令和2年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているものもあるため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なることがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

令和2年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号

令和2年9月
和歌山県議会定例会会議録
第5号
────────────────────
議事日程 第5号
 令和2年9月23日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第115号から議案第130号まで(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案の付託
 第4 請願の付託
────────────────────
会議に付した事件
 第1 議案第115号から議案第130号まで(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案の付託
 第4 請願の付託
 第5 休会決定の件
────────────────────
出席議員(42人)
 1番 鈴木德久
 2番 山家敏宏
 3番 中本浩精
 4番 堀 龍雄
 5番 藤山将材
 6番 岸本 健
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 北山慎一
 10番 玄素彰人
 11番 中西峰雄
 12番 秋月史成
 13番 森 礼子
 14番 濱口太史
 15番 尾崎要二
 16番 冨安民浩
 17番 川畑哲哉
 18番 玉木久登
 19番 鈴木太雄
 20番 岩田弘彦
 21番 吉井和視
 22番 谷 洋一
 23番 佐藤武治
 24番 岩井弘次
 25番 中 拓哉
 26番 多田純一
 27番 新島 雄
 28番 山下直也
 29番 中西 徹
 30番 谷口和樹
 31番 藤本眞利子
 32番 浦口高典
 33番 山田正彦
 34番 坂本 登
 35番 林 隆一
 36番 楠本文郎
 37番 高田由一
 38番 杉山俊雄
 39番 片桐章浩
 40番 奥村規子
 41番 尾﨑太郎
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
────────────────────
説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       細川一也
 危機管理監      森田康友
 総務部長       田村一郎
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     田中一寿
 福祉保健部長     宮本浩之
 商工観光労働部長   大山 茂
 農林水産部長     角谷博史
 県土整備部長     庄司 勝
 会計管理者      城本 剛
 教育長        宮﨑 泉
 公安委員会委員    細江美則
 警察本部長      親家和仁
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
────────────────────
職務のため出席した事務局職員
 事務局長       中川敦之
 次長         井邊正人
 議事課長       山田修平
 議事課副課長     岩井紀生
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主査      松田太郎
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀
 総務課長       嶋岡真志

 政策調査課長     神川充夫

────────────────────
  午前10時0分開議
〇議長(岸本 健君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第115号から議案第130号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。
 36番楠本文郎君。
  〔楠本文郎君、登壇〕(拍手)
〇楠本文郎君 一般質問最終日の朝一番に質問の機会を与えていただきましてありがとうございます。
 私の一般質問のテーマは三つでございます。
 そのうちのまず一つ目は、気候変動への対応は待ったなしの課題というテーマで御質問申し上げたいと思います。
 9月に入った途端に日本に襲来した台風10号は、気象庁が最大級の警戒を呼びかけた中でしたが、九州、沖縄を中心に大きな爪痕を残しました。亡くなられた方をはじめ、被害に遭われた方々に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。死者、行方不明、多数のけが人という人的被害、家屋の倒壊、損傷とともに停電、通信網の寸断が多くあり、交通網も寸断されるなど、社会基盤にも広く及びました。
 これから大型のスーパー台風が日本近海に発生し、集中豪雨、強風、高潮、洪水などに悩まされる日々が襲いかかってこようとしています。これから台風の本番に向かいますから、和歌山県では台風の進路に細心の注意を払い、警戒を怠らないようにしなければなりません。今日も台風12号が日本列島に向かってきています。やはり海水温の高いところで発生している。今回のはさほど大きくはならないようですが、やはり雨の降り方にも注意する必要はありそうです。
 既に、今年も長い梅雨において大きな災害が発生しています。近年の温暖化の進行で日本列島周辺の海水温が高くなり、かつてなかったような豪雨災害が起こりやすくなったと言われ続けてきました。線状降水帯と呼ばれる集中豪雨は、近年の日本では、海岸であれ内陸であれ、大きな被害をもたらしてきています。さらに、梅雨が明けたと思ったら異常な高温が連日続き、41.1度という体温を超える高温が浜松で記録をされました。こうした異常気象の下、100年に1回の規模と言われる大災害が毎年起きていることを誰しも実感しているところです。
 気候変動枠組み条約のエスピノサ事務局長は「新型コロナウイルス感染の問題は人類が直面する緊急の脅威だが、最も大きな脅威は気候変動であることを忘れてはならない」と訴えています。産業革命以前に比べて地球の平均気温上昇が2度を超えると、温暖化は元の状態に戻れない状況となり、壊滅的な事態につながると科学者から指摘されてきました。その危機意識をどれだけ広い範囲で科学的に共有できるのかが鍵になると考えています。
 こうした中で環境省は、昨年7月、1.5度に気温上昇を抑えた場合を想定した2100年未来の天気予報という新作版の動画を公表したんです。環境省のホームページで公開されています。この動画では、このまま有効な対策を取らずに地球温暖化が進行すると、平均気温が4度を超えて上昇すると予測をされています。
 最新の気象状況等を踏まえ、産業革命以前からの気温上昇を1.5度に抑える目標を達成できなかった場合、大阪の2100年の最高気温は42.7度と予測されているんです。目標が達成されれば39.6度の予想です。
 最高気温が35度を超える猛暑日の年間日数で見ると、京都では目標の未達成なら66日、達成していれば40日という予想です。私は、様々な科学の知見を把握し、しっかりと啓発し、可能な対策を幅広く、しかも徹底していかなければならないという思いがあり、今回の質問の趣旨でございます。
 こうした中、2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明をした自治体は、近隣では滋賀、京都、大阪、鳥取、徳島の各府県と7市町あります。また、気候非常事態宣言をした自治体は、今、全国で27自治体、近隣では大阪府内の堺市、大阪市、河南町、河内長野市の4市町あります。これらの自治体における取組を参考に、県内外住民へのアピールも必要になるかと思います。
 危機的状況の共有と同時に、目指すべき方向性の共有が重要です。自治体だけではなく、非常事態宣言をした学会、研究機関の取組、民間企業の再生エネルギー100%実施事例や、温室効果ガス実質ゼロを目指す企業のイニシアチブの発揮事例などもかなり進んできています。こうした先進事例を紹介しながら、国民的レベルで共に、2100年には1.5度達成を目指すことを共有することだと考えます。
 しかし、ある意味では、エネルギー大量消費経済から新しい生活様式までを幅広く求めなければなりませんから、これは大変な取組でもあります。コロナ対策を含め、それこそ新しい生活様式に代わるぐらいのことも求めなければならないテーマになるかと思います。
 どのようにしてそれを実現していくのかという点ですが、既に和歌山県においては第4次となる和歌山県環境基本計画が策定されており、その中に位置づけられた地球温暖化対策としての取組が行われてきたところです。2021年3月までのこの第4次計画、今、最終年度ですが、この達成状況はいかがでしょうか。まず、お伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) ただいまの楠本文郎君の質問に対する答弁を求めます。
 環境生活部長田中一寿君。
  〔田中一寿君、登壇〕
〇環境生活部長(田中一寿君) 第4次和歌山県環境基本計画では、取組の方向の一つとして低炭素社会の構築を掲げ、「2020年度までに2013年度比マイナス9%」を目標として温室効果ガス削減に関する取組を進めてきました。
 これに対し、県内の温室効果ガス排出量は、2013年度以降、減少傾向となっており、統計データ上、最新の結果となる2017年度の排出量はマイナス14.8%と、2020年度の目標を達成している状況にあります。
〇議長(岸本 健君) 楠本文郎君。
  〔楠本文郎君、登壇〕
〇楠本文郎君 海水温が上昇しているがために、気候変動、とっても激化しているということを言われているかと思うんですね。
 せんだって、私、海の近くですから、漁師に話を聞いたんですよ。ほいたら、漁師が泣いてるんですわ。深いところで魚を取るということになると、当然底の温度は低いんです。水温は低いんです。ところが、中潮あって上潮があって、その上に皮潮と呼ぶのがあるんやて。この皮潮のところまで来たら30度以上、底から魚を引き上げてきて、その皮潮のところまで来たら、もう魚は弱ってるんです。サバの刺身、うまいんやで、御坊では。でも、そのサバの刺身が、もう皮潮のところを通ったらグロッキーで食べることできない、刺身にできない。この状態がこの間からの海水温の上昇ではっきりと出ているというような状態になっているんです。
 令和2年版の環境白書をよく読ましていただきました。(環境白書を示す)この中に、現状と課題というのがありまして、その現状と課題の中で、特に中心的には温室効果ガス排出量のことが述べられ、平成2年度を基準として、各部門の最新年度の情報を概観すると、各部門では減少している部門と民生家庭部門、民生業務部門では増加しているというようなことも課題として取り上げられているんです。
 同時に、再生可能エネルギーのことも述べられています。私、ここで紹介をしておきたいなあと思ったのは、和歌山県の中で小水力発電をやっているところは南部川村にあったんですけれども、そのことも紹介をしていただいてて、せんだって、「小発電所で水資源活用」という(新聞記事を示す)有田川町に国交省功績者表彰ということで小水力発電が大臣表彰を受けるということが紹介をされていたんですが、こういう地道だけれども確かな取組ということも県の取組の中では間々あるという状況がよく分かりました。課題として、海洋再生エネルギーとしての海洋風力も挙げられています。
 そうしたことを全体として押さえながら、二つ目の質問をさしてもらいますが、2015年の12月、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)がありました。1850年頃の産業革命前と比べて、気温上昇を今世紀末に2度を大きく下回るようにし、1.5度に抑える努力をするという新たなパリ協定を採択しました。今世紀後半、2050年にガス排出量を実質ゼロにすること、つまり、森林や海などの吸収分を上回る温室効果ガスの排出はしないことを決めた点も併せて、歴史的合意と評価をされているところです。
 現在、既に世界の気温は約1度上昇し、対策がなければ5.4度も上がるとされる。先ほど紹介した環境省の2100年の天気予報ともほぼ一致する気温です。185か国がこれまでに出した対策を実行しても、約3度上昇するとされます。3度上昇すれば、毎年45億人が熱波に苦しむなど、大きな影響が出るとされています。それを2度未満に抑え、さらに1.5度まで引き下げることを努力目標にするというのが今回の世界の協定です。
 先進国だけに削減数値目標を義務づけた1997年採択の京都議定書──私、この会に傍聴に行ったんですけど──と違って、途上国を含む世界の全ての国が温暖化対策に取り組むことで合意しているのが、パリ協定のもう一つの特徴です。とはいえ、先進国が引き続き指導性を発揮するよう求められていることに変わりはありません。新協定の仕組みは、各それぞれの国の自主努力の積み上げ、各国の自主努力の積み上げ方式ですが、2度未満に抑え、さらに1.5度まで引き下げる努力をするという目標の下で、2023年以降5年ごとに自国の活動を見直し、取組を強化することとなっています。
 日本政府の温室効果ガス削減目標は、2030年までに、2013年度比で26%削減とされていますが、これを国際的な基準である1990年比に直すと、僅か18%の削減となります。日本政府の対応の抜本的見直しが求められています。
 政府は、今年5月13日に閣議決定した地球温暖化対策計画で、長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すとしていますが、2030年削減目標のスピードでは到底達成できないと言われているんです。NGOは、2030年までに日本が1990年比で40%から50%削減すべきだと主張しています。
 これらを踏まえ、県としてもこれまでの水準を超えるさらなる取組を進めるべきだと考えます。部長からお答えをいただければと思います。
〇議長(岸本 健君) 環境生活部長。
  〔田中一寿君、登壇〕
〇環境生活部長(田中一寿君) 現行の第4次和歌山県環境基本計画が今年度で終了することに伴い、現在、計画の改定作業を進めているところです。その中で、温室効果ガスの削減に全力で取り組むことはもちろん、自然災害の増加や農作物への影響などによる被害を防止、軽減するため、気候変動への適応についても検討しています。
 第4次の計画期間中においては、わかやま環境賞表彰や地球温暖化防止活動推進員によるエコ活動の普及をはじめ、企業の森等による森林吸収源対策の推進など、地域において実践できる地球温暖化対策を積極的に進めてきたところです。
 次期計画では、気候変動に関する国内外の動向、県内の経済状況や社会状況も十分に踏まえながら、脱炭素社会に向けた新たな削減目標や、県全体が一丸となって気候変動に対処していくための取組の方向を示し、本県の地球温暖化対策の一層の充実を図ってまいります。
〇議長(岸本 健君) 楠本文郎君。
  〔楠本文郎君、登壇〕
〇楠本文郎君 答弁をいただきました。何か私の2項目めの答弁をいただいたような部分もあったんですけど、それはさておいて、先ほどちょっと読み上げで強調しましたように、新協定の仕組みというのは、各国の自主努力の積み上げなんですよね。日本の国の中でいっても、それぞれの都道府県の積み上げでもってこの目標を達成できるかどうかということありますから、和歌山県は率先して、自ら決めた目標に対してそれをクリアしていくと、こういう自治体がしっかり増えなんだらあかんという性格やというふうに思っているんですよ。「やってもやらんでも、こんな大きな地球規模の話やさかい、きっとわいらさぼっても構わんよ」という気分になったらもうあかんというのが私の思いなんです。だからこそ励まし合って、進んでいる事例の共有、これが大事なんではないかと思っています。
 同時に、基本計画はあくまでも基本なんです。けれども、各取組の進捗状況にアンバランスができるけれども、全体としてその点で目標値を意欲的に、野心的に持つということが必要やと考えるんです。文字どおり、和歌山県が積極的な取組をする。管内といいますか近畿圏でも、滋賀県の取組というのもすてきな部分がいっぱいありますね。学ぶべき部分がたくさんある。そして、大阪は炭素ガス排出ゼロという、いわゆる宣言をやった。大阪の市町は、自分とこの市町といえどもこういう目標やということで同じ宣言をやった。
 私は、今日のこの場では、宣言をやれとか目標をこうせえとかということをあえて申し上げていないんですよ。なぜならば、今、今年度までの目標を掲げたものが全ての分野でどのような達成状況なのかということをきちっと把握をして、来年度向けての目標を立ててほしいからなんです。
 そういうことを特に強く要望をして、実は、アメリカの大統領はパリ協定の離脱宣言をしたままなんですよ、最大の排出量。これで気持ちが折れたらあかんという思いなんです。それに抗してスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんなどの市民運動が大きな飛躍を遂げて、世界の世論を動かして、結局その動きはロンドンの気候非常事態宣言に至ったと言われています。
 文字どおり、これから豊かな地球環境の恩恵を受けるはずの次の世代に、よりよき環境を譲っていかなければならない。今、そんな瀬戸際にある時期だ、時代だということを共通の認識にしたいと思うんです。
 こんなに言われました。「一番危険なのは行動しないことではなく、政治家や企業家が行動しているように見せかけること」──「見せかけること」というのはきつい言葉やねえ──とグレタさんから言われないように、しっかり取り組もうではないかということを呼びかけいたしまして、1項目めを終わりまして、2項目めの質問に移りたいと思います。
 2項目めの質問は、半分答弁いただいたようにということで、地球温暖化を防止していく取組というのはとっても時間のかかる、しかも大規模な中身になりますから、そうした地球環境規模での対応をしながらも、当面する線状降水帯などによる災害防止にどう対処していくのかというのが、直面した課題としてあると思います。
 まず、その項目の1点目に、(資料を示す)御坊市が出した洪水・土砂災害ハザードマップなんです。これが8月末から御坊市内全戸に配布をされました。このハザードマップは洪水だけでなくて、御坊市の場合には土砂災害ハザードマップとしてこういう地図化もされて、赤く塗られたところは自分ところと違ってどうなのかということが分かるかと思いますが、水防法等が改正され、日高川水系で24時間総雨量770ミリがあったこと、河川の複数箇所の堤防が決壊して浸水するという前提の下で、想定最大規模のおおむね1000年に1回の洪水浸水を想定した区域図を、県が作成したものを基に御坊市が洪水・土砂災害ハザードマップを作成したと、この中には紹介されています。
 県が作成した洪水浸水想定区域図について、ネットで検索をいたしました。(資料を示す)こういう形で出されてるのが、県の基礎資料になるかと思います。この洪水浸水想定区域図について、まずその目的、想定の根拠、活用の方法、県と市町村の役割分担について、御説明をいただきたいと思います。
〇議長(岸本 健君) 県土整備部長庄司 勝君。
  〔庄司 勝君、登壇〕
〇県土整備部長(庄司 勝君) 議員御質問の洪水浸水想定区域図に係る4点についてお答えいたします。
 まず、その目的は、水害リスクを住民に周知し、洪水時の円滑かつ迅速な避難につなげることにより、被害の軽減を図ることです。特に近年、災害が頻発化・激甚化していることから、その必要性はますます高まっています。
