令和3年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)


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令和3年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号

議事日程 第7号

 令和3年3月10日(水曜日)

 午前10時開議

 第1 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第59号まで、議案第61号から議案第64号まで、議案第66号から議案第70号まで及び議案第73号から議案第85号まで(質疑)

 第2 一般質問

 第3 議案の付託

 第4 請願の付託

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会議に付した事件

 第1 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第59号まで、議案第61号から議案第64号まで、議案第66号から議案第70号まで及び議案第73号から議案第85号まで(質疑)

 第2 一般質問

 第3 議案の付託

 第4 請願の付託

 第5 議案第86号(当局説明)

 第6 休会決定の件

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出席議員(42人)

 1番 鈴木德久

 2番 山家敏宏

 3番 中本浩精

 4番 堀 龍雄

 5番 藤山将材

 6番 岸本 健

 7番 井出益弘

 8番 宇治田栄蔵

 9番 北山慎一

 10番 玄素彰人

 11番 中西峰雄

 12番 秋月史成

 13番 森 礼子

 14番 濱口太史

 15番 尾崎要二

 16番 冨安民浩

 17番 川畑哲哉

 18番 玉木久登

 19番 鈴木太雄

 20番 岩田弘彦

 21番 吉井和視

 22番 谷 洋一

 23番 佐藤武治

 24番 岩井弘次

 25番 中 拓哉

 26番 多田純一

 27番 新島 雄

 28番 山下直也

 29番 中西 徹

 30番 谷口和樹

 31番 藤本眞利子

 32番 浦口高典

 33番 山田正彦

 34番 坂本 登

 35番 林 隆一

 36番 楠本文郎

 37番 高田由一

 38番 杉山俊雄

 39番 片桐章浩

 40番 奥村規子

 41番 尾﨑太郎

 42番 長坂隆司

欠席議員(なし)

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説明のため出席した者

 知事         仁坂吉伸

 副知事        下 宏

 知事室長       細川一也

 危機管理監      森田康友

 総務部長       田村一郎

 企画部長       田嶋久嗣

 環境生活部長     田中一寿

 福祉保健部長     宮本浩之

 商工観光労働部長   大山 茂

 農林水産部長     角谷博史

 県土整備部長     庄司 勝

 会計管理者      城本 剛

 教育長        宮﨑 泉

 公安委員会委員長   中野幸生

 警察本部長      親家和仁

 人事委員会委員長   平田健正

 代表監査委員     保田栄一

 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫

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職務のため出席した事務局職員

 事務局長       中川敦之

 次長         井邊正人

 議事課長       山田修平

 議事課副課長     岩井紀生

 議事課議事班長    岸裏真延

 議事課主査      松田太郎

 議事課主査      伊賀顕正

 議事課主事      松本 悠

 総務課長       嶋岡真志

 政策調査課長     神川充夫

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  午前10時0分開議

○議長(岸本 健君) これより本日の会議を開きます。

 日程第1、議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第59号まで、議案第61号から議案第64号まで、議案第66号から議案第70号まで及び議案第73号から議案第85号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。

 30番谷口和樹君。

  〔谷口和樹君、登壇〕(拍手)

○谷口和樹君 皆さん、おはようございます。30番、改新クラブ、谷口和樹でございます。今日はよろしくお願いいたします。

 まずは質問に入ります前に、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々、また御遺族の皆様方に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、感染された方、または後遺症に苦しむ皆様方にお見舞いを申し上げます。

 さらには、コロナ禍で御苦労されております事業所等の皆様方にもお見舞いを申し上げます。

 一日も早い日常を取り戻し、経済回復とともにコミュニティーの回復に向けて努力したいと思います。

 また、あした3月11日は、2011年に発生した東日本大震災から10年目に当たります。謹んで御冥福をお祈りするとともに、今なお厳しい状況にある被災された皆様方にお見舞いを申し上げます。

 想像を絶する多くの被害があったこの当時も、自らも被災しながらも救助、復旧の最前線に立つエッセンシャルワーカーたちの姿がありました。

 現在、コロナ禍で大変な目に遭ったり、窮屈な日常を強いられたりしていますが、同時に、当たり前にできていたこと、当たり前であったことの大切さや重要さを思い知る場面があります。

 医療現場をはじめ、ライフライン、サプライチェーンを支える方々、どんな状況でも市民の皆様の当たり前を維持するために立ち向かうエッセンシャルワーカーの社会的立ち位置について改めて考える、そういう観点から質問をしたいと思います。

 まず1問目、鳥インフルエンザ、豚熱等の感染症処理につく職員に対する防疫業務等手当について。

 先般発生しました鳥インフルエンザ、豚熱等の発生に見舞われた事業者と屠殺処分、防疫業務等に従事されました皆様方には、心から御慰労と敬意を申し上げます。

 昨年12月に紀の川市にて発生した鳥インフルエンザは、12月10日午前9時に殺処分を開始し、翌日午前8時近くまでに6万7580羽の鶏の処分を完了させました。この間、防疫措置終了までに延べ1940人が作業し、うち県職員1412人が出動しました。

 また、本年1月にかつらぎ町にて発生しました豚熱では、1月27日午前9時過ぎに殺処分が開始され、午後10時頃までに267頭の処分を完了させました。この間、防疫処理終了までに延べ400人の県職員が出動しました。

 鳥インフルエンザ発生時、また豚熱発生時の処理には、担当する課かどうかにかかわらず、多くの県職員が一丸となって殺処分やウイルス処理に取り組みます。未経験のウイルスに接することに併せて、生きた鳥、豚の殺処分には、身体的な負担以上に精神的なダメージが大きいことは容易に推察されます。

 しかしながら、農林水産委員会に御報告をいただいた際、お聞きして驚いたのが、この専門外の職務に当たる際の職員に支払われる防疫業務等手当が1日当たり330円であることでした。

 これは通常デスクワークに当たる職員が、殺処分業務に幾ら自分の意思で職務に当たるにしても、少な過ぎるのではないかと感じますし、一般社会に照らし合わせても常識外れの安値ではないかと思います。

 現在のコロナ禍で、それまで当たり前であったことの大切さに気づくことが多くあります。また、おざなりになっていた当たり前のありがたさに気づくことが、コロナ禍の後の社会をつくっていく上で大切なことでもあります。

 エッセンシャルワーカーに対する社会意識に問題提起する意味でも、この防疫業務等手当に対して質問をさせていただきます。

 人への感染も報告される感染症にもかかわらず、なぜこの防疫業務等手当はこの安価な金額になっているのか。実際の殺処分作業自体の負担に関する考えも踏まえて、総務部長にお聞きをいたします。

○議長(岸本 健君) ただいまの谷口和樹君の質問に対する答弁を求めます。

 総務部長田村一郎君。

  〔田村一郎君、登壇〕

○総務部長(田村一郎君) 先般の鳥インフルエンザや豚熱の発生に際し、議員からねぎらいの言葉をいただきましたことにつきまして、感謝申し上げます。

 処理に当たりました職員は、手当について、もやっとしてしまうのも人情だとは思いますが、それはひとまず横に置きまして、金でやっているのではない、県民のために一刻も早く防疫措置を完了させるんだ、これが県庁職員であるのだと、高い使命感を持って業務に当たってくれたと考えております。

 しかし、この寒い季節に夜通しで8時間45分のシフトの中、少し前まで動き回っていた鳥などの重い死体を運んだりするなどの、そういった防疫業務が身体的、精神的に大変な作業であるとは認識しているところでございます。

 議員御指摘のとおり、現在の防疫業務等手当は、日額330円となっておりますが、これは地方公務員法第24条第2項において、地方公共団体の職員の給与は、国及び他の地方公共団体の職員の給与の事情を考慮して決定するよう定められていることから、国及び他の地方公共団体の同種の手当の水準を踏まえた上で決定したものでございます。

 国におきましては、防疫等作業手当は他の特殊勤務手当との均衡を考慮して、日額290円から380円、作業内容で額に違いがあるのですが、290円から380円を支給することとなっております。また、近畿府県におきましても日額300円台としている団体が多数を占めておりますので、現時点において本県の水準は国及び他府県とおおむね均衡していると考えております。ということでございまして、大変な中で業務に当たられてはいるのですけども、日当は330円となっているところでございます。

 職員に聞きますと、前回の鳥インフルエンザのときは、支給された弁当が、鶏の空揚げが入った弁当だったということを聞きましたので、それではさすがに酷であるということで、今回は鳥を除いた弁当としておるところでございまして、日当ではなかなか応えられないところでございますけども、できるだけ苦労されている職員の気持ちに寄り添いたいと考えるところでございます。

 なお、今後、社会情勢の変化等により防疫業務等手当の対象業務や金額について、国で見直しが行われた際には、他府県の動向も踏まえて、適時適切に改正してまいります。

○議長(岸本 健君) 谷口和樹君。

  〔谷口和樹君、登壇〕

○谷口和樹君 平成10年以降、少なくとも20年以上据え置かれている防疫業務等手当ですが、今は家で鳥をさばくことなど昔ほどありませんし、ペット文化が普及する中で、生き物の命に関する意識も大きく変わりました。殺処分に当たる際の心の負担というのは、以前とは比べものにならないはずです。

 しかしながら、国に準ずる、他府県に合わせるなど、実際の自治体では改定しにくい仕組みになっています。

 国から出向で来られ、いずれ帰られると思いますが、地方での経験を基に、総務省に戻った際には、国に準ずることで極端に安価に抑えられている地方公務員の特殊勤務手当の制度改善に取り組めるか、また、感染症対策等の最前線で頑張っている地方公務員のために努められるか、総務部長にお聞きをします。

○議長(岸本 健君) 総務部長。

  〔田村一郎君、登壇〕

○総務部長(田村一郎君) 特殊勤務手当を含む国家公務員の給与につきましては、総務省ではなく人事院が民間の状況等を考慮して決定しているというものでございまして、人事院は他の省庁から独立している機関でございまして、総務省にいる形ですと、給与面で直接影響を及ぼすことは困難であるというふうに考えているところでございます。

 しかしながら、私は和歌山県で勤務して様々な経験をさせていただいているところでございますので、地域の実情も目の当たりにしてきたところでございます。総務省に戻った際には、この地方での経験を生かして、地方目線に立った施策の推進に努力してまいりたいと考えてございます。

○議長(岸本 健君) 谷口和樹君。

  〔谷口和樹君、登壇〕

○谷口和樹君 周りにいる人間の心構え、意識で環境というのは変わっていくと思います。今回の件ですけども、県職員は責任感、使命感で取り組まれるので、手当に意識がいかない方が恐らくほとんどかもしれません。

 当てはまるかどうか分かりませんが、逼迫したコロナ禍のエッセンシャルワーカーのメディアでの発言の中に「使命感で立ち向かうのにも限度がある」という言葉を聞くことがありました。社会での責任感、使命感で仕事をされる方への考え方は、今回のコロナ禍、また、アフターコロナの社会の在り方に向けて、大いに学ぶべきところかと思います。

 総務部長におかれましては、今後とも御活躍をいただき、国に戻られた際には、ぜひ地方の現場で奮闘する人たちの労働環境の改善に取り組んでいただきたいと思います。

 続いて、二つ目の質問に入ります。

 田辺市議会に松上京子さんという市議の方がおられまして、昨年の9月、田辺市議会一般質問にて提案された対話支援スピーカーが田辺市役所窓口に設置されたということで、勉強をさせていただきました。

 役所の窓口での接客ですが、現在は新型コロナ対策のため、マスクを着用したりアクリルパネルを設置したりすることになっています。ですので、アクリル板で声が遮られるとともに、口の動きが見えにくく、これまで以上に聞こえにくさ、読み取りにくさが増しています。

 そこで、行政サービスとして、特に高齢者の方が多く来られる窓口に対話支援スピーカーを設置できないかとお願いしたところ、設置に至ったということです。

 以下は、勉強させていただいた松上京子市議の質問を引用させていただく形で御質問をさせていただきます。

 鹿児島のある病院で、最初に申しました対話支援スピーカー、これを使う前と後で、患者さんの聞き返しの回数が10回から2回に減り、セラピストの言い直しの回数が18回から2回に減少し、さらに、検査時間の短縮、検査得点の向上などが見られたそうです。

 繰り返しますが、松上京子市議の指摘のとおり、県でも現在は新型コロナ対策のため、マスクを着用したりアクリルパネルを設置していますので、これまで以上に聞こえにくさが増しているように見受けられます。

 県窓口でパネル設置やマスク等で、窓口でのコミュニケーションに不便を感じる高齢者や難聴や聞こえの衰えなどヒアリングフレイルの状態にある方々への合理的配慮の提供として、県窓口に対話支援スピーカーを設置できないか、福祉保健部長にお聞きをいたします。

○議長(岸本 健君) 福祉保健部長宮本浩之君。

  〔宮本浩之君、登壇〕

○福祉保健部長(宮本浩之君) 聴覚障害のある方や加齢により聞こえづらい高齢の方などと円滑にコミュニケーションを図ることは重要と考えています。

 県では、平成28年4月に障害者差別解消法が施行されたことに伴い作成いたしました障害を理由とする差別の解消を推進するための和歌山県職員対応要領の中で、聴覚障害のある方や高齢者の方など、聞こえづらさの状況に合わせ、筆談、口話、ジェスチャーなど、相手の方に応じたコミュニケーションを図るよう取り組んでいます。

 特に窓口業務においては、コミュニケーションを図ることが重要であることから、筆談に必要なメモや筆記用具を備え付けておくことに加え、窓口で使用頻度が高い表現を絵や文字にして分かりやすくしたコミュニケーションカードなどもコミュニケーションを図る上で有効な手段であることから、県の各課室に配付し、活用を勧めています。

 議員御質問の対話支援スピーカーは、単に音を大きくするのではなく、高性能マイクで集音し、小型スピーカーからクリアな音を発することにより、難聴者だけではなく、騒音環境で働く方などの聞こえをよくするための支援機器であることから、聞こえづらさを感じている方とのコミュニケーションを図る上での手段の一つであると考えています。

 こうしたことから、対話支援スピーカーについても、県の関係課室に対し、聞こえづらさを感じている方とのコミュニケーションを図る手段の一つであることから、しっかりと周知してまいります。

○議長(岸本 健君) 谷口和樹君。

  〔谷口和樹君、登壇〕

○谷口和樹君 ぜひよろしくお願いいたします。

 続いて、3番目の質問に入ります。

 2032年ムンバイ五輪誘致構想を表明しているインド・マハラシュトラ州との国際交流について、小項目の1ということで、これまでの交流実績を生かしたスポーツ交流などの取組について質問をさせていただきます。

 マハラシュトラ州のプネー市に行くと、水牛のミルクで煮込まれたチャイという飲物が出されますが、マハラシュトラ州の公用語マラーティー語で「プネのチャイは世界一おいしい」というのを「プネチャイ・ジャガティ・サルボッタ・マアヒ」といいます。今後、多くの和歌山の方々が現地で味わっていただくように願いながら、交流の経過も報告しながら、質問に入ります。

 2013年に、仁坂知事が直接MOU覚書を御締結いただいたマハラシュトラ州を2019年10月に初めて訪問させていただきました。その際、友好に公私とも御尽力をいただいているマハラシュトラ州マリック情報局長官をはじめ、州政府の方々に大変お世話になりました。

 初日に会談をさせていただいたのですが、マハラシュトラ州の州主席次官も務められたマリック情報局長官は、全ての話に知性と合理性を感じさせる方でした。

 和歌山とマハラシュトラ州の国際交流について話をさせていただく中で、マハラシュトラ州レスリング協会ランゲ副会長をはじめ、協会の皆さんを御紹介いただくことになりました。御紹介いただいたランゲ副会長は、インドレスリング協会の副会長も兼ねておられ、インド初の国際審判でもあり、インドレスリング界のレジェンドと言われるような存在であります。

