令和2年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(全文)


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令和2年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号

令和2年2月
和歌山県議会定例会会議録
第6号
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議事日程 第6号
 令和2年3月6日(金曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第72号まで、議案第74号及び議案第76号から議案第86号まで(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第72号まで、議案第74号及び議案第76号から議案第86号まで(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(42人)
 1番 鈴木德久
 2番 山家敏宏
 3番 中本浩精
 4番 堀 龍雄
 5番 藤山将材
 6番 岸本 健
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 北山慎一
 10番 中西峰雄
 11番 秋月史成
 12番 森 礼子
 13番 濱口太史
 14番 尾崎要二
 15番 冨安民浩
 16番 川畑哲哉
 17番 玉木久登
 18番 鈴木太雄
 19番 岩田弘彦
 20番 吉井和視
 21番 谷 洋一
 22番 佐藤武治
 23番 岩井弘次
 24番 中 拓哉
 25番 多田純一
 26番 新島 雄
 27番 山下直也
 28番 中西 徹
 29番 玄素彰人
 30番 谷口和樹
 31番 藤本眞利子
 32番 浦口高典
 33番 山田正彦
 34番 坂本 登
 35番 林 隆一
 36番 楠本文郎
 37番 高田由一
 38番 杉山俊雄
 39番 片桐章浩
 40番 奥村規子
 41番 尾﨑太郎
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       細川一也
 危機管理監      森田康友
 総務部長       田村一郎
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     田中一寿
 福祉保健部長     宮本浩之
 商工観光労働部長   稲本英介
 農林水産部長     角谷博史
 県土整備部長     髙松 諭
 会計管理者      飯島孝志
 教育長        宮﨑 泉
 公安委員会委員    細江美則
 警察本部長      檜垣重臣
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       中川敦之
 次長         中谷政紀
 議事課長       松山 博
 議事課副課長     山田修平
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主任      保田良春
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀

 総務課長       井邊正人
 政策調査課長     中平 博
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  午前10時0分開議
〇議長(岸本 健君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第72号まで、議案第74号及び議案第76号から議案第86号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 25番多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕(拍手)
〇多田純一君 おはようございます。
 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、県におきましては、仁坂知事をはじめ当局の皆様の御尽力に本当に敬意を表したいと存じます。県内でも、お亡くなりになられた方や、まだ入院中の方もおられます。改めてお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。昨日も新たな感染者がお一人判明、まだまだ終わる気配はありません。県としましては、万全の体制を引き続きよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、議長のお許しを得ました。通告に従って五つの質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、学校の一斉臨時休校に伴う対応についてお伺いをいたします。
 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、政府の要請を受け、学校の臨時休校が3月2日から始まりました。安倍総理は、2月29日、記者会見の中で、「コロナウイルスは未知の部分がたくさんあり、よく見えない、よく分からない敵との闘いだ」とおっしゃっています。1~2週間が極めて重要な時期だと覚悟を決めてのこの御決断には賛同いたします。
 しかし、突然の休校を要請され、学校関係者や保護者、そして学校に関わる方からも、初めての経験でもあり、戸惑いや様々な意見が届いております。融資や保証枠、そして雇用と所得を維持する問題、さらには休校により、給食業者や子供の居場所を確保する学童保育への対応など、サプライチェーンの毀損を含め、幅広く目配りをしなければならないと考えます。教育委員会としましてもしっかり声を聴いていただいて、国にも上げていただきたい。
 教育現場での問題として既に今議会での質問もありましたので、重複を避けてお伺いをしたいと思います。
 教育長は、3月2日、臨時市町村教育委員会教育長会議や特別支援学校臨時校長会を招集しております。
 臨時休校に伴う卒業式について、県立高校は既に行わないとし、市町村立の学校においても適切な対応を行うよう要請をしております。これを受けて、和歌山市をはじめ県下での小中学校での対応はどのような対応になっているんでしょうか。また、特別支援学校では、障害者福祉サービス等を活用して、居場所の確保となっております。今年度、県立特別支援学校在籍者数は1427名。それぞれの居場所づくりについての状況、この2点について、教育長にお伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) ただいまの多田純一君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 県立学校の卒業式については、準備、検討する時間がない中、国の緊急の要請を受けて、苦渋の選択ではありましたが、中止することといたしました。市町村立の小中学校においては、状況の推移を見極めつつ、適切な判断と対応を各市町村教育委員会にお願いをしているところでございます。
 現時点で把握している状況ですが、市町村立の小学校については、29の市町村で卒業式もしくは卒業証書の授与を予定しており、和歌山市については現在検討中でございます。同じく、中学校については、和歌山市を含む全ての学校で卒業式もしくは卒業証書の授与を予定しています。
 保護者の方々をはじめ県民から、卒業式を実施してほしいとの声が多数寄せられています。今般の事態が早期収束するようであれば、春休み中などに卒業をお祝いするような機会を工夫することもよいと考えております。
 次に、特別支援学校幼児・児童・生徒の居場所づくりについてでございますが、障害福祉サービス等を利活用できる環境づくりを進めるとともに、特別支援学校において居場所を確保することとしています。
 各支援学校では、保護者と連携し、現段階においては、一人一人の子供たちが御家庭や障害福祉サービスを活用し、安心して過ごせている状況について把握をしております。
 臨時休業中の特別支援学校等に在籍する全ての幼児・児童・生徒の安全と健康と、保護者の安心を確保できるよう、関係機関や特別支援学校等と連携して丁寧な対応をしてまいります。
〇議長(岸本 健君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
〇多田純一君 御答弁をいただきました。
 和歌山市の小学校はまだ検討中、それ以外の県内全ての小中学校での卒業式は、卒業式もしくは卒業証書の授与を行う予定だということが分かりました。
 既に一部の学校では、卒業証書を家庭にお届けしているところがあるように仄聞をしております。それだけ苦渋の決断が行われたと思います。
 一方、特別支援学校の生徒の居場所の確保につきましても御答弁いただきました。安心して過ごしている状況について、把握しているとの御答弁でございました。御承知のとおり、放課後デイサービスの受皿は十分でない場合があり、朝からの態勢が整えなかったり、子供と子供の間隔を取れるだけのスペースが取れるんだろうかという疑問にも思います。
 親の希望で学校にという場合は考慮をしていただきたいと思いますし、また、長くなってくると、保護者へのケアも必要です。弱い立場の方々にしわ寄せが行くことのないように重ねてお願いを申し上げたいと思います。
 2点目の項目に移りたいと思います。
 2点目は、IR誘致に関わる諸問題についてお伺いをいたします。
 カジノを含む統合型リゾートの運営事業者を監督するカジノ管理委員会が今年1月に設置されましたが、原案発表から正式な基本方針の公表が遅れている状況です。
 1月30日に開かれた公明党IR整備対策プロジェクトチームの会合で、カジノ管理委員会はIR整備に関する基本方針に4項目を盛り込むよう求めたことが明らかになりました。
 その4項目は、IR事業者のコンプライアンスの確保、国、地方自治体の職員とIR事業者との接触ルールの必要性、都道府県などによるギャンブル等依存症対策の充実、IR区域、IR施設の安全の確保となっております。
 IR事業者の選定基準を定める基本方針案が観光庁から既に公表されております。方針案で定められてる評価基準に、日本の魅力をこれまでにないクオリティーで発信することや、地域との良好な関係構築があることなどが条件に盛り込まれました。パブリックコメントの意見募集を行い、カジノ管理委員会の審査を経た後に、最終的な基本方針として発表される予定です。
 県は、先日、実施方針を発表しておりますが、このカジノ管理委員会が示した4項目について、どのようにお考えになるのか、知事にお伺いいたします。
〇議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 議員御質問のカジノ管理委員会から示された4項目について、国の基本方針にどのように反映されるのか、現時点では明らかではございませんが、県としては、今後公表される基本方針に即した形で実施方針を策定する所存であります。
 もちろん、既に県では、この4項目についても対応をしております。
 IR事業者のコンプライアンスの確保については、事業者の選定に際して、十分な社会的信用を有することや、反社会的勢力と無関係であることなどを確認することとしております。
 次に、IR事業者との接触ルールにつきましては、県では、和歌山県職員倫理規則を設け、職員の公正な職務の執行を確保しているところでございますけれども、特にIR推進室の職員に関しましては、倫理規則に加え、事業者との面談に際しては2名以上の室員で対応することや、面談後には必ず報告書を作成すること等を規定した対応指針を昨年10月に定めて、より厳格な公平性、公正性を求めているところでございます。
 依存症対策については、IR整備法による重層的で多段階的な厳しい規制に加え、本県独自の取組として、予防教育を実施するほか、事業者に対して、依存症対策専門員の配置や、あらかじめ利用上限額を設定するチャージ式のIRカードの導入などを求めることにより、論理的には、カジノに起因するギャンブル依存症は排除できるものと考えております。
 また、カジノ以外のギャンブル等依存症についても、本年3月に策定予定の和歌山県ギャンブル等依存症対策推進計画により、多角的な対策を進めていく所存であります。
 IR区域、IR施設の安全の確保については、県では、IR区域及びその周辺地域における安全を確保するため、警察官の増員や警察施設の設置など警察力の強化を図るとともに、防犯カメラの設置など地域防犯の推進に努めていく所存であります。
 また、事業者には、カジノ施設及びその周辺地域における監視や警備などの取組を求めることとしております。
 いずれにしても、基本方針に記載される内容を踏まえて、県として必要な措置を講じてまいる所存であります。
〇議長(岸本 健君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
〇多田純一君 続いて、総合的なギャンブル等依存症対策についてお聞きをしたいと思います。
 4点について御答弁いただきましたけども、この中で、とりわけ依存症については重要な点だと考えております。カジノに起因するギャンブル依存症については、入り口規制が十分に行われることは分かります。しかし、既存のパチンコや競輪、競馬といったギャンブル等依存症についても手当てしなければならないと考えます。
 この問題につきましては、国会の中でも取り上げられております。我が党の遠山清彦衆議院議員が内閣委員会で質問した際に明らかになったこととして、シンガポールではIR合法化の前後を比べるとギャンブル依存症が疑われる者の割合が減少している。病的賭博と推定される者の割合とギャンブルに問題を抱えると推定される者の割合を合計した値は、シンガポールのカジノ管理法制定時の2005年には4.1%。これが直近の調査結果の2017年には0.9%に減少したと言われております。その要因分析として、広報啓発活動、2番目に相談業務、これはヘルプラインの24時間の開設、最近では365日、オンラインでのヘルプラインの開設、3番目に青少年教育の充実、本人・家族申告などによる入場制限措置、そして最後に定期的な実態調査と調査研究、それが減少という成果につながったのではと政府の答弁がありました。
 平成28年の数字ですが、パチンコ店だけでも1万596店舗、競馬場で99か所、競輪113か所、遊技参加人口は940万人。パチンコ、ギャンブル、公営競技や遊技場がある中で、多数のギャンブル依存症があり、厚労省の推計によると、その疑いのある方も含めると、およそ320万人に上るようです。また、カジノに起因するギャンブル依存症も全くゼロとは言い切れません。今回のIR整備を進める中で、カジノだけでなく、全体の依存症を減らしていく努力をやっていこうということになっております。
 知事は、和歌山県ギャンブル等依存症対策推進計画を策定すると答弁されましたが、具体的に、依存症に関する予防や相談拠点、専門治療などの体制強化策について、改めて福祉保健部長にお伺いをいたします。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長宮本浩之君。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) ギャンブル等依存症は、一度陥ると自分の意思ではやめられず、やめようと思ってもやり続けてしまい、それに伴い様々な問題を引き起こし、独りでは治療することが難しい病気です。
 そのため、子供の頃から、ギャンブル等依存に陥らないよう、依存症についての正しい認識を育むことが有効であることから、今年度、高等学校において、専門家を招いた特別授業を行いました。来年度からは、小学校、中学校、特別支援学校においても依存症予防の教育を充実させていきます。
 また、ギャンブル等依存症は、自らなかなか気づきにくいという特徴があることから、ギャンブル等をする人たちやその家族をインターネット検索連動広告からギャンブル等依存症を簡単に判断できる自己診断チェックシステムに誘導しており、来年度からは、依存症の疑いがある場合には、回復に向けた取組を紹介し、自らの取組を支援してまいります。
 さらに、表面化していないギャンブル等依存の状態にある方を相談窓口につなげるため、1日の多くの時間を共に過ごす職場の同僚などが異変に気づくよう、企業に対して研修を依頼することとしています。
 相談窓口は、精神保健福祉センターと保健所が中心となりますが、現在相談拠点でもある精神保健福祉センターでは、長年の行動パターンを意識的に調整する心理プログラムを活用した専門的な相談を実施していますが、保健所においても、来年度から実施することとしております。
 さらに、治療が必要な方々のために、県立こころの医療センターを治療拠点及び専門医療機関に選定し、今年2月から依存症に特化した専門外来をスタートさせ、依存症の専門性を有した医師による認知行動療法などの専門プログラムによる治療を行っています。
 また、治療と同様に回復期には、同じ問題を抱える者同士が集まって意見交換し、互いに援助し合うことが大切であることから、当事者や家族から成る自助グループの支援につなげています。
 これらの専門医療機関や自助グループの設置は、現在は一部の地域にとどまっているため、各圏域に広げていくよう進めているところです。
 いずれにしましても、今年度策定予定の和歌山県ギャンブル等依存症対策推進計画に基づき、総合的なギャンブル等依存症対策を実施し、県民が安心して暮らすことのできる社会の実現を目指し、様々な対策を推し進めてまいります。
〇議長(岸本 健君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
〇多田純一君 お答えをいただきました。
 次の3項目めに移りたいと思います。
 ふるさと納税についてお伺いをいたします。
 地方税法等の一部を改正する法律が昨年、平成最後の31年3月に成立し、6月より、ふるさと納税指定制度として見直しが行われております。