 次に想定の根拠ですが、想定最大規模の降雨は、平成27年に改正された水防法に基づき設定されております。具体的には、降雨特性が似ている地域での実績最大降雨量と当該河川における1000年に1度の確率での降雨量のいずれかの大きいほうを採用しています。その上で、この降雨による浸水範囲は、堤防の決壊や溢水が想定される地点を相当数選定し、その地点が決壊または溢水したと仮定した場合の浸水範囲を重ね合わせることにより作成しています。
 最後に、活用方法及び役割分担につきましては、県は想定最大規模の浸水想定区域図を作成し、ホームページ等で周知しております。市町村は、これを基に避難場所や避難経路を示したハザードマップを作成し、これを住民に周知するため各戸配付するとともに、説明会の開催等を行っております。
〇議長(岸本 健君) 楠本文郎君。
  〔楠本文郎君、登壇〕
〇楠本文郎君 丁寧に御説明をいただきました。ありがとうございます。
 地方紙でもこのことが紹介をされていまして、その後でこのハザードマップが配られてきたもんですから、皆さん御覧になっているようなんですが、聞こえてくる声としたら、「地震、津波ハザードマップと同じもんと違うんか」というのがあったり、それから、「これはえらいこっちゃ」と、特に上から落ちてくる洪水ですから、海から来るもんと違いますから、両方挟まれるという地域もありましてえらいこっちゃと。
 ただ、なじみがないのは、100年に1回というのはまあまあ聞いたんですよね、今までも。ところが、今回は1000年に1回でしょう。何世代が過ぎるやろうなあって。だから、1000年先なのか来年なのか、もしかしたら今年かも分からないというところの説明というのが要るんですよね。としたら、私は、市町村の役割だと御説明いただきましたが、必ず説明会が要るなと。地域の方々が集まって、浜からの、海からの津波はこうだ、これに対して逃げる場所はどこなんだ、洪水の場合には、うちはこのぐらいだ、その場合には避難場所はここなんだというのは、合意をつくり上げていく営みというのが、これ1000年もかかったらあかんわけです。いつ来るか分からないというところがありますから、文字どおりこれが始まりだというふうに理解をしておきたいと思います。
 まさに県が基礎的な、科学的なデータをこうして提供をする。住民に一番身近な市町村が説明会を行う。このことの抱き合わせ、もしかしたら県も、こんな説明会があったら出向いてくれるですよね。そういうふうな連携をしっかりと取っていきたい、いかなければならないということを要望しておきたいと思います。
 二つ目の項目の問いに移ります。
 今年の梅雨の時期において最も心配したのは、7月3日から10日頃にかけての降雨でした。私の住む日高川でいえば、県が広報している河川/雨量防災情報をこの間は注意深く見ていました。
 まずは確認ですが、この間に椿山ダムから毎秒1000トンを超えて放流したのはどれぐらいの量と時間帯があるでしょうか。
 2点目に、同様に、この間の御坊、小川観測点での24時間雨量の最大値はいかがだったでしょうか。
 3点目に、現在の椿山ダムの夏期制限水位は187.6メートル、事前放流の判断をした場合には184.0メートルまで下げてよいことになっています。事前放流すると利水部分をカットすることになり、美山水力発電にも影響を与えることになると言われています。今回の日高川の降雨において、事前放流は行われたのかどうか。また、雨量が一定落ち着いてからは185.5メートル前後で推移しています。どのパンフレット、説明文を読んでも、この数値はないんですよね。これはどのような判断の下での操作だったのかを、それぞれお答えをいただきたいと思います。
〇議長(岸本 健君) 県土整備部長。
  〔庄司 勝君、登壇〕
〇県土整備部長(庄司 勝君) 今年の梅雨期における椿山ダムの放流操作に係る御質問をいただきました。
 まず、お尋ねの期間では、毎秒1000立方メートルを超える放流を行った時間帯はございません。なお、最大で、7月6日午後7時頃に毎秒約950立方メートルの放流を行ったところです。
 次に、御坊、小川での24時間雨量の最大値は、御坊市の御坊観測局において94ミリメートル、日高川町の小川観測局において407ミリメートルです。

 最後に、今回の降雨において事前放流は実施していません。これは、平成24年5月に利水事業者である関西電力株式会社と締結した協定に基づく実施の基準となる予測雨量に達しなかったためです。
 また、ダムの貯水位については、現在ダム湖内においてしゅんせつ工事を実施中であることから、関西電力株式会社と調整の上、夏期制限水位である標高187.6メーターよりも低い貯水位で運用しています。
〇議長(岸本 健君) 楠本文郎君。
  〔楠本文郎君、登壇〕
〇楠本文郎君 数字というのは1回聞いてもなかなか頭に残らない部分があるんで、丁寧に答えていただきました。先にちょっとメモを取らしといていただいたんですけれども、この数字を報告いただいた狙いは、平成24年6月から、規則に基づく実施要領で椿山ダムは操作していることになっています。平成24年というのは、平成23年に日高川洪水があった。その後で操作規則が変えられて、盛んに皆さんが宣伝している椿山ダムからのお知らせということで(資料を示す)、事前放流をすることに変わりましたよということ宣伝されてますから、だから事前放流をしたのかどうかということを、よく問合せをされるわけなんです。これ県が管理運営をするというものですから、問い合わせられます。
 ところが、事前放流というのはかなりの豪雨があって、どんどんまだたくさんの雨量があると、降る危険性が高いという場合に、一番底の底までためておいたものを抜いてしまうという操作なんです。今回はとてもそんなところまではいかなかったということなんです。
 それを降り方で見た場合に、椿山ダムの3日から10日間のこの(資料を示す)、もう部長は御存じやと思うんですが、報告受けてると思うんですが、高い山が二つの山になってます。本当にこれ、雨がやんでくれたから放流をして、そしてかなりのところまでダム湖を下げていて、そこからまた降られたということで、また調整が始められるということで、これは平常の調整ということで理解するもんだということなんです。
 日高川の場合には、他の河川と違うところは、私は、一つは椿山ダムという最大のダムがあるということと、もう一個は、奈良県から発するんですよね、2級河川ですけども。ですから、流域面積が椿山ダムの奥のこの雨量というのは、御坊市、一番下流でいったら全然見えないんです。それで先ほど数字を答弁いただいたんですよ。
 小川という、これは日高川町なんですけれども、そこの観測をすると、本当に1000ミリというのは24時間累積でもしばしば出てきます。それを椿山ダムで全部受ける。ところが、御坊市周辺では、下流域ではほとんど雨が、24時間で50ミリ降ってない。こんだけの差があるということをきちんと把握をした中でダムが操作をされているものだという理解でよろしいですよね。そういうことを皆さんが、やっぱり住民が、先ほどのハザードマップの中でも理解をすることが必要なんだなということを勉強さしていただきました。
 さて、その下で、今回は185.5ですよね。これが、185.5という数字は何なんということが理解できなかったんです。これが答弁いただいたように、椿山ダム湖のしゅんせつがあるんで、思い切って下げることができたと。これは関西電力の美山発電所と協定の中で下げることできるんだということも分かったということを申し添えておきたいと思います。
 さて、そういうことを、理解が進みましたということを報告申し上げながら、近年の河川災害は、越流による堤防決壊が大惨事を招いていることを受けて、堤防強化、特に耐越水堤防、越水に耐える堤防を求める声が非常に強くなっています。また、ダムを造るべきという意見も出ているんです。
 元建設省の河川局災害対策室長であった石崎勝義さんという方は、「球磨川水系の氾濫の原因が川辺川ダム計画の中止にある。だから川辺川ダムをもう一回造り直せ」という声に対して、「決壊しにくい堤防に改修し、川床を掘削して洪水の水位を下げておけば、これほど大きな被害にはならなかったはず」と言われています。国も以前は河床掘削が必要だと考えていたが、2001年、急に「川底を掘る必要はなくなった」と計画を変更したというのです。「満杯に耐える堤防と掘削をすれば市街地は守れる」という水害に対しての見解です。
 気候変動の下での豪雨、強風などが一層激しくなっている今日においては、掘削と耐越水堤防、越水に耐える堤防とすることは大きなテーマだと思われます。県としての考え方はいかがでしょうか。
〇議長(岸本 健君) 県土整備部長。
  〔庄司 勝君、登壇〕
〇県土整備部長(庄司 勝君) 掘削と耐越水堤防について御質問をいただきました。
 県は、豪雨災害から住民の生命や財産を守るため、各河川の特性を踏まえ、堤防の整備や河道の掘削、ダムの事前放流など、ハード対策とソフト対策を鋭意実施しています。
 議員御指摘の河道掘削については、護岸や橋梁等の既設構造物への影響、動植物への配慮等一定の制約がありますが、洪水時の河川水位を下げる有効な手段であり、引き続き推進してまいります。
 次に、越水を考慮した堤防については、国において、昨年の台風第19号による各所での堤防決壊を踏まえ、越水しても決壊しにくく、決壊するまでの時間を少しでも長くする「粘り強い堤防」の検討が進められているところです。
県としましては、こうした国の取組の進捗状況を引き続き注視してまいります。
〇議長(岸本 健君) 楠本文郎君。
  〔楠本文郎君、登壇〕
〇楠本文郎君 今の御答弁をいただきました中で、掘削というのは有効な手段であるということと、越水を考慮した堤防は懸案事項だという御答弁だと思っています。
 去年の東日本の災害、これが相当やっぱり国としても方針を変えるものになったんではないかと思っています。全国でこういう災害が相次いでいますから、予算面でも大変な状況になってくるわけなんです。
 それで、4点目の質問を先にお尋ねしておきます。
 日高川の河川整備を進めるために、2月にも質問させていただいたように、補正予算を含め大きな仕事として今も進められています。地域では、本当に感謝を申し上げているところです。ただ、今年は国土強靱化計画3か年の最終年と言われているんです。全国的にも、また、県内でも相次いで大きな災害が頻発している中で、今後、日高川も含め、県内の河川整備を進めていく予算の確保に向けて、県としてどのように取り組んでいかれるのかをお答えいただきたいと思います。
〇議長(岸本 健君) 県土整備部長。
  〔庄司 勝君、登壇〕
〇県土整備部長(庄司 勝君) 日高川を含む県下の河川整備を推進するための予算確保につきまして、御質問いただきました。
 県では、日高川をはじめとする河川整備を進めるため、通常の予算に加え、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の予算も最大限活用しながら、河川事業を加速化しています。
 しかしながら、本県は風水害の常襲地帯であり、平成23年紀伊半島大水害や平成30年の台風第20号などが今なお爪痕を残すなど、対策を講ずるべき箇所が多く残されており、引き続き予算を確保し、事業を推進する必要があります。
 そのため、7月に知事による国への政府提案を行うとともに、全国知事会、近畿ブロック知事会等を通じて治水関係予算の確保を要望しているところです。
 特に、議員御指摘の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策については、河道掘削や樹木伐採が緊急対策以前に比べ飛躍的に進捗するなど、県土の災害に対する強靱化に多大な貢献をしていることから、その継続並びに拡充が必要不可欠と考えています。
 引き続き、補正予算等も含め、様々な機会を通じて予算の確保に努め、日高川をはじめとする河川の整備を推進してまいります。
〇議長(岸本 健君) 楠本文郎君。
  〔楠本文郎君、登壇〕
〇楠本文郎君 明確な答弁をありがとうございます。
 気候変動で豪雨災害が頻発化・激甚化する中、水災害対策に対して、流域治水への転換が注目をされているんです。(資料を示す)今年の7月、社会資本整備審議会という国土交通省の審議会が気候変動を踏まえた水災害対策のあり方についてという答申を出しました。「あらゆる関係者が流域全体で行う持続可能な『流域治水』への転換」という副題がついています。施設能力を超過する洪水が発生することを前提にして、流域治水への転換を推進し、防災・減災が主流になる社会を目指すとあるんです。
 これまでの治水対策は、ダムによる洪水調整が優先、堤防強化や河道掘削などの河川整備が後回しにされてきた傾向がありました。しかし、近年の記録的豪雨により、ダムの緊急放流、堤防決壊が相次ぐなど、ダム依存の限界が明らかになったと考えています。
 社会資本整備審議会は、ダムに頼る治水には限界があり、流域住民と一体に防災・減災対策に取り組むという内容の答申を出されました。
 河川氾濫を避けるため、遊水池や田んぼなどに水をためる。災害危険区域の開発規制やこの区域からの移転の促進などを検討する。今年度中に流域治水プロジェクトを策定する。地方レベルでも流域治水の必要性を共有し、提案することが必要だと、このそれぞれのところで述べられていることに、とっても注目をいたしました。けれどもまだ、いわゆる越水に耐える堤防の工法については、これから技術委員会検討報告書というのが出てますから、この中で、私にはとっても難しいものですけれども、かなり深化して、掘り下げて、堤防をいかに「粘り強い」、強くするかということが検討されていくものだというふうに理解をしているところで、そういうことを、和歌山県というのはとにもかくにも、全県的にこういう水害、災害の多いところだという自負はみんな持っていると思うんで、ここに県土整備の担当としてもしっかり力を入れていただきたいと思います。
 冒頭に申し上げたハザードマップです。結局、御坊周辺でいえば、椿山ダムができたらもう水害なんてあり得ないと、こういう神話的な部分がまだあったんです。でも、雨の降り方が違うんですよと、だから越水することはあるんですよということですよね。その操作のやり方は、椿山ダムの中でもっと検討、研究をしていっていただきたいという要望もありますけれども、根本的には、やっぱり、最近のはやり言葉はまた自助、共助、公助ということを言われるんですが、これね、助からんです。自分で自分の命守れと言われる前に、やっぱり公的責任でもって河川の整備をやっていただくということが最大限必要なものではないかということを要望として申し上げて、この2項目めの質問は終わらしていただきます。
 続けて、3項目めの質問に参ります。
 3項目めはがらっと変わるんですが、国保制度の改善の問題についてお尋ねをしていきたいと思います。
 今年度、2020年度の国の国民健康保険財政には、前年度と同様の7割、5割、2割減額の法定減額低所得者対策1700億円と、財政調整機能の強化分としての800億円が措置されています。この全体は、まだまだ全国知事会が要求している1兆円規模の国費増額には程遠いものとなっています。
 一方で、保険者努力支援制度が強化されています。これは、私にとっては保険料引上げを進める市町村には優遇、従わない市町村にはペナルティーを科すような仕組みに見えてしまうんです。和歌山県でも、今年度は七つの自治体で値下げがありましたが、七つの自治体で値上げをされています。都道府県を一元化すれば、より保険料が高くなるのではないかという危惧が現実味を帯びてきているのではないでしょうか。
 値上げを抑える根本的な解消法は、全国知事会が求められている社会保障関係の国の施策並びに予算に関する提案、要望の内容を実現するしかないと思っています。
 全国知事会は、医療保険制度間の公平と子育て支援の観点から、1点目に、子供に係る均等割保険料の軽減措置、つまり子供が多いほど保険料(税)が高くなる仕組みを取り払い、国の責任と負担による見直しの結論を速やかに出すことを求められています。
 2点目は、今後の医療費の増嵩に耐えられる財政基盤の確立を図るためには、国定率負担の引上げなど、様々な財政支援の方策を講じること、併せて全ての子供、重度心身障害児(者)、独り親家庭等に対して、現物給付による医療費助成を行った場合の国民健康保険の国庫負担減額調整措置、つまりペナルティーなんですが、それを廃止することを求めています。
 既に今年度分の市町村の課税状況が出そろう時期になりますが、コロナ禍の下で医療受診状況の把握もまだ不透明です。その上に、国保料(税)の減免、国保制度での傷病手当金の創設も実現されましたので、ここでは次の点でお尋ねしておきます。
 まず、令和元年度決算見込みにおける減額調整はそれぞれの医療費助成ごとでどのぐらいの額だと算定されているのかをお答えください。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長宮本浩之君。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 地方公共団体では、重度心身障害児(者)や独り親家庭等の経済的負担を軽減するために、地方単独医療費助成によって窓口負担を軽減する措置を講じています。国民健康保険の国庫負担減額調整措置は、こうした医療費助成が受診回数や医療費の増加につながるものとして、国が国保財政に与える影響や限られた財源の公平な配分等の観点から、増加した医療費分の国庫負担を減額調整するものです。
 御質問の令和元年度決算見込みにおける本県での国庫負担減額調整措置の額は、重度心身障害児(者)医療分で約3億7880万円、独り親家庭医療分で約7360万円、子供医療分で約3860万円、老人医療分で約60万円の合計約4億9160万円となっています。
〇議長(岸本 健君) 楠本文郎君。
  〔楠本文郎君、登壇〕
〇楠本文郎君 ここでも数字をお尋ねしました。ただ基礎になるものですから、お答えありがとうございます。
 額的には国保会計、特会から見ればとっても小さい額なんです。でも、物すごい大事なポイントがここにあるということで聞かせていただきました。
 こうした実情が、実は全国の市町で減額されているというところがポイントなんです。ですから、全国知事会は先ほどの提案、要望を行っていると思います。
 この知事会の提案、要望を踏まえて、子供に係る均等割と国庫負担の減額調整措置についての和歌山県としての考え方をお示しいただきたいと思います。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 国民健康保険における子供に係る均等割は、国民健康保険制度が被保険者全体の相互扶助で支えられていることから、応分の保険料を負担していただく必要があるため、世帯員数に応じて均等に賦課されているものであります。このため、子供の数が多いほどその世帯の保険料負担が増加し、子育て世帯の経済的負担が大きくなります。
 子供を安心して持つことができるよう、子育て世帯への経済的支援を充実するため、また、他の健康保険制度では実施されていないことから、医療保険制度間の公平性を図るためにも、国において、子供に係る均等割保険料の軽減措置を導入することが必要と考えています。
 国庫負担減額調整措置についてですが、地方単独医療費助成は、所得制限など、一定の条件の下で窓口負担の一部を助成することにより経済的負担を軽減し、必要な医療が受けられるようにすることで、健康の保持と福祉の増進を図るものとして実施されています。
 これらの取組は、生活上の困難が生じても、安心して生活を続けられるようにするためのものであり、国は責任を持って取り組む必要があると考えており、国庫負担減額調整措置の廃止が必要と考えています。
 以上のことから、子供に係る均等割保険料の軽減措置の導入や国庫負担減額調整措置の廃止とともに、国の負担率の見直し等安定的な財政運営のための方策を講じることを、これまでも全国知事会を通じて国に要望しているところですが、今後も引き続き要望してまいります。
