令和2年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


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令和2年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号

令和2年6月
和歌山県議会定例会会議録
第4号
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議事日程 第4号
 令和2年6月18日(木曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第91号から議案第100号まで並びに諮問第1号(質疑)

 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第91号から議案第100号まで並びに諮問第1号(質疑)

 第2 一般質問
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出席議員(42人)
 1番 鈴木德久
 2番 山家敏宏
 3番 中本浩精
 4番 堀 龍雄
 5番 藤山将材
 6番 岸本 健
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 北山慎一
 10番 玄素彰人
 11番 中西峰雄
 12番 秋月史成
 13番 森 礼子
 14番 濱口太史
 15番 尾崎要二
 16番 冨安民浩
 17番 川畑哲哉
 18番 玉木久登
 19番 鈴木太雄
 20番 岩田弘彦
 21番 吉井和視
 22番 谷 洋一
 23番 佐藤武治
 24番 岩井弘次
 25番 中 拓哉
 26番 多田純一
 27番 新島 雄
 28番 山下直也
 29番 中西 徹
 30番 谷口和樹
 31番 藤本眞利子
 32番 浦口高典
 33番 山田正彦
 34番 坂本 登
 35番 林 隆一
 36番 楠本文郎
 37番 高田由一
 38番 杉山俊雄
 39番 片桐章浩
 40番 奥村規子
 41番 尾﨑太郎
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       細川一也
 危機管理監      森田康友
 総務部長       田村一郎
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     田中一寿
 福祉保健部長     宮本浩之
 商工観光労働部長   大山 茂
 農林水産部長     角谷博史
 県土整備部長     庄司 勝
 会計管理者      城本 剛
 教育長        宮﨑 泉
 公安委員会委員長   中野幸生
 警察本部長      檜垣重臣
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       中川敦之
 次長         井邊正人
 議事課長       山田修平
 議事課副課長     岩井紀生
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主査      松田太郎
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀
 総務課長       嶋岡真志
 政策調査課長     神川充夫
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  午前10時0分開議
〇議長(岸本 健君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第91号から議案第100号まで並びに諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。
 34番坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
〇坂本 登君 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しをいただきまして、質問を行います。
 新型コロナウイルスが世界を襲い、我が国も産業活動に、教育に、日常生活にと、かつて経験したことのない異常な事態を迎えております。本県にあっても患者数63名、死亡者数3名となり、お亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げます。
 また、自らのリスクを顧みず、患者のため、コロナ対策のため、日夜を問わず日々奮闘いただきました医療従事者の方々に対し、心より感謝を申し上げる次第でございます。
 今回の本県のコロナ対策を振り返ってみるとき、私は、知事は本当によくやった、よくやってくれてると申し上げたい。最初に和歌山の名が出たときは本当にびっくりしましたが、知事の初動態勢の手際のよさ、その後の患者発生に対する適切な対応、その後の本県での大発生を封じ込め、その被害を最小限に抑え込んでくれています。
 この事態がこれから先どう展開するのか、予断を許しません。コロナ禍がいつまで続くのか、治療薬はいつ開発されるのか、ワクチンの開発は、先の見えない不安が我々の生活を暗く覆いますが、県民は知事を信じ、知事の冷静にして果敢な対応を期待するところであります。頑張ってください。
 さて、今回私は、コロナ対策は一旦様子を見ることにしまして、地元が直面する要望や課題を取り上げ、当局の見解をお伺いするものであります。
 最初は、鳥獣被害対策についてであります。
 鹿、猿、イノシシによる農産物の被害については、これまでも随分とこの議場においても取り上げられ、県もその対策に取り組んできました。この間の成果はどうだったのでしょう。少なくとも私の地元ではその対策の効果が現れている、すなわち鹿、猿やイノシシの被害がなくなった、少なくなったという声は聞かれていません。むしろ、ますます被害がひどくなってきているといった声のほうが多いように感じます。
 「子供に田舎の味を送ってやろうと思って、野菜を頑張って作っているが、さあ収穫といった頃になると全部食われてしまう」、「孫が喜ぶと思って柿や栗を大切に育ててきたが、実が大きくなった頃には何も残っていない」、「何とかならんのかなあ。年寄りの楽しみや生きがいを奪わんといてほしい」、お年寄りの方々からこうした声を聞くたびに胸が痛み、本当に何とかならないものか、行政の取組としてこれでいいのかなあと思ってしまいます。
 県も長年この問題に取り組んできていると思いますが、後ほど農林水産部長に答弁してもらいますが、この間、どんな対策をしてきたのか。そして、どれほどの効果を生んできたのか、現状を見る限りでは大きな効果はなかったのではないかという印象です。何がこうした事態を生んでいるのか、どうすれば解決の糸口が見つかるのか、私の結論は、我々と動物たちが共生できる森林を取り戻すことであります。言うは簡単です。しかし、実際やるとなると大変な努力と大胆な発想の転換が求められます。
 以下、私の考えを申し述べたいと思います。
 鹿、イノシシ、猿をこれからは「彼ら」と呼ぶことにしますが、本来、彼らは山にいて、穏やかに生きてきたのであります。もちろん、人間とはちゃんとすみ分け、むやみに人里には出てくることはありませんでした。山に食べ物が豊富にある間は、人間が作ったものを食べに人里に出てくることはなかった、自分たちが住んでいる山の大きさ、食べ物の量に見合った数が生き残り、人間とも共生し、彼ら同士もまた食料を分かち合いながら他の動物の縄張を荒らすことなく、共に生きてきたのであります。
 その彼らが、どうして人間との境界線を乗り越えて出没し、作物を奪い、時には人間を襲うことになったのでしょうか。答えは簡単です。山に食べるものがなくなったからであります。
 戦後、我が国は、国土保全や経済の成長を目指して、杉、ヒノキの大植林時代を迎えます。地域に暮らす人々も、これで将来家が建つ、子供の学資ができた、娘の嫁入り道具を買ってやることができる、様々な夢が膨らみ、植林に励みました。私たちが社会に出る頃は、まだ山持ちさんと言われ、地域では大いに尊敬もされたものであります。
 昭和30年代、政府が突然、木材の輸入自由化に踏み切りました。その後の山林の衰退ぶりは皆さんもよく御承知のとおりであります。山は放置され、植林された杉、ヒノキは手入れされることなく、ひょろひょろの杉、ヒノキの下は草も生えない荒れ地となってしまい、緑の砂漠と表現されたこともありました。
 当然、大雨が降りますと荒れた土壌は下流に押し流され、木は根こそぎ倒れます。その結果、下流の河川は倒木のダムができ、大洪水を引き起こす事態となりました。本県では、紀伊半島大水害の際には至るところで見られた惨事であり、最近では毎年こうした悲惨な風景が全国的に見られるようになりました。
 さらに、杉、ヒノキの価格暴落は、災害の後の山の手入れもできず、山は荒れたまま放置されました。
 加えて、現在の林業政策は杉、ヒノキを伐採し、あとは再び杉、ヒノキを植えなさいと指導し、そのためには補助金も出すと言っていると聞いております。荒れた林業の再生産です。木の実もない山林で鹿、猿、イノシシ、彼らはどうして生きていけるのでしょう。当然人間の住む里山に食料を求め出没することになるでしょう。
 先頃、日高振興局で農村青年と行政の担当者の間でこの問題に関する意見交換会がありました。私も出席し、その議論を聞いていました。ほとんどの出席者からは、作物に被害を与える鹿、猿、イノシシは殺せ、人間に害する鳥獣を殺すべしとの大合唱でありました。私は、このあまりにも殺伐とした殺せ、殺せの発言を聞いて、果たして本当にこれでいいのだろうかとの大きな疑問と心配が湧き、出席者に問いかけました。あなた方の怒りは分かる、大切に育てた農産物が彼らに食い荒らされて怒るのも当然かもしれない、しかし、ここでもう一歩下がって考えてみてはどうだろうか。彼らだって好きこのんで身の危険を冒してまで人里に出てきているのではない、生きていくためには食べるものが必要、必死の思いで里山から出てきているのだ。仮に百歩下がって、そのときそのとき、彼らを殺したとして、それで彼らは我々に被害を与えない程度の数に減ってきているのか。動物を簡単に殺すということは、その延長線上に人間同士の暴力まで簡単に認めてしまわないのか、さらには子供の教育にとって悪い影響を与えるおそれがないのだろうかとの感想を述べました。
 私は、当時の主張は今も変わりません。
 ここで提案します。
 一つ、人間と動物が共に共生していけるような新しい森づくり計画を作成してはどうか。二つ、その計画の中では山林の一定比率を自然林に復元することを目標とする。三つ、特に洪水被害を引き起こしそうな地域の荒廃した山林の伐採を積極的に進め、自然林に再生すること。四つ、人工林一辺倒の林業政策を転換し、動植物に優しい自然に恵まれた山林への再生を目指した新しい制度をつくること。五つ、その財源の一部として森林環境税を活用すること。
 コロナ後の時代、人間の地球環境に対する発想が大きく転換するとも言われております。多様な生物が共生する、そんな地球がひいては私たち人類を守ることになる。今回、新型コロナウイルスは私たち人間にこのことを教え、突きつけられているのではないでしょうか。木の国和歌山として、全国に先駆けて新しい森林政策を提示してはいかがでしょうか。
 そこで、質問です。
 県がこれまで取り組んできた鳥獣対策の歴史、すなわちいつからこれに取り組み、幾らの予算を費やしてきたのか、その結果をどう評価しているのか。また、今後どう取り組むのか、農林水産部長にお聞きします。
 一方、鳥獣保護の観点から、私の鳥獣保護に対する基本姿勢は共生です。保護重視のあまり、鳥獣が人間生活に被害を与えることがあっては、共生の観点からは行き過ぎです。その基本的な考え方を御説明ください。環境生活部長に見解をお聞きいたします。
 また、動物愛護に係る情操教育について、教育長に見解をお聞きします。
 たとえ相手が鳥獣であっても、私は殺せ、殺せの大合唱はよくないと思います。子供に与える影響は決していいものではありません。教育長は、子供に対する情操教育という視点からこの問題をどう考えていますか、答弁願います。
 続いて、私が先ほど提案しました新しい森づくり計画の策定について、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、印南町にある切目王子跡の世界遺産登録についてであります。
 切目王子跡、場所は印南町、国道42号線、ちょっと脇道に入ったところにあります。熊野参詣道の五体王子の一つであります。京都から熊野を目指す熊野詣は、京都から大阪へは船で下り、大阪天満の窪津王子を最初に熊野まで99の王子が整備され、道中、参詣のための様々な役割を果たしたと言われています。中でも海南の藤白王子、印南の切目王子、上富田の稲葉根王子、旧中辺路の滝尻王子、そして旧本宮の発心門の5か所の王子は、五体王子として規模も大きく、格式も高い重要な王子とされてきました。
 1200年、後鳥羽上皇の3回目の熊野詣の際、切目王子において歌会が催され、「きりめやま おちのもみぢは ちりはてゝ なをいろのこす あけのたまがき」などの和歌を懐紙にしたためました。これが有名な切目懐紙であり、1678年、西本願寺に奉納され、今も国宝として所蔵されておられます。
 切目王子の歴史は古く、切目神社旧記によれば、崇神天皇67年に創建されたとあり、その後、多くの法皇、上皇、貴族たちが参詣されたとあります。
 鎌倉時代に入りますと、熊野詣の途中、身を守るため、豆のきな粉でお化粧し、ナギの木の葉をお守りとして身につけたと伝えられ、このきな粉でお化粧する風習が節分の豆まきの元になったと言われております。