 ふるさと納税のもともとの趣旨は、ふるさとやお世話になった自治体に感謝や応援の気持ちを伝える制度であるとともに、税の使い道を自分の意思で決めることができる制度。人口減少が深刻化する中で、地域資源を最大限活用し、地域経済を再生させていく上で、重要な役割を果たしていると思われます。
 地方から都市部に人が流れ、税金も都市部に集中、それを地方とのつながりを利用して税の還元に役立つ、全国のほとんどの自治体はその有効性を認めている現状です。しかし、行き過ぎた返礼品競争で過熱化し、本来の目的がかすんでしまい、換金性の高い返礼品が目につくようになってしまいました。
 このようなふるさと納税の問題点を、有識者会議の議論を踏まえて、返礼品や送料を含めた経費を寄附額の5割以下に、返礼品は寄附金額の3割以下に抑えることになりました。
 平成29年2月県議会で藤本眞利子議員からも、平成27年度実績で持ち出しや事務事業費などを考えると、本県にとってよい制度かどうか、指摘がありました。私も過去2回、このふるさと納税について取上げをさせていただきました。都道府県は、寄附額を募る立場としては難しい側面があることも指摘をしております。
 資料の和歌山県の11年間のふるさと納税の収支状況を御覧ください。
 Aが、ふるさと納税受入額。Bは、個人県民税寄附金控除額。Cは、返礼品費用額。Dは、個人県民税控除減少額の75%は交付税措置をしてもらえますので、措置後の収支。和歌山県としては、平成26年度まではプラスですが、27年度から4年間はマイナスになり、マイナスの額も年々増えており、30年度では1億2300万円のマイナスとなってます。ただし、和歌山県と30市町村全体では110億円のプラスでした。県も市町村も同じ立場の自治体です。県全体でプラスだったからよかったとだけでは、藤本議員の指摘のように、県行政として喜べないのではないでしょうか。
 ふるさと納税が始まってから昨年まで、通算1億5000万以上のマイナスとなってます。新しいルールの下、返礼品やその情報発信をより工夫しないと、同じ状況が続きます。
 また一方で、本県のふるさと納税に2015年より選択できるメニューとして、地元企業への就職を促進する奨学金返還支援を導入しておられます。4年間で463件、745万円の寄附がありますが、今年度も来年度も使えず、令和3年度から使える状況になってまいります。募集予定の半分も集まらない現状ですし、和歌山県に人材を回帰させる魅力的な制度として見直すべきではないかと考えます。
 ふるさと納税新制度の下、現状の課題についてどのようにお考えなのか、総務部長にお伺いをいたします。
 続いて2点目に、4月から始まる新メニュー、母校などの学校への寄附についてお伺いします。
 平成28年2月県議会で、母校愛に応える寄附金メニューについて提案いたしました。和歌山県のふるさと納税寄附金メニューには、学校図書館や図書の充実、そして文化財の保護などしかなく、ふるさとと言えば自分が育った学校になると誰でも自然に考える、そのメニューが載ってないことを指摘し、新しいメニューに加えてはと提案いたしました。
 しかし、当時の教育長は、寄附される学校、寄附金が多い学校などと偏向することになり得るとして反対され、検討することさえ考えていただけなかった状況でありました。
 今般、それを見直し、新しくメニューに加えることにしました。そんな報告がありました。
 平成28年当時でも、全国で4県が寄附金メニューに母校を設けていました。また、新しくメニューに取り入れるとされていた別の県の学校では、大変意欲的な取組もあり、紹介もいたしました。
 この制度を活用していくのに平等性が保たれないとされた当時の教育委員会でしたが、あれから4年遅れです。どのような経緯で今般の判断に至ったのか、そのお考えを教育長にお尋ねいたします。
〇議長(岸本 健君) 総務部長田村一郎君。
  〔田村一郎君、登壇〕
〇総務部長(田村一郎君) ふるさと納税は、都市と地方の税収格差を少しでも是正し、地域資源を活用しながら、地域の活性化を図る上で有意義な制度でありますが、議員御指摘のように、近年、自治体同士の返礼品競争が激化し、返礼割合が高い一部の自治体に寄附が集中する等、制度そのものの存続が危ぶまれる事態が続いたことから、昨年、地方税法が改正され、返礼品等の基準が定められたところでございます。
 ふるさと納税は平成20年度から始められた制度でございますが、平成27年頃から返礼品競争が過熱し、ふるさと納税を利用される方の増加に伴い、個人県民税の寄附金控除額、すなわち税収として入らない額も急増し、特に近畿は1人当たりの寄附金控除額を見ますと、制度を利用される方が多くなっております。
 本県においても、ふるさと納税の受入額を上回るペースで寄附金控除額が急増し、平成27年度以降、赤字となっておりますので、今回の制度改正を機に、改めて本県の魅力等を発信し、寄附を増やす努力が何より重要であると考えております。
 そのため、県人会や同窓会、県ゆかりの方々への直接訪問に加え、県内の宿泊施設や道の駅等へのパンフレットの据置き、ねんりんピックや熊野古道のパンフレット等への寄附募集の広告掲載、スマートフォン向けバナー広告の実施など、より一層、幅広く周知広報活動を行ってまいりました。
 さらに、和歌山の優れた県産品をより広く知っていただくため、プレミア和歌山の返礼品を今年度207品目まで拡充するとともに、県内市町村との共通返礼品化を進め、また、3万円と5万円の寄附に対する返礼品を新たに設定いたしました。
 また、寄附金活用事業につきましても、より多くの方に寄附をしていただけるよう毎年見直しを行い、その際には、これまで同様、県人会やふるさと納税をされている方々をはじめ皆様から寄せられた御意見を基に検討しているところでございます。
 今後も、議員の御指摘も踏まえ、今まで以上に魅力的な制度となるよう、事業担当課とも一緒に見直しを進め、知恵を絞りながら様々な取組を進めてまいります。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) ふるさと納税について、メニューの新設の経緯とその使途についてであります。
 平成28年2月に多田議員から、母校のための寄附について御提案をいただきました。その後、学校の記念事業に活用できないか、各校の同窓会で寄附の機会があればよいなど多様な意見が出され、県では、ふるさと納税のうち、教育に係るメニューの全国状況や寄附者の御意向を踏まえて検討を重ねてきたところでございます。
 学校間で寄附が偏るという懸念がなくなったわけではありませんが、純粋な母校愛による発露であり、その思いを大切にするべきであると考え、メニューの追加が実現したところでございます。
 その使途につきましては、御寄附をいただいた全額を学校の周年事業に加え、施設改修や備品購入などに充当するなど、柔軟に対応していきたいと考えております。
 なお、返礼品についてですが、いただいた御厚志を母校の発展拡充とすることでお返しにしたいと考えております。
〇議長(岸本 健君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
〇多田純一君 御答弁いただきましたので、要望をさしていただきたいと思います。
 ふるさと納税による寄附金は、次に投資できる貴重な財源のはずです。ふるさと納税は、予算書や決算書ではプラスなのかマイナスなのか分かりません。改めて調べてみて、実態が分かりました。県外にお住まいの方に和歌山県をアピールする機会と捉え、魅力的な政策や事業を積極的に発信し、それに対する寄附という形での支援を呼びかける和歌山県であっていただきたいと思います。
 ふるさと納税を活用して和歌山県とつながり、その活用実績において開示をしていただければ、着実に効果も発揮できると考えております。
 母校への寄附について返礼品はないようですけども、各学校で、その学校にふさわしい記念品などを考えていただき、リピーターになり、愛する応援団になるように期待をし、要望させていただきたいと思います。
 続いて、4項目めの児童・思春期における対応策についてお伺いさせていただきます。
 初めに、いじめ・不登校についての実態について質問します。
 もともとは不登校とは言わず、登校拒否としていた時代がありました。その当時は学校恐怖症と呼ばれ、1990年代には不登校という呼称が生まれたようです。
 私が市会議員になった1999年頃、和歌山市では不登校が全国ワーストテンに入るぐらい悪かったと記憶しております。その当時、県教育委員会に、県内の他都市の状況を確認に行った際、担当の課長の説明では「不登校は決して悪いことではない」とおっしゃっていたことを今でも覚えております。
 それから20年、文科省の考えは、不登校の児童生徒を学校現場に戻すことを第一に考えるのではなく、個の事情に応じて対応したほうがよいとの方針に変わってきております。
 令和元年10月、文科省が都道府県教育委員会教育長や知事に通知した内容によると、「不登校児童生徒数は依然として高水準で推移しており、生徒指導上の喫緊の課題となっている」とする一方、「不登校児童生徒への支援は、『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること。また、児童生徒によっては、不登校の時期が休養や自分を見詰め直す等の積極的な意味を持つことがある」等としております。文科省の不登校児童への対応に大きな変化を感じます。
 この問題に取り組むため、県教育委員会では平成28年に不登校対策に係る有識者会議を開き、様々な施策を講じております。
 また、宮﨑教育長は、就任以来1年がたとうとしております。学校現場にも直接足を運び、教員の声や児童生徒などの現状を御覧になっておられると伺っております。どのような感想をお持ちなのか。いじめや不登校の現状と今後の対応について、宮﨑教育長にお考えをお聞きしたいと思います。
〇議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 学校を訪問して感じたことですが、授業中の子供たちは、全般的に騒がしくはなく、真剣に教員の話を聞き、ノートを取るなど、前向きに学習をしていました。落ち着いているなあという印象です。
 また、その一方で、型にはまっているようにも見え、表面には見えてこないが、息苦しさや不安も抱えている子供もいるのではないかなと感じました。もしそうであるならば、その内面にある悩みや課題がストレスとなり、いじめや不登校という形で行動に表れている場合もあるのではないかとも思いました。
 いじめ・不登校につきましては、その要因や背景は個々の子供によって違います。また、複雑に絡み合っている場合も多くあります。そのため、学校はアンテナを高くし、子供の小さな変化も見逃さず、きめ細かく子供の状態を把握した上で対応していく必要があります。
 県教育委員会では、今年度から新たに、子供たちがより相談しやすいように、LINEによる相談窓口を開設しました。さらに、登校できない子供たちが学校にスムーズに復帰できるため、また、学習の遅れを補うため、家庭でタブレットを用いて自学自習できる支援も行っております。
 今年度、県教育委員会が主催をいたしました不登校対策会議において、各学校でのケース会議の充実と、子供の状況を就学前も含めてしっかり把握することが大切であるなどの意見をいただいているところです。
 来年度は、これらを踏まえ、さらに、就学前やそれぞれの発達段階における状況についての情報を収集したり、一人一人の子供について、保育園や幼稚園及び小・中・高等学校で連携するなど、いじめや不登校の要因をより深く掘り下げて、子供たちの抱える本質的な悩みや課題に対応できる方策を探っていきたいと考えております。
〇議長(岸本 健君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
〇多田純一君 御答弁をいただきました。
 強いリーダーシップを発揮され、ぜひ令和2年度の政策に生かしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 続いての質問に入ります。
 子どもの心の診療ネットワーク事業についてお伺いをします。
 児童・思春期の問題として、児童虐待が増え続けております。県内2か所の児童相談所に寄せられた虐待に関する相談件数は年々増加しており、平成30年度には、10年前に比べて約3倍の1328件、前年度より186件増の相談となっております。
 不適切な養育によって子供の脳が萎縮することが明らかにされております。困難を抱える子供たちへの支援拡充は、国においても地方行政においても喫緊の課題。子供を取り巻く背景を理解し、適切な対応を早い段階で行わないと取り返しがつかない。心のケアが必要な思春期対策。自殺率が全国ワーストワンという現状。そしてその中で、全国の子供・若者層の死因の第1位が自殺となっております。
 児童・思春期は、就学前から18歳までの幅広い年代。要するに社会に出るまでの基礎づくりと捉えています。
 国では、思春期の様々な心の問題に対応するため、子どもの心の診療ネットワーク事業を行っております。
 先日、厚労省担当官と直接お会いをして、事業内容や取組状況など伺ってまいりました。
 資料を御覧ください。
 内容的には、地域の医療機関や関係機関から相談を受けた困難な症例に対する診療支援や医学的支援、アドバイス、子供の心の問題に関する地域の関係機関の連携会議の開催、医師、関係専門職に対する研修の実施、関係機関、施設職員、保健福祉機関職員に対する講習会の開催、子供の心の診療に専門的に関わる医師及び関係専門職の育成、問題行動事例発生時やPTSD対応など専門家派遣、専門機関に対する情報提供、地域住民に対する普及啓発などを国立成育医療研究センターを中心として、都道府県のネットワークの構築を目指しております。モデル事業を経て、平成23年度から始めて、現在、20都道府県と指定都市が参加しているようです。
 厚労省、子どもの心の診療ネットワーク事業について、和歌山県としてどのようにお考えなのか、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 議員御質問の子どもの心の診療ネットワーク事業は、県が事業主体となり、中心的な役割を担う拠点病院等が地域の医療機関や保健所、児童相談所などの保健福祉関係機関等と連携して、虐待を受けた子供や発達障害児など様々な子供の心の問題に対応するための支援体制づくりを行うものです。
 これまで、本県では、幼児期においては、市町村の幼児健診時に精神面の発達状況を確認し、発達に遅れの疑いがある場合には、保健所や和歌山県発達障害者支援センターなどの相談機関に、また医療が必要な場合には、小児科医や児童精神科医がいる医療機関につなぐ体制を構築するなど、具体的な個別事例を通じて関係機関と連携を図りながら、子供の成長段階に応じた対応を行っているところです。
 しかしながら、児童虐待や発達障害が広く認知されるようになってきたことから、相談件数は増加傾向にあり、さらなる医療体制の強化が求められる現状にあります。
 課題としては、専門医の育成等に指導的な役割を果たす医師がいないことや、児童精神科医が不足していることから、今後は、診断や指導助言など、個別事例への対応に加え、専門医の確保や病院と診療所の連携対応など、広域的な対応が求められると考えています。
 このため、県としましては、今後、当該事業の活用を検討しながら、各医療機関や保健福祉関係機関等と連携した子供の心の診療に関するネットワークの構築に向けて取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
〇多田純一君 福祉保健部長に御答弁をいただきました。
 質問の趣旨を理解していただき、各医療機関や保健福祉関係機関等々と連携した子供の心のネットワークの構築に向け、前向きに取り組むという御姿勢をお示しいただきました。大変うれしい限りです。
 県の拠点病院とその中心になる医師の確保、それが最大の課題になります。和歌山県の保健医療計画、ここにございますけども、平成25年3月策定の第6次計画の中では、思春期の問題や発達障害など子供の医療の在り方、県内の体制整備が検討となっております。また、第7次、これは一昨年、平成30年に策定した計画ですけども、「思春期を含む児童精神医療を専門的に治療する医療機関が少ないため、医療体制を整えていく必要がある」と記載があり、課題の認識は深まっているものの、まだ進んでいない現状を感じておりました。
 兵庫県立ひょうごこころの医療センターに視察に行き、児童思春期精神科部長にお話をお伺いしてまいりました。この病院では、児童思春期センターの中に、児童思春期精神科外来と児童思春期病棟を持ち、その他、院内学級、外来療育、思春期デイケア、そして不登校中学生向けの治療としてひかりの森合宿入院や、県内精神科医療の拠点病院として外来訪問看護も行っております。
 先ほどの表にも記載がありますように、子どもの心の診療ネットワーク事業も活用しながら体制の充実を図っているということでございました。
 思春期とは、子供から大人になる過程の時期であり、悩み多き時期となります。大人と思春期の精神疾患の症状の違いがあると知りました。児童期は、まだ周囲の大人たちや環境に支えられてきましたが、それも心配な時代になってきております。生きづらさを抱え、先が見えない暗いトンネルの中にいるように感じている方もいるでしょう。まず、県内で子供の心の診療拠点病院を決め、中心になっていただける医師の確保と県内関係機関や地域の医療機関と連携して、そして教育委員会とも連携した子供の心に寄り添うネットワーク構築を図っていただきたい。長年の課題だと思いますが、速やかな対応を仁坂知事にぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 続いて、最後の項目の質問に入らしていただきます。
 最後に、子育て支援についてお伺いをします。
 昨年10月、公明党が2006年に発表した少子社会トータルプラン以来、その必要性を訴えてきた幼児教育・保育の無償化がスタートしました。
