令和2年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


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令和2年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号

令和2年12月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
令和2年12月8日(火曜日)
午前10時開議
 第1 議案第133号、議案第134号及び議案第141号から議案第164号まで(質疑)
 第2 一般質問 
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会議に付した事件
 第1 議案第133号、議案第134号及び議案第141号から議案第164号まで(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(42人)
 1番 鈴木德久
 2番 山家敏宏
 3番 中本浩精
 4番 堀 龍雄
 5番 藤山将材
 6番 岸本 健
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 北山慎一
 10番 玄素彰人
 11番 中西峰雄
 12番 秋月史成
 13番 森 礼子
 14番 濱口太史
 15番 尾崎要二
 16番 冨安民浩
 17番 川畑哲哉
 18番 玉木久登
 19番 鈴木太雄
 20番 岩田弘彦
 21番 吉井和視
 22番 谷 洋一
 23番 佐藤武治
 24番 岩井弘次
 25番 中 拓哉
 26番 多田純一
 27番 新島 雄
 28番 山下直也
 29番 中西 徹
 30番 谷口和樹
 31番 藤本眞利子
 32番 浦口高典
 33番 山田正彦
 34番 坂本 登
 35番 林 隆一
 36番 楠本文郎
 37番 高田由一
 38番 杉山俊雄
 39番 片桐章浩
 40番 奥村規子
 41番 尾﨑太郎
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       細川一也
 危機管理監      森田康友
 総務部長       田村一郎
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     田中一寿
 福祉保健部長     宮本浩之
 商工観光労働部長   大山 茂
 農林水産部長     角谷博史
 県土整備部長     庄司 勝
 会計管理者      城本 剛
 教育長        宮﨑 泉
 公安委員会委員    細江美則
 警察本部長      親家和仁
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       中川敦之
 次長         井邊正人
 議事課長       山田修平
 議事課副課長     岩井紀生
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主査      松田太郎
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀
 総務課長       嶋岡真志

 政策調査課長     神川充夫

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  午前10時0分開議
〇議長(岸本 健君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 監査委員から監査報告がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第1、議案第133号、議案第134号及び議案第141号から議案第164号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。
 3番中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕(拍手)
〇中本浩精君 皆様、おはようございます。
 令和2年12月定例会質疑、一般質問のトップバッターとして登壇させていただく機会をいただきました。生まれて初めての経験でございます。このような機会を与えていただきました先輩・同僚議員の皆様の御配慮に心から感謝を申し上げ、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問を行います。
 初めてのことですので本当に緊張しておりますが、自分なりに精いっぱいしっかりと質問させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。(「頑張って」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 まず初めに、仁坂知事の関西広域連合長としての抱負と和歌山県との関わりについてお尋ねいたします。
 仁坂知事におかれましては、関西広域連合長への御就任、誠におめでとうございます。今年は、関西広域連合が設立されて10周年とのことです。この10年間、様々な広域的ニーズに応えるための連携協力体制が整備されており、仁坂知事も副広域連合長としてその重責を担われてきたと思います。
 これまで長きにわたり引っ張ってこられた井戸広域連合長の後任であり、その職責はますます重いものになるものと想像しますが、広域連合長としての抱負と、本県との関わりにつきまして、知事の所見を伺います。
〇議長(岸本 健君) ただいまの中本浩精君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) かねてより私は、和歌山県の発展のためには、関西圏域が我が国の双眼構造の一つとして発展していくことが必要不可欠であるという思いを持っておりました。
 そのような思いの下、関西の府県で真剣な議論を重ね発足にこぎ着けました関西広域連合が設立10周年を迎えたということは、大変感慨深いものがあります。
 このたび、構成府県市の首長の皆様から御推挙を受け、広域連合長をお引受けすることになりましたが、この初心を忘れずに、誠心誠意、務めを果たしていく所存であります。
 関西広域連合では、これまで、東日本大震災等でのカウンターパート方式による迅速な被災地支援や紀伊半島大水害への支援、ドクターヘリの共同運航、広域インフラでの目標設定など、これまでの10年間で多くの成果を生み出してきたと思います。これら広域行政の取組については、時代の流れとともに変化する課題に対して、引き続き構成府県市で協力して取り組んでいく所存であります。
 この流れとして、当面の課題である新型コロナウイルス感染症への対応については、まずはそれぞれの自治体が感染拡大防止に努めた上でありますけれども、関西広域連合としては、医療資器材の融通や医療専門人材の派遣、検査の相互協力といった広域的な連携体制を整備しているところであります。
 さらに、ここ数年は、関西でビッグイベントがめじろ押しとなります。ワールドマスターズゲームズ2021関西や2025年大阪・関西万博が開催され、世界中から関心が集まる絶好の機会であります。これらの効果を関西圏域全体に波及させていきたいというふうに思います。
 なお、地方分権改革については、国の出先機関の丸ごと移管が実現していないなど、設立当初にかなりの人が思い描いたようには進捗しておりません。これを問題視する人もおります。しかし一方で、省庁の一部移転は関西でだけ実現したわけであります。
 このような現状を踏まえ、この際、一旦立ち止まり、これまでの取組がなぜ成果につながらなかったのかという要因を分析しながら、どうすれば国の機能を衰えさせなくて、かつ地方のための地方分権が進むのか、そういうことを原点から考え直して調整してみようと考えております。
 私は、これまで、関西の発展なくして和歌山の発展はなく、また、和歌山の飛躍なくして関西の飛躍はないと考えておりまして、お互いに相乗的に発展、飛躍していくよう、広域連合長としても、県知事としても、全身全霊で取り組んでまいる所存であります。
 議員の皆様方の御理解と御指導を賜りますように、よろしくお願い申し上げます。
〇議長(岸本 健君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
〇中本浩精君 10年目という節目に関西広域連合のかじ取りを任された仁坂新広域連合長の御活躍に期待いたします。和歌山県の発展にも引き続き邁進していただき、関西と和歌山県がお互い飛躍していけるよう御尽力をお願いいたします。
 次の質問に入ります。
 令和3年度当初予算編成に向けた基本姿勢についてお尋ねいたします。
 まず、令和3年度の新政策についてお伺いします。
 言うまでもなく、新型コロナウイルス感染症対策は喫緊の最重要課題ですが、国内の感染状況については、11月以降、全国的に感染者の増加傾向が顕著になってきており、終息の兆しがうかがえず、まだまだ先が見通せないというのが現状です。
 改めて、本県を含め、全国でお亡くなりになった方の御冥福をお祈りいたしますとともに、現在も闘病されている方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 この100年に1度とも言われる危機に直面し、景気は依然として厳しい状況にあり、地域経済はもとより、人々の日常生活や働き方、医療、福祉、教育に至るまで、現在でも様々な場面で影響が続いており、新型コロナ危機からの脱却に向けて、経済活動と感染拡大防止策の両立のためのさらなる取組が必要となります。
 去る11月10日、菅総理は閣議において追加の経済対策を指示され、感染拡大を抑えながら雇用と事業を支える、ポストコロナに向け、経済の持ち直しの動きを確かなものとし、民需主導の成長軌道に戻していくとして、政府を挙げてコロナ禍に立ち向かう姿勢に強い意気込みを感じます。
 本県では、早期発見、早期隔離、行動履歴調査に保健所の統合ネットワークシステムを加えた、いわゆる和歌山方式による徹底した感染防止対策はもちろんのこと、全国に先駆けて実施した県独自の支援策や国の施策の活用により、事業者の方々に対する支援策を行うなど、仁坂知事を先頭にこれまで鋭意取り組んできたことは当然承知しているところですが、引き続き、新型コロナで受難となった県経済や県民生活への悪影響を取り除くとともに、想定される懸念を払拭していくことが重要であり、一刻も早く、誰もが安心した生活を送り、元気な和歌山となることを切に願うところです。
 一方、今般の新型コロナ危機によって、大都市において人口密度が高い中で日常活動を行うことのリスクや行政分野のデジタル化の遅れなどの課題が浮き彫りとなっており、さらに、危機を逆にチャンスと捉え、知恵を絞り、激変する社会環境に適応すべく、新たなサービス展開やビジネスモデルの転換事例も生まれつつあります。
 さきの9月定例会において、コロナ禍による社会環境変化に対応した取組についての岩田議員の質疑に対し、知事からは、「まさに今、和歌山にとって、企業や人を呼び込む大きなチャンスが到来していると考え」、「新しい時代に対応した戦略的な誘致活動により、企業や個人に和歌山を選んでもらえるよう総力を挙げて取り組んでいく」と、企業誘致への意気込みを伺ったところです。
 人口減少、少子高齢化問題をはじめ大規模自然災害への備えなど、これまで和歌山県が抱える課題解決に向け取り組んできた様々な施策の継続はもとより、長期戦となってきた新型コロナ危機を乗り越えていくため、来年度に向け、これまで以上に、かつ大胆に、新たな施策を展開していく必要があると考えます。
 そこで、開会の冒頭、知事が提案説明の中で触れられましたが、改めて、令和3年度新政策の基本的な考え方について、知事にお伺いいたします。
 次に、財政運営についてお伺いします。
 来年度の新政策は、「コロナ禍から経済とくらしを守り切る」、「新しい世界への対応と挑戦」の二つの政策を柱として積極果敢に施策を展開していくとのことでありますが、新たな施策を進めていく一方で、財政の健全性を損なわないような財政運営を行っていくことも重要です。
 これまでも知事は、新政策を積極的に推進しつつ、同時に県財政の健全性も確保するよう取り組んでこられたと思います。新型コロナウイルス感染症による経済への打撃が顕在化しており、県財政を取り巻く環境はより厳しい状況になると思われますが、来年度の予算編成に向けた意気込みを知事にお伺いいたします。
〇議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、我々も覚悟を持って感染防止対策と経済活動の両立に取り組むとともに、世界の激変を十分見極め、新しい世界を先取りし、和歌山の力強い再生、発展を実現していくことが重要と考えます。
 このため、令和3年度新政策は、「コロナ禍から経済とくらしを守り切る」、「新しい世界への対応と挑戦」の二つの政策を柱として積極果敢に施策を展開していきたいと考えております。
 一つ目の政策では、まず、新型コロナ不況に負けず雇用と経済を守り抜くため、県内企業の資金繰り対策や雇用対策を強化するとともに、AI、IoTの導入など、生産性の向上を図る設備投資を強力に支援してまいりたいと思います。
 さらに、和歌山の魅力を大々的にPRし、大打撃を受けた観光産業を復活さしていくとともに、これまでの取組を充実させることで足腰の強い農林水産業を実現してまいりたいと思います。
 保健医療行政につきましては、引き続き、徹底した感染防止対策に取り組むとともに、医師の地域偏在の解消などに取り組むことで、質の高い医療体制を提供してまいりたいと思います。
 さらに、オンライン相談の実施など、ウィズコロナの時代でも安心な妊娠・出産・子育て環境を整備するとともに、過度な外出控えなどで健康を損なう高齢者の増加を招くことがないように、健康づくりや介護予防の取組を強化してまいりたいと思います。
 また、失業あるいは収入の大幅な減少による生活不安など多様な課題を抱えている方が地域で孤立することがないように、支援体制を強化してまいりたいと思います。
 さらに、大規模自然災害から県民の命を守り切るために、全国トップクラスの防災・減災対策を推進してまいります。
 二つ目の「新しい世界への対応と挑戦」の政策では、大都市部での地方分散の動きを逃すことなく、企業と人を和歌山に呼び込むため、IT企業やオフィス誘致に向けた企業誘致戦略の推進やワーケーションの取組を加速するとともに、暮らし、仕事、住まいの三つの側面から移住希望者を強力に支援してまいります。
 また、社会、産業全体で急速なデジタル化が進む中、5G基地局など社会インフラ整備を促進するとともに、県内産業はもとより、あらゆる行政分野でのデジタル化を加速さしてまいります。加えて、次世代に活躍する力ある人材を育成するため、オンライン教育や本県独自のICT教育のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、生産拠点の国内回帰需要や新型コロナ後のインバウンドのV字回復を見据えまして、大阪・関西万博までの紀伊半島一周高速道路の実現や新たな企業用地開発に取り組むとともに、将来を見据えた新しい産業を創出するため、宇宙・ロケット関連産業など成長分野の企業誘致、集積やIRの誘致に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 これらを含めた新たな施策については鋭意検討を重ねておりまして、議員の皆様をはじめ市町村の御意見等も踏まえた上で来年度予算案を作成し、2月定例会に提案してまいりたいと思っております。
 次に、来年度の予算について、歳出面については、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策をはじめ、新型コロナ不況に負けず経済と雇用を守り抜く対策など、新政策の方針に、ただいま申し上げました方針に掲げた様々な政策に取り組む必要がございます。これに加え、少子高齢化の進展に伴う社会保障関係経費や感染者の措置入院等に伴う経費の増加も、これも見込まざるを得ないところであります。
 一方、歳入面では、県内経済への打撃による県税収入の減少も見込まれることから、来年度予算編成は例年になく厳しくなるというふうに考えております。
 こうした中、来年度の予算編成においては、既存事業についてはマイナス5%のシーリングを実施するのに加えて、これまで以上にスクラップ・アンド・ビルドや事務事業の見直しに取り組むとともに、基金の取崩しによる財源確保も検討せざるを得ないと考えております。
 加えて、国に対しても、全国知事会等を通じて、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の継続等を求めるほか、コロナ禍による税財源の大幅な減少が懸念されることを踏まえ、一般財源総額の確保、充実について要望しておりまして、国の財政措置を最大限活用してまいりたいと考えております。
 こうした取組により、厳しい財政状況が見込まれる中にあっても必要な施策を実施できるように、来年度予算を編成してまいりたいと考えております。
〇議長(岸本 健君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
〇中本浩精君 知事から御答弁をいただきました。
 長期的な新型コロナとの闘いとなってきた今、県政のかじ取りがこれまで以上に極めて困難であると思慮いたしますが、知事はじめ県当局、県政の両輪を担う県議会はもとより、医療関係者、そして事業者や県民が力を合わせて協力し、オール和歌山でこの難局を乗り越え、和歌山県のさらなる発展を期待いたしまして、次の質問に入ります。
 高野山への道路アクセスについてお尋ねいたします。