 歴史に彩りを添えるエピソードとしましては、1159年(平治元年)、平清盛が熊野詣の途中、切目神社に宿泊したそのとき、源義朝の蜂起を知り、神社のナギの枝をかぶとに挿し、京に取って返し源氏に戦勝したいわゆる平治の乱や、後醍醐天皇の第2子・護良親王が切目神社のお告げを受けて十津川に下ったという言い伝えなどがあり、その後、豊臣秀吉の紀州攻めによって全焼の憂き目を見ますが、再建後は徳川頼宣公の手厚い保護の下、その歴史は受け継がれ、今日に至っております。
 現在、切目神社は、切目の歴史を学ぶ会、うらしま会会長・寺下鎮雄さんの下、地元の氏子さん方の努力によって見事な檜皮葺の社殿の修理が完成し、ホルトの大木や柳の老木、クス、シイなどの照葉樹林の森が荘厳な雰囲気をつくり出しています。さらに、会長さんは、私財をなげうって周辺の公園化を進められており、その取組にはただ頭が下がる思いであります。
 また、切目神社ゆかりの神社は、鹿児島から福島まで全国8か所に及び、今も交流が続けられているそうであります。
 熊野参詣道の五体王子の一つとして重要な位置を占め、数々の歴史と文化に彩られてきた切目王子。2004年、熊野参詣道とその拠点施設が世界遺産に登録されるに及び、関係者の間ではなぜ切目王子がその中に入っていないのだろうとの疑問と落胆ぶりは誠に大きなものがありました。確かに切目王子とその先南北をつなぐ古道には面影がなく、残念の極みでありますが、切目王子の歴史と文化をお聞き取りいただき、この先世界遺産の見直し、追加登録といった機会があれば、その際にはぜひ切目王子跡を含めていただきますようお願いする次第であります。知事の所見をお伺いいたします。また、今後どう取り組むのか、教育長にお伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) ただいまの坂本登君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) まず、新しい森林政策、森づくり計画の策定等々についてお答え申し上げます。
 里山で鳥獣被害が続く中、議員御提案の動物と共生する森づくりは意義ある取組であるというふうに考えます。
 和歌山は、民有林比率の高いところでございまして、戦後、住宅難の中で、あるいはパルプ原料として、和歌山に残っておりました自然林、その中はもちろん杉やヒノキもございますが、こういうのが大伐採をされまして、それによって議員御指摘のように林業家が大変発展をしたわけでございまして、それが和歌山の成長の一つを支えた要素であるということは間違いのないところであります。
 林業家はなかなか御立派でありまして、行政もよかったと思いますけど、伐採の後はちゃんと杉、ヒノキを植林して、その当時の政策に合わせて、それでそれが成長いたしましたもんですから、和歌山中のほとんどのところが杉、ヒノキの単一林になってしまったと。これは、資源としてはよろしいんですけれども、弊害もたくさん出てきてるということだと思います。林業としても、林価が下がって林業も実は今大変でございます。
 私もちょっと人後に落ちぬナチュラリストでございますんで、自然林を求めて、これ僅かに残った自然林を求めて、あちらこちら渡り歩いてるわけでございます。知事でございますんで、自分の趣味の話ばっかりしていてはいけません。林業のこともちゃんと考えないといけませんので、それをバランスを取ってやっておりますが、しかし、坂本議員の発想法も入れて、できるだけそういういい意味のバランスの取れた政策をしたいなあというふうに考えて、少しずつやってるところでございます。
 第一に、森林管理や木材生産等に関する重点取組事項を示した県森林・林業総合戦略においては、森林ゾーニングを行うことにいたしまして、環境林というものをつくり、これは針葉樹と広葉樹が混在した森づくりを進めることにしたいというふうに明記いたしたところでございます。
 また、平成28年に策定した生物多様性和歌山戦略におきましては、県や市町村による貴重な天然林の買取りや伐採跡地への広葉樹の植林に取り組むというふうにしております。こうした戦略に基づきまして、紀の国森づくり基金を活用さしていただきまして、新紀州御留林として、もう民間で持っておられるんだけども、これは切られたら困るなあというところは県有林として、あるいは市町村林としてもう永久に保存しようというふうに、貴重な自然林の公有林化や針葉樹や広葉樹が混在した森づくり、あるいは多様な主体による自然林の保全活動への支援を行うということにしております。
 また、国庫補助事業を活用して、人工林伐採跡地で杉やヒノキの植栽に適さないところへの広葉樹植栽、これも補助が出ることになりましたんで、こういうことも支援をしております。
 御指摘の森林環境譲与税につきましては、これは間伐を目的として森林再生をするということになっておりますが、しかし工夫をすることによって、議員の御趣旨に沿うようなこともできると思っております。例えば、利用がもう難しいなあというふうな奥地とか条件の悪いところですね、そういうところは間伐でありますけども、間伐の部分を多くして残りのところは自然植生が復活するのを待つというようなことができると思いますので、そういう林業に適さない森林を自然に近い森林へと誘導することにも活用するように、市町村に働きかけているところでございます。
 来年度は、県森林・林業総合戦略を改定することとしておりまして、議員から御提案いただいた点を入れて広く検討していきたいと考えております。
 次に、切目王子はじめ、これは紀伊路になるんですけど、それの世界遺産登録についてでございます。
 切目王子にも私は行かしていただきましたけれども、大変よく保存されているというところで感銘を受けました。特に社そうにナギの大木がいっぱいあると、こういうところはめったにないなあということで非常に印象的でありました。また、地元の方々が、御指摘にありましたように、大変献身的にこの神社を大事に守っておられるということもよく分かりました。坂本議員のような知識はございませんけれども、お話を聞いていてほうふつとする景色が、そんな感じがいたしました。
 世界遺産の「紀伊山地の霊場と参詣道」は、平成16年に登録されたんでございますけれども、ちょっといろいろ努力をいたしまして、平成28年に高野参詣道の残りのところ、町石道以外のところ、それから大辺路、中辺路において22地点が追加登録をされるというところに成功いたしました。ここで実は残念であったのが紀伊路でございまして、この紀伊路については追加登録ができませんでした。なぜかというと、実は当初認定されたときに紀伊路が入らないような、そういう叙述であったんですね。したがって、いきなり紀伊路をばすんと入れるというのは、これは軽微なる変更ということでやりましたので、ちょっと難しかったんでございます。しかし、ちょっと粘り腰にいたしまして、提案書にこれは紀伊路の部分も熊野参詣道の経路の一つであるということを記述いたしまして、世界遺産委員会においてこれはちゃんと認識をされたということになっております。このことは、今後またあんまりしょっちゅうやると反発を食らうんですけど、しかるべき将来において紀伊路の追加登録を目指す上で非常に意義のある武器になることでございます。
 そこで、前回の追加登録もそうだったんですけども、まず世界遺産登録の前提となる国の史跡指定を増やすように努力をしているところでございます。あの立派な切目王子も、実はまだ史跡になっておりません。これはいかんことだと思いますので、こういうところを史跡に取り入れてもらうように頑張りたいと思います。学術的にも御指摘があったような大変価値があるものと認識しておりますので、これを訴えてきちんと資料を整え、運動して切目王子については史跡指定を目指したいし、ほかにも幾つか可能性のあるところもあるので、そういうところをまず史跡指定しといて、それでちょっと機が熟しましたら、また例の作戦で熊野古道の部分を増やしていくということをしていきたいなというふうに考えておるところでございます。
〇議長(岸本 健君) 農林水産部長角谷博史君。
  〔角谷博史君、登壇〕
〇農林水産部長(角谷博史君) 鳥獣対策につきましては、昭和52年度には有害捕獲を実施しており、その後の増加する農作物被害に対処するため、平成13年度には防護柵の設置支援を開始し、平成18年度からはイノシシ、ニホンジカ、ニホンザルの第二種特定鳥獣管理計画を順次策定し、猟期の延長やくくりわなの12センチ規制の緩和を行うとともに、平成22年度からは餌場の除去や追い払いなど、環境対策への支援にも取り組んでまいりました。
 また、平成23年度からは猟期前の射撃訓練費に対する支援、平成27年度からはニホンジカの夜間銃猟の実施、平成30年度からはGPSを活用した生息調査などに取り組んでまいりました。
 予算につきましては、狩猟行政が農林水産部に移管された平成20年度の当初予算は約6000万でありましたが、平成23年度以降大幅に増額し、平成20年度からの予算総額は約41億円となっております。
 成果につきましては、農作物への被害額が平成24年度には3億5000万を超えておりましたが、平成30年度は約3億円に減少しております。また、鳥獣の目撃情報をSNSで共有した追い払い活動や、若者が中心となった鳥獣対策により地域の活性化を図るなど、地域ぐるみの取組が行われております。しかしながら、議員お話しのとおり、鳥獣被害は農業者の生産意欲の低下等、被害額として表れる以上の影響を及ぼしており、依然として深刻な問題であると考えております。
 こうしたことで、鳥獣対策は継続していくことが重要と考えており、今後も捕獲や防護対策、狩猟者の育成に加え、集落に寄せつけない環境対策などに総合的に取り組み、農作物被害の軽減に努めてまいります。
〇議長(岸本 健君) 環境生活部長田中一寿君。
  〔田中一寿君、登壇〕
〇環境生活部長(田中一寿君) 新しい森林政策について、鳥獣保護についての御質問にお答えいたします。
 本県では、人と鳥獣との適切な関係の構築を目指し、適正な生息地、適正な生息数の維持を施策の基本的な考えとしており、議員の御提案にもあるとおり、鳥獣が安心して生息できる環境を確保することにより、生態系のバランスを保ち、鳥獣被害を生じさせない取組を進めています。
 具体的には、鳥獣保護区や開発そのものを規制する特別保護地区等を指定し、狩猟や伐採等の規制を行っています。また、森林や里山環境の変化により、集落に出没した希少動物のツキノワグマが、人や農産物に被害を与えることのないよう、本来の生息地である保護区等に戻す取組などを行っています。
 今後とも、人と鳥獣とのよりよい共生に向けて、鳥獣の生息地を確保するとともに、鳥獣保護への理解と協力を得るための普及啓発の強化や、住民の皆様から生息状況等の情報を提供いただくためのネットワークづくりなどを行ってまいります。
〇議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 動物愛護に係る情操教育についてお答えをいたします。
 議員御案内の人間と動物が共生できる環境づくりは大切であると考えております。
 動物愛護や自然環境の学習については、小学校の生活科で小動物等との触れ合いを通じて動物の命を大切にしようとする態度を養っています。理科では、子供の発達の段階に応じて自然環境と人間との共生について学習することで、生命尊重と自然愛護の態度を育成しています。
 また、本県で重点的に取り組んでいるふるさと教育において、和歌山の豊かな自然や和歌山に生息する動物について学ぶことで、ふるさとを愛し、ふるさとに自信を持ち、ふるさとの自然環境や生き物の命を大切にしようとする心を育んでいます。
 続きまして、切目王子の世界遺産登録、今後の取組についてでございます。
 世界遺産登録を目指すには、まずは前提となる国史跡の指定地点を増やし、世界遺産にふさわしい道としての連続性を持たせる必要があります。
 現在、切目王子を含む紀伊路では、藤白王子跡をはじめとする六つの王子跡、道としては海南市の藤白坂、有田市の糸我峠、広川町の鹿ヶ瀬峠、御坊市の愛徳山王子跡北東参詣道が国史跡に指定されております。
 切目王子跡の国史跡指定については、まず文化財としての価値を明らかにするため、王子の由緒来歴などを古文書や絵図等から調査するとともに、史跡の指定範囲を確定するための測量調査を地元印南町と実施してまいります。
 県教育委員会といたしましても、国史跡指定、さらには世界遺産登録に向け、積極的に取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(岸本 健君) 再質問を許します。
 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
〇坂本 登君 鳥獣害対策、切目王子について知事、部長より答弁をいただきました。改めてこの事業の難しさを認識したところでございます。
 平成20年度から今日まで、41億円という巨額な経費をかけて取り組み、そしてその成果は農産物被害が7年間で5000万円の減少という答弁でありました。
 振り返りますと、林業政策は長い間一貫して杉、ヒノキへの植林を奨励し、人工林化を進めてきました。その結果、適地とは思えないような山地についても植林が進み、さらには大雨が降れば根こそぎ流れてしまうような地形に対してもせっせと植林し、その山は木材価格の低迷からほとんど手入れをせずに放置され、挙げ句は緑の砂漠と言われるような荒れ果てた山林を造ってしまいました。鹿やイノシシはこうした山で生きていけなくなり、人里に食料を求めてやってきたというのがこの問題の根本的な背景ではないでしょうか。
 もちろん、山林経営が大きな産業であることは当然のことであり、その推進には何の異を唱えることもありませんが、やはり何事も適地適作といいます。植林に適した地域は植林を奨励し、一方、自然に戻したほうが災害に対しても鹿やイノシシに対しても優しい、共に共生し得るような森を造ることがこれからの森林行政の方向ではないでしょうか。