 この制度について安倍総理は、幼児教育・保育は小学校、中学校9年間の普通教育無償化以来70年ぶりの大改革と高く評価をしております。幼児・保育の無償化は、9年間の普通教育と同様に、3歳からの教育と保育の質の向上に対して、国と自治体が責任を担う宣言になりました。
 そこで、私たち公明党は、昨年11月から12月にかけて、無償化に伴う実態を把握するため、幼稚園や保育所など利用者1万8922名、施設を運営する事業者8502名に、それぞれ調査票に基づいて自由記入欄も含めて回答をいただきました。和歌山県でも、33名の議員が県内各地の利用者242名、事業者117名に調査を行いました。
 幼児・保育の無償化の目的は、一つは、家計の経済的負担の軽減を図る。二つ目には、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性。回答を、無償化に対する評価は、利用者では87.7%が評価するとの回答を得ています。また、新たな課題も見えてまいりました。
 そこで、仁坂知事に、幼児・保育の無償化についての御所見をお伺いします。
 続いて、アンケート調査をして、改めて今後の取り組む幾つかの課題が明確になりました。そのうち、特に重要課題を申し上げますと、その一つが幼児教育・保育の質の向上、二つ目が幼児教育・保育の受皿整備ということでございました。二つの課題に対する今後の県の取組について、福祉保健部長にお答えをいただきたいと思います。
〇議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 本県の人口は、昭和60年の108万7000人をピークに減少に転じ、直近の推計人口では約92万4000人にまで減少しております。もちろん、これは自然増減と社会増減の合算でございますので、社会増減のほうも頑張らないといけないのでございますけれども、自然減ができるだけ少なく、できれば自然増になるぐらいの勢いで人口が増える、そのためには子供がたくさん育つような環境にしていかないといけない、そんなふうに思ってるところでございます。
 また、本県の合計特殊出生率を見ますと、これは全国平均を上回っているわけですが、人口維持に必要とされる2.07にはまだまだ遠くで及んでおりません。出生数も人口と同様に減少傾向にございます。
 この出生数減少の要因として、ずっと議論をしてまいりましたが、子育てや教育に係る費用の負担が重いことを理由に、子供を待つことを諦めるなどの経済的な理由が大きいと考えておりまして、特に保護者の経済的負担が大きくなるのが子供の就学前と大学在学中でございますので、この時期の負担を軽減する対策が必要であると考えました。
 後者については奨学金ということでございますが、これは国に先駆けて渡し切りの奨学金の制度をつくったりもいたしました。前者については、保護者の子育てに係る経済的負担を軽減するために、国に先駆けて保育料等の無償化を実施してきました。また、これもだんだんと拡充をして、3人っこ施策、3人目のお子さんのところだけから、第2子にまで今拡充してきたわけでございます。
 具体的には、平成20年度から第3子以降の保育料の無償化に取り組み、平成28年度からは対象児童の年齢や対象施設を拡充し、平成30年度からは、一定の所得制限の下、対象を第2子まで拡充したところでございます。
 また、昨年度から、子育て世帯を公平に広く支援するという観点から、県が事業主体になりまして、まだ国で議論もされておらない、在宅で育児する世帯も新たに支援の対象としたところであります。
 国においては、ようやく昨年の10月から保育料等の無償化制度が開始され、その内容としては、3歳から5歳までは全児童を対象としており、支援の対象が拡充されたという点については、一部当県の措置よりも幅広いところもございまして、それはいいのでございますが、一方、副食費が無償化の対象から外れたことや、ゼロ歳から2歳までは市町村民税非課税対象世帯のみに対する支援にとどまっていることなど、まだ課題があるというふうに思っております。
 県としては、これまで国に先駆けて行ってきた施策が着実に成果につながってきていると認識していることから、国の施策実施後も、これまで取り組んできた施策の効果を後退させることのないよう、国がここまでと言うんだから我々はもうやめようと、そういうことはやめて、副食費の支援とか、第2子以降のゼロ歳から2歳までの保育料無償化など、県で先行してる部分はそのまま継続してるところでありまして、事業の実施主体である市町村と連携しながら、引き続き子育て支援に取り組んでいく所存であります。
 また、できれば、全ての就学前児童を対象として、全て国の責任において無償化が進めばいいんだがなあというふうに思ってるところでございます。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 幼児教育・保育の質の向上については、新たな保育所保育指針において、乳児から2歳児までの年齢に応じた保育の内容や、規範意識の芽生え、数量、文字などへの関心など、小学校に上がるまでに必要となる教育の在り方が示されたことや、児童虐待相談件数が増加していることなどを背景に、一層きめ細やかな幼児教育・保育の実践や、保護者に対する子育て支援の充実が求められているところです。
 こうしたことから、県では、従来から保育士等を対象に基本的な内容について研修を実施してきたところですが、加えて、乳児への関わり方や幼児教育の指導計画の作成、児童虐待の予防等についての研修も実施しているところです。
 さらに、来年度からは、子供の貧困対策の必要性が高まっていることや国際化の進展に伴い、外国につながる子供の増加が見込まれることなどに鑑み、子供の貧困問題や外国につながる子供の支援等についての研修も実施し、さらに保育士等の専門性の向上に努めているところです。
 次に、幼児教育・保育の受皿整備については、保育士等の人材確保を図り、現場の受入れ体制を十分整えることが重要です。
 保育士の人材確保については、和歌山信愛大学教育学部子ども教育学科の開設に伴い、今年度から県内の保育士養成数が80名増加したところであり、県内の保育所等へ一定期間従事することを返還免除要件とする修学資金の貸付けを活用し、県内への就職を促進することとしています。
 さらに、再就職を希望する潜在保育士を把握し、保育士を募集している保育所等ときめ細やかなマッチングを行うことで採用につなげているところです。
 加えて、保育所等の施設整備については、県では、市町村とともに計画的に取り組んできたところですが、今後も、利用児童の増加が見込まれる地域を有する市町村に対して、引き続き積極的な整備を働きかけてまいります。
 いずれにしましても、幼児教育・保育の質の向上や受皿整備を進めるためには、実施主体である市町村との連携が不可欠であるため、今後も市町村と協力しながら取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
〇多田純一君 それぞれお答えいただきまして、本当にありがとうございます。
 最後に要望ですけども、幼児教育・保育の無償化がスタートしましたが、まだゼロ歳児から3歳未満の方の問題や保育の担い手の育成など、まだまだ取り組む必要があると思っております。
 県でも、このたび、新たな子ども・子育て支援計画、紀州っ子健やかプラン2020──これでございますね──を策定し、現在パブコメをされてるということでございました。
 これまでの取組の総括と今後の課題を十分に計画に反映していただき、子育て支援が進むことを期待して、要望といたしたいと思います。
 これで、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、多田純一君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 31番藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕(拍手)
〇藤本眞利子君 おはようございます。
 県では、2月13日に、県内在住の方の陽性、コロナウイルスが陽性であることが判明して以来、約1か月、知事はじめ県当局の皆さんも土日を返上してのお取組、心から敬意を表するものです。
 また、昨日は、大阪のライブハウス参加者の感染が確認されまして、収束に向けて動いているのかなあと思っていた矢先のことでしたので、まあ大変です。まだまだ気を抜くことはできませんけれども、どうか県民のためにも、この事態を乗り切っていただいて御尽力いただくことをお願い申し上げまして、質問に入っていきたいと思います。
 今回は、農業政策について質問させていただきます。
 人間は、食べていかなければ生きてはいけません。食の保障は、どの安全保障よりも優先されなければならないものです。県民の命を守り、どんなときでも安全・安心な、安定的に供給できる、そういったことが大変不可欠なことと考えています。
 その点で、まず、種子法についてお伺いしたいと思います。
 2019年、これまで日本の農の根幹を担ってきた種子法が廃止されました。
 種子法では、米、麦、大豆など種子について、各都道府県に原種、原原種の維持、優良品目の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきました。その下で、都道府県は、雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に審査した優良な品種を安く安定的に供給してきたものです。そのようにして、純粋で伝統的な品種を維持してきたのです。
 民間の種子の値段は、地方公共団体が育成したこのような品種の8倍から10倍と高いものになっています。
 自給率を支えるためには、安全で安定した安価な種子が求められているにもかかわらず、それに反する政策が行われました。新潟、埼玉、兵庫は県で条例を制定し、県として従来どおり種子の提供を確保する方向で動いており、北海道、宮城など8県では、要領や要綱を定め、種子の安定供給を進めています。
 種子法は廃止されましたが、県では、今まで築き上げた県での知見や取組をどのようにして生かしていくのでしょうか。種子法廃止後における県の現状と今後の取組についてお伺いします。
〇議長(岸本 健君) ただいまの藤本眞利子君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長角谷博史君。
  〔角谷博史君、登壇〕
〇農林水産部長(角谷博史君) 種子法廃止後の現状と今後の取組についてお答えをいたします。
 主要農作物種子法は、近年、種子生産者の技術水準の向上等により品質が安定してきたことや民間ノウハウを活用した品種開発を進めるため、平成30年4月に廃止されたところでございます。
 一方で、法律の廃止に伴い、これまでの種子法で規定されていた稲、麦、大豆の種子の品質基準が種苗法に引き継がれており、種子生産者や種苗業者は、この品種基準を遵守することとなっております。
 本県では、法律廃止後もこれまでと同様、和歌山県主要農作物採種事業実施要領に基づき、県農業試験場で水稲の原原種や原種を採種し、県とJAグループで構成する県種子協会へ供給するとともに、増殖した種子の発芽率や病害虫発生の有無、雑草の混入など、種子が優良なものかどうかを確認した上で農家に供給しております。
 今後とも、県種子協会やJAグループと連携し、優良種子の安定供給にしっかりと取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
〇藤本眞利子君 国の食料自給率が38%と言われているんですが、米、小麦、芋類、大豆、野菜、果実、牛肉、豚肉、鳥肉等々、全品目の総合食料自給率を表しています。品目でいうと、米は100%と自給率を支えているのですが、和歌山県では米の比率が低いため、総合的自給率はさらに下がっています。和歌山県の農業は、作付面積でも農業産出額を見ても果樹に支えられていると思います。それはそれで、農家の方々の努力のたまものであろうと推察いたします。今後も、さらに発展することを願っています。
 しかし、日本の食の安全は、米作りを抜きに考えられません。現在、米の耕作面積は戦後減り続けており、たった10年でも1300ヘクタールもの田んぼが減少しています。私の家の周りでもどんどん宅地化され、田んぼがなくなっているという現状です。農業産出額の推移を見ても、米の産出額は年々減少しています。米作りは、それだけでは生産していても食べていけない、農家の皆さんは野菜などを併せて栽培されています。
 農家の方に、農業を続ける上で何が一番問題かと聞いたところ、やはり農業収入の問題が一番大きいとのことでした。
 東京大学の鈴木宣弘氏らのグループが、農業に対する財政支出の国際比較を調査研究しています。
 調査の結果、農業所得に占める補助金の割合は、2013年調査によると──これは日本の場合は2016年なんですが──日本は30.2%、アメリカが35.2%、スイスが104.8%、フランスが94.7%、ドイツが69.7%、英国が90.5%です。これは、農業所得に占める直接払いの割合を示しています。
 また、2012年の農業生産額に対する農業予算比率は、日本が38.2%、アメリカが75.4%、フランス44.4%、ドイツ60.6%、英国63.2%となっています。これは、農産物の生産の4割から6割を税金で支えていることを示しています。
 このように、欧米の主要国では、食料安全保障の観点から農業に多額の国家予算が投入されていることが分かります。比較してみると、日本の農業がいかに保護されていないかが分かると思います。
 日本の米作り、農家が衰退したのは過保護で衰退した、欧米は競争で発展したというのは大間違いであります。食料戦略があるかないかの違いであると、東京大学の鈴木宣弘教授が話されています。
 また、「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について(答申)」は、日本学術会議が農林漁業と農山漁村の多面的機能についてと貨幣的価値について評価額を公開しています。それによると、洪水防止、河川流況安定機能、地下水涵養機能、土壌侵食防止機能、気候緩和機能、保養休養・安らぎ機能など、農業は8兆2226億円と試算されています──これは、2001年ですけどね。このように、多機能な価値を持つ田んぼは、一旦放棄されるとその価値は失われ、再生は大変困難なものとなってしまいます。今こそ、田んぼの持つ価値を再認識し、その環境を守るためにも、大変な状況で米作りをしていただいている農家の皆さんに対して、所得補償等を拡充していく必要があると思いますが、米作りに対する支援と振興についてお伺いします。
〇議長(岸本 健君) 農林水産部長。
  〔角谷博史君、登壇〕
〇農林水産部長(角谷博史君) 米作りに対する支援と振興の考え方についてお答えいたします。
 まず、米作りへの支援については、これまで、産地パワーアップ事業によるライスセンターの整備をはじめ、農地や農業用水等の保全管理を支援する直接支払い制度や、米の収入減少を補?する対策など、国の施策を活用してまいりました。
 また、「にこまる」や「つや姫」など、国や他県が開発した品種を特性調査を実施した上で奨励品種に選定し、普及を図ってきたところでございます。
 本県における米作りの振興については、充実した国の施策を活用するとともに、米農家の経営安定を図るため、果樹や野菜など収益性の高い園芸作物との複合経営を推進してまいります。
〇議長(岸本 健君) 藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
〇藤本眞利子君 次の質問に行きたいんですが、農業の担い手育成について、次にお伺いしたいと思うんですが、基幹的農業従事者の数が平成27年度調査では3万2500人、これ5年ごとの調査で、減少し続けています。年齢別でも、60歳以上の占める割合が72.9%と増え続けておりまして、反対に、30歳から59歳の従事者の割合は減り続けています。和歌山県の農業を発展させるために、担い手の育成が急務となっています。
 担い手を育成するために、県としてどのような取組を行っていくのか、お伺いします。
〇議長(岸本 健君) 農林水産部長。
  〔角谷博史君、登壇〕
〇農林水産部長(角谷博史君) 農業の担い手育成に関する取組についてお答えいたします。
 農業者の減少や高齢化が進む中、本県農業の発展を図るには、新規就農者の確保や、中核的な経営体の育成を進めていくことが重要であると考えております。
 このため、就農者確保対策として、農林大学校や就農支援センターにおける技術研修をはじめ、就農前後の資金を助成する農業次世代人材投資事業による支援に加え、来年度より、産地の振興品目や研修内容・支援策をまとめた産地提案型就農モデルプランを発信し、積極的に担い手確保を行う取組に支援してまいりたいと考えております。
 また、地域農業を牽引する経営体を育成するため、農業経営塾の開催や専門アドバイザーの派遣に加え、来年度から雇用の受皿となる協業組織の育成を進めるため、生産拡大や販売促進、人材育成等の取組を支援するとともに、労働力を確保するため、JAグループと連携し、求人情報等の発信を行ってまいりたいと考えております。
 今後も、市町村やJA等との連携を図りながら、農業の担い手の確保、育成に積極的に取り組んでまいります。
〇議長(岸本 健君) 藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
〇藤本眞利子君 次の項目として、環境保全型農業に対する県の取組についてお伺いしたいと思います。
 一昨年、アメリカで画期的な判決が出されました。除草剤のラウンドアップを使い続けていた学校の用務員の方ががんになったのが、モンサント社の農薬が原因であると訴え、裁判を起こした結果、裁判所は、モンサント社に320億円の賠償を支払うように命じたという判決が報道されました。
 モンサント社の敗因は、会社が所有している内部機密資料によって、19年前から遺伝子組換え作物や除草剤のラウンドアップの主成分であるグリホサートでがんになることを認識していたということが明らかになったということでした。
