行かせてもうたんですが、お母さんのときはもう自分でなさったということなんで寂しかったんですけども、御実家を直されてお住まいいただくということはうれしいことでございますので、そこら御構想をお示しください。

○議長(尾崎要二君) 知事。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) よく「退任後、どうするんですか」というふうに聞かれるんですが、実は何も決まっておりません。何か職に就くということも決まっておりませんで、何か別に就かないと言っているわけじゃございませんけれども、まだ決まっていないということでございます。何かお役に立つことがあったら何でもさせていただくというぐらいの構えでございます。

 二つ目は、「あんた、辞めたら、東京へ行っちまうんでしょう」と、すぐ皆さんおっしゃるんですが、そんなことはありませんでして、家内の看病もしてあげたいと思いますが、一方では、和歌山で親しくしていただいた方と楽しくやるというのも大事なことだと思いますので、半々ぐらいかなというふうに家内にも言うております。

 じゃあ、どこへ行くかというと、まず公舎を出ていかないといけません。これが大変でございまして、今、仕事がむちゃくちゃ忙しい上に引っ越しがあって、人生最大に大変でございます。

 ただ、岸本新知事が登庁のときには、きれいにして空けてあげたいと思いましたので、頑張って一生懸命やっているわけでございます。

 そこで、当然、私の実家がございますので、そこへ入るんですが、これがまたもう90年ぐらいほったらかしの物すごい状態になっておりまして、これをまた片づけるのが物すごく大変でありました。そこの離れのところに母が寝ておりましたので、その辺りに自分が入ろうというふうに思います。

 母屋のほうは、後援会改め和歌山研究会というのをつくりまして、そこに入ってもらうと。それで、私も何をどうするか分かりませんが、スケジュール管理とかその辺は誰かにやってもらいたいなあという気持ちもございますし、かつて仲よくしていただいた方々と交歓をする場というのがあったほうがいいなあというふうに思います。

 研究会でございますので、選挙とかそういうのは決して目指さないわけでございますが、共に勉強し、そして考え、そして語るというようなところの根拠になるといいなあ、そんなふうに思っておりまして、コンピューターシステムとか情報発信のツールなどは、名前を改めて、同じように維持はするということになろうかというふうに思っております。

○議長(尾崎要二君) 中 拓哉君。

  〔中 拓哉君、登壇〕

○中 拓哉君 ありがとうございます。

 やっぱり長年お世話になった方と、いきなりイタチの道切りみたいに東京へさよならというようなことはいきませんよね。大橋市長もお辞めになってそんなこと言われていましたけど、紀三井寺にずっとお住まいで、自分で軽四を運転している姿を見て、ほほ笑ましいなと思いました。

 私も今期で卒業しますので、よかったら運転手ぐらいやらせてもらいます。会うかどうかは、仁坂さんの子分になれるかどうかはあれですけども、修養したいと思います。

 それでは、有効に頑張ってもらえたらと思います。

 そこで次に、水道のことについてお尋ねします。

 昨年の12月でも聞いたんですけど、昨年の10月3日に六十谷橋の下の河川敷で、私は、当日、砂山消防分団の一員として、それこそ透き通る秋空に向かって筒先向けて放水訓練を行っておりました。

 その4時間後に水管橋陥落のニュースがありまして、6万世帯13万8000人の市民が断水被害で大混乱に陥りました。

 徹夜の復旧作業、その後の本復旧等で、今は平穏な市民生活に回復しましたが、根本的な解決に向けて、和歌山市水道局では検討会議を立ち上げて具体策の構築に取り組んでおります。

 昨年12月議会で生駒部長に、県の進めている水道ビジョンの促進を迫ったところです。今議会でも、山家さんがそういうことを重ねて、その後どうよということでおっしゃってくれていました。

 和歌山市の水道局は送水管の複線化、何か川の下をくぐって送るようなことも考えてくれているようですし、川向こう、北部にも新浄水場が必要ないかというようなことも検討しているようです。

 ところが、和歌山市民は、そのプランを示されるごとに、水道料金が23.何%上がるということで心配しています。水道料金が上がるだけやったら辛抱するけど、下水の料金も上がります。こういったことで不安は絶えないわけですけども、県が進めようとしている水道ビジョン、水道広域化推進プラン、これが早急に進めてくれたら和歌山市の水道料金の値上げ等の構想なんかも、広域化ができるんであれば和歌山市が海南市に売るとか岩出に売るとか、そんなことでようさん稼いでくれるんやら、あるいはあそこに書いてくれていますように薬剤やら何やら皆節約できるとか、和歌山市の滝畑という山の中は自分ところで浄水場を造りましたね。そういう形でやってくれますし、和歌山市でも大川峠の向こう側の人は大阪から水をもうていますよね。和歌山市から買うていない。ひょっとしたら岬町なんかも入ってもうてもええんかなと、素人ながらそんなことを思いますけども、取りも直さず和歌山市の水道局が大変なんで、和歌山県の水道広域化の具体策を示していただいて、和歌山市民が安心するようにしてもらいたいと思いますので、今の状況をお示しください。

○議長(尾崎要二君) 環境生活部長生駒 享君。

  〔生駒 享君、登壇〕

○環境生活部長(生駒 享君) 県では、水道広域化の機運を高めるために水道広域化推進プランを作成中であり、今後、その内容について市町村への説明を行い、今年度末を目途に公表したいと考えております。

 プラン公表後は、広域化についての研修や協議を重ねて、その設立について合意が整った圏域から関係市町村等で構成する広域的連携等推進協議会を設け、広域化の事業内容やスケジュールを定める水道基盤強化計画の策定に向けて、それぞれの市町村の具体的な状況を踏まえながら協議することとしております。

 広域化推進プランで広域化を検討することとしている五つの圏域のうち、和歌山市が含まれる紀北圏域の市町に対して、まずはこの協議会への参加を強力に呼びかけてまいります。

○議長(尾崎要二君) 中 拓哉君。

  〔中 拓哉君、登壇〕

○中 拓哉君 ありがとうございます。

 そうやって言うてくれているのは、ええし、これにも書いています。(パンフレットを示す)

 だけど、今、和歌山市自身が事業していかんなんのです。進めていかんなんのです。そういうところで和歌山市水道局は独自でどんどん考えていきますし、その後で和歌山県がこの図を示して、協議が調い次第とか声かけるとか、もう遅くなってしまいますね。今まさに、和歌山市水道局に対して、和歌山県はこう考えてんねやから、こうやっていこうやないかということを示してくれやな困ります。単にそんな圏域が広いところのお話をされても困りますので、和歌山市を中心としてどこと進めていくのか、改めて御答弁をお願いします。

○議長(尾崎要二君) 環境生活部長。

  〔生駒 享君、登壇〕

○環境生活部長(生駒 享君) 今後どのようにして水を安定的に供給していくのかということにつきましては、市町村ごとに事情や考えが異なると思いますので、まずは広域的連携等推進協議会に参加をしていただき、それぞれの事情や考えをつまびらかにし、共有した上で具体的な協議を進めていく必要があると考えてございます。

○議長(尾崎要二君) 中 拓哉君。

  〔中 拓哉君、登壇〕

○中 拓哉君 ですから、協議していくんやから、今、和歌山市がやっているところに県が一緒に考えようと言うてほしいんです。何かもう禅問答になってしまいますから、それで、もうこれ以上、生駒さんは「分かりました。今から和歌山市公営企業管理者・瀬崎に電話します」と言うてくれないと思いますのですけども、それぐらいの気持ちなんです。そうやって進めてくれないと、和歌山市民は大変なことになりますので、よろしくお願い申し上げます。

 それで次に、12月2日、国のほうでは、先ほどの話じゃありませんけど、補正予算が成立しました。

 公明党が11月8日に発表した子育て応援トータルプランの一部施策を先取りする出産・子育て応援交付金創設への1267億円も計上されております。出産・産後、育児期まで一貫して寄り添う伴走型相談支援や、妊娠届と出産届を提出したときにそれぞれ5万円、だから生まれたら10万円ですけども、経済的支援を実施することがもう既に決まっております。このほかにも、こどもの安心・安全対策支援パッケージ、待機児童解消保育の受皿整備、子供食堂支援策など、こういったことも補正予算で成立しております。

 さっきの支援金につきましては、今年の4月に遡って出産の届出をした方に10万円が支給されるという報道があります。準備が整えば1月からでも可能とのことですが、妊婦・子育て家庭への伴走型支援、経済的支援の和歌山県での取組状況は大丈夫でしょうか。県下の市町村にも、1月早々からでも届け出た人には応援できるものとしてもらいたいと思いますので、志場さん、お願いします。