 伊都・橋本地域の発展を考えたとき、世界遺産である高野山を抜きにしては考えることはできません。
 高野山は、弘法大師・空海によって開かれた真言密教の聖地であり、100か寺以上の寺院が密集する、日本では他に例を見ない宗教都市であります。そのため、多数の参拝者が訪れるとともに、峻険な山嶺と深遠なる樹叢とが一体となった信仰に関連する文化的景観を形成しており、年間約150万人が訪れる世界的な知名度を有している観光スポットでもあります。
 そのような中、県においても、知事をはじめ当局の御努力により、聖地を巡るバスや各種キャンペーンなどの観光面での様々な施策による後押しに加え、南海電鉄による観光列車「天空」の運行や高野山ケーブルへの新車導入など積極的な投資が続けられていることは、高野山の魅力のさらなる創出に期待ができ、大変ありがたいことであります。
 しかし、高野山は山々に囲まれた標高800メートルの場所に位置することから、そのアクセスは平地と比べ容易ではありません。高野山へは鉄道と道路によるアクセスがありますが、鉄道は九度山駅を過ぎると山岳鉄道の様相であり、途中からはケーブルカーの利用を余儀なくされます。道路においても、S字カーブが続く急峻な山道を登っていくこととなります。
 そのような地形の中ですが、高野山は山上に位置することから、各方面からの道が通じているところでもあります。さらに高野山の魅力を高めていくには、そこに通ずる道によるアクセスが少しでも容易になることが重要です。
 そこで、高野山へのアクセス道路の整備状況について、県土整備部長にお尋ねいたします。
〇議長(岸本 健君) 県土整備部長庄司 勝君。
  〔庄司 勝君、登壇〕
〇県土整備部長(庄司 勝君) 高野山へのアクセス道路の整備状況についてお答えいたします。
 高野山へのアクセス道路は従来、主として、伊都・橋本地域からは国道480号と国道370号、海南市方面からは国道370号、有田市方面からは国道480号の整備を進めてきたところです。
 まず、伊都・橋本地域からのアクセスとして、国道480号につきましては、平成24年度に梨子ノ木バイパス、平成26年度に花坂拡幅が完成し、高野町花坂までの区間が整備済みとなっております。
 続く、高野町花坂から大門の区間につきましては、観光バス等大型車の対向が困難な箇所で、平成18年度より整備を進めており、現在、残る3か所の早期完成を目指して工事を推進しています。
 また、国道370号につきましては、より安全で快適な通行が可能となるよう、平成30年度より、九度山町九度山から高野町細川の約13キロメートル区間で整備を進めており、特に線形が不良で見通しの悪い九度山交差点から赤瀬橋間で優先的に工事を進めています。
 次に、海南市方面から高野山へのアクセスとして、国道370号の紀美野町域に残る2か所の未整備区間において、バイパス工事を推進しています。
 最後に、有田市方面からのアクセスとして、国道480号の有田川町から高野山の区間で、観光バスの通行が可能となるように、必要な箇所ごとに整備を推進しています。
 県としましては、各方面から高野山への道路ネットワーク強化を図り、観光振興など地域の活性化に寄与できるよう、各事業箇所の早期完成に向け、着実に整備を進めているところです。
〇議長(岸本 健君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
〇中本浩精君 高野山へのアクセスとして各方面からの整備を進められているとのことで、大変心強い御答弁をいただきました。ありがとうございます。
 整備路線の現道は急峻な山岳地形であり、現状の交通を確保しながらの工事となると、工法的にもいろんな制約ある中とは思いますが、少しでも早く整備が完了することをお願いしておきます。
 さて、その中でも多くの方が利用される大阪方面からは、かつらぎ町からの国道480号と九度山町からの国道370号のルートを軸に整備が進められているとのことで、遠方からの道路アクセスは、京奈和自動車道路の開通と相まって、以前より格段によくなっていることは実感しております。
 しかし、改めて地図を見ますと、紀の川から高野山へのルートとしましては、もう一つ、橋本市から高野山を結ぶ国道371号があります。
 国道371号は、大阪府河内長野市から橋本市、高野町、田辺市を経て和歌山県串本町を結ぶ道路ですが、紀の川以北は府県間道路として道路改良が進められております。一方、紀の川以南の橋本市から高野山の区間は、高野山町石道玉川峡県立自然公園の玉川峡に沿う風光明媚な路線であり、景色はすばらしいものの、車両同士が擦れ違うのが難しい狭隘な箇所や急カーブなどが多数あり、対向車の状況を気にかけながら通行しなければならない現状です。
 この道路は、かつて利水を目的とした紀伊丹生川ダムが計画された際、ダム建設関連事業として道路整備の構想がありました。紀伊丹生川ダムは利水ダムとして計画され、昭和54年度に予備調査が始まったダムです。その後、平成元年度に実施計画調査を開始し、平成9年11月に紀伊丹生川ダム建設事業審議委員会が設置され、平成11年9月に同委員会より、建設は妥当との意見提出がされましたが、その後の和歌山市や大阪府などの水需要の減少により、平成14年5月に近畿地方整備局よりダム建設の中止が発表されたダムです。
 ダム建設が中止となったことから、国道371号の整備計画はよりどころを失ったこととなりますが、橋本市と高野山を直接結ぶ道路としての役割は変わっておりません。
 高野町にとってみましても、伊都・橋本地域とのつながりを考えますと、かつらぎ町渋田から高野町花坂までが整備済みであることに加え、現在事業中の花坂から大門間や、国道370号の九度山町九度山から高野町細川間、また、海南方面からの国道370号の整備がなされても、花坂から高野山までのルートは国道480号の1本しかありません。
 したがって、災害時などの有事の際の代替道路の確保という観点からも、橋本市と高野山を結ぶ国道371号の整備が重要と考えますが、その整備状況と今後の取組について、県土整備部長にお尋ねいたします。
〇議長(岸本 健君) 県土整備部長。
  〔庄司 勝君、登壇〕
〇県土整備部長(庄司 勝君) 橋本市と高野山を結ぶ国道371号の整備の状況と今後の取組についてお答えします。
 まず、橋本市から高野山を結ぶ区間の整備につきましては、当初、国が進めていた紀伊丹生川ダム建設事業に併せて道路整備の検討を行った経緯がありました。
 しかし、平成14年度に当該ダムの計画が中止になったことから、県としましては、関係市町、地元等と一緒に整備の在り方を根本的に見直し、現道対策を基本に整備を進めていくこととしたところです。
 整備状況につきましては、平成16年度より、橋本市向副から高野町高野山の区間で、特に交通の支障となる箇所から対策を行い、これまでに18か所が完了しています。現在、地元協力の得られた5か所について、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策予算も活用し、狭隘区間での現道対策を実施しているところです。
 今後も、防災機能の向上や代替性の確保に向け、引き続き、特に交通の支障となる箇所を対象に、地元の協力を得ながら現道対策を行ってまいります。
〇議長(岸本 健君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
〇中本浩精君 先日、私は、国道371号を通って高野山へ登って、帰りは国道370号を下って橋本へ戻ってまいりました。本当に各ところで工事をしていただいてるのがよく分かりました。ありがとうございます。
 ただ、それと同時に、改めて国道371号の道路の狭さを実感してまいりました。特に向副、賢堂の入り口になるんですけど、高野山へは国道370号を使ってくださいという看板もございました。
 部長の答弁では、国道371号に関しては現道改良を中心として今後も進めていくという答弁ではありますが、橋本・伊都地域のさらなる発展に向けて、この国道371号をぜひ安心して通行できるような道路にしていただくよう、引き続き橋本市と高野町と連携を取りながら、できれば国道371号の全体計画を作成していただくような前向きな、またこれからもお取組をしていただきますよう要望いたしまして、次の質問に入ります。
 これからの県立高等学校の在り方についてお尋ねいたします。
 この件に関しては、9月定例会において、多くの議員の方々からの一般質問に対して、知事及び教育長から、きのくに教育審議会からの答申についての見解、高校再編に向けた思いや決意、方向性、進め方等をお伺いしました。
 その後、多くの方々から高校再編についての思いを耳にすることや、テレビや新聞による報道で取り上げる機会も多いことから、様々なところで議論が巻き起こっています。
 マスコミの報道では、現在29校ある県立の全日制高校が今後15年でおよそ3分の2、20校程度になる等と取り上げられていることから、関係する高等学校の存続問題に注目が集まっている面もありますが、生徒減少がさらに続く状況下では、答申で述べられている15年先の県立高等学校のありようは合理的な内容であるとも感じています。
 私は、かねてより、県民一人一人が和歌山県の高校教育の現状や課題、展望について関心を持ち、将来の和歌山を担う若者をどう育てていくか、和歌山の高校教育をどうするか等について主体的に考えることは非常に大切なことであると思ってきました。
 しかし、この重要な問題に関して、これまで教育委員会から具体的な提案や提言が乏しく、県民は蚊帳の外に置かれている、あるいは問題が先送りされ、事態は深刻化しているのではと心配していました。
 今般、きのくに教育審議会の答申を受け、県民の意識や関心が高まっていることをとてもうれしく思っています。一方で、議論が個別の高校の存続問題に矮小化され、本質が見失われてしまわないかと危惧しています。
 9月定例会において、今後の進め方をお聞きしたところでありますが、現在はどのような進捗の状況であり、どのような課題があると感じているのか、教育長にお尋ねいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 実施プログラム策定に向けての進捗状況でございます。
 現在、再編整備を進める際の課題や可能性等について分析、評価を進めているところであり、当初の予定どおり、年内に再編整備実施プログラム(案)を作成、公表し、パブリックコメントを実施する予定です。
 再編整備を進めるに当たっては、今後の和歌山県の教育や、各地方や地域の教育がどうあるべきかを県民一人一人が主体的に考え、共通理解を見いだそうとするプロセスが重要と考えております。
 そのため、9月末から10月中旬にかけて、県内5地域で地方別懇談会を開催し、答申内容に対する質問や再編整備の進め方についての御意見や要望を聞いてまいりました。コロナ禍で開催ということで、参加者数や時間も制限を設けざるを得ませんでしたが、全体で500名を超える方々に参加をしていただきました。
 また、さらに意見を述べる機会を設けてほしいとの声もあったことから、20を超える団体やグループの要望に応じて、11月末まで個別懇談会を開催し、地方別懇談会と合わせて1000人を超える方々に直接お話を聞いていただきました。
 再編整備実施プログラムの策定時期については年度内が当初の予定ではありますが、高校の再編整備はこれからの本県にとって大変重要なことでありますので、慎重に対応してまいりたいと考えております。
〇議長(岸本 健君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
〇中本浩精君 教育長から答弁をいただき、教育委員会が丁寧に進めてくれていることは、よく分かりました。
 実は、私も要望に応じて、11月中旬に開催された個別の懇談会の一つに出席をさせていただきました。そこでは、教育委員会により答申の内容が説明された後、参加者から質問や要望に対して教育委員会が丁寧に回答されていました。このように、県民に対して丁寧に説明し、意見を聞いていくことは大変重要なことであると思います。
 その会場では、学び直しの少人数学級や適正規模の6学級、私立高校との関係などについての質問、また、意見として、学校が将来にわたって存続していくためには、学校と地域が一緒になって考え行動すべきであるなどが出されていました。
 先ほどの答弁でもありましたように、個別の懇談会は20を超える会場で開催されたようですが、さきに開催した五つの地方別懇談会も含めて、そこで出された県民の声の主なものについて、現時点の教育委員会の考え方も含めて教育長にお尋ねいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 懇談会等で出された幾つかの意見と県教育委員会の見解を説明いたします。
 一つ目として、1学年6学級を適正規模にしているのは高校の数を減らすためではないかという意見です。現在、県立高校の幾つかが従前の4から8学級の適正規模を満たせなくなっており、さらに続く生徒減の中で、さらに多くの学校が小規模化し、適正規模を下回ります。そのような中で、6学級の基準は、地域で魅力や活力、特色のある学校を整備していく上での目標値として示されているものであります。
 二つ目といたしまして、答申では40人学級を前提としているが、35人や30人学級となれば状況が変わるのではないかという意見です。県教育委員会は、少人数学級の実現を願う立場は同じでありますが、法改正等が必要であり、すぐに実施していくことは容易ではないとお答えをいたしました。ただし、少人数学級の制度が実現した場合でも、学校や学級の数が不足することがないようにシミュレーションした上で、実施プログラムを考えております。
 三つ目として、地域に学校がなくなると地域が寂れるので、何とか学校を存続させてほしいという要望です。県教育委員会は、地域の子供たちが学びたいと思える学校づくりが大切であると考えていますので、今まで以上に多くの方々と協働して、そのような学校を地域につくっていきたいと説明をいたしました。
 懇談会を通じて、生徒数の減少が今後もさらに進む中で、このままでは和歌山の高校教育が立ち行かなくなるという不安感が共通の認識となっています。今ある学校を今ある形で残していくのではなく、地域の核となり、夢と希望を与えられる学校をつくっていくことが県民の思いとして一致しており、それをかなえていくことが県教育委員会の責務であると考えています。
 それを具体化すべく、プログラム案を作成してまいります。
〇議長(岸本 健君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
〇中本浩精君 県民の声と教育委員会の見解をお聞かせいただきました。
 県教育委員会が県民の声に真摯に対応しようとし、答申内容を具体的かつ柔軟に読み解き、県民の疑問や不安を取り除こうとしていると感じました。また、県教育委員会としても、県民との対話は極めて有益なことであったと思います。
 懇談会等を通じて寄せられた県民の願いや期待に応えて、これから県教育委員会が真に実のある再編整備をどのように進められるのか、このことについては多くの方が関心を持たれていることです。
 再編整備実施プログラムには、これから15年間の再編整備の進め方を記載するとのことですが、どのようなことが盛り込まれるのでしょうか。案は、現在作成中の段階とのことですが、できるだけ具体的に説明をお願いいたします。
 また、15年先では、社会状況の大きな変化、例えば、御答弁でもいただきましたけど、高校でも1学級の人数が35人や30人になっていることも期待されます。状況が変わったときには、決めた実施プログラムを点検し修正する柔軟性はあるのか、併せて教育長にお尋ねいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 再編整備実施プログラムについてでございますが、県立高等学校の再編整備に当たり、よりよい学校や教育を創造したいという点で、多くの県民の共感は得られるものと確信しています。
 ある学校がなくなり、ある学校は残るということではなく、それぞれの学校を発展的に融合させるなど、生徒が夢と希望を持って学べる学校、地域の方が誇りに思える学校をつくっていくことが大切だと考えています。
 和歌山の子供の優れた能力を十分に発揮できる高校教育の具体像として、国際バカロレア等のグローバルに活躍できる人材を育成する教育システムの導入や中高部活動指導者の積極的な人事交流など、大学進学、スポーツ、文化・芸術等において、子供たちの能力を伸長させるために導入を検討すべき取組について具体的に記載いたします。
 また、個に応じた学びにおいては、普通科拠点校への少人数の学び直し学級の設置や高等特別支援学校の設置を検討すること等、中学校と高等学校の接続においては、高等学校の入学者選抜の改革案などを記載いたします。
 さらに、県内各地域にある各高校の整備プログラムを可能な限り明確に記したいと考えています。整備時期については、15年先までを前期、中期、後期に分けて、その進め方を記載します。
 答申では40人学級を前提としていますが、議員御指摘の30人学級のように状況が変わることもあります。そのようなときには、進捗状況の評価と次の期間の進め方について、途中であっても必要な修正を行えるようにしたいと考えています。
〇議長(岸本 健君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
〇中本浩精君 教育長より御答弁いただきました。
 県立高校の全県的な視野での再編整備は、未来の子供たちにとって非常に大切なものであり、将来に禍根を残さないために今まさにやらなければならないものです。このことについての県教育委員会や教育長の考え方や方向性、姿勢は大いに理解できるものであり、議論を深めていかなければならないと思います。本当によいものをつくるには、丁寧に進めていくことがとても大切だと思います。