 翌日は、初対面にもかかわらず、「レスラーは皆ファミリー」という言葉で、プネー市の御自宅にお招きくださいました。

 そこから御紹介をいただき、翌日、元州王者で若い世代のリーダーであるアモルブチャティ先生の道場を含め、インド初の女子レスリング道場など、プネー市内の四つの道場を見学させていただきました。

 この間、ランゲ副会長、アモルブチャティ先生をはじめ州レスリング協会の皆さんと友好を深める中で、選手交流の提案、マリック情報局長官からは協会同士の覚書の締結の提案もあって、実際に一度合同練習をやってみようということで、年明けに再訪問の話になりました。

 4か月後の2020年2月に、レスリング17歳以下全日本選手団元コーチで和歌山県レスリング協会、森下浩先生を先頭に、全日本3位三輪優翔選手ほか、県出身の日本代表経験選手2名と共にマハラシュトラ州を再訪しました。

 1週間の行程のうち、合宿プログラムは老舗で強豪のアンタラシュトリア道場と新しく近代的なアモルブチャティアカデミーの2か所の道場において4日間、早朝3時間、夕刻3時間の6こまの合宿をさせていただきました。

 ちなみに、インドには日本の相撲に少し似たクシュティという土の上で戦う古式レスリングがあります。クシュティは、地方のお祭りなどで子供も含めて大会が開かれますが、古式レスリング、クシュティから、マットで競う近代レスリング競技までつながるインドレスリングの裾野の広さは、日本と比べものにならないぐらい広く、レスリング自体が超メジャースポーツでもあります。

 日本と違い、大衆のエンターテインメントとしての人気もすごく高く、インドレスリング、プロリーグ2018年大会では36時間を超えるテレビ中継があり、延べ8億5000万人の視聴者数を記録し、最もインドでメジャーなクリケットに次ぐとも言われています。

 道場も日本と全く異なり、子供から大人まで約200人の選手が親元を離れ、道場に泊まり込みで生活しながら、あるいはそこから学校に通いながらレスリングの指導を受けています。

 技術レベルは高く感じましたが、フォームや細かいスキルなど、日本との違いも多く、何より圧倒的に違うのはタフさであって、休憩なく3時間ほどぶっ続けで練習する姿には、見ていて言葉を失いました。

 過去19名のオリンピアンを輩出してきた和歌山のレスリングの技術の高さは、合宿中にも大変評価されていたと感じていますが、何より練習中も練習後も、和歌山の選手はたくさんのマハラシュトラの選手たちから質問攻めに遭っていました。言葉は互いに片言ですが、そんな言葉の壁を乗り越えて心を通じ合わせる様子というのは、彼らにとってはレスリングが共通言語であるかのように見えて、そんなスポーツ交流というのは何と貴いものだなあと思いました。

 また同時に、このような付き合いができるのも、和歌山県のレスリングを長い間、全国でも有数の強豪県として高いレベルを保ち続けてくれた大先輩の指導者の皆さん、そして、全国、そして世界のマットでも和歌山レスリングの技術の高さを証明し続けてくれた歴代の選手のおかげであって、そこにも改めて感謝と尊敬の思いを抱きました。

 合宿終了後、森下先生と3人の選手は、途中で合流した県スポーツ課プロジェクト推進室と国際課州駐在の県職員と共に首都デリーに移動し、インドレスリング協会本部を訪問し、東京五輪での事前合宿の誘致活動を行いました。

 マハラシュトラ州レスリング協会ランゲ副会長からの口添えもあり、インドレスリング協会シュリ・ブリジャスハン会長とビノッドマー事務局長が和歌山の選手たちを自らお出迎えしていただきました。

 熱心なスポーツ課のプレゼンと国際課の事前の綿密なリサーチもありまして、「練習相手は用意できるのか」「女子の練習環境はどうか」など、かなり踏み込んだ内容のやり取りなど、抜群の感触を得た誘致活動でしたが、喜びもつかの間、帰国直後の五輪延期決定を受けて、仕切り直しとなりました。

 ただ、一旦落胆もあったのですが、その後もインド総領事館、県国際課、スポーツ課の尽力と、和歌山とマハラシュトラ州両レスリング協会の熱意で再び、今度はオンライン交流に切り替えて交流を再開しています。

 現在もインド代表の東京五輪の事前キャンプ誘致を思い描きながら、木村亘会長を先頭に、日印高校生同士、互いのオンライン技術交流やオンライン日印交流試合など、ウェブで試合や練習を見せ合って研究し合うという斬新な試みに発展しています。

 以上が、仁坂知事が締結いただいたMOUにマリック情報局長官やインド総領事館の御尽力をいただいて、和歌山レスリング協会とマハラシュトラ州レスリング協会が1年半、互いに深めてきた交流であります。

 御存じのとおり、インドは12億人を超える巨大な人口を抱えていますが、この人口は現在も増え続けており、2027年前後には中国を抜き、世界一の人口を持つ国家になると言われています。

 そして、西インドに位置するマハラシュトラ州は、人口約1億1237万人、州都ムンバイは、インドの経済と芸能の中心。今回訪れたプネー市は、東のオックスフォード、インドで一番安全な都市と言われ、世界中の学生が集まり、また、IT企業が集中するインド第2のIT都市でもあります。

 仁坂知事が締結された和歌山県とマハラシュトラ州とのMOU覚書締結は、奇跡的なタイミングで実現し、今のままでも和歌山県にとって大きな可能性を感じさせるわけですが、さらにこのたび、そのインドが州都ムンバイを中心に五輪誘致構想を表明しています。

 万が一そうなれば、五輪開催に向けて、スポーツ振興やスポーツ熱の高まりなど、大きな飛躍が予想され、そこには国外からもたくさんの協力が必要になってくるのではないかと思います。2032年に誘致が実現するかどうかは分かりませんが、いずれにしても経済成長を含めて発展が著しいインドでの五輪開催は、遠くない将来に実現すると思われます。

 和歌山県には、過去の五輪において、特に多くのオリンピアンを輩出している陸上、水泳、レスリング、体操、フェンシングなどのほか、お家芸とも言える世界レベルの競技があります。また、大成功だった紀の国わかやま国体・わかやま大会において、そのときに活躍した指導者、競技者が成長し、よい時期を迎えていたり、加えて、大会運営には欠かせないボランティアや来訪者へのおもてなしの経験などもあります。

 そのノウハウを生かして、ムンバイ五輪の招致から成功に向けて、マハラシュトラ州の友好県として、スポーツを通じて何かしらの応援を積み重ねることができたら、いずれ他分野でも県益につながるのではないかと思います。

 マハラシュトラ州との国際交流ですが、これまでの交流実績を生かして、今後はスポーツ交流などに力を入れていかないのか、知事にお聞きをいたします。

○議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 和歌山県とインド経済を牽引する存在でありますムンバイを州都とするマハラシュトラ州は、御指摘のとおり、2013年10月に相互協力に関する覚書を締結し、交流が始まりました。

 これは田辺在住のチャコさんという人が、スワループ、当時のインドの大阪駐在総領事と仲よしで、このスワループさんは世界的な文学者なんですけど、熱心に勧めてくださったというところから始まっているのでございます。

 インドという国では、県と州などの姉妹都市とか協力協定というのは、実は中央政府が厳重に規制をしておりまして、簡単にはできないということなんでございます。しかも相手は、実は和歌山県の100倍ぐらいの人口がある。まあ、インドは人口が多いですから、それはそうかもしれませんが。

 ここは本当の経済の中心で、中央銀行がここにはある。それで金融界が全部集まっていて、それで、タタをはじめ財閥のヘッドクオーターも大体がここにある。そういう物すごいところでありまして、ボリウッドまでもあるということです。

 こういう州と和歌山が組んでおると、いろいろな可能性があるのだろうなあということで、一生懸命やりましたところ、できたということであります。

 結構大きさには差があるんですけど、マハラシュトラ州の方々も大変和歌山県のことを大事にしてくれておりまして、もちろん我々もそうですが、覚書締結以来、両県州トップによる相互訪問をはじめ、職員派遣、それから観光に関するファムトリップ、プロモーション、青少年交流など、多方面で実質的な交流を進めております。

 とりわけ、インド憲法の父で同州の英雄でありますところのアンベードカル博士という方がいらっしゃるんですけども、その方の銅像を高野山大学へ建てさせてくださいという話が持ち上がって、もう喜んで協力をしたところ、大変評価をしていただいて、時々ではありますけれども、インドの方が高野山大学へ行って博士の遺徳をしのんでいるというようなこともあります。

 一方、交流を進めるためには、人と人との信頼関係が重要な要素でありますので、県庁も職員が努力しておりますけれども、私も努力しておりますが、特に御発言にありましたマリックさんが締結の一番初めから大変熱心に協力を推進してくれています。

 政権は時々替わるんですが、替わってもこのマリックさんが、これはちょっと複雑な関係で、半ば中央の高級官僚というような色彩を帯びているんですが、うまく取り計らってくれて、それで盤石な協力関係を取っておるということでございます。

 ただ、先ほども言いましたように、協力協定を結んでいるというだけで満足してちゃあいけないんで、できるだけいろいろと和歌山の方々のお役に立てるようにうまく使っていきたいと思っておりまして、産業界にお話をしてミッションを送ったり観光交流をしたりということで、できるだけ我々も実利があるようにしたいと思っているわけです。

 その一環で、実は初めはメニューにはなかったんですけども、スポーツ分野の協力というのを、これは谷口議員も大変な御尽力をされて、それで最近、ちょっと盛んになっております。昨年2月から始まったレスリング交流、これはもともと、これはよいということで、非常に盛んになってきたんですが、新型コロナがございましてなかなか難しい。でも、交流が途切れないようにオンラインで相互に技術を披露するなど、県としても今、大変熱心に取り組んでいる分野でございます。

 こういうものを一種の成功モデルとして位置づけまして、これまで築いてきたいろいろな人脈を活用して、同州及び県内競技団体の意向ももちろん踏まえながら、他競技においてもこういうことができんかなあというようなことを、引き続き県としては協力していきたいと考えております。

 今後とも、これはあまりにも大きさが違うもんですから、和歌山県のことを、日本で頑張ってマハラシュトラ州の便宜を図ってあげるから、ゲートウエーとして使ってもらってもいいよということで、東京事務所が実はマハラシュトラ州の事務所を、連絡だけですけども、兼ねているわけでして、こういう機能はちゃんと使っていいよと言いながら、和歌山県の利益になるように経済・観光分野での交流をさらに進め、文化交流でも、例えば今年の6月に国際ヨガDAY関西in和歌山というものを高野山でやるんですけど、そういうときなんかにマハラシュトラ州に連絡して参加してもらうとか、そういうことをいろいろな面でこれからも頑張っていきたいと考えております。

○議長(岸本 健君) 谷口和樹君。

  〔谷口和樹君、登壇〕

○谷口和樹君 ありがとうございます。

 もちろん知事と国際課が結んで培ってきた友好提携があってのものなんですけども、和歌山県レスリング協会、森下先生と3人のレスラーがつないでくれた交流の糸というのも、今後ムンバイ五輪が決まれば、2032年に向けてインドは著しい経済発展をすることが予測されることからも、スポーツ交流を通じて貢献が広がり、後に県益となって返ってくると確信しています。

 また、和歌山県のスポーツの課題という視点で考えると、レスリングだけでなくて、中には世界的に活躍するような選手を多く輩出しながらも、学校卒業後の練習環境が十分でないことから現役を続けることが困難だったり、選手引退後も子供の数が少ない和歌山では、指導者への道などセカンドキャリアが限られている競技も、ほかにも多々あります。

 国際大会に向けて、他国の技術指導の需要が出てくるであろう、そんな中で、英語圏でもあるインドでの指導者の経験というのは、後に世界を舞台に活躍する指導者としての道につながります。国体など、和歌山県のために貢献するアスリートたちに海外へのセカンドキャリアを用意していくことも、他県にはまねができない和歌山県のスポーツ振興になるはずです。

 このように、友好都市の取組とは、互いのプラスだけを追い求めるのではなくて、互いの足りない部分同士を掛け合わせてプラスに変えていくことも国際交流の目指す方向ではないかと思います。

 そういう意味でも、友好都市間のさらなる取組はもちろん、マリック情報局長官をはじめマハラシュトラ州の方々、現地で1人きりでこつこつと人脈を積み重ねてきた県職員たち、奮闘する国際課の土台づくりは大きな成果であり、これは必ず将来の両都市の大きな利益につなげていかなければなりませんし、今後の知事のさらなる奮闘に御期待をするところでございます。

 また、そういう過程で五輪の第1回から続く知性と平和の象徴であるレスリング、和歌山とマハラシュトラ州の両レスリング協会の我々が心から愛するレスリングが、その一助になれることも感動的でありますし、両協会がこの気持ちを持つことこそが、「レスラーは皆ファミリー」と言って御自宅に招き入れてくれたマハラシュトラ州レスリング協会ランゲ副会長のお言葉の真意ではないかと思っています。

 最後に、AFJ日本友の会のカレ会長、御息女のセイさん、チーフコーディネーターで通訳いただいたスワティさんには、その熱意に心から感謝しています。やはり民間ボランティアのAFJなくして交流の進展はなかったですし、これからのさらなる深化を考えると、なお一層の民間の助力が必要かと思います。

 お世話になったマハラシュトラ州の皆さんの御厚意に応え、同じように考えるたくさんの和歌山県民を増やし、マハラシュトラ州との交流の糸が、何年か後には頑丈な縄のような絆になっていただくことを、仁坂知事はじめ県当局に御祈念を申し上げまして、次の質問に移ります。

 小項目の2、IT企業をはじめとする県内企業とのビジネスマッチングなど、経済交流について質問します。

 2度のマハラシュトラ州訪問の際に、一番長く滞在したのがインド第2のIT都市と言われるプネー市でした。マハラシュトラ州にあるプネー市は、ムンバイから車で3時間ほど内陸のところにある、大学が集まり、また、インドでは一番治安がよいと言われているまちです。

 企業訪問や日本語学校の視察もさせていただく中で、日本への強い興味とともに、インドの経済成長の勢いというものを実感しました。特に感じたのが、ITパークを中心に洗練された企業の集まるIT産業の勢いでした。

 一方、和歌山県でもサテライトオフィスの入居がうれしいニュースとして続いています。求心力のあるセールスフォース・ドットコムの入居を皮切りに着々と増え、白浜町では現在14社が入居しています。

 しかしながら、産業規模も経済規模も小さい和歌山県において、ワーケーションやサテライトオフィスの需要増の効果はあるかもしれませんが、誘致企業のオフィスが自立運営できるだけの十分な市場がこちらにないのも一方であり、依然、歓迎と同時に、オフィスを置き続けてくれるのかという懸念というのは少なからずあります。

 国際交流のさらなる深化と、随分増えてきた和歌山県のIT企業が今後もオフィスを継続する、また、さらに多くのIT企業を誘致するには、ここに来たらというような、和歌山にしかないようなインセンティブを持つことが必要であろうかと考えます。

 誘致企業だけでなく県内IT企業も随分増え、成長しています。今後、いろいろな形でのビジネス展開が考えられるが、成長著しいインドの中で、MOUを交わしているマハラシュトラ州、その中でもインド第2のIT都市と言われるプネー市のIT企業とビジネスマッチング等の流れをつくれないのか、商工観光労働部長にお聞きをいたします。