 さきの国会では、小泉環境大臣がグリーンリカバリーという新しい言葉を使って、温暖化対策を進めると表明されてきました。ポストコロナの時代は環境を重視すること、人間と自然の共生が大きなテーマになっていくものと思われます。息の長い話ですので、ここで農林水産部長の答弁は求めませんが、今後の森林政策の展開に当たって参考にしていただければと要望する次第であります。
 以上要望し、質問を終わります。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、坂本登君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 42番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
〇長坂隆司君 皆さん、おはようございます。
 通告に従いまして、これより一般質問をさせていただきます。
 一つ目に、日本遺産とその申請内容の今後の活用についてであります。
 今回、新型コロナウイルス感染症のため、文部科学省の審査作業が遅れておりましたが、この質問をする頃には日本遺産認定最後の年に当たる今年度の認定が内定する時期であるので、恐らくは合否が決定していると思われます。本県提出案件が認定されていれば、早速日本遺産の地として具体的な条件整備と県内外へのアピールにかかっていただきたいと思いますし、惜しくも日本遺産に漏れていたとしても、関係市町村を取りまとめ、地域をくまなく歩いて、自分の目で見て、自身の体を駆使して調査された県職員や関係者の皆様の御労苦を無駄にすることなく、今後の本県の歴史、文化の深掘りと観光振興に生かしていただきたいと切に望むものであります。
 この新型コロナで自粛の折、私は3密を避けて、ほとんどが府県境にある、人と出会うこともまれな山の中の葛城二十八宿の経塚や、役行者のゆかりのある神社仏閣やほこら、あるいは神武天皇などの歴代天皇・皇后やヤマトタケルノミコトの御陵をお参りさせていただいておりました。昨年、今年と2回にわたって葛城修験に関わる日本遺産申請、とりわけ今年は「『葛城修験』-里人とともに守り伝える修験道はじまりの地」というタイトルで、前回の市町に千早赤阪村も加わって、和歌山県が事務局の下、計19市町村が連携の下、申請内容を、また地域性をパワーアップさせて臨まれました。県もわかやま歴史物語100の中に幾つも葛城修験の地を取り上げていただいてストーリー性を強調いただいておりましたが、とにかく葛城二十八宿は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の中の大峯奥駈道の大峰山や吉野山よりも前に役行者が修行を重ねた地であります。今後も、和歌山県側にある場所だけでなく、大阪との府県境、奈良との県境にある地点が多いので、しっかり府県、市町村と連携し、参考にできるところは和歌山県もしっかり参考にしていただいて、まず和歌山県民に認知され愛されるとともに、全国の都道府県から、そしてインバウンドでもたくさんの方々にお越しいただいて愛される日本遺産、さらに世界遺産に比するものに仕上げていただきたいと思います。本年同時に本県から申請している「きのくに 絵解きの聖地-旅人をもてなす絵解き文化が息づく地-」もしかりであります。
 また、和歌山県の市町が構成団体として参画している「日本最古の冒険物語『神武東遷』~The First emperor JINMU:Journey to the east~」、これは申請者が宮崎県宮崎市、「女性とともに今に息づく女人高野~時を超え、時に合わせて見守り続ける癒しの聖地~」が大阪府河内長野市の申請、そして「南氷洋に進路をとれ~近代捕鯨と鯨捕りの物語~」は山口県下関市が申請者になっています。これらも和歌山県と大いにゆかりがありますから、本県の歴史物語をさらに深く追求できる格好のチャンスであると思います。
 特に神武東遷については、私は平成29年2月定例会予算特別委員会にて「神話の歴史ストーリーについて」と題して質問させていただきましたが、その際、昭和17年8月1日発行、紀元二千六百年奉祝会和歌山県支部支部長、当時の和歌山県知事廣瀬永造氏が発行者となって編さんされた「和歌山県聖蹟」等を引用させていただきました。その聖跡に示された五つの神武天皇聖跡として、男ノ水門傳説地、竈山、名草邑推考地、狭野、熊野神邑を挙げ、聖跡伝承地として、天磐盾、熊野荒坂津、また神武天皇関係遺跡の口碑として、岩代村大字西岩代のしとどの藪、白浜町の立ヶ谷と旗上ヶ嶋(畠島)、すさみ町の稲積島・小泊、新宮市のおながめ堂、御手洗ノ濱、神武天皇頓宮阯、渡御前阯が記されていました。
 さらに、地域ごとに言い伝えられてきたお話があります。改めて紹介させていただきますが、東征軍は浪速の国白肩津を越えて天孫降臨のニギハヤヒノミコトの部下・長髄彦の軍に苦しみ、神武天皇の長兄・イツセノミコトが矢で致命傷を負い、生駒越えを諦め紀州路を下ることとなり、和歌山市の男ノ水門でイツセノミコトは亡くなり、竈山の地に葬られ、その後、矢宮神社に陣を構え、和歌の浦から出航し、毛見の浜、すなわち濱ノ宮海岸に上陸して女酋長名草戸畔の守備隊と戦い──この入り江を事の起こりの浜、琴ノ浦と呼ぶようになったらしいですが──海南市船尾へ上陸、クモ池で名草戸畔を滅ぼし、頭を宇賀部神社(おこべさん)、胴を杉尾神社(おはらさん)、足を千種神社(あしがみさん)に葬ったとされます。
 上記の聖跡や聖跡伝承地、口碑をつなげれば、名草戸畔との戦いに勝利した天皇軍は岩代村西岩代のしとどの藪に船を寄せて遊び、南紀白浜の入り口にある立ヶ谷に上陸して太刀をお埋めになり戦勝を祈願され、立ヶ谷沖の畠島に上陸して旗を上げたと言われています。その後、周参見村郷土誌によれば、すさみ町小泊で兵糧を徴し、土民の献上した稲を稲積島に積み重ねたとあります。その後、串本町袋港に船を停泊し、丹敷戸畔の墓が背後にある二色の海岸に上陸、天候が穏やかになった日に潮岬を越え、橋杭岩のたもとのところに上陸したとの伝承もあります。
 その後、丹敷戸畔に勝浦の辺りで勝利したところから、今の勝浦の地名になったと言われています。その際、丹敷戸畔一党の血潮が流れて海水が赤く染まったので、この海辺を赤色の浜と名づけたそうです。すなわち、血に染まった手を洗われた御手洗ノ濱であります。その後、佐野(狭野)の岡に滞在し、三輪崎に上陸、神倉山の熊野神邑の天磐盾に登ってゴトビキ岩という巨岩に鎮座されたといいます。丹敷戸畔を殺したとき、神が毒気を吐いて兵を萎えさせたため、皇軍は奮わず、そこに熊野の高倉下が、県庁正門を登ったところにあるレリーフのように剣を天皇に献上したら、毒気が取れて、兵卒も皆覚醒して元気になったといいます。
 その後は、ヤタガラスの先導で熊野川を遡り、山中を迷うことなく無事吉野に至り、そこから宇陀へと進み、様々な戦いを経て、ついに宿敵長髄彦と相まみえ、長髄彦を打ち破り、畝傍山東南の橿原宮で初代神武天皇として即位されました。神武天皇が眠られているとされる御陵は、今もあくまでも荘厳な雰囲気をたたえています。
 先日、役行者の石仏巡りに生駒市に参ったとき、郊外の役行者の懸崖仏・稲葉谷行者石仏のすぐ近くに長髄彦本據の碑があったのには、神武東征の苦難の跡が想像せられて何とも言えない感慨を覚えました。宮崎の高千穂の峰から大和までの長丁場の東征のうちに、紀の国和歌山県内だけでこれだけのエピソードがあるわけであります。本県での神武東征の物語は、さらに大きなスケールで描かれることになるわけであります。
 ましてや、本年は日本書紀編さん1300年、すなわち記紀編さん1300年の年であります。ちなみに、先週末、役行者霊蹟札所三十六寺を幾つか訪ねてまいりましたが、大和松尾寺は日本書紀編さんの最高責任者・舎人親王が日本書紀の完成と親王御自身の厄よけの願いを込めて創建されたところであります。また、室生寺は高野山と同じ真言宗の寺院でありながら、女性の参詣を受け入れて、いつの頃からか女人高野と呼ぶようになった、山紫水明の地にある女性の人気スポットです。
 鯨しかり、女人高野しかり、これからの日本遺産申請関連で描けるストーリー、物語はその気になればとどまるところを知らず、和歌山県の観光振興のための仕掛けは無尽蔵にあると思います。先んじて日本遺産に認定された「絶景の宝庫 和歌の浦」の海岸美には、神が宿ると聖武天皇は大いに称賛されていたのであります。ちなみに、聖武天皇の次の女帝・孝謙天皇、後に道鏡を厚遇したとされる重そされた称徳天皇も和歌浦行幸をされ、前帝の淳仁天皇の死の知らせを受け、帰路に和歌山市の岸村、現在の貴志地区の辺りで行宮、同市栄谷にあるみかど橋を通ったとされ、和泉の国へ入って宿を取られましたが、岬町深日に深日行宮跡が国主神社横に残されています。
 本県には、高野・熊野地域だけでなく、葛城山を擁する和泉山脈沿い、紀伊半島の南北に長い海岸線沿いにも歴史に彩られた豊かな自然が数え切れないくらいあります。本県として、日本遺産申請への取組を通して培った物語のノウハウを今後さらに深掘りして、わかやま歴史物語100プラスアルファを県内外、国内外の皆様にアピールしていっていただきたいと思いますが、知事、いかがでしょうか。
〇議長(岸本 健君) ただいまの長坂隆司君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 本県には、神話の時代から近代に至るまで、興味深い歴史資産が数多くございます。
 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」や「鯨とともに生きる」、「絶景の宝庫 和歌の浦」、「西国三十三所観音巡礼」などの日本遺産をはじめ、県内各地には貴重な歴史的スポットが数多く残されております。
 県では、こうした歴史遺産やそれにまつわる秘話、さらに訪れる人に周辺の立ち寄っていただきたい観光施設なども含めた100の旅モデルを作成し、「わかやま歴史物語」として紹介しているところでございます。
 特に、今年は日本書紀が編さんされて1300年を迎えることは御指摘のとおりでございますが、わかやま歴史物語の特別企画として古事記・日本書紀ゆかりの地を旅するわかやま記紀の旅周遊スタンプラリーを実施しているところでございます。
 長坂議員が物すごく詳細に語られました神武東征のお話でございますが、長坂議員のお話を聞けばみんな分かるんですけれども、そうでないと、あれは宮崎と奈良の話だろうというふうに感じる人も日本人には多いのでございますが、実は和歌山も御指摘のように、ベスト3に入るなあというふうには思っておるわけでございまして、和歌山にそれだけ関連するものが多いということでございます。
 したがって、初代天皇に神武天皇が即位するまでのストーリーをスタンプラリーの冊子に掲載いたしまして、その舞台となる例えば熊野三山、和歌山市の竈山神社、海南市の宇賀部神社などなど、たくさん言われたようなそういうものを、関連神社や周辺の立ち寄りスポットなど併せて紹介をしております。
 県としては、今議会に提案している県民の県内周遊を促進する県民リフレッシュプラン販売促進事業や、今後、国で実施を予定しているGo To トラベル事業と併せ、このスタンプラリーに多くの方々に参加していただきたいと考えております。
 また、日本遺産の取組を通して培った物語の活用につきましては、今後改訂を予定しているわかやま歴史物語のストーリーの拡充を図り、知的好奇心を満たす和歌山の旅を県内外にアピールしてまいりたいと考えております。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 わかやま記紀の旅のパンフも拝見しました。神武天皇に至る神々の系譜も示されていますし、記された物語には主人公の人間臭さ、心の部分が描かれていて身近に感じられます。でも、まさに神という雲の上の存在であるところに物語の面白さがあります。日本の建国の歴史を子供のうちから学べる環境づくりとともに、県外から来られた観光客の皆様に、本県の自然の風景とともに、その歴史ストーリーを伝えて強い印象を心に焼き付けていただくためにも、日本遺産申請に関わる作業で培ったノウハウを今後十分に生かしていただきたいと思います。
 神武東征も、記紀では名草戸畔との戦いから一気に熊野の地に飛んでしまうので、本県の自慢の南北に延びる海岸線へ物語をいざなうことは必要であろうと思います。神武東征はほんの一例でありまして、ぜひわかやま歴史物語をさらに日本遺産関連で面白く肉づけいただきたいと要望させていただきます。
 2点目、本県における救急病院での新型コロナウイルス対策についてであります。
 全国各地の救急患者を受け入れている病院で、クラスター(集団感染)が起きています。福岡市では、4月には福岡徳洲会病院という感染症指定病院で感染症が一般病棟から出ており、外来、救急といろいろな場面で感染に気づいていない患者の診療をしている可能性がありました。同じくクラスターが起きた新小文字病院で最初に判明した80代男性は、外傷で救急搬送された患者です。
 福岡市のある救急病院では、発熱した人は他の患者と動線を分離していました。入り口や待合室を完全に分け、車内で待ってもらうこともあったそうです。CT検査も発熱者専用を設けて行い、使用後は毎回30分かけて消毒や換気を徹底しました。問診は、感染の可能性を見極める上で重要ですが、感染者が正直に申告しないケースも出ていたそうです。海外渡航歴を隠した例や、発熱の事実を伏せて腹痛で受診することなどが起きていました。こうした受診者は、診察後や入院が決まってから事実を打ち明けたりしたそうです。医療現場を守るためにも、患者側も正直に状況を伝えなければいけません。