〇議長(岸本 健君) 楠本文郎君。
  〔楠本文郎君、登壇〕
〇楠本文郎君 答弁をいただきまして、100%私の思うとおりの答弁をいただきました。ありがとうございます。
 世の中には、保険と名のつくものがたくさんあるんです。生命保険から損害保険から自動車保険から火災保険からとあります。これらの基本は、相互扶助です。
 ところが、この国民健康保険は違うんですよね。そもそも国民健康保険に国庫負担が導入されているのは、国保が社会保障として運営されているということを意味していると思います。この点が他の保険と全く違うところです。
 貧困問題は、自己責任で起きるものではない。先ほどの災害のところでもそういう答弁がありましたが、自己責任や家族、地域の助け合いだけでは対応できない。今回のコロナもありました。人類の英知として生み出されてきたのが社会保障だと思います。
 今のコロナ禍における対応が、それをそのまま私たちは実践していると思っています。それゆえ、基礎自治体からの声を反映し、国の責任として国保に初めて傷病手当が創設されました。急激な収入不足による国保の減免措置を被保険者や市町村負担ではなく、国庫で負担をして減額減免措置を取っているのではないかと思います。
 今後、コロナ感染拡大を防ぐ措置がさらに前進して、改めて医療状況が把握されると思います。そうした中で、基本的な生活が営める前提としての社会保障である国民健康保険がさらに前進するよう求め、私の一般質問を終わります。ちょうど時間となりました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、楠本文郎君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 42番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
〇長坂隆司君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、以下、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 一つ目、高齢者の就農と農福連携についてであります。
 我が国は先進国の中でも急速に少子高齢化が進み、農業においても後継者不足と高齢化によって、担い手不足、そして労働力不足になっています。農業に携わる人口は年々減っており、1995年には414万人だったのが、2019年には半分以下の168万人まで減少、さらに、それに追い打ちをかけるように従事者の高齢化も進んでいるし、耕作放棄地の面積は大幅な増加傾向にあります。
 日本の65歳以上は、2019年に3588万人と過去最多を更新して、総人口の約3割を占めていて、農業にとっても働き手の確保につながるかもしれません。今、日本各地で退職をきっかけに農業を始めたり、健康づくり、生きがいづくり、あるいはレクリエーションとして高齢者が農業に参画する動きが出てきています。
 健康寿命で全国トップクラスの実績を誇る静岡県では、「いきいきとした長寿社会づくり」の促進のため、元気な壮年熟期、すなわち66歳から76歳までの世代の人たちにアプローチしています。静岡県において、JAは社会参加を進める壮年熟期活躍プロジェクトを進めています。60代半ばを過ぎてもまだまだ元気な高齢者は多く、人手不足に悩む農家の貴重な助っ人になるということで、就労支援を行っています。
 その中で浜松市北区三ヶ日町では、特産品「三ヶ日みかん」の収穫体験の実施を行っています。参加者も「目の前にあるミカンの収穫目標を立て、それを実行して作業を終えることで、達成感や満足感が得られた」との声もあったそうです。浜松市で介護保険事業を手がける株式会社LCウェルネスもこのミカン収穫体験を企画や運営で手助けし、今後、ミカン収穫以外の農作業も含めて、継続的なシニア層の就農について、観光農業の視点でも、移動や宿泊を含めたシステム化を目指しています。
 政府においても、2016年6月閣議決定の日本一億総活躍プランにおいて、社会的に弱い立場の人々が最大限活躍できるような環境整備の一環として、農福連携の推進が盛り込まれました。これをきっかけに、農林水産省、厚生労働省、民間企業、NPO法人、農家などが垣根を越えて一体となり、農業における課題と福祉における課題を一挙に解決すべく取組がスタートしています。農業人口の減少、高齢化で、農家としても労働力不足の解消につながりますし、耕作放棄地増大に歯止めがかかるかもしれません。
 私ども改新クラブで2016年3月に、議員3名と和歌山大学教授、助教2名、計5名でオランダへ調査に参ったのも、そもそも、今始めていただいているスマート農業のうちの環境制御型施設園芸やフードバレーの取組だけでなく、高齢者、特に認知症対策としてのケアファーム(ケア農場)や認知症村の取組、それに廃棄物の最大活用で最大効率を上げる環境対策の調査等を主たる目的にしておりました。
 オランダのケアファームでは、まさに高齢者、障害者、特に認知症の方が農作業をして収穫を行い、自分の社会的役割や生きがいを感じながら心身の健康増進を行う取組がなされていました。ケアファーム農家の収入源は、農産物の売上げのほか、国の介護保険AWBZからの介護報酬、各種の寄附から成り、ケアファームに来た高齢者は、半日間そこの農場で農作業、昼食作り、その中で人との交流を楽しみながら過ごします。ただ、農作業に対する賃金は一切払われません。ちなみにケアファームの通所者は、女性より男性が多いです。
 帰国後、県議会において、出張報告の中で、和歌山県におけるケアファームの取組の可能性を提案させていただいたことがありましたが、本県では障害者施設が取り組む事例が見られたくらいでした。
 ちなみに、オランダの世界一の農業大学ワーヘニンゲンUR(大学アンドリサーチセンター)は、ケアファームに研究者を派遣して認知症と農作業、食と健康の関連性を研究しながら連携しており、オランダ政府としても、高齢者に自宅で心身ともに壮健で長く住み続けてもらうのが狙いでこのケアファームを推進しています。「和歌山県でケアファームを起こすつもりなら、いつでも専門家を行かせるし、来てもらってもいい」と言っておられました。
 我々が調査に出かけた4年前で、オランダ国内のケアファームは1100か所、今では1400か所に増えています。日本においてもその後、2019年に政府が決めた農福連携推進ビジョンでは、高齢者福祉の現場での農業活動の推進を重点の一つに掲げました。JA共済総合研究所は、昨年、高齢者の農福連携の取組状況を把握するための初の本格的な調査を、農福連携先進地の中国・四国地方9県を対象に実施しました。要介護認定を受けた高齢者を受け入れ、介護保険事業を実施する社会福祉法人は173でした。このうち農産物の収穫や苗植えなど、農業活動に取り組んでいるのは16%の28法人にとどまりました。
 広がらない理由の一つに認知度の不足もあると見られ、農福連携を知らなかったという法人は半数近い45%に上りました。取り組んでいない法人の理由の主なものとして、「職員が不足」が69%、「農業の知識・技術がない」が43%、そして「農業を始める施設・器具がない」が39%でした。一方、農福連携に取り組む事業所では、高齢者の精神の状況がよくなったといった効果も現れているそうです。
 高齢者福祉施設などの負担を軽減しようと、農林水産省は農福連携整備、支援事業等で助成も行っています。広島県三次市の社会福祉法人優輝福祉会は、2019年から遊休化していたビニールハウスを活用しトマトを栽培、加工にも乗り出しています。また、高知県香美市では、農業経験のなかった定年退職者が農家の指導の下、芋類等の栽培を行っています。市社会福祉協議会が介護予防対策として、2013年から菜園クラブで60代以上の高齢者約30名が参加、通常、体操とか脳トレ等の取組だと参加者の大半は女性ですが、農作業があると男性の参加者がほぼ半数を占めるそうです。
 全国の都市における退職者の皆様が地域の農業、特に温暖で風光明媚な和歌山県の果樹を中心とした農業に目を向けてくれたら、都市から地方分散の流れが出てくるかもしれません。ぜひ本県でも高齢者の就農施策や高齢者福祉の視点からの農福連携を御推進いただきたいと思います。
 そこで質問ですが、一つ目、定年等で退職した農業に関心のある元気な高齢者を人手不足の農家の労働力不足の解消の一つとして農業に呼び込む施策について、農林水産部長に御答弁をお願いいたします。
〇議長(岸本 健君) ただいまの長坂隆司君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長角谷博史君。
  〔角谷博史君、登壇〕
〇農林水産部長(角谷博史君) 高齢者の就農施策についてお答えします。
 農業者の減少や高齢化が進む中、担い手の確保、育成は重要な課題であると認識してございまして、農家子弟はもとより、農業に新規参入する方々など多様な人材を対象に、様々な取組を実施してございます。
 高齢者を農業に呼び込む施策として、県就農支援センターでの技術習得研修をはじめ、生産現場において定年退職された方々を対象とした果樹や野菜等の栽培技術講習会に加え、シルバー人材センター登録者を対象とした柿の摘蕾講習会等を開催しております。
 また、今年度の新政策として、農業の労働力不足を解消するため、JAグループと連携し、求人情報を発信する取組を行っており、運用開始当初から8月までで、梅や野菜の収穫作業など50件のマッチングが成立しております。
 今後とも、JAグループ等と連携を図りながら、高齢者が新規就農者や農業労働者として活躍いただけるよう取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 全国一の生産高を誇るサンショウ農家も平均年齢が80歳近くだと言われていて、せっかくの本県の貴重な農産資源もこのままでは絶えてしまう危機がすぐ近くまで来ています。ぜひ元気な高齢者にも農業に携わっていただいて、本県の農業を継承いただいて、耕作放棄地をこれ以上増やさない、そんな対策をどんどん打っていただいて、本県農業を守り育てていただきたいと思います。
 自衛隊OBや予備自衛官で組織されている和歌山県隊友会も、10年ほど前から農業へ会員を呼び込む活動をされています。地域への貢献や地域との交流の意味でも注目すべき取組と思い、紹介させていただきます。また、県外からも和歌山県の農業に注目いただいて、和歌山県で農業をしたいという気持ちを抱かせるような「和歌山県で農業をしてみませんか」的な広報もお願いしたいと思います。
 2点目に、介護予防を目指し、比較的元気な高齢者に農的活動を行ってもらう農福連携について、福祉保健部長にお考えをお聞かせください。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長宮本浩之君。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 元気な高齢者が、早い段階から希望する分野で活動することは、健康増進や生きがいづくりに寄与し、将来的には介護予防につながっていくものと認識しています。
 とりわけ農業分野は、農作業などで常に体を動かし、目標を持って自ら育てた農作物を収穫する喜びを得られることから、生きがいづくりや介護予防においても有望な分野であると考えています。
 一方、農福連携につきましては、年齢にとらわれることなく、障害や多様な課題を抱える人が、農作業を通して地域とつながることができるよう、県においても推進しているところです。
 元気な高齢者の意欲に応じて、様々な分野での活躍を促すことにより、生きがいづくりを進め、ひいては介護予防につながるよう努めてまいります。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 日本で農福連携が言われ始めてから、障害者の就労施策として全国各地で取組が見られていましたが、高齢者による農福連携はなかなか進んでいませんでした。でも、政府もようやくアクションを起こし始めました。「高齢者に自宅で心身ともに壮健で長く住み続けてもらいたい」という趣旨は、施設介護から在宅介護へという国の方針にも合致するものです。自分が収穫したものが売上げになったり、また、人からおいしいと喜ばれたり、仲間同士で談笑しながら料理して食事を楽しむのは、まさに生きがい、働きがいの充実につながるものです。ぜひとも障害者とともに、高齢者の農福連携も大いに市町村とともに進めていただきたいと要望させていただきます。
 2点目です。今後の和歌山県の農業発展のための一考察です。
 和歌山県内には、県の農業関係の優秀な研究施設が多くあり、優れた業績を残してこられました。しかし、時代を見据えた農学におけるアカデミックな基礎研究、応用研究ができて、若い人材を育てる学の拠点がありません。本県農業の特徴である果実を通じてフルーツバレー構想を実現するため、まず和歌山大学に農学系学部ができないものかと、民間の勉強会で今まで議論を重ねたり、オランダへ出向いてワーヘニンゲンURとフードバレーの調査、そして、学部新設予定の大学等での意見聴取を行ってきました。
 和歌山大学に対しては、最初2年間ではありましたが、大学内に食品科学寄附研究部門を設立いただいて、梅酢ポリフェノールの応用研究、臨床研究及びサンショウの基礎・応用研究で成果を上げました。そして、さらに持続性のある施設の設置を目指して、大学とともに文部科学省に要望して、和歌山大学産学連携・研究支援センターに食農総合研究所が2016年4月に設立されました。近い将来、この研究所を発展させての農学系学部昇格に期待を寄せることになりました。
 しかし、予算も厳しく、現実はあくまで農業経済面の研究がほとんどで、農学に必要な農芸化学の分野がごく少ないのが懸念材料でありました。その後、大学院改革で大学院の中に農学系の研究部門をつくろうという話も出てきましたが、立ち消えになりました。同研究所は、食農総合研究教育センターと名は変わりましたが、やはり理系の分野は極めて厳しい状況にあり、立ち往生している状態であります。
 地方の国立大学には、本来地域コミュニティーの中核、地域イノベーションの拠点としての役割を果たすことが期待されています。例えば、長野県の信州大学では、農学部があるからこそ食品の機能性に関わる研究組織も立ち上げています。すなわち、2018年8月に、機能性食品の開発に関わる企業、大学等研究機関、しあわせ信州食品開発センター、産業支援機関等から成る「食」と「健康」ラボ研究会が設立されましたが、1、開発力、2、ブランド力、3、マーケティング力、4、連携による新たな価値の創出力の四つの優位性を確保する重点プログラムの実践をミッションにして研究を進めています。
 今、農学は、理学、生命科学から経済学まで幅広い学問分野になっており、大学の農学部の学び自体が変化してきたことが関係しています。近年の農学系学部では、農業や畜産といった食料生産分野から、環境、食品、生物、バイオ、食品栄養、経済・経営、農業土木など、幅広い領域を学ぶことができるほか、AI、IoT、ICTといった最先端技術を使ったスマート農業の領域に入っています。
 近年の農業は、ITやロボットを活用した新しいスタイルのスマート農業や、IoT機器によるデータ収集及び生産管理システムなどが導入されるようになり、最新IT技術についての授業に注目が集まっています。必然的に企業も農業への参入に注目しているところは増えています。耕作放棄地対策などのために2009年に農地法が改正され、法人が農業に参入しやすくなったことも背景にあります。
 農水省によると、同年末に農業に参入する一般法人は427法人だったのが、2018年末には3286法人と8倍近く増加しています。参入先には、東京、大阪などの大消費地に近い地域が目立ち、都道府県別では、2018年末現在、兵庫県が197法人と最多、優良農産物を多く有する和歌山県も、今は農業へ参入する法人は少ないですが、将来有望ではないでしょうか。
 また、超高齢化社会の到来で、健康に対する社会の関心が高まっています。その根源に関わっているのは、食と農であります。現在の日本の農産物自給率は38%で、世界でも屈指の農産物輸入国であります。これに対し政府は、2025年に45%を目指しています。
 そのような状況の中で、2012年から2020年までに全国で8大学の農学系学部が新設されました。2012年には山梨大学生命環境学部、2013年は吉備国際大学地域創成農学部、2015年に龍谷大学農学部と徳島大学生物資源産業学部、2018年、立命館大学食マネジメント学部と新潟食料農業大学食料産業学部、そして2019年には福島大学農学群、さらに2020年には摂南大学農学部が開学しました。新設の農学系学部は、いずれも地域社会や食品産業との連携を掲げています。
 食への関心が高まり、食糧危機など、グローバルな課題が浮き彫りになる現代、企業の参入や最先端技術の活用などで農業の在り方が広く求められる中、大学は農産物生産だけでなく、農業ビジネス、情報科学にまで研究領域を広げて、グローバルな目線で新しい農業を切り開いていける人材の育成を急いでいます。
 文科省の学校基本調査によれば、農学系学部の志願者数は、2007年では10万4122人でしたが、徐々に増えて2017年には12万8405人になっています。文科省の要請を受け、大学学士課程の基準を検討した日本学術会議は、2015年、農学を実践的な価値追求の学問と、幅広い生命科学全般の総合科学の学問と定義し、公表しました。
 一方、学生側からすれば、時代遅れといった農業に対する偏見がなくなり、大学に限らず、農業高校でも農家出身以外の子供たちが意欲を持って入学するようになっています。都市生活に満足できず、田園回帰の動きが出るなど、農村への憧れが若者たちを農学に引き寄せているように見えます。
 内閣府の2014年の調査では、20歳代男性で農村定住の意欲が高いことが明らかになっています。農学部の講義は、実践的な内容を重視するため、野外で行われることも多く、それが人気の一つであるし、景気に左右されにくい食品産業への就職に有利と見ています。今や、リケジョならぬノケジョ(農学系女子)という言葉が使われていますが、2017年には農学系学部の女子学生の比率が45%にまで上昇しています。
 ちなみに就職率ナンバー1を誇る福井県立大学は2020年春、生物資源学部に創造農学科を新設しました。農業や環境保全、食品加工、行政などを幅広く捉える農のゼネラリストを育成し、地元定着や福井県の農業の活性化につなげるとのことです。定員は30名、これまで農に関する研究や調査を行ってきた生物資源学科定員45名が基礎から応用を担い、創造農学科は応用から実践と位置づけました。専任教員は計8人、生物資源学科の4人に加え、野菜や草花、農業などの専門家が新たに4人採用されました。
 また、昨年度農学部第1期生が卒業した龍谷大学では、地元関西を中心に、食品関連のほか、金融や情報通信など、多様な業界に卒業生を送り込みました。大学院修了が有利とされる大手食品メーカーなどの研究開発部門で就職した農学部生もいたということです。
 そこで質問ですが、新しい時代にふさわしい農業の展開が求められる中、若い人材を呼び込み、和歌山県の農業が今後持続可能な発展を遂げていくために、一体和歌山県に何が必要なのでしょうか。農林水産部長の御所見をお伺いします。
〇議長(岸本 健君) 農林水産部長。
  〔角谷博史君、登壇〕
〇農林水産部長(角谷博史君) 農業に若い人材を呼び込み、本県農業を今後も発展させていくには、所得が安定して得られ、農業の魅力を高めていくことが重要であると考えております。
 県では、農業所得の向上を図るため、国内外への販売促進をはじめ、ミカンの厳選出荷や施設園芸の振興とともに、複合経営や6次産業化の推進に加え、担い手への農地集積や働きやすい農地づくりなどに取り組んでいるところでございます。
