令和2年5月 和歌山県議会臨時会会議録 第1号(全文)


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令和2年5月 和歌山県議会臨時会会議録 第1号

令和2年5月
和歌山県議会臨時会会議録
第1号
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議事日程 第1号
 令和2年5月11日(月曜日)
 午前10時開会・開議
 第1 会議録署名議員の指名

 第2 会期決定の件

 第3 議案第90号(当局説明)

 第4 議案第90号(質疑)

 第5 議案の委員会付託

 第6 議案第90号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
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会議に付した事件
 第1 会議録署名議員の指名

 第2 会期決定の件

 第3 議案第90号(当局説明)

 第4 議案第90号(質疑)

 第5 議案の委員会付託

 第6 議案第90号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
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出席議員(42人)
 1番 鈴木德久
 2番 山家敏宏
 3番 中本浩精
 4番 堀 龍雄
 5番 藤山将材
 6番 岸本 健
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 北山慎一
 10番 玄素彰人
 11番 中西峰雄
 12番 秋月史成
 13番 森 礼子
 14番 濱口太史
 15番 尾崎要二
 16番 冨安民浩
 17番 川畑哲哉
 18番 玉木久登
 19番 鈴木太雄
 20番 岩田弘彦
 21番 吉井和視
 22番 谷 洋一
 23番 佐藤武治
 24番 岩井弘次
 25番 中 拓哉
 26番 多田純一
 27番 新島 雄
 28番 山下直也
 29番 中西 徹
 30番 谷口和樹
 31番 藤本眞利子
 32番 浦口高典
 33番 山田正彦
 34番 坂本 登
 35番 林 隆一
 36番 楠本文郎
 37番 高田由一
 38番 杉山俊雄
 39番 片桐章浩
 40番 奥村規子
 41番 尾﨑太郎
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       細川一也
 危機管理監      森田康友
 総務部長       田村一郎
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     田中一寿
 福祉保健部長     宮本浩之
 商工観光労働部長   大山 茂
 農林水産部長     角谷博史
 県土整備部長     庄司 勝
 会計管理者      城本 剛
 教育長        宮﨑 泉
 公安委員会委員長   中野幸生
 警察本部長      檜垣重臣
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       中川敦之
 次長         井邊正人
 議事課長       山田修平
 議事課副課長     岩井紀生
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主査      松田太郎
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      松本 悠
 総務課長       嶋岡真志
 政策調査課長     神川充夫
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  午前10時0分
〇議長(岸本 健君) 令和2年5月臨時会の開会に先立ちまして、一言申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言は、全都道府県を対象に、今月末まで延長されることとなりました。
 本県では、県当局をはじめとする関係者の御尽力と県民の皆様の御理解、御協力により、感染者数は減少しつつありますが、いまだに予断を許さない状況が続いております。
 和歌山県議会は、県と一体となって、県民に寄り添い、命と健康を守ることを最優先に、県民生活の安心・安全に努めてまいります。
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  午前10時0分開会・開議
〇議長(岸本 健君)  ただいまから、令和2年5月臨時会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。
 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
 今期臨時会の会議録署名議員は、11番中西峰雄君、25番中拓哉君、37番高田由一君の3君を指名いたします。
 次に日程第2、会期決定の件を議題といたします。
 お諮りいたします。今期臨時会の会期は、本日1日間といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(岸本 健君) 御異議なしと認めます。よって、今期臨時会の会期は本日1日間と決定いたしました。
 今期臨時会に提出された議案は、お手元に配付のとおり、議案第90号1件であります。
 日程第3、議案第90号を議題といたします。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 本日、臨時会を招集いたしましたところ、お忙しい中、御参集いただきまして、厚く御礼申し上げます。
 まず初めに、昨日、新型コロナウイルス感染症により県内医療機関に入院されていた方がお亡くなりになられました。御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族の方に心よりお悔やみ申し上げます。
 それでは、ただいま上程された議案の提案理由を説明するに先立ち、新型コロナウイルス感染症への対応につきまして御説明申し上げます。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化する中、本県では、早期発見、早期隔離、行動履歴の徹底追跡といった和歌山方式により感染拡大を抑え込む一方、新たな感染を防ぐためには、県外との交流自粛が要であるとの認識の下、県外との往来自粛を強く呼びかけるとともに、県内の事業者に対しても休業や県外からの受入れ自粛について強く要請してまいりました。皆様の御協力のおかげで、現時点においては県内での感染拡大を何とか食い止めている状況ですが、政府による緊急事態宣言の期間延長決定を受け、本県においても措置の内容を一部見直した上で、引き続き同様の取組をいただくよう、改めて御協力をお願いしたところです。