 年度末には再編整備プログラムの策定にこぎ着けたいとのことですが、期日についての柔軟性と、策定がゴールではなく、それが始まりであるという認識を持っていただいて、今後も県民の合意形成に向けて適切な対応をしていかれることを要望いたしまして、次の質問に入ります。
 最後に、IR誘致についてお尋ねいたします。
 IRについては、滞在型観光の核として、本県の観光振興、雇用の増加に貢献し、地域経済活性化の起爆剤となり得、ひいては人口減少の抑制も大いに期待できるものと捉え、我が自民党はその誘致を全面的に支援しているところです。
 また、去る6月定例会の藤山議員の質問に対し、知事から、IRは新型コロナ終息後の県経済復興メニューの一つとして有効と考えている旨の御答弁をいただき、誠にそのとおりだと考えております。
 さて、10月9日に国のIR基本方針案が修正の上、再度1か月間のパブリックコメントに付されたことを受け、県では、3月30日から始めた事業者公募の提案審査書類の提出期限を10月19日から来年1月15日まで延長されました。
 さあ、ようやく公募を締め切って事業者を選ぼうとしていた矢先に国のスケジュールが延長されたことについては大変残念な思いもありますが、世界的なコロナ禍での国の判断を尊重し、新たなスケジュールを構築して粛々と事務を進める県当局におかれては、引き続き、誘致実現のために頑張っていただきたいと思います。
 国の基本方針案の修正点としては、カジノ管理委員会から指摘のあったIR事業者のコンプライアンスの確保、IR事業者と自治体職員との接触ルールの設定、自治体の行うギャンブル等依存症対策の充実、感染症を含むIR区域・施設の安全確保の4項目及び認定申請期間の9か月の延期だと理解しています。
 内容を吟味すると、カジノ管理委員会から指摘のあった4項目については、3月に公表した本県の実施方針案にある程度記載されていたものであり、修正された実施方針案を見させていただきましたが、それほど大幅な修正、変更はなかったものと考えております。
 ただ、認定申請期間の9か月の延長については、本県の事業者選定スケジュールに大きな変更をもたらす結果となりました。
 そこで、2点お伺いいたします。
 まず、県では、この基本方針案の修正を受けて、本年10月19日としていた提案審査書類の提出期限を来年1月15日に、約3か月延期したわけですが、どのような考え方で来年1月15日という新たな期限を設定したのか、企画部長にお尋ねいたします。
 次に、事業者提案の締切りを来年1月15日とする新たなスケジュールで仕切り直しをされたわけですが、私としては、和歌山県が誘致競争の先頭を走っていたこともあり、国のスケジュールの延期に伴う公募期間の延長は、本県の誘致レース上の優位性を損ねる可能性があるのではないかと非常に危惧しております。このことに対する知事のお考えと、改めてIR誘致にかける思い、決意をお伺いいたします。
〇議長(岸本 健君) 企画部長田嶋久嗣君。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
〇企画部長(田嶋久嗣君) 事業者公募における提案審査書類等の提出期限につきましては、事業者の提案内容の修正機会の確保及び国の基本方針の確定時期という二つの観点から検討を行いました。
 まず、事業者の提案内容の修正機会の確保につきましては、10月9日に国の基本方針案が修正の上、パブリックコメントに付されたことに伴い、本件の実施方針案及び募集要項等を修正しました結果、それに応じて、事業者に提案内容の修正機会を与える必要が生じ、その期間を約3か月と見込んだところでございます。
 次に、国の基本方針の確定時期につきましては、さきにパブリックコメントに付されたIR整備法施行令がパブリックコメント開始の日から約2か月で確定した事例を参考に、基本方針の確定時期を本年12月中と想定し、その上で、基本方針が確定する前に提案審査書類等を受け取るリスクを避けるために、提出期限を1月以降に設定することが適当と判断したところでございます。
 これらの検討結果を勘案しまして、来年1月15日を提案審査書類等の提出期限に設定いたしました。
〇議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) まず、県では、事業者公募の開始以降、国に対して、その都度その都度、スケジュールの変更はないのですかといって確認の上、それじゃあといって事務を進めてきたわけでございますので、にもかかわらず国が基本方針を修正して、認定申請期間を9か月も延長した、延期したというのは本県のスケジュールに影響が出たわけで、誠に遺憾であります。
 ただ、国がお決めになったことで、我々はそれに従ってやらないといけないということなんで、県としては、新たなスケジュールに沿って粛々と手続を進めていく所存であります。
 議員御発言のとおり、確かに誘致自治体の中で本県が唯一、手続面できちんとフォローしていて、先行していたのは事実でございますけれども、だからといって、実はそれ自体に優位性があるわけではございませんので、本県のみが例えば事業者選定を終えて、いち早く区域整備計画を国に提出しても、その計画が国の求める基準に達しておりませんと、国が区域認定してあげないということもあるわけでございます。
 したがいまして、県としては、今回延期された9か月について、事業者の事業計画や、区域整備計画のブラッシュアップに充てる期間と前向きに捉えまして、この期間を生かして、より優れた計画を作成することに注力していきたいと考えております。
 IRには、経済波及効果や雇用創出効果など、本県にとって大きなメリットがありまして、また、うまく規制をしないといけませんが、それをやることによってギャンブル依存症などの弊害を防止できるということは、シンガポールをはじめ諸外国の先例で明らかであります。
 また、図らずも、新型コロナウイルス感染症終息後の県経済復興のためのメニューというかエンジンというか、そういうものの大きな一つとなることから、引き続き強力に推進していきたいと思っております。
 今回のスケジュール延期により、大阪・関西万博には間に合わなくなりました。しかし、和歌山県に関しては、区域認定をいただければすぐに着工が可能であるような条件が整っておりますので、日本で最初のIRを開業することができると考えておりまして、これを目指していきたいと考えます。
〇議長(岸本 健君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
〇中本浩精君 ただいま知事より、前向きな御答弁をいただきました。
 本当にIR誘致が実現すれば、ポストコロナ時代における県経済を復興させる、知事もおっしゃっていただきましたけど、本当に強力なエンジンになり得ると大いに期待しております。
 今回、国のスケジュール見直しに伴い、若干の遅れは生じますが、引き続き、知事、県当局におかれましては、誘致実現に向けて全力で取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、中本浩精君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 34番坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
〇坂本 登君 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、早速質問に入らせていただきます。どうかよろしくお願いをいたします。
 今年は、2月以来の新型コロナウイルス感染症の拡大で、日本だけではなく、世界中が危機に直面し、今も第2波、第3波の感染拡大に危機感が高まっております。その中にあって、本県の対応は全国的に高く評価されており、その先頭に立ってこられた知事をはじめ医療関係者の皆様、全国一斉休校になって卒業式、入学式もままならず、学習の遅れを取り戻すために奮闘いただきました教育関係者の皆さんに深く敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。
 さて、県議会文教委員会では、10月に島根県を訪問し、全国から受験生を募り、学校、地域が一体となった特色ある取組で注目を集めている隠岐島前高校の教育をはじめ、本県同様、少子化が進む中での教育行政の在り方について説明を聞き、大きな感銘とともに、これからの教育の在り方について考える貴重な機会を得ることができました。
 この調査には、宮﨑教育長をはじめ教育委員会事務局からも参加いただきましたので、そこで得られた知見を今後の本県の教育行政に生かしていただけるものと期待するところであります。
 さて、教育委員会におかれましては、令和元年10月に、きのくに教育審議会にこれからの県立高等学校の在り方について諮問され、今年8月に答申を受けて、9月27日、東牟婁郡地域を皮切りに5地区で地方別懇談会を開催されました。
 私もその内容を拝見しましたが、大ざっぱに言えば、15年後の令和16年には中学校卒業生が現在の3分の2に減少するから、県立高校も3分の2に減らすというもので、一瞬唖然とし、続いて、これは大変なことになるという危機感を覚えましたので、このことについて私が危機感を抱いた理由を述べさせていただき、知事、教育長の御判断等について質問をさせていただきます。
 まず第1点は、この答申では、「県立高等学校の在り方は地域の持続可能性と密接に関わっている」とし、「各地域に核となる高等学校が必要である」と述べています。
 平成27年に文部科学省が作成した学校の適正規模・適正配置等に関する手引においても、昭和30年代に始まった学校規模の適正化では、学校規模を重視するあまり、無理な学校統合も見られたとの反省から、地域住民の理解と協力を得て行うことや、小規模校の利点を踏まえ、総合的に判断した場合、存置、つまり存続させるほうが好ましい場合もあるとし、学校規模の適正化や適正配置の具体的な検討については行政が一方的に進める性格のものではないので、学校教育の直接の受益者である児童生徒の保護者や、将来の受益者である就学前の子供の保護者の声を重視しつつ、地域住民の十分な理解と協力を得るなど、地域と共にある学校づくりの視点を踏まえた丁寧な議論を行うことを求めています。
 この文科省の手引は、小中学校について述べたものでありますが、高校についても何ら変わるものではないと考えております。
 このたびの答申は、まだ具体的な計画ではないと言われるかもしれませんが、既に、どのエリアでは普通科は何校、専門高校は1校に融合させるなど、計画にまで踏み込んだ内容になっています。そのため、五つの地域での懇談会の後、住民の間で不安が広がり、「これでは子供を通わせたいと思っていた近くの高校がなくなってしまう」とか、「地元の産業を支えてきた我々の母校がどうなるのか」などと心配する声が上がり、10月29日に開催された和歌山県高等学校PTA連合会指導者研修会では、「そのような話は聞いていない」、「私たちだけの問題ではない。幼稚園や保育園の保護者の意見も聞くべきだ」など、多くの単Pの会長から意見が出たようであります。さらには、反対運動のための組織を立ち上げようとする地域があると聞いております。
 今後、教育委員会はこうした地元の声をどのように受け止め、具体的な計画にどのように反映させていくのか、教育長の考えをお聞かせください。
〇議長(岸本 健君) ただいまの坂本登君の質問に対する答弁求めます。
 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 再編整備に当たっては、県民の皆様方に、これまで以上に深く本県高校教育の現状や将来の問題に関心を持っていただき、これからの高校教育の在り方について主体的に考え、共通理解に至ることが重要であると考えています。
 既に開催した5会場での地方別懇談会及び20会場を超える個別懇談会においても、地域や保護者の方々から多くの貴重な御意見をいただき、今回の答申が県民の本県高校教育への関心を高める上で重要な役割を果たしていると実感しています。
 現在、いただいた御意見を尊重しながら再編整備実施プログラム(案)を作成しているところです。これを元に、引き続き、県民の皆様への説明や理解に向けた取組を行っていきたいと考えています。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 ただいま答弁をいただきました。
 20会場を超える個別懇談会を開催したと答えていただきましたが、延べ人数をもう一度お願いします。お答えください。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 県内5地域で開催した地方別懇談会には約500名、20を超える会場で開催した個別懇談会にも約500名強、合わせて1000名を超える方々に出席をいただきました。
 御参加の方々に答申内容の説明を直接聞いていただくとともに、多くの貴重な御意見も頂戴しております。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 私の地元、みなべ町にもお越しいただき、説明をいただきました。コロナ禍でなければ、参加制限もせず、もっと多くの地域の人たちが来てくれたと思います。
 答弁の冒頭にもありましたように、県民の皆様が教育の現状や将来の問題に関心を持っていただくためにも、私は、多くの意見を聞き、その機を待ってプログラムの作成をする必要があると考えます。
 次の質問に入らせていただきます。
 2点目として、この答申では、難関大学への進学実績とか大学進学を保証するといった表現が随所に出てきております。
 これまでの本県の教育界では、地域で将来を期待される子供に限って有名進学校へ送りたがる。有名進学校では、いわゆる難関大学と呼ばれる都会の有名大学へ送りたがる。その子供たちのほとんどが、和歌山に戻ってこない。そのようにして本県の人材が流出し、ますます人口減少と過疎化が進み、地域が衰退してきたのではないですか。和歌山は人材輩出県だと言われても、あながち胸を張って喜んでばかりはいられない気がいたします。
 本県の長期総合計画では、仁坂知事就任以来、人口減少に歯止めをかける方策が掲げられ、知事を先頭に様々な努力が重ねられてきたと思います。しかし、本県の教育は、その努力を無視するような働きをしてきたわけで、この答申に基づいて、核となる高校が3分の2に整理統合し、難関大学へ送り出すことに重きを置くような改革は、人材の流出、人口減、過疎化に一層拍車をかけることになることは、目に見えていると考えます。いかがでしょうか。この点について、知事の見解をお聞かせいただきたいと思います。
〇議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 生徒数の減少が続く中、魅力ある学校がなくなっていくことで、地域の活力低下や人口減少につながっていくということは、これは避けなければいけないと思います。
 それでは、学校を存続させればそれでよろしいかというと、そうでもありません。小さ過ぎるがゆえに学校行事や部活動に活力のない学校や、多様な人間関係の中でもまれて成長、成熟をするということに期待が持てないような学校になるのは、生徒にとって魅力があるかどうかということも考えなければいけません。
 しかし一方、学校へ通うのがあまりにも不便だというような地域をつくるのは、子供のためだけではなくて、地域の発展にとっても問題でございます。
 大切なことは、生徒が活力と魅力を備えた学校に通うことができて、生徒にとっても地域にとっても、学校に対して夢や誇りを感じられるような学校を各地域に整備していくことが大事だと思います。今回の答申を機に、このようなことを皆で考えて、納得できる解を見つけていかなければならないと私は思っております。
 さらに申し上げますと、こういう問題を議論しなければならないというのは、つまるところ人口減少につながります。まあ、これで何とかなると、もうこれでいいんだろうという積年の積み重ねが、今と、それからこれからに出ていて、ありとあらゆる政策を動員して、将来この趨勢が反転して上向くようにしなければなりません。そのためには、例えば議員が御提唱された世界農業遺産による梅の振興もその一つでありますが、インフラを他県並みに、他県に遜色なくきっちり整えて、IRやロケットやITなど総力を結集して衰退を食い止める取組も共に進めなければいけないというふうに考えております。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 ありがとうございます。
 私も、子供が生き生きと伸びてもらいたい、そこには異論はありません。しかし、今、必要なのは、答申にある学校数や学級数の立てつけの話ではなく、和歌山の教育力を上げる本質、具体的な議論から考えます、和歌山を離れる若者たちの心の中にその答えがあり、その声を聞くことが大切だと思います。これは、もう要望として、次に入らせていただきます。
 さて、時間を取って恐縮ですが、二つばかりの他県の成功例を紹介させていただきます。
 教育県として知られる長野県の飯田市の話を聞いたことがありますが、地元に大学を持たない飯田市では、毎年7割の生徒が大都市の大学へ進学していきます。この点は、本県と同様です。
 しかし、飯田市の教育では、地域に根差して生きる地域人教育に力を入れ、「地元に帰ってきたいと思ってくれる生徒を育てる」、「生徒たちが地元に帰りたいと思える地域をつくる」、「生徒たちが地元に帰れる仕事をつくる」をスローガンに、市外に転出していった生徒のUターン率、現在40%を50%に引き上げることを目標に、公民館を拠点として、全ての学校が地域と連携し、ユニークな活動を活発に展開しているそうであります。