○議長(尾崎要二君) 福祉保健部長志場紀之君。

  〔志場紀之君、登壇〕

○福祉保健部長(志場紀之君) 核家族化が進み、地域のつながりも希薄となる中で、孤立感や不安感を抱く妊婦・子育て家庭も少なくありません。特にゼロ歳から2歳児は未就園児が多く、日々通う場がなく、子育ての身体的、精神的負担が大きくなりがちであり、支援を強化していく必要があります。

 そのため、伴走型相談支援として、妊娠届出時から出産・育児等の見通しを立てられるよう、子育て世代包括支援センターにおいて、面談や積極的な情報発信、随時の相談対応等の継続実施を通じ、必要な支援等につなげます。

 さらに、令和4年4月以降に出産した全ての方を対象とし、妊娠届出時及び出生届出後の面談実施後に合計10万円相当を支給することで経済的負担を軽減するとともに、相談支援の実効性を高めます。

 県としましては、市町村が速やかに事業を開始できるよう今議会に補正予算を上程しており、今後、市町村それぞれの取組を把握し、好事例を情報共有するなど、事業の円滑な実施を支援してまいります。

○議長(尾崎要二君) 中 拓哉君。

  〔中 拓哉君、登壇〕

○中 拓哉君 よろしくお願いします。

 包括支援センターというお言葉でございますので、行政の方々は分かるんか分かりませんけども、私ら、介護保険のときの包括支援センターのことをついつい思ってしまいます。そこらももっと間違いのないというか、市民が間違わんようにお願いしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 それと次に、資料を提供しました和歌山県立医科大学附属病院の施設整備について、患者さんからの要望も含めましてお尋ねします。

 思い返せば仮谷県政の頃に、七番丁の医科大学の移転先がどうなるかということが問題になりました。加太のコスモパーク加太と海南のインテリジェントパークで綱引きが行われて、県議会でも盛んな議論がなされたかと思います。

 そういう議論たけなわの中で、突如、当時の旅田市長が、もう競馬場は赤字やからやめるんやということで紀三井寺競馬場を廃止する、ついてはその跡地に医大が来てくれたらうれしい、こういう話になりまして、今の紀三井寺キャンパスに移転が決まり、それを受けてJRも紀三井寺駅を改装して整備してくれました。

 また、そのおかげで、お医者さんをつくる大学としての機能ももちろん充実しましたし、県下各地の医療の最先端が医大やということで、紀三井寺駅から行きやすいということで充実して、医療にも大きく貢献しております。

 それで、できたときに、国道42号の沿線から、紀三井寺交差点から市内向いて来ましたときに、国道をまたぐ立体の跨線橋まで造ってくれました。整備してくれました。これは恐らく旭橋の手前で、平面で右折車が増えるということを心配して、事故があったらあかんやろということで、何と当時の建設省か国土交通省が上をまたぐような施設までオーケーしてくれたと。よかったと思います。

 また、反対に、今度は市内から旭橋を越えて医大へ行くのに、普通なら左に曲がって正面行ったらええんですけども、駐車場までまた大学の敷地を走るということがあったんでしょうか、旭橋を渡って国道に沿って進入しやすいように専用の進入路が造られております。何と国道を削って、進入しやすいように、よう駐車場に入るときに、いきなり左に曲がるんじゃなしに、上手に入っていくように造ってくれております。

 その専用の道が非常に便利で、患者の皆さんも重宝されていたのに、平成24年頃に東棟の建設工事をするということの機会に閉鎖されまして、26年に既にもう東棟も落成しておりますのに、今日に至るまでいまだに閉鎖されたままでございます。一体いつまで閉めたまんまにするんですか。もう今日にでもこのバリケードを取ってもうて進入すれば患者さんも喜ぶと思いますけど、いかがでしょうか。お答えください。

○議長(尾崎要二君) 福祉保健部長。

  〔志場紀之君、登壇〕

○福祉保健部長(志場紀之君) 和歌山県立医科大学附属病院への国道42号からの進入路につきましては、紀三井寺へ移転し診療を開始した平成11年度から平成23年度まで利用可能でしたが、平成24年度の附属病院東棟の増築工事に伴い、工事関係車両の進入路として活用するため、閉鎖することとなりました。

 その後、平成26年度に工事が完了した際、県立医科大学では、進入路としての利用再開を検討したものの、進入路閉鎖以前に、進入路と国道オーバーパスの合流地点で車両同士の衝突事故が起きたことや、進入路から国道42号まで交通渋滞が発生する可能性があることなどを勘案した結果、閉鎖を継続することとしたものでございます。

 また、進入路の利用を再開すると4方向からの進入が可能となりますが、立体駐車場の入り口は1か所のみであることから、これまで以上に事故や交通渋滞が発生する可能性が高くなると考えております。

 県立医科大学では、今後とも、附属病院利用者の安全性を確保することが最優先であるとともに、交通渋滞発生による国道利用者等への悪影響も回避するため、これまでと同様、閉鎖を継続したいと考えています。

○議長(尾崎要二君) 中 拓哉君。

  〔中 拓哉君、登壇〕

○中 拓哉君 納得できませんね。資料を見てもうたら分かるように、これまだ晩やから暗うて何かうっとうしい感じですけど、お昼やったらもっと明るくて晴れ晴れしていますよ。広々しています。ここのガードをくぐってもうて行きますと、最初通告を出した折は、いやいや資材置場にしているんですとか、関係車両を置いているんです、もう閉めているんですと、滑った転んだと言うていましたけども、こうやって見に行ったら全然きれいなまんまなんですよ。ほんで、今おっしゃったオーバーパスからの合流地点も、車が来ますと、ランプがつく機械まで置いてくれているんですよ、この立った支柱ですね。ここでちょうどランプのついているところが撮れたらよかったんですけど、なかなか入ってきてくれやんかったんで写真は撮れませんでした。

 越えたところを反対側から見ても、これだけ広い交差点というか広い広場なんです。4か所になると言うけど、最初から4か所造ったんじゃないですか。途中から入り口造ったん違うわして、最初から4か所入ってくるように設計してらしてよ。何言うんですか。そんなん答えになりませんよ。

 ほんで、その後、何ですか、渋滞が予想されるって。渋滞に遭うたことありますか。国道まで止まったことありますか。そんな可能性なんかないじゃないですか。事故がありました、何か所よ、これも答えてくれませんよね、何か所と通告したときに言うても。どんな大きな事故があったんよと。

 要するに、職員さんが、ごたごたしたときに自分ら文句言われるのが嫌やから閉めているんですよ。そんなことで閉められたら困りますよ。もう今日にでも取ってもうたら、この広いところを入っていけて、そりゃ合流地点ですからみんな気にすると思います。いきなり止まりもせんと入っていくような運転はなかなかできません。最近は、アクセル、ブレーキを踏み間違うたということはあるか分かりませんけども、そんな危険な箇所ではありません。十分に広さがあって、お互い譲り合いながら駐車場に入っていけます。

 先ほども言うてくれた玄関二つ、正面の玄関、あるいは紀三井寺からの玄関、いずれにしてもきれいな玄関やのに、カラーコーンを置いて、バーつけて、いつまでも工事中みたいなことの規制をしています。一体あのきれいな玄関、いつきれいな玄関に戻るんですか。工事中でもないのにずっとカラーコーン置いて、みっともないことをしていますよ。こんなことも早うやめたらどうですか。

 いや、ちょっと置いていく人がいてるんや。それは注意したらいいじゃないですか、ガードマンが。そこへ置いたらあかんのですよ、駐車場に置いてくださいと。いや、入院する人がおります。入院する準備のところが要るんであれば、それぐらいの広場を造ったってくださいよ。10分、15分ならどうぞと、それが患者さんを受け入れる医療機関の役目じゃないですか。自分らが仕事困らんようにして、どんどんどんどん、本来設計してくれた建物をそのまま使わんというのが非常に心外でございます。

 もう一遍お願いします。安全性確保することなんかそんなに難しい話じゃありません。周辺住民への困難、まだ何も住民も何も文句も来ていないのに、そんなこと先回りして言う。一体いつまで閉めておくつもりですか。もう今日にでも、志場さん、一緒に見に行きましょうよ。一緒に見に行ってもうて、一緒にこのバリケードを取りましょうよ。再答弁お願いします。