 4月上旬には、東京、神奈川、千葉各都県で救急患者のたらい回しが頻発しました。日本救急医学会と日本臨床医学会は4月9日、救急医療体制の崩壊を既に実感しているとの緊急声明を発表しました。一部地域では、心筋梗塞や脳卒中など、早急な治療が必要な重症患者の受入れができない事態に陥っていると訴えました。各病院に感染防護具を十分に供給するだけでなく、救急患者が感染しているかどうか、迅速に検査できる体制の確立が望まれます。
 北九州市で5月23日以降に感染が確認された113人のうち、医療スタッフが約4割を占めています。高度な医療を担う特定機能病院である産業医科大病院でも6月1日、スタッフ9人の感染が判明し、クラスター発生の可能性がある市内の医療機関はこの10日間で3か所、すなわち門司メディカルセンター、北九州総合病院も大変な状況になりました。いずれの病院も、十分な感染症対策を取っていると言っているにもかかわらず、救急搬送などをきっかけに感染者確認が相次いだことで市内では上記3病院が救急外来の受入れを原則停止し、ほかにも受入れを制限する医療機関も出てきて、救急医療は逼迫しています。救急の受入れや疑い患者の治療を続けながら、院内感染も同時に防ぐのは相当難しくなっていると危機感を募らせました。当時の課題は、コロナ対応の病床数の空き具合ではなく、救急患者の受入れが一部に集中していることだと指摘されました。
 そこで、以下一括して質問させていただきます。
 まずは、陽性患者の発見について、レントゲンやCT検査は新型コロナウイルス感染症の診断には有用ではありますが、それらの検査では認識できない場合もあると聞いています。本県では、感染患者の早期発見に向けてどのような対策を取っているのでしょうか。
 次に、全国的には救急医療の現場を介して院内感染が発生していますが、本県の感染症指定医療機関など、感染患者を受け入れる医療機関では、感染症の疑いのある一般救急患者からの感染防止対策をどのように講じておられますか。
 また、基礎疾患がある方、透析患者、また小児、妊産婦の方などの重症化のリスクが高い方々については、新型コロナウイルス感染の疑いがある場合、救急の受入れはどのようにされていますか。また今後、感染拡大に備えた県の取組はいかがですか。
 加えて、感染が拡大してきた場合、救急患者を含め、新型コロナウイルス感染患者の入院調整が重要になってくることから、国においてはG-MIS、すなわち新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システムの活用を推進されていますが、本県においては新型コロナウイルス感染患者の受入れについてどのように入院先の調整を行っているでしょうか。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長宮本浩之君。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 感染患者の早期発見については、本県では、レントゲンやCTによる肺炎像がある場合はもちろん、ない場合においても発熱や呼吸器症状などを医師が総合的に判断し、感染を疑う場合は速やかにPCR検査につなげる体制を整えています。
 次に、救急告示病院等で救急患者を受け入れる際には、病院の外で問診や体温測定によるトリアージを行い、感染の疑いがある場合には入り口、通路などの動線を一般の患者と分離し、医療従事者も防護服やマスクを着用するなど、感染防止対策を徹底した上で対応しています。
 そして、受入れ後PCR検査を実施し、感染の有無が判明するまでの間、適切な救急処置を行った上で、入院が必要でない場合は自宅にて待機していただき、入院が必要な場合は専用の病床で隔離しています。さらに、院内感染のリスクを低減させるため、感染疑いのある救急患者を受け入れる医療機関には、現在、時間短縮型のPCR検査機器や抗原検査の導入を進めているところです。
 次に、基礎疾患がある方や透析患者、小児、妊産婦で感染疑いのある方については、専門的な医療が必要であることから、当該患者の入院を受け入れる医療機関をあらかじめ設定しています。また、今後の感染拡大に備え、国の補正予算も活用しながら、専門医療を継続するために機器整備やさらなる院内感染防止対策などを実施する医療機関を支援してまいります。
 最後に、入院調整について、国が整備したG-MISは医療機関の状況を一元的に把握するためのシステムであり、現在、マスク等の医療資機材の確保のため利用されていますが、入院患者の状況把握については本格的な運用がなされていない状況です。
 本県では、県内で最初の患者が確認されて以降、感染症患者を受け入れる医療機関から、毎日、入院患者の状況や病床の稼働状況の報告を受ける体制を整備しており、新たな感染患者が発生したときは患者の病状、基礎疾患の有無、年齢、居住地等を総合的に判断し、県において入院調整を行っているところです。今後、感染が再び広がることも懸念されますが、そうした場合においてもしっかり県内の救急医療を堅持してまいります。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 救急入院患者については、症状がなくても全員にPCR検査を行う必要があるのではないかと私は思います。また、もともとの入院患者と新型コロナウイルス感染の可能性がある救急患者が併存していて慌ただしい、一刻の猶予も許されない医療現場で、ややもすると医療従事者に感染の仲立をさせてしまったり、防護具等の不備のために感染を広げてしまうことは、今後決してあってはならないことだと思います。どうか引き続き、和歌山モデルで、本県の救急病院での徹底した感染防止をさらに充実させていただきたいと要望いたします。
 3点目に、その他の新型コロナウイルス対応についてであります。
 まず、ボランティア活動について。
 新型コロナウイルス感染拡大に伴って、これまで様々なボランティア活動をされてこられた方々も、自分自身が感染するリスクと知らず知らずに感染させてしまうリスクで、行動を自粛されている方がほとんどだと思います。そんな中、全国各地でボランティアをされているグループの取組として、今まで地域の高齢者や子供とその家族など、幅広い顔ぶれのカフェを開催されていたところが、できる限りの感染対策や時間の短縮をしつつ、現在もカフェを開いて居場所を求める方の立ち寄り場所にしたり、来れない方に電話で声かけをしているグループ、若年性認知症家族会で活動自粛の中、会員全員に電話をかけて、1人で悩まないでと呼びかけをしているグループ、子供食堂の会で活動を中止せざるを得なくなる中、通ってきていた子供たちに手紙を送ったり、手作りマスクを寄附された食料品とともに届けたりしているグループ、休業を余儀なくされた地域の事業者の食料品等の商品を外出しづらい人にネット注文や電話注文で配達しているグループ、働く意欲や可能性がありながら一般就労に結びつかない方々の就労の場づくりとして、電動補助付三輪自転車で観光案内、移動支援、小中学校児童生徒の一斉休校に対応するための自習室の開催とその見守り、さらに完全無接触型の買物代行事業の取組等々、様々なボランティア活動をネットで散見することができました。
 本県においても、元気な心あるボランティアの方々がいろんな取組をされていると思いますが、新型コロナウイルス感染を防止する観点から、そのボランティアの方々の活動、感染症対策の呼びかけ、あるいは各団体との情報交換等、県としてそれらの状況をどのように把握されているでしょうか、福祉保健部長に伺います。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 県では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、県民の皆様へ感染防止のためのお願いを丁寧に何度も呼びかけてきており、不要不急の外出や3密状態など、感染の危機が想定される行動はできるだけ控えていただくようお願いしてきました。
 日頃より、県民生活を様々な場面で支えていただいているボランティア活動に関わる方々にも同様に、県社会福祉協議会を通じて県ボランティアセンターが発行する機関紙等により注意喚起を行ってきたところです。県内のボランティアの活動状況については、県社会福祉協議会も個々の活動の詳細は把握しておりませんが、多くのボランティア団体の方々からは活動の自粛に関する相談が寄せられ、県社会福祉協議会からボランティア活動についても感染防止を第一に考えた判断をしていただくよう助言してきたところです。
 緊急事態宣言の解除以降、外出自粛や休業要請等の行動規制が少しずつ緩和され、県内の様々な事業活動が動き始めておりますが、県としましては、ボランティア活動が感染拡大の要因になることがないよう、まず感染予防対策を徹底した上での活動を、引き続き県社会福祉協議会を通じて広く呼びかけてまいります。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 ボランティア活動というものは、その輪の中に入るとどうしても心を通わせるためのスキンシップが日頃常態化しておりますので、コロナ感染防止を徹底しなければいけない状況下で、感染というリスクと常に背中合わせの部分があると思います。徹底した感染予防対策の呼びかけをお願いいたします。
 2点目に、中学校、高等学校でのクラブ活動再開についてであります。
 高校総体──インターハイ、全国高校野球大会の春夏中止、中高各競技の地区予選大会・全国大会の相次ぐ中止等、高校生、そして中学生の生きがい、目標、そして将来の夢まで奪おうとする新型コロナウイルス感染の拡大であります。特に、高校3年生、中学3年生のショックは計り知れないほど大きいものがあると思います。それだけに、このたび、各競技において県高校総体の代替大会の開催の意向、そして夏の全国高校野球選手権和歌山大会に代わる県独自の大会が開催されることが決まったということで、大変喜ばしい限りです。また、春の選抜高校野球大会の選出校32校の交流大会が甲子園球場で実施されることもうれしいニュースです。
 さて、今後、一部冬の大会に向けて、受験と両立しながらクラブ活動を続ける生徒もいるであろうと推測されます。6月1日から、何かと制限はあろうかと思いますが、熱中症のリスクも抱えながらの再開、くれぐれも感染症対策には万全を期して、悔いのないクラブ活動にスポーツでも文化でも取り組んでいただきたいと思います。
 3年生の思いを実現してあげるために、成果発表の場はぜひとも必要であると思います。今後、子供たちのクラブ活動への思いと安全、健康面との両立のため、教育委員会としてどのような施策を考えておられるか、教育長の御所見をお伺いいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 中学校、高等学校のクラブ活動についてでございます。
 これまで部活動に励んできた最終学年の生徒にとって、その集大成となる場が用意されることは、教育的にも、その生徒の人生にとっても、大きな意義があると考えております。
 県教育委員会では、感染症予防はもとより、熱中症防止等への対策のため、部活動再開のガイドラインや今後の感染状況と大会開催についての目安を示しています。対策をしっかりと取りながら、県独自の各大会等を支援してまいりたいと考えています。
 さらに、各大会の開催に当たり、運営費の補助とともに、消毒液やマスク、赤外線体温計など、感染予防に必要な措置を講じてまいります。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 この新型コロナウイルス感染で活動自粛を迫られて自重していたのは学生たちです。いろんな競技や活動において、中学生、高校生たちのはじけんばかりの躍動する姿を見ながら、思いっ切り和歌山県民として応援させていただきたいと思います。
 3点目に、介護付高齢者住宅や介護福祉施設従事者への支援についてであります。
 新型コロナウイルス対策の政府の2020年度第2次補正予算案に、新型コロナウイルスの重症患者の入院治療を行った病院などを対象に、診療報酬を通常の3倍にする方針を政府は決定しています。4月に診療報酬を倍増させていましたが、新型コロナの感染者を受け入れた医療機関で経営が悪化している実態を踏まえ、支援を強化するもので、その趣旨は理解するものです。
 しかるに、絶えず高齢者や認知症患者の方々と向き合い、接している介護福祉現場については、介護保険の通所系サービスと短期入所系サービスについて報酬上の上乗せ特例を臨時的に認める方針であるものの、サ高住等介護付高齢者住宅や高齢者福祉施設への支援については具体的なものはうかがえません。医療機関で報酬を3倍にするなら、当然医療機関同様、命がけでクラスター感染の危険に絶えず脅かされながら、被介護者と密着して日夜献身的に業務に従事している介護付高齢者住宅や介護福祉施設への介護報酬についても同様の増額があってもしかるべきではないでしょうか。
 全国知事会でも、国に対し強く要望いただいてるとお聞きしておりますが、県におかれましても、県内の介護従事者のぎりぎりのところで踏ん張っておられる状況を鑑みて、国に対し強く求めていただきたいと要望させていただきます。
 4点目です。コロナ後のインバウンド対策についてであります。
 日本政府観光局(JNTO)が発表した4月の訪日外国人数は、昨年同月と比べて99.9%減少しました。しかるに、中国では5月1日から5日の労働節──メーデー連休中、中国の国内旅行者は1億1500万人に上り、昨年同時期に比べて約6割の人出というものの、14億総国民の12人に1人が動いたということであります。今、中国では「報復性消費(リベンジ消費)」がトレンドワードになっていて、抑制されてきた消費意欲が一気に解放され、感染対策には配慮しつつも、都市部の商業施設から地方の観光名所まで人々の姿が戻ってきたそうであります。