 さきに触れました島根県の隠岐島前高校では、地元の中学生の55%が島外の高校に進学し、1989年には246名いた生徒数が2008年には89名にまで減少し、廃校の危機に至ったそうであります。そのとき、「島前高校がなくなったら、もうこの島に住んでおられません」、「高校があると聞いて家族でIターンしてきたのに、子供が大きくなったときには高校がないなんて、詐欺じゃないですか」といった声が上がり、それが隠岐に高校を残したいという住民の願いとなり、住民と学校の教師、生徒が一体となって、魅力ある地域づくり、学校づくりに取り組むユニークな教育で、全国から入学生を受け入れ、現在では1学年2学級という、小規模ながら全校生徒180名まで回復。その取組がテレビ等で紹介されたこともあって、全国あるいは海外からの視察が絶えず、島全体が活気を取り戻すなど、地域創生の一翼を担う高校になっているとのことであります。
 答申では、高校が小規模になると、部活動や学校の行事などが十分に行えず、活気が失われるとの記述がありますが、島前高校では、レスリング部は県の強化チームの指定を受けている全国大会常連の強豪校であり、修学旅行はシンガポールでの海外研修として、シンガポール大学の学生たちに隠岐の「魅力化プロジェクト」として取組を発表し、グループディスカッションを行い、ほかにも希望者にはブータンやロシアに行く「グローバル探究」というプロジェクトもあるということで、隠岐島前高校は文部科学省のスーパーグローバルハイスクールの指定を受け、こうしたことも大きな魅力になっているようであります。
 また、生徒たちが企画して全国高校生観光プランコンテストを成功させ、その第1回大会では文部科学大臣賞・グランプリを獲得するなど、活気あふれる高校になっています。
 このような成功の裏には、島根県教委が地元の声を聞き、また、学校をサポートし、柔軟に対応することが大きな力になっていたと思われます。
 島根県では、2017年現在、19の県立高校が県外から受験生を受け入れており、魅力ある学校づくりに全力で取り組み、今年度の入試からは、大田、浜田、益田といった都市部の高校の普通科、理数科まで県外生募集を拡大しているのです。
 こうした成功例を特殊なケースとして片づけてしまうのではなく、本県の小規模校の中にも全国に誇り得るすばらしい取組がある、あるいはあったと聞いております。こうしたよさにももっと光を当て、本県教育に生かすことを考えるべきではないでしょうか。教育長の見解をお尋ねいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 議員御指摘のように、本県にも、部活動の重点化や地域との連携、全国募集等の特色ある取組などにより、活性化を図っている学校は数多くあります。
 今、進めようとしている再編整備は、このような地域の子供たちが真に学びたいと思える地域の核となる学校づくりを実現していくためのものです。
 そのためにも、本県の全ての県立高校に導入されているきのくにコミュニティスクールの仕組みなどを活用して、地域とも協働しながら学校の活性化を図っていきたいと考えています。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 答弁にあったコミュニティスクール、中でも学校運営協議会、どのような協議がされているのか。答弁は求めませんが、形式的になっていないのか確認する必要があるのではないかと思います。これは、要望といたします。
 次の質問に進みます。
 4点目、適正規模の基準についてお尋ねいたします。
 高校の適正規模については、平成17年以来、4学級から8学級を適正規模の標準として再編整備が進められてきました。ところが、このたびの答申では、この標準を変更して、1学年6学級を適正規模として再編整備を進めることになっています。このことは、少子化が進む中で地方の高校の存続を一層困難にするものであり、高校の数を減らすことを目的にした改革だとしか考えられません。
 このことは、答申の5ページに「各地域に核となる高等学校が必要である」と書かれていることとどうつながるのか、全く理解できません。
 しかも、和歌山市エリアの部分では、和歌山市外から入学希望者が集まることも予想されると述べていることは、和歌山市以外の地方では受験する生徒がますます減り続けることを当然のごとく黙認していることを意味するのではありませんか。
 国に対しては地方を大切にしろと言い、県内では中央集権みたいなことをする。この答申に基づいて再編整備を行っても、地方では、さらに受験生が減り続けて、高校のない地域が広がっていく、そんな事態になることを予想されるのではありませんか。そして、難関大学に挑戦する学校や生徒だけを大事にされる。それは、選別教育以外の何物でもないのではありませんか。そういう教育は、高校だけではなく、小中学校の教育にも大きな影響を与えます。
 本県で重大な問題になっている学校の荒れやいじめ、不登校、暴力行為などのいわゆる生徒指導上の問題は、そのような教育から生み出されていることに気づくべきだと考えますが、教育長の見解をお聞かせ願います。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 再編整備の目的は、単に学校の数を減らすことではなく、少子化が進んでも、活力あり、地域の核となる学校を創造していくことです。
 多くの県立高校が従前の適正規模の基準を満たせなくなっている中、6学級というのは地域で魅力や活力、特色ある高校を整備していく上での目標値であり、決して学校数を減らすための基準ではありません。
 答申では、地域性や専門性等により小規模な学校も残す必要があるとうたわれているとともに、個に応じた教育やスポーツ・文化面の充実、専門学科や総合学科の活性化なども重視されています。
 また、答申は、難関大学に挑戦する学校や生徒だけを大事にするという趣旨で書かれているものではありません。
 さらに、生徒指導上の課題は、高い目標に向かって努力しようとする学校や生徒によって生じるものではないと認識しており、今後も変わることなく、一人一人の生徒を大切にした丁寧な対応を行ってまいりたいと考えています。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 ありがとうございます。
 目的は、学校数を減らすことではないと、1学年6学級が目標値であること、これは柔軟に対応していくと理解してよいのですね。確認しておきたいと思います。教育長、お願いします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 市域と市域の間にある高校や専門高校は、現実的に6学級を満たすことが難しい場合でも小規模な学校として存続させる必要がある学校もあるため、6学級規模の学校を中心といたしますが、4学級未満の学校でも存在し得ると考えております。
 和歌山県の実情に見合った高校の在り方を検討してまいりたいと考えています。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 ありがとうございます。
 あと一つ、私の質問の仕方が悪かったのか、私は、高い目標に向かっている生徒によって生徒指導上の問題が発生しているとは質問していません。通告していますので、もう一度よく読んでもらいたいと思います。私は、教育行政や学校、我々大人の意識がそういう問題を生じさせていないのかと提起しています。皆さんに誤解のないように言っておきます。
 次の質問に移らせていただきます。
 5点目に、学級定員についてですが、このことについては9月議会文教委員会においても論議し、教員の負担軽減、きめ細かな指導のために、義務標準法の改正による35人以下学級の推進を求める意見書を提出し、議決されました。
 また、報道によれば、自民党の教育再生実行会議の要請を受けて、9月29日、文部科学大臣が、10年かけて30人学級に移行させるとの談話を発表しました。これは、いずれも小中学校に係ることですが、学級定員に係る戦後の経過を見てみますと、小中学校の学級定員が改善されると、その何年か後には高校の学級定員も改善されてきました。高校の改善が一番遅れたのは45人学級から40人学級に変わったときで、小中学校の改善に遅れること、昭和55年から平成5年まで、13年を要しています。ただし、この時期は全国的に生徒数が多く、大規模校化が問題になっていた時期であり、少子化が進んでいる現在では比較的早期に高校の学級定数の改定が日程に上がってくるのではないかと予想されます。仮に丸々15年かかったとしても、高校の学級定数が小中学校に合わせて改善されないと考えるのは困難であります。
 今は30人学級で計画することはできなくても、文部科学省の標準が30人学級に改善された場合は1学級30人を基準にした計画に改めることを計画に盛り込み、そうなった場合に、必要になる学級数と、適正規模とする学級数から、必要になる学校数を試算しておく必要があるのではありませんか。そうすれば、40人学級で算定した学級数、学校数で再編整備を進めてしまった後で国の基準が30人学級に変わった場合、必要な高校が既に存在しないという事態が起こり得るのではないでしょうか。
 それとも、そんなことはあり得ないと思いますが、国から、高校も30人学級にするという方針が示されないうちに再編整備をやってしまいたいという意図があるのでしょうか。教育長にお尋ねします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 児童生徒一人一人にきめ細かく対応する上で、少人数学級の実現を願う立場は県教育委員会も同じであります。
 今後、少人数学級の制度が実現した際に、学校や学級の数が不足することのないように慎重にシミュレーションした上で、再編整備実施プログラム(案)を作成していく所存でございます。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 制度が実現した場合、学級数増で対応することでないと理解してよいのですね。教育長、お願いします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 国の制度が現行の40人学級から30人学級になった場合でも、教室が不足することなどの支障が生じないように、慎重に再編整備実施プログラム(案)を進めてまいっております。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 次の質問に入らせていただきます。
 六つ目として、分校についてお尋ねいたします。
 この答申では、「分校については、これまで再編整備の明確な指針がなかった」と述べられていますが、これまでの再編整備において、山間地における高校教育の場の保障や、地域にとって分校が果たしている役割の大きさなどを勘案し、地域の方々や自治体の強い要望を受けて、分校は再編整備の対象にしないとしたことが指針なのであって、分校の存続を図るために、全国からの受験生の受入れを可能にし、魅力と特色のある学校づくりを支援してきたはずであります。
 私がよく知っている中津分校に関しては、分校を活性化するために、当時の中津村を挙げて野球部を応援し、財政事情が厳しい中で毎年多額の資金を提供してきました。もちろん、当時の県教委もそれを支援するために、多額の予算措置を講じて立派なグラウンド整備をしています。その結果として、分校として全国初の甲子園出場を実現し、その翌年には、当時の知事の発案による全国高校分校サミットを中津村で開催し、10数校の参加を得て、お互いの高校の取組を発表し合い、学び合い、交流を深め、「今、分校が面白い」と、小規模な分校にしかない魅力をアピールしたのであります。
 このように、分校の教育は、分校の教員、生徒だけではなく、地元の住民と自治体も一体となって支えてきたのであって、地元の方に分校のことを聞けば、「朝夕の行き帰りに元気に挨拶してくれる生徒さんの姿を見るだけで、私らはここで生きていけるんや」という答えが必ず返ってきます。
 こうした、これまでの経緯や事情を考えることなく、設置者だからといって一方的に廃校に追い込むようなことはできないだろうと考えるのですが、いかがでしょうか。
 また、答申では、地元以外の地域から来ている生徒が多いので、地元出身の生徒の割合で判断するようなことを示していますが、他の遠い地域から通ってくる生徒たちの中には、不登校やいじめに遭ってきた、あるいは学校の雰囲気が合わないなど、分校しか選択肢がなかったという生徒が少なくありません。聞くところによりますと、美里分校では、積極的にそうした事情のある生徒を受け入れ、立ち直りの機会をつくり、活力を取り戻し、立派に卒業させてきたということであります。
 そうした分校の努力に対して、最近の県教育委員会はどれほどの支援をしてきたのでしょうか。分校の生徒数が少なくなるのは、分校や地元の責任だけではないように思います。教育長の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 分校への支援についてでございます。
 多様な生徒への教育や地域と密着した活動など、特色ある教育活動を展開している分校があることは十分認識しています。
 県教育委員会は、分校が果たしている教育的意義を十分に踏まえ、教員数や施設、設備等において継続した支援を行ってまいります。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 次の質問に移らせていただきます。
 交通の便がよくなったのだから、もはや僻地ではない。不便なら通学バスを用意すればいいということかもしれませんが、それほど単純なことではないのです。仮に通学バスを用意されたとしても、バスが通れない山奥の住まいからバス停まで出てくるだけでも大変な子供たちがいるということを忘れないでいただきたいと思います。
 こうした分校の課題については、中山間地域の維持、振興に努めてこられた知事の考え方をお聞かせ願います。
〇議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 分校は、地域の子供たちの教育機会を保障するだけではなくて、生涯スポーツや、地域住民と共につくり上げる文化的な行事への関わりなど、地域の活性化に現に大変貢献しているというふうに認識しております。
 一方で、近年、地域の小中学校の閉校があったり、あるいは下宿して地域外へ進学する生徒が増えております。その一方では、分校の教育環境、特色などに魅力を感じて、県外や地域外から進学してくる生徒もおります。
 分校としての魅力をより一層磨くとともに、求められる様々なニーズを最大限受け止めるような学校経営を行うことで、工夫をして分校存続を図ってもらいたいと思いますし、そして、それができることによって、ごく近くに住んでおられる子供たちが選択した場合、その近くの分校に通えるという選択肢を広げることにもなると考えております。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 ありがとうございます。
 分校は学校規模が小さいだけで、教育的な意義は何ら本校と変わらない。もしかすると、分校に和歌山の教育が目指す本質があるかもしれません。これからも支援をよろしくお願いします。これは要望といたします。
 次に移らせていただきます。
 一般の方々の中には、この答申の内容を聞いて、知事もこれを了承されて公開されたのだろうかと思っている人が多いように思われているのですが、知事は、教育委員会あるいはきのくに教育審議会から説明を受けて、これを施策として了承されたのでしょうか。
 また、教育行政の大綱や教育を行うための諸条件の整備など、重点的に講ずべき施策に関することなど重要事項について、総合教育会議において協議することになっています。この答申については、総合教育会議において話し合われた上で、教育委員会が開催する地方別の懇談会に至ったのか。いずれにしても、この答申に基づく高校の再編整備計画が幾つかの地域で大きな争点になったとき、改正された地教行法に基づけば、知事の判断が問われることになる可能性があると懸念されますので、知事の御説明をお願いします。
〇議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 教育問題についても、議員御指摘の法律の改正の前から、私の意識としては、これはもう県の重要な行政の一つだから、教育委員会に任せるのでどうぞ勝手にというつもりは全くないというふうに度重ねて申し上げてきたところでありますし、そのように行動しております。
 今回の答申につきましては、生徒数の減少がどんどん続く中で、このままでは和歌山の高校教育が立ち行かなくなるのではという思いから、教育委員会の諸君が発議をして、それでこのような検討をするということで、委員会で検討してもらいました。こういうことが出てまいりましたので、これは発表していいですかというようなことは聞いております。それで、私は、それはどんどん発表して、それで県民レベルの議論を具体的に沸き上げなければ、隠しておいてもしようがない話だから、どんどんやったらいいんじゃないかというふうに申し上げましたので、この答申についての責任も私にもあります。
 また、総合教育会議においてどんなことを申し上げたかというのをちょっとここで申し上げますと、高校教育の課題や展望について協議を昨年11月にいたしました。私のそこで申し上げたことは、かつては和歌山市以外の高校、地元の高校から有力な大学も含めて進学をしていて、それが地域の励みとか誇りになっていて、生徒さんも割合地元の高校に行くということが多かったんだけども、今はそれが弱くなっているように思うなあと。生徒さんがこぞって──こぞってというのはちょっと言い過ぎですけど、一部の生徒さんは和歌山市の公立高校とか私立高校に通学する、あるいは親御さんがそういうふうにさせるようになっているけれども、これはやっぱり地域に魅力のある学校をつくって、そんなことをしなくてもいいというふうにしないといけないんではないかということを私は申し上げたこともございます。近くにそういう学校がございますと、これは絶対に通学時間も短縮されて、それで学習効率もいいわけですし、あるいは部活動など学校生活──ほかの意味での学校生活ですね、それも充実すると思います。