 これ以降、アメリカでは5万件の同様の裁判が起こされており、カナダでもオーストラリアでもモンサント社に対する同様の裁判がなされているということです。
 このように、グリホサートの危険性が明らかになる中で、各国ではグリホサートの規制が進んでいます。しかし、日本では、残留基準を緩和し、その危険性すら指摘されていない状況であります。アメリカでは、10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいているそうで、主成分のグリホサートを小麦の芯まで浸透させた小麦が日本に輸入され、小麦粉として流通しています。
 私たちは、いやが応でもグリホサートを体内に取り込んでいると考えるべきだと思います。本当に怖い話です。
 このような中、和歌山県でも、農薬に頼らない安全な米や野菜を作りたいと無農薬で栽培を続けている農家の方々がいます。比較的若い農家の方たちで、紀の川筋を中心に10人程度がグループとなり、米、小麦、野菜などを栽培しています。県内には、ほかにも無農薬野菜を栽培している複数グループもあり、徐々にではあるけれども、広がりを見せているとのことでした。
 安全な米や野菜は、少々高くても付加価値がつくため、直売や口コミ、ネット通販で販売しており、生活できるぐらいは稼いでいるよとのことでした。アメリカでも、お隣の韓国でも、オーガニックを求める人々が増えています。日本でも同様です。
 韓国では、ほぼ小中学校は有機の食材、しかも無料で提供されているとのことでした。将来は、保育所、幼稚園もそうなるとのことでした。
 私の議員生活も20年を超えまして、その間、子供たちの食の問題には随分関心を寄せてきました。特に、給食に強く関心を持ち、県内の学校の小学校、中学校、特別支援学校と訪問し、試食をしてまいりました。どの学校も、子供たちと食べる給食は大変おいしく楽しかったです。地域で取れた野菜が給食に使われている学校や、それぞれに工夫された献立は、食事の豊かさを教えてくれるものでした。
 孤食が社会問題となっていますが、みんなで食べる給食は本当に楽しいものです。どの学校の子供たちも、給食時はにこにこして笑顔で食べる様子を拝見してきました。
 私は、子供たちの健康を守るため、県下の小中学校に米や野菜はできるだけ有機食材を使っていただきたいと考えています。市町村ごとに給食食材の調達が違っておりますので、この点については違った場面で提案したいと思います。
 今回、無農薬農業に挑戦している農家の皆さんと接する中で、これからの農業の未来を見たような思いです。これから環境保全農業を目指す農家の皆さんを応援し、連帯する中で、和歌山を環境保全型農業の先進地にすることも夢ではありません。
 県として、オーガニックを含む環境保全型農業を推進するためにどのような施策を進めていくのか、お伺いします。
〇議長(岸本 健君) 農林水産部長。
  〔角谷博史君、登壇〕
〇農林水産部長(角谷博史君) 環境保全型農業に対する取組についてお答えいたします。
 県では、和歌山県持続性の高い農業生産方式導入指針に基づき、土づくりを基本に、化学肥料、農薬の低減に取り組む環境保全型農業を推進しております。
 具体的には、土壌診断に基づいた施肥の指導をはじめ、モデル園の設置や、農業者等を対象とした研修会を開催しているところでございます。
 また、国の環境保全型農業直接支払交付金制度により、化学肥料や化学合成農薬の低減などに取り組む農業者を支援してございます。
 さらに、環境保全型農業で生産された農作物を消費者の方々へ広くPRするため、県では、環境保全型農業に関する認証制度や農家の取組をホームページで発信をしてございます。加えて、農業者自身も、和歌山県優良県産品推奨制度「プレミア和歌山」の認証を取得し、PRを行うとともに、わかやま産品商談会に出展し、販路開拓を積極的に取り組んでございます。
 今後とも、市町村やJA等と連携を図りながら、環境保全型農業を推進してまいります。
〇議長(岸本 健君) 藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
〇藤本眞利子君 御答弁をいただきました。各項目にわたって御答弁をいただいたわけですが、私は今、国の進めているこの農業政策に大きな疑問を持っているんですね。
 というのは、農林水産統計年報によれば、農家戸数は5年ごとの調査でも3000~4000軒ずつずうっと減り続けています。平成27年では2万9713軒ということになってしまっていますね。基幹的農業従事者も調査ごとに減少し続けており、もう60歳以上が占める割合が7割やと先ほども言わしていただいたんですが、耕作面積ももちろん減り続けていますね。平成26年度の農業所得も平均226万円ということになってます。農業と農業外の収入を合わせても226万円ということでは、これ息子や孫に農業を継がせたいと思いませんよね。
 日本の農業は本当にこれでいいのか、県の農業はこれでいいのかというのが私の今回の質問の素朴な質問なんです。
 食料問題は食料戦略であって、国の最も重要な政策で示さなければならない問題だというふうに思っていますし、答弁では米作りの振興について、「充実した国の施策を活用するとともに」と答えていただいてますけれども、施策が充実していっているのであれば、米作りはもっともっと振興するはずだと思うんですね。それは、そうはなっていないと、どんどん減り続けている。確実に田んぼは減っていますし、米を作る農家もどんどん、どんどん減っています。
 質問で申し上げたように、田んぼの価値というのは米を作るということではないということを皆さんもお分かりになっていると思うんです。国は、大規模化や競争して強くなる農業を推進していますけれども、和歌山県のように大多数が中山間地で小規模な農業では、かなうはずもないものです。大規模化なんかは大変でできないことです。しかし、その田んぼがこの和歌山県の環境を守っていると思うんです。
 県でも、農業を守るために奮闘されていることは理解していますが、今後とも危機感を抱いてお取り組みいただくように要望して、種苗法についての意見を最後に申し上げたいと思います。
 種苗法改正に当たっては、農家の皆さんから大きな不安の声が聞こえてきます。というのも、2月18日に今国会に提出される種苗法改正案が自民党の農林合同会議で示され、了承されました。これで、この通常国会に提出され審議されるということになります。
 この種苗改正の背景には、優良品種が海外に流出することを防ぐことを目的に、品種を登録制にしていくというものです。そのため、品種が登録されたものについては、農家であってもその種を自家採取されることが禁止されて、自家採取し、自家増殖した場合は、10年以上の懲役、1000万円以下の罰金、共謀罪の対象になるとされました。
 国は、在来種や品種登録されたことのない品種、品種登録に期限切れの品種など、一般品種は従来どおり自家増殖を制限しないというふうにおっしゃっているんですが、多くの農家に与える影響を緩和しているなあとは一見思われるんですが、実は大きな問題を含んでいるんじゃないか。
 まず、農水省は、自家増殖を禁止する作物を増やし続けておりまして、2016年に82種だったものが、2019年には372種になり、ホウレンソウやニンジンは登録品種ではありませんけれども、禁止作物になっています。
 また、今まで栽培していた作物が実は登録品種であったということが分かれば、農家の皆さんは法律違反になるということで不安に思っています。イチゴ栽培などでは、登録された県のオリジナル品種を購入して、それをランナーで殖やしてハウスに移植して栽培していますが、これからは育成権利者にお金を支払って許諾を得るか、許諾が得られなければ毎年全ての苗を購入しなければならないということになってくるわけです。
 このように、種苗法の改正は多くの問題をはらんでいるというふうに思っていますし、品種を守ると言いながら、育成権者の権利を拡大し、農業者の立場に立ったものとはなっていないというふうに思います。
 現在、種苗法が審議中であるため、詳しい内容は伝えられていないということですので、県としては農業者の皆さんの声をしっかりと聴いていただきたい。県の農業を守るために御奮闘いただくことを強く要望して、この質問を終えたいと思います。この問題については、今後動向を注視しながら、次の機会にお尋ねしたいというふうに思います。
 次の質問に入ります。
 教職員の働き方改革に向けた対策と取組についてお伺いします。
 私は、これまでも教職員の超過勤務の実態や、特に部活動の在り方にも疑問を呈してまいりました。その改善を強く訴えるとともに、教職員の負担軽減についても具体的な取組を求めてまいりました。
 昨年6月議会でも、杉山議員のほうから、教職員の長時間の実態が示されたと思いますが、今回は、教職員の長時間労働の是正に向け、給特法が改正されることになりましたので、その点から質問を行います。
 ちなみに、給特法とは、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の略であります。少し長い名称ですので、給特法と略して質問いたします。
 昨年12月3日の参議院文教委員会で、文部科学大臣は、給特法の仕組みは、労働基準法の考えとずれがあるとし、給特法などの見直しと同時並行で、厳しい長時間勤務を強いられている学校現場の是正を進めなければならないとの考えの下、改正給特法7条を応急措置と位置づけました。
 その上で、本法改正を学校の働き方改革の始まりとし、応急措置の実効性を高めること、3年後に実施される教師の勤務実態調査を踏まえ、給特法などの法制的な枠組みについて根本から見直すことを明言いたしました。
 給特法改正法案は、より実効性のある是正策にするために、附帯決議が衆議院で9項目、参議院で12項目採択されています。改正給特法は、休日のまとめ取りのための1年単位の変形労働時間制の選択導入を可能とする5条関連と、公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを指針とする7条関連の改正であります。
 まず、7条関連の4月1日施行に向けた取組について、進捗をお聞きします。
 7条には、「教職員の勤務時間及びそれ以外の時間において行う業務の量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針を定めるもの」とあります。今後、県として、条例改正、教育規則の改正を行うべきであると考えますが、その予定をお示しください。
 次に、勤務時間の上限に関する方針等の策定状況を見てみると、策定を検討していないと回答した市町村が38.7%、12市町村となっているが、その後の状況はどうなっていますか。教育委員会としてこの状況をどのように捉えているか、お伺いします。
 和歌山県では、独自の基準で策定済みですが、文科省が定めた上限ガイドラインを踏まえた改定を検討しているとあるが、上限時間については、国会審議では月45時間、年360時間より短い設定にしても構わないということになっているので、月40時間、年300時間という設定も可能ではないか。長時間労働是正の観点からも一考する価値はあると思うが、いかがでしょうか。
 上限ガイドラインでは、臨時的な特別の事情の場合、月100時間、複数月──2か月から6か月、平均80時間──これ過労死ライン超え、年720時間まで勤務できるとしています。この臨時的な特別の事情というのは、具体的にどのような業務を設定しているのか、お伺いします。
 国のこの上限指針というんですが、上限指針では、休憩時間は実際に取得できた時間分だけ在校等時間から控除するということになっています。学校現場の教職員に、勤務時間内は十分休憩が取れない状況にあると聞いておりますので、どのように休憩時間を設定しているのか、お伺いします。
 次に、文科省が昨年7月、働き方改革の取組を促すことを目的に、全国の教育委員会等調査を行っています。1788件の教育委員会等から回答が寄せられ、その結果が県版にまとめられています。
 その中で、在校時間等の把握方法として、勤務時間の客観的時間管理を行う必要があるとしているのですが、ICカードやタイムカード、パソコンの記録等による客観的な方法で把握していると回答した学校が全体の32.3%と示されています。把握していないという回答も22.6%となっている状況でありましたが、その後の状況をお聞かせください。
 次に、働き方改革を進める上で、部活動のガイドライン実効性のあるものにするという取組が、長時間労働の是正に大きな効果を生むとの回答がベスト1位に挙げられています。そのため、県では、部活動指導者の負担を軽減させるために、学校外から部活動指導員を積極的に活用していくとの答弁をされています。では、この部活動指導員の責任はどのように位置づけられているのか、また、指導者の人材確保についての状況はどうか、お伺いします。
 次に、学校運営を行っていく上で、学校が担っている業務は多種多様であります。2019年の中教審答申では、学校及び教師が担う業務の明確化、適正化が示されました。基本的に学校以外が担うべき業務、学校の業務だが、必ずしも今日教師が担う必要のない業務、教師の業務だが負担軽減が可能な業務と仕分されました。
 学校以外が担うべき業務の中に、学校徴収とか管理があります。これは、給食費とか要援護児家庭への支給されている援護費──給食費ですね──を教師が徴収、管理を行っているという市町村が多いと聞いています。近年は、公会計で行う市町村が増えているとお聞きしていますが、このような業務が教師の仕事とされていること自体、おかしなことだと思います。本来教師が担うべき業務をしっかりと行えるよう、今後も引き続き市町村等に働きかけていただきたいと思います。
 また、中教審を受けて文科省が示した業務削減を少しでも進めるために、教育委員会として今後どのような取組を行っていくのかお聞きします。
 最後に、給特法5条では1年単位の変形労働時間制の適用が可能になりました。しかし、前提としては業務削減、上限方針の遵守等の長時間労働を是正することが前提であることは言うまでもありませんが、県として変形労働時間制の基本的な考え方をお示しください。
〇議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 教員の超過勤務時間の上限設定については、2月議会に条例の改正が上程されており、県教育委員会及び市町村教育委員会において規則改正等の準備を進めているところでございます。
 なお、上限時間の目安の設定については、文部科学省の指針において、月45時間、年間360時間とする予定ではありますが、この上限まで勤務することを推奨するものではございません。
 また、臨時的な特別な事情とは、学校事故が生じて対応を要する場合など、児童生徒等に係る通常予見することができない業務量の大幅な増加に伴い、所定の勤務時間外に業務を行わざるを得ない場合について定めるものでございます。
 休憩時間については、教員が確実に休憩できるよう、各学校の実態に応じて、休憩時間を分割するなど工夫して運用してございます。
 勤務時間の把握については、全ての県立学校では、校務支援システムを活用した方法を、市町村においては、全ての学校においてタイムカードもしくはパソコン記録等による方法で実施をしております。
 次に、部活動指導員についてですが、教員がいない場合でも生徒を指導できるとともに、大会や練習試合への生徒引率、保護者等との連絡調整など、部活動顧問の負担軽減に役立っています。
 本県では、平成29年度に54名、30年度に78名、今年度は83名と、希望がある全ての運動部に配置しており、来年度からは文化部にも拡充してまいります。
 部活動指導員以外にも教材準備等を支援するスクールサポートスタッフについては、現在54名配置しており、来年度も30名程度の増員を計画しております。さらに、スクールカウンセラーなど様々な専門スタッフを配置しており、来年度以降も充実させてまいります。
 これらの取組により、教員が担うべき業務を精選、軽減し、超過勤務時間を削減するとともに、1年単位の変形労働時間制については、働き方改革の一つの方法として今後研究してまいりたいと考えております。
〇議長(岸本 健君) 藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
〇藤本眞利子君 9項目にわたって一括して御答弁いただきました。
 教職員の働き方については、文科省のほうもやっぱり本腰を入れて取り組んできていると感じていますが、抜本的な対策についてはまだ十分とは言えないと思っていまして、特に業務の精選、軽減を図る取組、教職員の業務や校務分掌というのは学校によって違っているんですね。一律に進められるもんではないと思います。
 また、学校の中でしなければならない仕事、事務仕事の量を少なくする、削減するためには、もっと人的手当てが必要というふうに思っておりまして、特にお願いしたいのは、給食費とか要保護児童生徒の援助費等のお金ですよね。実際にお金を扱う徴収管理をいまだに先生、教職員が負担しているという市町村があるということで、この点について、本当に改善していただきたいと強く要望しておきたいと思います。
 最後に、いつも言うように学級定数の問題ですよね。1学級の子供の数をやはりもっと減らしていただくことを強く国に要望していただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。
 最後の質問で、海洋プラスチックごみの対策についてお伺いしたいと思います。
 和歌山県で今回、ごみの散乱防止に関する条例案が出ておりますので、それについて少しお伺いしたいと思います。
 近年、町なかでSDGs、今日もたくさんの議員の方がマークをつけておられるんですが、これは皆さんも御存じのように、国連の2015年に開かれたサミットにおいて、国際社会共通の目標として、持続可能な開発のための2030アジェンダが採択されて、SDGsはその中核をなす行動目標を指しているわけですよね。今日は、議長もつけていただいていますが。その行動目標の17項目のうち14番目、海の豊かさを守ろうという、こういう項目がございまして、今回最も今注目を集めている海洋プラスチックごみの問題の取組についてお伺いしたいと思います。