 その中で、中国の旅行会社と調査会社及び太平洋アジア旅行協会が3月に、共同で新型コロナウイルス終息後における中国人旅行者の意識調査を中国国内で実施したところ、「収束したら2020年のうちに旅行したいか」の問いに「いいえ」13%、「まだ分からない」27%を上回り、60%が「はい」と回答しました。そのうち45%が海外旅行を希望し、行きたい旅行先については「日本」が18%で第1位だったそうであります。他のアジア太平洋地域でも日本人気は高く、年内にまずは訪日外国人が戻ってくる兆候があるといいます。
 そこで質問ですが、一つ目、新型コロナの感染が落ち着けば、中国からに限らずインバウンド観光客は一気に増加すると思われますが、本県においてインバウンドのための各種キャッシュレス決済への対応は進んでいるのでしょうか、商工観光労働部長、御答弁をお願いいたします。
〇議長(岸本 健君) 商工観光労働部長大山 茂君。
  〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) 県では、インバウンド対策において、自国と同様の支払い方法が可能になるキャッシュレス決済は不可欠なものであると考え、これまで総務省のJPQR普及事業や経済産業省のキャッシュレス・ポイント還元事業を活用するとともに、様々な決済事業者と連携してキャッシュレス決済の周知に取り組むなど、県内事業者に導入を強く働きかけてきました。
 これら取組の結果、県内事業者へのキャッシュレス決済の導入が進み、平成26年において全国最下位であったキャッシュレス決済の普及状況は、本年6月11日時点の経済産業省のキャッシュレス・ポイント還元事業における人口1人当たり加盟店登録数において、全国で12番目となっているところです。
 新型コロナウイルス感染症終息後のインバウンドに対応するため、引き続きキャッシュレス決済の導入を進めるとともに、国が示す新型コロナウイルスを想定した新しい生活様式の実践例の一つとして、キャッシュレス決済が推奨されている観点においても、県としてより一層の普及に取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 2点目に、新型コロナが世界的に蔓延した中、今後求められるのは毅然とした感染症対策を取っているかどうかの対外的なアピールであります。マスク着用、一定の距離を置いた並び方、入場制限、エチケット等、駄目なものは駄目という明確な対応策を講じているか否かも判断材料として求められてくると思います。
 一方、Go To トラベルキャンペーン等で、日本はまず年内は全国からの国内旅行需要の取り込みに軸足を置く方針ですが、中国をはじめとするアジア太平洋地域からの年内来訪再開に向けた準備は早くからしておかなければいけないのではないかと思います。もちろん、対外的にアピールできる感染症対策は推し進めていただくことを第一にしながら、世界のスピード感に十分対応できるよう、本県においてもインバウンド対策を万全にしていただきたいと思いますが、知事の御所見を伺います。
〇議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) インバウンド観光については、世界遺産高野山・熊野古道をはじめ、自然景観や温泉、グルメなど豊富な観光資源を有する和歌山県は、ロンリープラネットやAirbnb、ガイジンポットと、世界の権威ある機関から訪れるべき地域として、3年連続で日本一の評価を受けるなど、これまでも全世界から高い評価を得てきました。せっかくそこまでいったんですが、新型コロナの世界的蔓延でもうどうしようもないという状況でございます。第一、渡航制限があって、これがなくならない限りどうしようもないということでございます。
 でも、いつかは終わるわけでございますので、そのときに、すなわち新型コロナウイルス感染症が終息した後の観光では、これまでの観光コンテンツの魅力に加え、混雑してる都市部よりも、クリーンな自然環境や感染症対策の安全・安心な受入れ態勢が整っている場所がいいんじゃないかというふうに世界中で思ってもらえるんじゃないかと思っておりまして、それをアピールしていきたいと思います。
 そういたしますと、受入れ態勢面では、外国人観光客の旅行形態が急速に個人旅行化している、あるいはしていたということでございますので、これまでもバス停の多言語化など、二次交通アクセスの改善やキャッシュレス対応など個人観光客がストレスなく県内を周遊できる観光地づくりに取り組んできましたが、これをもっと進めていかないかんと。
 それから、感染症対策については、既に事業者の皆さんに業界ガイドラインに基づく体制づくりを進めてもらっているところでありますが、県のほうでも追加議案としてお諮りしている新たな補助制度を導入することによりまして、さらなる安全・安心な観光地づくりに取り組んでいきたいと思います。
 また、先行して実施を予定している国内向け「蘇りの地、わかやま」キャンペーンの次の段階では、海外向けプロモーションとして、自然豊かな癒やしの地・和歌山の地域特性を前面に打ち出したWakayama Refreshキャンペーンを実施したいと考えております。世界中の方々が新型コロナで、ある意味では被害を受けました。そういう意味では、心身ともによみがえろうということをアピールしていきたいなあというふうに思っております。
 今後、海外での新型コロナウイルス感染症の終息状況を見極めつつ、まずは海外大手メディアやSNSを活用したデジタルプロモーションによる情報発信に取り組みまして、和歌山へ本当は行きたいなあという気持ちを高めてもらって、沈静化の見通しが確認された国・地域から順次、機会を逃すことのないよう段階的に海外プロモーションを展開してまいりたいと考えております。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 新型コロナの感染が沈静化したなと思った国でも、社会の気の緩みからなのか、クラスターが再び発生している状況があります。インバウンドの受入れも、当分の間はその判断が難しいとは思います。極めて御多端のこととは思いますが、和歌山県経済の復興のため、仁坂吉伸知事の時宜を得た観光への対応も今後も期待しております。
 5点目に、国語の読解力についてであります。
 2022年度から高校国語の新しい学習指導要領が実施され、選択科目「論理国語」がスタートすることについて、昨年の12月定例会の一般質問で問題提起させていただいたことがありました。それに続いて、国語の読解力について考えるところを質問させていただきます。
 人は、まず文字を覚えたら読むことから始まります。国語の力の基礎は、何よりも読むことだと思います。それには、子供時代に家庭でいかに本を読む習慣を身につけるかだと思います。しかるに、私も子育ての際に感じましたが、昨今の子供たちは自主的には本を読みません。だから、必然的に長い文章を読む習慣は希薄です。学研の教育総合研究所によると、2019年で小学生の1か月の平均読書数は3.1冊、高校生になるとそれまで携帯電話やスマートフォンを使う習慣もできてきているからなのか、2018年平均で2.3冊、3人に1人は本を読まなくなっています。
 本を読むことが好きになると、次々と新しい本を読みたくなるものです。本を読む中で覚えた単語やフレーズが、たまたま小学校の授業などで表現として出たりして、先生に褒められたりなどしたら、ますます国語が好きになります。子供のよいところを先生もどんどん褒めてあげることも重要でしょう。
 中学生くらいになると、文章の意味を問われたりして読解力が要求されるようになります。このときも、やはり文章を読んできた経験値によって左右されるでしょう。高校生になると、一つの言葉でもその言葉が使われた箇所のニュアンスで意味が微妙に変わってきたりする日本語の豊かさに触れることがあると思います。そして、自分の気持ちに一番合う言葉、あるいはその文脈に合った言葉を使える語彙力を持てば、より深く考えて相手に自分の気持ちをさらに的確に伝えることができます。
 私も悪戦苦闘しましたが、漢文における漢字の意味の深み、難解さと韻を踏むリズム感、そして古典における言葉の意味の取りにくさと味わい、それも高校時代の恩師・多紀治子先生に厳しく教えてもらいながら理解に至って、読み取れたときの達成感を味わうことができると言葉の面白さを感じるようになります。そうしておのずと語彙力もアップしてくると思います。
 昨今、子供が怒りっぽくなって図らずも言葉の暴力を周囲に投げかけるのは、自分の感情をコントロールできる言葉がうまく見つからないからではないかと思うわけです。相手の言葉を理解し、自分の言葉を的確に伝える語彙力は、社会生活を送る上でも欠かせないことであります。私自身も高校時代、大学時代には仲間内で自分たちだけで伝わる短い言葉を使って共感を高め、喜んでいましたが、今は若い世代の人がSNSによって共感する相手を増やしています。それを否定するものではありませんが、一つのSNS言葉を多用するあまり、日本語の多様な表現を、そして語彙を覚えることなしに、やがて学校を卒業し、社会に出てしまうことを危惧します。語彙は本や新聞を読んでこそ増やせるし、読んで分からない言葉が出てきたら辞書を最大限利用することも効果的でしょう。社会に出れば、かつて仲間同士で通じていた言葉は受け入れられず、場面に応じて言葉を使い分ける説明力や理解力が求められます。
 そこで質問ですが、各自治体でも図書館をリニューアルする動きが出てきていて、本を読む習慣が地域に広がっていけばいいなと思います。読解力、すなわち読む力とそれに加えて語彙力をアップさせるためには、何よりも子供時代から楽しみながら本を読む習慣を身につけさせることだと私は思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 国語の読解力についてでございます。
 子供たちの感性を豊かにし、コミュニケーション力をはじめ良好な人間関係を築いていく力を身につける上で、語彙力を高めることは大変重要です。文字を追い、文章を読み、時には分からない言葉を調べる読書活動は、語彙力を高めるだけではなく、読解力を身につけるための有効な手段の一つともなります。
 しかしながら、昨今、議員おっしゃったように子供の読書離れの傾向が指摘されているところです。この現状は憂うべき事態であり、学校教育において適切に指導し、子供たちに楽しく読書に親しむ環境をつくることが重要であると考えます。
 各学校では、朝の読書活動、ポップ作り、友達に本を紹介する活動など、子供たちが本を手に取り、読書を楽しむために発達の段階に応じた特色のある取組が行われています。
 県教育委員会といたしましては、子供たちの読書環境の充実を図るため、今後も取組を進めてまいります。
〇議長(岸本 健君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
〇長坂隆司君 答えていただきました。
 読書習慣だけは、楽しく感じないと絶対身につくものではありません。本を読んでいて、この後どんな展開が待っているのかわくわくさせてくれる、そんな気持ちは幼少の頃に保護者の誘導次第で自然と身につくものだと思いますし、小、中、高においても、教員の皆様には子供たちが文章を読む楽しさを無理なく実感して、読書習慣が身につくような授業や取組というものをふだんから改めて意識いただければと思います。
 また、新型コロナの感染による自粛で自宅にいる時間も必然的に長くなっている今こそ、家族それぞれの読書励行、これを呼びかけてはどうかと要望させていただきます。
 これで、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、長坂隆司君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時36分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
〇副議長(濱口太史君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 23番佐藤武治君。
  〔佐藤武治君、登壇〕(拍手)
〇佐藤武治君 皆さん、こんにちは。昼食後のまぶたが重くなる時間帯でありますけども、少しの間、お付き合いをお願いします。
 それでは、議長のお許しが出ましたので、通告に従い、私の一般質問を行います。
 2月議会の一般質問冒頭でも述べましたけども、中国の武漢で発生したと言われる新型コロナウイルス感染症が物すごい勢いで全世界に蔓延し、既に感染者は800万人を超え、死亡者も43万人を超えています。日本国内においても、クルーズ船やチャーター機の乗客等を含めて1万8000人を超える感染者が確認され、死亡者も900人を超えてしまいました。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、有史以来の危機となってグローバル経済を襲いました。業績や雇用への影響が見通せない中、5月上旬の新聞であったと思いますけども、2020年3月期の決算で、過去最大の最終赤字1974億円を計上した丸紅の社長、そのコメントに「人類の動きが全世界レベルで止まり、世界経済は戦後最悪の危機モードに突入した」と記されていました。
 中小を含めた日本企業約130万社の売上高の総額は2018年度1520兆円とも言われていますが、岡三証券チーフエコノミストの方は、緊急事態宣言のこの1か月間だけで50兆円が減ったと試算し、バブル崩壊やリーマンショックなど、過去の危機時にも前例がない需要の急収縮であるとおっしゃっていました。
 過去の危機と言われるのは、皆さんも御存じのように、人類は何度も感染症に脅かされてきました。14世紀の欧州を中心に推計7500万人が死亡したペスト、当時は欧州の人口の3分の1に当たるとも言われています。また、16世紀にスペインからアメリカ大陸に持ち込まれた天然痘では、免疫のない先住民に感染が拡大、人口の9割が死亡し、後のアステカ帝国やインカ帝国が滅びる要因になったと見られています。