 また、農業の魅力を高めるため、ICTやロボット技術を活用したスマート農業を推進するとともに、農林大学校の学生に新商品開発や観光農園の開設などを体験させるほか、農業の楽しさや魅力を伝えるための動画を新たに作成し、県のホームページや就農相談フェアなどで広くPRすることとしております。
 農業は地域経済を支える重要な産業であることから、今後も農業の所得向上や魅力向上に向けた取組など、農業の振興にしっかりと取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 もう一つ事例を挙げさせていただきますと、高知県には農業、そして食品産業の人材育成の調査で3度訪れましたが、以前にも県議会一般質問の場で紹介しましたが、高知県はオランダとは20年来の農業交流があり、高知県四万十町では、環境制御型の大型施設園芸でトマトの生産が順調に推移し始めました。また、高知県の食品産業の中核を担う人材を育成することを目的に、地域の産学官が連携して、平成20年度以来ずっと続く座学、実学の教育プログラム、土佐フードビジネスクリエーター人材創出事業を先導している高知大学の農林海洋科学部では、2018年からは、さらにAIやIoTなどの先端技術を融合し、もう一歩先の未来を見据えた高知県プロジェクト「“IoP(Internet of Plants)”が導く「Next次世代型施設園芸農業」への進化」への取組がスタートしています。植物の生理、成育の可視化を図り、農業間の情報の一元化、収穫量・時期の予測や作業の効率化を担うIoPクラウドを構築し、施設園芸産業の飛躍的発展と施設園芸関連産業群の創出、集積を目指しています。
 中山間地仁淀川町の棚田の石垣を建物の北面として木製のハウスを造り、石垣の昼間の余剰熱を蓄熱して夜間も冬場も無加温のトマトやマンゴー栽培にも取り組んでおり、成功すれば中山間地での付加価値の高い目玉商品になる期待が高まります。また、環境制御型の温室には炭酸ガスが必要ですが、設備投資と燃料費の低コスト化のため、ガスヒートポンプによる冷暖房を行うことで、排ガスの炭酸ガスをハウス内に供給しようとしています。今、イチゴの水耕栽培で実験を行っているそうです。このIoPのプロジェクトで、10年間での野菜産出額130億円増加、新規雇用就農者1000人増等数値目標を設定しています。
 時代のニーズ、そして以前から申し上げている本県の梅、柿、ミカンなどの果実など、機能性に優れた農産物を活用した健康増進に貢献する加工食品開発のみならず、その他ブドウサンショウ等たくさんある和歌山県優良農産物の生産を守り、また、均一の高品質な農産物をたくさん生産できるスマート農業を実践して就農を促進する。そのためにも和歌山県に学の拠点がどうしても必要だと考えています。コロナのような不意の災いにもびくともしない本県農業のさらなる発展のため、どうかよろしく熟考をお願い申し上げます。
 3点目の質問に参ります。
 高齢者施設の新型コロナウイルス感染症対応についてであります。
 全国各地の高齢者介護施設等でクラスターが多発しています。入所者の症状次第で施設に留め置くこともあれば、すぐさま病院へ搬送されることもあるといった感染者の隔離や分離、ゾーニングの問題、また、高齢で無症状の患者もいれば、寝たきりの人、それに認知機能が低下して徘回をする人など、動かすとリスクが高い人や入院が難しい人もいます。医師や看護師も入っていただかなければならなくなるなど、大変な状況になることも推察されます。
 本県の高齢者施設においては、入居者や職員に一人でも発熱者が出た場合は、全員がPCR検査を行って感染拡大を防ぐという、和歌山県ならではの封じ込め対策が徹底されていることと思います。
 そこで質問ですが、以下、福祉保健部長にお答え願います。
 高齢者施設でクラスターが発生した場合の入居者や感染者への対応について、また、施設の職員が感染したり、濃厚接触者の職員が自宅待機となって介護スタッフの不足が生じた場合の本県における高齢者施設への応援体制についてお尋ねします。さらに、県下の高齢者施設において、フェイスシールド、マスク、消毒液、防護具等衛生用品の備蓄状況はいかがでしょうか。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) まず、高齢者施設での対応ですが、高齢者は新型コロナウイルスに感染した場合に重篤化するおそれがあり、また、集団生活する高齢者施設等では集団感染のリスクがあるため、感染が起こらないよう感染予防対策を徹底しているところです。
 本県においては、基本的に感染者は全員入院の上、適切な治療と経過観察を行うこととしており、高齢者施設等においても同様の対応をしていくこととしています。
 次に、応援体制については、新型コロナウイルス感染拡大により、職員が不足した場合に備え、県では、高齢者の入所施設を中心に構成される和歌山県老人福祉施設協議会や和歌山県老人保健施設協会と協議を行い、施設間で職員の相互応援体制の構築に取り組んでいるところです。
 最後に、衛生用品の備蓄状況については、新型コロナウイルス感染症の発生当初、急激な需要の高まりにより、消毒液、マスクなどの調達が困難になり、県が独自の流通ルートを持つ業者に調達を強く働きかけたり、国からの供給を要請するなどの取組により、衛生用品の調達に対応してきましたが、現在は、おおむね流通が改善されている状況です。
 しかしながら、今後さらなる感染拡大に備えて、県では国の緊急包括支援交付金を活用し、高齢者施設等に対し、消毒液、マスクなどの衛生用品の備蓄を働きかけているところです。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 これから寒くなってまいりますと、新型コロナだけでなく、インフルエンザやノロウイルス等いろんな感染症が高齢者施設に押し寄せてきます。衛生用品は幾らあっても十分過ぎることはないと思います。一旦クラスターが発生でもすれば、すぐに備蓄状況は厳しくなってくることも想定して、たくさんの衛生用品の備蓄を持っておくことを施設等に呼びかけていただきたいと要望させていただきます。
 4点目です。コロナ禍の中での介護についてであります。
 介護従事者は食事介助だけでなく、ベッドから車椅子への移乗、トイレや入浴介助等を行う際、利用者と身体を密着させ、顔が近づくのは避けられません。新型コロナの感染拡大で緊張は高まるばかりです。もし特別養護老人ホームなどの高齢者福祉施設のような職場だと、感染者が出るとなかなか自宅に帰れず、ホテルや職員寮などで宿泊することになり、職場感染が収まっても外泊先で10日間の健康観察が必要となり、なかなか家族の待つ自宅に戻れないことが間々あるでしょう。その間、利用者と対面を避けながら、マスクやフェイスシールド、それに防護具等をつけて介護をしなければいけません。クラスターが発生すれば、たちまちスタッフ不足に陥る可能性も強いです。さらに、マスク、手袋や防護具等の衛生用品が早期に不足する事態も懸念されます。
 入浴介助の際は、眼鏡も曇り、息苦しくてマスクをつけていられないくらいになるといいます。介護職員が1人でも感染すれば、利用者はもちろん同僚職員にも迷惑がかかります。自分自身の体調管理がまず大切です。
 そこで福祉保健部長に質問ですが、クラスター発生時において、介護職員だけでなく、その同居家族のPCR検査も実施を義務づけるべきではないでしょうか。また、絶えず感染のリスクを背負いながら、高齢者の生命と健康を守る崇高な仕事に就いておられる介護従事者には、施設職員、事業所職員を問わず、特にコロナ感染の危険性が高い時期だけでも和歌山県ならではの支援を考えていただいていると思いますが、どのようなものでしょうか。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) まず、PCR検査の義務づけについてですが、本県では、従来の国の基準にとらわれることなく、医師の診断や保健所の調査等に基づき、積極的にPCR検査を実施することとしており、特に医療機関や介護施設等で感染者が確認された場合においては、広く徹底したPCR検査を迅速に行い、早期発見、早期隔離につなげることで感染者を最小限に食い止めてきたところです。
 こうした取組の中で、PCR検査の重要性を認識し、感染症の早期発見に不可欠な検査体制の強化、拡充を図ってきたところですが、PCR検査は感染者の早期発見、早期隔離のための検査であり、希望する全ての人を対象に実施するものではなく、感染すると集団感染につながり、重症化して病床を逼迫するおそれがある医療・介護施設等の関係者についてもトリアージを行い、十分に必要性を判断しながら的確に対応していくこととしています。
 次に、介護職員に対する支援ですが、高齢者は新型コロナウイルスに感染した場合、重篤化するおそれがあり、また、集団生活をする介護施設等では集団感染のリスクが高いため、介護の現場は大変御苦労が多いと理解しております。
 県としては、国の緊急包括支援交付金を活用し、介護職員が安心して働けるよう、感染防止に必要な設備の整備や衛生用品の備蓄、さらには新型コロナウイルス対応に御苦労された介護職員に対する慰労金の支給など、きめ細やかな支援を行っているところです。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 利用者が発熱していても、ヘルパーは訪問を拒否できないものでありますし、その人の食事介助も誰かがやらないといけません。一たび感染すれば、何の保障もなく休業を余儀なくされ、収入も絶たれるおそれがあります。いつも密着、密接な状態で生活に関わる介助等をしているヘルパーの立場に、県としてもさらに寄り添っていただいて、支援を今以上に充実させていただきたいと要望させていただきます。
 最後、5点目、休校中の子供の家庭での学びについてであります。
 長期間休校中の子供の学びを把握することは、その後の学びを順調に進めるためにも大変大切だと思います。今般の新型コロナウイルス感染症による学校の休業は、和歌山県においても5月31日まで約3か月にも及びました。
 ある中学校生徒の親に休校中の子供の状況を伺うと、「うちの子はゲームやパソコンばかりいじっていて、勉強はとてもはかどったとは言えない」と困惑しておられる家庭もありました。休校の間、学校では各生徒にプリントを配付したり、準備が整っていればオンライン授業も一部行われたかもしれません。
 そこで、以下、教育長にお伺いいたします。
 一つ目、臨時休校中における学習保障と学校再開後の学習の定着に向けた取組についてお答えください。
〇議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 臨時休業中、各学校では、子供の発達段階に応じた学習課題を配付し、定期的に提出させ点検するなど、家庭学習の充実と定着に向けて取り組んでまいりました。高等学校においては、教員自らが作成した授業動画の配信や、ICTを活用した双方向授業の実施などにも努めてまいりました。
 また、教育センター学びの丘ホームページに、家庭での学習に活用できる学習コンテンツを掲載し、児童生徒の主体的な学習を支援しました。
 学校再開後につきましては、各学校において、夏季休業期間を短縮し、指導計画を見直すことで、授業時数の確保に努めました。児童生徒に過度な負担をかけることなく、学習すべき内容を年度内にきちんと学べる計画で、学習指導を実施しているところです。
 県教育委員会としましては、少人数指導や補充学習を行うための加配教員や学習指導員の配置を進めています。各学校で、個々の学習の状況に応じて必要な個別指導を行う等、確実に学習内容の定着が図られるよう、引き続き取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 休業中に本来行われるべき授業での学びを取り戻すべく御尽力いただいた県教育委員会と学校現場に深く敬意を表する次第です。
 でも、約3か月の休業のために、クラブ活動をはじめとする運動不足による体力低下の問題とか、あるいは友達とのコミュニケーション不足等心身ともにケアすべき課題もあると思います。その辺りも遅れがあれば、取り戻すべく御尽力いただきたいと思います。
 それと、もろもろの遅れを取り戻すことやほかに雑務が増加して、教員の負担が大幅に増えているのではないかと憂慮しています。通常でさえ大変な授業準備と、今回の消毒などのコロナ対策に関わる作業、これもかなりあったんじゃないかなと思います。教職員の皆様の過労にも最大限の注意を払っていただきたいと切に要望します。
 2点目に、ネット等ICT環境は、全ての子供の家庭に行き渡っているのでしょうか。不公平は生じてないでしょうか。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) ICT環境の整備が進んでいるかでございますが、市町村立学校における児童生徒1人1台パソコンについては、主に共同調達の方式を用いて、全市町村が年度内に整備予定となっています。また、県立中学校、特別支援学校においては既に整備を終えております。県立高校においても年内に整備を完了する予定です。
 オンライン授業を実施する上で必要となる家庭の通信環境整備については、各市町村の取組の状況は異なりますが、オンライン授業を実施予定の市町村においては、年度内にモバイルルーター等の整備を完了することとなっています。
 県立学校では、オンライン授業に係る通信環境調査を行い、さきの議会でお認めいただいた当該予算に基づいて、家庭の状況に応じて必要となる貸出し用モバイルルーター等の準備を既に整えたところです。
 今後、全県が同じような環境でオンライン授業ができるよう、引き続き各自治体に働きかけるとともに、ICT教育環境のさらなる推進に努めてまいります。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 パソコンやタブレットなどの使い方、そしてセキュリティーの面などの指導は問題なくなされているのでしょうか。こうした機器類は目の酷使につながりますが、子供たちの目のケアについての指導も同時に行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) パソコンやタブレット等の使い方やセキュリティー面の指導及び子供たちの目のケアに関してでございますが、本県では昨年より、全国に先駆けてきのくにICT教育としてプログラミング教育を推進しており、児童生徒は、既に基礎的な操作等の学習を通し、ICT機器を使うことに抵抗が少なくなってきております。今後、1人1台端末の環境が整い、ふだんの授業や家庭学習での積極的な活用が進むことで、ICT機器の使い方について、さらに習熟が進むものと考えております。
 また、セキュリティーに関しては、フィルタリングやウイルス対策等のソフトウエアを活用し対策を講じるとともに、情報モラルやマナーを守るよう、引き続き指導を行ってまいります。
 議員御指摘のように、ICT機器の長時間連続の使用は、児童生徒の目に悪影響を生じさせる懸念があります。これまでも、目を休めるなど、長時間集中して画面を見続けることのないよう注意喚起を行っているところですが、児童生徒に自らの健康に留意してICT機器を正しく活用する意識を持たせることも大切であると考えます。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 対面授業と比較したオンライン授業における子供の理解度も気になるところであります。家庭の中でパソコン等に向かっているときの子供の集中度や、その際に生じた疑問を即座に質問するといった双方向の授業が本当にできているのかも気になります。この点も、今後のためにも検証作業をいただけたらと要望させていただきます。
 これで私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、長坂隆司君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時49分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
〇議長(岸本 健君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
〇山田正彦君 議長のお許しをいただきました。
 今は、どう呼んでるんでしょうかね、終電車の最終の前、「けりこみ」と呼びまして、最終前の電車。そうすると、質問も私で「けりこみ」です。そういうことで、しばらくお耳と、それから時間をいただけたらありがたいなあ、そう思います。
 今議会もまた議員各位はそれぞれの選挙区の代表として、地元のほうが抱える多様な問題、課題を和歌山県の目指す目標に対しての多角的な格調の高い御意見など披露されました。感心しました。
 ふと我に返りますと、議員としては6期目半ばで、中堅と言われましょうかね、ですが、(「ベテランやで」と呼ぶ者あり)いやいや。少し年を重ね過ぎた感は否めません。現在、80歳に向かって邁進しております。私自身の感覚としては、議員というのは有権者から評価される要因は年ではないと思います。選挙区、地元の皆さんに、何事に対しても機敏な行動と熱い思いの気力、地域の代弁者たることに尽きると、そう私は思ってます。私もまだまだ議員各位には後塵を拝してるとは思っておりません。気力が続く限り、誠意を持って頑張りたいと思います。議員各位、県当局の皆さん方におかれましては、今後とも変わらぬ御指導のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 前振りが少し長くなりましたが、身近な問題として、私は三つの問題について質問させていただきたいと思います。
 今日は傍聴席に、お手元にお配りさしていただいてます貴志川線の未来を“つくる”会の発行する会報、お手元にあると思いますが、その構成されております有力な皆さんが傍聴に来ていただいてます。ありがとうございます。
 令和2年9月定例会補正予算案第115号関係のうち、和歌山電鐵貴志川線需要回復支援485万円の支出についての関連したお伺いをいたします。
 質問に入る前に、現代に至るまでの貴志川線の歴史をざっと御紹介させていただきたいと思います。というのは、和歌山県下14選挙区からここにお見えの議員さんの方々、和歌山電鐵が何よと今さらお思いになってる方もいらっしゃるかも分かりませんので、その経緯をざっと御紹介したいと思います。
 大正2年、和歌山と和歌山市の東部、山東地区と申しますが、そこを結ぶ鉄道免許が下りました。大正3年6月、山東軽便鉄道──蒸気機関車ですが──が設立されて、その後、いろんな変遷を繰り返しながら、昭和6年、和歌山電気軌道という通称・和鉄という会社に変わりまして、さらにまた、昭和36年3月に南海電気鉄道に合併されました。
 特筆したいのは、和鉄時代の戦後のあの混乱期には、生活の生命線として大変重要な交通機関でありました。遠くは関西方面から、もちろん和歌山市内から貴志川方面へ食料の買い出しに人があふれ、電車はいつも鈴なりの状態でありました。私自身、幼心に、みんなの命の綱としての和鉄の存在であったことを鮮明に覚えております。皆さん方のおじいちゃん、おばあちゃんたちが買い出しに行かれたことと思います。
 また、高度成長期には、和歌山市の東部開発、貴志川町を含むベッドタウン開発には欠かすことのできない重要な交通機関としての役割を果たしてくれました。
 南海電気鉄道時代になってからは、道路整備が急速に進み、モータリゼーションの時代の真っただ中、また、急速に進む少子高齢化社会に入り、輸送人員が減少し、厳しい経営状況に入り、ワンマン運転やあらゆる経営改善、省力化に努力をしてきましたが、ついに平成17年度にその経営を断念されました。
 その後、和歌山県、和歌山市、紀の川市、存続を願う沿線の住民、多くの県民、市民の皆様方から強い要望があり、和歌山県議会にあっては、これは5期以上の議員諸兄にお願いしたんですが、私が各議員に協力をお願いして、貴志川線の存続と利用促進を願う議員連盟というものを立ち上げさせていただきました。会費も頂きながら、それぞれの活動のおかげで岡山電気軌道という会社が引き受けてくださり、平成17年6月27日、和歌山電鐵が設立され、翌年、平成18年4月1日から運行し、現在に至っております。