○議長(尾崎要二君) 福祉保健部長。

  〔志場紀之君、登壇〕

○福祉保健部長(志場紀之君) 当初の計画はもちろん4か所から入るということになっておりましたが、開設当初は附属病院の東棟が設置されておりませんでした。そして、平面駐車場は現在の約2倍の広さがございまして、100台駐車できる規模でございました。ところが、東棟が建設されましたことによりまして、平面駐車場が約半分、工事の建物のために減りまして、現在49台の駐車場になっております。そうすることによりまして、ほとんどが立体駐車場のほうへ行かなければならなくなっております。立体駐車場への入り口が1か所でございまして、そちらのほうに四つの入り口からの車が殺到するということでございます。

 それから、患者数につきましても、開院当初よりも、ちょっと今コロナであれですけども、コロナ前の数字で15%程度増加してございます。もともとの計画がどうだったんだということもありますけども、患者が増えたということもありまして、やはり混雑はしております。

 どれぐらい事故をしているのかということで、事務局としましても車同士の事故は直接把握できておりません。ただ、年に数件の事故はやはり発生しているようです。

 それから、渋滞でございますが、令和元年度の数字になりますが、例えば旭橋のところは年に5回、医大側からはみ出てきた車が国道42号の旭橋のところまで渋滞しておりますし、東側の国体道路につきましては11回の渋滞で、国体道路まではみ出しているというふうにやっぱりなっております。今はコロナで台数も少ないことになっておりますが、そうしたことがございます。

 それから、写真につきましても、夜間でこういうことになっているんですが、やはり建物も建ちまして四半世紀以上経過してございます。修繕箇所は非常に多くなってございまして、これからもずっと断続的に工事をしなければなりません。

 今年度につきましても、12月末ぐらいからまたかかるんですけども、病棟各部屋の空調設備、部屋の吹き出し口を取り外して、やり替えるという工事がこれから断続的に続きます。令和5年度もエレベーター工事らも入ってきますし、引き続き工事なんかも続きますので、やはりあそこの進入路につきましては工事用進入路とかに使いたいということもありまして、議員御指摘のとおり、365日全てがそうなるのかということはそうではないですけども、開けたり閉めたりというのも非常に混乱のもとになりますので、やはり継続して閉鎖して、工事のほうを安全性を確保しながらやっていきたいというふうに考えてございます。

○議長(尾崎要二君) 中 拓哉君。

  〔中 拓哉君、登壇〕

○中 拓哉君 再答弁ありがとうございました。

 もうどう考えても、自分らの都合としか考えられませんね。職員さんは、自分らが邪魔くさいのを避けているだけですよ。そんなことは、理由になりませんよ。これから工事があるんやったら、工事のときは閉めてくれたら結構ですよ。今は工事をしていないじゃないですか。何の弊害もないのに、何で開けないんですか。ちゃんと通れるようにしてくださいよ。患者本位に、使う人の本位に立ってやってください。

 そこまで言うんなら、これから工事がある、まだまだ工事車両のために、あそこを資材置場にするんや、駐車場にするんやと言うんであれば、もう物理的にこんなバリケードらでせんと、そもそも、もう道を潰してください。それぐらいせんと、「道あるのに、何で通れやんのよ」と、ずっと言われますよ。皆、患者さんは思ってんやもん、今まで使うてた人は。もう8年もほったらかしじゃないですか。

 これ以上、議論、御答弁、異議、同じことになってしまうんで終わりますけども、どっかの市議会議員は何か職員さんにきついこと言うて辞職勧告を受けていますから、そんなことのないように、ただ、県民の立場に立って、やっぱり思うことを一生懸命言うのが議会の仕事やと思うていますので、志場さんには何も恨みありませんよ。

 今日は幸い、こうやって見たら、海南高校のOB、ねえ、割愛抜いたら5人もいているんですよ。うれしいことですよ。割愛の偉いさん抜いたら。そんなことでよろしく。後輩らが仕事をしています。

 次に、中学校の部活動についてお伺いします。

 一連の働き方改革の方針の下で教員のサービス残業や勤務形態の複雑さが問題視され、教師本来の業務に集中できる方策が進められています。

 そんな中、クラブ活動の顧問や監督に就く教員の休日指導の常態化を解消すべく、部活動の指導者を外部の方にお任せする動きが示されました。地域部活動推進事業として、生徒の望ましいスポーツ・文化活動の環境づくりと学校の働き方改革、両方を目指して両立を図るものです。

 仁坂知事は、8月24日付の「知事からのメッセージ」で、このことについては反対の見解をお示しでございます。部活動を学校から地域に移行する政策には反対、日本の学校教育の根幹に関わるとのことでございます。

 そうはそうであっても、文科省が予算もつけて推進していますし、既に運動部においては、かつらぎ町と有田市では国の実証検証やということで取り組んでくれているようでございます。

 いやが上にも進んでまいります。部活動の地域移行に伴う指導者の質の担保などについて、生徒や保護者からは心配の声も上がっています。心配なきようお進めされるんやと思いますので、教育委員会の方針をお述べください。

 ほんまやったら、ここで知事さんの見解を伺って、宮﨑さんとの見解の相違で庁内不一致やないかと言いたいところですけど、もうあした、あさってに辞める方ですから、そこはもう宮﨑教育長にしたいと思います。よろしくお願いします。

○議長(尾崎要二君) 教育長宮﨑 泉君。

  〔宮﨑 泉君、登壇〕

○教育長(宮﨑 泉君) 中学校の部活動は、望ましい人間関係の構築や自己肯定感の向上等、教育上、大きな意義があることから、学校の教育活動の大きな柱と位置づけられています。

 しかしながら、少子化等による学校規模の縮小で、十分な活動ができていない部や、学校単位で多様な部活動を維持していくことが困難な状況においては、部活動の地域移行が必要となってきます。

 その場合には、地域移行に関わる指導者の確保と、その資質能力の向上が重要となります。

 県教育委員会は、これまでも、指導方法の改善や、体罰・パワーハラスメント等の根絶に向けた部活動指導者への研修会を実施してきましたが、外部指導者を含めた研修等を充実させ、市町村と連携、協働して、指導者の育成に取り組んでまいります。

 また、休日と平日で指導者が異なることになった場合においても、生徒にとって効果的な活動となるよう、指導者間で指導方針や内容のすり合わせなど、情報共有を綿密に行うよう指導助言をしてまいります。

 今後も、学校と地域が連携を深め、生徒の多様なニーズに応じた最適なスポーツ環境の実現に努めてまいります。

○議長(尾崎要二君) 中 拓哉君。

  〔中 拓哉君、登壇〕

○中 拓哉君 宮﨑教育長、よろしくお願いします。

 せんだっても県和商で外部の監督がバットで頭どついたといわしてよ。ずっと野球やってきた野球少年、野球部辞めたといわしてよ。こういうことがやっぱり外部の方の中では起こりますし、これがもし教師やったらたちまち懲戒解雇で、そういう縛りが利くからそんな体罰的なことはなかなかせえへんと思いますけども、そんなこともあります。また、お話にあったように、どんどん生徒が減っていってチームをつくれないことが起こってきますので、いろんなところと組みながらやっていかなあかん、そういう難しさもあります。また一方で、地域にスポーツの人材もあるんやからそういうのを活用しよう、それも立派なことやと思いますので、どうか連携がうまいこといくようにお願いします。

 最後に、近畿のおまけと言われた、自嘲ぎみに歌謡曲まで作られたこの和歌山県、本県を、関西広域連合のヘッドまでお務めいただきました。私、関西広域連合のとき、「仁坂さん、立候補しなあよ」と言っていたこともあるんですけど、あのときは井戸さんが頑張っていましたんであれでしたけど、ちゃんと連合長もやってくれました。

 また、COVID-19の対策では、「ワシントン・ポスト」にガバナー・ニサカと、世界的に評価されるような我が本県の知事でございます。うれしい限りでございます。

 また、平成23年の台風12号の大水害で犠牲になられた方のお悔やみも申し上げますが、その復興に向けて、ルールはルールとしてあるけども、緊急避難だと、どんどんどんどんやっていけと、まずは復旧させろと、こういうことで仁王立ちになって頑張ってくださったことをうれしく思います。