 私たちの生活にとって、プラスチック製品は、もはやなくてはならないものとなっています。和歌山市では、家庭ごみとして排出されるプラスチック製品は焼却処分を行っておりますので、私は生ごみと一緒に回収していただいているんですが、家庭ごみの大半はプラスチックで占められていると言っても過言ではありません。容器包装のほとんどがプラスチックごみです。
 2016年のエレン・マッカーサー財団の調査によると、容器包装プラスチックの使用は拡大傾向にあり、1964年1500万トンであったものが、2014年には3億1100万トン、50年間の間に急増しているわけです。今後20年で、現在の生産量の2倍になるというふうに予想されています。対策を講じないと、2050年には海洋中のプラスチック量が魚の量以上に増加してしまうと予想されています。
 このような中、2015年、G7のエルマウ・サミットにおいて、この海洋プラスチック、特にプラスチックごみが世界的課題であると初めて提起されまして、それ以降、年ごとにその取組が進められてきています。
 2018年6月G7において、EU、英国、カナダなど5か国が自国のプラスチック規制強化を高める海洋プラスチック憲章に署名しました。段階的にリユース、リサイクルを進め、回収可能性を高めていく、最終的には、2040年までに全てのプラスチックを100%回収するという内容であります。
 ちなみに、これ日本とアメリカは署名しておりません。
 国においても、漂着ごみの現状や海域ごとのマイクロプラスチックの調査を行っており、海洋プラスチックごみ対策は確実に前進していると考えます。
 今回、県では、海洋プラスチックごみ対策として、和歌山県ごみの散乱に関する条例案を上程されています。条例を制定しようとする背景とその目的をお伺いします。また、ごみの問題については、市町村との連携も重要かと思いますので、その点についてもお伺いします。
〇議長(岸本 健君)  環境生活部長田中一寿君。
  〔田中一寿君、登壇〕
〇環境生活部長(田中一寿君) 本県では、これまで警察と連携した取組の強化、不法投棄監視パトロールの実施や監視カメラの設置、学校での道徳教育、社会教育、県民参加のクリーンアップ運動などにより不法投棄防止に取り組み、年間の不法投棄の件数も400件台から、平成25年以降は300件台になるなど、一定の成果を上げてきました。
 しかしながら、依然として不法投棄が後を絶たず、道端でもペットボトルやレジ袋に入れられたごみのポイ捨てが目につき、このような光景を見ると心まですさんできます。
 平成28年度に環境省が串本町で実施した調査においても、海岸に漂着したごみのうち約6割がプラスチックごみでした。
 このように、適正に処理されなかったプラスチックごみが、海洋プラスチックごみ問題の一因となり、地球規模での環境破壊につながっています。
 こうしたことから、その対策として、身近にできることから確実に実行するため、和歌山県ごみの散乱防止に関する条例を制定し、ポイ捨てをしない、させない運動を県民一丸となって取り組むこととしました。
 その目的は、県民、事業者、県が一体となって、ごみのポイ捨てなど環境や美観に影響を与える行為を防止することにより、長い海岸線を持つ本県の豊かな水環境を守り、生物多様性や美観の保全に努めることで、安全で安心して暮らせる県土を未来に継承していくことにあります。
 条例では、県の責務として「わかやまポイ捨て防止強調ウイーク」を定め、一斉清掃活動を行うなど、ごみの散乱防止のための広域的かつ総合的な施策を策定、実施するとともに、市町村や県民が実施する地域での清掃活動に対し必要な支援を行い、あわせて、県民の理解を深めるため、教育啓発を実施することとしています。
 また、事業者や県民には、ごみの発生を少なくしたり、リサイクルを進めるなど、ごみの散乱防止に努めるとともに、県や市町村が実施する施策やクリーンアップ運動等に協力するよう求めることとしています。
 この条例の最大の特徴は、みだりにごみを捨てた者に対し、回収を命令し、従わない場合には過料を科すとともに、その実行性を確保する仕組みを設けたことです。担当職員に加えて、環境監視員を9名配置し、県民等からの情報や県内各所の監視カメラの映像を活用しながら、ごみの散乱をくまなくパトロールし、ポイ捨ての監視等を行うこととしています。
 次に、市町村との連携についてでございますが、条例制定を機に、市町村には、これまで以上に、ポイ捨てをしない、させないという強い意識を共有してもらい、住民への教育啓発や、県と一丸となって、ごみの散乱防止に取り組んでもらいたいと考えています。さらに、ごみの散乱防止に効果的なごみ箱の設置についても、市町村に働きかけてまいりたいと考えています。
〇議長(岸本 健君) 藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
〇藤本眞利子君 次に、最後ですね。プラスチックを海洋に流出させないための取組についてお伺いします。
 最近では、プラスチックの削減を進めようと、プラスチックに代わる製品を使いましょうということで、紙のストローとか食べられる食器なども話題になっています。スーパーのレジ袋を少なくするためにマイバッグを持ちましょうとか、ペットボトルを減らすためにマイ水筒を使いましょうなどの啓発も行われています。
 私は、これはこれでいいと思いますけど、プラスチック漂着ごみの種類を見てみると、これ容積ベースで見てみますと、飲料用ボトルやその他のプラボトル類やポリ袋、それも含めた、占める割合はそれほど高いものではありません。割合が高いものの順でいくと、漁網とかロープとかブイなどが5割を占めているという現状です。
 私は、便利で安価なプラスチック製品が悪いわけでないと思います。回収されるシステムが確立されていないことに大きな問題があると考えます。廃棄されたプラスチックをごみとしてではなく、有効に活用できる資源として徹底的に分ける、資源にならないものはごみとして処分する、材料に使用できるものは原料化を図る、それから、製品が求める性能の材料化をする、製品を作りニーズに応えていくというような循環をつくっていくことが必要であると考えます。
 そのために、廃プラスチックをごみとしてではなく、資源という観点で効果を上げていくための方策を考えていかなければならないと思います。バージン商品を作ることと同じ価値、それ以上の価値を持ったリサイクル商品を開発し、新しい市場を開拓していくことが求められています。
 排出から考えるのではなくて、逆に商品から新たなプラスチックの循環をつくるといった発想も必要なことです。そのためには、リサイクルを関係事業者に任せるのではなく、もっと広範囲に連携する必要があると思います。企業、大学、事業者、行政、NPO団体も一般市民も巻き込んで、真剣にプラスチックの循環をつくっていかなければなりません。
 そこで、県としてリサイクルをさらに進めるための見解と取組をお伺いします。
〇議長(岸本 健君) 環境生活部長。
  〔田中一寿君、登壇〕
〇環境生活部長(田中一寿君) 県では、廃棄物の排出を抑制し、適正な循環利用を行い、美しい和歌山の環境を維持するために、リデュース、リユース、リサイクルの3Rを進めています。
 議員御質問のリサイクルについてでございますが、小さいときから物を大切にする心を育み、簡単にごみにしない習慣を身につけてもらうために、子供たちには、わかやまこどもエコチャレンジ事業を実施したり、おもしろ環境まつりなどを通じて様々なエコ活動を体験してもらっています。
 社会教育としても、循環型社会やリサイクルに関する法や制度をテーマにした出前講座を実施するとともに、「県民の友」などを使って広報啓発を行っています。
 また、使用済みプラスチックを使った製品開発や、その使用を促進するため、和歌山県認定リサイクル製品の認定及び利用の促進に関する条例に基づきリサイクル製品を認定し、県のホームページやパンフレットを通して商品のPRを行うとともに、県の建設工事に係る工事成績において加点評価を行うなど、リサイクル製品の普及に努めています。
 さらに、県の物品調達においても、和歌山県グリーン購入推進方針に基づき、例えば文具類では、再生プラスチックの配合率40%以上のものを優先調達することとしております。
 こうしたリサイクルの取組に加えて、プラスチックごみを燃料として焼却し、発電などを行うサーマルリサイクルも、プラスチックの海洋への流出を防ぐ有効な方策であると考えております。
 議員御指摘のとおり、プラスチックごみを資源という観点から捉えれば、企業によるプラスチック代替製品の開発を待つだけでなく、プラスチック製品を利用する者、それを処理するリサイクル業者、行政が一体となって、プラスチックごみを資源として有効に利用し、環境への負荷の低減について考えていく必要があります。
 国では、昨年5月にプラスチック資源循環戦略を策定し、具体策について現在議論されているところです。県においても、その動向を注視しながら、関係団体でネットワークを構築し、意見交換を行いながら、プラスチックごみの問題解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇議長(岸本 健君) 藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
〇藤本眞利子君 御答弁ありがとうございました。プラスチックを資源として捉えて、関係団体でネットワークを構築して意見交換していくとの御答弁ですので、意見交換がさらに具体的な取組に進むことを期待いたしまして、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君)  以上で、藤本眞利子君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時48分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
〇副議長(森 礼子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕(拍手)
〇北山慎一君 皆さん、こんにちは。
 12月定例会に続き、今定例会も一般質問をさせていただきます。
 本日で一般質問も4日目となりました。皆さん、お昼御飯も食べ、満腹感の中、また、連日の一般質問で疲れが出ている頃かと思いますが、私の一般質問を聞いて、さらにおなかいっぱいになることはございませんので、大変お聞き苦しい点もあるかと思いますが、どうかしばらくのお時間、お付き合いいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に従い一般質問を行いたいと思います。
 それでは、初めに大項目の1、岩出市内の河川について質問いたします。
 まずは小項目1、1級河川、紀の川の維持管理についてお尋ねいたします。
 紀の川につきましては、先輩議員もこれまでたくさん質問されてきましたが、私も少し質問させていただきます。
 近年は、異常気象による浸水被害など甚大な災害が多発しております。和歌山県においても同様で、台風や豪雨などにより浸水などの被害が発生しています。
 さて、私が住んでいる岩出市は、市内南部を流れる1級河川・紀の川が国において平成24年度に紀の川水系河川整備計画が策定され、平成28年度から工事着手された岩出狭窄部対策事業については、おかげをもちまして令和2年度をもって完了と聞いており、その付近の浸水被害が軽減されると非常に期待をされているものであります。
 また、昭和63年5月に、山崎かんがい排水路が完成し、岩出市畑毛地区を含めた周辺の浸水被害がほぼなくなりましたが、完成から30年以上が経過した現在、紀の川河川敷の堆積土砂が増加してきております。特に山崎かんがい排水路樋門の放流部付近の堆積土砂は著しく増加し、樹木の繁茂にもつながっており、国では、29年度から繁茂した樹木の伐採を順次していただいているところであります。
 しかし、平成29年の台風21号で、紀の川の増水により山崎かんがい排水路樋門を閉鎖することになり、その結果、畑毛地区を含む六箇井用水路周辺地域で初めての避難勧告が発令されました。
 先ほども申し上げました岩出狭窄部対策事業完了後は、洪水時における下流域への流量が増加することが予測されるため、その対策として、土砂体積が見受けられる箇所については、しゅんせつをしていただき水位を低く保つとともに、洪水時の流下能力の阻害や偏流などの原因となり得る河道内の樹木の伐採を行うことが必要であると考えます。
 つきましては、県民の安全・安心につながる河川の維持管理は最重要課題として認識しておりますので、山崎かんがい排水路樋門の放流部付近におけるこれまでの維持管理の状況と今後の県当局の取組について、県土整備部長にお尋ねいたします。
〇副議長(森 礼子君) ただいまの北山慎一君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
〇県土整備部長(髙松 諭君) 紀の川の維持管理に関しまして御質問いただきました。
 紀の川の堆積土砂の撤去や樹木密集地の伐木については、国が防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の予算などを活用し、集中的に実施していると聞いております。
 このうち、議員御質問の山崎樋門付近につきましては、平成29年度から30年度にかけまして、樋門の下流側、約8万平方メートルの範囲で伐木を行ったと聞いております。
 今年度は、樋門の対岸側で、堆積土砂を約3000立方メートル撤去する工事が行われていたところでございますけれども、これにつきましては、先日、完了したとの連絡を受けてございます。
 国によりますと、山崎樋門付近においては、来年度も引き続き、樹木密集地の伐木や堆積土砂の撤去を行う予定とのことでございます。
 県といたしましては、このような国の取組が今後とも着実に実施されますよう、引き続き国に働きかけてまいります。
〇副議長(森 礼子君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
〇北山慎一君 答弁いただきました。
 引き続きの維持管理及び国への働きかけ、よろしくお願いいたします。
 次に、小項目2の1級河川・住吉川と根来川の整備についてお尋ねいたします。
 国では、平成30年12月に、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を閣議決定、全国的に緊急対策を実施することになりました。
 このような状況の中、県におかれましては、岩出市内を流れる1級河川・住吉川と根来川につきまして、令和元年度から補助事業である大規模特定河川事業に採択され、事業を推進していただいておりますが、近年のゲリラ豪雨災害などの河川の氾濫や決壊を未然に防止するとともに、河川周辺に住む地域住民の不安を払拭する上で、最優先にされなければならない重要な事業であると考えます。
 そこで、これらの河川の整備の進捗状況及び今後の計画について、県土整備部長にお尋ねいたします。
〇副議長(森 礼子君) 県土整備部長。
  〔髙松 諭君、登壇〕
〇県土整備部長(髙松 諭君) 岩出市内の住吉川と根来川の整備につきまして、御質問をいただきました。
 両河川につきましては、平成26年7月に、紀の川水系紀泉圏域河川整備計画を策定しており、この中で整備の対象区間を位置づけてございます。また、今年度からは、大規模特定河川事業として国の補助事業に採択されたことにより、さらに計画的、集中的な事業の推進が可能となっております。
 まず、住吉川でございますけれども、この住吉川につきましては、県管理区間の下流端から市道山西国分線までの約3キロメートルの区間を整備の対象とし、河道掘削などを行うこととしております。これまでに、下流から国道24号までの約1.7キロメートルの区間におきまして整備が概成してございます。
 現在、国道24号の直下流にございます市道の住吉橋の架け替え工事やその周辺の護岸工事、また、国道24号より上流の用地取得を実施しているところでございます。来年度は、これに加えまして、国道24号から上流に向けての護岸工事も進めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、根来川につきましてでございます。
 根来川につきましては、県管理区間の下流端から木殿橋までの約1.4キロメートルの区間は、既に整備が完了してございます。したがいまして、木殿橋から根来新橋までの約1.3キロメートルの区間を整備の対象とし、河道掘削などを行うこととしております。これまでに、木殿橋から後明橋までの約200メートルの区間及び前田2号橋の架け替え工事が完成しております。
 現在、この前田2号橋より下流の護岸工事や取水堰の移設、また、用地取得を実施しているところでございます。来年度は、これらに加えまして、後明橋から前田2号橋までの間にある架け替えが必要な二つの橋の市道橋を一つの橋に統合する工事も進めてまいりたいと考えております。
 住吉川、根来川の整備につきましては、共に順調に整備しているところでございます。これらの河川も含めた県内各河川の整備につきましては、今後とも様々な予算を活用し、引き続き事業の進捗に努めてまいります。
〇副議長(森 礼子君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
〇北山慎一君 答弁いただきました。
 両河川とも様々な予算を活用し、引き続き河道拡幅や護岸工事など、河川整備に努めるとのことですが、先ほども申しましたが、河川周辺に住む住民は、大雨が降るたびに不安な日々を過ごしています。そんな住民の不安を一日でも早く取り除き、安心して生活できるよう、早期に整備完了していただけるよう、事業のより推進をお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 続きまして、大項目2、学校へのAEDの設置についての質問に移りたいと思います。
 毎年、児童生徒の学校での事故が全国的に発生しております。特にここ数年は気候が大きく変動してきており、夏の気温は記録的な猛暑となるなど、学校での就学中の事故、特に体育の授業や運動会の練習中の事故、また、小学校に限っては、プールでの事故も毎年のように発生しております。