○議長(岸本 健君) 商工観光労働部長大山 茂君。

  〔大山 茂君、登壇〕

○商工観光労働部長(大山 茂君) 本県は、県内企業の海外におけるビジネスチャンスを創出、拡大するため、海外の政府機関と経済交流などの協力関係を記した覚書(MOU)等を締結し、これまでに11の国の機関や地域と連携してまいりました。

 インド共和国マハラシュトラ州とも2013年にMOUを締結し、日本におけるマハラシュトラ州との窓口として、様々な交流を行ってきました。

 2018年には、MOU更新締結を機に、さらに経済交流を深めるため、販路開拓、市場調査及び国際的展示会への出展などを目的に、企業等とマハラシュトラ州を訪問するビジネスミッションを開催してきたところです。

 これまでのビジネスミッションでは、企業など延べ22社が参加し、その中で電池の原料を製造している化学企業、繊維機械の製造企業及び測量システムを開発するIT企業など、インド企業とのマッチングに成功している県内企業がございます。

 新型コロナウイルス感染症の収束を見据え、今後も県内企業の海外販路開拓を支援してまいります。その中で、インド共和国マハラシュトラ州とのビジネスミッションについても、地場産業や誘致したIT企業をはじめとした県内企業に参加を働きかけ、一層の経済交流を進めてまいります。

○議長(岸本 健君) 谷口和樹君。

  〔谷口和樹君、登壇〕

○谷口和樹君 ぜひよろしくお願いいたします。

 小項目の3の質問に入ります。

 特定技能外国人雇用と建設業とのマッチングについて質問をさせていただきます。

 2018年12月の臨時国会において、在留資格特定技能の新設を柱とする出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律が可決成立し、2019年4月1日より、人手不足が深刻な産業分野において、特定技能での新たな外国人材の受入れが可能となりました。

 この在留資格特定技能に係る制度とは、中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行っても、なお人材を確保することが困難な状況にある産業の分野において、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れていくものであります。

 現在、和歌山県の建設業における若い人材不足の懸念というのは大きく、その中でも山間部の事業者における若い人材不足は深刻であります。

 一方、インドにおける交通インフラなど、建設業界に対する需要増は、経済の著しい成長予測に伴い、確実視されていることから、当然技術を持った労働者の需要も増すであろうと考えられています。

 国際交流において、互いのマイナスや課題を組み合わせることでプラスにしていく、互いのプラスを生み出すということは理想的であります。公共工事が増えるであろうマハラシュトラ州においての人材育成と和歌山県での人材不足を相互に解決し合うことは、互いの利益を生み出すとともに、現在の友好提携に大きな意義を持ちます。

 これからの和歌山県とマハラシュトラ州の友好発展と課題解決を同時に図るため、建設分野で特定技能外国人と受入れ事業者とのマッチングなどに取り組めないのか、県土整備部長にお聞きをいたします。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長庄司 勝君。

  〔庄司 勝君、登壇〕

○県土整備部長(庄司 勝君) 本県の建設業の分野における人材不足を解消するために、インド・マハラシュトラ州の特定技能外国人と受入れ事業者とのマッチングに取り組めないのかとの質問にお答えします。

 建設分野における技能を持った外国人の県内での雇用については、令和3年1月末現在で7人にとどまるなど、十分に活用しているとは言えない状況です。これは、県内で不足している人材は工事現場での土砂の掘削や資材の運搬等に携わる一般作業員が主であることが一つの要因であると考えられます。

 しかしながら、建設業界は55歳以上の割合が約36%を占めるなど、技術者や技能労働者の高齢化が著しく進み、若年層の入職の減少により、技能・技術の継承すら困難になるものと想定されます。

 これまで、県では若年層の入職を促すために、週休2日工事の拡大、若手技術者が現場で責任を持って活躍できる仕組みやICTを活用した工事の推進などに取り組んでいますが、議員御提案の一定の技能を習得した外国人材の活用も一つの方策として考えられます。

 つきましては、建設業協会に対し外国人受入れに係る制度を周知するとともに、各種相談へ対応するだけでなく、受入れを考えている事業者に対し、建設業者団体等が設立した建設技能人材機構を紹介するなど、外国人材を活用しやすい環境を構築してまいります。

 御質問いただきました友好関係にあるインド・マハラシュトラ州から相談があった場合には、関係機関と連携し、丁寧な対応に努めてまいります。

○議長(岸本 健君) 谷口和樹君。

  〔谷口和樹君、登壇〕

○谷口和樹君 御答弁ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 たくさんの質問をさせていただきましたが、本当にコロナ禍で大変な状況の中で、何をするにもやっぱり窮屈な状態というのがずっと続いています。経験のないことなので、行政の皆さんもそうですけども、何をやるにしても100点を取るのは難しいかもしれませんけども、やっぱり100%の力を発揮することを皆さんで一緒にやっていこうと、こういう思いも届けながら質問をさせていただきました。今だからこそできること、それをやっていきたいなと思っています。

 国際交流に関しては、ぜひ東京五輪が開催された際は、和歌山でレスリングのインド代表のキャンプの誘致というものを実現できたらなと。それに100%の力で取り組んでいけたらなあと思っています。どうぞ御協力をよろしくお願いします。

 ありがとうございました。(拍手)

○議長(岸本 健君) 以上で、谷口和樹君の質問が終了いたしました。

 質疑及び一般質問を続行いたします。

 9番北山慎一君。

  〔北山慎一君、登壇〕(拍手)

○北山慎一君 おはようございます。

 今定例会の一般質問も最終日となりました。私は今回で5回目の登壇になるのですが、今回を含めて直近3回の登壇がいずれも最終日となっております。こう続くようですと、「最終日の男」とネーミングされてしまうのではないかとひそかに心配しております。しかし、登壇させていただいたからには、その心配事はひとまず置いておいて、質問に集中したいと思います。

 それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。

 一つ目は、新型コロナウイルス感染症に対する取組について質問させていただきます。

 まずは、小項目1の感染症病床と一般病床の状況についてお尋ねいたします。

 新型コロナウイルス感染症に関して、本県では、18名の方がお亡くなりになりました。心から御冥福をお祈りするとともに、今もなお治療されている方々には、心からお見舞いを申し上げ、一日も早い御回復をお祈り申し上げます。

 さて、全国で広がった新型コロナの第3波は本県にも押し寄せ、1月には新規感染者の数が最多を何度も更新、それに伴い入院される方も増える日々が続きました。一時期はこの状況が続けば、本県でも入院患者を受け入れる病床の不足などから、医療の逼迫、病床の逼迫が心配されました。

 しかしながら、県民の皆様の感染対策の徹底など、感染が拡大しないよう心がけていただいたことが効果として現れ、新規感染者の減少につながることとなりました。

 また、それに加え、受入れをしていただいている医療機関、そして、医療従事者やスタッフの皆様が日夜懸命な御対応を続けていただいていること、そして、県当局による支援やサポート、保健所による疫学調査など、和歌山が一丸となり対策していただいていることも新規感染者の減少につながったものと思います。心から敬意を表し、感謝を申し上げます。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症が完全に終息したわけではありません。ワクチン接種が今後始まっていくとはいえ、全ての世代への接種が完了に至るまでにはまだまだ時間を要し、状況が落ち着くのはもう少し先になる見通しで、その間に第4波が来ないとも限りません。

 また、最近では全国各地で変異株の感染も確認されるなど、そういったことを考えますと、収束が見込まれるまでは、病床の確保は必須となります。

 その病床についてですが、本県ではもともと確保していた感染症病床は32床。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を見据え、新規感染者が増加しても対応できるよう病床を400床まで増やし、プラス宿泊施設での療養も視野に入れ、それ以上の病床確保にも努めていただきました。県当局の御尽力、そして、受入れしていただいている医療機関の御協力には、重ねて感謝いたします。

 ただ、気になる点が。本県では、感染症病床を確保するために、感染症専用の新施設を新たに設置するのではなく、既存の医療機関にある一般病床を感染症病床に変更し確保されていることと思います。

 そうなると、理屈から言えば一般病床の数が減少するということになりますが、病床数が減ることにより、一般病床に入院されている患者、また、これから入院される患者等に支障が出ていないのか懸念されます。

 そこで、福祉保健部長にお尋ねいたします。

 感染者を受け入れている医療機関の感染症病床と一般病床の状況はどのようになっているのか、お答えください。

○議長(岸本 健君) ただいまの北山慎一君の質問に対する答弁を求めます。

 福祉保健部長宮本浩之君。

  〔宮本浩之君、登壇〕

○福祉保健部長(宮本浩之君) 本県では、早期発見、早期隔離、行動履歴調査に加えて、全例入院を徹底する保健医療行政により、感染の拡大を最小限に抑え込んでまいりました。

 県内で初めて感染者が確認された当初、32床の感染症病床を確保していましたが、その後の感染拡大に対応するため、医療機関に対し協力要請を行い、新型コロナ患者の受入れ病床を拡大してきたところです。

 新型コロナ患者の受入れ病床においては、新型コロナ以外の一般の病床とは切り離した人員体制を整備する必要があることから、病院全体の診療体制を見直し、一般病床の受入れに支障がないよう調整した上で、必要人員を確保していただいているところです。

 こうした中、ピーク時には重症用病床40床を含む330床の受入れ病床を確保してきたところであり、現在でも400床まで拡大できる体制を構築しています。

 さらに、新型コロナ患者の受入れ体制を維持するため、必要に応じて医療人材を応援派遣するための人員確保の支援も実施しているところであります。引き続き、医療機関と連携の上、現行の医療体制の維持に全力で取り組んでまいります。

○議長(岸本 健君) 北山慎一君。

  〔北山慎一君、登壇〕

○北山慎一君 答弁いただきました。

 では、次の質問に移ります。

 医療従事者への支援についてお尋ねいたします。

 国内で新型コロナウイルスの感染が確認されてから1年が経過し、当初より感染者を受け入れている医療機関の医療従事者は、今もなお最前線で頑張ってくれています。各地域の新規感染者数や累計数は違えど、懸命に医療に従事いただいていることはどの地域でも変わらず、それは本県でも同様です。

 新型コロナウイルスという未知のウイルスに立ち向かい、防護服や医療用マスクなど、感染防止対策を徹底しているとはいえ、不安を感じながら従事されていることと思います。

 そうした医療従事者を支援し、様々な形で負担軽減に取り組む必要があると考えますが、県では医療従事者の支援、特に感染者を受け入れている医療機関の医療従事者にどういった支援の取組をしているのか、福祉保健部長、お答えください。

○議長(岸本 健君) 福祉保健部長。

  〔宮本浩之君、登壇〕

○福祉保健部長(宮本浩之君) 新型コロナウイルス感染患者に対応する医療従事者は、感染予防を徹底するために、強い緊張の続く状況下で長時間集中力を求められるとともに、高い使命感も加わって勤務時間が長くなる傾向があります。県としても、最前線で従事いただいている医療従事者の方々の負担を軽減するため、様々な支援を行っているところです。

 まず、国の慰労金にとどまらず、県独自の慰労金の支給を行うとともに、新型コロナ患者の対応に直接従事した医療従事者に対する特別手当に対しても支援を行っています。加えて、認知症を伴うなど、特に看護負担が大きい新型コロナ患者に対応する医療従事者の処遇改善に関する経費の支援についても取り組んでいるところです。

 また、医療従事者が心身の疲労軽減のため、自宅に帰らずに近くのホテル等に宿泊する際の支援制度についても、勤務当日のみならず、勤務状況に応じて柔軟に対応できるよう努めているところです。

 さらに、新型コロナ患者の急激な増加により、入院受入れ病院内で看護師等が不足する際には、医療人材を応援派遣する制度を構築しています。

 このように、新型コロナ対応の最前線に立ち、日々懸命に尽力いただいている医療従事者の方に対して、県としても各医療機関とも連携しながら、引き続き支援を行ってまいります。

○議長(岸本 健君) 北山慎一君。

  〔北山慎一君、登壇〕

○北山慎一君 答弁いただきました。

 では、次の誹謗中傷等への取組について質問いたします。

 3月8日の一般質問で山家議員も質問として取り上げましたが、視点を変え、私も質問したいと思います。

 先ほども申しましたが、新型コロナの感染者の受入れをしていただいております医療機関の医療従事者やスタッフの皆様は、日夜緊張状態が続く中、懸命に御対応いただいているところであります。そうした最前線に立つ医療従事者に感謝の声、応援する声が数多く寄せられているとお聞きしております。こうした感謝の気持ちや思いを伝えることは、医療従事者を励まし勇気づけていることだと思います。

 その一方で、感染者やその家族に対しての誹謗中傷など、胸が痛む事例も多く発生しています。加えて、そうした矛先が最前線で頑張っていただいている医療従事者やその家族に向けられる事例も全国各地で報告されており、本県でも、その矛先が医療従事者に、特に感染者を受け入れている医療機関の医療従事者に向けられることが危惧されます。

 新型コロナ対応も1年が過ぎ、たとえ表に出てこなくても、不当な目に遭っている事例があるのではないか、懸念いたします。

 県では、昨年の12月24日に、新たな県条例として、和歌山県新型コロナウイルス感染症に係る誹謗中傷等対策に関する条例を施行。「STOP!コロナ差別」を掲げ、誹謗中傷等が行われない社会の実現に向け、専用の相談窓口を設置するとともに、啓発にも取り組んでいただいているところですが、私は、医療従事者をはじめ、必要とする人に届くよう、相談窓口の周知や、誹謗中傷等を未然に防ぐための啓発がより一層必要であると考えます。

 そこで、企画部長にお尋ねいたします。

 県は、これまでどのように取り組み、今後、どのように取り組んでいくのか。また、誹謗中傷等が発生した場合、県はどのように取り組んでいくのか、お答えください。

○議長(岸本 健君) 企画部長田嶋久嗣君。

  〔田嶋久嗣君、登壇〕

○企画部長(田嶋久嗣君) 県では、誹謗中傷等に悩まれている方が1人で悩まずに相談いただけるよう、専用の相談窓口、コロナ差別相談ダイヤルを設置し、テレビやラジオ、SNSによる広報のほか、図書館、公民館等の公共施設やスーパーにポスターを掲示するなど、広く県民に周知しています。特に、医療従事者に対しては和歌山県医師会や和歌山県歯科医師会等を通じ、介護従事者に対しては和歌山県介護福祉士会等を通じるなど、エッセンシャルワーカーに対しては、関係団体等を通じて相談窓口の周知を行っているところです。

 今後も、県の広報媒体等で周知するとともに、感染者やその家族、医療従事者をはじめ誹謗中傷等に悩まれている人が、1人で悩まずに相談いただくことができるよう、市町村や関係機関の広報誌やホームページ等に掲載するなど、相談窓口の一層の周知に取り組んでまいります。

 誹謗中傷等をなくすための啓発については、広報誌やホームページを活用するほか、研修会の開催などを行い、県民に対して、人権に配慮し、誹謗中傷等を行わないよう呼びかけてきたところです。

 そもそも、新型コロナウイルス感染症との闘いの最前線で、日夜治療に携わっている医療従事者や、その家族などを誹謗中傷することはもってのほかであり、許し難い行為です。誹謗中傷等は、名誉毀損罪や業務妨害罪などの刑事上の責任が問われ、懲役などの刑事罰が科される場合があるだけでなく、さらに被害者から損害賠償を請求される場合もあり、被害者のみならず、誹謗中傷等を行った人自身の人生も変えてしまうものであることを、県の広報媒体で周知してまいります。

 また、新たに啓発チラシを作成し、全ての県民に行き渡るよう、県内各地のスーパーでの街頭啓発や自治会を通じた各家庭への配布などにより、誹謗中傷等を行わないよう訴えてまいります。

