重点プロジェクト:梅産地の競争力強化と労働力確保対策

課題

  • 梅の主力品種である「南高」は自家不和合性であるため、開花期間中の授粉環境により生産量が大きく左右されやすいことから、「南高」と開花時期が合致する品種や高品質で自家和合性を有した新品種が望まれています。
  • 梅干しの販売価格は、需要や在庫、作柄等の要因により大きく変動する。このため梅干し生産へ特化した経営の緩和が必要で、青梅生産の維持・拡大や「露茜」等の新品種の導入が重要です。
  • 梅の収穫期を中心に労働力不足が問題となっており、産地における農業労働力の確保のための仕組みを構築し、梅産地の継承と地域の活性化が重要です。

取り組み

梅産地の競争力強化


1.新品種「星高」「星秀」の導入

 「星高」「星秀」の両品種はうめ研究所で育成された。主力品種である「南高」の特徴を受け継ぎながら、黒星病に強い、自家和合性の品種であります。
 この二つの品種について、実証展示ほを設置して導入を推進するとともに、 適地性・耐病性の検討および梅干し加工適正の検討を行います。

「星高」と「星秀」の外観の写真
「星高」と「星秀」の外観


 


2.青梅の生産拡大

 生産者人口の減少や高齢化の進行とともに、高所作業を伴う青梅の収穫は負担の大きいものになっています。そこでカットバック処理(低樹高化処理)と、摘心処理を行うことで、省力化かつ増収を図る技術の普及を推進しています。
 実証展示ほを設置し、現地検討会を開催することで、当該技術を広く生産者への周知を目指しています。

カットバック処理を行っている写真
カットバック処理
摘心処理を行っている写真
摘心処理


3.「露茜」の生産振興、販路拡大

 「露茜」はウメとニホンスモモを交雑して育成された品種で、果皮が全面に赤く着色し、果肉も鮮やかな紅色になるのが特徴である。主に梅酒や梅ジュースに用いられています。しかし、連年安定した着果を維持するためには熟練した栽培技術が必要です。
 実証展示ほの設置を行い、安定生産技術の普及を推進することで新たな加工需要を創出する品種として導入を進めていきます。

「露茜」が木に成っている写真
「露茜」

4.新害虫の侵入防止対策

 管内では確認されていないが、県北部で被害が拡大している特定外来生物のクビアカツヤカミキリや、ウメの葉を吸汁し加害することが確認され問題となっているヒメヨコバイ類が新たな害虫として問題になっています。
 そこで、クビアカツヤカミキリについては発生状況調査と注意啓発を行い侵入・拡大を防止し、ヒメヨコバイ類については防除啓発や防除体制確立を図っていきます。

ヒメヨコバイ類による被害葉の写真
ヒメヨコバイ類による被害葉

クビアカツヤカミキリについての詳細はこちらをご覧ください。


 
5.労働力確保対策

 担い手の高齢化や減少が続いており、労働力の確保が管内で問題になっています。

 そこで援農者受入環境の整備(受入農家研修や宿泊施設等の検討・確保)を行い、人材活用の試行と検証をしていくことで、多様な取り組みによる労働力確保を行います。

援農者にせん定の指導を行っている写真
援農者へのせん定指導

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