 今回の答申は、そういうことも考えているというところもあるというふうには思います。
 各高校が小規模化すると、活力がなくなっていく面もあります。統合して地域の核となる高校をつくっていく必要があるということは、一つの考えとして十分尊重すべきだと思います。
 しかし一方で、学校が少なくなって、通学に困難が生じないようにしなきゃいけないのは当然であります。今、子供たちが選択ができる時代になっておりますので、元気のない高校は幾つあっても敬遠されてしまいます。一方、地元に行きやすい高校がないと、今度は地域に魅力がますますなくなっていくということで、問題であります。
 今回答申が出て、多くの人からいろんな考え方が示され、議会でも坂本議員のように真剣な議論をしていただいております。各地域にも説明に行って、忌憚のない意見、厳しい意見ももらいながら進めていくというのがいいんじゃないかというふうに思います。
 今後、教育委員会から、行政としてどう考えるかというプログラムを出して、それに基づいてもう一回議論をしていこうということでございますが、もちろん出すときには、私もまた意見に参加をして、それからまた県民の議論の中にも参加していきたいと、そんなふうに思っております。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 ありがとうございます。
 知事の答弁にもありますように、人口減少、少子化に向かう中で、県民が和歌山の教育に不安を持っていることは共通の認識であると考えるのは、私も何ら異議もなく、同じように考えています。
 昨年の総合教育会議において、知事は、かなり突っ込んだ具体的な質問を投げかけておられる。私は、答申が出された後も、答申に縛られず、総合教育会議でさらなる議論も必要であると考えています。
 先ほどの答弁にもあったように、コミュニティスクールと地域での議論を活発に行っていただき、少し時間は必要だが、多くの意見に耳を傾け、手順を踏んで進めていっていただきたい。教育は、枠組みや制度だけでは動かせない。それを申し上げたい。私の気持ちと要望を述べさせていただきたいと思います。
 次に移ります。
 また、審議会の答申は審議会が作成するものだから、基本的には教育委員会会議に付議する必要はないとしても、各エリアの学校数まで提示しているのは、既に計画に踏み込んでいるので、さらに従来の基準を変更するといったルール変更については教育委員会で協議し、教育委員さんたちからどのような意見があったのか。また、会議の議決を得るとともに、地域や自治体の合意が必要だと考えるが、そうした手順を踏んだのだろうか。そうした丁寧な手順を無視してきたとすれば、教育委員会事務局の独断、暴走と言わざるを得ない。
 また、12月中に策定するとしている具体的な再編整備の計画については、どのような手続を踏んで決定されるのか。その手続の中に保護者や地域、自治体等の合意を得ることが含まれているのかどうか。教育長の説明をお願いします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 教育委員からは、生徒数が減少する中で今の状況を維持しようとしても本県の高校教育は立ち行かなくなるので、子供たちに夢と希望を与えられる学校を速やかにつくっていく必要があることや、再編整備には長期的な視点が必要であることなどの御意見をいただきました。
 引き続き、教育委員、保護者や地域、各自治体等の理解を大切にしながら、高校の再編整備を丁寧、着実に進めてまいります。
〇議長(岸本 健君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 この話は、文教委員会でただしていきたいと思います。
 次に入らしていただきます。
 私は、再編整備に反対しているのではありません。少子化が進む将来、我々は苦渋の決断をしなければならないかもしれない。しかし、それが今なのか。私は、宮﨑教育長に期待しているがゆえに、これまでの文教委員会で、どうか学校を支えてあげてほしいと幾度も要望させていただきました。
 知事メッセージに、帝京大学の岩出監督のお話がありました。仮に教育委員会がトップもしくはリーダーとするのであれば、学校との関係は全くこうあってほしいと考えます。
 立てつけばかり変更するのではなく、少し長い目で腰を据えて学校を育ててあげる。結果、このことは子供たちを育て、教育することに通じると考えます。私自身の経験から、教育は一人一人をどこまでも大切にする、そういう血の通った崇高な営みである。まず、教育行政が血の通ったものでなければならないと考えております。
 ところが、ここ数年、学校の先生方の間で、「学校の仕事に嫌気が差した」とか、「もっと生徒に関われる本当の教育ができなくなった」という声が多くなってきております。また、今回の答申を知った一般の方々の中には、「和歌山の教育は、もう終わりや」と嘆いた方もおられます。
 どうか、この答申が基準ありき、方針ありきで暴走することなく、生徒の実情、保護者や地域の声を反映した、血の通った教育行政につながることを切にお願いしたい。
 9月議会においても、知事が、「こういう時代であるからこそ、将来を担う子供たちへの投資は必要でありますが、その投資が最もふさわしい、子供たちのためになるような投資であるように、これから皆で考えていかなければならないと考えております」と答弁されておられます。知事、教育長の英断を望み、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、坂本登君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時48分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
〇議長(岸本 健君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕(拍手)
〇岩井弘次君 こんにちは。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして早速質問させていただきます。
 新型コロナウイルス感染症は、今なお猛威を振るい、全国的な感染拡大が続いております。和歌山県内においても、一時期の少ない感染者数から考えますと、やや高止まりといいますか、急増するのではないかと非常に危惧される状況であります。
 本県において、昨日、4名の方が新たな感染者との発表がありました。これまでの感染者累計は507名となり、残念ながらお亡くなりになられた方が7名となりました。退院していかれる方も日々ありますが、現在、入院中の方は71名となっており、そのうち、重症・重篤となっている方は6名であります。亡くなられた方々の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、治療中の方々に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い回復を願うものであります。
 医師、看護師はじめ医療に従事されている皆さんが、命を守るため懸命に奮闘されておられること、そして、収束に向けて尽力いただいている全ての方々に最大の敬意を表するものでございます。しかし、一部報道で医療に従事されている方の報酬が減額されたなどを見聞きしますと、申し訳ない気持ちになります。これまでに医療従事者の方への給付金もありましたが、できれば、再度重ねてのより厚い支援をと願うものであります。いずれにせよ、心から感謝の気持ちでいっぱいであります。
 現在、まさに第3波の真っただ中にある様子を呈しております。私の身近なところでも、濃厚接触者となったり、またその方の接触者となったりなど、その広がりは多くの人々を巻き込むことを実感しております。陽性になられた方も、決してかかりたくてかかったわけではなく、悪く言われる筋合いはありません。
 しかし、残念ながら、どこの誰といった感染者探しをする方がいることも事実です。私もその点について聞かれたことがありますが、当然、私も知るすべはなく、「それを聞いてどうするのですか」と聞き返します。すると、中には、その地域には近寄れないなど、とんでもない悲しい答えが返ってくることもありました。新型コロナウイルス感染症にかかることへの大きな不安が、そのような考えにさせるのだろうと思いますが、本当に悲しい気持ちになりました。
 今議会にも、仮称「和歌山県新型コロナウイルス感染症に係る誹謗中傷等対策に関する条例」案が上程されていますが、ぜひとも実効性のあるものとなりますよう願うものであります。
 さて、11月29日放映のテレビ和歌山「きのくに21」におきまして、仁坂知事は、新型コロナウイルス感染症に関してあらゆる角度から、現在の県の考え方や現状説明、さらには県民の皆様への新たなお願いを述べられました。その中で、全国的に感染が拡大している状況に触れながら、「和歌山県も、全国と比べるとやや程度は少ないけれども、今までの中で一番多いという状況になっており、決して油断ができない」と語られました。
 県の最新の感染動向については、1日当たりの新規感染者数の推移や、それに伴う入院患者数の変動について、それぞれグラフにして説明され、入院患者数は11月27日現在では79名となっており、これまでで一番高くなっていること。そして、第2波のときは若い人の割合が大きかったが、今回は再び高齢者の割合が高くなっているとして、その方々の重症化が懸念される現状であること。
 地域的な感染者数については、橋本と海南の保健所管内で増加していることに触れ、この地域だけについて見ると、人口10万人当たりの1週間の感染者が15人を超えているので、ステージ3、いわゆる感染が拡大している地域の基準の一つを超えてはいるが、あくまで一つ超えているということで、他の幾つかの基準を見て総合的に判断をすると、この両地域も現状ではステージ3までは行っていないと考えているとしています。
 そして、感染拡大について心配をしておられる県民の皆様に対して、新型コロナになったときに必ず入院はできるのかという問題について、知事は、「2月の済生会有田病院の頃に比べると、今の医療提供体制は随分大きくなり、新型コロナ患者となった方々に入っていただく病床は大きくなっています」と語られておられます。確認された感染者の年代については、第1波では50代から60代が29名、70代以上が9名、第2波では50代から60代が44名、70代以上が16名、第3波の今、11月27日現在、50代から60代は42名、70代以上は29名と、高齢者の患者数は明らかに増加傾向であると語られております。
 重症になる方はまだ少数かもしれませんが、クラスターも15件発生しております。最近では、健康器具の体験販売に参加された多くの高齢者が陽性となり、大きなクラスターとなっております。感染経路は追えているものの、大変懸念される事柄でございます。
 この感染症は、症状が比較的軽いと思われていた方が急変し、重症化する例もあると聞きます。
 そのようなことから、改めてお伺いいたします。
 重症患者も含めた新型コロナ陽性患者を受け入れられる病床確保の現状と人的体制も含め、現実的に患者を受け入れられるようになっているのか、福祉保健部長、御答弁お願いいたします。
〇議長(岸本 健君) ただいまの岩井弘次君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長宮本浩之君。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 県内で初めて感染者が確認された当初、32床の感染症病床を確保していましたが、その後の感染拡大を受け、医療機関への協力要請により、順次、病床数を拡大してきたところです。現状では約230床の受入れ病床を確保しているところですが、今後のさらなる感染拡大に備え、重症用病床40床を含む最大400床まで拡大できる体制を構築しています。
 新型コロナ患者の受入れに当たっては、新型コロナ以外の一般の患者とは切り離した人員体制を整備する必要があることから、受入れ医療機関においては、病院全体の診療体制を見直し、医療スタッフの配置を調整することで必要人員を確保していただいています。一般の医療体制を維持しながらも、感染患者の受入れ体制を整備することは非常に難しい状況ではありますが、本県では、医療機関の一層の協力をいただき、今議会に、さらに70床を増床するための補正予算案をお願いしているところです。
 本県では、感染者が確認された当初から、早期発見、早期隔離、行動履歴調査を徹底する和歌山方式により、感染の拡大を最小限に抑え込んできました。医療体制を維持していくためには、病床の確保とともに感染拡大の抑え込みが不可欠であり、こうした取組によって、現状では速やかに感染患者を受け入れる体制を維持することができています。
 引き続き、医療体制が堅持できるよう全力で取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 御答弁ありがとうございます。
 病床数というのは、行政上の手続に基づくものではないでしょうか。医療の崩壊は、病床数の不足ではなく、看護師等医療スタッフの確保にかかっていると言われます。これから冬場特有の疾患も増加することが予測されますし、救急患者の発生も、いつ、どのようになるか分かりません。
 報道や現場の医療従事者の方のSNS投稿などで、本来、感染症専門医が診るべきものを、最近は、感染症以外を専門とする内科のみならず、外科にも対応してもらっている状況にあり、そのことは、結果として他の専門科の診療にも支障が出てきているといった医療現場からの声を見聞きいたします。本県のことではないとはいえ、明日は我が身かもしれません。
 それと、医療に従事されている方々も生身の体ですから、単純に数を割り当てるのではなく、十分な配慮ができますよう切にお願いいたします。限られた人材をどうするかという困難な作業だと十分理解しております。本当に職員の皆さんも大変だと思いますが、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、次の項目、府県間での協力体制についての質問に移ります。
 厚生労働省から、本年3月、新型コロナウイルス感染症の患者数が大幅に増えたときに備えた入院医療提供体制等の整備について(第2版)として、「今後、全国の複数の地域で同時期に感染者が増大し、全国的に医療需要が増加した場合には、都道府県域内で患者を受け入れることを基本とするものの、新型コロナウイルス感染症患者でECMOが必要となるような患者については、都道府県域内の医療体制では対応し切れない場合には、都道府県を超えた広域搬送を行うことから、そのことを想定した搬送体制について、隣県と調整しながら検討すること。また、他の疾患の患者等においても同様に、重症管理が必要な方以外については、基本的には都道府県域内で患者を受け入れることを想定して医療提供体制を整備すること。ただし、ある特定の都道府県で短期的に感染者が大幅に増大する場合には、爆発的に増加する患者の対応を短期集中的に行う必要があるため、上記に限らず都道府県を超えた広域搬送を行うこととなるため、そのような場合も想定して、搬送体制についても隣県と調整しながら検討すること」と通知されております。
 和歌山県ホームページで、12月2日、新型コロナウイルス感染症発生状況説明概要の中で、その末尾に、大阪府からの看護師派遣について、「大阪のコロナ重症センターへの看護師派遣ということで、関西広域連合から正式な派遣要請が来ています。本県でも、ICUや重症者につきましては看護師が通常よりもたくさん必要な状況で、ICUそのものに従事するような看護師派遣は難しいのですが、知事の意向も踏まえ、看護師派遣につきまして、今、調整を行っています」とありました。知事も、派遣要請に応える旨、即日記者発表され、15日から2人の看護師を大阪府の重症治療施設へ派遣するとの報道がありました。
 大阪府は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大・収束状況を判断するための独自基準、いわゆる大阪モデルにより、非常事態を示す赤信号を初めて点灯させ、12月4日から15日までの間、府民の皆さんに対して不要不急の外出を自粛することを要請しております。また、昨日、自衛隊の看護師派遣も要請されました。
 今まさに、隣接する大阪府において医療における非常事態宣言が出され、逼迫した状態となっております。これはどの府県にも起こり得ることです。今こそ、お互いに助け合い、この危機を乗り越えていかなければなりません。そのようなことから、府県間で綿密な打合せをし協力すべきと考えますが、その協力体制の現状について、福祉保健部長、お答えください。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 新型コロナウイルス感染症への対応に当たっては、医療の実施や感染防止のための協力要請など、感染症法や特別措置法に基づく都道府県知事の権限の下、各都道府県単位で様々な対策を実施しているところです。しかしながら、感染の蔓延により感染者が大幅に増大したときなど、都道府県域内の医療体制で対応し切れない場合には、県域を越えた広域での患者の相互受入れなど、府県間の相互支援が必要になると考えます。
 本県が構成団体として参加する関西広域連合においては、医療人材の派遣や患者の相互受入れなど、広域的な医療連携を行うことを申し合わせているところです。
 これまでの対応としては、本県の検査体制がまだ十分でなかった感染初期には、大阪府に検査分析の応援をいただきました。その後、本県の感染状況が落ち着いた際には、具体的な要請を受けるまでには至りませんでしたが、本県からも、大阪府に対して検査分析の引受けの意向を示していたところです。さらに、第3波の感染拡大の中、医療体制が逼迫している大阪府に対して、議員御指摘のとおり、本県として医療人材の派遣を早々に決定したところです。
