不正大麻・けし撲滅について

不正大麻・けし撲滅について

大麻・けしに係る事犯の発生は依然として後を絶たない現状にあります。
特にけしに関しては「植えてもよいけし・植えてはいけないけし」の判別知識の不足から、観賞用として栽培する事例及び不正自生けしを放置する事例が依然として後を絶たない現状にあります。さらに、大麻事犯については、近年青少年層を中心として増加し、野生大麻による事犯も頻発しています。県では、不正栽培及び自生する大麻けしを撲滅するため、4月から6月にかけて「不正大麻・けし撲滅運動」を実施し、これらの大麻・けしの発見に努めます。

不正栽培又は自生している大麻・けしを発見した場合は県庁薬務課又 は県立保健所へご連絡ください。

大麻・けしの見分け方 (参考資料: 厚生労働省「大麻・けしの見分け方」)

大麻(アサ) 

大麻草の画像

アサは、その茎から丈夫な繊維がとれるので、古代から繊維をとる植物として栽培・利用されてきました。しかし、その花や葉(大麻)には幻覚を引き起こす成分が含まれているため、法律で、一般の栽培や所持が禁止されています。

大麻(アサ)の見分け方
  1. アサは、成長が早く、大きいものは草丈が3メートルにもなりますが、種子をつけた後は枯れてしまいま す。
  2. 良く成長した茎は太く真直ぐに立ち、浅い縦すじが通っています。
  3. 葉は、細長い柄の先に、3枚から9枚(奇数)の小葉が集まって手のひらのような形になっています。
    葉全体の大きさは10センチメートルから20センチメートルくらいです。
  4. 雄花と雌花が別々の株につき、花は夏に咲きます。雌株は、葉のつけ根に穂状の雌花を多数つけます。雌花を摘むと、樹液でねばねばします。
  5. 「麻」とつく植物は、大麻以外にも亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)、黄麻(ジュート)など多数あります。このうち、大麻と間違われやすい植物として、葉の形が似ている洋麻(ケナフ)がありますが、ケナフの葉は基部まで深く切れ込んでおらず、オクラやトロロアオイのような黄色又は薄い黄色の大きな美しい花を咲かせます。
  • 大麻と間違われやすい植物 洋麻(ケナフ)
    ケナフの画像

植えてはいけないけし

植えてはならないけしの画像

けしの仲間(ケシ属植物)は、春から夏にかけて色あざやかで大きな花を咲かせるものが多く、ガーデニングや切り花用の植物として人気があります。
しかし、けしの仲間には、法律で栽培が禁止されているものもあります。これらは、外観の特徴から、園芸用のけしと区別できます。けしの仲間を正しく見分けましょう。

けしの見分け方 植えてはいけないけし
-ソムニフェルム種-(学名:パパヴェル・ソムニフェルム)
  1. 一重咲きの花は、花びら4枚で、色は赤、桃、紫、白などがあります。 また、多数の花びらがついた八重咲きの花もあります。
  2. 開花期の草丈は100センチメートルから160センチメートルくらいです。
  3. 葉、茎、つぼみなどの外観は、キャベツの葉のような白味を帯びた緑色をしています。
  4. 葉、茎、つぼみの表面には、ほとんど毛がありませんが、つぼみの下の茎(花梗)や葉の裏の主脈(葉の中心にある一番太い葉脈)には、まばらに毛が付くことがあります。
  5. 葉は互い違いに茎につき、上部の葉は柄がなく、その基部は茎を抱き込むような形をしています。葉の長さは10センチメートルから50センチメートル、幅は5センチメートルから20センチメートルくらいです。
  6. 花が終わると雌しべが発達してふくらみ、だ円または球形で、上部が平たい皿のような形をした大きな果実(径3センチメートルから6センチメートル、長さ3センチメートルから7センチメートル)になります。
-アツミゲシ(セティゲルム種)-(学 名:パパヴェル・セティゲルム)
  1. 花は花びら4枚で、色は薄紫や赤があり、ソムニフェルム種よりも小型です。
  2. 開花期の草丈は50センチメートルから100センチメートルです。
  3. 葉、茎、つぼみなどの外観は緑色で、よく枝分かれ(分枝)します。
  4. ソムニフェルム種よりも毛が多く、つぼみのがく片やつぼみの下の茎(花梗)は毛で覆われています。
  5. 葉は互い違いに茎につき、上部の葉は柄がなく、その基部は茎を抱き込むような形をしています。葉の大きさはソムニフェルム種よりも小型です。
  6. 果実はソムニフェルム種よりも小型です。
-ハカマオニゲシ(ブラクテアツム種)- (学名:パパヴェル・ブラクテアツム)
  1. 初夏に、径10センチメートルくらいの鮮やかな深紅の大きな花を咲かせます。花びらは4枚から6枚で、基部に黒紫の鮮明な斑点があります。
  2. 花びらのすぐ真下に4枚から6枚のハカマ(苞葉)があります。これは、果実が出来て、果実の下の茎(果梗)が枯れるまで残り、ハカマのように見えるので、 「ハカマオニゲシ」の名前の由来となりました。
  3. 草丈は60センチメートルから100センチメートルで、葉や茎全体が白くて硬い毛で覆われています。
  4. 葉は濃緑色で、鳥の羽のような形に深く切れ込んでいます。地面に近い部分の葉(根出葉)は密についており、長い柄(葉柄)があり、長さは柄を含め20センチメートルから25センチメートルです。
  5. つぼみを覆う2枚のがく片の表面には、硬く伏した(寝た)毛が多数ついています。
  6. 果実は、表面に毛がなく、青緑色です。