 そういった中、近年、AEDの需要が非常に高まってきております。AEDとは自動体外式除細動器のことで、突然的な心停止状態への救急措置に有効とされる医療機器であります。心臓がけいれんし、血液を流すポンプ機能を失った状態、心室細動になった心臓に対して電気ショックを与え、正常なリズムに戻すために使用されます。
 このAEDは、2004年7月より医療従事者ではない一般市民でも使用できるようになり、この10年ほどの間で認知度も上がり、大多数の人が知る心肺蘇生における初期対応に使用する医療機器として、公共施設や企業などに積極的に設置されるようになってきました。もちろん、大事な児童生徒を預かる教育の現場、学校にも設置されておりますが、現在、県内における各学校の設置状況及び管理についてどのようになっているのか、教育長にお尋ねいたします。
〇副議長(森 礼子君) 教育長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) AEDの設置状況及びその管理についてですが、全ての県立学校及び市町村立学校に1台以上のAEDが設置されています。また、これらのAEDについては、日常的な点検とバッテリー等の消耗品の交換も適切に行われており、いつでも使用できる状態で管理されております。
〇副議長(森 礼子君)  北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
〇北山慎一君 答弁いただきました。
 全ての市町村立学校及び県立学校に1台以上は設置され、点検等を行い、機器の管理もしっかりとされているということでしたので、ひとまずは安心いたしました。
 それでは、続きまして、小項目の2、緊急時におけるAED使用に向けた取組についてお尋ねいたします。
 先ほども申しましたが、AEDは、心肺蘇生における救急措置に有効とされる医療機器であります。私は、昨年、岩出市の防災訓練に参加し、消防組合が実施するAEDの講習を受けさせていただきました。AEDの講習自体は3回目だったのですが、今までは講師の方の話や仕様の説明、実践の仕方を見ているだけの講習でした。しかし、今回の講習では、人形相手にAEDを実際に使用させていただきました。講習は、以前にも受けていたとはいえ、実践は今回が初めてで、いざやってみると、パッドの貼る位置は間違っていないかどうか、そして、しっかりとパッドが貼れているかどうかなど戸惑いながら使用したため、かなり時間がかかってしまいました。人形相手にこんな状態ですから、実際に1分1秒を争う緊迫した場面でAEDを人に使用するのは、一度実践しただけの今の私では自信がありません。
 AEDから音声ガイドが流れるとはいえ、もし、学校でAEDを使用しないといけないような事故が発生した場合、教職員が初期対応としてAEDを使用することになりますが、教職員が落ち着いて使用できるようにどのような取組をされているのか、教育長にお尋ねいたします。
〇副議長(森 礼子君) 教育長。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 心肺蘇生法講習会等の実施状況についてですが、AEDの使用方法を身につけた人が多くいることは、人命を守る上でもとても重要です。このため、県内ほぼ全ての学校において、AEDを使用した心肺蘇生法の教職員研修を定期的に行っています。
 さらに、中学校と高等学校では、生徒も保健の授業でAEDを使用した実習を取り入れ、緊急時に対応できるよう学習をしています。
〇副議長(森 礼子君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
〇北山慎一君 答弁いただきました。
 教職員がAEDを使用した心肺蘇生法の研修を定期的に行っていることや中学、高校の保健の授業でAEDを使用した実習を行っていることなど、すばらしい取組をしていることは、今後も継続していただくよう、よろしくお願いいたします。
 ただ、それと同時に私がもう一つお願いしたいのは、各学校の規模にもよりますが、本当に今現在の設置台数で足りているのか。体育や集会等でよく利用する体育館、避難所にもなる体育館にもAEDは必要なんじゃないか。3階建て、4階建ての校舎で1分1秒争う緊急時に、AEDの台数や設置場所は本当に適切なのかなど、しっかりと考慮していただきたいと思っております。
 県当局におかれましては、各市町村、そして、学校ともしっかりと連携を取っていただき、AEDの設置の充実を図っていただけますことを要望して、この質問を終わらせていただきます。
 続きまして、大項目3の病児保育についての質問に移りたいと思います。
 皆さんは、病児保育という言葉を聞いたことがありますでしょうか。知っている方も随分いらっしゃると思いますが、病児保育とは、通園や通学をしている子供が体調不良や病気になったときに、仕事を休めない親に代わり、施設で子供を預かり、看護をしたり、保育を行ったりする事業のことを指しております。
 近年、核家族化がより進み、共働きの家庭も増えていることもあり、子育て環境は一昔前と随分変わってきました。一昔前は、一つ屋根の下でおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、そして子供といった三世代で暮らしている家庭が随分あったように思いますが、近年は大きく減少してきております。私も子育てを経験してきましたがというよりも、今も子育て中ですが、子育ては本当に大変で、家族の協力がなければできないこともたくさんあると実感しています。
 そんな中、子育てをしていく上で、私は非常に気になる点が一つあります。それは、核家族で生活し、共働きをしている子供が病気になったとき、急な発熱等で体調を崩したり、熱は下がり回復はしてきているが、まだ全快ではない状態の子供など、保育所や学校に行けない状況になったときに、様々な事情で仕事を休めない親、またはこれ以上仕事を休めない親に代わり、子供を安心して任せられる人や見てもらえる場所が身近な環境にあるのかどうか、非常に懸念するところであります。実家が遠方なので頼れない、身近に頼れる人がいない、祖父母が高齢で見ることができないなど、子供を安心して見てもらえる預け先がないと頭を悩ませているのではないかと心配しております。
 当然、親ですから、本当ならば仕事を休んで、かわいい我が子の看病をしたいところですが、人手不足もあり、休むと会社や同僚に迷惑や負担がかかる。数日間、子供の看病で休んだので、これ以上休めない。月末処理で忙しいなど、休みたくてもなかなか休めないのが現状です。
 本県も仕事と子育てを両立できる環境の整備が必要と、令和2年の新政策案に課題として掲げております。そのようなことから、共働きの方々、特に働くお母さんにとっては、病児保育が自分の住む地域にあるのか、ないのか、また、誰もがいつでも利用できるのかなど、大変重要なものとなります。
 そこで、お尋ねいたします。
 県内における病児保育の実施状況はどのようになっているのか、福祉保健部長、お答えください。
〇副議長(森 礼子君) 福祉保健部長宮本浩之君。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 児童が病気の際、自宅での保育が困難な場合に病院等で一時的に保育する病児保育は、保護者の仕事と子育ての両立を図る子育て支援策として重要であることから、県全域で実施する必要があると考えています。
 病児保育には、急変の心配のない病気の児童を病院等の専用スペースで保育する病児対応型、病気の回復期にあるものの集団保育が難しい児童を保育所等の専用スペースで保育する病後児対応型、保育所等での保育中に微熱を出すなど体調不良となった在園児に保健的な対応を行う体調不良児型があり、県内には、病児対応型が10施設、病後児対応型が7施設、体調不良児型が7施設設置されており、全体では24施設、県内18市町で利用できる状況です。
〇副議長(森 礼子君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
〇北山慎一君 答弁いただきました。
 その実施状況をお聞きした上で、次の小項目2の質問に移りたいと思います。
 病児保育には、病児対応型、病後児対応型、体調不良児対応型の3類型がありますが、先ほどお聞きしました県内の病児保育の施設は、現在24施設あり、そのうち10施設が病児対応型と答弁されました。見方によれば、全施設の約半分が病児対応型で、なかなか充実しているのではないのかと思われる方もいるかもしれませんが、地域によれば病児対応型の施設はあるが、かなり遠い場所にある、また、病児対応型の施設がないところもあります。
 病児、病後児、体調不良児、この3類の中で一番ニーズが高いのが、やはり病児であり、今後、県内で安心して子育てができる環境の整備、その中の一つである病児保育、中でも特に病児対応型の施設の充実は、仕事と子育ての両立に大変重要なものだと私は考えております。
 そこで、福祉保健部長にお尋ねいたします。
 病児対応型の充実に向け、今後どのような取組をされていくのか、お答えください。
〇副議長(森 礼子君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 病児保育の中でも、病児対応型については、特に専門的なスタッフの見守りが必要な病児を対象とすることから、県としても特にニーズが高いと考えており、全市町村で利用できる体制を整えるため、新たな設置を促進するとともに、単独の市町村で設置することが困難な場合は、近隣市町村との広域利用も働きかけているところです。
 こうした中、本年1月には、串本町に病児対応型が1施設開設されたことで、県内6圏域10施設で実施されており、14市町で利用できるようになり、来年度からは、さらに紀南地域における広域利用も開始される見通しです。
 今後も、病児対応型について、引き続き、県全域で利用できる体制づくりを目指して取り組んでまいります。
〇副議長(森 礼子君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
〇北山慎一君 答弁いただきました。
 本年1月、串本町に病児対応型が1施設開設され、少しずつではありますが、病児対応型の施設が増えてきていることは喜ばしいことであり、また、県当局の働きかけのたまものだと思います。
 しかし、まだまだ数が足らないのが現状です。子供を育てる環境が整っていないまちに、これから子育てをしていく人たちが住むとはどう考えても思えません。それは、病児保育だけに限るわけではありませんが、子育て世代が仕事と子育ての両立ができる環境の数ある条件の中の一つになってくると私は考えております。共働きの方々がより利用しやすくなるよう、利便性などもしっかりと考え、今後も引き続き病児保育の充実を図っていただけますよう、よろしくお願いいたします。
 続きまして、最後の項目、大項目4の質問に移りたいと思います。
 私の地元、岩出市には、県民の緑化樹及び花卉並びに森林に関する知識の普及と育成技術の向上並びに自然保護に関する知識の普及及び自然保護思想の高揚を図るとともに、県民の憩いの場を提供する目的で造られた、花と緑に囲まれた自然あふれる施設、植物公園緑花センターがあります。
 この施設は、昭和54年に完成し、約40年が経過しておりますが、現在も老若男女を問わず、いろんな世代の余暇を過ごす場となっております。私も子供の頃よく利用し、遊んだ記憶がいまだに残っておりますが、園内は大型の木製の遊具やボール遊びもできる広大な広場、また、芝生が一面に生い茂った広場など、小さな子供を持つ家族が遊べる施設や高齢者も楽しめる四季折々の花が植栽、展示されている花壇や温室など、四季を感じれる施設があり、自然を満喫できる植物公園として集客されています。
 そこで、緑花センターの来園者数について、農林水産部長にお尋ねいたします。
 以前は入場料を取っていましたが、平成28年度に入場料を無料にされました。現在の緑花センターの利用状況はどのようになっているのか、お答えください。
〇副議長(森 礼子君) 農林水産部長角谷博史君。
  〔角谷博史君、登壇〕
〇農林水産部長(角谷博史君) 和歌山県植物公園緑花センターの利用状況についてお答えいたします。
 和歌山県植物公園緑花センターでは、より多くの方々に来園していただくため、議員お話しのとおり、平成28年度に入園料を無料にしたところ、前年度に比べ約5万人増加の約18万人が来園され、近年の来園者数は約19万人となっております。
 気候のよい春期には多くの方々に来園いただいているものの、夏場や冬場の来園者数は、少ない状況となっております。
〇副議長(森 礼子君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
〇北山慎一君 答弁いただきました。
 入場料を無料にしてからは、来園者数が以前よりも増加しているという答弁をお聞きし、それは非常に喜ばしいことだと思います。
 しかし、桜が咲く季節、花の種類が多く、色とりどりのたくさんの花が開花する季節の春期をピークとすると、それに比べ、夏場、冬場の来園者数が少なくなっているのは気になります。夏は暑いから、冬は寒いからと言ってしまえばそれまでのことですが、県の施設である以上、県の目的にもうたっているように、どの季節においても県民の憩いの場を提供しなければいけないと考えますが、緑花センターの今後の取組について、農林水産部長にお尋ねいたします。
〇副議長(森 礼子君) 農林水産部長。
  〔角谷博史君、登壇〕
〇農林水産部長(角谷博史君) 今後の取組についてお答えいたします。
 緑花センターの運営につきましては、平成18年度より指定管理者制度を導入しており、現在は、特定非営利活動法人根来山げんきの森倶楽部が運営を行っております。季節に応じて植物の展示会や花の寄せ植え教室等を年間90回程度開催するとともに、特に夏場は早朝開園、冬場はクリスマスや新春イベントの開催などに取り組んでおります。また、近年では、木製遊具のリニューアルやウッドデッキの改修なども行っております。
 今後、夏場や冬場の来園者数が少ない現状を踏まえ、来園者の声をお聴きしながら、指定管理者と連携し、新しいイベントを開催するなど、県民の憩いの場として年間を通じて全ての世代の方々に一層利用していただける魅力的な施設となるよう努めてまいります。
〇副議長(森 礼子君) 北山慎一君。
  〔北山慎一君、登壇〕
〇北山慎一君 答弁いただきました。
 私の周りにも、緑花センターをよく利用する小学生の子供を持つお母さん方がいるのですが、やはり夏場は、子供が遊ぶ広場や遊具の辺りに影がなく、涼を取る場所がなくて困っているという声も聞いております。女性は紫外線には敏感で、日焼けを嫌います。遊具付近にあずまやが少ないので、自前の1人テントを持っていったりと工夫はしているようですが、荷物になったり、駐車場から広場まで距離があり、持参するのが大変だと言っていました。あずまやに関しては、涼を取るにも適していますが、突然の雨降りにも対応でき、雨をしのぐこともできます。
 指定管理者制度を導入し、運営は指定管理者が行っておりますが、県当局もしっかりと連携を取り、来園者の声を聴き、あずまやの数を増やしたり、ベビーカーを利用する方や高齢者や障害者の方の園内の動線はしっかりと確保できているのかなど、ハード面もソフト面もしっかりケアしていただき、県内はもとより、県外からも多く訪れてもらえる、自然という資源を生かした充実した施設づくりを要望させていただき、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(森 礼子君) 以上で、北山慎一君の質問が終了しました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 28番中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕(拍手)
〇中西 徹君 質問に入る前に、連日の新型肺炎の対応について、知事はじめ職員の皆様、本当にお疲れさまです。また、今回も新型肺炎で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族に心からお悔やみ申し上げます。
 現在もなお、この新型肺炎で闘病中の方もいらっしゃいます。回復されることを心からお祈りいたします。
 それでは、議長の許可を得ましたので、一般質問を始めさせていただきます。
 1、国民健康保険制度改革に伴う医療費適正化について質問に入ります。
 この問題については、平成30年2月議会において、自由民主党県議団の山下直也先輩議員が県議会で初めて取り上げられ、質問されております。同じような高いレベルでの質問にはなりませんが、よろしくお願いします。
 それでは、保険者努力支援制度と第三者行為求償事務についてお伺いします。
 厚生労働省が昨年9月に公表した医療費の動向によると、2018年度の医療費は、42兆6000億円と過去最高を記録しました。また、2040年には、医療給付費が67兆円に増大するという予測も厚生労働省は試算しています。
 医療費の増大の大きな原因の一つは高齢化であり、2018年度では、75歳以上の1人当たりの年間医療費は約94万円にも上ると言われています。また、近年、医療の進歩は目覚ましく、新しい薬が開発されたり、ロボット手術が可能になったりするなど、医療技術の進歩もその一因となっており、今後においても医療費の上昇はするだろうと予測されています。
 このような状況では、誰もが平等に医療を受けられる制度として、この国の健康や長寿化にも寄与してきた国民皆保険制度も、医療に関しても先行きは不透明であると考えます。
 それに対し国は、平成30年度から、新たに都道府県が保険者となり、市町村とともに国民健康保険の安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保等を図る仕組みをつくるとともに、医療費適正化を推進するため、保険者である地方公共団体による医療保険財政の健全化に向けた取組を点数化し、それに応じ、交付金の配分を行う保険者努力支援制度を開始しました。
