先輩職員トーク 警察事務職

先輩職員からのメッセージ(警察本部警務課 宮本主任)

説明会の写真

皆さん、こんにちは。
和歌山県警察本部警務部警務課から参りました、警察事務職の宮本と申します。
今日は、皆さんに警察事務職員というのはどのような仕事なのかということを知っていただいて、公務員試験を受ける際の参考にしていただけたらと思います。
私は、平成22年4月1日に警察職員を拝命しました。現在所属している部署は、警察本部警務部警務課企画係というところになります。この部署では、警察職員の勤務管理に関することや条例をはじめとする規則・規程の改正時の審査等を主に担当しております。職名は主任です。警察官で言えば巡査部長にあたります。

警察事務職の仕事の説明をする前に、まず和歌山県警は、どのような組織であるのか説明させていただきます。
警察官、2,174名、一般職員、警察事務職のことですが325名となっています。
警察本部は「警務部」、「生活安全部」、「刑事部」、「交通部」、「警備部」、「警察学校」、「警察署」から成り立っています。「警務部」というのは一般の会社でいう「総務部門」のことで、現場に行って捜査にあたるのではなく、組織運営を行う部門になります。例えばドラマでおなじみの捜査一課は「刑事部」の中にあり、白バイ隊員が所属しているのは「交通部」の中の交通機動隊です。
警察署は県下に14署あり、各警察署には警務課、会計課、生活安全刑事課、地域課、交通課、警備課があります。警察本部の各部門の小さいバージョンが警察署の中にあるというイメージです。
警察本部内の各課には、庶務係という係があり、警察事務職員がその業務を行っています。また、各警察署の警務課、会計課にも警察事務職員が配置されています。
したがって、警察組織全ての部署に警察事務職員が勤務しているということです。

次に、私の経歴に沿って具体的に仕事の内容を説明させていただきます。
拝命してすぐに警察学校に入校しました。警察官であれば6か月ないし10か月入校しますが、警察事務職員は1か月間、全寮制で入校します。この1か月の間に警察職員としての倫理観や心構え、各種法律の座学、警察礼式等の授業を受ける事になります。
警察学校は非常に厳しいところです。ただ、その厳しさと全寮制ということが合わさって、この1か月は非常に充実した1か月になります。ここで一緒に過ごした同期生とは一生もので、卒業後、配属先が違っても相談に乗ったり、乗ってもらったりと心強い存在となります。
1か月間の警察学校生活を終了し、橋本警察署警務課警務係に配置となりました。警察署の警務課では、署員の勤務管理や福利厚生に関すること、警察装備品の管理などを主に担当します。私は車両管理の業務を担当しました。
皆さんも街中でパトカーや白バイが走っているところを見たことがあると思いますが、当然ガソリンが必要になります。車検も受けなければなりませんし、故障したときは修理をしなければなりません。バッテリーやオイルなどの消耗品の交換も必要です。車両管理業務として、警察署に配備されている全車両の車検や修理の手続き、消耗品の交換などの業務をしていました。

約2年間の橋本署勤務を経て、次は警察本部警務部会計課用度係に異動しました。ここでは物品調達の業務を担当していました。仕事をするうえでコピー用紙を始めとして机、PC等の事務用品が必要です。また、警察官が着ている制服、装備品やパトカーも警察活動を行う上では必要不可欠な物品です。そういった物品を調達するための入札、契約、支払いの業務を担当しました。また備品の管理等も行いました。

3年間の会計課勤務を経て、主任に昇任し、現在の警務課企画係勤務となっています。
現在の所属では、警察職員の勤務管理に関する各種企画立案、各所属からの質疑対応、例規、訓令等の改正時の審査、行事関係の取りまとめや他機関からの照会回答等の業務を担当しています。

ここまで簡単ですが、私の経歴をもとに警察事務職という仕事を紹介させていただきましたが、当然これが警察職員の仕事の全てではありません。例えば、運転免許課では運転免許の更新や試験業務を、鑑識課では指紋の照合を担当されている方もいます。このように幅広い仕事があるのもこの仕事の魅力かなと思います。
魅力と言えばもう一つ、先ほど昇任の話をしましたが、警察には昇任試験制度があり、その試験に合格しないと階級があがりません。合格しないと出世できないというのは厳しいことですが、見方を変えれば試験に合格さえすれば、学歴に影響されずに自分の努力次第で出世できるということです。これも警察組織の魅力の一つかと思います。

次に、警察官と警察事務職員の違いについてお話しさせていただきます。
一番の違いは、権限の違いです。私も皆さんも現行犯逮捕はできますが、警察官は、現行犯での逮捕の他に、通常逮捕、緊急逮捕といった逮捕権が与えられています。また、交通の取締りも警察官はできますが、警察事務職員はできません。
また、給与も異なります。警察官は公安職の公務員なので、行政職の公務員よりも基本給が高く設定されています。

ところで、私は、この試験を受けるまで警察事務職という職種があることを知りませんでした。警察署で勤務している人は、全員警察官だと思っていました。みなさんはどうですか。たぶんほとんどの方が、私と同じで警察事務職の存在を知らなかったのではないかと思います。ということは、見方を変えると、一般の方が何らかの用事で警察署を訪れる時は、「全員が警察官である」と思っているということです。
公務員全体に言えることですが、公務員はその職の信用を失墜させるような行為をしてはいけないと決まっています。信用失墜行為の禁止と言いますが、警察官は犯罪を取り締まる側で、逮捕権など非常に強い権限を持って仕事をしています。したがって一般の公務員よりも厳格に決まりを守っていかなければいけないし、非常に高い倫理観が求められます。一般の方からの眼も厳しく向けられています。これは警察事務職員に対しても同じです。「私は事務職員だから。」という言い訳は通用しませんので、警察事務職を受験される方は注意していただければと思います。ですから、一般的にいう「事務職」とは少しイメージが違うかもしれません。

最後に、受験前の過ごし方について、私が気をつけていたことをお話させていただきます。
いうまでもありませんが、体調管理には注意していました。うがい・手洗いをこまめに行い、早寝早起きを心がけていました。一番大切なことと思います。まだインフルエンザやノロウイルスが流行る季節ですので、皆さん気をつけてください。
あとは、時事問題対策になります。新聞は毎日読んでいました。警察関係の記事は毎日載っています。どこどこでこんな事件がありました、こんな事故がありました等必ず載っていますので、留意してください。
そして、2次試験以降の論文や面接試験対策として、数字を覚えるようにしていました。例えば、昨年の刑法犯認知件数は、6,360件とか、具体的な数字を覚えておくと、論文や面接試験を受けるに当たって「ネタ」にすることができます。具体的な数字を示すことで説得力を持っているのかなと思います。試験官が受験者に抱く印象もずいぶん変わるんじゃないかと思いますし、自分の興味のある仕事や分野の数字を覚えておくのも一つの手かなと思います。
ここまで簡単に説明させていただきましたが、少しでも警察事務職という仕事に興味を持っていただけたなら幸いです。

本日はどうもありがとうございました。

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