 また、国民体育大会も、無事、天皇杯取れましたし、いろんなことの実績を残されました。恐らくや、伝説にまでなっていくと思います。

 最初の頃を思い出しますと、コムスンですか、介護の会社が法律を上手にくぐり抜けて悪いことをしてんのに、どんどんどんどん会社をつくり替えるだけで介護認定が取れたときに、仁坂さんはここで、「いやいや、そんなことは運用で止められるんだ」と。「こんなインチキは許さん」と。

 また、あるいは南海フェリーの社長さんが補助金欲しいときに、「何を言うているんだ」と、「腹切れ」と問題発言もありましたけども、それぐらい常に正義を押し通された立派な知事やと思います。

 また、選挙の応援のたんびに、仁坂さんの推薦の弁で昆虫採集のことなんかも勉強させてもらいました。もう本当に玄人はだしで、昆虫の北限や南限を常に論文に投稿されて、仁坂さんのお名前が載っているということを専門家から聞いて、うれしく思いました。

 そういった中でまた、せんだって消費者のセンターのシンポジウムも開いてくれて、伊藤さんという長官を呼んでくれて、その中で、仁坂さん、20分やってんけど40分もしゃべったらしいですね。私も拝聴させてもらいました。そのときにうれしかったのは、通産省から経済企画庁に行って、消費者教育の立場で、本来なら通産省の人は会社側に立つ人が多いんですけども、消費者契約法をつくる、そのときの各業界の心配を抑えるためというか納得してもらうためにあちこち走ったというお話を感動して聞きました。お医者さんやら各建設業界、交通業界、それこそ仁坂さんならではの正義感で走ってくれたんやと思いますし、それで消費者契約法が今日整って、いわゆる詐欺や脅迫だけでの無効じゃなしに、困惑した中で契約した分については、これは消費者のほうで断れるんですよ、その新しい法律をつくってくれました。残念ながら、統一教会の宗教絡みではなかなか働かんかったということで、今回また強化してくれましたけども、しかし、常に消費者側に立った法律をつくってくれたことにつきましては、本当にすごいお役人さんやったんやなあということを改めて思う次第でございます。

 「毀誉は他人にあり、行蔵は我にあり」、勝海舟の言葉でございます。仁坂さんが潔くこの語でいこうと思ったら、まだまだ知事にいけたか分かりませんけども、引かれまして、後輩に道を譲って、次の和歌山県を見詰めてくださることは、うれしい限りでございます。

 私も仁坂さんに倣って、「あいつ、まだいくんか」と言われん間に、ちゃんと卒業して頑張っていきたいと思います。

 本当に長い間、ありがとうございました。恐らく激務激務で、片づけも大変やと思います。僕も事務所を片づけやならんのに難儀しているんですけども、そういう中で、また引き続き、お食事でもできる機会があったらうれしいなあ、そんなことを思いながら、皆さんと同じように仁坂知事をたたえて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 以上で、中拓哉君の質問が終了いたしました。

 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。

 この際、暫時休憩いたします。

  午前11時55分休憩

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  午後1時0分再開

○議長(尾崎要二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑及び一般質問を続行いたします。

 17番川畑哲哉君。

  〔川畑哲哉君、登壇〕(拍手)

○川畑哲哉君 皆さん、こんにちは。

 仁坂知事の最後の議会となります今議会の一般質問最終日に登壇をさせていただきますことは、光栄の至りに存じまして、まさに議員冥利に尽きます。御配慮をいただきました新島雄議会運営委員会委員長、また、御理解をいただきました先輩・同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。

 また、この後、大トリを務められます井出益弘大先輩にスムーズにおつなぎをするという大切なミッションを背負っておることも重々承知しておりますし、もしかしましたら、私にとりましても、今任期中最後の登壇になるかもしれないという思いを込めて、実のある議論の場となりますよう鋭意尽くしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議長よりお許しをいただきましたので、以下、通告に従い一般質問を始めさせていただきます。

 ロストジェネレーション、略してロスジェネとは、失われた世代や迷える世代等と訳されますが、各文献をひもといてみますと、おおむね第一次世界大戦後の1920年代にパリに滞在していた米国の作家の一群を指し、女流作家ガートルード・スタインがアーネスト・ヘミングウェイに投げかけたせりふに由来するとのことでございます。

 その心は、戦争の惨禍を体現し、既存の価値観への疑念を呈して、新たな生き方を追求したり、あるいは行き場を失って迷走したりした若者の総称と理解することができます。

 一方で、我が国におけるロスジェネとは、バブル経済崩壊後の景気低迷による就職難の時代に学校を卒業した世代とされ、いわゆる氷河期世代や就職氷河期世代とも表現されます。

 政府によりますと、氷河期世代の定義は、1993年から2004年に学校卒業期を迎えた世代であり、1994年には就職氷河期というワードが新語・流行語大賞にノミネートされています。そのさなかの1996年に私は大学へ入学いたしました。

 大学祭の実行委員会で大変お世話になっていました先輩の就職内定先であった山一証券が経営破綻し、大学の担当課を挙げて再度の就職活動へと大慌てされていましたのが明くる97年のことでございます。

 また、1990年代後半から2000年代前半にかけての後期は超氷河期とも呼ばれ、私の同期が卒業した2000年3月卒の求人倍率は1倍を切っていたとのことでございました。

 幸い諸事情がありまして大学に5年在籍しました私は、ひとまずはその難を逃れたわけでございますが、自己啓発のためにと受けた1社を除き、ほぼ就職活動すらせず、自ら選んでフリーター人生へと進んでいったことで、当時は大いに親を嘆かせたものでございました。

 今から振り返りますと、超氷河期の時代にあくせく就職活動すること自体に若げの至りから魅力を感じなかったということもその一因であったのかもしれません。

 私のことはさておき、1993年から2004年に学校卒業期を迎えた世代とは、大卒者であればおおむね1970年から81年生まれとなり、そのうち1971年から74年生まれは、1947年から49年生まれの団塊世代に対応する団塊ジュニア世代と重なります。

 2022年も最終月を迎えました今日では、氷河期世代は全員40代以上となっていますが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によりますと、令和3年における45歳から49歳男性の賃金は、10年前となる平成23年の同年齢階級男性の賃金より約7%低いことが分かります。

 つまり、氷河期世代の男性につきましては、総体的にその後も賃金構造が改善し切れていないことを表している数字であると思いますが、その要因は、バブル経済崩壊による景気低迷に加えて、団塊世代が社内での役職を占めていたことから、その人件費負担が増大していたことによる氷河期世代へのしわ寄せや円高の影響から製造業の工場が中国・東南アジアへシフトし出したことによる高卒就職先の減少に伴う「とにかく大学進学」への機運が高まったこと、さらに1986年に施行された男女雇用機会均等法による女性の総合職への進出等、複数考えられます。

 また、団塊世代のすねをかじることができる時代であったことも影響していると考えられますが、当時フリーター生活を送っていた私もその例に漏れません。

 不安定な雇用状況が結婚や出産を消極的にすることは否定し切れないと思いますが、団塊ジュニア世代が氷河期世代と重なっていたことで、結果、第三次ベビーブームが起こらず、少子化にも歯止めがかからなかったと言えるでしょう。

 一方で、氷河期世代の生きてきた時代は、根性論のなお色濃い昭和でございますが、その学生時代には、PC98/88シリーズやMSXに代表されるホームパソコンだけではなく、ファミリーコンピュータ、PCエンジン、セガサターン等の家庭用テレビゲームに熱中し、ポケットベルやPHS、携帯電話を使い始めた世代でもあります。

 つまり、昭和感のある秩序や企業精神を理解しつつデジタルをはじめとするダイバーシティーを併せ持つ世代であり、時代の変革期にして人口減少期でもある現代においては、まさに活躍が期待される世代であると私は思います。

 現実にSNSの「GREE」創業者・田中良和氏やフリマアプリ「メルカリ」創業者の山田進太郎氏は、私と同じ1977年生まれのいわゆる77世代でございます。

 2019年4月の第5回経済財政諮問会議では、労働力不足の観点から氷河期世代にスポットが当てられ、時の第2次安倍晋三政権は、20年度から3年間で就職氷河期世代の正規雇用者数を30万人に増やすと目標を掲げています。

 和歌山県庁でも令和2年度より就職氷河期世代を対象とした職員採用試験が実施されていますが、その実施状況と今後の取組について総務部長にお尋ねをいたします。

○議長(尾崎要二君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。

 総務部長吉村 顕君。

  〔吉村 顕君、登壇〕

○総務部長(吉村 顕君) 本県における就職氷河期世代を対象とした職員採用試験につきましては、都道府県の中では非常に早い時期である令和元年11月に実施を決定し、発表いたしました。そして、議員御指摘のように、令和2年度から各年度5名の採用予定で試験を行っており、その競争倍率は、令和2年度には12.4倍、令和3年度には10.0倍、令和4年度は8.0倍となっております。この3年間の試験による採用者数は、来年4月の入庁予定者を含めると合計14名となっております。