 そんな中でも、貴志川線の未来を“つくる”会、今日お見えの皆さん方ですが、地元のボランティアとして皆さん方の心を一つにした強力なバックアップにより、今もなおその運動が続いていることは、お手元に配付しているように活発に運動していただいてます。関係者の熱心な活動に対して心から敬意を表します。
 平成18年度からの10年間は、県は変電所整備費として約2億4000万円、和歌山市と紀の川市が取得する鉄道用地費として約2億3000万円、合わせて4億7000万円を補助していただき、また、和歌山市と紀の川市は運営費として約10年間で8億2000万円を補助していただいていると、そう認識しております。
 平成28年度から後の10年間、今半分になってますが、途中半ばですが、老朽化した設備の更新や、その他係る費用の補助として、県と和歌山市、紀の川市の両市を合わせて約総額12億5000万円の支援を継続していただいてます。また、昨年度は、台風による被害箇所の復旧についても支援されたことも存じ上げております。
 しかしながら、人口減少、少子高齢化の急速な進行で、貴志川線の経営状況は日増しにその厳しさを増しております。
 その上、さらに追い打ちをかけるように、今回の新型コロナウイルスの影響により、インバウンド需要が激減というかゼロになりました。和歌山電鐵創設以来の最大の減収になっていると聞き及んでおります。
 貴志川線は、申すまでもなく、年間200万人が利用する沿線住民、特に学生や高齢者などほかに交通手段を持たない住民にとっては欠かせないものであり、最悪、廃線など考えられません。
 そこで、今回の補正予算に計上している支援策について、企画部長の答弁をお願い申し上げます。
〇議長(岸本 健君) ただいまの山田正彦君の質問に対する答弁を求めます。
 企画部長田嶋久嗣君。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
〇企画部長(田嶋久嗣君) 和歌山電鐵貴志川線需要回復支援についてでございますが、議員御指摘のとおり、人口減少による利用客の減少や、新型コロナウイルス感染症の影響によるインバウンド需要等が激減しているため、和歌山電鐵貴志川線の経営状況は厳しいものと認識しております。
 そのため、今回、貴志川線の需要を緊急的に回復させるために、激減したインバウンド需要に代わり、県内、国内の今まで乗る機会の少なかった方々にも貴志川線を御利用いただくきっかけづくりとして、和歌山電鐵が実施する親子で楽しむための企画切符やイベントなどの経費について、和歌山市、紀の川市とともに支援を行うものであります。
 県としましては、貴志川線が安定的、継続的に運営していくために、引き続き利用促進に取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
〇山田正彦君 そこで、知事にお考えをお伺いしたいと思うんですが、和歌山電鐵貴志川線需要回復の支援は、今の令和2年度9月定例会補正予算で485万円が計上されておりますし、和歌山市も紀の川市も今期行われてる定例議会に予算計上されていると聞いておりますので、合計1455万円を御支援いただくことになっております。
 私個人も貴志川線の未来を“つくる”会の一人の会員として、それぞれの行政の中で厳しい財政をやりくりしながら支援いただいていることに対して、心から感謝している次第であります。
 新しく誕生した菅総理大臣の就任の挨拶、至るところで言う言葉に、今朝ほど出ましたけれども、「自助、共助、そして公助と絆」というフレーズが、もう大変何回も聞きました。
 本日、議場においでいただき傍聴されている貴志川線の未来を“つくる”会の会長をはじめ、役員の方々や会員の皆様方、和歌山電鐵の小嶋社長、みんなが口をそろえて公有民営化を希望されていることは、私もよく承知しております。
 しかし、私は、先ほど申し上げたように、自助、共助の部分では、私たちの自戒も含めて、貴志川線の未来を“つくる”会が発足当時は約6000名あった会員数が現在約2000名に減っているという状況、山積する課題について、毎月開催されている貴志川線運営委員会、これは和歌山県、紀の川市、和歌山市、それから電鉄会社、それから貴志川線の未来を“つくる”会の役員の皆さんが合同で月1回会議をされてると思うんですが、貴志川線の未来を“つくる”会の皆さんは殊のほか熱心にやっていただいてますが、まだどうも県としては努力が足りないんじゃないかという評価があるようにもまた聞いております。
 そこで、例えば、貴志川線運営委員会の皆さん方の中で、もうこれ以上という、後がないぐらいの真剣な努力をされているのかなあ、私自身もちょっと不審に思うところがあります。
 何年か前、9年ほどになりますかね、話があったんですが、例えば、各駅のホームのほうから見下ろす枕木に枕木オーナーをつくったらどうよ、そして個人やら、あるいは法人の皆さん方に御寄附なり協力費を頂いたらどうよということやら、あるいは、つり革につり革オーナーということを募集したらどうよと、たしか私、10年ほど前に提案したことがあるんですが、その後、どういうふうになってるか分かりません。
 県としては、我々ないし関係者が、特に貴志川線の未来を“つくる”会の皆さん方が一生懸命やってくれてるんですが、まだどうも県の心を動かす結果にはなってないような気もします。だから私たちも一生懸命、和歌山市や紀の川市、あるいは電鉄の会社を含めて、自助、共助をするつもりでありますので、そうなれば、最終的には和歌山県としても公助として積極的に御参加いただけるものと私は確信しております。
 そこで、今後に向けた、存続に向けた県の考えについて、忌憚のない知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 以上です。
〇議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 貴志川線は、自動車の免許を持たない高齢者や学生等はもとより、沿線住民の日常生活の移動手段として絶対的に必要なものであるため、何としても存続させたいと考えております。
 私が知事になって、すぐに貴志川線に乗ってみまして、唖然としたことがあります。鉄道会社は、大体は乗客を確保するため、あるいは鉄道の利便性をもって開発をしてもうけるため、両方なんですが、駅を中心として宅地等の開発をすると、それが当たり前であります。ところが、貴志川線の沿線は、駅前は田んぼ、少し離れたところに新興宅地開発があって、そこから県道には車で出られるが、駅までに行くためには田んぼのあぜを歩いていかないといかんと。これは何だと。昔の鉄道会社と行政は何しとったんだというふうに思い、思うだけじゃいけませんので、和歌山市にお願いをして、開発の特例は駅の近くだけに直していただきました。ただ、この効果が出てくるのはまだまだですから、そういう意味で、住民の方にとっても、貴志川線に乗るということは必ずしも最適な環境ではないという状態の人も多いんじゃないかというふうに思います。
 しかし、少なくとも存続を望むのならば、やっぱり乗ってもらわないかんということではないかというふうに思います。
 幸い、平成17年の貴志川線の廃線危機の際には、住民の方々も一生懸命運動されまして、岡山電気軌道株式会社の小嶋社長にこの貴志川線を引き継いでいただきまして、経営革新、あるいはたま駅長をはじめとする猫の駅長、また、いちご電車等の企画列車など多くのアイデアが実践されまして、我々も和歌山市も紀の川市も一生懸命応援をして、協力をして観光客を呼び込み、主としてその効果で利用者数が増加をいたしました。
 しかしながら、もともとの存続の目的である沿線住民の利用、例えば通勤・通学の利用者数については、和歌山電鐵が運行を開始した平成18年と比べると年間で延べ約10万人も減少しておりまして、沿線の皆さんの「乗って残そう」という思いがちょっと薄れてきてるんじゃないかなあというふうにも思うわけでございます。
 小嶋社長は、公設民営ということを主張しています。小嶋社長が──これは鉄道理論なんですが──唱えてる、行政が鉄道資産全てを保有し責任を負う完全上下分離方式による公有民営あるいは公設民営の考えは、私はもっともなことだというふうに実は思っているんですけれども、そうやってしまいますと、沿線住民が安心してさらに利用しなくなってしまうおそれもあるなあというふうに考えまして、和歌山市及び紀の川市が鉄道用地を保有し、県と両市で和歌山電鐵が保有する設備の更新等に係る費用を支援する和歌山版公設民営として、小嶋社長に納得していただいて、貴志川線の安定的、永続的な運行を図ろうとしているところでございます。
 近年、利用者数の減少により運賃収入が減っているところでございます。御指摘のように、観光客に頼るのが当分できない状態でございます。現在の利用者に加え、これを何とかしようと思うと、貴志川線の未来を“つくる”会発足当初の会員数、これが6000人いらっしゃったんですが、同じ6000人の方々が毎月2往復乗っていただくと採算が取れてしまうという見込みなのでございます。
 新型コロナウイルス感染症の影響により観光客が激減している今、山田議員のような強力なリーダーシップをお持ちの方が沿線住民の皆さんに声をかけていただき、乗って残そうということをみんなで一緒になって取り組んでいただければ、県も和歌山市、紀の川市とともに一生懸命後押しをしていきたいと思っておりまして、先ほど田嶋部長が申し上げたのもその一環でございます。
〇議長(岸本 健君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
〇山田正彦君 貴志川線のことについては、今後、本当にもっと積極的に、もうこれ以上、工夫のしようがないなというぐらい、貴志川線運営委員会、この構成には和歌山県も当然入ってくれていますし、和歌山市も紀の川市も入ってくれてますので、今、はやりの言葉ですが、前例主義を罵倒してでも、倒してでも、新しいアイデアを考えようというて、知事の命令で。やっぱりリードしていただくのは和歌山県ですから、強いリーダーシップを発揮していただくと、会でもですよ、そういうふうに叱咤激励いただけたらなあ、そう思います。
 それでは、次に入ります。
 新型コロナウイルス感染に係る県支援策の状況についてをお伺いします。
 令和2年9月定例会における新型コロナウイルス感染症対策として、事業継続資金の増額27億4780万円、それから事業継続推進補助金として7億8000万円、言葉が似通ってるんですけど、この事業継続推進補助金については、過日上程されて議決したところでありますが、これらは5月臨時会あるいは6月定例会において既に議決され、それぞれの支援策として実施されているものなんですね。
 特に事業継続推進補助金は8月31日という締切りがあって、既に締め切られている制度なんですが、これまでどのように対応し、処理されてきたのでしょうか。私の知る範囲では、それぞれの申込みについて県職員は大変親切に、あるいは事細かく指導していただいてありがたいよという言葉を何人にも聞くんですが、それ以上その後どうなったというのがなしのつぶてということになります。
 事業継続支援金については、国の申請が認められての上のことですが、事業継続推進補助金は和歌山県独自で、和歌山県内の事業者にもPRがあって、多分想定を大きく上回った結果であろうかなあとも思います。
 県として、どのように取り組んできたのか、また、現在の状況について、商工観光労働部長に答弁をお願いします。
 当然、事業者は期待して一日千秋の思いで早く結果を知りたい、これもまたやむを得ない心理かも分かりませんが、返事は一向にということになっております。さらに事務対応を的確にスピーディーに処理していただきたいと思いますが、御答弁をよろしくお願いします。
〇議長(岸本 健君) 商工観光労働部長大山 茂君。
  〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、非常に厳しい状況にある県内事業者の方々に対し、去る5月臨時会、6月定例会で議決いただき、事業継続支援金や事業継続推進補助金など各種支援策を実施してきました。実施に当たっては、支援本部を立ち上げ、一元的な相談体制を設けるなど、事業者の事業継続に資するよう取り組んできたところです。
 また、支援策の広報についても、市町村や商工団体にも御協力いただくとともに、テレビ、ラジオ及び県民の友、メールマガジンやわかやま企業応援ナビなどを活用し、多くの事業者に届くよう努めてまいりました。
 その結果、県内事業者の方々から当初の想定を超える申請がありましたが、困っている事業者をお待たせすることがないよう速やかに支給し、事業を継続してもらえるよう既存予算を活用しながら対応してまいりました。
 その中で、事業継続推進補助金については、9月4日時点で1741者に対し交付決定を行い、交付決定額については13億1108万4000円となっており、ほかにいただいた申請についても審査を急いで行っているところです。
 今後も、新型コロナウイルス感染症の影響により、困っている事業者の方々のお声を聞き、事業が滞ることがないようスピード感を持って対応してまいります。
〇議長(岸本 健君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
〇山田正彦君 悪い例を言いますけれども、今、国で2次的にやってる家賃補助金、あれは今現在で、2~3日前の統計だと思うんですけど、47万件あるうちで、実際処理できたのが12万件やと。そして、しかも2か月も待ってんねやと。そのうちに潰れてしまいますよというような。事務的な、たくさんの事務がいっときに集まってきたので、その煩雑さというのは想像はできるんですけれども、先ほども申し上げたように、申請した人は首を鶴のように長くして結果を待って、そして運よく頂ければいいですけど、駄目やったら、倒産してから結果が返事が来るようなことではならんと思いますので、皆さん、よく頑張ってくれてるという話は聞く反面、やっぱり一日も早く結果を知りたいというのが人情でありますんで、ぜひさらにパワーアップして、よろしくお願い申し上げておきます。
 最後の質問なんですが、赤ちゃんの誕生お祝い給付金についてなんです。
 これは知事の所見をお伺いするんですが、今回、国において、新型コロナウイルス感染症対策事業の一環として、国民に対して特別定額給付金1人当たり10万円頂きました。おかげで、紀の川市はプラス1万円で11万円頂いたんですが、既に国民のほとんどの皆さん方に行き渡ってると思いますが、生まれてくる赤ちゃんに対しては、国は4月27日までに生まれたことが条件になっている。私、この4月27日というのはよく確認してないんですけど、どういうことになったんかなあと思うんですが、4月28日以降に生まれた子供に対しては、国の何の手当てもありません。国の対応のことは国として、それじゃ我が和歌山県はどうなっているんでしょうか。同じ県の下に生まれ、誕生が1日遅れただけで、同じ県民として物質的に区別されることはあってはならないと思います。
 そこで、私もそんな熱い思いを持って悶々としていたんですが、6月現在で県内4市町、どことは申し上げませんが大きな市町です、4市町ですね、町も1個ありますから、4市町で4月27日以降の出産予定の妊婦さんに応援給付金として同額の10万円が支給されるということになったと聞きました。これはええこっちゃなあと個人的にも思ったんですが、それからしばらくの間があって、この9月議会になったときに、再度担当に調べていただいたところ、30市町村のうちで22市町がそれぞれの厳しい財政をやりくりしながら給付を決定しているとお聞きし、誰の思いも同じだなあと安堵しているところでありますが、給付を決定した市町によっては、それぞれの厳しい財政事情の中、多少その支給条件が違っています。お家の事情や地域性も加わって、ある意味では当然のことだろうと思うんです。
 人口1人増えることに、これだけ神経を使っていただいてるそれぞれの市町の長、議会、住民の方々に御理解いただいた。私は個人的にでも最大限の敬意を表したいと思ってます。
 現代社会の中で全国的に、今、テレビのメインニュースにもなっております、菅総理も言っておりますが、46万人の不妊カップルがいてる。そういう中で、昨今、保険で賄うようにしようということで国が考えているらしいんですが、今、保険でしようというふうに制度が決まっても実質は2年後になる、そういうことらしいんです。そんな中にあって、こんだけ子供ができにくい中にありながらでも、少なくても和歌山県で年間約6000人ぐらいの赤ちゃんが生まれてくれております。その一人一人は、それぞれの御家族やあるいは市町村の大事な大事な宝物であると同時に、また和歌山県の将来を託す大切な宝物であります。
 さきに述べましたが、市町はそれぞれの地域発展のため、例えば水道料金の減免、地域振興商品券、コロナ予防費等の数多くの対策を各市町の住民に対して頑張ってくれております。その中にあっても、さらにくどいようですが、22市町で新しい命の誕生のために対処していただいているんです。それを、表現は適当ではないかもしれませんが、和歌山県として傍観してていいんでしょうか。当然、県の出来事として対処すべきであると私は強く思っております。
 現下のコロナ対策については、県民の生活の安定、社会情勢、あるいは経済活動の復旧・復活のために、対策、対応は最大限すべきは当然のことであります。
 また一方、将来を託す赤ちゃんについても、県として統一した支給条件を整備して、対処して、県内どこで生まれても、その条件の範囲内であれば、区別されてはなりません。
 先ほど申し上げましたように、今現在で約5800何十人、約6000人近い赤ちゃんが生まれてきてくれております。既に制度までに、国が4月27日までに何百人かに支給していただいてますので、満額も必要ないと思います。6000人が5500人か、そうなってるかもしれませんが、最大限として6000人に10万円とすれば6億円ということになります。この6億円が高いか安いか。私は、将来を託す若人、多分、メモリアルな、世界中が困窮したコロナのこの渦中の中にあって、恐らく10年あるいは20年、成人式のときに、こんなときに生まれたんやな、生まれたんよ、それで、あのときの対応した借金に皆、私らが肩にかかるんよというような、本当に大変な時代を生き抜いてくれるであろうその子供たちに、何で県が、和歌山県として対処できないんでしょうか。してくれる気はあるんかどうか、私はこの質問するについて担当部局から何のレクチャーも受けてませんし、何のコンタクトも取っていません。僕、あえて今回、知事に直接そのお話が聞きたいがために、あえてお伺いしませんでした。ということで、この新しい県民の誕生に、県民こぞって祝福しようじゃありませんか、皆さん。
 知事の率直な御所見をお伺いいたします。
〇議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 率直に申し上げます。
 私は、現下のコロナ禍において、いろんな問題が出てくるんだけど、今、県庁で考えてる対策の一つとして、少子化対策の深刻化というのが大変大きくなるんではないかと。コロナで大変だからお医者さんにも行きにくいし、ちょっと子供をつくるのをやめようかというふうに思う人がいっぱいいるんと違うかなと。そうすると、せっかく合計特殊出生率なんかもちょっとよくなってきたんですけど、これがまた悪くなっていくんじゃないかというような、そういう気持ちがあるわけでございます。
 議員御指摘のように、市町村で出産お祝い金というのを結構ずっと前から出しています。これは多分二つの意味があって、一つは、お祝い金を出すから安心して子供をつくってくださいといって、少子化対策に有効だと思ってやってるところと、もう一つは、やっぱりお金も要るんだろうからそのお金で困ってるときは使ってくださいという二つの意味があるんだろうと思います。