 一方、感染拡大による経済活動の停滞により、地域経済は未曽有の危機に直面しています。本県では、全国に先駆け実施した金融支援や国の施策の活用により、事業者を全力で支援してまいる所存であります。
 しかし、事業者からの切実な声が日に日に高まる中、この危機的状況を打開するためには、一刻も早く次の手を打つ必要があると考え、全国のトップを切るスピードを持って苦境にある全ての事業者に対し、国の支援策及び従来からの県の支援策に加え、県独自の包括的な支援策を講じることにしたいと考えます。
 この支援策の考えは、第1に「全業種、全ての人が対象」、第2に「困っている人を助ける」、第3に「事業継続に資する」ということであります。このため、最も効果的かつ効率的に支援を行うための補正予算案を作成し、本日御審議いただく次第であります。
 続きまして、ただいま上程されました議案について御説明申し上げます。
 議案第90号は、新型コロナウイルス感染症の影響により苦境にある全ての県内事業者の事業継続を支援するための県独自施策として、一般会計で総額38億1100万円余の補正予算をお願いするものです。
 主なものとして、売上げが50%以上減少している事業者に対し、従業員数に応じて20万円から100万円の支援金を給付するほか、事業の継続に向けた新たな取組等を行う事業者を支援するための補助金や、経営悪化が深刻な観光関連事業者に対して、新たに最大3000万円の1年間無利子かつ保証料免除の融資を可能とする融資制度の創設に要する経費を計上しております。
 何とぞ御審議の上、御賛同賜りますようにお願い申し上げます。
〇議長(岸本 健君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 次に日程第4、議案に対する質疑を行います。
 5番藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕(拍手)
〇藤山将材君 おはようございます。
 議長に許可をいただきましたので、議案第90号について質疑をさせていただきます。
 今般の新型コロナウイルス感染症に対し、政府は、国民の生命を守るため、4月7日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を行い、また、4月16日には、全都道府県を緊急事態措置の対象としました。
 その後、国や地方公共団体、医療関係者、専門家、事業者を含む国民が一丸となった取組により、新規感染者はオーバーシュートを免れ減少傾向に転じるという一定の成果が現れ始めていますが、当面、新規感染者を減少させる取組を継続する必要があるほか、再度感染者が拡大すれば、医療提供体制へのさらなる負荷が生じる可能性があるとして、5月4日、緊急事態宣言について、安倍総理は5月31日までの延長を表明されました。
 経済の状況においても、感染症は内外経済に甚大な影響をもたらし、日本のみならず、世界経済は戦後最大とも言うべき危機に直面しています。
 多くの専門家などの間でも、今年度はリーマンショック時を超えるマイナス成長との見通しが大半であり、成長の悪化は底が見えない状況との認識が広まっています。
 本県においても、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、主要産業である観光産業をはじめ飲食業など、ほぼ全ての産業が大きな打撃を受けており、加えて、緊急事態宣言の延長に対する新たな不安が日に日に増している状況であります。
 今後においても、消費者マインドの好転も期待できずに消費全体が沈滞したままであれば、各事業者の設備投資の意欲も盛り上がらず、製造業、非製造業を問わずに内需が落ち込んだままとなっていきます。
 本県の経済が、日本国内はもとより、世界経済の回復に後れを取らずに迅速に回復できるよう体制を整えていくことも重要と考えます。
 4月臨時会において、私は自由民主党県議団を代表して質疑を行い、その際、県内事業者に対する休業要請及び協力金などの支援がないことを指摘したところ、仁坂知事からは、「休業要請の有無に関わらず、幅広く困っている方々に全力で支援、救済を行うことを考えている」との答弁をいただきました。
 県内事業者への対策についても問うたところ、「県の融資制度でつないでいただきながら、国の緊急経済対策が活用できるようになるので、うまく利用していただけるように頑張りたい」とのことでありました。
 今、知事からは、事業者の切実な声を聞き、一刻も早く次の手を打つべく、県独自の包括的支援策を講じることとし、「全業種、全ての人が対象」「困っている人を助ける」「事業継続に資する」の、この3本柱で補正予算案を作成したとの説明がありました。
 県議会にも、日々、事業者の方々から、連鎖的な廃業、倒産を防止する対策や事業の安定化のための早急な対策などを求める切実な声が寄せられています。こうした声をいかに反映した予算案であるかということが最も問われています。
 今回の補正予算作成に向けた当局の取組と具体的な支援策について、いま一度説明をいただきたいと思います。
〇議長(岸本 健君) ただいまの藤山将材君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴い、県民の生活は一変し、本県経済にも甚大な影響を及ぼしております。
 県では、早期発見、早期隔離、行動履歴の徹底追跡といった和歌山方式による対策を実施するとともに、法律に基づく休業要請や、県民や事業者の方々への自粛要請、また、一部の業界には県外からの受入れ自粛を強くお願いするなど、新型コロナウイルス感染症の抑制に総力を挙げているところであります。
 事業者に対する支援については、いち早く対策を講じてまいりました。全国に先駆けて融資制度の要件緩和を行い、事業者の方々の資金需要に迅速に対応しているところでありますし、加えて、政府による様々な支援メニューを活用するよう促してきたところであります。
 さらに、4月臨時会で議決いただき、3年間無利子、全期間保証料減免となる3000万円の融資枠も設定し、支援の充実を図ってまいりました。
 その上で、感染拡大による経済活動の停滞がさらに懸念され、このことは藤山議員をはじめ4月臨時会においても大いに議論をいただいたところでございますので、副知事を本部長とした支援対策本部を設置し、事業者の方々の切実な御意見などを踏まえ、より一層の支援策を検討してまいりました。
 今回の新型コロナウイルス感染症の影響は、休業要請をした業種だけではなくて全ての業種、多くの事業者に及んでいるところであります。感染が収束した際には、この全ての業界の方が県経済を牽引していただく必要があるわけであります。
 そうしたことを踏まえ、「全業種、全ての人が対象」「困っている人を助ける」「事業継続に資する」を三つの原則として、全国的にも例のない包括的な支援策を取りまとめたところであります。