 今後の就職氷河期世代支援につきましては、国が今年度までの3年間の集中取組期間に加え、来年度からの2年間を第二ステージと位置づけ、地方公共団体に対しても引き続き氷河期世代の採用の取組を積極的に推進するよう依頼があったところであり、県としてもこれまでの採用試験の状況等も踏まえながら検討してまいります。

○議長(尾崎要二君) 川畑哲哉君。

  〔川畑哲哉君、登壇〕

○川畑哲哉君 就職氷河期は、国の政策によって起こったと言える側面もあると思います。また、政策は、地方公共団体が率先して、あるいは継続して実施することで、民間への波及効果が見込めると思います。ぜひ引き続き就職氷河期世代支援を続けていただきますようお願いを申し上げます。

 それでは、次の質問に入ります。

 国の地域就職氷河期世代支援加速化交付金は、令和3年度補正予算額で30億円が計上されていて、事業メニューには地域における就職氷河期世代の実態調査、ニーズ把握、効果検証に始まり、個別指導・研修等の就職前後の一貫した支援、多様な働き方や社会参加の場の創出、正規雇用化に向けた雇用関連助成金の上乗せ等が挙げられています。

 本県における氷河期世代の失業者を雇用する県内企業・事業者への支援はどのように取り組まれているのでしょうか。商工観光労働部長にお尋ねいたします。

 また、内閣府が平成30年に満40歳から64歳を対象にして行った生活状況に関する調査の報告書によりますと、「ふだんどのくらい外出しますか」の問いに「趣味の用事のときだけ外出する」、「近所のコンビニなどには出かける」、「自室からは出るが、家からは出ない」、「自室からほとんど出ない」のいずれかと回答し、かつその状態になって6か月以上たつと回答した広義の、つまり広い意味のひきこもり群は、推計61万3000人のうち男性がその4分の3を占めていることや40歳から49歳で38.3%、初めてひきこもりの状態になった年齢は20歳から29歳で27.7%、ひきこもりの状態になったきっかけの5番目が「就職活動がうまくいかなかったこと」等とされています。

 私は、フリーター時代にひきこもり児童の個別指導に携わらせていただいたことがございましたが、そのときの苦い経験から、ひきこもりの方への対応は、丁寧に時間をかけて誠実にさせていただくことが大切であると痛感をいたしました。

 さきに述べました国の事業メニューには、ひきこもり支援事業等についても記載されています。とはいえ、ひきこもりの方の就労に向けた支援の大前提として、社会参加への支援が必要であると思います。そして、社会参加への支援としては、居場所づくりが何より有効であり重要であると私は考えています。

 そこで、福祉保健部長にお尋ねいたします。本県におけるひきこもりの方に対する居場所づくりについては、どのような取組をされているんでしょうか。御答弁どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(尾崎要二君) 商工観光労働部長寺本雅哉君。

  〔寺本雅哉君、登壇〕

○商工観光労働部長(寺本雅哉君) 就職氷河期世代の失業者を雇用する県内企業・事業所への支援については、令和2年7月に県、和歌山労働局、経済団体や労働団体等から成る和歌山就職氷河期世代活躍支援プラットフォームを設置し、就職氷河期世代の実態やニーズに沿った支援に取り組んでいるところです。

 その中で、令和2年度からの3年間で正規雇用者数を1650人増やすことを目標として掲げています。

 県では、その目標の達成に向け、地域就職氷河期世代支援加速化交付金を活用し、35歳以上55歳未満の失業者または非正規社員で一定の条件に該当する方を雇い入れた県内企業・事業所に対し、助成する制度を設けているところです。

 また、就職活動を支援するため、就職氷河期世代を含む求職者を対象とした合同企業説明会を開催するなどの取組を行っています。

 今後も引き続き、関係団体と連携し、就職氷河期世代の正規雇用支援に取り組んでまいります。

○議長(尾崎要二君) 福祉保健部長志場紀之君。

  〔志場紀之君、登壇〕

○福祉保健部長(志場紀之君) 県では、平成16年度に全国に先駆け、民間のひきこもり支援団体の協力の下、ひきこもり者社会参加支援センター事業を実施し、居場所の活用を進め、その後も就職氷河期世代に限らず、広くひきこもりの方を対象とした居場所の充実に取り組んでまいりました。

 本県のこの先進的な取組がモデルとなり、平成30年度に国においてひきこもりサポート事業が創設されました。本事業の活用により県内市町村の居場所づくりがさらに進み、今年度には27市町村が本事業を活用し、全障害保健福祉圏域に計10か所の居場所が設置されています。

 また、市町村やひきこもり支援団体等が行う各圏域での会議において、全市町村の居場所づくりに向けた協議を主導するなど、様々な課題を解決するため、必要な助言や情報提供を行うとともに、ひきこもりの理解を深めるための県民を対象にした講演会の実施や支援者の資質向上を図るため、研修会を開催し人材育成に取り組むなど、ひきこもり支援を進めているところです。

○議長(尾崎要二君) 川畑哲哉君。

  〔川畑哲哉君、登壇〕

○川畑哲哉君 それでは次に、和歌山県庁内で実施されているインターンシップ制度についてお尋ねします。

 人口減少の時代であるからこそ、不安定な雇用状態や無業状態にある氷河期世代の方々には、ぜひとも正規雇用者としての御活躍を御期待申し上げるところでございますが、今後、第二の氷河期世代をつくらないことも大切であると思います。

 その意味では、コロナ禍により窮屈な学生生活を強いられ、十分な就職活動ができていない昨今の新卒者の就職をスムーズに行えるように配慮すべきであり、インターンシップ制度の充実はその一助になると私は考えています。

 平成30年より自由民主党和歌山県支部連合会の学生部担当として、私も学生インターンシップの受入れを始めさせていただきました。

 これまでに県連としては、他の先輩・同僚議員と御一緒に5年間で8名の学生を受け入れ、また、私の個人事務所でもこれまでに4名の学生、社会人をインターンシップ生として受け入れてまいりました。

 インターンシップ生と共に行動し、共に出会った事象に対して意見交換をし、共にテーブルを囲んでいますと、私たちも学ぶことが多く、有意義な活動であると思っています。

 インターンシップ生の報告会を実施させていただきますと、同様に有意義な経験ができた旨の感想を聞かせていただきますし、中には政治への興味が強くなったとか、社会人になる楽しみが増したとかというお声もお聞きしています。

 和歌山県庁でも以前よりインターンシップ生を受け入れているとお聞きしていますが、県庁内でのインターンシップ制度の実施状況及び今後のさらなる充実に向けた取組について、総務部長の御答弁をお願いいたします。

○議長(尾崎要二君) 総務部長。

  〔吉村 顕君、登壇〕

○総務部長(吉村 顕君) 県庁でのインターンシップにつきましては、学生の夏季休暇期間に当たる8月から9月にかけて実施しており、今年度は17機関で40名の学生を受け入れております。

 学生の皆さんには、実際の県庁の事務的な業務の補助やイベントの運営等を経験していただいており、学生からは「実際の県庁の雰囲気を感じることができ、モチベーションが上がった」、「公務員という職業についての面白さや魅力を学べた」などの意見をいただいております。

 インターンシップ制度は、学生にとっては、業務内容や職場の雰囲気等を知ることができ、職業を選択するための重要な機会であります。県にとっては、民間とは異なる県庁の仕事のやりがいや魅力を知ってもらう絶好の機会であります。この機会を生かして、一人でも多くの学生に県庁を志望していただくために、受入れ課室を拡大し、多様な研修プログラムの提供に取り組むとともに、各部局で好事例を共有するなど、研修内容の充実を図ってまいります。

○議長(尾崎要二君) 川畑哲哉君。

  〔川畑哲哉君、登壇〕

○川畑哲哉君 自民党和歌山県連インターンシップ及び川畑インターンシップでは、守秘義務遵守等の事項を定めた誓約書にサインをいただきますが、期間中は、行く先や出会う人、交わす会話等、ほぼ全て隠すことなく体験をしていただきます。このスタイルが他の職場でのインターンシップや学生生活では感じることのできない刺激へとつながり、それがインターンシップの魅力の一つになっているのかなあと思います。