 私は特に重視したのは前者のほうでございまして、何とかお金を渡してでも子供が生まれてくるようになるといいなというふうに実は思っておりまして、度重ねて県庁の中でそんな議論をしております。
 ただ、県庁の諸君もなかなか忖度をしてくれませんので、いろいろと大反論を受けるわけでございます。その議論を聞いてると、そんなもんじゃ、ちょっとぐらいのお金では、だからといって子供を産むようになるとは限りませんというのが基本的な反対であります。
 それで、そんなに高給取りではないんだけど職を持ってる若い人たちに、私はいつも、100万円ぐらいあげたら子供をもう一人産むかなあとか、そういうことをいろいろと聞いとるんでございますが、ちょっと自分の認識とは違ったんですが、ほとんどの人が「100万円ぐらい頂いても自分の生活設計を変えるつもりはありません」というふうにおっしゃって、「もちろん頂ければそれにこしたことはないんですが、だからといって子供をつくるわけではありません」というふうに言うとるわけでございます。
 1人、ひょっとして1000万円でもあげたら、ひょっとしたらつくってくれるのかもしれないんですけれども、1000万円はおろか100万円でも、それを例えば6000人というような多くの人に当てはめるとすると、物すごいお金になってしまいます。
 したがって、職員が言うように、取りあえずは困ってる人を助けるという政策を、市町村もやってるけれども、県も主導して大いにやっていこうよということでやってまいりました。
 例えば、定額給付金はそうでありましたが、それに若干の和歌山県なりのプラスアルファをつけさせていただきました。
 例えば、市町村では、さらに議員御指摘の妊婦への給付金とか、新たな追加給付金制度とか、経営支援とか、地域経済活性化のための市町内限定クーポン等の配布、あるいは水道料金、給食費の減免など様々なことをやっているということを承知しておりますが、県ではこれに加えて、生活困窮者への生活支援とか、収入が減少した方への住居確保給付金の、国もやりますので上乗せとか、あるいは甚大な影響を受けている地域経済への対応として、事業者の事業継続を強力に支援するため、全国に先駆けて実施している県独自の包括的な支援策、あるいは県内宿泊施設等の利用促進支援など広く県民に対する支援を行っているところでございまして、そんなような形で全体の家計を支えながら、さらに一番困っている困窮者の方々には社協の制度、これを使って取りあえずしのいでいただこうというようなことをやってきたわけでございます。
 ただ、これで十分かなあというようなことについては、いつも自省しているところでございまして、特に来年度の政策で、ひょっとしたらさらに少子化が進んで、えらいことになるんじゃないかという気もいたしますので、そういう意味では、ちょっと言い忘れましたが、保育料の無償化なんかもその流れなんでございますけれども、それだけじゃなくて何かほかにも対策をしなきゃいけないんじゃないかというようなことをまた検討して皆様にお諮りしたい、そんなふうに思っております。
〇議長(岸本 健君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
〇山田正彦君 知事のお答え、正直なところ、分かったんか分からんのか、私にはちょっと解釈が困るんですけど、そういう難しいというか、行政として当たり前のことをやるのは当然のことなんですが、先ほど何か職員の中でとんちんかんなことを言ったというような意見もあるという話なんですけど、これは私、この質問をするために、首長さんの何人にも聞きました。それから、10人、15人、もっとかもしれませんけど、「こういう、僕は思ってねやけど、どうやろうな」と言うたら、「そんなんは、それはこれにこしたことはないやん。それは喜ぶわよ。単純なことですけど、喜ぶわよ」と言うてくれて、私は私なりに和歌山県人として素直な心のぬくもりやら感動やらを持った常識で物を言ってると思うんです。ところが、そんなことに職員が何とかというようなことあったら私もちょっと心外なんですけど、そういう素直な心のぬくもりのある人たちが常識として、僕は大半の方が「こんな、おまえ、そんなばかなこと、やめとけ」と言うような者は誰もいない。常識ではないかな。
 ただ、今、知事が申されたように、頭の構造が違いますので、知事の常識とひょっとしたら私の常識が大きくかけ離れてるかも分かりませんけど、常識ということは一般社会通念ということですから、大概の普通の人の思ってることが常識ではないかなと思うんです。その中で、本当にいろんな手当てはせなあかんというのは分かるんです。分かるんやけども、このコロナのこの大切な、恐らく将来、リーマンショックやらオイルショックやらというに伍してというか、それ以上に記念になる、メモリアルな年になる、その年に生まれたときに、その子供たちに、差別といったら言葉が過ぎるか分かりませんけど、そういうもらった者、もらってない者の区別がつくということについては根本的な問題ではないかなと、そう思うんです。
 だから、いろんなこと、それは県は大変だと思うんです。その大変さは同じく、でも先ほど申し上げたように、22市町の市長さんからも、あるいは議員の皆さん方からも、関係者の方々も一生懸命頭をひねっていただいて、そして何とかその資金を出した結果が、こういうふうに22。残念ながら8市町村については現在どういうふうに対応されてるか、今現在、分かりません。お金もないことだろうしと思ってますけども。それがもし県からくれたら、今まで支給した市町村、ある市長、「そうか。そんなええ話あるのか。それやったら欲しいわ。その支給した金で、また別の町民に対していろんなこと、市民に対してしてあげられるよ。うれしいよう」という素直な感想を聞いてるんですよ。
 だから、それで言葉は僕、こういう単純な男ですから角が立つような話になっても申し訳ないと思うんやけど、こんな単純なことをまず県が率先してすれば、世界の仁坂知事、メモリアルな、マスメディアに言われている世界の知事たる和歌山県の仁坂知事である、その姿を見せていただきたいなあと思うんですけど、もう一遍、その覚悟があるかないか、お伺いします。
〇議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 先ほど、職員のことを悪くおっしゃいましたが、それは間違いだと私は思います。
 これは、やっぱりみんなで議論をしなきゃいけないことなんで、それぞれ理屈を持って堂々と議論をするのはいいことなんでありまして、私が「みんなにお金を配ったらどうかね」と言ったら、「それは駄目」と言ったのは、それは職員がとんでもないことを言ってるというふうにおっしゃったのは、それはちょっと心外。したがって、みんなで議論をしながら理屈を言うというのはいいことだと、これは私は常識だと思います。
 その上で、実は、喜ぶか喜ばないか、議員はそういうふうにおっしゃいました。もらったほうの方、これは喜ぶに決まっております。私ももらったらうれしい。それから、市町村の方々は、県が、ちょっと露骨な言葉を言いますが、肩代わりをしてくれたらうれしいに決まっている。これは若い人たちに対する、子供に対する医療費補助のときによく出てくる話なんでございます。
 しかし、それは後者のほうからいいますと、基本的にそれぞれの市町村が住民との間でどういうことをやろうとしているかというのはそれぞれの市町村がお決めになることで、全部が同じレベルでなければいけないというのは、これを言ってしまうと、それこそ市町村も要らないし、県が全部やるということになってしまって、私はそれはあんまりよろしくないんじゃないかと。県は自分で考えたことをやり、そして市町村はそれぞれ、それを補完しながらも協力しながらも独自色をどんどん出していく、というふうに思ってるわけでございます。
 それから、前者のほうについて言うと、これは私は効果があるかどうかということをやっぱり注視したいというふうに思います。喜ぶか喜ばないかで考えると、何となく人気が出て、世界の何とかと言われたりして、よろしいんですけれども、しかし、やっぱり県の財政もあるし、それから県民全体に対するバランスということもあるので、効果があることをしたいなあと私は思ってるわけです。
 そういう意味で、人口が増えるならば、これはみんな喜んでもらえる話だから思い切って、お金なんかはあまり言わないで断行したらいいというふうに思うのでございますが、そういう気持ちもあるんですけど、しかし、どうも効果がないかもしれんなあと思うので、みんなにお祝い金をどんどん配るというのが逡巡されているということをさっき申し上げたところでございます。
〇議長(岸本 健君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
〇山田正彦君 私は、今までも、これからも、知事はよくやってくれるなあと個人では思ってます。尊敬もしてます。でも、この件について、言葉はほんまに悪くてごめんなさいよ、へ理屈を言うよりもまず県民に生まれてくれてありがとうという素直な、県民の素直な気持ちを表現すべきだと思うんですよ。その点で、もうこれ以上言っても平行線になると思うんで、今後、知事も、私は個人的には知事を尊敬もしますし御支持しますけど、この件についてはいささか納得がいきません。また何かの機会に、これを県民、私が知る限りの市民に訴えて一遍評価いただこうかなあと、そういう思いでありますんで、これで私の質問を終わります。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、山田正彦君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 28番山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕(拍手)
〇山下直也君 皆さん、こんにちは。ただいま議長のお許しをいただきました。自民党県議団、山下直也であります。
 16日から始まりました9月定例会の一般質問も、私で最後となります。先輩・同僚議員の皆様、また知事はじめ県当局の皆様、連日の御精励にて大変お疲れとは存じますけれども、あとしばらくの間、お付き合いをいただきたいと思います。
 1年ぶりの一般質問となります。今回は、5項目上げさしていただいております。少し長くなります。大変申し訳ないんですけども、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
 また、一つ御報告をさしていただきます。今日、私の一般質問のこの項目に関する分野で、医療関係の先生方、また高齢者施設、各団体の役員の皆さん方が傍聴に来ていただいております。ここで御報告をさせていただきたいと思います。
 さて、さきの令和元年9月定例会では、県民の皆様の命を守る、このことをテーマに深刻な社会問題等について当局の見解をお伺いしたところでありますが、その時点では予想もしておりませんでした新型コロナウイルスの感染拡大が、この国のみならず、今、全世界を揺るがしております。
 このような先行きの不透明な時代ではありますけれども、テレワークというものが進み、働き方の改革が進展するなど、新しく、そして望ましい動きも見られます。
 今回は、新型コロナウイルス感染拡大による県の取組に対する影響等についてお尋ねをするとともに、IR誘致に関することなど、コロナからの再生を図る未来に向けた動きをテーマに一般質問を行ってまいりますので、当局におかれましてはどうか誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
 では、質問に入ります。
 1項目め、がん対策についてであります。
 これまでもこの場で何度も申し上げてきたことではありますが、議員提案の和歌山県がん対策推進条例の制定に、私は座長として関わりを持つことができました。自分の活動の中で、この和歌山県におけるがん対策を最重点事項の一つとして取り組んできたところであります。
 条例制定に当たりましては、本県においてがんは県民の死亡原因の第1位の疾病であり、当時、肺がん、胃がん等の死亡率が長年にわたって極めて高い状況にあるという憂慮すべき現状に鑑み、県を挙げてがんとの闘いに取り組まなければならない、そういう状況であったと思います。
 そこで、県議会の全会派から選出された15人の委員で、平成23年12月16日に第1回の検討会を開催をさしていただきました。以来、計10回の検討会において議論を重ね、平成24年12月定例会において全会一致で議員提案のこの条例は可決をされました。
 当時、私は議長の重責も担っており、大変多忙な日々ではありましたが、がん患者を含む全ての県民が生き生きと生活することができる、そんな地域社会を実現する第一歩を踏み出した喜びとともに、がん対策に関してできることは全てやるの信念の下、予防、治療、そしてがん発症後の経済的不安の軽減など、あらゆる段階でがん患者、またその家族の不安をどう取り除けるのか具体的に取り組んでいくと、そう心を新たに誓ったことを記憶をいたしております。
 その誓いを行動に移すため、私はこれまでも県議会での一般質問において、がん対策を数回取り上げてまいりました。
 まず、条例制定から1年後の平成25年12月定例会では、啓発、重粒子線や陽子線等粒子線治療及び緩和ケアについての質問を、平成26年12月定例会では、がんの予防、早期発見の取組、人材の育成、ホウ素中性子捕捉療法──いわゆるBNCTのことであります、その整備について、また、平成27年12月定例会では、予防と早期発見、がん医療、緩和ケア、がん登録、先進医療について、さらに、平成29年9月定例会では、第2次和歌山県がん対策推進計画の全体目標の成果について、平成30年6月定例会では、第3次がん対策推進計画の目指す目標について、令和元年6月定例会では、がんにかかった方々が自分らしく働き続けられる、そういう環境整備について、そして、令和元年9月定例会では、治療と仕事の両立のための企業経営者の理解と協力を得るための取組と、そして先ほども申し上げましたBNCT、その導入について、当局の考えをお尋ねしてきたところであります。
 前置きが少々長くなりましたが、今回のがん対策につきましては、主に予防の観点から何点かにわたり質問させていただきたいと思います。
 まず1点目であります。
 検診受診率向上の取組等についてお伺いをいたします。
 がん対策を進めるに当たって、検診の受診率の向上は重要であります。先ほど申し上げたとおり、これまでの一般質問でも、受診率向上のために検診対象者全員に受診を呼びかける個別通知による受診勧奨、がん検診と健康診断の同時実施や土日開催など、働き盛り世代や主婦層が検診を受けやすい環境づくりについて市町村への働きかけの実施、以前この場で提案をさせていただきましたが、ピロリ菌検査や肺がんCT検診などの実施について当局から取組の状況をお伺いしてきたところでありますが、今回は和歌山県がん対策推進条例制定時からの検診受診率の推移と受診率向上の取組について、まずは福祉保健部長にお伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) ただいまの山下直也君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長宮本浩之君。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) がん検診につきましては、従来のテレビ、ラジオを活用した広報や県内事業所に対するパンフレットの配布など、広く受診に関する啓発に取り組んでまいりましたが、より効果的な個別受診勧奨を推進するため、平成25年度から市町村に対し、対象者個人に向けた受診案内への支援や、平成28年度から受診行動を促すための分かりやすい啓発資料の提供など、受診勧奨の取組を行ってきたところです。
 また、がん患者や支援者らが行うイベントでの啓発をはじめ、県立図書館におけるがん関係図書の充実、さらには、がん患者の体験談による講演会の開催や県民の友を活用した定期的ながん特集の掲載など、様々な機会を捉え、検診による早期発見の重要性を県民に周知しております。
 これらの取組により、国民生活基礎調査による本県における69歳以下のがん検診の受診率は、条例制定前の平成22年と令和元年を比較すると、胃がんでは平成22年の28.5%から令和元年の46.2%となり17.7ポイントの増加、肺がんでは平成22年の21.3%から令和元年の44.4%と23.1ポイントの増加、さらに大腸がんでは16.4ポイントの増加、子宮頸がんでは6.2ポイントの増加、乳がんでは6ポイントの増加など、全てのがん検診において受診率が高まってきております。
 しかしながら、受診率は着実に向上しているものの、なお全国平均を下回っていることから、今後、心理的な特性に働きかけ、受診を促す新たな手法の取組や、スマホ等で簡単な検診予約の仕組みを導入するなど、さらなる受診率の向上を図ってまいります。
〇議長(岸本 健君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
〇山下直也君 ただいま御答弁をいただきました。
 検診受診率が順調に上昇してると、このことは大変喜ばしいことではありますが、国民生活基礎調査における受診率というものがあります。ここに持ってきたわけでありますが(資料を示す)、若干ではあるんですけれども、残念ながらまだ全国平均を──各部位を示したがんの表があるんですけども──まだ下回ってるという、そういう状況にあります。特に、死亡率が高く、受診率の低い大腸がん等は早急に対策を講じなければならない、こういうことであると思います。今後も実効性のある取組を再度お願いしたいと思います。
 2点目であります。
 新型コロナウイルス感染拡大による検診への影響についてお伺いをいたします。
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、市町村によっては集団検診の受入れを中止せざるを得ないという状況になったと聞いておりますが、緊急事態宣言解除後の市町村における検診の状況について、福祉保健部長にお伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君)  コロナ禍における健康増進事業や特定健診等の各種健診については、本年4月、厚生労働省から、新型コロナウイルスの感染拡大時においては必要に応じて延期等の措置を取るよう指示がなされたところです。
 これを受けて、がん検診の集団検診は緊急事態宣言の対象地域において原則として実施を延期とされたところですが、緊急事態宣言の解除後は、地域における感染状況や感染拡大防止策の対応状況を踏まえ、実施方法や実施時期等を判断し、関係者や実施機関等と相談の上、実施することとされました。
 本県では、集団検診については、国の通知に従い、4月16日に緊急事態宣言が発出された後、延期としておりましたが、5月14日の宣言解除以降、県内の市町村において順次実施が再開されており、9月1日時点において、9市町村では延期や中止を予定しているものの、21市町では十分な感染症対策を講じた上で再開、実施されております。
 一方、個別検診については、医療機関において予約制等により、いわゆる3密を避けられる感染対策がなされていることから、一部の市町村では延期や変更があったものの、現在、全ての市町村において実施されているところです。
 県としましては、検診の受診控えによりがんの早期発見の機会を失うことのないよう取り組むことが必要であると考えており、今後も市町村による効果的な受診勧奨の取組を支援するとともに、検診による早期発見の重要性について、様々な啓発の機会を捉え、県民に対し周知してまいります。
〇議長(岸本 健君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