(注意)

ハカマオニゲシは、後述する「植えてもよいけし」の「オニゲシ」と外観が非常に良く似ています。ハカマオニゲシの「鮮やかな深紅の花の色」、「花びらの基部に存在する鮮明ではっきりした黒紫の斑点」、「つぼみの表面(がく片の表面)の伏した(寝た)硬い毛(オニゲシの毛は直立している傾向がある)」は、二種の植物を見分ける手がかりです。
ハカマオニゲシは、「オニゲシ」あるいは「オリエンタルポピー」の名で園芸用に出回ることがありますので、注意が必要です。

植えてもよいけし

植えてもよいけしの画像

-オニゲシ-
  1. 初夏に、径10センチメートルくらいの橙から朱色の大きな花を咲かせます。花びらは4枚から6枚で、基部に黒紫色の斑点があるものとないものがあります。
  2. 花びらのすぐ真下に1枚から4枚のハカマ(苞葉)がつくものがあります。 このハカマは、ハカマオニゲシのものに比べて大きい傾向があります。
  3. 草丈は50センチメートルから100センチメートルで、葉や茎全体が白く硬い毛で覆われていま す。
  4. 葉は濃緑色で、鳥の羽のような形に深く切れ込んでいます。ハカマオニゲシに似ていますが、ハカマオニゲシに比べ、葉色は黄色味がかり、葉の幅は広い傾向にあります。
  5. つぼみを覆う2枚のがく片の表面には直立した毛が多数ついています。
  6. 果実は、表面に毛がなく、青緑色です。

-その他(主なもの)-
-アイスランドポピー-

  1. 花はケシ、ハカマオニゲシに比べて小さく可憐で、径7センチメートルから8センチメートル、色は 赤、橙、黄、白などで花びらは4枚です。草丈は70センチメートルから80センチメートルくらいです。
  2. 葉、茎、つぼみの表面には、長く粗い毛があります。
  3. 葉は、柄(葉柄)があり、長さは柄を含めて3センチメートルから15センチメートル、色は緑色で、深い切れ込みがあり、菊の葉に似ています。地面に近い部分の葉(根出葉)の中心から長く伸びた花梗(花の下の茎)には葉がありません。
  4. 果実は、長さ1センチメートルから2センチメートルで表面が毛で覆われています。

-ヒナゲシ(虞美人草)-

  1. 花は、ケシ、ハカマオニゲシに比べて小さく可憐で、径6センチメートルから8センチメートル、色は紅、橙、桃色などで、 花びら4枚の一重咲きと八重咲きのものがあります。草丈は 50センチメートルから80センチメートルくらいです。
  2. 葉、茎、つぼみは緑色で表面は細かい多数の毛で覆われています。
  3. 葉には深い切れ込みがあります。
  4. 果実は、長さ1センチメートルから2センチメートルで表面には毛がありません。

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