 19世紀には、コレラが世界中で流行を繰り返しました。1918年から1920年頃に、推計ではありますけども世界で5億人以上が感染、死亡者は4000万人から5000万人とも言われ、日本でも約40万人が死亡したと言われる史上最悪のスペイン風邪がありますが、経済的な面から見ると、新型コロナウイルスはそれらを超える影響が出ているとも言われているところです。
 非常事態宣言が解除されたとはいえ、収束が見えない中、観戦を楽しみにしていた東京2020オリンピック・パラリンピックが来年に延期されました。ほかにもスポーツ界では、高校総体や春夏の甲子園大会も中止になり、球児をはじめ多くの関係者が落胆をしたところです。
 先日、日本高野連は、10日でしたか、新型コロナウイルスの感染拡大で史上初めて中止になった第92回選抜高校野球大会の代替試合、2020年甲子園高校野球交流試合──仮称でありますけども、甲子園球場で開催する旨の発表をされました。大変、私もうれしく思います。
 また、新聞紙上などでも、景気悪化で底が見えないとか、1月から3月期のGDPが感染拡大の影響を受けてマイナス、また4月から6月のここにおいても年換算で20%程度大幅下落の予想であるとか、企業の倒産であるとか解雇の記事、明るい話題が全くない報道が連日されているところです。
 そんな中、最近、国内では、各地で経済活動も少しずつではありますけども再開し始めたところも出てきており、本県でも1日に休業要請が全面解除されて、経済社会活動が再開をされているところです。
 県下の市町村でも、困っている事業者などを少しでも助けようと独自に支援策を打ち出しています。白浜でカフェを営む私の知り合いの方は、仲間を集め、4月の中旬から新型コロナウイルスの影響で飲食店は休業し、土産物屋も軒並み売上げが激減、買取り停止などにより、売上げはともかく賞味期限が迫ってきており、廃棄をせざるを得ない、こういう危機に陥っている状況を打破するために、SNSを利用し、クラウドファンディングを活用して全国的に販売を始めたりして、目標額を大きく上回る成果を上げたと伺っています。
 このことは、幾つかのテレビでも取り上げられて、皆さんももしかすると見られたかも分かりません。ただ、現実は厳しく、以前のように観光客が戻る日はいつになるのか不安で、国や県の対策を期待しているとのことでありました。
 5月の臨時会で補正予算が成立し、県独自の支援策が決まりました。私も、臨時会の翌日、地元の商工会を訪問し、国の持続化給付金の申請サポートのお願い、また、県の事業継続支援金等についても、会員はもちろん非会員の方も影響を受けています、そういう事業者への周知も含め、申請の支援をお願いに行ってまいりました。
 その後、県の支援制度の資料を持参して、申請を促すべく、影響を受けたと思われる各事業者を訪問し、話をお伺いしていく中で、業種にもよりますが、2か月近く営業ができていない宿泊事業者、ダイビング関係事業者や渡船業者、飲食関係事業者など、訪問したほぼ全業種にわたって、国の持続化給付金を申請した方や今後予定している方が、私が訪問した訪問先の95%ぐらいあったのではないでしょうか。中には、給付対象となる売上げが前年同月比で50%以上減少はしていないものの、40%以上は落ち込んでいますと、こうおっしゃった方もいらっしゃいました。支援策、これはどこかで線引きをしないといけないと思いますけども、お話を聞いていく中で、やはり支援を受けることができない方の心情を思うと非常につらいところがありました。
 いろんな業種の方のお話をお伺いいたしましたけども、とりわけ深刻なのが観光関係の事業者の皆さんでありました。観光立県をうたう和歌山県です。一刻も早く回復基調に転ずるための対策が求められているところです。
 昨年の12月に、JTBが2020年の旅行市場の見通しと2019年の実績推計を出しています。それによりますと、2019年の日本人の総旅行者数は、延べ人数でありますけども、前年比0.3%増の3億490万人、内訳は、国内旅行者数が前年とほぼ同じ2億8490万人、海外旅行者が5.5%増の2000万人。2020年の見通しについては、総旅行者数、延べ人数で前年比0.7%増の3億712万人と推計、国内旅行者数も0.5%増の2億8632万人と見通していました。当然、新型コロナウイルスの影響が出る前でございます。今は全く白紙に戻ったと思います。
 本県でも、2019年に訪れた観光客の総数は3543万人で、1959年の調査以来最多であったということです。日帰り客数が2993万人で最多、世界遺産15周年記念行事や県内初開催のねんりんピックなどが影響したようです。地域別では、田辺市本宮町の宿泊客が前年比で21.7%増の14万6000人に、串本町の宿泊客も15.8%伸びて51万6000人でした。ただ、その一方、那智勝浦町は、大型ホテルの耐震改修工事などによる影響もあって、宿泊が27.1%減り、36万8000人と大幅に減っております。同町では、かつて平成12年までは宿泊客が年間100万人を超えていたのが、平成22年に71万人になり、昨年はとうとうその半分まで落ち込んでいます。
 先ほども申し上げましたけども、一刻も早く回復基調に転ずるための対策の実施が強く求められているところです。
 先日、あるテレビ番組で、星野リゾート代表の星野佳路氏が、「訪日外国人旅行者は昨年3000万人を超えた。当然、新型コロナの影響で今年のインバウンド客は当てにはできない。ただ、日本の観光市場は28兆円あり、そのうちインバウンド市場については約2割、正確に言えば17.2%の4.8兆円だけ、残り8割は国内観光という数字がある。インバウンドという割には、全体から見ればそんなに大きな数字ではないと言える」とおっしゃっていました。
 この数字から考えても、新型コロナが終息するまで約1年半ぐらいとも言われているところですけども、インバウンド客がなくなっても日本人による国内観光が22兆円ある、この国内需要をもっと伸ばせば乗り切れるのではないかという見方もできるわけで、それ以外に、昨年、外国旅行に行った方が先ほど2000万人いると言いましたけども、この方たちでも2兆円から3兆円を使っているとされているところです。この人たちを国内にどの程度戻してくるのか、これが今後の観光産業に与える影響が大きいとされるところです。
 観光産業は、ここ15年、インバウンド客を伸ばす方向で来ましたけれども、それまではほぼ国内需要だけでやってきた産業でありました。旅行する中核とされる団塊の世代が来年から75歳を超える時期になりますけれども、もう一度国内旅行に行ってもらえる企画をして、また今の若い世代はあまり旅行に行かないとも言われているところですけども、若い世代に、旅行は楽しいと思うような企画をして掘り起こしていけば、ある程度の需要を喚起できるのではないかと思います。
 星野代表は、「日本人は正月やゴールデンウイークに同じ時期に集中して動く。もっと平日を手厚くするなど旅行の分散をして、利益率を上げると、人材を維持して借金は返せるし、事業は続いていく」とおっしゃっています。また、今後の観光業のキーワードをマイクロツーリズムと考えており、これは車で60分以内で行ける地元への観光ということだそうです。まず最初に戻るのは、近場の観光だとおっしゃっています。自社の予約を見てみても、自家用車で1時間以内のところが多く、新幹線や飛行機を利用しての遠距離の旅行は次の段階だと考えていると言っておられます。日本全国の観光はまた次の段階、最終的に治療薬やワクチンができれば海外に行く段階になるとのことでありました。
 これは、さきに発表のありました和歌山県観光振興実施行動計画の考え方とも一致をしていると思います。まさに、県が考える「蘇りの地、わかやま」県内周遊促進キャンペーンになる県内旅行ですが、実施行動計画を見ると、第1弾としては、イベントや外出の自粛が緩和されたらそういう段階からと、こういうふうにされております。
 まずは、近くの観光をしっかりとやることが大事。県境の方であれば、例えば大阪や奈良県、三重県にも行けます。逆もあり得るわけで、そちらからも来てもらえることもある。私の住む串本町は最南端で、道路事情も考えてみると、1時間以内となると、白浜から東は勝浦まで、ここは十分行けます。そして、3時間もあれば県内全域が行動範囲になるところです。詳細な計画を別に立てなくても動ける範囲ですから、すぐにでも行動に移せると、こう思います。まずは、県民の皆さんに一日でも早く動いてもらえるようにするために、一刻も早く迅速に、また具体的に発信をして対応してほしいと思います。ホテル関係者の話を伺うと、あまりにも影響が大きく、これ以上時間がかかると事業が継続できなくなる、こういうこともおっしゃっておりました。
 もうすぐ夏になり、ふだんであれば、紀南地方にとっては最も観光客が訪れる時期でありますが、夏の風物詩である花火大会は各地で中止が決まり、海水浴場についても、田辺市やすさみ町では県内外から多くの人が訪れることが予想され、いわゆる3密を回避することができないため、今夏の開設を中止しました。白浜町の観光業者には、夏も商売ができなければ、どれだけの店が持ちこたえられるか、危惧する声が上がっていることも事実であります。
 国のGo To キャンペーンは、収束後に実施する観光業、飲食業、イベント業、商店街などを対象とした需要喚起策であります。たしか、補正では1.7兆円程度の規模であったと思います。ただ、委託先公募を中止して仕切り直すことから、当初予定した開始時期が遅れることになりそうでありますけども、全国展開されるこのキャンペーンでは、全国的な競争が予想されることから、本県が埋没してしまうことがないよう戦略も必要となってくるでしょう。
 新型コロナウイルス感染症により影響を受けた観光事業者への支援と今後の県の観光施策等について、商工観光労働部長にお伺いいたします。
〇副議長(濱口太史君) ただいまの佐藤武治君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長大山 茂君。
  〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う県外からの訪問客の受入れ自粛などにより、紀南エリアをはじめ県内全域において、今年のゴールデンウイークでは観光入り込み客数が前年と比べて9割以上減少するなど、特に観光事業者が壊滅的な打撃を受けております。
 このような厳しい状況に対応するため、県では、売上げが減少した事業者に事業を継続するための支援金や補助金に加え、深刻な経営悪化に陥っている観光関連事業者には、新たな融資枠などの県独自の包括的な支援策を5月に創設するとともに、本6月定例会においても、融資枠の拡大や観光客に安心して訪れていただくための受入れ環境整備に対する補助を提案させていただいております。
 あわせて、県民の方に新型コロナウイルス感染症の閉塞感からリフレッシュしていただき、県内の魅力に触れ、郷土愛の醸成につなげていただくため、県内の宿泊施設等を利用した際に宿泊費用等の一部を支援する県民リフレッシュプラン販売促進事業についても本定例会に提案させていただいているところです。
 今後、地域経済の復興に向けた取組として、観光産業の早期回復を図るため、新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた観光振興アクションプログラムに基づき、「蘇りの地、わかやま」キャンペーンを段階的に展開してまいります。
 まずは、県民リフレッシュプラン販売促進事業に加えて、県公式フェイスブックやインスタグラムといったSNSなどにより、旅行動機をかき立てる情報を発信するとともに、日本書紀編さん1300年記念として本県ゆかりの地を巡るわかやま記紀の旅周遊スタンプラリーなどの特別企画により、県内の周遊を促進し、消費喚起に努めてまいります。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の流行沈静化の見通しが確認できた段階では、国が実施を予定しているGo To トラベル事業とも連携し、市町村及び関係団体一丸となって大々的に全国的にプロモーションを実施するなど、収束状況に応じて対象地域を段階的に拡大しながら、さらなる誘客につなげてまいります。
〇副議長(濱口太史君) 佐藤武治君。
  〔佐藤武治君、登壇〕
〇佐藤武治君 答弁ありがとうございます。
 今、部長のほうからお答えいただきましたけども、県民リフレッシュプラン販売促進事業等々いろんな御支援を、施策を考えていただいてるということでありますけども、今回のこの新型コロナウイルスの感染拡大で本当に多くの業種が影響を受けています。私も、先ほど翌日からということで、12日から毎日のように多くの業者に足を使ってお話を聞いてきたところであります。中でも、この和歌山県、特に紀南地方は本当にそうなんですけども、観光関係に携わる多くの事業者、関係者がございます。そこは本当に壊滅的なと言っていいぐらいの打撃を受けているところです。本当に一刻も早く手を打っていかないと、その被害のほうは拡大し、本当に最悪倒産というところもたくさん出るのではないかと、このように危惧しているところであります。
 本定例会の開会に当たって、知事の説明にもあったように、早期回復を図るため、本当にスピード感を持って対策を講じていただくとともに、施策の実施を決定した際には、開始時期を明確に、どのような内容なのか具体的に速やかに県民や事業者に広報、周知することを強く要望して、私の最初の質問を終わります。
 続きまして、マイナンバーカードの普及推進についてお尋ねをいたします。
 マイナンバーカードについては、2015年(平成27年)の10月であったかと思います。住民票を有する方全員にマイナンバーが通知をされました。12桁のマイナンバーを記載した通知カードが同封をされて、自宅に簡易書留で郵送されてきたのを記憶しているところです。