 誹謗中傷等が発生した場合には、県では、誹謗中傷等を行った人から聞き取りを実施し、新型コロナウイルス感染症に係る誹謗中傷等対策に関する条例に基づき、誹謗中傷等を行った人に対して、誹謗中傷等を行わないことや、インターネット上に投稿した情報を削除するよう説示し、従わない場合にはやめるよう勧告を行いますが、今後とも被害者の心情に寄り添い、誹謗中傷等は絶対に許さないという覚悟で取り組んでまいります。

○議長(岸本 健君) 北山慎一君。

  〔北山慎一君、登壇〕

○北山慎一君 福祉保健部長と企画部長に、各状況や取組について答弁いただきました。

 各医療機関としっかり連携を取り、状況に応じた病床の確保や医療従事者への様々な支援に努めていただいているということですが、状況は日々変わります。そうした変化にも即時対応できるよう、より一層の連携をお願いいたします。今、密になることは避けないといけないと言われておりますが、このことに関しては、もっと密になってもいい、むしろ、ならなくてはならないことであります。

 そうした中で、医療従事者への誹謗中傷等が発生していないかなど、常にアンテナを張っていただきたいと思います。最前線で頑張っていただいている医療従事者の方々への誹謗中傷は、あってはなりません。もちろん新型コロナの感染者やその家族への誹謗中傷等もあってはなりません。

 近年は、SNS等のコミュニケーションツールがなくてはならないものとなっているため、誹謗中傷等が行われない社会の実現は非常に困難を極めると思います。だからといってほっておくわけにはいきません。負けずに、根気強く、粘り強く、啓発活動を積み重ね、誹謗中傷等が行われない社会の実現に向け、全力で取り組んでいただきたいと思います。

 加えて、今後始まっていくワクチン接種の有無による誹謗中傷等も懸念されます。一般質問初日に藤山議員が述べられたように、ワクチンに関する誤った情報や不確かな情報が流れていることも事実としてあります。そのような情報に県民が惑わされることがないよう、県当局においては、県民に対し正しい情報を常に発信していただきますようよろしくお願いいたします。

 それでは、次の質問に移ります。

 部活動における県内練習試合の原則禁止についてお尋ねいたします。

 1月12日、県教育委員会は、県立学校へ新型コロナウイルスの感染拡大を鑑み、部活動に関する内容の通知を行いました。その内容は、県外の学校との練習試合や合同練習等は禁止する。また、県内の学校との練習試合や合同練習等も原則として禁止するなど、部活動を制限するものでした。

 感染が拡大している状況でこの判断は致し方ないところではあると思いますが、限られた期間の中で、児童生徒が熱い思いを抱きながら行われている部活動は1日も無駄にすることはできない。これもまた事実です。

 昨年は新型コロナウイルスの影響で各種大会が中止や延期となり、涙を流した児童生徒が多くいました。今回の新型コロナの感染拡大による部活動の制限は、前回と同様になってしまうのではないかと心配し、状況を見守っておりましたが、新規感染者が減少傾向となり、2月3日には県内の学校との練習試合が解禁される運びとなりました。これにはひとまず胸をなで下ろし、安堵しました。

 しかしながら、この練習試合、果たして部活動をしている児童生徒にとってどのような役割を持っているのか、皆さんは御存じでしょうか。たかが練習試合と思っているのではないでしょうか。たかが練習試合、されど練習試合なんです。ふだんの練習では培えないものが、練習試合で培えるのです。

 例を挙げていきますと、例えば校内の児童生徒同士で行う実戦形式の試合、これは紅白戦も含まれます。対して、他校と行う練習試合、どちらも大会でない試合、イコール練習試合に値しますが、他校との練習試合を行うほうがより緊張感を持つことができ、大会さながらの真剣勝負を経験として積むことができます。

 また、日頃の練習会場と違う場所で行う練習試合は、対応力や順応力を磨くことができ、練習してきたことが試合で通用するのかを確認できる場でもあり、現状どのくらいのレベルにあるのかを推しはかることもできます。

 練習試合は、児童生徒、そして、指導者にとっても自信を深めることや課題を見つける、大会を迎えるに当たり、非常に大きな役割を持っています。

 練習ももちろん大切ですが、今、例を挙げたように、部活動を行っている児童生徒にとって、練習試合は大事な意味を持つものだとお分かりいただけたのかと思います。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。

 昨年の4月に全国に発令された緊急事態宣言時における前回の部活動の制限、これは仕方のないことかと思いますが、今回、本県には緊急事態宣言は発令されておらず、前回とは状況が違います。

 ただ、緊急事態宣言が発令されている地域もあることから、県外の学校との練習試合の禁止は理解いたします。しかし、県内の学校との練習試合は禁止しなくてもよかったのではないでしょうか。

 今回の通知では、校内での活動は可能とし、制限に少し幅を持たせてはおりますが、県内の学校との練習試合を原則禁止することに至った理由をお答えください。

○議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。

  〔宮﨑 泉君、登壇〕

○教育長(宮﨑 泉君) 部活動の練習試合についてでございます。

 本年の1月当時、全国的に新型コロナウイルス感染症が急速に拡大する傾向にあり、本県においても新規感染者が日ごとに増加し、同感染症の拡大は予断を許さない状況でございました。

 また、教育委員会にも学校での感染を心配する声が多数寄せられ、様々な活動に制限をかけるかどうか、判断に迫られていました。

 そのような中、部活動等において、県外との往来により感染リスクが高まった事例が発生したことから、県外の学校との練習試合等を禁止することを決めました。

 県内においても、学校間の交流を続けた場合、一つの学校、チームの発症者が、学校、地域を越えて広がる可能性が心配されることから、県内の練習試合等は原則禁止としつつ、状況に応じて協議することといたしました。

 一方で、生徒の活動は可能な限り継続させたいという思いから、校内に限定すれば、リスク管理も比較的容易であるという判断の下、校内での活動は可能としました。

 結果として、医療関係者の方々の御尽力や県民の皆様の御協力もあり、徐々に感染状況が落ち着き、2月初旬には、約3週間ぶりに県内の練習試合等を再開することができました。

 当時はぎりぎりの選択を迫られた状況でしたが、対応を小出しにするのではなく、県全体での対応を迅速に行ったことによって、感染拡大の防止と早期の県内練習試合等の再開につながったと思っております。

○議長(岸本 健君) 北山慎一君。

  〔北山慎一君、登壇〕

○北山慎一君 では、再質問いたします。

 練習試合に関しては、私立の学校では実施されていた学校もあったと聞いておりますが、片や県立学校は禁止されておりました。公平感がないように感じます。

 練習試合を禁止されていた県立学校の児童生徒は、非常に悔しい思いをしたと思いますが、その児童生徒の思いを含め、教育長の練習試合に対する見解をお聞かせください。

○議長(岸本 健君) 教育長。

  〔宮﨑 泉君、登壇〕

○教育長(宮﨑 泉君) 練習試合につきましては、非常に大事なものだと、先ほど議員がおっしゃったような認識はもちろん持っております。

 しかし、そもそも今回の部活動の禁止云々の通知なりそういった措置は、新型コロナウイルス感染症を予防するというのが趣旨でございます。そういった中で、私立も公立も、もちろんそれは同様であります。

 今回、通知は非常に緊急的な措置でありまして、周知に課題があったというのは、ちょっと否定はできないところでございますが、私立を担当する企画部としっかりと連携を、もちろん今までも連携を取っておるんですけれども、取りながら、足並みをそろえていきたいなあと思っています。その上でしっかりと予防をしていきたいなあというふうに考えております。

○議長(岸本 健君) 北山慎一君。

  〔北山慎一君、登壇〕

○北山慎一君 答弁いただきました。

 不公平がないようにだけ、よろしくお願いします。

 部活動については、県立と私立の学校により、条件や状況が違ったりしますが、部活動を行う上で制限に差が出ないよう、努めていただくようお願い申し上げます。

 また、県教育委員会の通知は、各市町村、各種団体やスポーツ少年団などの活動判断にも影響を与えます。もちろん一番大切なのは児童生徒の安心・安全です。しかし、部活動に強い思いを持ち、日々頑張っている児童生徒もいます。そのような児童生徒がたくさんいることも御理解いただき、適切な御判断をしていただきますようよろしくお願い申し上げます。

 それでは、次の県民歌の質問に移ります。

 これまでの取組についてお尋ねいたします。

 和歌山県民歌については、平成28年2月定例会で中西峰雄議員も取り上げ質問されておりましたが、私も今回、県民歌について少し質問をさせていただきたいと思います。

 1948年(昭和23年)、ある篤志家が和歌山フィルハーモニック・ソサエティー委員長の竹中重雄氏に「県の再建につながり、後世に残るものを何か考えてほしい」と提案し、竹中氏がこの提案に対して、県民歌の制定を思い立ち、作詞部門に佐藤春夫氏、作曲部門に山田耕筰氏をそれぞれ選者に迎えて一般公募が実施されました。

 結果、作詞部門では、後に和歌山県文化功労賞を受賞された作詞家の西川好次郎氏の詩が選ばれ、作曲部門では、いずれの曲も採用されなかったため、山田耕筰氏自身が作曲を行い、和歌山県民歌は完成に至ることとなりました。

 県民歌は、その後、昭和46年の黒潮国体で使用され、以降、県内での各種行事やイベント、また式典等で使用されるようになり、県民歌を耳にする機会が増えるようになっていくこととなります。

 議場におられる皆様は、県の式典や行事、県内でのイベントなど、様々な催しに出席されることが多く、国歌同様、県民歌を耳にする機会がたくさんあり、当たり前に知っている和歌山県民歌ですが、この県民歌、実際に県民のどのくらいの方々が知っているのでしょうか。

 県民歌があること自体知らない方、あることは知っているがメロディーまでは知らない方、また、メロディーを聞いたことはあるが歌えない方など、県民の大半の方がこのいずれかに当てはまるのではないかと思います。「県民歌を歌ってください」と言って、すっと歌える県民はなかなかいないのが現状です。

 実際に私の周りでも、県民歌を知らない、または歌えない人がほとんどで、県民歌はこれまでどのようにして県民に知ってもらえるよう広報、普及活動をされてきたのでしょうか。

 私は、せめてメロディーを聴いて「あ、この歌は県民歌だ」と、県民歌を認識できるレベルになる、これは大前提であると考えており、加えて、メロディーを口ずさめるまでになる、ここで初めて県民歌が県民に普及している、浸透していると胸を張って言えるのではないかと私は思うのですが、県はこれまで県民歌の普及に対し、どのような取組をしてきたのか、環境生活部長、お答えください。

○議長(岸本 健君) 環境生活部長田中一寿君。

  〔田中一寿君、登壇〕

○環境生活部長(田中一寿君) 和歌山県民歌は、戦後間もなく、ふるさと和歌山への郷土愛を育み、力強い復興を願って、公募により作られたもので、以来、国体をはじめ様々な文化やスポーツ行事などの場において、県民の皆様に愛着を持って歌い継がれてきました。

 議員御質問のとおり、県民歌が自然と口ずさめるようになるためには、小さな頃から県民歌に親しみ、しっかりと身につけていただく、あるいは、日常生活の中で県民歌に頻繁に触れることが必要と考えます。

 そのため、県では、テレビやラジオなどの県の広報番組の中や県庁にかかる電話の保留音として県民歌を流したり、県のホームページにおいて歌唱音声や手話動画の配信などを行っています。また、小中学生が歌う県民歌をCDに収め、県内全ての学校や市町村、老人会をはじめとする多くの団体に配布するとともに、式典やイベント等の際には県民歌を必ず流していただくよう要請するなど、普及に努めてきたところです。

○議長(岸本 健君) 北山慎一君。

  〔北山慎一君、登壇〕

○北山慎一君 答弁いただきました。

 それを踏まえて、次の小項目2、学校での取組について質問いたします。

 先ほどの環境生活部長の答弁に、県内全ての学校や市町村など、多くの団体にCDを配布しているとありました。

 私は、子供の頃から県民歌に親しんでもらうことこそが、県民への普及に際し、非常に重要なポイントになると考えております。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。

 配布されている県民歌のCDは、学校、教育の場でどのように活用し、児童生徒に普及していくよう取り組んでいるのか、お答えください。

○議長(岸本 健君) 教育長。

  〔宮﨑 泉君、登壇〕

○教育長(宮﨑 泉君) 学校での取組についてでございます。郷土への理解を深め、ふるさと和歌山への愛着を高めるふるさと教育の一環として、児童生徒が和歌山県民歌に親しみ、歌えるようになることは大切であると考えております。

 市町村対抗ジュニア駅伝競走大会や高等学校総合体育大会、それから高等学校総合文化祭などの全県的なイベントで県民歌を斉唱することで、県民意識の高揚につながっています。

 県教育委員会としましては、先ほどの部長の答弁にあった配布されたCDを、音楽科の授業での学習や昼休み等のBGM、それから、入学式や卒業式の場で活用することで、県民歌の普及に努めております。

○議長(岸本 健君) 北山慎一君。

  〔北山慎一君、登壇〕

○北山慎一君 答弁いただきました。

 次の項目、今後の取組について質問いたします。

 環境生活部長と教育長のそれぞれから答弁をいただき、県民歌の普及に努めていますとお答えいただきましたが、私が地元や各地域で聞いている感じでは、県民歌はまだまだ県民に浸透していない、これが率直な感想です。

 実際に、私の周りの同世代に、またその前後の世代に聞いても、県民歌という言葉にぴんとこない人が多く、先日も小中学生の子供さんを持つ親御さんとお話をする機会があり、「家に帰ったら、一度子供たちに県民歌を知っているかいないか、また、知っていれば歌えるのかどうかを聞いてみてください」とお願いしたところ、翌日早速御連絡をいただきました。結果、「メロディーは知っているが歌えない」「歌詞を覚えていないから歌えない」という回答でした。

 音楽の授業でも取り組んでいるとのことですが、確かに個人差はあると思います。しかし、児童生徒もまだまだすらすらと歌えるレベルまで来ていないのが現状です。

 結論、どこまでを求めるのかになってしまいますが、私は、さきにも述べさせていただいたように、せめてメロディーを口ずさめるレベルになる、これで初めて県民歌が県民に普及している、浸透していると言えるのではないかと思っております。

 ここで少し、県民歌の話とずれてしまいますが、歌について触れてみたいと思います。

 歌というものは、時に不思議なパワーを与えたりすることもあります。私は高校時代、野球をしておりました。ナイター照明や、小さいですが雨天練習場などを備えた学校で連日遅くまで練習し、練習が終わる頃にはいつもくたくたになっておりました。そんな状態でも、常に日々の練習の終わりには、部員全員で欠かさず行っていることがありました。それは、ホームベースを中心に整列し、校歌を斉唱することです。

 これは、なぜ毎日行っていたかといいますと、高校野球の大会では、勝利したチームだけが校歌を歌えるという特権が与えられています。その勝利をイメージする、勝つということを意識づける目的で毎日歌っておりました。

 それと、もう一つの理由として、校歌を毎日歌うことで母校への愛着も生まれる、そういった効果も期待できることから行っているものでした。現に私は母校への愛着を抱いておりますし、今でも校歌は歌詞を見なくても歌えます。

 そういった歌うことで愛着が生まれるという考えでいきますと、県民歌も歌えるレベルになれば、和歌山への郷土愛が育まれ、和歌山に住み続け定住する県民や、また、将来和歌山に戻ってきたいと和歌山に愛着を抱く子供たちが、少なくとも今よりは増えてくるのではないでしょうか。

 そこで重要となってくるのが、やはりいかにして県民歌を普及させていくかということに尽きると思います。

 音楽の授業で取り入れている点でいえば、子供たちへの普及はそれほど心配ではないのかと考えますが、それ以上の世代、年代の方々にいかにアプローチしていくのか。ここが、今後、県民歌が普及していくための大きなポイントになると思います。