 これ、私がフリーター1年目の際に参加させていただきました大阪府池田市の市長インターンシップのスタイルをモデルにさせていただいています。当時の私は、かのインターンシップで政治や行政のダイナミズムを痛感し、政治家や公務員の仕事に大変な魅力を感じたものでございます。

 個人情報等の漏えいには十分気をつけていただかなくてはいけませんが、受入れ課室によって温度差の出ることがないよう、和歌山県庁のインターンシップはかくあるべしという気概に満ちたガイドラインのようなものをぜひ御策定いただき、一人でも多くのインターンシップ生が県庁職員の仕事に憧れを抱いていただけるよう、さらに和歌山県庁インターンシップを充実させていただきますことを強く要望いたします。

 それでは、次の質問に入ります。

 私は、人口減少の時代に交流人口及び関係人口を増やすことは、極めて大切であると考えています。

 同時に、県民の県外流出をいかに食い止めるかということも肝要であり、そのためには進学や就職以外に県外流出の要因と考えられるアーティスト及びアーティスト志望者が県内で活動しやすい環境や仕組みをつくる必要があると思います。

 アーティストはアーティストを呼びます。県内で活躍するアーティストが増えると、本県にやってくるアーティストも増え、必然的にそのアートを楽しみに来県される方々も増えます。

 アートやアーティストが町なかに増えると、地域のアート感が高まり、文化レベルの向上につながります。文化レベルが高まると、その地域での暮らしはより豊かになり、文化芸術活動だけではなく、学術や経済活動のさらなる充実につながることも期待されます。

 そこで、アーティストの育成として、幼少期からアートに触れる機会を増やしたり、アートを学ぶ施設やエリアを増やしたり、アーティストの作品披露の機会を増やしたりということを御提案申し上げたいと思います。

 例えば、和歌山県内にはアートなモニュメントが極めて少ないと感じますので、とある街道のつじつじに本県ゆかりのアーティストによるデザインやモニュメントを設置するアート街道を創設するとか、県有施設の壁面をキャンバスとして提供するとかということが実現すれば、故郷に自分の作品を残せたアーティストは郷土愛をより強くするでしょうし、地元の後進育成にもつながると思います。

 本年度よりきのくに文化月間が創設され、先月にはすばらしいきのくに文化月間創設記念イベントも行われ、今後の取組には非常に期待しているところでもございます。

 アーティストの育成や活動の支援について、企画部長のお考えをお尋ねいたします。

○議長(尾崎要二君) 企画部長長尾尚佳君。

  〔長尾尚佳君、登壇〕

○企画部長(長尾尚佳君) 議員からお話のありましたとおり、県内で活躍するアーティストが増えると、文化芸術への関心が高まり、文化レベルの向上につながるとともに、そのアーティストを中心とした仲間が集うことで、交流人口や関係人口が増加し、ひいては地域の活性化にもつながると考えております。

 アーティスト育成のためには、次代を担う子供たちが多種多様な文化技術に触れ、興味を持ち、理解を深めるとともに、創造活動に携わる人材にその活動の場を提供することが重要であります。

 そのため、クラシックコンサートやバレエ公演、伝統芸能など、様々な鑑賞事業を実施するとともに、子供たちの発表の場としてジュニア県展を開催しております。

 また、新人・新進芸術家を対象にオーディションを開催し、優秀者による演奏を行う新人演奏会の実施やアーティストバンクに登録されている芸術家の幼稚園や小学校等への派遣など、県内芸術家の発表機会の創出にも取り組んでおります。

 県としましては、今後とも文化芸術を担う人づくりに積極的に取り組んでまいります。

○議長(尾崎要二君) 川畑哲哉君。

  〔川畑哲哉君、登壇〕

○川畑哲哉君 どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、最後の質問でございます。

 平成27年8月に視察させていただきました静岡県舞台芸術公園及び静岡芸術劇場では、専用の劇場と稽古場を有する専属の劇団が舞台芸術作品の創造活動を行い、国内外からの芸術家の招聘や若手芸術家の育成等、地域活性化につながる発信型の劇場運営をされています。

 演出家・宮城聰氏による「文化は創らなければいけない」、「豊かな自然と温かい人情だけでは取り柄にならない」との言葉は心に刺さりました。

 静岡県の小学生は、小学校在校中にこの芸術劇場を訪れて劇団の劇を鑑賞し、舞台の稽古をすることで県民としての誇りや愛着を強く持つことにつながっていると感じているとのことでございました。

 和歌山県は、豊かな自然や穏やかな気候に恵まれ、太平洋にせり出した当半島はアジア・オセアニアを臨み、関西国際空港からも近く、グローバルな文化芸術活動による地方創生が可能な素養と環境を備えていると思います。

 近年、岩出市備前かいわいで取り組まれている2463アートプロジェクトの作品群には、老若男女を問わず観覧者が訪れていますし、先月、岩出市の旧県会議事堂「一乗閣」にて、国内外で活躍されている岩出市ゆかりのアーティストが集われて開催しました根來アート散歩では、初開催ながら2日間で700名という一乗閣移築オープン以来の最多動員数を記録したことからも、そのことはうかがえると思います。

 アートを大切にしていくことこそ、和歌山県がずっと輝き続けていく大きな政策の柱であると私も確信をしています。

 今議会の冒頭、仁坂知事より、時代は人口減少に転じていること、時代の変化の波を捉え、果敢に挑戦していくチャンスのときであること、和歌山県は多様な自然文化を有し、イノベーティブな気質を持つ人々をたくさん輩出してきた非常に豊かな土地柄であることが述べられました。

 そこで、仁坂知事にお尋ねいたします。

 アートを大切にするということ、ひいては和歌山県の文化芸術振興について、どのような思いを持って取り組んでこられたのでしょうか。御答弁をどうぞよろしくお願いいたします。

○議長(尾崎要二君) 知事仁坂吉伸君。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 文化とスポーツが盛んで教育がうまくいっているというところが、私は最高だと思っております。ほかはどうでもいいのかと言うと、それは全然違いまして、文化とかスポーツが盛んに行われるためには、ちゃんと所得も行き渡っていないといけないし、施設もきちんとできていないといけないし、福祉サービスなどもちゃんとできていないと、そんなものはできないということでございますので、いろんなものがそろった上で、文化、スポーツ、あるいは教育がうまくいっているところが一番よろしいというふうに思います。

 和歌山県では、万葉の時代から多彩な文化芸術が創造され育まれてきました。

 近年では、きのくに音楽祭や「おどるんや~紀州よさこい祭り~」、和歌祭、和歌山ものづくり文化祭など、民間の文化芸術活動も活発に行われるようになり、これらの立派な活動によって県民の文化芸術への関心がより一層高まってきたと思います。

 こうした個性豊かで魅力のある文化芸術の土壌を未来へと継承し、発展させ、地域の文化力を高めるため、県ではこれまで様々な施策を実施してまいりました。文化を支えるためのほかの政策に加えて、文化そのものについても政策を出してまいりました。

 従来は、活動をしなくてもしても、一律にお金を民間の文化芸術団体にばらまいていたんですけれども、そういうのはやめまして、それで、どんな事業を実施しているかというのを言わばコンペスタイルで競ってもらって、優れたものの順に積極的に支援する、だから一生懸命やろうとしている人が報われるような形にさせてもらいました。

 また、和歌山県美術展覧会、これは歴史のある立派なものでございますが、これを改革いたしました。それから子供たちの文化に関する意識の高揚や振興を図るために、和歌山県ジュニア美術展覧会というのを併せて行うことにいたしました。

 そして、昨年、全県を舞台にして開催いたしました紀の国わかやま文化祭2021では、県内全域が文化一色に包まれ、多くの方々が地域や世代、ジャンルを超えてお互いに理解を深め、感動と喜びを分かち合うことができたと思います。たまたま高校総文も同じ年にありまして、これも若い人たちが大活躍をしてすばらしかったと思っております。

 このように、県民の間で高まったこの文化の機運をさらに発展させていくために、毎年11月を「きのくに文化月間」と定めて、今年度は市町村や文化団体と連携いたしまして、県内全域で65の連携事業を実施することができました。私はごく僅かしか行けなかったんですけれども、皆すばらしい事業だったと思いました。

 11月12日は、月間創設イベントを開催いたしまして、その中で文化芸術分野の高い評価を受けた小・中・高校生を対象としたジュニア文化表彰を実施するとともに、受賞者の発表や展示の機会を設けたところでございます。