 ただ、そのときは、カードの申請については任意であって、どのように使うのか、またメリットはあるのか等、詳しいことも分からずに、マイナンバーカードの申請もせずに済んできたところがあって、ほぼ忘れかけていた感もありました。
 そこに、今回の新型コロナの経済対策として支給される一律10万円の特別給付金、ここをいち早く受け取るために必要だとして、急遽その存在がクローズアップされたところです。
 しかし、5月1日に自治体でも特別給付金の申請受付が始まると発表されると、一部の自治体ではありましたけども、マイナンバーカードの発行申請の手続が急増したり、カードを持っていても暗証番号を忘れたり、また失効していたり、カードリーダーがない等で窓口が混乱し、手続による感染拡大を防ぐという政府の方針に反する事態が起きたところもありました。
 行政、税金に関する事務の効率化などを目的にマイナンバー制度がスタートしたのは2016年の1月、4年ほどもう過ぎているわけですけども、マイナンバーカードの普及率は4月1日現在で16%ほどと聞いております。今後、マイナンバーカードを健康保険証として利用する計画もある中で、何らかの対応が必要になると思われます。
 そのマイナンバーカードについてお伺いします。
 何かと課題があるマイナンバーカードでありますけども、4月7日の記者発表であったかと思いますけども、和歌山県職員のマイナンバーカードの申請率、取得率が全国で1位ということが発表されております。申請率の2位は熊本県であって、そことは1.1%ぐらいの差でありましたけども、都道府県職員全体の28.7%から見ると随分高い数字でありますし、取得率では68.6%で、2位の福井県の59%をかなり上回っておるなと。都道府県職員全体の23.5%をも大きく上回っているところです。
 このあたりは、職員の意識が高いのかどうか分かりませんけども、県職員に対するこれまでの取組について伺いたいと思います。
 あわせて、県民の取得率など県下の状況はどうなっているのかを総務部長にお伺いをいたします。
〇副議長(濱口太史君) 総務部長田村一郎君。
  〔田村一郎君、登壇〕
〇総務部長(田村一郎君) ただいま議員に御指摘いただきましたとおり、昨年12月末時点における和歌山県職員のマイナンバーカードの取得率は、都道府県職員の中で全国1位となりまして、最新のデータでは3月末時点で、全国順位はまだ出ておりませんけども、取得率は69.9%に達しております。
 マイナンバーカードの普及のため、これまで県職員に対しては、カードの取得促進の宣伝マンになってもらうことや、市町村の窓口事務の負担を平準化することを狙い、職員自らが早期にカードを取得するよう促してまいりました。
 具体的には、知事や各部長、各振興局長が出席する会議においてカードの取得を呼びかけるとともに、これら部長等の幹部に当事者意識を持って旗振り役となってもらうよう、部局ごとの取得状況を定期的に情報共有してまいりました。
 また、出張申請所を商業施設等に加え、県の本庁や振興局等、計9か所にも市町村に開設していただき、このことも県職員の取得向上につながったと考えております。
 一方、県民全体のマイナンバーカードの取得状況は、本年6月1日現在で住基人口に対する交付枚数率が全国で16.8%のところ、和歌山県では13.9%となっており、一部、橋本市や北山村では全国平均を上回っているものの、県全体では全国平均を下回っている状況となっております。
 なお、特別定額給付金等の影響もあると思われますが、直近の県内におけるカードの交付申請件数は、3月の約4400件から4月は約5400件で前月比約1.2倍に、5月は約1万500件で前月比約2倍に増加しており、今後の取得率の向上につながっていくものと考えております。
〇副議長(濱口太史君) 佐藤武治君。
  〔佐藤武治君、登壇〕
〇佐藤武治君 知事を先頭に各部長、振興局等も一緒になって呼びかけてきたと、その結果がこういう数字になったということであります。
 今後についても、ひとつ積極的に職員等については取得をしていただくと。また、県民の方についても、今のところ少し全国平均を下回ってるところでありますけども、一部の橋本や北山村では高い。一部だけであります。今後については、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
 現在、マイナンバーカードについての取得は、先ほども言いましたように任意取得ということでありますけども、政府は今後、健康保険証として利用する計画をはじめ、様々な施策を計画していますので、マイナンバーカードの普及拡大に向けて取り組む必要があるかと思います。
 ただ、普及への課題もあることも事実であります。
 考えられる課題の一つとして、カード普及のためには、発行のデメリットよりメリットを強く感じてもらうことが大事であると、こう思います。内閣府、総務省の作成したパンフレット、ここに手元にあるわけですけども、(パンフレットを示す)一つは、マイナンバーカードの電子証明機能による公的個人認証サービスを利用することで、様々なオンラインサービスを受けることができるとされております。例えば、国税に関する手続についてはe-Tax、これが使えます。各証明書の取得の際には、役所まで足を運ばなくてもコンビニ等で手続をすることもできます。また、銀行によっては、マイナンバーカードの電子証明書を用いることで住宅ローンの契約をオンライン上でできることが可能になる。さらに、マイナンバーカードは物理的な本人確認書類となるわけで、今多くの場合、ほとんど私もそうですけども、運転免許証が本人確認書類として使用されているところです。ただ、最近では、運転免許証を取得しない若者であるとか、また自主返納する高齢者の増加もあって、今後は運転免許証取得前の年齢も含め、全ての人が使える公的証明書としてのマイナンバーカードの役割は増していくのではないかと考えます。
 現時点では、マイナンバーカードの本人確認書類としての機能によるメリットは、運転免許証を持っていない人など一部の人に限定されるところが現実であります。
 ただ一方、またデメリットについては、カード紛失等によるマイナンバーの流出及びマイナンバーカード不正利用のリスクが少なからず増大します。マイナンバーカードだけでは、そこに含まれている情報以外は漏えいしないけども、パスワードを知られてしまうとオンライン上の個人情報が盗み取られてしまうおそれが生じます。
 それでも、マイナンバーカードは必要であることを十分周知をしていただいて、普及に向けた取組を期待するところです。
 今後、県としての施策等について、総務部長にお伺いをいたします。
〇副議長(濱口太史君) 総務部長。
  〔田村一郎君、登壇〕
〇総務部長(田村一郎君) マイナンバーカードには、議員御指摘のとおり、本人確認書類になること、住民票等の各種証明書のコンビニ交付やオンラインでの確定申告など各種行政手続のオンライン申請ができること等のほか、図書館において貸出利用券として利用できること等の様々なメリットがございます。
 さらに、本年9月からマイナンバーカードを活用した消費活性化策として、キャッシュレス決済をした際に利用額の25%がポイント還元されるマイナポイント事業が実施されます。また、来年3月からは、議員御指摘のとおり、マイナンバーカードの健康保険証としての利用開始も予定されているなど、カードを保有することによる利便性がますます向上していくことが見込まれているところでございます。
 加えて、特別定額給付金において、マイナンバーカードを用いたオンライン申請が注目されたところでございますが、災害や感染症など緊急時における給付金等の迅速かつ確実な給付を目的として、希望者のマイナンバーと振込先の口座情報を名簿に登録して管理する法案が、先日、議員立法として国会に提出され、継続審議となっているところでございます。
 なお、議員御指摘のマイナンバーカードを紛失した場合のリスクについては、24時間365日体制でマイナンバーカードの一時停止を受け付けるフリーダイヤルが設置されているほか、カードのICチップには税や年金などの個人情報はそもそも記録されておらず、不正に情報を盗み出そうとするとICチップが壊れる仕組みになっているなど、十分なセキュリティー対策が講じられているところでございます。
 このような状況の中、安全・安心で利便性の高いデジタル社会を実現するため、その基盤であるマイナンバーカードの必要性はますます高くなっているところでございます。
 県としましては、県民の皆様に対して、新型コロナウイルス感染症の流行状況を踏まえつつ、各市町村、企業等と連携した出張申請所を実施するとともに、テレビ、ラジオ等のメディアを通じて広報を行うなどの様々な取組を積極的に実施し、より多くの方がマイナンバーカードを取得されますよう促してまいりたいと考えております。
〇副議長(濱口太史君) 佐藤武治君。
  〔佐藤武治君、登壇〕
〇佐藤武治君 ありがとうございました。
 今、部長のほうからもありましたように、この9月からですか、マイナポイントという、こういう利点もあるということで、いろんな有利なメリット面をしっかりと周知していただいて、県民の皆様にも取得を促してほしいなと、このように思います。
 そしてまた、今後も本県職員、せっかく全国ナンバーワンという位置にございますので、この座をしっかりと守っていただくというか、100%取得に向けて、また知事筆頭に取り組んでいただくように要望いたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(濱口太史君) 以上で、佐藤武治君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕(拍手)
〇岩井弘次君 こんにちは。本日最後、4番目の登壇をさせていただきます。23番佐藤さんに続きまして、続いての24番岩井でございます。どうか、少しの間、お付き合いいただきますようによろしくお願いいたします。
 コロナ疲れといいますか、私もこの長期にわたる自粛、自粛の生活の中で、これまで経験したことのない大掃除といいますか、大片づけをしまして、家内、妻には大変喜ばれたといいますか、邪魔者扱いされたところもあったんですけども、家が大変きれいになりました。とにかく、この時間をプラスに使おうということで使わせていただいた次第ですが、本当に閉塞感が漂っている、それが今なおまだ続いていることが非常に悲しい思いであります。簡潔に質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 さて、新型コロナウイルスの感染拡大という未曽有の国難の中、本県においては、これまでに63人の陽性者が出ましたが、知事を先頭に職員の皆さんはじめ懸命に支えてくださった医療従事者の皆さんが昼夜を分かたず御尽力いただいたことにより、現在、陽性の方はゼロとなり、5月11日に再陽性となった方を最後に、本日まで38日間、陽性者は出ておりません。
 県民の皆さんが自粛の要請に応えてくださって、一丸となり収束に向けて御協力いただいたこと、また取り組んでいただいていることを誇りに思います。そして、県及び各市町村の職員さんや医療従事者の皆さんが今なお緊張感をもって取り組んでいただいておりますことに、改めて心から敬意を表します。
 ただ、残念ながら3人の方が亡くなられましたことを心からお悔やみ申し上げます。
 自粛期間も明け、世間では平常感が漂ってきておりますが、東京はじめ一部でまだ感染者が発生しております。油断大敵、決して気を緩めず、感染第2波、第3波への備えに万全を期しながら、長期戦を覚悟し、社会経済活動が回復、成長できるよう全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 政府は、先般31.9兆円に上る20年度第2次補正予算を可決・成立いたしました。その中の持続化給付金に関して、追加費用として1兆9400億円を計上し、1次補正で確保していた2兆3000億に積み増しされております。
 支給対象についても、フリーランスの受給要件が緩和され、確定申告の際に主な収入を事業所得ではなく雑所得や給与所得として計上していたことで給付対象から外れていたフリーランスらも、源泉徴収票などで事業の実態が確認できれば支給されることになりました。
 さらに、今年創業した中小企業などについても支給対象に加えることになり、これまでは前年の事業実績がないとの理由で支援を受けられなかったのが、新型コロナの影響が拡大するまでの今年1月から3月の間に創業した事業者も、任意の一月で売上高が1から3月平均の半分以下になれば対象に含まれることになりました。
 同給付金の申請は、手続を迅速化するため、オンラインに限定されています。ただ、パソコンの操作に不慣れな事業者もいるため、申請サポート会場の設置や、会場が設けられていない地域にキャラバン隊を派遣するなど、さらなる充実が図られています。
 このコロナ禍の影響を受け、たくさんの困っている方がおられます。様々な支援策が講じられておりますが、いまだそれらを手にしていない、手にするすべすら分からないといった方もおられます。そういった方々からいただいた声を基に何点かお伺いします。
 新型コロナウイルス感染症に係る県独自の支援策に、事業継続支援金はじめ県内事業者事業継続推進、教育訓練の推進、観光関連事業者緊急融資、そして雇用調整助成金申請と持続化給付金申請のサポート事業が行われています。
 県の事業継続支援金は、新型コロナウイルス感染症の影響により、一月の売上げが前年同月比で50%以上減少した事業者の事業継続に向け支援金を支給するもので、原則、国の持続化給付金の給付を受けた事業者が対象となります。
 これまで何人かの方から、50%に満たず、国の持続化給付金も県の事業継続支援金も対象外となっていると、苦情というかつらい思いをされている御意見をいただきました。