 県としましては、県内の感染拡大防止はもとより、府県間の相互支援についても、各府県の状況を把握しながら連携を図ってまいります。
〇議長(岸本 健君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 ありがとうございました。
 決して余裕のない中での派遣かと思います。看護師の方々も、より厳しい制限の中、想像もつかない緊張感を持って仕事に臨まれておられることと思います。どうか自身の健康にも十分留意され、頑張ってくださいとしか言えませんが、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、次の項目に移らさせていただきます。
 新型コロナウイルスは、せき、くしゃみ、唾液など飛沫感染と、手指を介した接触感染で感染します。誰もが、自分が気づかなくても、何の症状がなくても感染している可能性も指摘されており、油断はできません。
 県は、感染防止のための10か条を県民の皆さんにお願いしております。特に、感染が拡大している地域での会食や飲食、また集団での長時間の会食、宿泊、そして、特に高齢者のカラオケなど大規模な催しへの参加を控えること、医療・福祉施設の職員は家族以外との会食を控えるようになど、要請されております。
 感染を防ぐため、基本的に心がけなくてはならないことは、人と人との距離を取ること、いわゆる3密の回避、また適宜、手洗いや手指消毒をする、そしてマスクの着用をするといった、今や当たり前のことを励行することではないでしょうか。その上に、せきエチケットや定期的な換気、自己の健康管理をしっかりする等が習慣となるよう心がけることが重要です。自分が新型コロナウイルスに感染し、たとえ症状がなくても、周りの人へ感染が広がる可能性があります。そして、その中には必ず重症者が出てきます。
 今、全ての人が、うつらない、うつさないという意識を持った生活を送っていただき、爆発的な感染拡大を何としても阻止しなくてはなりません。家にいよう──ステイホームと言っても、仕事や買物など、実際には全ての人が一日中、そして何日も完全なステイホームは不可能です。ですから、自分を守るため、他人に感染させないため、人が近くにいるときは必ずマスクを着用するなど、感染を防止する基本的な行動が大切であると考えます。
 しかし、最近、新型コロナ疲れといいますか、悪い意味での新型コロナ慣れしてきている方が多くなってきているのではないでしょうか。県民の皆さんに改めて感染防止の意識づけを促すことや、そのために基本的な感染防止に係る条例を制定する等について、知事の御所見をお伺いいたします。
〇議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 感染拡大防止対策は、これまでもしばしば申し上げてきたとおり、県の保健医療行政の努力と、県民の皆様の行動や営業の自粛の協力との足し算というふうに考えております。
 行動や営業の自粛に頼り過ぎますと、生活や経済に大きな影響を与えてしまうことから、本県においては、まずは保健医療行政が懸命に努力を行って、行動や営業自粛については、その時々の状況に応じた最低限のお願いをして、県民の皆様にも御努力をいただきながら感染拡大を食い止めているところであります。
 とはいえ、全国的に感染が蔓延し、新型コロナ対応の長期化が避けられない状況においては、保健医療行政が頑張っているとはいえ、感染防止のための県民一人一人の自覚ある行動や取組が非常に重要となるということから、マスクの着用とか手洗いの励行など、適宜、県民の皆様にお願いをし、感染防止に努めているところであります。
 議員は、こうしたお願いを条例で規定したらどうかとの御意見でございますけども、これは私の意見かもしれませんが、条例は、基本的には県民の権利を制限したり、義務を課すというようなときに必要なものであると考えております。例えば、手洗いの励行などは、それほど権利義務ということではないんじゃないかなあというふうに思っております。
 一方で、新型コロナに関するいじめや誹謗中傷については、これはいかなる人も絶対にしてはいけない義務があることでございますし、権利が侵害された場合に行政が指導・措置できるようにするということを条例として規定する必要があると思いますので、今議会にその部分の条例案を上程しているところでございます。
 また、感染防止に関する取組としては、その都度、やっぱりどんどん変わります。今は、高齢者に大規模な催しへの参加を控えていただくこととか、多人数での長時間にわたる外食の自粛などをお願いしているのでございますけども、こういう高齢者の活発な活動なんかは、感染が収まってきた場合には、むしろ奨励すべきことかなというぐらいのところでございます。
 このように、感染防止の取組は、感染状況の変化に応じて臨機応変に講じていくものでありますので、条例でびしっと規定してしまうというよりも、時宜にかなった取組を機動的に県民の皆様に呼びかけていくことが、最も効果的な方法であるんではないかなというふうに考えている次第です。
 引き続き、感染拡大の抑制のため、県民の皆様と一体となって、新型コロナウイルス対策に全力で取り組んでまいる所存であります。
〇議長(岸本 健君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 熱い御答弁ありがとうございました。
 やはり感染防止をする、日頃からマスクをしたりとか、手洗いをしたり、消毒をしたりということを本当に習慣──もうやや習慣づいてはきているんですけども、時折、マスクをしていない方に対して、はたの人がいろいろと、マスク警察とかというのも出現したりとかもどうかと思うんですけども、まずは自分自身が自分を守ろう、それが他人をも守っていくんやということもありますので、条例云々もそうですけども、そういった意識づけ、また啓発活動というのをぜひとも、今後とも、時に応じたやり方だと思うんですけど、よろしくお願いいたします。
 とにかく、うつらない、うつさないという行動を常に意識を持って行動されることを心から念願して、その啓発活動をよろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に入ります。
 コロナ禍における観光施策について、この夏、国のGoToトラベルに先駆け、県内在住の方を対象にわかやまリフレッシュプランチケットが販売されました。お一人様、総旅行代金の2分の1以内、1泊当たり最大1万円の割引で、泊数に制限はなく、日帰り旅行も対象となっていました。コロナ禍の中ではありましたが、訪れる側も受け入れる方たちも徹底した感染防止に努められながら、多くの方々が利用されたかと思います。
 私も家族旅行を楽しませていただきましたが、府県をまたぐ人の往来が微妙な状態の中、県民の皆さんが県内各地を巡り、改めて本県の魅力を再発見され、大変好評であったかと思います。
 この夏行われた、わかやまリフレッシュプランの概要とその効果について、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
〇議長(岸本 健君) 商工観光労働部長大山 茂君。
  〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) わかやまリフレッシュプランは、「蘇りの地、わかやま」キャンペーンの一環として、国が実施するGoToトラベルに先駆け、まずは、県内の旅行需要を喚起し、県民による県内宿泊施設や観光施設の利用促進と、県民の新型コロナウイルス感染症による閉塞感からのリフレッシュを図るため、7月8日から9月30日までの約3か月間実施したところです。
 事業実施に際しては、宿泊だけでなく日帰りプランも対象とし、予約については、宿泊施設、旅行代理店のどちらの予約も可能とするとともに、ホームページ等で広く事業者に参加を呼びかけ、宿泊施設、旅行代理店合わせて計332事業所に参加いただきました。
 一方、県民の皆様には、県のホームページや県民の友、ラジオ、テレビ、SNSをはじめ、ポスターや県内で配布されるフリーペーパー等を活用し、広く周知を行ったところです。
 結果、延べ約14万人、直接消費額約16億円と、多くの県民の皆様に御利用いただき、県内宿泊施設等からも多くの利用者があったとの報告をいただくなど、県内事業者の売上げに寄与し、夏場における県内観光産業の下支えにつながったものと考えております。
〇議長(岸本 健君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 御答弁ありがとうございます。
 延べ人数14万人、直接消費総額16億円。私も何度か、いろいろ問合せがありまして申し込むんですけども、常に売り切れ近く、売り切れ近くというのが何度もございました。本当に好評やったんやなというふうに実感しております。リフレッシュプラン、アゲインという声も聞かれます。現在の新型コロナの感染状況を考えますと、今はそのときではないと思いますが、いずれ経済活動のアクセルを踏むタイミングが到来した場合には、ぜひお考えいただきたいと思います。
 先日、同僚議員と愛媛県に視察に行かせていただきました。宿泊したホテルのオーナーがおっしゃっていたのが、例えば、閑散期や平日に限定した旅行、観光支援策というものもいいのではないかといった御意見もいただきました。いろいろ工夫され、県民の皆さんによる和歌山県の魅力再発見の旅を再度、後押しするもよし、それと、県外からの誘客にも力を注いでいっていただきたいと思います。
 そこで、観光施策の現状と今後の取組について、商工観光労働部長、お答えください。
〇議長(岸本 健君) 商工観光労働部長。
  〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) コロナ禍において大きな打撃を受けている県内観光産業の振興のため、現在、「水の国、わかやま。」、「サイクリング王国わかやま」、「わかやま歴史物語」などをテーマとしたスタンプラリーを実施するとともに、県内の宿泊施設の利用促進を目的として企画した宿泊得々キャンペーンにより、県内のみならず県外からの観光客に対し、県内周遊や消費喚起を図っているところです。
 また、これまで、和歌山県観光情報誌「紀州浪漫」や県の公式SNSなどにおいて観光情報を発信するとともに、新型コロナウイルスの感染状況を見極めながら、交通機関等とタイアップした情報発信や、西日本エリアを中心に、メディアや旅行会社へのプロモーションによる誘客に取り組んできたところです。
 コロナ禍において、インバウンド需要が見込めない中、国内観光客を取り込み、県内観光産業の振興を図るため、今後も、感染状況を見極めながら、プロモーションを強化するなど、市町村や関係団体と共に「蘇りの地、わかやま」キャンペーンを展開してまいります。
〇議長(岸本 健君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 御答弁ありがとうございました。
 感染防止と経済活動の維持の両立について、二者択一ではなく、そのときの状況に応じて比重をどちらに置くかが重要と考えます。また、多方面への経済刺激策も必要ですが、どうかアクセルとブレーキ、よろしくお願いいたします。
 それでは、コロナ禍における就職支援についての質問に移らさしていただきます。
 報道によりますと、新型コロナウイルスの影響で仕事を失った人が、見込みも含めて全国で7万人を超えたことが、厚生労働省がハローワークなどを通じて行った調査で分かりました。仕事を失った人は、実際はさらに多いと見られ、厚生労働省は、雇用調整助成金などを積極的に活用し、企業に雇用を維持するよう呼びかけるとともに、再就職に向けた支援を進めていますが、厳しい労働環境が明らかになりました。
 厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大で業績が悪化した企業などから解雇されたり、契約を更新されない雇い止めに遭ったりしたケースについて調査し、それによりますと、今年1月末から11月6日までに解雇や雇い止めで仕事を失った方は、見込みも含めて7万242人となり、7万人を超えたことが分かりました。全国のハローワークなどで把握できた人数であるため、仕事を失った実数はさらに多いと見られます。
 また、新型コロナウイルスの影響で仕事を失ったパートやアルバイトなど、非正規雇用で働く人は、今年5月25日から10月30日までで、見込みも含め約3万3700人となっております。
 雇用対策のポイントは、現在維持されている雇用を守ること、職を失った方の再就職を支援する、そして、来春卒業予定の新卒採用を後押しすることが重要と考えます。
 そこでまず、コロナ禍における再就職支援の取組について、商工観光労働部長、お答えください。
〇議長(岸本 健君) 商工観光労働部長。
  〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) 再就職支援に係る取組につきましては、平成29年度に本県独自の第2の就活サイクルを構築し、女性や定年退職された方、UIターン就職を希望される方の再就職を促進し、産業人材の確保に取り組んでおります。毎年2月を就活強化月間と定め、合同企業説明会を開催するとともに、より多くの求職者に再就職していただけるよう、再就職支援センターにおいて個別相談やセミナーを実施しているところです。
 今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた方々の再就職を支援するため、企業の採用情報の公開を、従来は10月以降であったものを4月から行うなど、再就職希望者がいち早く情報を入手できるよう対応しています。また、再就職支援センターでの相談についても、本年5月からは、対面だけではなくウェブ相談にも対応できるようにするとともに、再就職を支援するためのセミナーも随時開催するなど、工夫しています。
 今後も、このような取組を充実し、コロナ禍における本県での再就職支援を推進してまいります。
〇議長(岸本 健君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 ありがとうございました。
 次に、新卒者の就職支援についてお伺いいたします。
 厚生労働省が9月に取りまとめたハローワークにおける求人・求職状況によりますと、7月末現在の求人数は、前年同期比24.3%減少の約33万6000人、求人倍率は、前年同期比0.44ポイント減少の2.08倍で、10年ぶりに低下したとのことです。第2の就職氷河期とならないよう、就職支援の強化、きめ細かな新卒応援のための体制強化に努めていただきたいと考えます。
 新型コロナウイルスという不測の事態の発生により、県内企業も大変厳しい状況下に置かれていることは十分承知しておりますが、今後、若年労働力の不足が確実に見込まれる中において、企業と地域の将来を担う若い人材の確保は必要不可欠と考えます。
 そこで、来春卒の高校生の県内就職支援について、どのように取り組まれているのか、商工観光労働部長、お答えください。
〇議長(岸本 健君) 商工観光労働部長。
  〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) 県では、県内産業の成長に必要な産業人材を確保するため、高校生の県内就職や大学生のUIターン就職に重点的に取り組んでおり、そのうち高校生については、合同企業説明会や企業見学会などを実施し、早期から県内企業の研究ができるよう取組を行っています。
 しかしながら、今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、就職希望の高校3年生と企業が一堂に会する合同企業説明会「応募前サマー企業ガイダンス」の開催が困難となったため、就職活動に支障が生じないよう、ウェブ会議システムを活用した企業説明会に切り替えて開催したところです。
 また、企業のPR動画を県のウェブサイト「UIわかやま」内に掲載し、これまで7000回以上再生されるなど、コロナ禍においても高校生がいつでも県内企業を研究できる機会を提供しています。
 一方で、学校、企業双方から対面式での説明会開催を望む声もあり、11月には、現在も就職活動を継続している高校生を支援するため、和歌山、田辺両市において対面式の合同企業説明会を開催したところ、76名が参加し、参加した生徒からは、「聞きたい話が聞けた」、「その会社で働きたいという気持ちが高まった」といった声が多く寄せられたところです。
 今年度は、コロナ禍にあって高校生の就職活動が大変厳しい状況でありますが、県内就職を希望する全ての高校生が就職できるよう工夫しながら、県内就職支援を進めてまいります。
〇議長(岸本 健君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 御答弁ありがとうございます。
 ウェブサイト等での就職説明会等々、いろいろと工夫をしていただいていること、本当にありがとうございます。
 しかし、やはり先ほども部長答弁にありましたけど、いわゆるリアルでの対面式のそういう求める側、企業側と学生さんが直接お会いして、いろいろ話を聞いたり見たりすること、これがやっぱり一番実感もありますし、好評であるかというふうにもお聞きしております。時節柄、ある程度ウェブでのというのは、リモートであったりとかというのはやむを得ないと思いますけども、今後、いろいろとまた状況に応じて、密を避けながらの、できればリアルでのそういう企業説明会等々の工夫も、ぜひぜひしていっていただけたらというふうに念願しております。
 それでは、最後の項目、和歌山県大学生等進学給付金について、まず、質問させていただきます。
 コロナ禍により経済が悪化している状況の中、県民の皆様、ひいては高校生がおられる家庭にも大きな影響があろうかと思います。こうした状況下、本県では、和歌山県大学生等進学給付金という支援制度を、国の就学支援制度に加えて独自で支援していただいております。