〇山下直也君 9月16日と、また9月19日、この2日間になりますけど、読売新聞に垣添日本対がん協会会長の講演の内容が掲載されておりました。
 ここに持ってきたんですけれども(資料を示す)、垣添会長さんによれば、「協会が全国で実施しているがん検診の受診率が今年3月から大幅に減っている。がんの発見が遅れ、亡くなる人が来年ぐらいには増えてくるのではないか」とのことでありました。
 部長の答弁で、多くの市町村において計画どおり実施されているとのことでありますが、当局として今後のこの状況もまた注視をしていただきまして、がんで亡くなる方が増加することのないよう対応いただきたいと思います。
 3点目に入ります。
 今回新たに子宮頸がんワクチンについてお伺いをいたします。
 がんを予防するためには検診が効果的であることは言うまでもありませんが、ワクチンにより予防できるがんもあります。その一つが、子宮頸がんであります。
 子宮頸がんは、女性の子宮の入り口部分にできるがんで、性交渉によるヒトパピローマウイルス、いわゆるHPVウイルスへの感染が原因であると分かっており、年間約1万人以上が罹患し、約3000人の人が命を失う、そう報告がありました。特に20代から40代の若い女性の罹患率が非常に高く、治療に伴う疾病負荷や妊よう性への影響は大きな問題であります。
 このワクチンは平成22年度から国事業による市町村における任意接種として開始され、平成25年4月1日からは予防接種法による定期接種に位置づけられておりましたが、接種との因果関係を否定できない副反応事例が複数報告されたため、平成25年6月14日に、国から、当該定期接種の接種対象者への市町村からの個別勧奨を差し控えるよう地方自治法に基づく勧告がなされ、ワクチンの接種希望者が大きく減少したことは言うまでもありません。
 しかしながら、その後、研究が進み、HPVワクチンを12歳から13歳で接種している諸外国では、その後の子宮頸がんにかかる女性が着実に減少しているとの成果が出ているという報告もあります。
 このような中で、今年1月31日、国において、第45回──これ、ちょっと長いんですけどね──厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和元年度第13回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が合同開催され、HPVワクチンについても情報提供の目的及び今後の方向性についての議論が行われました。
 公益社団法人日本産科婦人科学会のホームページ掲載記事によれば、HPVワクチンは公費によって接種できるワクチンであり、接種について検討、判断するための有効性、安全性に関する情報等や、接種を希望した場合の円滑な接種のために必要な情報を接種対象者及びその保護者に届ける必要があることが確認され、また、国としてHPVワクチンのリーフレットの改編を行う予定であることが報告され、さらに、各自治体において接種対象者及びその保護者に対する情報提供を、居住する自治体にかかわらず行われるよう、予防接種法施行令第6条の周知の一環として実施する方針が了承されたとのことであります。
 積極的な勧奨とならないような範囲ではあるものの、各自治体にHPVワクチンに関する個別の案内が求められるようになるものと思われます。
 この国の流れを受けて、周知に取り組んでいる自治体の状況を調査するため、志を同じくする岸本議長、また川畑議員とともに本年7月21日に岡山県庁を訪問、関係者の方々と意見交換を行ったところであります。
 さらに、8月6日にも、岸本議長、川畑議員とともに、先日、厚生労働副大臣に就任をされました三原じゅん子参議院議員及び富山県議会議員で産婦人科医の種部恭子議員とオンライン会議を行い、HPVワクチン接種に係る意見交換を行いました。
 三原副大臣は、「今、私のところに若い女性から『接種できたのに、なぜ通知をくれなかったのか。知らなかったじゃないか』という相談をたくさん受けている。彼女たちは別に無理やり接種をしてほしいと言っているわけではなくて、自分の体、自分の命を守るために、自分自身が接種するかどうか決定できるようにしてほしいと言っているのであり、その環境を整えるのが行政の役割だ」とおっしゃっておられました。
 また、富山県議会の種部議員は、「積極的勧奨は止まっているが、市町村の方々が個別通知を対象者に送付するのは予防接種法における市町村長の責務ではないか」ともおっしゃっておられます。実際、富山県においては、本年4月から、15市町村のうち、14市町村が個別の通知を実施しているとのことであります。
 三原副大臣からは、国においても周知用のパンフレットの内容の検討を行っているとお伺いいたしましたが、作成されるまで時間がかかるということで、富山県では、富山県医師会、産婦人科医会及び小児科医会が一緒になって新しいリーフレットを昨年独自に作成し、富山市のほか、幾つかの市町村はそのリーフレットを使用している、そういうことであります。
 確かに副反応等の事例につきましては注視していかなければなりませんが、がんに罹患してから、ワクチンがあると知っていれば接種したのにということのないように、県民の皆様に情報提供を行っていくことも大切ではないでしょうか。
 実際に、和歌山県議会・岸本議長に対し、また自民党の県連のほうに対し、和歌山県医師会及び産婦人科医会から、和歌山県全域のHPVワクチン接種対象者及び保護者への個別案内、周知活動再開に係る要望をいただいているところであります。
 そこで、子宮頸がんリスクに備えるため、予防接種法施行令第6条による周知の一環として、この個別案内、周知活動再開に関する当局の考えを知事にお伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 子宮頸がんワクチンは、発がん性リスクの高いウイルス感染を防ぎ、そのことにより子宮頸がんの原因の約50%から70%を予防するとされておりまして、私も随分前ですが、就任早々、これを熱心に推進している方々からお話をお聞きしまして、県としてもいいことだからぜひ応援しようということで、国に対してこれを国としての医療行為、それの中にきちんと組み入れてくれるようにお願いをしに行ったこともございました。
 このためかどうか知りませんが、国は、平成25年4月、ワクチン接種を子宮頸がんの予防効果が高いとして定期接種に位置づけたわけでございます。早速始めたんですけれども、ワクチン接種との因果関係を否定できない持続的な疼痛や運動機能障害などの重篤な症状が出現した例が複数報告され、全員ではもちろんございませんが、全体の中では少ないけども複数報告されたということで、平成25年6月、積極的な勧奨を差し控えるように決定したわけでございます。
 私も、よかったよかったと思ってたら、直ちに新聞にいろんなものがばんばん出まして、それでこれはどうしたことだというふうに思ったわけでございます。国の決定を受けて、現在、県内のほとんどの市町村では、接種の判断をする上で必要な情報であるワクチン接種の有効性と副反応のリスクなどを盛り込んだ個別通知も積極的な勧奨に当たるという判断から、通知を控えている状況にあります。
 県では、そういう状況にありましても、正しい情報は出したほうがいいというふうに思っておりまして、接種対象者やその保護者がワクチン接種について十分に理解した上で、接種を受けるかどうかの判断がなされることが重要であるという考えから、正しい認識を促すためにホームページなどで情報提供を行ってきたところでございます。
 ただ、この問題、よく考えたら、大変難しい問題をはらんでおります。
 先ほど御指摘のありましたコロナに対する感染予防と、それから一方、がんなどの基本的な疾病の予防のための検診、こういうものがどうも矛盾するというところがありますが、その例で言えば、これはリスクは今のリスクですから、それぞれリスクを考えれば検診を受けたほうがいいに決まっとると。コロナはめったにうつらないわけですから。そういうふうに簡単に答えは出ると思いますけれども、この問題は、まず、がんになると大変だという、そのリスクは大変大きいわけですが、そのがんになるのは大分子供が大きくなってからでございます。一方、副作用が出て痛みが出るというのは、すぐ出てしまうということで、保護者の方々からとってみると、このリスクをどう考えるかというのが、子を思う親なればこそ余計悩んでしまうというところはあるなあと、これ、一番難しい問題だなあというふうに思うわけであります。
 そうはいっても、ホームページに載ってるから見といてくださいねというんでは、やっぱり済まないと思っております。
 今般、国の専門部会においても、御指摘のように、これまで多くの市町村が控えていた接種対象者やその保護者に対する個別通知を周知の一環として実施することが了承されました。そういうことから、和歌山県医師会、和歌山県産婦人科医会及び和歌山小児科医会が個別通知の必要性を訴えているということも承知しております。
 県では、現在、積極的勧奨を控える前に比べ、ワクチン接種者が大きく減少している状況があります。そういう状況を踏まえ、必要な情報を、ホームページに載せてるというだけじゃなくて、より丁寧に伝えることが重要であると考えておりまして、実施主体である市町村と協議しながら、対象者に個別通知を行うよう働きかけ、希望者が適時に──希望者がですが──接種できるように取り組んでいきたいと考えております。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
〇山下直也君 知事、どうもありがとうございました。
 今、傍聴で拍手もあったりされますけれども、我々、実は自由民主党県議団もこの件に関してさらに理解を深めようということで、先週の18日だったと思いますけども、県立医科大学から井箟先生をお招きして勉強会を開催いたしました。
 接種対象の方や保護者にとって一番不安なことは、やっぱり今、知事が言われてましたように、情報がないということであります。接種するかしないかという判断材料が欲しいという保護者の方の御意見も、私の元にも寄せられているわけであります。
 また、個別通知の際に必要なことは、ワクチン接種による子宮頸がんの予防効果と接種後に起こり得る症状を分かりやすくお伝えするということであります。
 どのような内容を個別通知に盛り込めばよいのかにつきましては、本日、この本会議に傍聴にお越しをいただいております県医師会や産婦人科医会の先生方、濱田理事長先生が今日お見えだと思うんですけども、関係者の皆さん方とも協議をしながら、「ワクチンがあることを知っていれば接種したのに」という声をなくしていくためにも、県当局におかれましては個別通知を行うよう、市町村への働き等をお願いを申し上げます。
 次、2項目めであります。介護施設の運営についてお尋ねをいたします。
 新型コロナウイルスの感染拡大により、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保といった感染防止のための配慮が我々の間に定着してきておりますが、医療や介護の現場では、どうしても密接は避けられません。
 介護入所施設の職員の方にお伺いしたところ、もともと入所施設の利用者は免疫力が落ちている高齢の方々であり、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症を持ち込まないよう日頃から取り組んでいましたが、新型コロナウイルスが感染拡大してからは、自分たちが感染源になってはならないため、感染防止のために以前より何倍も気を遣っているとのことであります。
 このように、ふだんの生活から感染防止に気を遣い、もともと人手不足のところへ感染拡大防止対策等の仕事が増えて、職員の方々は大変疲弊をしておるわけであります。人との密接が避けられないサービスゆえ、一たび感染者が出ると偏見の目で見られることもあり、職員の方々はふだんの生活でも人との接触を極力避けるような、そういう配慮も行っているとのことであります。
 介護現場は、このような職員の皆様一人一人の御尽力があって成り立っていると私たちはもっと認識しなければならないとともに、言葉だけでなく、その献身的なサービスに報いていく必要があると思います。
 そのような介護現場の職員さんの安全の確保やさらなる処遇改善をしなければならないことは当然であり、このことに関しましては、今日は午前中でしたか、長坂議員が一般質問を行ったところでありますが、新型コロナウイルス感染拡大による利用控え等で、施設そのものが経営混乱に陥っているという声も聞きます。
 そこで、新型コロナウイルス感染拡大による介護現場の窮状を支援するため、県としてどのような取組を行っているのか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君)  新型コロナウイルスについて、高齢者は感染した場合に重篤化するおそれがあり、また、集団生活する介護施設等では集団感染のリスクがあるため、県としてもより慎重な対応を要請し、介護施設等も適切な対応を行ってきたところです。
 こうした状況を勘案して、県では、現在、国の緊急包括支援交付金を活用し、介護施設等における消毒液、マスクなどの衛生用品の備蓄や感染拡大防止のための環境整備を支援するとともに、新型コロナウイルスの対応に御苦労された介護施設等に勤務する職員の皆様に対し、慰労金の支給を行っているところです。
 さらに、新型コロナウイルス拡大により、一定割合以上の収入減となった事業者に対し、国の持続化給付金をはじめ、県内全業種を対象に県独自の事業継続支援金や県内事業者事業継続推進事業を創設し、経営が逼迫する事業者があれば、各種支援制度の活用に対し相談に応じているところです。
 加えて、県では、感染者が重篤化しやすい介護施設等の特殊性に鑑み、感染管理の専門家である感染管理認定看護師の方々の協力をいただきながら、介護施設等における感染予防対策の基礎知識、施設のゾーニング手法や防護用具の使用方法などの基礎研修や施設での実地アドバイスを行うことにより、施設の感染症対応力の向上と新型コロナウイルス感染の高リスクに対応している職員の資質向上に努めてまいります。
 今後も、施設の動向を見ながら、感染拡大防止に的確に対応してまいります。
〇議長(岸本 健君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
〇山下直也君 ここで、部長、ちょっと要望させていただきたいと思います。
 質問の中で、介護現場の人手不足のことに触れました。新型コロナウイルス感染拡大による利用者減などによる経営への影響を軽減してくれる国や県の支援は大変心強い限りでありますが、もともと介護施設の経営は、人材不足への対応等により大変厳しい状況にあります。特に、病院からの退院後、直ちに在宅生活に移行できない方を対象とした介護老人保健施設は、医師や看護師の医療的な管理のほか、理学療法士などによるリハビリなどのサービス提供が必要なため、多様な人材を確保する必要があるわけでありますが、自らの施設で人材育成したにもかかわらず、特に大阪府に近接している岩出市、紀の川市などの老人保健施設は、給料の高い大阪府内、こちらのほうに同様の施設があるわけでありますけども、転職されていくというケースがあるわけです。
 これには介護保険の地域区分の問題というものが絡んでいることは承知をいたしておりますけれども、介護のみならず様々な職種で、そもそも給料の格差がある大阪と和歌山が、交通網等の整備により人材流出の憂き目に遭っていることは、誠に遺憾であります。
 特に高齢者の方々の早期の社会復帰を担っている老人保健施設が人材の確保に苦慮していることは、健康寿命の延伸に大きな影響を与えるものと考えます。
 コロナ禍に対する支援と併せ、老人保健施設の人材確保に係る支援につきましても御検討いただきますよう要望して、介護施設の運営に係る質問は終わります。
 次、3項目め、新型コロナウイルス感染拡大による学校教育への影響についてであります。
 令和2年8月3日発行の和歌山市立少年センター広報誌「少年センターだより」における市立教育研究所の岡本所長の寄稿文を拝読いたしました。
 岡本所長によると、一斉休校後、文部科学省からは、学校内の衛生管理マニュアルが公表され、子供の健康を守るための新しい生活様式の取組が進められておりますが、子供たち、特に小学校低学年の児童に、友達との距離を保つことやマスクの常時着用を先生が指導しても、なぜそうしなければならないのかが分からない子供にとっては苦痛に感じるのではないでしょうか。そのようなものでありました。
 また、今回の長い休校により、テレビをつければ新型コロナウイルスの情報にさらされ、不安になり、ふだんと違う対応を迫られ、友達と会ったりできないためストレスをためている子供が多数いると想定されます。学校が始まって解消される部分も多いでしょうが、そのストレスを学校で発散しようという子供が出るかもしれません。
 集団の中でのストレスが高まることにより、いじめが発生することも多いと言われます。実際、東日本大震災による長期休業明けにいじめが増加したという報告もあったと聞いております。
 このような状況で、現場を預かる先生方は本当に大変であると思いますが、子供たちのちょっとした変化を見逃さない細心の注意が求められていると考えます。
 そこで、学校再開後の新しい生活様式に対応した取組の状況と、特に粗暴になったり話さなくなったりなど、ちょっとした変化が子供たちに現れた場合の心のケア等の取組について、教育長にお尋ねをいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 学校再開後の取組と児童生徒の心のケアについてでございます。
 子供にとって、学校が友達と一緒に安心して学べる、信頼できる先生がいる場であるということは、新型コロナウイルス感染症にかかわらず大切なことです。
 新型コロナウイルス感染症の感染防止、今後の共生社会を考えた場合、新しい生活様式は極めて重要です。各学校では、特に小学校低学年から保護者の協力も得ながら、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗い指導の徹底等について、発達の段階に合わせて分かりやすい言葉で粘り強く丁寧に伝えています。
 ただし、単にルールとしての実践だけではなく、子供たち自らの健康はもちろんのこと、周りの友達や家族の健康を守るという、相手を思いやる気持ちも同時に育み、心の発達を促すことが大切であり、そのことを学ぶ好機であると思います。
 学校では、不安や悩みを感じている子供のサインを見逃さないよう児童生徒の様子を注意深く観察したり相談に乗るなど、丁寧な対応に努めてまいります。その一助として、県教育委員会においては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門スタッフを追加配置するなど、相談体制の充実を図り、児童生徒の心のケアに努めてまいります。
 今後も、感染の防止に努めるとともに心の成長を図り、安全で安心した学校生活を送れるよう努めてまいります。
〇議長(岸本 健君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
〇山下直也君 2点目、県立高校入学者選抜に係る対応について、教育長にお伺いをいたします。
 8月11日の読売新聞によれば、全国の公立高校の一般入試で、21都道府県が出題範囲の縮小や、受験生が答える問題を選べる方式の導入を決めているとの報道がありました。この記事においては、和歌山県は未定と回答しておられます。
 教育長は、さきの6月定例会において、他会派の杉山議員の質問に対し、最も優先すべきことは、子供の将来にわたっての学力の基盤を保障することであり、入学者選抜の出題範囲を縮小すると、その単元の勉強がおろそかになってしまう。学びの本質とは何かを慎重に考える必要があると答弁をされました。おっしゃるとおりであると思います。