 点数化においては、都道府県分では指標1、市町村指標の都道府県単位評価、指標2、医療費適正化のアウトカム評価、指標3、都道府県の取組状況の評価、市町村分では、1、特定健診・保健指導、2、糖尿病等の重症化予防、3、個人インセンティブ、4、後発医薬品の利用促進、5、保険料収納率、6、第三者行為求償の取組などが評価指標となり、結果については公表される仕組みとなっております。
 最新の評価結果では、都道府県分では、全国35位から4位と上がっているものの、市町村分では、昨年、全国21位から36位と低下しており、評価指標を確認すると、点数が取れていない項目も見られます。
 質問ですが、この結果については、和歌山県としてどのように捉えていますか。順位が下がる原因となった項目について、どのような取組を図ってきたのか、福祉保健部長にお尋ねします。
〇副議長(森 礼子君) ただいまの中西徹君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長宮本浩之君。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 令和2年度保険者努力支援交付金の算定に係る本県の評価は、都道府県分については、特定健診受診率や特定保健指導実施率の向上などに努めてきた結果、医療費水準が全国平均よりも低くなったことから、順位が大きく上がりました。
 しかしながら、市町村分については、後発医薬品の使用実績や被保険者が自主的に健康づくりに取り組む仕組みづくり、特定健診未受診の糖尿病の治療中断者などに対する保健指導が重視され、こうした新たな項目に十分取り組めていない市町村が多く見られたことから、順位が下がりました。
 まず、後発医薬品の使用実績については、市町村において、被保険者に後発医薬品の使用促進を周知するほか、後発医薬品を希望することを医療機関や薬局に伝えやすくする工夫を行うとともに、県においても、県医師会、県病院協会及び県歯科医師会への後発医薬品の使用促進を依頼してきましたが、使用実績の大きな上昇にはつながっていない状況にあります。
 また、被保険者が自主的に健康づくりに取り組む仕組みづくりについては、市町村では、ようやく特定健診の受診や健康イベントへの参加を促す取組が進んできた段階であり、今年度から国が評価項目とした自らの健康データを管理し、その改善を促す仕組みづくりには、まだ十分に取り組めていない状況にあります。
 さらに、糖尿病の治療中断者などに対する保健指導については、多くの市町村において、特定健診受診者を対象とする重症化予防の取組にとどまっており、特定健診未受診の治療中断者などに対する医療機関への受診勧奨や保健指導の取組は、十分とは言えない現状となっています。
〇副議長(森 礼子君) 中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕
〇中西 徹君 答弁ありがとうございます。
 県においては、特定健診受診率や特定保健指導実施の向上などに努めてきた結果が大きな成果につながったということで、引き続き頑張っていただきたいと思います。
 市町村分の結果については、新しい項目に十分取り組めていない市町村が多いということですが、今回から評価基準が、従前は取組重視でありましたが、成果についても基準に反映されることによって対応が難しかったのではと聞いております。県においても、引き続き取組強化の指導をよろしくお願いいたします。
 保険者努力支援制度における本県の1人当たりの交付予定額について数値を申し上げますと、令和2年度では、都道府県分について全国2位で3006円となり、1位の富山県の3018円との差は12円と聞いております。また、市町村分においては、全国41位の1724円で、1位の山形県の2284円との差は560円の差があり、全国平均を下回っている状況であると聞いております。
 この結果を踏まえ、このような格差解消のため、今後どのような改善、取組強化を図っていくのか、福祉保健部長にお尋ねします。
〇副議長(森 礼子君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) まず、後発医薬品の使用促進については、従来から行っている使用促進の啓発や自己負担額が安くなるなどのメリットを被保険者に理解させる取組に加え、県内の主な病院で使用実績のある後発医薬品のデータを具体的に示しながら県医師会及び医療機関を訪問し、使用の促進を要請してまいります。
 次に、被保険者が自主的に健康づくりに取り組む仕組みづくりについては、運動の目標や体重など、自らの健康データを管理し、その改善を促す仕組みが継続的な健康づくりの観点から重要であることを再度市町村に周知徹底するとともに、これらの仕組みを取り入れるよう働きかけてまいります。
 また、糖尿病の治療中断者などに対する保健指導については、糖尿病が悪化した場合のリスクや適切な医療を受ける必要性を被保険者に理解させるとともに、疾患に対する意識や生活習慣の変容をも促すことができるよう、県においても市町村の保健師などを対象とした資質向上のための研修を実施するなど、糖尿病性腎症の重症化を予防する取組を強化してまいります。
〇副議長(森 礼子君) 中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕
〇中西 徹君 よろしくお願いします。
 次に、第三者行為求償事務についてです。
 第三者行為求償事務とは、例えば自動車事故の被害に遭った場合、被害者の多くは相手の損害保険を使い、医療機関は損害保険会社に診療報酬相当分を請求します。
 しかし、中には被害者が医療保険を使うケースもあります。その場合、被害者がかかった医療機関は、国民健康保険など保険者に保険診療分を請求します。保険者が負担したこの分は、本来、保険者が負担すべきものではなく、加害者または加害者が加入している損害保険で支払うべきものなのです。その分を損害保険会社に請求することを第三者行為求償といいます。
 国民健康保険にとって、支払った金額を第三者に求償すべきものかを知るためには、被害者からの届出を受ける、医療機関からの届出を受ける、レセプトを精査して発見する、損害保険会社からの届けを受けるなどの必要がありますが、レセプトで発見できるケースは比較的少ないため、届出がなされずに対象案件を把握できなければ、本来、損害保険会社が負担すべき分を国民健康保険が負担するという結果になってしまいます。
 私が聞いています第三者行為求償の調定件数と金額については、平成30年度は536件、1億3815万6000円で、そのうち大半が交通事故に関するもので349件、1億2968万円となっています。
 質問ですが、市町村では、求償すべき事案をどのように把握していますか。また、本県における求償事案の把握の状況は、全国と比べてどうなっていますか。福祉保健部長にお尋ねします。
〇副議長(森 礼子君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 第三者行為求償事案については、被保険者本人が義務として市町村へ提出する第三者行為による傷病届と、交通事故については、平成28年3月に和歌山県国民健康保険団体連合会が損害保険団体と締結した覚書に基づく損害保険会社から市町村への傷病届の代行提出により把握することが原則となります。加えて、第三者行為と認められる傷病については、医療機関にその旨をレセプトに記載させるとともに、市町村のレセプトの点検時に傷病の実態などから疑わしい案件を抽出、確認し、把握することとしています。
 第三者行為求償事案の約9割を占めている交通事故について見ると、本県の平成30年度の交通事故の死傷者数に占める調定件数の割合は13.4%となっており、全国平均の5.2%を8.2ポイント上回っております。
〇副議長(森 礼子君) 中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕
〇中西 徹君 分かりました。
 和歌山県としては、対象案件を把握するために、各市町村に対してどのように指導していますか。福祉保健部長にお尋ねします。
〇副議長(森 礼子君) 福祉保健部長。
  〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 第三者行為求償事案を確実に把握するためには、被保険者本人による傷病届の提出が何よりも重要であることから、市町村に対し、国民健康保険証の更新時に案内を同封して周知するとともに、高額医療費の還付等の手続など、被保険者と窓口で直接面談する機会を逃さず、被保険者に対して個別に傷病届提出義務について理解してもらうように努めるほか、損害保険会社に対しても定期的に要請するなど、傷病届を確実に代行提出させるための働きかけについても指導しています。
 また、レセプト点検時に対象となる事案を確実に把握するため、毎年、市町村職員を対象に実務経験を有する講師を招き、第三者行為が疑われる事案を抽出する技能や確実に求償するための専門知識を高める研修を実施しています。このほか、消防などの関係機関から事故等の情報を提供してもらうための協力体制づくりを着実に進めるよう指導するなど、県としましては、引き続き、対象事案の確実な把握と求償の徹底について、市町村とともに取り組んでまいります。
〇副議長(森 礼子君) 中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕
〇中西 徹君 先ほどの答弁でもありました、第三者行為求償件数が全国平均より上回っているということについては、努力されていると考えます。
 ただ、どれだけ求償事案が発生しているのか分かりづらい部分もあると思います。交通事故に関する事案が多いと考えられる中で、損害保険会社に対して傷病届を確実に提出させるための指導を行うと御答弁いただきました。この傷病届提出については、覚書の中でも義務規定になっているので、必要な働きかけをお願いします。
 また、消防や医療機関と連携して求償件数を推定し、求償漏れ事案をなくすよう心がけてほしいと考えます。徴収漏れや求償漏れを少しでも解消することは、税金からの補?が減るということですので、税収増と同じに考えられることから、非常に重要と考えます。しっかりと取り組んでくださいますよう、よろしくお願いします。
 では、次の質問に入ります。
 2番、公務員の副業推進についてお伺いします。
 地方公務員は、営利目的の企業や団体で報酬をもらって副業することは、法律で原則として禁止されており、職員の所轄長などの許可を得れば不可能ではありませんが、実質的には難しい状況です。
 総務省の調査によると、2017年度は3万6359件、2018年度は4万1669件の副業が許可されています。2018年度に許可された副業のうち、社会貢献活動は1万1506件、伝統行事や防災・防犯活動、スポーツや文化芸術活動の支援、それ以外の農業や不動産賃貸、家業の手伝いなどで3万163件となっています。
 副業を認める際の基準がある自治体は、2019年4月時点で703自治体、39.3%にとどまります。本年──今年です──1月10日付で総務省は、地方公務員が副業しやすい環境を整えようと全国の自治体に許可基準をつくるよう求める通知を出しました。総務省がこうした副業の環境整備を促す通知を出すのは初めてで、深刻な人手不足を受け、障害者支援などの地域活動の担い手として、地方公務員の活躍が期待されていることなどの背景があるようです。
 副業については、すでに2017年頃から神戸市や生駒市、福井県が報酬を伴う地域活動への参加を促す仕組みを創設するなど、各地の副業支援の動きが出ています。明確なルールがないと職員は申請しにくいため、具体的な基準づくりが必要となり、公益性の高い活動であること、副業と関わる業務を担当していないことなどを条件として設定される自治体もあります。
 福井県では「現場で輝け!福井県地域ビジネス兼業促進制度」という名目で、2019年10月から新たに県職員の副業・兼業制度が創設されました。本制度の趣旨は、積極的に地域ビジネスに参加し、県内の団体、企業とともに現場の課題解決に取り組むとされており、独自要件を満たす場合に職員の副業・兼業が許可されています。これまで、県職員が地域振興のNPO法人やスポーツの指導等に参加しても報酬は受け取れませんでしたが、基準に沿って申請すれば、適切な報酬が得られるようになります。
 また、神戸市の取組の狙いとしては、外部での経験を公務に生かして、市民サービス向上につなげる、ソーシャルビジネスの起業による社会貢献、中高年職員の退職後の第2の人生に備えるなどとされております。
 今後、AIやロボット、ITは急速に発達し、自治体業務も変化してくると考えられます。そのような中で、人しかできない仕事もあります。公務員は、税金から給料を頂いていますが、本業をしっかりとやれば、他の活動から謝礼や報酬をもらうことに対して問題もないと私は思います。
 公務員の副業については、現場を体験することで、地域に根差した人材の育成につながり、地域課題に直接触れ、その経験をふだんの業務にも生かしてもらえばという期待もあります。
 そこで、質問ですが、和歌山県として、公務員の副業に対して、現在どのような許可基準を有しているのか、総務部長にお尋ねします。
〇副議長(森 礼子君) 総務部長田村一郎君。
  〔田村一郎君、登壇〕
〇総務部長(田村一郎君) 議員御指摘のように地方公務員は、地方公務員法により任命権者の許可を受けなければ、報酬を得て事業や事務に従事することが禁じられており、その許可の基準は、人事委員会規則により定めることができるとされているところでございます。
 本県においては、人事委員会規則・営利企業への従事等の制限の許可の基準に関する規則により許可の基準を定めており、具体的には、同規則第2条第2項において、任命権者は、職員が報酬を得て事業または事務に従事することの許可を申し出たときは、1、職責遂行に支障を及ぼすと認められる場合、2、その事業または事務の性質上従事することが適当でないと認められる場合を除き、許可を与えることができることとしております。
 なお、許可申請が出された場合は、より具体的な基準を定めた人事院の通知でございます「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」を参考にして、個別に判断しているところでございます。
〇副議長(森 礼子君) 中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕
〇中西 徹君 和歌山県についても、全国的に共通した運用で今まで対応していたということが分かりました。
 総務省の通知のとおり、公務員が副業しやすい環境整備を行い、多様な働き手の活躍を実現するという意義もある中で、公務員の副業を推進していくべきではないかと私は考えますが、和歌山県として、今後どのように取り組んでいかれるのか、総務部長にお尋ねします。
〇副議長(森 礼子君) 総務部長。
  〔田村一郎君、登壇〕
〇総務部長(田村一郎君) 近年、多様で柔軟な働き方への需要の高まりや人口減少に伴う人材の希少化等を背景として、民間企業等においても兼業や副業が促進されているところであり、地方公務員についても、地域活性化や子育て支援、環境保全など、多様化する地域課題の解決に向け、職務以外の地域貢献活動に積極的に参加し、職務を通じて得た知識、経験等を生かして活躍することが期待されていると認識しております。
 職員の地域貢献活動への参加を促すためには、兼業や副業の基準を明確化することが重要でございますが、一方で、兼業による心身の著しい疲労のため、職務の能率に悪影響を与える、兼業先と利害関係があるため、職務の公正を確保できない、報酬が社会通念上、相当と認められている程度を超えるため、公務の信用を損ねるといった兼業による弊害も懸念されることから、兼業許可は慎重に行われるべきものと考えております。
 本県におきましても、総務省通知の趣旨を踏まえ、許可基準を明確化するなど仕組みを整備し、兼業や副業許可の公平性、透明性、予測可能性を確保することにより、職員が報酬を得て県内の団体・企業が行う地域貢献活動や社会課題の解決に取り組む事業に積極的に参加して、その活動から学んだ経験を県政に生かすことができるよう取り組んでまいります。
〇副議長(森 礼子君) 中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕
〇中西 徹君 私は、公務員の皆さんの見識は、地域にとって非常に、非常に貴重な財産だと思っています。お聞きしたところ、和歌山県においても、今まで13件の実績があったように聞いていますが、今後、総務省からの通知の趣旨を踏まえ、より一層副業しやすい環境も含め、仕組み整備に取り組んでいかれるよう、よろしくお願いします。
 続いて、空き家対策についてお伺いします。
 この質問に関しては、3月4日に佐藤議員も取り上げられています。
 総務省が発表した2018年10月時点の住宅・土地統計調査によると、国内における総住宅数は、前回の2013年調査よりおよそ178万戸多い6241万戸で、空き家数は29万戸増の849万戸であり、総住宅数に占める空き家の割合は、過去最高の13.6%になっています。これは、地方を中心に人口減少などで空き家が増えたこと等が要因であり、東京や大阪などでも空き家率は1割を超えており、再開発に影を落としている地域もあるようです。
 また、空き家のうち349万戸は、賃貸や売却用以外で長期間不在の住宅や取壊し予定の住宅となっており、賃貸用は433万戸、売却用は29万戸、別荘などの二次的住宅は38万戸となっています。
 また、都道府県別で見ると、別荘などの二次的住宅を含む空き家率が最も高い都道府県は21.3%の山梨県、次いで20.3%の和歌山県、19.6%の長野県となり、別荘などの二次的住宅を除いた場合の空き家率が高いのは、和歌山県の18.8%、徳島県の18.6%、鹿児島県の18.4%となっています。賃貸用で入居待ちの物件も含まれますが、空き家が多いと治安面の懸念も高まり、所有者が分からないままでは家を撤去できず、再開発などの壁になることも考えられます。