 今年は和歌山県が誕生して150年という節目の年に当たります。あらゆる世代の県民に郷土愛を育む県民歌を知っていただく大きなチャンスであると思いますが、環境生活部長の考えをお聞かせください。

○議長(岸本 健君) 環境生活部長。

  〔田中一寿君、登壇〕

○環境生活部長(田中一寿君) 和歌山の自然や文化に対する思いがつづられた県民歌を歌い継ぐことは、県民のふるさと和歌山への誇りと郷土愛をより一層深めることにつながります。

 折しも、今年は和歌山県が誕生して150年の大きな節目の年であります。

 誇るべき和歌山の歴史や文化に思いをはせるこの絶好の機会を捉え、各種団体に配布した県民歌のCDをこれまで以上に式典等で使ってもらうようお願いするとともに、和歌山県誕生150年のPRや記念式典など、様々な場面で県民歌を流し、県民の皆様が県民歌に触れる機会をたくさんつくって、あらゆる年代の方々に親しみを持ってもらえるよう取り組んでまいります。

○議長(岸本 健君) 北山慎一君。

  〔北山慎一君、登壇〕

○北山慎一君 答弁いただきました。

 県民歌の普及は、1年や2年でできるものではないと思います。地道ではありますが、継続して普及活動をしていくことが大切です。県当局には、メロディーを口ずさめるレベルを目標設定し、県民歌の普及率向上にぜひとも取り組んでいただきたいと思います。

 今後も音楽の授業で取り入れることはもちろんのこと、各方面で県民が県民歌に接する機会をより増やしていただき、これまで以上にしっかりと広報し、引き続き普及に努めていただくようお願い申し上げます。

 それでは、最後の質問、県立学校における校則についてお尋ねいたします。

 先月、大阪府立高校に通っていた女性が、在学中、茶色い髪を黒く染めるよう学校から繰り返し指導され、精神的苦痛を受けたとして、府に慰謝料などを求めた訴訟の判決が大阪地裁で行われました。

 大阪地裁は、髪の染色を禁じた校則や頭髪指導に違法性はないとした一方、女性が不登校になった後の学校側の対応について違法と認定し、府側に33万円の賠償を命じるという校則に関する判決がありました。

 この判決後、新聞等で校則の在り方についての記事をよく目にするようになりました。記事としての取り上げ方は様々ですが、その内容は似通っていて、「今の校則は、時代に合った校則なのか」「社会の一般的な価値観とずれていないか」という、そもそも校則に無理があり、見直す必要があるのではないか、そういった内容のものがほとんどでした。

 今回の大阪地裁で行われた訴訟は、校則の在り方に一石を投じ、校則を見詰め直すよい機会になるのではと私は考えております。

 校則は、児童生徒が勉学や部活動など、学校生活を健全に過ごしていくため、また、風紀を保つために非常に重要な役割を果たしています。しかしながら、この校則というものの中には、随分昔から変わっていないようなものもある気がいたします。

 校則は、地域の情勢や学校の特色などを踏まえ、各学校単位で学校長の教育方針の下、定められており、制定した年月や学校規模も違うため、統一されたものではありませんが、今日まで各学校で定められている校則は世の中の変化とともに見直すことをしてきたのか、また、議論する場を設けてきたのか、気になるところであります。

 私が学生であった約30年前と今では、社会は大きく変わっています。私たちの置かれる環境や生活スタイルなどはその変化に対応していくために、今後を見据え、様々な場所や場面でもまれ、少しずつ変わっていくことや見直されるケースが多いと思います。

 私は、校則もその時代の変化とともに見直すべきものだと考えております。そして、見直す場合には、偏った意見にならないよう、教員はもちろんのこと、生徒、そして保護者、また地域の方を交え、一般的な常識から外れていないかなど、外部の意見を聞くことも必要であると思っております。

 各学校で外部の意見を聞く組織づくりは、人選等も含め大変ではないかと心配される声もあると思いますが、本県ではその環境が既に整っているのではなかろうかと私は思っております。その環境とは何かと申しますと、学校運営協議会という機関がそれに当てはまるのではと考えております。

 和歌山県では、学校と地域の連携・協働が重要とされていることから、きのくにコミュニティスクールの推進に取り組んでいます。その一環に、地域との連携を深める機関として、学校と地域住民等が力を合わせて学校運営に取り組む学校運営協議会という、どのような子供に育てたいのか等を協議する合議制の機関の設置を推進しています。

 この学校運営協議会は、県内ほぼ全ての公立学校に設置されており、協議会には既に地域の方々が携わっています。すなわち、新たに設置しなくとも外部の意見を聞く機関、学校運営協議会が本県にはありますので、ぜひこういった地域の声が聞ける機関をより有効に活用しながら、時代の変化とともに、適宜校則の見直しをしていただければと思っておりますが、校則の見直しについて、教育長のお考えをお聞かせください。

○議長(岸本 健君) 教育長。

  〔宮﨑 泉君、登壇〕

○教育長(宮﨑 泉君) 校則についてでございますが、校則は、安全・安心で健全な学校生活を送るために、学校長の責任の下に定められるもので、児童生徒の自主的、自律的な心身の発達や決められた規則は守るものであるという意識の涵養にとって有用であります。

 一方、時代や社会通念の変化等により、本来の目的から大きく逸脱した校則の問題を指摘されることがあります。学校への信頼感を高めることと、児童生徒の心身の健全な成長の両面から、各学校では、校則について適宜評価点検し、必要な見直しを行っていくことが求められます。

 この際、開かれた学校という観点から、議員がおっしゃっていました学校運営協議会において、保護者や地域など、外部の方の意見を聞くことや、時には児童生徒が、学校生活や校則について熟議することも、意味があることだと思います。

 このようなことを踏まえ、県教育委員会としましては、校則が社会通念上妥当性を欠くものでないかなど、各学校が必要な見直しを行い、適切に運用するように指導、助言をしてまいりたいと思います。

○議長(岸本 健君) 北山慎一君。

  〔北山慎一君、登壇〕

○北山慎一君 答弁いただきました。

 教育長より「必要な見直しを行い、適切に運用するよう指導、助言していく」とお答えいただきました。ぜひともよろしくお願いいたします。

 最後に、念のために申しますが、私は、校則をもっと緩いものにしたほうがいいですよ、緩くしましょうという趣旨で質問したわけではありません。時代錯誤な校則で児童生徒にストレスを与えていませんか、校則が時代に合ったものかどうか、時には見直す必要がありますよということをお伝えしたくて質問させていただきました。

 そのあたりの誤解がないようにだけお願いし、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(岸本 健君) 以上で、北山慎一君の質問が終了いたしました。

 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。

 この際、暫時休憩いたします。

  午前11時40分休憩

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  午後1時0分再開

○議長(岸本 健君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑及び一般質問を続行いたします。

 36番楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕(拍手)

○楠本文郎君 忘れもしない2011年の「3.11」。地震災害に加え、津波災害、そして、原子力災害という戦後最大の未曽有の被害をもたらした東日本大震災から丸10年がたちました。

 明日は11年目の「3.11」です。改めて、地震、津波対策、さらに気候変動対策の強化、そして、コロナパンデミックの下での災害対策という課題も突きつけられている中、言わば人類の生存をかけて、新たな一歩を踏み出そうとしている昨今でございます。その気持ちを込めて、議長の許しを得て、一般質問をさせていただきます。

 まず1点目は、洋上風力発電についてでございます。

 和歌山県洋上風力発電に係るゾーニングマップ及びゾーニング報告書が作成されました。昨年度までに海生生物、鳥類、自然公園や世界遺産からの景観等といった自然環境の観点からの取りまとめ、今年度は漁業や船舶の航行といった先行利用者への影響など、社会的な調整が必要となる事項についての調査を行い、最終的な取りまとめをされたと思います。

 昨年の私の質問に対し、このゾーニングマップ及びゾーニング報告書を「洋上風力発電の事業者に提示し、事業を検討する際の参考にしてもらうことを考えております」と答えられています。

 まず、これまでに、問合せ等も含め、関心を示されている事業者はどのぐらいあるんでしょうか。また、今後それ以外の事業者にはどのようにして情報を提供していかれることになりますか。まず、商工観光労働部長からお答えをいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) ただいまの楠本文郎君の質問に対する答弁を求めます。

 商工観光労働部長大山 茂君。

  〔大山 茂君、登壇〕

○商工観光労働部長(大山 茂君) 和歌山県洋上風力発電に係るゾーニングマップ及びゾーニング報告書の作成を受け、現在、エネルギー関係事業者など、数社が関心を持っており、問合せ等をいただいております。

 また、マップ及び報告書につきましては、既に県ホームページに掲載しているところですが、今後、事業者向け説明会を開催するなどにより周知を図ることとしております。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 事業者の問合せは数社、事業者に対する説明会を行うということなんでございますが、2点目に、このゾーニング、地域分けですね、保全エリア、保全推奨エリア、調整エリアの3区分となっています。

 このうち資料として提出をさせていただきました地図上のブルーの面的場所の調整エリア──の中でも調整エリア1となっています──では、風況は毎秒7.5メートルから8.5メートル、水深は50メートルから200メートル、御坊発電所、お分かりいただけますか。御坊発電所からの距離は7.5キロメートル、面積は約285.6平方キロメートルという概要が紹介され、「環境影響が比較的小さく、社会的な調整が必要な事項や事業性を踏まえた上で、事業の可能性を検討していくエリア」とわざわざ示されています。

 ブルーの斜線で示した地域が下のほうにあると思います、南のほうです。同じ調整エリアでも水深が200メートル以上と深いので、調整エリア2とされています。

 この文章を読む限りにおいては、調整エリア1内では事業化をしていくことが容易ですよと言われているようにしか思えないのですが、いかがでしょうか、お答えください。

○議長(岸本 健君) 商工観光労働部長。

  〔大山 茂君、登壇〕

○商工観光労働部長(大山 茂君) 調整エリアにつきましては、今回のゾーニングでは、保全エリア、保全推奨エリア以外のエリアであり、保全エリアや保全推奨エリアに比べれば自然環境への影響が小さいと考えられるエリアでありますが、調整エリアにおいても、数多くの漁業者による活動が活発であるとともに、船舶の通行もあり、その上、厳しい気象、海象条件等、多くの調整事項があるエリアでございます。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 3点目の質問に進みますが、和歌山県政として事業を行うわけではございませんから、県として、今年度はどのように進めていかれるのかということがポイントになります。国との関係でいえば、再エネ海域利用法という法律が新しくつくられまして、それに基づいて応募していくという流れになると思いますが、この法律の第8条第1項に、促進区域の指定基準が示されています。

 かいつまんで申し上げますと、第1号、自然的条件と出力の量、第2号、航路等への影響、第3号、港湾との一体的な利用、第4号、系統の確保、第5号、漁業への影響、第6号、他の法律における海域及び水域との重複の具合はどうなのかというような条件が提示されています。この一つ一つについて、具体的な検討をしていくことになるんでしょうか。

 例えば、調整エリアにとても近い御坊発電所──私の家からも目の前ですから──と日高港は、第3号、港湾との一体的利用、第4号、系統の確保の指定基準を検討するにはとても有利な要素になると考えていますが、いかがでしょうか。続けて商工観光労働部長からお答えください。

○議長(岸本 健君) 商工観光労働部長。

  〔大山 茂君、登壇〕

○商工観光労働部長(大山 茂君) 再エネ海域利用法では、地方自治体等からの情報提供や地元関係者から成る協議会での検討に基づき、国が具体的に事業を進めていくエリアを促進区域として指定し、この区域において公募に基づき事業者を選定することとなっております。

 議員御指摘の御坊発電所や日高港については、再エネ海域利用法第8条第1項の第3号及び第4号の指定基準に関しては有利かもしれませんが、いずれにしましても、個別具体的な事業計画がない中で、気象、海象等の自然的条件や漁業への影響などの他の項目も含めて指定基準をクリアできるかどうかを現時点で判断することは困難です。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 「現時点で判断することは困難だ」という表現になるんですよね。

 ここからはちょっと知事にお尋ねをしていきたいと思うんですけれども、地域における地球環境を温暖化から守るという温暖化対策の推進や、新産業の創出というのは和歌山県政にとっても重要な課題であると思います。自然環境と調和した形での再生可能エネルギーを活用した電源開発は、必要不可欠な時代を迎えていると思うんです。その点で、和歌山県の周辺海域は、風況がとってもよいと言われて、洋上風力発電事業への期待も高いのではないかと思うんですよね。

 一方で、この事業の導入によって、これは前回、昨年に質問をさせていただいた角度なんですが、地域住民の生活環境の維持を図れるのか、地域のためになるのかどうかってことをイの一番に考えていかないと、何のために再生可能エネルギーを導入するのかが分からなくなりますねという議論をさせていただいたわけです。その点では、先ほどからの答弁でいいますと、見極めは大変難しい、容易なことではないのかなとも考えます。

 3か年のゾーニング調査の結果を受けて、改めて知事の見解を伺っておきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 議員御指摘のとおり、再生可能エネルギー、その中でも最近は特に洋上風力発電に関する関心が高まっている状況でございます。

 私は、クヌッセンさんの英雄的な行為により大変友好的な関係だと思っておるデンマークを訪問したときに、波のない単調な灰色の浅海、これに延々と風車が立ち並んでいるという光景を目撃したことがございます。欧州とか、日本でも東北地方とか、国内外で洋上風力発電の検討が先行している、あるいは検討だけじゃなくて実際に装備が進んでいるということも承知をしております。

 それでは、和歌山県の周辺はどうなっているのかということを申し上げますと、黒潮の流れが速くて、結構気象、海象が荒々しいというところであります。

 それから、海もそれは浅海とはとても言えないということであります。それ以上に、海そのものが観光資源なのでありまして、自然公園とか世界遺産からの景観、あるいは騒音による影響、様々な環境上の問題も配慮しなければいけません。

 また、経済的に言っても、ここは紀伊水道でありまして、それで船舶の往来が活発な海域でもございますし、それから、様々な種類の漁業者がそれぞれ活動しているところであるわけであります。

 したがって、そういうような問題を全部うまくクリアして、それで、その上でないとなかなかこの問題をどうするのかということは、図ることはできないということだと思います。

 再生可能エネルギーは、地球環境問題とか、あるいはエネルギー資源の保全とかいう意味では大変よろしいんでございますけれども、例えばこの議会でも、化石燃料系はとにかく地球環境問題に反するから全部駄目だと。例えばメタンハイドレートもそれだから駄目だと。実はメタンハイドレートで取り込もうとしているメタンというのが、プルームの形でボコボコと今、出ているわけでありまして、メタンが空中に放出されると、温室効果は炭酸ガスの25倍というのを、多分御存じないのであろうなあというふうに思うんですが、それほど熱心に進めるというのは、何でもやってもいいというわけではなくて、現に県下のあらゆるところというか、かなりのところで風力発電反対というような話もたくさんございます。これは陸上でございますが。