 今後も、先人から受け継いできた豊かな文化を次の時代へとさらに発展させ、文化の咲き誇る和歌山の実現を目指してもらいたいと思います。

○議長(尾崎要二君) 川畑哲哉君。

  〔川畑哲哉君、登壇〕

○川畑哲哉君 知事から思いを語っていただきました。

 私の地元、岩出市にもゆかりの深い仁坂知事ですので、岩出市でも随分親しまれて愛されてこられました。

 私ごとでございますが、私が初めて仁坂知事にお会いさせていただきましたのは、平成18年11月25日のことと記憶をしています。その年の1月に世耕弘成参議院議員事務所で秘書を始めさせていただきましたが、参院選を明くる年に控え、担当する各地で後援会、組織づくりですとか、国政報告会の開催ですとか、そういう大切な重いミッションを背負って、まさに寸暇を惜しみ、寝る時間を圧縮して各地を駆け回っているところでございました。

 そして、その日は初めて手がけさせていただきました橋本市での国政報告会の日でございまして、当日になって、急遽この人が行くからと連絡が入りまして、知事選告示前の仁坂吉伸候補予定者がその会場となっていました橋本市民会館へやってこられまして、スピーチ後に会場を後にされて、迎えの車を待たれているときに名刺交換をさせていただきました。あのときのオレンジ色の名刺は今も大切にしまっております。

 県議会へ送っていただいてからは、御一緒させていただきましたブラジルのサントス市のモンテ・セハーの丘など、振り返ってみますと思い出は尽きませんが、とにかく4期16年にわたり、最前線でふるさと和歌山県の発展に向けて、県政を担ってこられました仁坂知事に心から敬意を表し、私からも心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。そして、お疲れさまでございました。

 これからも健康で叱咤激励、御指導・御鞭撻賜りますようお願いを申し上げまして、そして、ますますの御活躍をお祈り申し上げまして、私の人生17度目の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 以上で、川畑哲哉君の質問が終了いたしました。

 質疑及び一般質問を続行いたします。

 7番井出益弘君。

  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)

○井出益弘君 お疲れのところ、最終の最終、大トリですので、しばらく御静聴をお願いします。

 仁坂県政16年を振り返ってという題で、まず、16年間の仁坂県政を高く評価する者として、その功績のうち代表的なものを紹介した上で、最後に、仁坂知事から自らの県政を振り返っていただき、一言コメントといいますか、答弁をいただきたいと思います。

 まず、道路インフラの整備についてであります。

 第二阪和国道など県内各所で幹線道路の整備が進み、紀伊半島一周高速道路の実現に見通しをつけるなど、仁坂知事在任中に県下の道路事情は目に見えてよくなりました。

 途中、民主党政権誕生によって進捗が停滞し、先行きが危ぶまれましたけれども、それを持ち前の突進力で乗り越えられました。半島地域、自然災害多発地域でもある和歌山県にとって、道路インフラは、知事が言われるように「チャンスの道」、「命の道」であります。

 午前中の質問でもお話がありましたけども、紀淡海峡大橋の話がありました。私たちも、自民党県議団でも以前から第2国土軸として、国に進捗を要望しておったものが、それが消えてしまったような形になったんですけども、その後、自民党・公明党政権になってから、太平洋新国土軸として、また、以前に続行して建設に向かって走っております。それは、この紀淡海峡大橋のことであります。今後の和歌山のことを考えますと、格段に整備が進んだ道路インフラは、多くの県民に恩恵と安心をもたらし、和歌山が大きく発展することに寄与するものであると確信しています。

 次に、観光振興についてであります。

 道路インフラの整備が進むにつれ、観光客数も増えてきました。県議会も観光振興議員連盟というのが設置されました。まさに「チャンスの道」であります。コロナ禍前の令和元年には、観光客数と外国人宿泊者の数は過去最高を記録しました。また、最近では、海外の旅行誌などでも、県内観光地や和歌山県そのものが相次いで高評価を得ています。

 これらは、何も道路インフラ整備が進んだからだけではありません。もちろん、県民の皆様のおもてなしの心や豊かな観光資源を有するからでありますが、タイミングを見計らったキャンペーンの実施や、日本一ではないかと思う、いわゆる「おもてなしトイレ」の整備など、売り出す、招く、もてなすの総合的な観光振興策を知事のアイデアの下、地道に取られてきたことが、この観光立県和歌山の不動の地位を確立させたと思います。

 先般、12月6日に日本航空JAL便の羽田─白浜空港便が、来年2月には1日3往復6便から4往復8便に増便との発表がテレビで報じられました。

 以前、私たち県議会議員も羽田に行くときに、白浜から行ってもらえへんかというような運動もありまして、その頃は、私も家族と上京あるいは帰宅のときに、白浜便が3往復から2往復に減便されるんじゃないかというような心配もあった時期でした。ですから、白浜空港を利用して羽田と往復をしたのが懐かしく思い出されます。

 次に、新型コロナウイルス感染症対策であります。

 コロナ禍の最初期に発生した国内初の病院でのクラスター、その対応は見事の一言でありました。国内のメディアだけでなく、アメリカのワシントン・ポスト紙でも大きく取り上げられ、その手腕は大きく評価されました。

 もちろん、このクラスターへの対応だけではなくあらゆる新型コロナの対策において、国の指示に何でもはいはいと言うのではなく、論理的に何が正しいかを常に考え、感染症対策の責任者は現場の知事であるという強い信念と責任感を持って対処されました。すなわち、早期発見・早期隔離、徹底した行動履歴の調査、保健所の統合ネットワークシステムの4本柱の下、保健医療行政をフル活動させ、県民の行動制限を最小限にするという和歌山モデルによって新型コロナに対応する知事の姿を見て、県民はどれだけ安心し、知事のことを誇らしく思ったでしょう。

 この頃は、私も、この関係の保健所の皆さんとか、病院の関係者とか、本当にハードなことを強いられているというか、知事が一生懸命やるもんですから、それに一生懸命また協力してくださって、その姿といいますか、いろんなのを見ていますと大丈夫かなと思ったぐらいですけど、見事に和歌山としては、日本で有名なぐらい、そしてまた和歌山ええなあと、コロナ、本当に和歌山、ええ対策取っているなあと言われて、東京なんかでも随分そういう話を聞いて、私もうれしく思いました。

 まさに、新型コロナウイルス対応では、知事の卓越したリーダーシップと強い責任感を改めて実感させられました。

 次に、関西広域連合長への就任についてであります。

 知事は、連合長就任前から和歌山県の発展には関西の発展が不可欠であるとの信念の下、関西国際空港のハブ化や北陸新幹線の早期の大阪延伸等を強く訴えられてこられました。

 連合長に就任されてからは、それぞれの個性や魅力を最大限に発揮しようと強い思いを持ち、時には考えや価値観が異なることもある知事や市長をよくリードし、関西広域連合を盛り立ててこられました。

 あわせて、和歌山県の知事が言わば関西の顔になるということで、和歌山のステータスが高まったのではないかと思います。

 最後に、私が政治生命をかけて取り組んできた和歌山市内の紀の川流域の水害対策であります。

 これは、私の地元のことでもあって、本当にこの水害での床上浸水とかいろんなことを聞くたびに、あるいは作物が全部浸かって、泥水に浸かったんで、食べられたら食べてと言って、たくさん軽四へ積んで持ってきてくれた、私も頂くのは頂いたんですけども、本当にこれでいいんかなあと、私らもろてね、黙っておって、このままで過ごしたらよ、本当に県民の代表としての役を果たせていないんじゃないかという日が続きました。

 七瀬川の河川改修、七瀬川流域の国営総合農地防災事業、出水時の紀の川大堰操作規則の見直しなど、県議会で一般質問をしましたが、何といいましても平成30年2月議会で初めて質問しました新六ヶ井堰の撤去についてであります。今日は、詳細な話はしませんが、最初は国、それから県も理解はしてくれるものの難攻不落の案件でした。

 しかしながら、新六ヶ井堰の撤去の必要について、粘り強く国に訴え、紀の川筋の県議会議員24名で、紀の川の治水に関する研究会を立ち上げ、何度も県議会で県土整備部長、そして知事に訴え続けた結果、知事は、私や紀の川の治水に関する研究会の会員有志議員の熱意に応えるべく、一緒になって汗をかいてくれました。その知事の後押しがあったからこそ、「国において急遽、新六ヶ井堰撤去着手にかかる予算がついた」と、5日に二階先生より「新六ヶ井堰取壊し着手の予算が、まず、今回の補正予算では約10億ついた」と連絡をいただきました。これは正確には9億9100万円であります。