 今回の県独自の支援策は、一つ、全業種、全ての人が対象、2点目に、困っている人を助ける、3点目に、事業継続に資するの三つの原則を基に構築し、また、「更なる支援策の上乗せについても、各業界の方々と議論をし、速やかに構築してまいります」としております。支給対象可否の線引きは難しいかと思いますが、対前年同月比50%減少に満たない事業者についての支援について、国に準ずることは手続の簡素化も図れますし、説明もしやすいかもしれませんが、国の支援から漏れた事業者を1人でも多く県制度で支援することができないものかと思います。
 そこで伺いますが、売上げ50%以上の減少とした根拠と、それを下げることについてどうお考えになるのか、商工観光労働部長、お答えください。
〇副議長(濱口太史君) ただいまの岩井弘次君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長大山 茂君。
  〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) 事業継続支援金につきましては、速やかな支給と申請書類の簡素化の二つを実現するため、原則、国が実施している持続化給付金を受給した人を対象としております。
 国の持続化給付金は、前年度と比較して50%以上売上げが減少した事業者を対象としており、県の事業継続支援金も同様の取扱いとさせていただいているところですが、今後、国の動向も注視しながら、さらなる支援も検討してまいりたいと考えています。
 県としましては、減少率が50%に至らない事業者の方々に対しても、事業継続に資する前向きな取組を支援する県事業継続推進補助金や、無利子の県融資制度、国の支援策などの活用について、産業別担当者制度などを通じて事業継続の支援をしてまいりたいと思っております。
〇副議長(濱口太史君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 ありがとうございます。
 原則ということになっておりますし、今後の国の動向も見ながら考えていかれるとのことでございました。その点に期待しつつ、長期化も予想されますこのコロナ禍により、困っている県内事業者をより幅広く支援していただけますようにと強く要望させていただきます。
 次に、申請サポート事業として、雇用調整助成金と持続化給付金申請について申請の補助事業が行われていますが、雇調金申請は社会保険労務士による無料相談、アドバイザーの派遣等、持続化給付金は県内事業者が速やかに受給できるよう、ウェブ入力補助等を円滑にするため、商工会、商工会議所に御協力いただき設置され、種々支えるためにサポート事業として取り組まれています。
 特に、持続化給付金は、県独自の事業継続給付金を申請するためには、まず申し込まなければなりません。この件についての御相談も多くいただきました。
 5月臨時会で予算づけされ、今お取り組みいただいているわけですが、持続化給付金の申請手続において、国によりサポート会場が設けられているものの、コールセンターの電話がつながらない、ウェブ申請が苦手、困難な事業者を申請まで補助することが目的でサポート体制が設けられました。
 ただ、この制度について分かっているだけではなく、経営面や資金繰りなど様々な事柄について相談されることが予想されます。受ける側の人手の確保が大変ではないかと推測しますが、現状についてどのようになっているのか、商工観光労働部長、お答えください。
〇副議長(濱口太史君) 商工観光労働部長。
  〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) 国が実施している持続化給付金は、ウェブによる申請が原則となっているとともに、問合せに関しても全国共通のコールセンターが対応していることから、県内でも申請に苦慮している事業者が存在し、県内の商工会、商工会議所にも、5月1日の受付開始前から数多くの相談が寄せられていました。
 これを受け、さきの5月臨時会において、持続化給付金の申請に困っている事業者への相談対応やウェブ申請が困難な事業者へ申請サポートを行うため、商工会、商工会議所に新たな人員の配置やパソコン等の資機材の配置をするための持続化給付金サポート事業を議決いただいたところです。
 この事業により、県内各地でサポート体制が整備されたところであり、県としましては、申請に困っている事業者をスムーズに支援できるよう周知してまいります。
〇副議長(濱口太史君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 ありがとうございます。
 ぜひ、相談者に寄り添う気持ちで取り組んでくださいますようお願いします。そして、できれば相談者へのアンケートを取って、満足度を高めるために生かせるようにしてはと考えます。いろいろと御苦労もあろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 次の質問に移らさしていただきます。
 新型コロナの影響により、デイサービス、ショートステイなどの利用を控える方や、訪問介護において感染防止対策が大変であるなど、かなりの介護事業所への影響があろうかと思います。国において、令和2年度2次補正予算が可決・成立しましたが、そのうち介護分の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金として、介護サービスは高齢者やその家族の生活を支え、高齢者の健康を維持する上で不可欠であり、感染による重症化リスクが高い高齢者に対する接触を伴うサービスが必要となる介護サービスの特徴を踏まえ、最大限の感染症対策を継続的に行いつつ、必要なサービスを提供する体制を構築する必要があるとしております。
 必要な物資をまた確保するとともに、感染症対策を徹底しつつ、介護サービスを再開し、継続的に提供するための支援を導入することや、感染防止対策を講じながら介護サービスの継続に努めていただいた職員に対して慰労金が支給されることになりました。
 介護施設・事業所に勤務する職員に対する慰労金は、感染症が発生または濃厚接触者に対応した施設、事業所に勤務し、利用者と接する職員に対して慰労金20万円を支給、感染症に対応していない施設、事業所に勤務し、利用者と接する職員に対して慰労金5万円を支給することとなっています。
 その他、今後に備えた都道府県における消毒液、一般用マスク等の備蓄や緊急時の応援に係るコーディネート機能の確保等に必要な費用や、ケアマネジャーや介護サービス事業所によるサービス利用を休止していた場合の利用者への利用再開支援等も盛り込まれています。国から全額補助され、実施主体は都道府県となっています。
 そこで、お伺いいたします。
 新型コロナウイルス感染症に係る介護事業所への影響についての認識と、今般支給される従事者への慰労金など、その支援策の取組について、福祉保健部長、お答えください。
〇副議長(濱口太史君) 福祉保健部長宮本浩之君。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 本県におきましては、新型コロナウイルス感染症の早期発見、徹底したPCR検査の実施、濃厚接触者の行動履歴の追跡、さらに県民の皆様に対する不要不急の外出、県外との往来自粛など細やかな生活行動の要請により、県内での感染拡大を抑えてきたところです。
 特に高齢者は、新型コロナウイルス感染症に感染した場合に重篤化するおそれがあり、また、集団生活をする介護施設等ではクラスターの発生につながるおそれが高いため、県では、介護施設等に対し、面会の自粛、通所や訪問の送迎時等における検温の徹底、在宅時の健康観察、食事・リハビリテーション等における密集の防止など、感染予防対策を徹底した上での介護サービスの継続を強く要請してきたところです。
 こうした取組により、介護施設等での感染発生を最小限度に抑えることができ、休業やサービス利用自粛は全体として僅かにとどめ、高齢者やその家族にとって必要不可欠である介護サービスの提供を継続することができているところです。
 しかしながら、今後、第2波の発生も危惧されることから、最大限の感染症対策を継続的に行いながら、必要な介護サービスを提供する体制の強化が必要となります。
 このため、国の第2次補正予算を積極的に活用し、介護施設等における飛沫防止や動線確保をはじめとする感染拡大防止のための環境整備を支援し、サージカルマスク、消毒液、体温計等の備蓄を働きかけてまいります。さらに、新型コロナウイルス感染症の対応で御苦労された介護施設等に勤務する職員の皆さんへの慰労金支給についても適切に取り組んでまいります。
〇副議長(濱口太史君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 次に、コロナ禍で3か月にわたる過去に例のない長期の休業が明け、現在では多くの学校で通常の授業に戻っています。休業の間、子供たちは新型コロナウイルス感染症という病気について、周りの大人たちからの注意喚起やテレビから流れる情報に、姿の見えない恐怖に心的に大きな影響を受けているのではないかと思います。
 よく知る芸能人の方が亡くなったり、祖父母が亡くなってしまうのではないかという危機感などで、人知れず悩んでいる子が結構いるのではないかと思います。
 また、緊急事態宣言が明けて緊張感が解けることによる疲労感、長い休みによる脱力感などにより学校に行く気になれない子供がいたりと、子供たちの心の中に生じている変化がとても心配です。保護者の方からすると、ここで休ませたら不登校になってしまうのではと思って、頑張って行かせようとして追い詰めてしまったりするのではないかとも危惧します。学校の先生方も大変かと思いますが、子供たちの小さな変化を見落とさないようにしてくださいと願うものです。
 そこで、長期にわたる臨時休業明けの子供たちへのメンタルケア等について、教育長、お答えください。
〇副議長(濱口太史君) 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 長期にわたる臨時休業明けの子供たちのメンタルケアについてでございますが、今般の臨時休業期間においては、各学校で電話連絡や家庭訪問を行い、児童生徒の実態把握に努めてまいりました。
 これまでも、夏休みなどの長期休業直後の学校生活において、児童生徒の不安やストレスからいじめや不登校につながらないように細心の注意を払ってまいりました。
 今回の学校再開後では、各学校において担任や養護教諭を中心に、きめ細かな観察や相談などにより、児童生徒の的確な状況把握に努めています。
 県教育委員会では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門スタッフの配置拡充に向けた経費を補正予算案としてお願いをしているところであり、より一層、きめ細かく児童生徒の心のケアに取り組めるよう努めてまいります。
〇副議長(濱口太史君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
〇岩井弘次君 御答弁ありがとうございます。
 学校の先生方も、とにかく元の学びに戻さなければと必死になる中で、子供たちの小さなSOSを見落としてしまうかもしれません。子供たちが長期休業明けの学校生活に慣れる、友達と会って遊び、楽しいと感じれるよう見守っていただきたいと強く思っております。
 大変な中かと思いますが、教育委員会にあっては、先生方のメンタルケアも併せて、どうかよろしくお願いいたします。
 最後に、要望を1点申し上げます。
 今議会に上程されております6月補正予算の主要事業に、新型コロナウイルス感染症対策として県民リフレッシュプラン販売促進3億5000万円が計上されております──先ほども佐藤さんもおっしゃっておりましたが。その説明には、県内の観光需要を喚起するとともに、県民の新型コロナウイルス感染症による閉塞感からのリフレッシュを図るため、県民が県内宿泊プラン等を利用した場合に支援するものとして、補助率はプラン価格の2分の1以内、上限1万円が予定されています。
 全国各地でも実施の方針と報じられておりますが、時を得たすばらしい取組ではないかと思います。
 インバウンド需要が当分見込めない現在、まさしく県民のストレス発散、リフレッシュになるものと思います。観光庁の旅行・観光消費動向調査・2019年年間値の速報にも、2019年の日本人国内旅行消費額は21兆9114億円で、インバウンドも含む全体の80数%を占めております。つまり、日本人による日本国内での旅行・観光消費がほとんどを占めているわけです。国においても、今後、Go To トラベルキャンペーンなど消費喚起のための施策が打ち出されてくるかと思います。
 まちじゅうにウイルスは潜んでいるとの意識を持ちつつ、新しい生活様式の中、まずはこの県民リフレッシュプラン、新型コロナウイルス感染症の封じ込めのため、自粛、自粛で御協力いただいた県民全ての方に喜んでいただけるよう、そして本県の持てるすばらしいポテンシャルを改めて確認いただく弾みになると確信しております。
 まずは県内、そして県外、海外と言われております。他の府県でも取り組まれるようですが、このリフレッシュプランが今後、より拡充され、まずはあがらのまちを、あがらで盛り上げる起爆剤となりますよう心から願い、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(濱口太史君) 以上で、岩井弘次君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時1分散会  

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