 それからさらに、特に紀北の和泉山脈などを中心に大規模な太陽光発電をつくろうというプロジェクトは反対という声もたくさん、楠本さんの御友人からも出ております。

 そういうことで、やっぱり大事なことは大事だということはあるけれども、全ての後の問題を犠牲にしてやればいいというもんではない。いろんな面に配慮しながらやっていかなきゃいけないし、それから、技術の問題も大変大事でございます。技術的にどこまで可能かということも考えながら、それが可能であれば適応していこうというようなことが、将来どんどん広がっていくと思いますので、そういうことを注視しながら、慎重かつ賢明に、賢明というのは賢くということですけども、我々はこの問題に対処していかなきゃいけない、そんなふうに思っております。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 知事の答弁は、いつも多角的なんですよ。その多角的な知事答弁に、こっちや、あっちや、そっちやっていっぱい言うほど、私にはキャパシティーがありません。ですから、まとめ的に論評いただいた、それが現在の知見だということを受け止めさせていただいて、私は、この事業者からこれから、どしどしということになるのか、ぱらぱらということになるのかということが、まさに事業化に向かって難しいのか、比較的技術の進歩で対応できるものなのかどうかということの見極めにも近づいていくものなのではないかなと思うんですね。

 これだけの報告書を、つい3月の頭に頂いたところで、とても読み込む時間的なものも、私のキャパシティーもありませんので、しっかりこの分も勉強させていただいて、いずれにしても、再生可能エネルギー、自然エネルギーの開発は進めていかなければならないけれども、何でもよい、どこでもよいということではないでしょうというところのスタンスだけは持ち続けていきたいなというふうに思っています。

 そういう点では、今回の県によるゾーニング調査は、この海域における総合的、客観的な科学的知見と捉えて勉強してまいりたいと思います。

 そのことを申し上げて、次の大きな2項目めの質問に参ります。

 大きな2項目めの質問は、日高川水系河川整備についてでございます。

 毎回聞かせていただいているような中身なんですけれども、まず、令和3年度の事業内容についてお示しをいただきたいと思います。

 令和2年度の2月補正予算、令和3年度当初予算は、言わば15か月予算として大きな治水予算が計上されています。全国知事会、近畿ブロック知事会等を通じての要望の中で、特に国土強靱化予算は多大な額が計上されていると考えられます。

 日高川水系には2月補正で9億6000万円余り、令和3年度当初予算では3億6000万円余りが計上をされました。このうち日高川本川の補正予算は2億5250万円ですが、その主な整備箇所について、まず、お示しをいただきたいんです。

 それと、河川内の樹木伐採はその事業の中に入っているのかどうか。今、周辺住民も含めて、とにかく目に見える形で日高川の河川敷が大きく整備をされましたので、皆さんの関心は物すごく集中的に出るわけですね。「どこまで樹木を伐採してくれるのだろう」とか「樹木伐採の跡がとってもきれいに整備されているから、何を造るんやろうか」と。また、「跡へすぐに樹木が生えないようにどう管理するのだろう」ということなどがジャンル的に話題となっていっています。検討されている内容としてお答えください。

 また、あわせて、西川には2月補正で7億円余り、当初予算に2億6000万円がつけられています。補正のほうがばかでかい。寺田橋から上流への延長予算ですが、おおむねどこまでの計画になるのでしょうか。県土整備部長からお答えをいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長庄司 勝君。

  〔庄司 勝君、登壇〕

○県土整備部長(庄司 勝君) 御質問のありました日高川本川並びに支川西川における防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の初年度分の予算を活用した事業内容についてお答えします。

 まず、日高川本川において、令和2年度補正予算として約2億5000万円を計上しており、支川江川との合流点付近やその上流において、既設堤防のかさ上げ等を行う予定です。

 河川内樹木の伐採につきましては、本予算では行う予定はございません。なお、令和2年度当初予算により伐採した箇所において、御坊市が樹木の再繁茂防止等のため、利活用方策を検討しているところと聞いており、県としても必要な助言を行うなど、市に協力してまいります。

 次に、支川西川では、令和2年度補正予算と令和3年度予算を合わせ、約9億7000万円を計上しており、令和2年度に引き続き寺田橋の架け替えを進めるとともに、寺田橋上流において護岸整備を進める予定でございます。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 樹木伐採もうないんかって、ちょっと落胆なんです。でも、やってもうたところはすばらしいですから、余計に欲張ってくるということを含めてですが、河川のこの予算のかかりようというのはすごいですね。改めて実感をさせてもらっております。

 その上で、御坊市と相談の上で、何をどのような整備のために役立てるのかという検討だということで了解をしたいと思います。

 西川についてもどこまでってあんまり細こう言うたら、しにくいということが分かってきましたので、振興局のほうからも具体的なところを、それぞれの時期において進捗状況を伺ってまいりたいと思います。

 そこで、2項目めの質問なんですが、当初予算には堂閉川付け替えと下川放水路整備への予算も計上されているんです。これは、金額的にはさほど大きいものではなくても、予算づけそのものが画期的だと思っています。それぞれの今年度予算の性格についてお示しください。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長。

  〔庄司 勝君、登壇〕

○県土整備部長(庄司 勝君) 御質問のありました令和3年度当初予算における堂閉川及び下川の事業内容についてお答えします。

 まず、堂閉川につきましては、河道を一部付け替えて斉川の下流に接続することで流下能力を高める計画をしており、当初予算で計上している約1000万円で引き続き検討を進める予定です。

 次に、下川につきましては、日高川へ接続する放水路を県道御坊停車場線の下に整備することで、浸水被害の軽減を図る計画をしており、当初予算で計上している約2000万円で調査及び詳細設計に着手する予定です。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 河川課に対する質問なので、下川の、これは地域ではシタガワと言ったりもするのですが、いずれにしても書いたら下の川です。放水路を整備するというのは、御坊では18メートル道路という一番広い道の中を掘っていくということなんで、2000万円でできると考えている人は誰もいませんが、でも、2000万円で調査、計画を進めていくということで着手をしていただいたということで、歓迎をしたいと思っています。

 堂閉川については2か年目の調査ということになりますが、これも付け替えですから、一遍にはいかんということは分かっているつもりなんで、それぞれについて、いわゆる調査ですよね。それがしっかり促進されるようにお願いを申し上げておきたいと思います。

 この質問の3点目に入りますが、実は河川というものを勉強させていただいて初めて思ったんですが、砂利がこの頃は取られていないんですよ、河川の区域の中の。この砂利採取についてお尋ねしていきたいんです。

 河川内の砂利は、民間の会社等によってどんどん取られていたんです。それがいつ頃からなくなったのかを調べてみました。和歌山県では、河床低下による堤防や橋梁等への影響から、昭和61年に制定した許可方針により、原則として禁止をされています。平成の期間の採取がないわけですね。

 それが平成25年以降、それまでの土砂堆積を踏まえ、治水安全度の向上を期待して、河川における砂利の一般採取再開と採取区域の拡大を行ってきているということです。

 日高川でも、和歌山県河川砂利採取許可方針に基づき、平成30年5月14日から6月13日まで河川砂利採取希望者の募集を行っていますが、1社の申請しかなかったんです。砂利採取予定者の選定が行われていない区域については、採取計画の認可申請を随時受け付けているということですが、それほど事業者がいないという状況のようなんですね。

 住民からすると、砂利を取り除けばもっと流下能力が増えるのではと考えるんですが、県として、助成をしてでもこの事業者を増やしていく必要があるのではないかと思います。(資料を示す)これが私、求めている、ブルーで載ったところがとってもよいよと県が許可をしてくれているところなんですが、この、取りやすいとこやと思うんやけどね、これを取ってくれる事業者が今いないんですよ。県としての考え方をお示しください。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長。

  〔庄司 勝君、登壇〕

○県土整備部長(庄司 勝君) 河川砂利の採取事業者への助成方針につきまして御質問をいただきました。

 一般砂利採取は、民間事業者の採算に合う箇所については民間活力を導入し、河川における堆積土砂を効率的に撤去することを目的として取り組んでいるものです。

 しかしながら、議員御指摘のとおり、公募をしても応募する砂利採取事業者が少なく、日高川では1社のみが実施しているところです。

 この主な原因としましては、砂利採取事業者が昭和61年の砂利採取許可方針制定以降、骨材資源を河川砂利依存からおか砂利や砕石等へ多様化させており、採算の取れる供給体制が別に出来上がっていること、河川における砂利採取箇所や採取可能量が自然条件に左右され、計画的な採取が困難なこと等が考えられます。

 つきましては、より深く課題を把握するため、日高川や他の河川で既に一般砂利採取を行っている業者にヒアリング等を行ってまいりたいと考えてございます。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 答弁ありがとうございます、さっきから言うのを忘れてたんですが。

 僕はこの3項目めを考えたときに、「助成したって、ほんなもん話になるかよ。だって、民間がやって採算取れるような事業やないか」と。「だから、民間がその採算ベースに合うように取っていくということがええやないか」と、ぱつーんと断られると思ってたんですよ。

 ところが、やっぱりもう30年近くなって、業者が取ったらあかんという期間が長かったもんですから、だから、事業者がほんまにそれで採算取れるかどうかってことが、もう引き継がれていないという状況を、多分考えていただけているんやろうと思うんですよね。

 ですから、本当にこれ、採算が絶対に取れるような方法が、私、これだったらあると思うんですよね。これを取ってもうたら、御坊の人たちは雨がわーっと降ってきても、砂利のところをこだわりなく水が流下してくれますから、やっぱりよく川が流れているということになってくるのかと思いますので、ぜひ御検討をいただいて、進めていただきたいと要望をさせていただきます。

 さて、今回のこの問題の一番中心的な本来の質問は4項目めなんです。

 昨年7月に、社会資本整備審議会が出した答申がございます。「あらゆる関係者が流域全体で行う持続可能な『流域治水』への転換」という副題がついているんです。例えばパリ協定が目標としているものの場合では、降雨量変化倍率約1.1倍と試算する見直しなども提起をされているのが、この中身なんですよね、あり方。

 近年のダムや堤防などの施設能力を超過する甚大な水災害、気候変動の影響や社会状況の変化などを踏まえて、関係者が協働して流域全体で対応するというのが流域治水というものの考え方なんだと示されていますから、その流域治水へ転換する必要があると述べられています。

 和歌山県として、この答申を受けて、令和2年度中に1級水系の対応──2河川あります──を含め、流域治水プロジェクトを立ち上げてこられたと思います。河川整備計画の見直しもあるのかどうかを含めて、今後どのような取組をしていくのか、お答えいただきたい。

 また、2級水系、私の住む2級河川、日高川水系ですが、その対応では、日高川プロジェクトがいち早く立ち上がりました。やっぱり2級河川の中では、流域面積が最も大きく、椿山ダムという大きなダムがある、そして、平成23年の紀伊半島大水害の被害を受けた。この三つの要素があって、日高川で一遍先に立ち上げてやってみたらどうだということをひしひしと感じているわけです。

 その日高川流域治水プロジェクトについての到達と今後の手順をお示しいただけたらと思います。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長。

  〔庄司 勝君、登壇〕

○県土整備部長(庄司 勝君) 御質問のありました流域治水プロジェクトにおける河川整備計画の見直しの可能性と、日高川水系の検討状況並びに今後の見通しについてお答えいたします。

 まず、流域治水プロジェクトは、河川区域内で完結していた従来の河川整備計画に基づく治水対策に追加して、森林などの集水域や都市部の田畑など、浸水しやすい地域を対象とした対策も含まれる計画ですので、河川整備計画そのものを変更することにはならないと考えます。

 次に、日高川水系における流域治水プロジェクトにつきましては、令和2年10月に検討に着手し、令和3年2月に中間取りまとめを行ったところであり、令和3年の出水期までに対策メニューなどの最終取りまとめを行う予定です。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 流域治水プロジェクトというものの考え方については、国土交通省本省からの具体的な指標がまだまだ足りないのではないかと感じているんですね。そういう情報は、今はもう情報公開の時代でどんどんと流れてくるので、私もイの一番、御指定いただいた日高川水系の流域治水プロジェクトの進み具合も見ながら、具体的なところで地域の皆さん方に「おい、振興局に言うたらええ話と違うんや」と。「建設部に頼んでおいたからそれで終わりという話ではなくて、施設、堤防も含めて、その決壊があったらこのような対応の仕方が、この地域ではどのようにしてできるのかということを一緒になって協議してもらうという、そういう考え方がこの流域治水プロジェクトなんですよ」と。「一遍、だから、ええ知恵を絞り合おうらよ」というような呼びかけをしていきたいと思っているんです。

 そうするためには、本省のほうの考え方といいますか、そういうものを専門家の立場から、知恵と力をしっかりと提起をしてもらわなんだら、昔はこうやったの話で終わってしまうんでね。その問題提起も含めて、お力添えを重ねてお願い申し上げておきたいと思います。

 以上で、3項目めの質問に入らせていただきます。ありがとうございました。

 大きな項目の3点目として、2017年3月に操業を始めた御坊リサイクルセンター、産業廃棄物最終処分場の問題についてお尋ねします。

 先日、御坊市塩屋町の現場にお邪魔をして視察し、所長以下の職員の方から丁寧な御説明をいただきました。民間の施設ですから。

 昨年の9月頃から御坊市塩屋地区と名田町祓井戸、野島地区でのきつい悪臭による苦情があちこちから起きました。苦情が殺到したんですね。その中で発生源の調査が始まりまして、結果、当該事業所からのものと特定がされました。

 事業者は、昨年の10月20日からほぼ2週間で上面が開放となっていた浸出水調整池ナンバー2、二つ目に活性炭フィルターつき建屋を設置して、調整池内の浸出水から発生する臭気を抑制する工事を実施いたしました。

 その後、真夏の熱気が和らいだこともあって、住民からの苦情は鎮静化しましたが、さらに、年末に事業者から追加の臭気対策として、大気散気装置を設置する旨の報告が地元住民に回覧されたんです。この報告を受けて、私は2月9日に大栄環境株式会社御坊リサイクルセンターの現場を視察させていただいたという経過なんですね。

 調査時には、大規模なタンクと大型脱臭装置が一応の完了の様子でしたが、リース機器類を自前で作成する作業も進められていました。これは産業廃棄物が埋め立てられた最終処分場から出る硫化水素、メチルメルカプタンなどの硫黄系悪臭物質、これは猛毒だと言われていますから、そういう物質を集め、分解し、脱臭する大型の装置ということでございました。単なる臭気対策だけでなく、有機物を含む産業廃棄物から出る有毒ガスなどの徹底的な除去対策を追加したのだと思いました。

 なぜこうした対策が必要になるほどの悪臭が出たのかという分析が大事だと思うんですね。昨年の夏、近くの川辺観測所では、7月雨量680.5ミリの降雨がありました。680といったら、ちょっと中途半端な数と違います。汚染水を処理するための貯水槽にも予想以上の流量があったでしょう。汚染水処理施設の1日当たりの処理量は200立方メートルしかありませんから、大量の汚染水が貯水槽に残されたことになります。埋立地内にも雨は浸透していきますから、全体として嫌気性となって、大量の腐食状況の中で臭気が発生したことになると考えます。

 これらが、長雨の後のきつい夏のかんかん照り、8月一月の雨量は、実は川辺観測所で僅か45ミリしかなかったんです。特に第2貯水槽の汚染水と埋立最終処分場では、大きな異臭発生の原因になったのではと考えます。

 そこで、1項目めの質問です。

 こうした中で、御坊リサイクルセンターでは、さきに申し上げた対策を徹底しました。この対策は、実は法令での設置義務はないんです。けれども、その法令での対策を超えていると説明をされていますが、私は、御坊市と事業者によって結ばれた環境保全協定第2条の規定に基づく協定遵守の姿勢により行われたものと理解しています。

 産業廃棄物の適正な処理の許認可権を持つ県行政としては、どのように評価をされるのでしょうか。この項目については、環境生活部長のほうからお答えをいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 環境生活部長田中一寿君。

  〔田中一寿君、登壇〕

○環境生活部長(田中一寿君) 最終処分場の整備に当たって、施設設備や管理運営等に関して地元市町村や住民等と事業者が協定や覚書を結んでいる例がございます。

 こうした協定等は、法令上決められたものではありませんが、御坊リサイクルセンターにおいても御坊市と事業者が環境保全協定を結び、水質等の環境保全対策や自然環境への配慮などの取り決めを行っています。