 国も対策を急ぎ、相続で得た家屋や敷地を売ると税金がかかる譲渡所得を最大3000万円差し引ける仕組みも考え、2019年度末だった適用期限も4年間延長しました。また、空き家の撤去や活用に取り組む市町村への財政支援や専門家の育成も進めています。
 空き家といっても、すぐにでも取り壊さなければならない危険な空き家も、住める空き家もあります。範囲が広いので、特定空家についてお尋ねしたいのですが、御存じのように特定空家とは、2015年に施行された空家等対策の推進に関する特別措置法によって固定資産税と都市計画税の軽減措置がなくなるなどのペナルティーの対象となっている空き家のことです。特定空家に認定され、改善等を行わなければ、最終的に軽減措置の適用を受けられなくなり、固定資産税が6倍になります。これ以上空き家を増やさないために、今ある空き家問題を解決するために、国が考えた対策が固定資産税の増税ということです。簡単に言えば、固定資産税の負担を減らすことができる軽減措置が空き家には適用できないということです。
 現行の特定空家等の判断基準を基に市町村が対策を進めているところですが、当該基準の適用について、一部の危険と思われる空き家が特定空家に該当せず、市町村が指導等を行えない場合があると聞いています。私のような素人目で見ても瓦が?がれ、柱が弱っていて、草が生い茂っている危険な空き家もあります。
 そこで、お伺いしますが、特定空家等の判断基準について、空き家対策を進めていく上で基準の強化が必要ではないかと考えますが、どうでしょうか。県土整備部長にお尋ねします。
〇副議長(森 礼子君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
〇県土整備部長(髙松 諭君) 特定空家等の判断基準に関します御質問でございました。
 平成27年に、空家等対策の推進に関する特別措置法が施行され、市町村は空き家等の所有者等に対し、適切な管理を促進するため、助言等を行うことができることとなりました。
 このように空き家対策の主体は市町村とされておりますが、県も一体となりまして各種取組を進める必要があると考え、県、市町村、学識経験者等で組織する和歌山県空家等対策推進協議会を設立し、特定空家等の判断基準の策定等を行ってきたところでございます。
 県内の市町村では、当該基準を活用しまして、所有者等に対し、空き家等の適正管理について、既に約2500件の助言等を実施し、うち約1000件の空き家については、除却や修繕が行われており、また、特定空家等に対しましても、約100件の助言、指導を実施してまいりました。
 しかし、当該基準では、危険と思われる空き家が特定空家等として取り扱えない事例があり、一部の市町村から基準の見直しを求める意見が寄せられておりました。
 このため、今年度の本協議会におきまして、法律や建築の学識経験者等の意見を伺いながら、当該基準の改正の検討を進め、最終的に本年2月、部分的な腐食や破損であっても、当該部分の落下により地域住民に危害を与えるおそれがある場合などに特定空家等と判断できる基準としたところでございます。これによりまして、市町村は、改正されました基準により、特定空家等の対策に取り組んでいくことが可能となっております。
 なお、今後も実態に応じまして見直しをすることが必要であれば、適切に対応してまいりたいと、このように考えております。
〇副議長(森 礼子君) 中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕
〇中西 徹君 今、協議会において、基準を改定したということですので、今後も市町村と連携しながら取組のほう、よろしくお願いします。
 次に、住めることができる空き家活用についてですが、令和2年度の新政策においても、空き家等対策の促進が予算化されています。空き家対策の促進として中古住宅の流通、空き家適正管理、管理不十分な空き家の除去、修繕など計画されていますが、約120年ぶりの民法の大幅な改正により、本年4月から不動産物件の契約において適用されていた瑕疵担保責任について、契約の内容に適合した物件を引き渡す契約上の債務を負うという考え方を前提に、物件に欠陥があれば、売主は債務不履行責任を負うという規律が適用されることとなり、売主の責任が及ぶ範囲が広くなることとなります。これに伴い、宅地建物取引業法も改正され、宅地建物取引業者が行う取引に係る重要事項説明や書面の交付等の手続においても対応しなければならなくなります。これらに対応することによる売買契約不成立や契約後のトラブルをおそれ、空き家などの中古住宅の流通が滞ることが懸念されます。現に仲介等を行う不動産業者が、どのような手法が望ましいのか不安に思っているとお聞きします。
 質問ですが、空き家対策を促進しようとする県として、民法改正等を踏まえた空き家の流通促進対策についてどのように対応していくのか、県土整備部長にお尋ねします。
〇副議長(森 礼子君) 県土整備部長。
  〔髙松 諭君、登壇〕
〇県土整備部長(髙松 諭君) 民法改正等を踏まえた空き家の流通促進策の今後の対応についてお尋ねをいただきました。
 平成29年の民法改正に伴う宅地建物取引業法の改正により、不動産の売買契約における瑕疵担保責任は、契約の内容に適合しないものであるときの責任、いわゆる契約不適合責任に改められ、宅建業者は、改正法が施行される本年4月から、不動産取引に係る契約時にその対応が必要となります。このため、不動産関係団体では、法改正以降、弁護士を講師に迎え、様々な研修を実施するとともに、売買契約書の改定例を作成するなど、改正法施行に伴う混乱が生じないよう各種取組を実施しているところでございます。
 中古住宅につきましては、その劣化状況等が多岐にわたることから、売買契約書に物件の状態、状況を詳細に記載することが契約責任を果たす上で必要です。その対策といたしましては、有資格者による建物の状況調査、いわゆるインスペクションによって、基礎、外壁等のひび割れや雨漏れの有無など中古住宅の状況を明らかにすること、及びインスペクションを活用した既存住宅売買瑕疵保険制度の活用が有効であり、これらのことを中古住宅の売買を検討している方々に御理解いただくことが重要であると考えております。
 このため、従来から市町村、関係団体とともに開催しております空き家なんでも相談会では、売買についての御相談も多く寄せられますことから、民法及び宅地建物取引業法の改正内容、インスペクション等について分かりやすい説明ができるよう、各相談員の研さんに努めるとともに、今後も市町村や関係団体と連携しまして、様々な機会を通じてこれらの周知を図るなど、総合的に中古住宅の流通を促進してまいります。
〇副議長(森 礼子君) 中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕
〇中西 徹君 今回の民法改正によって、売主の責任が及ぶ範囲が広くなると考えられます。答弁でも言っていただいておりますが、契約不適合責任に対応するには、まず契約書がとても重要になると考えますし、保険への加入も一つだと考えます。しっかりと建築士さんや不動産関係団体と連携して、使える空き家対策に取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、4番、県道和歌山海南線における大型車の通行規制について要望させていただきます。
 海南市名高、六道ノ辻交差点から海南市藤白、藤白交差点までの区間約700メーターについては、国道42号に比べスムーズに通行できることから、大型車の通行量が非常に多く、周辺住民から長年、大型車の通行による振動や騒音などについての苦情や悩みが寄せられています。これまで舗装工事などの振動・騒音対策が講じられましたが、いまだ問題が解決されていないことや、昨年8月24日には、大型車に巻き込まれた死亡事故が発生してしまいました。
 このような状況において、以前から、まず、国道42号の築地交差点の拡幅整備を行った後、この県道和歌山海南線の通行規制をすると聞いております。地元自治会、もちろん私としては、国道42号築地交差点の拡幅整備の完成を待つまでもなく、県道和歌山海南線における大型車に対する通行規制の早期実現について御検討いただきますよう、これは強く要望します。
 5番、最後の項目になります。
 水道の安定的な供給についてお伺いします。
 先日、和歌山市で、水道管の漏水による道路陥没などの危険があるとして、約3万5000世帯を対象とする断水計画が急遽実施されました。結果として断水せずに済みましたが、県民は飲料水の確保に奔走し、小学校では給食を停止し、飲食店では臨時休業を余儀なくされるなど、県民の生活に少なからず影響を及ぼしました。
 漏水や破損事故は、全国で年間2万件を超え、基幹管路の耐震適合率も全国平均で4割程度のため、災害時に断水が長期化するリスクが増しています。日本の水道事業は、節水機器の普及や人口減少等により、有収水量は、給水人口が今後減少する見通しのため、水道事業の経営は厳しくなると予測されています。市町村が独立採算で運営するのが原則ですが、施設の老朽化と人口減少による給水量減少等に伴う収益の悪化により、地方などでは安定的な継続が限界に来ているのではと感じています。
 和歌山県の上水道施設は、法定耐用年数を既に経過しながらも使用している施設は数多くあると聞いております。耐震化の状況について見ると、基幹管路の耐震適合率は29.8%で、全国平均40.3%に比べ10.5%低く、浄水施設の耐震化率は12.3%で、全国平均30.6%に比べ18.3%低く、配水池の耐震化率は53.1%で、全国平均56.9%に比べ3.8%低く、全てが全国平均よりも低くなっています。このことを考えると、これからどんどん耐震化の整備をしていかなければならないと考えます。
 一方、和歌山県水道ビジョンでは、県、市町村、水道事業者、住民の役割分担なども書かれています。県の役割として、生活基盤施設耐震化等交付金の重点配分や地方財政措置のある起債の活用等、国の財源措置のある財源確保となっています。
 水道管の老朽化更新や耐震化を進めることが喫緊の課題であると考えますが、財源確保の観点からいえば、例えば、国の管路更新の財政支援メニューが変更され、水道事業会計上の経営指標が交付金の採択要件となったことや普通交付税の対象となる水道事業会計の一般会計からの繰り出しの実施について、事業の経営戦略を策定することが要件になっていることや、今年度から拡充された水道管路の耐震化事業についても、水道の供給単価等が全国平均以上とし、料金収入の確保を進めていることが要件であることなど、市町村が一定の経営努力を行わないと国からの財政措置が得られない傾向に変わってきていると思われます。
 現在、県内の市町村は、その傾向についていけていない状況が見られ、このままであれば更新が停滞するおそれがあると考えます。
 質問ですが、財源確保が必要な市町村に対し、県はどのように支援していきますか。環境生活部長にお尋ねします。
〇副議長(森 礼子君) 環境生活部長田中一寿君。
  〔田中一寿君、登壇〕
〇環境生活部長(田中一寿君) 本県の上水道施設は、老朽化が進行し、耐震化率も全国平均を下回っており、南海トラフ地震の発生が強く懸念される中、水道施設の老朽化対策と耐震化対策は喫緊の課題となっています。
 こうした対策を実施するためには、膨大な費用が必要となりますが、給水人口の減少により厳しい経営が予想される水道事業者である市町村にとって、その財源の確保は大きな課題となっています。基本的に水道事業は独立採算制が原則ですが、料金収入により全ての費用を賄おうとした場合、水道料金の大幅な値上げにつながるおそれがあり、住民の理解を得ることが難しいことから、財源の確保のために、国による財政支援制度を有効に活用することが重要です。
 主な財政支援制度としては、生活基盤施設耐震化等交付金と地方財政措置のある起債がありますが、議員御指摘のとおり、管路更新に係る交付金を受けるためには、水道料金が全国平均より高いことや給水収益に占める企業債残高の割合が一定の水準を超えているなどの要件があり、また、地方財政措置のある起債では、中長期的な経営の基本となる経営戦略の策定が要件とされています。
 県としては、市町村がこうした財政支援制度を活用し、持続可能な水道事業のために、適正な料金体系の構築や施設等の計画的な更新に取り組むことができるよう、経営戦略の策定を支援してまいります。
 さらに、水道事業を広域化した場合には、より有利な財政支援が受けられることから、水道広域化推進プランを策定し、広域化を促進することとしております。
 また、県では、「南海トラフ地震による超広域災害への備えを強力に進める10県知事会議」を通じて、水道施設の耐震化に係る交付金の要件の撤廃等を含む財政支援の充実を提言していますが、引き続き、あらゆる機会を通じて国に働きかけてまいります。
 いずれにしましても、水道法の一部改正により定められた広域連携の推進役としての県の責務を果たしてまいりたいと考えております。
〇副議長(森 礼子君) 中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕
〇中西 徹君 独立採算制が原則ということは理解しています。ただ、和歌山県内において25上水道事業者の市町村があり、そのうち10事業者である市町村が老朽管路の更新に対して国の交付金制度が活用できない状況であると聞いてます。それは、交付金の対象条件である水道料金の値上げを行えば、県民に負担を強いることになる、一方で、企業債の借入れを増やせば、交付税算入のない100%負担の借金が増えるということなどから、一種のジレンマが起こり、なかなか踏み切れない状況であると考えます。
 そのような中、水道料金値上げについては、人口減少も関係し、将来の負担が増えることが分かっていますので、値上げをやらなくてはならないだろうということは、私自身感じています。
 そのような中で、10県知事会議を通じて、交付金の要件の撤廃を含む財政支援の拡充を国に働きかけているということですので、ぜひ知事にも今後引き続き国に対して働きかけていただきますよう、よろしくお願いします。
 また、昨日の片桐議員の質問にもありましたが、県としては水道基盤強化を図るため、令和2年度に水道広域化推進プランを策定し、以降、水道基盤強化計画の策定に取り組んでいくということですので、しっかりと早く取り組んでいただけるよう、よろしくお願いします。
 続いて、県単独事業による支援についてお聞きします。
 大規模な地震に備えて応急給水用の水を確保するために、県は、配水池への緊急遮断弁設置を支援する「県民の命を守る水の確保事業」の補助制度を2017年度に創設しました。2019年度までの時限事業で、今年度で終了します。
 質問ですが、3年間の事業実施により、どのような成果が得られたのか、環境生活部長にお尋ねします。
〇副議長(森 礼子君) 環境生活部長。
  〔田中一寿君、登壇〕
〇環境生活部長(田中一寿君) 県では、大規模な地震の発生時に備え、県民の命を守るために必要な飲用水を確保するため、平成29年度から令和元年度まで3か年の計画で、断水に見舞われた際に給水車の補給基地とするために、耐震性のある配水池に緊急遮断弁を設置する市町村に対して補助を行ってまいりました。
 この補助事業では、国が応急給水量の目標として示しているとおり、地震発生から3日目までは1人1日3リットル、4日目以降は1人1日20リットルとして、全ての県民が発災後10日間をしのぐために必要な約13万立方メートルの飲用水の確保を目指してきました。3年間で5市町、延べ9基の配水池に合計約5000万円の補助を行った結果、今年度末で目標どおり10日分の水を確保できることになりました。
〇副議長(森 礼子君) 中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕
〇中西 徹君 県民1人当たり10日分の飲料水を確保されたということですが、地域ごとに見ると、確保する量にも差が出ると考えられます。また、配水池の半分以上が土砂災害警戒区域ということも聞いていますし、地震直後、飲料水輸送のための交通網が寸断されることが想定される中、令和2年度の予算でも、緊急輸送道路の機能確保の予算も新規で予算化されていますが、まだまだ対策を考えていかなければならないと思います。
 医療施設や防災拠点等、人命に関わる重要施設への輸送は大丈夫なのか。なかなか老朽管更新が進まない管路は大丈夫なのか心配するところです。和歌山県水道ビジョンを今後進めていく必要がある中、大規模災害対策を促進するため、国だけに任せるのではなく、県においても単独補助金制度の創設を新たに検討すべきだと考えますが、どうでしょうか。環境生活部長にお尋ねします。
〇副議長(森 礼子君) 環境生活部長。
  〔田中一寿君、登壇〕
〇環境生活部長(田中一寿君)  水道事業は、料金収入により経営を行う独立採算制が基本原則であることから、さきにもお答えしたとおり、経営戦略の策定支援や水道広域化推進プランの策定など、財源確保のための支援を行っているところです。引き続き、こうした支援を行うとともに、耐震化を迅速に進める上でどのような支援が適当であるか、研究してまいります。
〇副議長(森 礼子君) 中西 徹君。
  〔中西 徹君、登壇〕
〇中西 徹君 私は、命を守るということを考えると、まず、水の確保ということも考えます。
 先ほども言いましたが、交付金制度が活用できない10事業者である市町村、施設整備について後れを取ることのないよう、経営戦略の取組と広域化の推進について、しっかりと取り組んでください。
 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(森 礼子君) 以上で、中西徹君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 月曜日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時29分散会

 

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