 以前にも質問させていただきましたけど、改めて、この制度の概要と直近3か年の状況について、教育長にお尋ねいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 県教育委員会では、経済的理由で大学等へ進学が困難な学生を支援するため、平成28年から国の制度に先駆けて、和歌山県大学生等進学給付金の制度の運用を開始しました。
 この制度は、大学等を卒業した後、和歌山県内に居住し就業することを条件に、年間60万円、4年間で最高240万円を給付するものです。募集人員を40名としており、応募者が多い場合は、小論文及び面接から成る選考検査と高校での学習状況を基に選考を行っています。直近3年間の受検状況につきましては、令和2年度が52名、令和元年度が60名、平成30年度が60名となっております。
 なお、国の制度につきましては、本年4月から、大学等への進学に係る授業料、入学金の減免と、給付型奨学金が大幅に拡充され、学生及び保護者の経済的負担がかなり軽減されたところです。
 今後とも、本県及び国等の各種支援制度の周知に努め、本県の子供たちの進路保障に努めてまいります。
〇議長(岸本 健君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 御答弁ありがとうございます。
 この給付金は、大学等を卒業後に和歌山県内に居住し就業することを条件に、年間60万円、4年間総額で最高240万円を給付するものとのこと、募集人員は40名、選考方法については、高校の評定、小論文及び面接にて選考されます。直近3か年で選考検査を受けた方は、令和2年度で52名、令和元年度で60名、平成30年度で60名ということでございました。募集人員の定数が40名ですから、要するにこの3年間で12名、20名、20名の合計52名の方が選考から外れたということです。
 確かに、国において本年4月から、授業料、また入学金の減免と、給付型奨学金が大幅に拡充されてはおります。世帯収入や資産の要件を満たし、学ぶ意欲があれば、ほぼ全ての学生が受けることができます。国制度に加えての支援ですから、県のこの支援制度はすばらしいと思っております。しかし、私が言いたいのは、和歌山県の制度は、その応募対象者、いわゆる申請資格の第1に、大学を卒業後、和歌山県内に居住する意思を有しているものと書かれております。国制度には、そういった条件はございません。
 高等学校卒業後の状況調査では、県内高校出身者の進学先として、平成30年4月では4761名、そのうち県内進学者数は702名、県外進学者数は4059名、平成29年4月では、総数4881名に対して県内進学者数が696名、県外への進学者数が4185名となっています。毎年、高等学校卒業者の約85%が県外に進学されます。県内に大学が少ないですから、県外への進学はやむを得ないと思います。
 また、他府県に進学した全ての学生の皆さんが他府県に就職するとは限りません。しかし、あらゆる施策を講じ、人口減少に歯止めをかけようと移住・定住等、図られておられるのに、なぜ必ずふるさと和歌山に帰ってきてくれる10人、20人が毎年外されるのか、残念でなりません。もろもろの事情もあろうかと思いますが、どうかこの先も続けていただき、募集人員について、応募者全員をお支えいただきますよう強く要望をさせていただきます。
 今回、コロナ禍という経験をしたことのない試練の中、県民の皆さんからいただいた様々な声の一部を質問させていただきました。永遠に続く苦しみはありません。冬も必ず春となります。今は、正しく恐れ、収束させるという強い心で乗り越えていくことを心から念願し、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、岩井弘次君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 35番林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕(拍手)
〇林 隆一君 皆様、こんにちは。日本維新の会の林隆一でございます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 まず、県営住宅の共益費の県による徴収についてお伺いいたします。
 私は、これまで、昨年の6月県議会、今年の2月県議会において、この問題に関する質問をしておりますが、まずはこれまでの経緯について端的に申し上げます。
 現在、県営住宅の居住世帯は約4600世帯とのことですが、ある県営住宅で自治会費を集金している方から、自治会費と併せて共益費も集金して大変だとの御相談がありました。共益費を集金に行ったら、「寝ているのにうるさい」とか、「お金がないから月末にしてくれ」とか、「忙しいときに来るな」とかさんざんなことを言われ、相当なストレスになっているとのことです。また、固定電話より携帯電話を持っている人が増えて、集金するための電話料金もばかにならないとのことでございました。
 この集金を県営住宅の居住者にさせることで、居住者に負担、迷惑がかかってる状況を県が放っておいてよいのかというのが、私の一般質問を行ったそもそもの発端でございます。
 県営住宅の自治会の在り方について、今回の質問の趣旨に直接的には関係しないので省きますが、共益費については、昨年の6月県議会において県土整備部長から、「県営住宅の共同施設の管理に関して、外灯や給排水施設等の維持管理費や光熱水費などの団地内の共同施設の維持運営に関する費用である共益費の金銭管理も含めて、団地の自治会にお願いしているところであり、これは、県営住宅条例において共益費を入居者の負担とすることを想定していることから、入居者の皆様で共益費の徴収事務をしていただくもの」との御答弁があったところでございます。
 私は、共益費というのは、県営住宅を適切に機能させていくための必要経費であり、県営住宅を設置した県が共益費を管理運営していくべきではないのかというふうに考えており、県営住宅の共益費を家賃と併せて県が徴収することはできないのか、さらに県土整備部長に質問したところ、「入居者を対象とした共益費の徴収に関するアンケートや、ほかの都道府県を対象に共益費の徴収方法や対象とする経費に関する調査を実施するとともに、自治会を対象に、県が共益費を徴収した場合の自治会運営上の効果や懸念されることのほか、共益費の滞納状況等につきましてもヒアリングを行ってまいりたい」との御答弁がありました。
 その後、今年の2月県議会において、そのアンケートの実施状況等を聞いた上で、県営住宅の共益費の県による徴収について、当局の見解と今後の取組方針を質問したところ、県土整備部長からは、「入居者が当該経費を負担することに合意形成が図られた団地自治会について、県による徴収を実施する方法等を考えていくこととしており、県による共益費の徴収を実施するならば、パブリックコメントの実施、県営住宅条例の改正及び徴収システムの整備等が必要となるので、入居者の方や団地自治会に制度案を丁寧に説明し、また、多くの皆様に御理解いただけるよう詳細な検討を進めてまいりたい」との御答弁をいただいたところでございます。
 この問題につきまして、県営住宅にお住まいの方々も非常に関心を寄せられており、私といたしましては、適宜、当局の検討状況を確認する必要があると考えております。
 つきましては、県営住宅の共益費の県による徴収に関して、2月県議会以降のこれまでの経過と条例改正などの今後の取組について、県土整備部長、お答えください。よろしくお願いいたします。
〇議長(岸本 健君) ただいまの林隆一君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長庄司 勝君。
  〔庄司 勝君、登壇〕
〇県土整備部長(庄司 勝君) 県による県営住宅の共益費の徴収について、これまでの検討経過と今後の取組をお答えします。
 県は、今年8月から9月にかけて各団地の自治会を個別に訪問し、役員に対し、昨年度実施した県営住宅団地における共益費に関するアンケートの結果や、県が共益費を徴収するための入居者による合意手続、徴収に係る経費を入居者に負担いただくことなどについて意見を聴取しました。また、県民の皆様にも意見を幅広く求めるために、10月1日から30日までパブリックコメントを実施し、意見をいただいたところです。
 今後は、いただいた意見を踏まえ、県が共益費を徴収できる要件について検討し、早ければ次の定例会に、県営住宅条例の改正案を提出できるよう準備を進めたいと考えています。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 大変すばらしい御答弁をいただきました。どうもありがとうございます。
 制度化の見通しがついてきたことに対して深く感謝いたします。本年2月県議会で申し上げましたが、この制度の導入に当たりまして、徴収に係る手数料等の住民負担ができるだけ少なくなるよう御検討いただくことを強く要望し、この質問を終えたいと思っております。
 次に、私立高等学校授業料の実質無償化についてお伺いいたします。
 昨年の9月県議会でも、この問題について取り上げさせていただきました。私立高等学校というのは、それぞれの建学の精神にのっとり、公立高校とは違った独自色の強い教育を実施しております。スポーツの強豪校であるとか、全国屈指の進学校であるとか、それぞれの学校が持つ特色に憧れて私立高等学校を志望しても、その前には常に経済的な壁が立ちはだかりました。
 これを打破したのが、我が党日本維新の会の創始者である橋下徹であり、大阪府知事時代に行財政改革を行い、大阪府の私立高等学校の実質無償化を実施いたしました。この制度により選択の幅が広がり、将来への夢を諦めることもなくなり、子供たちからはもちろん、その保護者からも大阪府民でよかったと喜ばれ、全国的にも注目がされました。
 和歌山県でも、実質無償化とまではいかずとも、年収目安で350万円未満の世帯の生徒については、国の制度に独自で上乗せ補助を行っていました。しかし、私は、この制度では十分ではなく、加えて、大阪府の充実した制度が本県の人口流出にもつながっていくのではないかと考え、自身の選挙公約に私立高等学校の実質無償化を掲げておりました。
 そうしたところ、今年度、国の就学支援金制度が改正され、年収目安590万円未満の世帯の生徒については授業料が実質無償化され、維新が先駆けた政策が全国規模で実施されました。大変喜ばしいことであり、制度改正の恩恵を受けた世帯はかなり多いのではないか、そういうふうに考えております。
 そこで、企画部長にお伺いいたします。
 県内の全日制私立高等学校に通学する生徒のうち、就学支援金を受けている生徒というのは増えているのでしょうか。特に、加算額が引き上げられた、年収目安で590万円未満の世帯の生徒の割合というのはどうなっているでしょうか、御答弁をお願いいたします。
〇議長(岸本 健君) 企画部長田嶋久嗣君。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
〇企画部長(田嶋久嗣君) 和歌山県内の全日制私立高等学校に通学する生徒のうち、就学支援金を受給している生徒の割合は、令和元年度が67.1%、令和2年度が65.8%です。そのうち、議員御質問の実質無償化の対象となる年収目安で590万円未満の世帯の生徒の割合は、令和元年度が35.1%、令和2年度が33.8%となっております。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 御答弁いただきました。
 私は、実質無償化の恩恵を受ける生徒の割合が増えているのではないかと予想しておりましたが、大きな変動がなかったというのには少し意外でございました。今回、制度改正について、支援金額の上限が公表されたのが12月下旬と聞いており、十分周知されていたのかが大変気になるところではございます。
 今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、経済情勢が厳しくなっている世帯が多数あると思われます。受験シーズンを前に、家庭の経済状況により志望校を変更せざるを得ないということがないように、就学支援制度の理解を進めてほしいと思っております。
 そこで、企画部長にお伺いいたします。
 この制度をきっちりと理解していただくことが重要だと思いますが、制度周知についてはどのように進めていくのでしょうか。御答弁をいただきたいと思っております。
〇議長(岸本 健君) 企画部長。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
〇企画部長(田嶋久嗣君) 議員御指摘のとおり、制度を理解いただくことは重要であるため、県においては、ホームページへの掲載や広報紙「県民の友」での周知を行うとともに、お問合せをいただいた際には、判定基準の算出方法などを丁寧に説明し、制度への理解に努めております。また、各私立学校においても、入試説明会やホームページなどで重ねて周知いただいているところです。
 本制度は、就学支援金を支給することにより、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の実質的な機会均等に寄与することを目的としております。今後も、生徒等が進路の選択を行う際に、制度の不知により進路の制限がなされることのないように、制度の周知を引き続き行ってまいります。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 御答弁をいただきました。
 全ての生徒や保護者にこの支援制度が十分認識されるよう、今後も、県当局や学校現場において丁寧な周知をお願いいたしたいと思っております。
 なお、今般の国の就学支援金の制度改正に伴って、学校を自由に選択できる機会が高まり、本県においても一定の成果が現れてくることを切に願っておりますが、大阪府においては、国の支援制度に加え府単独で授業料支援補助金を上乗せしており、「公費投入は全国1位」をキャッチフレーズに、さらに手厚い支援制度を実施しているところでございます。
 また、例えば高額所得者が、子供に家業を継がせたくて、わざわざ私立高等学校へ行かせる必要がないと思っている世帯もあるかもしれません。子供自身が自らの進路を選択できる幅をできる限り広げるため、所得要件の撤廃など思い切った政策を検討する余地もあるのではないかと思っております。和歌山県がこういった大胆な政策を打ち出すことで、本県の子育て環境の充実や、人口流出を防ぐことにもつながっていくものと思っております。
 大阪府と和歌山県の公立・私立学校の設置状況はもちろん異なりますし、両県における教育環境や各学校の教育方針にも十分考慮する必要もありますし、財政負担等の問題もあろうかと思いますが、今後の本県の教育環境を見極めながら、どのような政策が必要なのか、それに伴いどのような調査が必要なのかを今後も検討していただくよう強く要望して、この質問を終わります。(「県立高校行かしたってよ。県立高校へよ」と呼ぶ者あり)
 はい。次に、児童相談所における一時保護についてお伺いいたします。
 児童虐待は、言うまでもなく大変深刻な社会問題でございます。国としては、社会情勢等に応じて児童福祉法や児童虐待防止法等を適宜改正し、児童虐待防止対策を進めており、令和元年の法改正においては、児童相談所の体制強化などを盛り込んだところでございます。本県におきましても、県と市町村の役割分担の明確化や、組織体制、相談支援機能の強化に取り組まれてきたと認識しております。
 本県における過去5年間の児童虐待相談件数の推移を見ますと、平成27年度の893件から年々増加し、令和元年度においては1691件と5年間でほぼ倍増し、各年度において新たに一時保護する子供については、約250人から約300人の間で推移しており、減少傾向にはない状況でございます。
 このような状況の中、今回、私は、この一時保護の在り方と保護者への説明責任について質問をしたいと思います。
 児童相談所において一時保護するに至るまでの経緯は、様々なパターンがあると思われますが、学校や病院、警察等からの通報など、保護者以外の方々からの報告や相談をきっかけとして対処することもあると思います。一時的な保護とはいえ、子供を保護者から引き離すわけですから、その判断は非常に重く重要なことだと思いますので、一時保護に至るその判断基準や意思決定プロセスについて、福祉保健部長、お答えください。よろしくお願いいたします。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長宮本浩之君。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 児童相談所に虐待通告があった場合は、まず、市町村と情報共有し、保護者や同居人に関する情報、乳幼児健診の受診状況や各種子育てサービスの利用状況、保育所や学校等での児童の様子、市町村要保護児童対策地域協議会の関わり等を各関係機関から速やかに情報収集した上で、48時間以内に児童の安全を確認することとなっています。
 安全確認に当たっては、自宅や学校、保育所等に出向き、必要に応じ、学校、保育所等の職員や保健師等の市町村職員の立会いを求めながら、外傷の有無やその程度、発育状況、保護者や大人に対する態度、おびえの有無等を、複数人で児童本人に直接接触して確認しています。また、保護者に関しては、面接等により、児童への感情や態度、虐待の自覚や認識、家事や育児能力、保護者自身の心身の状況等を情報収集します。
 これらの確認情報により、児童本人が保護を求めているか、既に虐待による重大な結果が生じているか、次に何か起これば重大な結果が生ずる可能性が高いかどうか、虐待が繰り返される可能性が高いかどうか等を客観的に判断していきます。その結果、現状の生活では児童の安全が確保されない状況にあり、即座に親子分離が必要と児童相談所長が判断した場合は、保護者に一時保護の必要性を説明し、児童の安全を最優先に考え、ちゅうちょなく児童の一時保護を行っているところです。