 追加の臭気対策などはこの協定に基づき実施されたものであり、協定によって事業者の主体的な環境保全対策が促され、地域の安全確保、良好な生活環境の保全につながっていると考えています。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 法令遵守の上の協定遵守という側面は、これは御坊市と大栄環境株式会社の方との甲乙の環境保全協定として実を結んでいます。法令ではなく紳士協定と言われる環境保全協定として書いてあることが、ほんまにやってくれるんやと。この信頼関係というのは、私、物すごく大事やと思うんですよね。それで今の1項目めのような質問をさせていただいたわけです。

 これは周辺地域の自然環境とか河川環境の保全に配慮をして、御坊市立給食センターへの影響、300メートルもないところで給食センターがありまして、地域住民等の生活環境に影響を与えないよう、常に細心の注意を払い、公害防止技術の向上に努め、適切な維持管理を行う責務を有する。これが第2条で、会社の側に責任がありますと書かれている文章でございます。紹介をして、そのことを評価していただいたことをありがたいと思っています。

 さて、2項目めの質問に参りますが、見逃せないのは、地域から要望がありまして、和歌山県ではこの許認可をするときに審議会がつくられた、その審議会の委員さんの御意見で、一つ目の貯水槽だけでなくて、第2貯水槽も要るでしょうということが意見として出されました。7000立方メートルが設置されていたんです。当初計画では、この第2貯水槽はなくても県からは許可されたと聞かされているんですけれども、しかし、今回の事態から見えるのは、これがなければ敷地外、地域に汚染水が流れ出したかもしれないということです。それだけ気候変動の下で想定外の雨は降るということ。それに対応するためには余分と思えるほどの対策がやっぱり必要ではないかということが、私は教訓だと考えています。

 それと関連して、平成30年に、実は御坊市で大雨が降りまして、7日間の停電があったんですけども、そのときです。7日間の停電というのは最近では、まあまあ、めったにないわのう。想定外そのものですわ。

 その想定外の停電のときには、この御坊リサイクルセンターの汚水処理槽は、やっぱりあかんなんだんよ。で、慌てて非常用電源を確保して処理を始めたという経験があるわけなんです。

 こういう汚染水処理施設の現状の対策として、今はどうなっているのか、お示しください。

○議長(岸本 健君) 環境生活部長。

  〔田中一寿君、登壇〕

○環境生活部長(田中一寿君) 御坊リサイクルセンターにおいては、平成30年9月の台風第21号による停電に伴い、汚水処理施設が稼働できなくなりました。

 そのため、汚染水を処理できないという事態が生じましたが、外部への流出はありませんでした。

 しかしながら、このことをきっかけに、停電により汚水処理ができず、汚染水が外部に流出するという危険を排除するため、御坊リサイクルセンターでは、梅雨から台風のシーズンにかけての降雨量の多い期間中、非常用電源を常時設置しています。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 このセンターの運営について、もう二点お尋ねします。

 1点は、地下水のモニタリング水質検査と排水処理施設からの放流水についてです。これは事業者も御坊市も日常的に管理をされていると思います。県行政として調査報告を受けているかどうか、また、上流、下流の観測井戸の現場確認もしていただきたいと思うんですけども、いかがでしょうか。

 2点目は、アスベストの廃棄についてです。御坊リサイクルセンター建設前の地元説明会で、「最終処分場の中でも場所を特定するため立札を立てて、手作業で丁寧に廃棄する」との発言を、聞いたんよ。言った、言っていないということを争うつもりはありません、現実はそうなっていませんから。

 でも、このアスベスト廃棄物の管理について、県の対応はどのようにされているのか、お示しいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 環境生活部長。

  〔田中一寿君、登壇〕

○環境生活部長(田中一寿君) 御坊リサイクルセンターにおける地下水及び放流水の水質検査の実施についてでございますが、事業者は廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、最終処分場の上流と下流に位置する2か所の観測井戸から採取した地下水及び汚水処理施設からの放流水の水質を検査し、遮水シートの破損や汚水処理施設に異常がないかを確認しています。その結果について、県への報告義務はございませんが、インターネットで公表されております。

 また、県では、最終処分場は環境に与える影響が大きいことから、許可をしている全ての最終処分場に毎月立入検査を行い、放流水等の検査を行っております。御坊リサイクルセンターについても、県と御坊市において毎月立入検査により現場確認を行い、地下水及び放流水の水質についての基準適合状況を確認しており、これまでのところ問題は認められておりません。

 次に、アスベストの廃棄についてでございますが、事業者において、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令及び環境省の石綿含有廃棄物等処理マニュアルに基づき、石綿含有産業廃棄物を一定の場所に埋め立て、その埋立場所を記録、保存しています。

 県としましては、毎月の立入検査の際に、アスベストの埋立てについても適正に行われていることを確認しております。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 しっかり確認したという答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 アスベストの管理はこんなふうに(写真を示す)、やっぱり写真でこんなに下ろしていますということで確認できたということも、私にとっては非常に確信になりました。

 それで、この項目を三つ申し上げてきたのは、御坊のリサイクルセンターに公害を出させないという地域住民の声、それから県当局の御努力もあって、御坊市と環境保全協定まで結んで、紳士協定だけれども、その協定が結ばれて、法令以上の対策が取れてきているということを私、3点で確認させてもらったつもりです。

 とすれば、この項目の最後に、令和3年、今年の夏頃から供用開始されようとしている紀南広域廃棄物最終処分場、いわゆる紀南版フェニックスの備えはどうやろうかということに意識が向いていきます。

 県下で初めての大規模な管理型最終処分場として、御坊リサイクルセンターが操業されたんですが、今回特に申し上げたいことは、気候変動の下で、想定外と言われることが起こってきているという点です。だからこそ生かすべきところは生かしていくという姿勢が大事だと考えます。それぞれの件で、紀南版フェニックス事業ではどう計画をされているんでしょうか。御坊リサイクルセンターの事例を教訓として、県として操業までに改善の必要はないのかの検証をお願いしたいと思います。環境生活部長からの答弁をいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 環境生活部長。

  〔田中一寿君、登壇〕

○環境生活部長(田中一寿君) 紀南広域廃棄物最終処分場につきましては、施設の安全と安心の確保という基本方針に基づき、防災対策や環境保全対策が行われています。

 地震に対する備えとして、埋め立てた廃棄物を将来にわたって安全に貯留できるよう、おおむね数百年に1度起こり得る最大級の地震に対し、周辺環境や地域住民の生命、生活に影響を及ぼす被災が生じないレベルの耐震性を備えた貯留構造物が整備されております。

 次に、大雨に対する備えとして、公益社団法人全国都市清掃会議が定めた廃棄物最終処分場整備の計画・設計・管理要領に基づき、汚水処理施設と調整槽が整備されており、当該地域で記録を取り始めてから最も降水量の多かった平成23年、紀伊半島大水害が発生した年の降水量にも対応できるものになっております。

 県としましては、あらゆる事象に対応できるよう、御坊リサイクルセンターをはじめ他の最終処分場における知見を生かし、紀南広域廃棄物最終処分場が安全に運営されるよう、紀南環境広域施設組合に対し必要な指導、助言を行ってまいります。

○議長(岸本 健君) この際、申し上げます。所定の時間まで残り僅かです。質問並びに答弁は簡潔にお願いいたします。

 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 ありがとうございます。

 明確な答弁をいただきましたので、最後の4項目め、高校再編問題についてお尋ねしてまいります。

 去る2月23日、日高地方の高校教育を考える会準備会が開かれました。いずれの方も元職なんですが、御坊市教育長、日高川教育委員長、小学校長、御坊商工の校長、日高高校双成会会長の5人の方が呼びかけて、当日は40名近くが参加をされました。

 この会の呼びかけは、「高校の再編整備について、拙速に進めるのではなく、地域住民方々の様々な声を基に十分に議論をする必要があると考えています。将来の日高地方の高校教育を考える会を立ち上げ、皆さんと共に高校教育について考え、将来の子供たち、地域のためにできる対策を進めたい」として呼びかけられました。

 その会ではたくさんのいろんな意見があったんですけれども、そこで2点お尋ねいたします。もうこの間、中身のいっぱいの議論がありましたから。

 一つは、住民のこの任意の団体の会の意見をどう受け止められるのかということ。

 二つ目は、今後、一斉の説明会が終了した中で、こうした任意の会にも出かけて、県教育委員会の考え方を含め、懇談に応じる姿勢はあるのか否か。教育長からお答えをいただけたらと思います。

○議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。

  〔宮﨑 泉君、登壇〕

○教育長(宮﨑 泉君) 県教育委員会としましては、本県の高等学校教育の在り方を含めた教育の充実振興について、県民の関心が高まり、前向きな議論が進むことを願っています。議員御紹介の日高地方の高校教育を考える会準備会は、そのような趣旨の会合であると期待しております。

 準備会では、「県教委は地域等の声を聞こうとしていない」等の発言があったということですが、県教育委員会は、昨年秋から先月にかけて、市町村長と協議をする機会を含め、県立高校の在り方に関して説明や懇談の機会を計40回以上設け、地域の声を丁寧に伺うことに努めてまいりました。

 また、それらの機会を通して、県民の期待と信頼に応える、多様性と活気あふれる高校を、地域の方々の理解を得ながら整備していくという県教育委員会の考え方を、繰り返し説明しております。

 今後、県教育委員会が提示する論点に対して、現実的かつ具体的な御提言をいただきながら、再編整備の方向性を固めていきたいと考えており、様々な団体や個人の方々に、前向きな協議に積極的に加わっていただけることを期待しております。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 時間のない中でありがとうございました。

 高校教育の問題にこれだけの議論が集中したということ自体が、私はすばらしいことだと思いました。

 教育権は、教育する権利を持っているのは国民にある。そして、高校教育は、地域の財産であるということを共通の理解として進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)

○議長(岸本 健君) 以上で、楠本文郎君の質問が終了いたしました。

 質疑及び一般質問を続行いたします。

 7番井出益弘君。

  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)

○井出益弘君 いよいよ最終の最終なんで、しばらく、お疲れやと思いますけども、どうかひとつ御静聴よろしくお願いします。

 今日は、今回は大きく分けて2点、まず、その1点目の京奈和自動車道の第二阪和国道への延伸について。

 京奈和自動車道の第二阪和国道への延伸についての要望は、平成29年2月の予算特別委員会で質問してからなので4年ぶりになりますが、この間に、京奈和自動車道、第二阪和国道、周辺道路の状況は大きく変化しています。

 京奈和自動車道については、平成29年3月に岩出根来インターより和歌山JCT間の開通により、県内全線が供用され、さらに、奈良県域に残っている未供用区間についても事業が進められており、全線開通に向けて整備が行われているところであります。

 和歌山県と大阪府をつなぐ府県間道路である国道26号第二阪和国道については、平成29年4月に淡輪ランプより平井ランプ間の開通により、全線が開通しました。

 そして、京奈和自動車道と第二阪和国道の間をつなぐ都市計画道路西脇山口線は、令和2年3月に川永工区の供用により、全線が開通しました。

 西脇山口線は、従来非常に交通量の多い道路であったが、平成29年の京奈和自動車道、第二阪和国道の開通により、車の流れは大きく変わり、予想していたとおり交通量は増え、各所で渋滞が発生し、特に大谷ランプの加太方面への渋滞はひどいものでありました。

 しかし、左折レーンの整備や右折レーンの延長、信号機の調整と、県や県警察が対策を講じていただいたおかげで、かなり停滞は解消されました。地元県会議員、地元住民として、大変私も感謝しております。

 しかしながら、紀の川洪水ハザードマップを見ると、西脇山口線は浸水想定区域に入っております。西脇山口線は、地域住民にとって生活に欠かせない道路であり、和歌山市北部地域を東西に横断する唯一の主要幹線道路であります。

 京奈和自動車道の第二阪和国道への延伸は、大規模災害に備え、西脇山口線の代替路、緊急輸送道路としても必要でありますし、企業立地や観光振興など、和歌山県の地域経済の発展に大きな効果をもたらすものであり、重要な道路となることは明らかであります。

 これまでも努力してくれているとは思いますが、もう一押し頑張れば、大変、関西の大環状道路というような部分の一部といいますか、ミッシングリンクとしての、常に西脇山口線と大谷の交差点、第二阪和国道と京奈和自動車道、そして西脇山口線、この大停滞を繰り返しているのは、これは第二阪和国道ができて、京奈和自動車道ができて、この間をつながなくて下へ下りてくるからやと、こういうことを私、ここで何回も言わしてもろうたと思いますけど。そして、ミッシングリンクのこの部分、こここそはつながなあかんミッシングリンクやということを、大変、私は何回も言わしてもらったんですけど、この京奈和自動車道の第二阪和国道への延伸について、この件は国に対しても強く働きかけを行っていくことが重要と考えますが、県の考えとしては、さらにこの件を頑張っていただけるかどうか、知事にお聞きしたいと思います。

○議長(岸本 健君) ただいまの井出益弘君の質問に対する答弁を求めます。

 知事仁坂吉伸君。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 議員御指摘のように、京奈和自動車道が第二阪和国道まで延伸いたしますと、道路ネットワークがちゃんと整備強化されまして、和歌山市北部地域の利便性の向上や中心部の渋滞緩和などの課題が解消されると思いますし、それによって地域経済の活性化にも寄与すると思います。さらにもっと言いますと、これは関西大環状道路の一部を形成する重要な道路になるわけであります。

 しかしながら、残念ながらと言うべきだと思うんですが、歴史的に言うと、現状では近畿自動車道紀勢線や京奈和自動車道のように、国の計画をつくったときにちょっと位置づけられていなかったんで、まだ位置づけられていないわけであります。計画道路になっても事業化するまでに結構時間がかかるんですけど、計画もないというのはちょっとつらいなあというのがここの最大の欠点であります。

 そこで、我々の計画には、和歌山県長期総合計画には本道路の具体化を位置づけると。それから、いろいろなチャンスをうかがって、もちろんたくさんお願いをしまして、このステータスを上げるということをやらないといけませんので、国が実施している和歌山都市圏の幹線道路ネットワークの検討というのが今行われておりますが、これに和歌山市と連携して、協力をして、これに位置づけてもらおうということで、計画に代わるものということにしたいなあというふうに思っておるわけであります。

 県といたしましては、この道路の実現、これはもうもともと最重要課題でございまして、国と共に策定を定めている新広域道路交通計画に本道路が位置づけられて、早期の重要物流道路への指定になって、それで事業が行われて完成するということを狙って、引き続き国に対して、あらゆる機会を通じて働きかけていきたいと思っております。

○議長(岸本 健君) 井出益弘君。

  〔井出益弘君、登壇〕

○井出益弘君 御答弁ありがとうございました。

 令和3年度国の施策及び予算に関する和歌山県の提案・要望という資料を見せていただいたんですけど、これにもなかなか具体的に、現状課題、それから具体的な措置と今年の取組というようなことを、随分知事が力を入れて書いていただけておって、今はまたこの話を出していただいたんで、今度は何とか物になるんかなあと。ぜひこれに指定されるということが大事だと思いますので、引き続いて、私らもなかなか、行政の知事と県議会とは両輪のごとくと言って、日頃あれしているんですけど、ぜひ我々も一緒になって実現させていただきたいと思います。