 さらに、教育長は、このような観点から、現中学3年生には、夏季休業期間の短縮により授業時間を確保し、生徒に過度な負担をかけることなく、中学3年間で学習すべき内容を卒業までにきちんと学べるよう計画をしている。さらに、教員の増員分や学習指導員などを中学3年生の指導に充てることにより、きめ細やかな対応をしていくとおっしゃいました。誠に心強い限りであります。
 様々な対策を講じてこられ、現場の先生方も全力で取り組んでいただいていると思いますが、生徒の理解度に合わせた対応が何より重要であると考えます。
 そこで、県立高校入学者選抜に係る対応について、中学3年生に対する指導の状況と、それを踏まえての入学者選抜に対する考え方を教育長にお伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 県立高等学校入学者選抜に係る対応についてでございます。
 各学校では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による学習の遅れを取り戻すため、教育計画の見直しを行い、長期休業期間を短縮して授業時数を確保するなど、様々な工夫をした取組を行っています。また、学習指導員の活用など、子供たちへのきめ細やかな学習指導を行っています。市町村教育委員会を通じた調査により、これらの取組で、県内全ての中学校が卒業までに学習内容を無理なく修了できる見通しであると把握しています。
 義務教育段階においては、子供の将来にわたっての学力の基盤を保障し、学習すべき内容をきちんと学ぶことが大切であるという考えに変わりはありません。現時点での中学校の学習状況を踏まえ、県立高等学校入学者選抜の学力検査は、出題範囲を削減することなく実施する予定です。
 今後も、新型コロナウイルス感染症の感染状況を注視しつつ、市町村教育委員会と連携し、適切かつ柔軟に対応してまいります。
〇議長(岸本 健君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
〇山下直也君 教育長、どうかよろしくお願いいたします。
 4項目めに入ります。これからの県立高校の在り方についてお尋ねをいたします。
 この件に関しましては、本定例会において、既に我が自由民主党県議団の佐藤議員、山家議員、そして、他会派でありますが藤本議員が一般質問を行っているところであり、私からは、先日公表されました第6期きのくに教育審議会の答申について、これまでの県立高等学校の再編整備において気になっていた点を確認した上で、幾つかお伺いをいたします。
 1点目であります。普通科系専門学科の在り方についてお伺いいたします。
 普通科系専門学科については、理数系や人文・国際系における研究指定で中心的な役割を担うことにより、学校の特色化に寄与したことは理解をいたしますが、向陽高校の文化科学科、桐蔭高校の総合人文科及び数理科学科、和歌山市以外では、橋本高校の情報理数科、粉河高校の人文探求科等、過去多くの高校で募集停止となっており、また、存続が困難な学科があるとの課題が指摘をされております。
 答申では、「これまで本県が培ってきた普通科系専門学科の取組や成果を踏まえて、普通科教育の特色化を進めることが必要であるため、新たな学科等を考慮しつつ、普通科系専門学科の今後を検討するべきである」とされておりますが、先ほど述べた募集停止の状況等を見ますと、普通科系専門学科の今後は憂慮すべき状況であると考えますが、いかがでしょうか。
 そこで、普通科系専門学科のこれまでの取組や成果と今後の在り方について、教育長にお尋ねをいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 普通科系専門学科は、普通科教育を行う学校において、理数系や人文・国際系などの特色化を図る目的で設置され、通学区域や推薦入学の制度も追い風となって、明確な目的意識や高い志を持つ生徒の進路目標の実現等に一定の成果を収めてまいりました。
 また、近年では、県立中学校との一貫教育における後期中等教育を担い、学科の特性を生かした授業を展開するなど、生徒の持てる力を一層伸ばす上で重要な役割を果たしています。
 県教育委員会といたしましては、成果や果たす役割が大きい学科については引き続き充実を図る一方、入学者選抜制度の変更や普通科志向の高まりなどにより、志願者が大きく減少している学科、その役割を果たせなくなった学科については今後の在り方を検討していく必要があると考えています。
〇議長(岸本 健君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
〇山下直也君 2点目、総合学科の在り方についてお伺いをいたします。
 総合学科につきましては、生徒自らの適性や希望に基づいて学ぶ内容が選択できるため、主体的に学ぶ姿勢や社会的成熟度を高めることが期待できる。また、柔軟な科目選択や少人数指導も可能となることから、芸術等の専門性を磨きたいという希望や、高等学校で学び直したいという希望とも親和性があることも理解いたしますが、全ての総合学科を有する高等学校が小規模化の一途をたどっている現状にあります。
 答申では、「今後、本来の機能を発揮できる規模を有した拠点校を和歌山市に整備するとともに、その他の地域においては、再編整備された統合校の一部に総合学科の教育システムを活用することで、総合学科の学びを必要とする生徒がそのメリットを享受できるよう考えていく必要がある」とされていますが、開設科目の多様性と授業内容の高い専門性の担保が必要な総合学科が、その他の地域における統合校の一部でどのように機能を発揮されていくのか、少し分かりにくいのではないかと考えます。
 生徒がメリットを享受できる総合学科について、今後の本県における方向性を教育長にお尋ねをいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 総合学科は、自ら科目を選択することにより、個々の能力や進路希望に応じた学習が可能となることや、少人数での学習に適していることなど、多様性や柔軟性にその特色があります。
 また、今回の答申では、専門学科としては成立し得ない芸術系の専門的な学習や、学び直しのための学習を行う場として、有効に機能することも改めて確認されました。
 本県においては、課題のある学校に総合学科が設置され、これらの特色がうまく機能して成果を上げてまいりましたが、近年の生徒数の減少により、設置された4校全てで小規模化が進んでいます。
 答申では、今後、和歌山市に、一定規模を有し、本来の機能を発揮できる拠点校を設置することと、その他の地域には、再編整備された高校の一部に総合学科システムを取り入れていくことが示されています。
 和歌山市以外では小規模な総合学科となりますが、総合学科の特色ある多様性や柔軟性を生かすことにより、少人数学習や学び直しへの対応が期待できます。
 また、ICTによる遠隔授業等を活用することにより、福祉、農業など地元産業に関連する科目や、単独校では開講が難しい選択科目の開設等も可能になることから、個々の教育的ニーズに対応した総合学科教育が展開できるものと考えています。
〇議長(岸本 健君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
〇山下直也君 次の質問に移ります。
 今お伺いいたしました普通科系専門学科と総合学科については、これまで県教育委員会が力を入れてきた取組であったかと思います。私も数多くの教育委員会の取組を注視してきた中で気にしていたところであり、また答申にも記載されていたので、質問させていただきました。
 次の質問なんですけども、大局的なことについてお伺いいたします。
 今回の答申では幾つかの課題が指摘されていますが、県教育委員会としては、これまでの取組をどう総括しているのでしょうか。今、改革を始めようとしておられますが、これからやろうとしていることは過去の取組のどういう総括の上で成り立っているのか、その点を教育長にお伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) これまでの取組の総括についてでございますが、県教育委員会では、これまで時代の変化とともに、社会に対応した教育システムを構築してまいりました。
 議員から質問のあった普通科系専門学科や総合学科についても平成の初期にその多くが設置され、時代や生徒のニーズに合致したものとして有効に機能してきました。
 しかしながら、成功事例としても現在も有効に機能しているシステムがある一方、生徒減や社会の変化により、高校自体が小規模化して活力が低下したり、生徒のニーズに合わなくなったりしてきたことで、その機能が果たせなくなっているものもあります。
 今般、本県の高等学校教育は総合的に検討する時期を迎えており、このたび、きのくに教育審議会に諮問を行ったところです。これまでの教育システムを検証し、これからの時代に合った教育システムをつくっていくため、今回の答申で示された方向性を重く受け止め、再編整備実施プログラム(案)を作成してまいりたいと考えています。
〇議長(岸本 健君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
〇山下直也君 4項目め、最後であります。次の質問に移ります。きのくに教育審議会の答申に対する知事の所見についてお伺いをいたします。
 ここまで、普通科系専門学科や総合学科の在り方について教育長にお伺いをしてまいりました。さきに質問に立った同僚の山家議員からは、地元の高校に地元の生徒が進学したいと思えるような、そんな再編についてお伺いし、佐藤議員からは、各高等学校の具体的な再編整備を策定、実行していく教育長の思いと覚悟をお伺いしたところでありますが、私からは、この項目の締めくくりに当たり、きのくに教育審議会の答申に対する知事の所見をお伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 今回の答申は、和歌山の子供たちの優れた能力を十分に伸ばすことができているか、一人一人の子供たちが活躍できる教育環境が整備できているかなど、本県高校教育の本質的な課題が鋭く指摘されております。また、高等特別支援学校の新設等の提言も数多く盛り込まれるなど、具体的な方向性も示されております。これまでの再編整備計画等では見られなかった踏み込んだ内容となっており、私は評価をしております。
 特に、15年後の県立高校の在り方は、地域に応じて詳細に示されております。これを見れば、全ての地域で再編整備が必要となることが分かります。再編後に各地域で必要な学校数を積み上げると20校程度になり、現在の3分の2まで大きく減るイメージでございます。地域にとっても県全体にとっても切実な問題でありまして、どの地域の人々にも自分のこととして捉えていただかなくてはならないというふうに思います。
 生徒減の中で、学校数が減っていくということはやむを得ないと考えているわけですけれども、残る高校は、地域の核となり多様なニーズに対応できる活気ある学校でなければなりません。そのような学校での教育を通じて、教養豊かで責任のある県民の育成を目指すことは、本県の将来にとっても非常に重要だと考えます。
 母校がなくなることには反対だという意見が出るかもしれません。しかし、県全体のことを考えれば、そういう人々の個人の思いを乗り越えて、とりわけこれからの子供たちのために前向きに考えて、厳しい現実に立ち向かっていかなければならないと考えております。
 これまで、県では、県立医科大学薬学部などの高等教育機関の設置、誘致を積極的に行い、県内での進学の選択肢を広げてまいりました。また、高校生の県内就職を促進する取組も積極的に進めております。県内の高校を出た大学生の県内就職も同様でございます。
 海外や県外に活躍の場を求める者も、県内で和歌山の発展に寄与する者も、共に育成していかなければなりません。県立高校は、勉学、スポーツ、文化芸術等の各分野で、子供たちが持つ力をさらに伸ばせる場所でなければならないと思います。
 今、答申を受けて、県民の関心が高まっている。こういうときに教育委員会においては、この機を捉え、時を置かずに、この答申を踏まえた再編整備実施プログラム(案)を示してもらいたい、そういうふうに思います。
 教育は国家百年の計と言われます。子供たちと本県の将来のために、我々は責任を持って教育に取り組んでいかなければなりません。こういう時代であるからこそ、将来を担う子供たちへの投資は必要でありますが、その投資が最もふさわしい、子供たちのためになるような投資であるように、これから皆で考えていかなければならないと考えております。
〇議長(岸本 健君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
〇山下直也君 今、知事に御答弁をいただきました。
 今回の答申では、さらなる生徒減少が想定される中、15年後も高等学校が地域とともに持続可能な存在であるために、様々な角度から検討を行っていただいていると理解をしております。
 県教育委員会では、今月27日から来月12日まで、県内5か所で、住民の意見を聞く懇談会を開催するとのことであります。県民の皆様におかれましては、ぜひこの機会に県立高校の今後の在り方を考え、将来の社会を担う人材を育てるにはどうすればよいかを一緒に考えていくことをお願いいたしまして、この項目についての質問を終わります。
 いよいよ最後の項目であります。IR誘致についてお尋ねをいたします。
 IRは、観光振興のみならず、地域経済活性化の起爆剤となり、ひいては人口減少の抑制にも効果があるものと大いに期待をするものであり、これまでも誘致に向けて党を挙げて支援をしてきたところであります。
 コロナ禍の影響で打撃を受けた県内企業や県民からの声を聞く中で、IR誘致は停滞した経済の再生、将来の和歌山発展のために不可欠であり、是が非でもこれを成功させなければならないと改めて感じているところであります。
 政府においては、ちょうど1週間前、菅新総理大臣が誕生し、新内閣が発足いたしました。
 残念なことに、現職国会議員の汚職事件やコロナ感染症対策の影響で国の基本方針の公表が当初の予定より遅れておりますが、菅総理大臣は自民党総裁選において「IRは観光政策を進める上で必要不可欠と考えている」と公言をされ、インバウンド政策やIR整備を引き続き推進する考えを強調されており、今後事態が前進するものと期待をいたしております。
 そうした中、県内では、海南市の事業者などの有志がIR誘致の署名活動を行ったり、県内の事業者公募に参加している事業者の一つが和歌山市内に事務所を開設するなど、民間レベルでは和歌山IR実現に向けての機運が盛り上がりつつあると感じております。
 こうした状況を踏まえ、IR誘致に向けた知事の意気込みを改めてお伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) IR誘致は、経済波及効果や雇用創出効果など本県にとって大きなメリットがあることから、また、うまく規制をすることで依存症などの弊害を防止できるということがシンガポールをはじめ諸外国の先例で明らかであるということから、これはぜひ進めようというふうに考えておりまして、とりわけ新型コロナウイルス感染症が終息した後の県経済の復興のためのメニューの大きな一つとして捉えて、強力に推進しているところでございます。
 国の基本方針(案)では、基本方針確定前に都道府県等が実施方針の作成や民間事業者の公募等を行うことも想定されておりまして、国はスケジュールも予定どおりだと再三言っておられましたので、これまで本県は、これに従いまして事業者公募の手続を着々と進めてきたところでございます。
 現在、エントリーしていただいた2者から提案書類の提出を待っている状態で、他の誘致自治体が期限を設けずに手続の延期を表明する中、予定どおり事業者選定に着手できるのは本県のみの状況となっております。大変威勢がよかった他地域が沈黙をしてしまうという状況になっておりますが、和歌山県だけは、別に威勢がよかったわけではないのですが、着々淡々と進めているということでございます。
 しかしながら、国の基本方針がいまだに確定していないのは、つまり案が取れないというのは、いささか遺憾に思っております。
 国の基本方針(案)では、基本方針の確定後、必要に応じて実施方針等の内容の修正や民間事業者の提案内容の修正機会の確保を求めておりまして、今までの和歌山県の運用については何ら問題はございませんが、今後の問題としては、いつまでも案のままほったらかされると困るわけで、早期に基本方針を確定していただかないと今後の選定手続に支障が来します。
 こうしたことから、法令等に従い、また政府の方針に忠実に従い、早くから準備を進めている本県がきちんと手続を前に進めることができるように、政府に対し、基本方針の早期確定、案を早く取ってくれという、そういうことを働きかけているところであります。
 県としては、和歌山IRの実現に向け、区域認定の上限数である国全体で3か所の中の一つに選ばれるように、今後選定する事業者とともに、地域振興に大きく寄与し、国の観光立国政策に貢献する優れた区域整備計画の作成に全力を挙げる所存であります。
〇議長(岸本 健君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
〇山下直也君 知事、答弁をしていただきました。ありがとうございました。
 今おっしゃっていただいたように、コロナ等の影響で国の基本方針が確定してないという現状にあるが、本県では、法令等に従い粛々と準備を進めてきたところであり、実際に県の事業者公募には2者が応じているところであります。
 この本県の優位性を保つため、早期の業者選定というものが強く望まれているということになると思います。
 ポストコロナにおける経済再生を進めるためにも、国に基本方針を早期に確定していただき、早くから準備を進めてきた本県が不利益にならないよう、これからも取組を進めていただきたい。そういう意味において、この先におきましても、本県の誘致活動を積極的に続けるべきと考えます。そのことをお願いを申し上げ、IRに関する質問は終わります。
 IR誘致に係る質問でも触れましたが、先日16日、我が自由民主党の菅義偉新総裁が内閣総理大臣に指名をされ、菅内閣が発足いたしました。
 質問の1項目めのがん対策推進条例が可決されました平成24年12月は、自由民主党が政権を奪還し、第2次安倍内閣が発足したときでありました。
 一つの時代が終わり、また新しい時代が動き出します。新型コロナウイルスとの闘いは道半ばでありますが、私もまた新たな気持ちで、コロナ対策のみならず、今日まで御提言を申し上げてきましたような諸課題について積極的に取り組んでいくことをお誓い申し上げ、一般質問を終わりにしたいと思います。長時間、御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、山下直也君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(岸本 健君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に、日程第3、議案の付託について申し上げます。
 お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第115号から議案第128号までは所管の常任委員会に付託いたします。
 次に、日程第4、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。9月24日及び25日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(岸本 健君) 御異議なしと認めます。よって、9月24日及び25日は休会とすることに決定いたしました。
 次回は、9月28日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時50分散会

このページの先頭へ