 そして、知事が、ちょっとついたというお話、ちょっとさせてもらったら、ちょっとだけでええねんけどなあと言うんで、私もちょっとだけって言うて、どんな、穴ほどのちょっとというぐらいかなあということやったんですけど、なかなかちょっとというか、資料を見せていただいたら10メーターから20メーターぐらい底まで取ると。この補正でこんだけ底まで取ってくれる。そしてまた、最終的にはこの紀の川新六ヶ井堰の南端から北端のこの両岸の護岸を整備した上で、全部中を取ると、全部取ってしまうということになるものでありますが、川底に残っている新六ヶ井堰が撤去され、川底が大きく下がれば、紀の川大堰北岸上流地域の床上浸水や農作物の被害等の内水被害、または西脇山口線や支線の冠水による通行止めなどがなくなります。そして、私たち県民や企業の目指す安心・安全なまちになります。本当に感謝申し上げます。

 仁坂知事の功績を幾つか挙げさせていただきましたが、これに限らず、紀伊半島大水害から早期復興や串本へのロケット発射場の誘致成功など、まだまだ功績はたくさんあります。

 改めて、仁坂県政に最大限の賛辞をお贈りするとともに、仁坂知事の16年間の御奮闘に感謝を申し上げる次第でございます。

 それでは、結びとして、知事御自身の県政16年を振り返っていただき、その上で県民の皆さん、県議会議員の皆さん、職員の皆さんに、それぞれ一言ずつメッセージをいただきたいと思います。

○議長(尾崎要二君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。知事仁坂吉伸君。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 大変過分のお褒めのお言葉をいただきましたが、高評価をいただいたことも無我夢中で取り組んでいたら結果がまあよかったというようなものが多くて、初めから余裕しゃくしゃくでやっておったわけではないなあというふうに思います。

 それに、県政は知事一人のものではございません。たまたま私が知事のときにできた結果ということだろうというふうに思います。県庁の職員の頑張りと議会の皆さんの御指導と御協力、それから国会の先生方や官庁の方々の御支援、何よりも県民の多くの方々のエネルギーでできた話だと思っております。

 県政の16年を振り返って、その上で県民の皆さん、県議会の皆さん、職員の皆さんにメッセージということでございますので、まず、私の振り返っての思いから申し上げたいと思います。

 仁坂県政は、前知事の逮捕という和歌山県政史上最大の不名誉からの出発でありました。選挙をやっておりまして驚きましたことは、実は、応援してあげるけど、もう悪いことはしないでねというふうに言われたことであります。私は霞が関で働いておりましたので、そういう役人は一般に頭が固いとか、冷たいとか、偉そうだとか、そういうのはよく言われることなんでございますが、まさか刑法犯にもうならないでねと言われるとは思っておりませんでございました。

 でも、これはやっぱり県民の方々の本当のお気持ちだなあと、こういうことが二度と起こらないように、官製談合のできないような、かつ建設業界のためにもなるような公共調達制度を早急につくらなあかんなというふうに思って始めたというところもございます。

 また、選挙であちこち回っておりますと、どうも元気がないなあというところをたくさん見ました。私の子供の頃から見て何かおかしいと、それに道路建設など、どう考えてもこれは論理的にできていないなあというふうに思いまして、これでは和歌山県が負けるようになっておるし、県民が活躍できるようにはなっておらんというふうに思いました。

 したがって、その障害になっているようなジャンルで多くの改革をしていかないといけないと思ったわけであります。一方、財政は実は大変でございまして、それをうまくごまかしながら進めていかなきゃいけないというところでございました。

 このように、近年いささか地盤沈下をしてきた和歌山県の県の勢い、そういう意味での県勢を取り戻して、元気な和歌山へ回復するために奮闘してきたということでございます。

 さらに、やっておりますとうまくいくこともございますが、突然苦難が襲いかかることもあります。中でも、紀伊半島大水害を筆頭とする自然災害、それから鳥インフルエンザ、山火事、片づいたと思ったらコロナとの闘い、そういうものに明け暮れたところもございました。こういうのを食らうと、意気阻喪しそうになるわけでございます。ただ、最高司令官が知事ですから、最後まで頑張らないといけないという思いで何とかしのいできたわけですが、しのいだら、そのたびごとに次の備えができていっております。

 次はもうちょっと強くなるんじゃないかと思いますが、もっと物すごいやつが襲いかかってくるかもしれないということだろうというふうに思います。ともすれば、こういうときは逃げたくなるわけでございまして、責任をほかの人に、あるいはほかの機関に押しつけるということをやりたくなるわけでございますが、私は、和歌山で起こったことは、とにかく皆自分の責任、自分がやったことと関係するかどうかは別にして、そんなことは関係なく、悪いことが起こったらみんな自分の責任、知事の責任だと思おうということにしておりました。そしたら、もう逃げることはできないので、一生懸命頑張って正しい解を追求し続けたかなというふうに考えております。

 こうやって、やってまいりました結果、16年間でこれまで和歌山県の発展を阻害してきた要因は大分取り除かれたような気がします。今後の発展の基礎条件の整備を進めることができたかなというふうにも思います。あとは、この基礎条件の下に、優秀な和歌山県民が世界中の方々と協力しながら雄飛する素地は十分にできたんじゃないかと思っております。

 現に最近見ておりますと、各産業界とか県民活動の様々な分野で明るい積極的な動きが見られるようになってきました。また、特に県在住の方も、それから関東やあるいは関西在住の県出身者の方からも「最近はどこででも和歌山県人だということを誇れるように、誇って言えるようになりました。長い間ありがとう」という言葉をいただきました。そういうときはとてもうれしくなったわけでございます。これからは新しい知事の下、全ての県民が力を合わせて明るい未来を切り開いてくれると信じております。

 そして、私の願いでございますけれども、こうやって再び和歌山県が県の勢いを回復し、和歌山県の相対的地位が高まり、県民が昔よりも豊かさと幸せを感じられるようになって、県民の皆さんが過去を振り返って「仁坂知事の頃の和歌山は今から考えると底だったんだなあ」と思ってくださるようになることが、私の願いでございます。

 以上が、私の思いでございますけれども、県議会、県民、そして県庁の職員に一言ずつメッセージをという仰せでございます。

 まず、県議会の皆様にはありがとうと申し上げたいと思っております。きちんと県政をチェックしてくださり、協力して一緒に働かせていただいたことに心から感謝を申し上げます。

 県民の方には、やはりありがとうございましたとの感謝でございます。ふるさとの、生まれ故郷の知事として16年間も働かせてくださったわけでございます。いいことは評価してくださり喜んでくださった、そのことにどれだけ勇気づけられたことでありましょう。心から感謝を申し上げたいと思います。

 そして、県庁の皆さんには、やはりありがとうございますであります。私の結構高い水準の要求にもよく応えて、本当に県政を立派に盛り立ててくれたというふうに思います。おまけに、どんどん活動範囲が広がり、自らどんどん考えて行動してくれるようになりました。

 このように、全ての皆さん、この16年間、本当にありがとうございました。皆さんのおかげで、本当に楽しく生まれ故郷和歌山のために仕事をさせていただくことができました。ありがとうございました。(「ありがとう」と呼ぶ者あり)(拍手)

○議長(尾崎要二君) 井出益弘君。

  〔井出益弘君、登壇〕

○井出益弘君 大変すばらしい、感動を受ける御答弁、ありがとうございました。

 私も、自分のことも反省しながらちょっと知事にお願いといいますか、政治家は、奥さんの協力なくて、なかなか仕事がうまくいかないと思うし、また、奥さんもちょっと御無理されていると、体の調子が悪いというのをかなり以前から聞いとったもんですから、私もなかなかそんなこと言える者じゃないですけど、本当に奥さんがやっぱり早く元気になってもらって、そしてまた一緒に和歌山へ、我々、皆が頑張っているというところを見に来てもらって、ぜひそういうことをお祈り、お願いして、感謝の気持ちで質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

○議長(尾崎要二君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。

 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎要二君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。

 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。

 お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第136号から議案第164号までは所管の常任委員会に付託いたします。

 お諮りいたします。12月12日及び13日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎要二君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。

 次会は、12月14日定刻より会議を開きます。

 本日は、これをもって散会いたします。

  午後2時0分散会

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