 次に、2番目の1番、和歌山市域の水害対策についてお伺いします。

 国営総合農地防災事業和歌山平野地区の進捗について。

 近年、全国的に気象変動に伴う豪雨により、大規模な浸水被害が発生しています。

 和歌山市においても、平成24年の6月梅雨前線豪雨では、和田川流域で大きな浸水が発生し、マスコミなどでも大きく取り上げられ、発生地域の上空をたくさんの報道のヘリコプターが飛んでいたのを記憶しています。

 また、平成26年8月の集中豪雨でも浸水被害が発生し、記憶に新しいのが平成29年10月の台風21号の豪雨でありますが、和田川流域の和歌山市の山東地区、和歌山市西田井や紀伊地区、直川地区などにおいて、広範囲で家屋の浸水被害が発生しました。また、周辺農地も広範囲で水につかり、多くの農作物の被害が発生しております。

 このことについては、私もこれまで議会で、とりわけ和田川、七瀬川流域の浸水対策は喫緊の課題であり、早急に対策を取ってもらえるよう要望してきたところであります。河川や農業水路の改修は大きな予算が必要で、また、非常に時間を要することは分かっていますが、過去に経験のないような豪雨、最近ではゲリラ豪雨と言われるような豪雨が発生すれば、またつかるんではないかと、いつ起こるか分からない豪雨に、周辺住民は不安を感じていますので、大雨におびえることのない、安全・安心した生活を送ることができるように、早期に浸水対策を進める必要があります。

 河川改修については、今議会で多田議員が質問され、「七瀬川については、紀の川合流地点から鴨居川合流地点までの1期工区については、令和3年出水期までの完成を目指している。また、和田川については、和歌川合流地点から前代川合流地点までの区間において整備を進めており、下流から4.2キロメートルの区間の整備が完了している」と県土整備部長から答弁がありました。これら河川改修は目に見えて整備が進んできていると思いますが、未着手である工区の河川改修工事を含め、早期完了を期待しております。

 浸水対策を進める上で、当然早期に河川改修工事を完了させることは重要でありますが、河川につながる市域内の農業用幹線水路や排水機場の建設整備も重要であります。

 そこで、内水被害対策として、平成26年度より実施している国営総合農地防災事業による効果に大きな期待をしております。国営総合農地防災事業和歌山平野地区の取組内容、進捗状況について、農林水産部長にお聞きします。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長角谷博史君。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 国営総合農地防災事業和歌山平野地区の和歌山市域での取組内容と進捗状況についてお答えします。

 紀の川中下流域での浸水対策を進めるため、平成26年度より農林水産省の直轄事業として国営総合農地防災事業が実施されております。

 和歌山市内では、和田川流域で2か所の排水機場を整備するとともに、直川地区から紀伊地区までの排水路と紀伊地区から山口地区までの排水路の計2か所の新設に加え、小倉、和佐地区での樋門や排水路の改修などが計画されております。

 このうち、和田川流域の米田排水機場と直川地区から紀伊地区までの六箇井高川排水路が令和元年度に完成し、紀伊地区から山口地区までの六箇井七瀬排水路が本年度末に完成予定となっております。

 また、和田川流域の名草排水機場の整備と小倉・和佐地区の千旦樋門の改修工事などが、現在実施されております。

 県といたしましては、これまでも事業効果が早期に現れるよう、国に対し要望してきたところでございますが、今後も引き続き、国に対し働きかけてまいります。

○議長(岸本 健君) 井出益弘君。

  〔井出益弘君、登壇〕

○井出益弘君 御答弁をいただきました。

 なかなか、部長お答えのとおり、急には進まんのですけども、やはり被害の出そうなところというのも、ある程度もう今は分かってきているような箇所もたくさんあります。ですから、やはり何とか被害を少なくするようにということで、当面どうするのかというようなことも含めて、早くやる場所、遅く、遅くなってもいいということじゃないけど、そういうようなこともぜひ考えながら、早くやってほしいなと。

 そして、紀の川本川のことについては、なかなか、紀の川の水位が高いから中側が池みたいになってしまうという、そういうことについては非常に一気にはいかんのですけども、先ほどちょっと、前質問者のところでも出たんですけど、この砂利をやっぱり取ってもらわんと、川底は下げてもらわんとあかんと思うんで、次の私の質問のところへちょっと関係もあるんですけど、やはり砂利を取ってもらう。

 だけども最近、私、知事から「あれ、砂利、もうただで取れるで」と。前は砂利採取をしたときにお金を払ってということが、そう思っておったのが。だけど、それもなかなか、ちょっと先ほど取ってくれる人がおらんと。

 だけど、紀の川についてはやっぱり1級河川なんで、国がお金を出してでも、採算が取れやんと業者もなかってというんでは、お金を払ってでも取ってもらうというようなことを、ぜひまた知事からも、あるいは内水被害における川底を下げてもらいたいということもしっかり要望して、予算取るなり事業を承認いただけるようなことをお願いしたいと思います。

 それから、大門川の水質改善ということで、これ現在も大門川の水質は環境基準未達成でありますね。これは和歌山市において、下水道が整備されるまでの当面の措置として、もう岩出頭首工から農業用水路を活用して大門川へ水を流してきれいにしようという作戦であれしているんですけども、これについてもやはり、水質改善ということも大変大事なことなんで、環境改善のために、部長もあるいは知事もぜひ、これは和歌山市に関係あって、我々和歌山市選出の県議会議員もしょっちゅう要望されるんですけど、どうかひとつ、これも努力をお願いしたいと思います。

 議長、続いて。そしたら2番目の2ということで、最終の質問項目ですけど、新六ヶ井堰の撤去に向けて。

 紀の川の治水対策については、国を中心に積極的に取り組んでおられることにも感謝しますが、今でも、現に浸水被害が発生していることも事実であります。せっかく施設を整備しても、その効果が有効に発揮できなければ、事業をする意味がありません。

 紀の川流域の浸水被害については、紀の川本川の水位が上昇したとき、紀の川本川からの水が河川や農業水路に入ってこないように、逆流しないように、ゲート、水門を閉める必要があります。それにより内水の排除が困難となり、河川や農業水路があふれてしまうことが浸水の大きな原因であります。

 内水による浸水被害を防ぐための抜本的な対策は、紀の川本川の水位を、内水の排除レベルよりも上昇させない。ということは、排水口よりも紀の川が下でなかったら流れ出ないわけですね。そういうことをしようと思ったら、河川はやっぱりどんどん川底を上げていかないように取るということが非常に大事でありますが、水位を下げるためには、砂利がどんどんとたまってくるのは取らないかんのですけど、ずうっと上流まで、奈良まで取っていかなあかんということになるんか分からんけど、そうじゃなくて、取りあえず、和歌山市の今、問題となっている新六ヶ井堰という堰が残っている。残っているということは、皆さんに資料を配らせていただいたんですけども、これはちょっと、若干説明をさせていただくと、この右の上のほうですけども、まだ新六ヶ井堰が半分残っているということで、設計図では3.6ですけど、4メートルぐらいは残っていると思います。

 そして、この堰からもうずうっと砂利が残ってしまっています。前はもっと堰の近くには砂利がないんかなと思ったら、もういっぱいまでたまっているようです。それでそこからだんだんと岩出のほうに向かって川の砂利がどんどんと上がっていっているんで、ここの水位が、4メートルの上を紀の川が流れているというものが、上流のほうへ行くと、もっと上を流れているでしょう、砂利がどんどんたまって上へ上がってきているんだから。その上を流れているということで、結局最近の内水被害、内水の川からは紀の川へ流れ出なくなって、ゲートを閉めたりせんなんということが起こっているというのを、ちょっとここにメモを入れ、図面へあまり勝手に書き込んでもあかんかなと思って、悪いかなと思って、頂いた資料へ書き添えをしたかったんですけど。

 それで、この新六ヶ井堰の撤去の必要性について、何度も議会で県土整備部長、そして知事に訴えてきました。要望してきました。

 令和2年2月議会では、皆さんに資料をお配りして、改めて新六ヶ井堰の基礎部分が残っていると。「川の中にそんなもん、もう取ったやろ」と言われておった方がたくさんいまして、半分しか取っていないということで、そのときに資料をこれを作らせてもらったんですけども、またその経緯について説明するとともに、撤去の必要について、再度認識をしていただいたところであります。

 そして、知事からは、平成30年1月に国土交通省が設置した、国、県、市町を構成機関とする紀の川流域における浸水対策検討会において、「新六ヶ井堰の撤去については、国が浸水対策の一つの手段案として、堰の部分撤去を含め、あらゆる可能性を排除せずに検討し、その軽減効果や費用対効果などを分析しているものと認識している」と。さらに、国から検討結果が示され、仮に新六ヶ井堰の撤去が平成29年10月の浸水被害の再発を防ぐ唯一の対策ということになれば、紀の川水系河川整備計画に基づいて順次行われていく岩出、藤崎、小田の各狭窄部、ずっと上流へ行ったら紀の川の狭いところがある、この狭窄部対策など、中上流部の整備、それらの一連の整備が終わってから、下流に戻ってこの新六ヶ井堰の撤去という順番になるのかなあという感じでありまして、それで、新六ヶ井堰の撤去を、とにかく新六ヶ井堰を撤去するから上の工事を後送りにしてもええとか、今やっている工事をちょっと止めて下をやってというようなことにもならないんで、これは私ら、この24名の紀の川の水系に関係ある県会議員で勉強会の会をつくったんですけど、やはり下のこの新六ヶ井堰撤去ということも早急に、何か別枠、別予算でやっていただけないもんやろかと。上は上でどんどんやっぱりやってほしいと。そういうふうなことも我々勉強会でいろいろと話もしております。

 ちょうど前回の質問から1年になりますが、この間、紀の川の治水に関する研究会というのを立ち上げさせていただきまして、国への要望や和歌山河川国道事務所長にお越しいただいて、勉強会でいろんなことを、現況とかどのようなことができるのかというようなこととか、いろいろな話を聞いたり、これからもまた時期を見て御招待というか、「お越しいただいて話をしてくれますか」と言うたら、「もちろんこんなことは隠す必要もないし、やっていることは聞いてもらいたいぐらいです」ということで。

 それで知事にも、非常にこの話は最近知事も力を入れてくれているという話を聞きまして、大変私も、なかなか上流のこともあるからあれだったんかなあと思うけれど、最終的にこれは部分撤去から始まって全部撤去になるんですけども、そういうようなことも今後考えていく、あるいはそういう調査をして準備をしてほしいということを、我々、それも半年でも1か月でも早く、これを撤去できたらというようなことを考えております。

 国において、新六ヶ井堰の部分的な撤去による効果の検討が開始されるというようなことを聞きましたので、これに対する知事の評価について、お伺いいたします。

○議長(岸本 健君) 知事。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 紀の川の治水対策は、紀の川水系河川整備計画に位置づけられた対策を下流から上流に向かって進めているということになっております。大きなネック箇所となっていた岩出狭窄部対策が先月末に、これは完成をいたしました。次は、と言ったってもう始まっているんですけど、上流でございます藤崎狭窄部対策に今年度から着手したということになっております。

 国交省は、県もそうですけれども、何でも物すごく科学的にやるもんですから、新六ヶ井堰の半分を取ったので、リスクがこのぐらいになったんで、上流のほうがリスクは高いから、今度は。次はそっちをやらしてちょうだいと言って、そういう説明をされるもんですから、私の就任以来。まあ、しゃあないなあと。だから早くやってくださいよというような話をずっとやってきたところなんです。

 しかしながら、平成29年10月には、和歌山市の西田井地区とか、紀の川市の丸栖地区とか、支川における浸水被害が随分発生をいたしました。これはやっぱり御指摘のように本川が、水位が下がらなけりゃそういうところにいくということになるので、これは国土交通省等が中心になって、国、県、市町を構成機関とする紀の川流域における浸水対策検討会を設置いたしまして、現在、どうしたらいいんだということを検討しているところなんです。

 そこの中で、我々は新六ヶ井堰もやっぱり取らないとあかんの違うかというような話を随分熱心にやっているもんですから、その中では、国の考え方ですが、この浸水被害の再発を防ぐ唯一の対策がそれだということであれば、もう順番と言ってられないので、紀の川水系河川整備計画に基づく対策が終わってからの着手という従来の枠組みを変えることも視野に入れなければなりませんというところまで言わせているというか、そういう状況になっております。

 それじゃあ、それを早く全部の検討を終わらそうよと言って、今はせっついているということなんですが、どうも何かこういう土木とか、あるいは科学とかそういうのになると、物すごく入念に計算をしようとしたりするもんですから、なかなか進まんなあというのが正直な私の気持ちでございまして、今後とも早くやってちょうだいということを言っていきたいと思っております。

 議員御質問のほかに部分的な撤去の検討、これを今、実はやろうとしています。これはさっきの流れの中では、ちょっとそのものに即したものではないんですけど、実は最近、新六ヶ井堰上流部の右岸のほうで、護岸付近が洪水時の流れによって深掘りされておるぞということが、実は分かってきたわけです。これはほっておくと大変なことになるんで、これは応急措置としてもさっさと直さないかんということになります。

 直すんですけども、実は少しでも取ったほうがいいんじゃないかという議論を我々もやっているし、議員をはじめ皆さんからもそんな意見がいっぱいあるから、国交省も、それじゃあちょっと部分的に、改修をするときに新六ヶ井堰の一部を取って、部分的に穴を開けてみますかというような話をちょっと考えてくれていて、それによって深掘りの度合いを表面的には低減させる効果があるかどうか、逆に言うと、新六ヶ井堰の一部を取ったらどんな効果が出てくるのかとか、そんなことも分かるような形に、今、ちょっとなりつつあるわけでございます。

 そんなことで、今申し上げたことは、河川の水位を全面的に低下させるというところがあるからそれをやるんだということではないんですけれども、県も、それから議員をはじめ皆さんも、早く新六ヶ井堰をという御意見が非常に強いので、そういうことが今のような、ちょっとついでに一部を取ってというようなところにつながったんじゃないのかと思って、それはよかったかなというふうに思っておって、議員をはじめ皆さんの御要望は大変意義があるもんだというふうに考えておるところでございます。

○議長(岸本 健君) 井出益弘君。

  〔井出益弘君、登壇〕

○井出益弘君 御答弁いただきました。

 大変よく理解をさせてもらえて、また、可能性が出てきたという気もしましたんで、また我々、しっかり勉強会もして、知事にはそういう勉強会、また講師ででも来てもらうような機会があったら。

 じゃ、終わります。以上。(拍手)

○議長(岸本 健君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。

 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(岸本 健君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。

 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。

 お諮りいたします。お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第1号から議案第17号までは予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(岸本 健君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。

 次に、お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第34号から議案第59号まで、議案第61号から議案第64号まで、議案第66号から議案第70号まで及び議案第73号から議案第85号までは所管の常任委員会に付託いたします。

 次に日程第4、請願の付託について申し上げます。

 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。

 この際、報告いたします。

 議案の追加提出がありました。

 お諮りいたします。議案第86号を本日の日程に追加し、これより直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(岸本 健君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。

 議案第86号を議題といたします。

 議案は、お手元に配付しております。

 まず、当局の説明を求めます。

 知事仁坂吉伸君。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) ただいま上程されました議案について、御説明申し上げます。

 議案第86号は、教育長宮﨑泉君が、本年3月31日をもって任期満了となりますので、引き続き任命いたしたく、同意をお願いするものでございます。何とぞ御賛同賜りますようにお願い申し上げます。

○議長(岸本 健君) 以上で、当局の説明が終わりました。

 お諮りいたします。3月11日、12日、15日及び16日は委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(岸本 健君) 御異議なしと認めます。よって、3月11日、12日、15日及び16日は休会とすることに決定いたしました。

 次会は、3月17日定刻より会議を開きます。

 本日は、これをもって散会いたします。

  午後2時38分散会

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