 保護者の同意を得られずに一時保護した場合は、一時保護の妥当性について、引き続き家庭訪問や来所面接等を繰り返し、保護者に理解を求めるよう努めています。なお、保護者の同意を得られないまま2か月を超えて一時保護を行う場合、これまでは児童福祉審議会の意見を聴くこととされていましたが、法改正に伴い、平成30年度以降は家庭裁判所の承認を得ることとなっています。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 御答弁をいただきました。
 法律や指針に基づき、適切に対処していただくことを切に願います。
 しかしながら、そのような措置を行ったとしても、保護者がその措置に納得がいかない場合もあろうかと思います。その際はどのように対処されているのか。また、保護者がその対応に納得されず、保有個人情報開示請求を行った場合、非開示とする情報の基準とは具体的にどのようなものか、福祉保健部長、お答えください。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 虐待対応においては、対応が後手に回ることで児童の生命に危険が及ぶことが絶対にあってはならないことから、児童の安全確保のため必要と判断した場合には、児童や保護者の同意を得ずとも、ちゅうちょなく一時保護を行っているところです。
 当然のことながら、児童相談所においては、一時保護に至った理由や今後の処遇等について、保護者に対し納得いただけるよう、家庭訪問や来所面接等により繰り返し説明を行っているところです。しかしながら、どうしても説明に納得いただけない場合で、児童相談所が一時保護に至った経緯やその判断の根拠となる書類について、開示請求が行われる場合もあります。
 その際は、和歌山県個人情報保護条例に基づき、児童相談所の児童記録などの保有個人情報を原則全て開示することとなりますが、例えば、虐待通告者の特定につながるおそれのある情報、児童や保護者の状況等に対する評価や診断等の内容、関係機関からの聞き取り内容等であって、開示することにより、今後の児童相談所業務の遂行に支障を来すおそれがあるもの等については、非開示となります。
 いずれにしましても、児童相談所が保護者の意に反し職権で一時保護を行う際には、保護者に対する丁寧な説明対応が必要と考えます。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 御答弁をいただきました。
 私が県民の方からお聞きした事例によりますと、公開された文書は黒塗りされた箇所が大半であり、結局のところ、保護者の納得が得られず、県が提訴された案件もあるとのことです。部長が答弁されたとおり、一連の基準等により県が適切に対処していることを考えていても、裁判になるということは、結果的には、保護者への説明責任が十分果たされていないと解釈されても仕方がない面があろうかと思います。
 児童福祉法第2条には、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」と明記されており、関係職員の皆様は日々御尽力なさっていると思いますが、保護者への説明については、より丁寧な対応をお願いするとともに、個々の案件への対応に関する組織的な検証を絶えず行っていただくことを強く要望し、この質問を終わります。
 次に、行政手続のデジタル化という「脱ハンコ」についてお伺いいたします。
 現在、新型コロナウイルス感染症に関する対策は多岐にわたっていますが、国民に対する支援策を実施するに当たっては、行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れなどの課題が浮き彫りとなっております。そのため、国においては、各省庁や自治体の縦割りを打破し、行政のデジタル化を進める方針を打ち出しているところでございます。
 その取組の一つとして、押印義務の見直しがなされることは皆様の御承知のとおりであり、本年11月の行政改革担当大臣の記者会見を抜粋しますと、約1万5000の行政手続のうち、99.4%の手続で押印を廃止することができることを明らかにするとともに、存続する手続の相当部分は、印鑑登録されたものや銀行の届出印などで83種類と説明されています。また、自治体向けの押印をどうやって廃止できるかというマニュアルの策定作業も始めているとのことも発表されております。
 このような状況において、本県では、行政手続のデジタル化推進に向け、押印廃止についてはどのように考えているか、総務部長、お答えください。よろしくお願いいたします。
〇議長(岸本 健君) 総務部長田村一郎君。
  〔田村一郎君、登壇〕
〇総務部長(田村一郎君) 行政手続のデジタル化の推進のためには、どのようなシステムをつくれば社会が便利になるかということを考えることが重要であり、そのような視点から押印についても検討していく必要があります。
 現在、押印を必要としている行政手続などについて、全庁調査を行っているところであり、今後、押印を求める趣旨や国の方針などを参考に、順次、押印の見直しに向けて取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 御答弁をいただきました。
 いわゆる「脱ハンコ」は、それ自体が目的ではなく、県民の利便性向上や効率的な行政運営に資する手法の一つであると思いますので、仕事や医療、教育など様々な分野で、県民がより暮らしやすいデジタル社会の実現に向けて、市町村への指導助言も含めて、スピード感を持って取り組んでいただくよう要望し、この質問を終わります。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策について、二つの観点からお伺いいたします。
 まずは、PCR検査体制の充実についてであります。
 第1波から第2波と言われる今年の春から夏頃にかけては、保健所に相談をしたけれど、なかなかPCR検査を受けることができない、あるいは検査を受けるまで相当の日数を要したなどの事例が、全国的に数多く報道されていたと思います。
 さきの9月県議会の一般質問において、今年の秋から冬にかけて懸念される季節性インフルエンザとの同時流行に備え、県内の検査体制を整備していくとの御答弁がなされましたが、現状において、県内のPCR検査体制はどのように整備されているのでしょうか。必要な方がすぐに検査を受けられることができる体制となっているのでしょうか。福祉保健部長、お答えください。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症を臨床的に識別することは困難であることから、県においては、両方の検査を実施することができる医療機関の確保に努めてきたところであり、12月1日現在で317か所の医療機関で検査が可能となっています。
 また、インフルエンザの流行期を見据え、国の方針が変更され、従来必要とされた保健所の判断を待つことなく、医師の判断により自院での検査が可能となったことから、より効率的に検査を受けることができるようになっています。
 具体的には、発熱等の症状がある方は、まず、かかりつけ医等の地域で身近な医療機関に電話で相談を行っていただくと、検査が可能となる診療・検査医療機関を紹介できる体制を構築するとともに、かかりつけ医がない場合には、県の相談窓口等で紹介する仕組みを設け、11月1日から運用を開始しているところです。
 引き続き、県民の皆様が安心して医療機関を受診できる体制の強化に努めてまいります。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 御答弁をいただきました。
 かかりつけ医等、身近なところで受診や検査ができる体制が整備されているとのことで安心いたしました。発熱等の症状がある場合、早期に医療機関で受診してもらうことは大事であると思いますので、引き続き広報啓発を努めていただきますよう強くお願いいたします。
 なお、感染症の早期発見のため、PCR検査体制の充実とともに、感染者に対し適切な医療を提供するためには、病床のさらなる確保も重要となりますが、このことについては、先ほど岩井議員からの御質問がありましたので、重ねて質問はいたしませんが、重症患者の治療に必要となる通称ECMOについては現在14台、人工呼吸器については319台を県内の医療機関において保有し、それらの機器を取り扱うためのサポート体制を整えるとお聞きしております。
 今後も、さらに重症患者が増加していく懸念があるため、病床の確保に必要な人的、設備等の体制についても、必要に応じ、さらに充実していくことを強く要望しておきます。
 それでは、次の質問に移ります。
 先ほど御答弁いただいたように、感染の早期発見や医療提供体制の充実に尽力くださっていることは理解しましたが、感染の拡大防止のためには、県民の方々が自らの行動に気をつけなければならないこともあると思います。11月以降、本県においてもクラスターが発生するなど、連日、感染者が発生しております。
 このような状況に鑑み、11月26日に県から発表された「県民の皆様へのお願い」を読ませていただきました。これまで、全国及び本県の感染状況に応じて、適宜「県民の皆様へのお願い」と称したアナウンスがなされており、このときの発表は、これまで繰り返しお願いしている項目に加え、新たに項目を加えた10項目についてまとめておられます。
 その後、12月4日には大阪府が、独自の指標、基準により、非常事態を示す赤信号を点灯させ、府民に対して不要不急の外出を自粛する要請を行ったことを受け、本県においては、大阪への不要不急の外出を控えるよう追加のお願いをしておりますが、先ほど述べた10項目には現在のところ変更はございません。
 この10項目を読んで疑問に感じたこと、大きく2点ございます。
 まず1点目、いわゆる第3波で感染が拡大している状況において、県民の皆様へのお願いとしては総じて表現が抽象的過ぎるのではないかという点でございます。例えば、「遅くまで集団で会食・宿泊をしない」とありますが、「遅くまで」や「集団」とはどの程度を指すのでしょうか。また、「高齢者は、カラオケ、ダンスなどの大規模な催しへの参加を控える」とありますが、「大規模」とはどの程度を指すのでしょうか。
 私は、大阪府のような時短営業に係る協力要請を現段階において発していない本県の状況下で、例えば「遅くまで」を「21時」と明記して経済が回らなくなってしまうことを願っているわけではございません。しかしながら、感染拡大がさらに懸念されるステージに移行しているこのタイミングにおいては、県民それぞれの個人判断に頼り過ぎる表現ではないかと思うわけでございます。
 次に2点目、一方で、特定の職業については厳し過ぎるお願いになっているのではないかという点でございます。「医療、福祉施設の職員は家族以外との会食を控える」という項目を今回、追加されております。その意図は、文書にも記載されているとおり、これら業種の方々の会食による感染事例が見受けられるとした上で、基礎疾患を抱えた方や高齢者など、感染により重症化しやすい方々との接触の機会が多くなるため、ウイルスを持ち込むことがないよう、当面の間、控えてほしいということであり、その意図自体はある程度理解できますが、逆に言えば、県民の皆様は、医療・福祉施設の職員さんを誘っての会食は控えてほしいというふうにも聞こえます。それに、医療施設といっても幅が広く、小児科医院や産婦人科医院などもありますし、福祉施設といっても、障害者福祉施設もあれば児童福祉施設などもあります。
 医療・福祉施設の職員は、言うまでもなく、大変御苦労の多い現場で頑張っており、特に新型コロナウイルス感染症対策に従事する医療従事者は、日夜、必死で頑張っていただいておりますが、しかしながら、医療従事者の離職は全国的に増えてきており、過度に孤立化、孤独化をさせないほうがよく、医療崩壊の一因にもなりかねないと私は思っております。リフレッシュを兼ねて、感染予防対策をしっかり行った上で友人と会食をしては駄目でしょうか。
 また、医療、福祉以外の業種でも高齢者と接する機会の多い職種はあろうかと思います。このような観点においても、殊さらこの2業種に限って、あえて家族以外との会食を控えることを明記する必要はあるでしょうか。
 つきましては、以上申し上げました2点の疑問を踏まえて、現在発表されている「県民の皆様へのお願い」の考え方について、知事に御答弁をお願いいたします。
〇議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 現在、いろいろなお願いを県民にしているわけでございますが、最新のお願いは、林議員もちょっと言われましたように、大阪府への不要不急の外出は自粛してくださいということでございます。
 これは、林議員がいつも範とする大阪府の吉村知事が発した大阪府の表現に合わせてお願いしたものでございまして、これなんか、先ほどほかのところで指摘されました表現に比べると、もっと抽象的な表現ではなかろうかというふうに思うのですが、大阪府の方も、それから和歌山県の方々も、現状についての認識、それから出てくる常識と良識がありますので、「それは何のこっちゃ」とはおっしゃらないというふうに私は思います。
 これに比べると、御指摘の「遅くまで」とか「集団」とか「大規模」などの表現は、もう少し具体的なイメージに踏み込んだものでございまして、これは、県では申し上げるときに記者会見などをいたしまして、具体的な事例を示して、こういう事例があるので、したがって、こういう表現で判断される限りにおいて、常識と良識に従って、どうぞ御協力をお願いしますというふうに言っているわけでございます。
 感染リスクを高める要因には、時間とか、人数とか、場所とか、感染対策の状況とか、様々なものがありまして、一律に、これ以上数値化するとか具体的に言っていくと、身動きが取れなくなるというようなこともありますので、あんまり適当ではございません。最後は、皆さんの常識と良識によらないとしょうがないというふうに考えておるわけでございます。
 11月以降は、本県においても感染者が増加いたしまして、第3波が到来しているということは確実であります。最近の集団感染の例を見ますと、高齢者の大規模な催しでの感染、介護事業所職員から利用者への感染、それから、飲食店での会食などを通じての感染が目立っております。
 特に心配なのは、第2波と比較いたしますと、高齢者の感染者数が増加している。この方々は、罹患いたしますと悪化をすることが結構多いということで、大変心配なわけでございます。重症化するリスクが比較的高いために、高齢者への感染を防ぐことも特に大事だということを考えてるわけでございます。
 そこで、最近の感染状況を丁寧に説明した上で、例えば、高齢者は、カラオケ、ダンスなどの大規模な催しへの参加を控えるとか、あるいは家族の方も、高齢者に家庭内でうつさないように、何か症状が出ますと、できるだけ早くクリニックに行っていただいて、通勤や通学はできるだけ控えていただくとか、また、病院や福祉施設では、特に出入りですね、従業員の方の出入りも含めてチェックに気をつけてくださいとか、表現としてはある程度抽象的でございますけれども、必要なことを申し上げているわけでございます。これは、最近の感染状況を丁寧に説明した上で、御理解いただいた上でお願いをしてるというふうに考えていただきたいと思います。
 さらに、同じようなことは、御指摘の2番目でございますが、これははっきり言うと、この部分だけは、かなり厳しいお願いだということは十分承知の上でお願いをしてるわけでございます。しかし、実際に医療・福祉施設の職員で、家族以外の方と会食を結構なさって、うつってしまって、その結果、とても大変なことになってしまったと、病院への危険とか、病院の中に引き込む危険とか、あるいは福祉施設でお年寄りにうつしてしまう危険とか、そういうのが物すごく懸念されたときがありました。
 そういうことなんで、感染も大分広まってきているんで、この際、厳しいようだけど、今は、医療・福祉施設の職員は特に注意していただくという意味で、家族との会食までとやかく言う必要はないと思いますが、御友人がどんな友人か分からん場合がありますから、会食はこの際、しばらくは控えていただきますようにということをお願いしたと、こういうことでございます。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
  〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 知事、御答弁いただきましてありがとうございます。知事のお考えは理解いたしました。このように、きちんと知事に説明していただくことも、県民の皆様にとっては必要なことだと思います。
 ただ、県民から、遅くまでとか集団に関する問合せが今後もあるかと思います。問合せがあれば、良識的に、常識的に考えてほしいとお答えするのでしょうか。また、ちなみに集団について私が調べたところ、一般的には2人以上ということでございます。知事が言う「常識的に」というのは、2人以上で会食、宿泊はしないという解釈でよろしいのでしょうか。
 これ以上は申し上げませんが、新型コロナとの闘いは長丁場になると思われ、医療、福祉の現場の方々へのねぎらいの言葉も必要だと思いますので、今後の感染状況等も見極めながら、適宜「県民の皆様へのお願い」を見直していくことを強く要望して、私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、林隆一君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時30分散会

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