 具体的には、売上げが減少して困っている事業者を対象に、従業員規模に応じて20万円から100万円の事業継続支援金を支給するとともに、今後の事業継続に向け、また、安全・安心を確保するために事業者が前を向いて取り組む事業に最大で100万円を助成いたします。
 事業者から、「受給を希望する国の持続化給付金や雇用調整助成金の申請手続が困難でスピーディーさに欠ける」との声が多く寄せられているところから、商工会議所や社会保険労務士等の協力を得て、申請がスムーズに行えるサポート体制を整備するとともに、雇用調整助成金を活用して従業員の知識、技能、技術等の習得を促進するために実施する教育訓練に対して、県においても加算を行うことにいたしました。
 県外からの訪問客の受入れ自粛の影響により、経営が特に深刻な観光関連事業者の当面の資金繰りを強力に支援するために、新たに最大3000万円の緊急融資を創設いたします。
 事業者の方々におかれては、このような県の施策や国の支援策を活用していただいて、この未曽有の危機を乗り越えていただくようにお願いしたいと思います。
 県としても、今後も県議会や事業者の皆様の御意見をよく聞いて対策を考え、そして、苦境にある事業者の方々にスピードを最大限に上げて支援をお届けしてまいる所存であります。
〇議長(岸本 健君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(岸本 健君) 再質問を許します。
 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
〇藤山将材君 今、政府与党においては、中小企業者への家賃支援策や雇用調整助成金の上限引上げ、あるいは休業中も失業とみなし失業手当を受給できる雇用保険の特例措置など、追加の支援策が検討されていると聞いています。
 今後、県としても、そうした動きを迅速に、また、的確に捉えた対応も求められるものと考えています。
 知事部局と県議会は車の両輪でございます。この危機を乗り越えられるように、共に取り組んでいこうではありませんか。
 以上で私の質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、藤山将材君の質疑が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑は以上で終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(岸本 健君) 御異議なしと認めます。よって、質疑は以上で終結いたします。
 次に日程第5、議案の付託について申し上げます。
 お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第90号は所管の常任委員会に付託いたします。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前10時15分休憩
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  午後1時13分再開
〇議長(岸本 健君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第6、議案第90号を議題とし、順次、常任委員会委員長の報告を求めます。
 総務委員会委員長川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕(拍手)
〇総務委員会委員長(川畑哲哉君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告を申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案1件であります。
 委員会は、本日5月11日、第1委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第90号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願いいたします。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 経済警察委員会委員長秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕(拍手)
〇経済警察委員会委員長(秋月史成君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案1件であります。
 委員会は、本日5月11日、第3委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査しました結果、議案第90号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、常任委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(岸本 健君) 質疑なしと認めます。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております案件については討論の通告がありませんので、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(岸本 健君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 これより採決に入ります。
 議案第90号を採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、原案可決であります。
 本案を委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
〇議長(岸本 健君) 起立全員であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 以上で、今期臨時会に付議された案件の審議は全て終了いたしました。
 閉会に当たり、一言申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が延長された中で、日夜、医療現場の最前線で奮闘されておられる医療従事者の方々への感謝の気持ちを込めて、また、経済活動の制限を余儀なくされている方々や、県民の生活を支えるために生産や物流、販売等に従事されておられる方々、さらに、感染拡大を防ぐために休業していただいている方々への応援の気持ちを込めて、和歌山県議会は県民を代表して、ここで拍手をしたいと思います。議場の皆様方は、御起立願います。
  〔起立・拍手〕
〇議長(岸本 健君) 御協力ありがとうございます。御着席ください。
 議員並びに関係各位の御精励に深く感謝を申し上げます。
 これをもって令和2年5月臨時会を閉会いたします。
  午後1時18分閉会

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