知事メッセージ

知事メッセージ ~和歌山県職員を志望される皆さんへ~ (令和2年3月2日)

 みなさん、こんにちは。和歌山県知事の仁坂です。

 この度は、コロナウイルス感染症が全国的に蔓延して、この和歌山でも陽性患者を出し、一人残念ながら亡くなられました。今は大変な時なので、いろんなイベント的なものは自粛しようという形になりまして、このように皆さんに直接お話しできなくて、映像で皆さんにお願いをしようと思っている次第です。

 私は、和歌山県知事ですので、和歌山県庁ってなかなかいいよ、ということを申しあげたいと思います。実は私はずっと昔というか、知事になる前ですけれども、経済産業省の役人でした。今は知事ですからずっと公務員ばかりやっているんですが、経済産業省の時の経験、それから今の経験を考えても、和歌山県の職員っていいぞ、と思います。特に経済産業省の時は、一時採用担当もやっていました。したがって、いろいろ千々に悩む学生諸君の気持ちも分かるし、学生諸君がどういうことを考えて就職活動をしているかということもある程度分かるので、そういう意味で皆さんに私の思いを伝えたいと思います。

 ではあなたは今、和歌山県庁っていいよ、って言ったけど、何がいいのですか、ということに対しては、私は3つ言いたいことがあります。

   第1は、人生の目的として、県庁の職員っていいんじゃないかなと思います。それは何かというと、自分を越えたもののために尽くすということは、人生の目的として、なかなかいいんじゃないかな、ということです。自分を越えたものって沢山あります。例えば家族のためにというのもそうだし、それから会社のために、チームのために、学校のために、全てあるけれども、公務員、我々で言えば、県民のために、あるいは市町村で言えば市町村民のために、国民のために、そういうように目標設定ができるということは、人生の目的としていいんじゃないかと思います。これが、第1であります。

 第2は、どうすれば尽くせるか、自分を越えたもののために尽くすと言いましたけど、どうすれば尽くせるか、ということを考えて、そしてみんなで議論をして、そして決まったことを実行するというワンセットが全部揃っている、というのが、公務員というか、和歌山県庁の仕事そのものです。したがって、そういうふうに考えて、どうやったら県民のために尽くせるか、県民のために役に立つのか、ということを考えるような慈愛のある素地のある役所っていうのはこれなかなかいいんじゃないかと思います。自ら、その時に考えて、ということが大事です。公務員というと、大体昔から決められたことをやればいいんだとか、あるいは上司の言うことにそのまま従っていればいいんだとか、前例に従ってとか、悪口も含めて言われます。それでは、いかん訳です。自分で考えて、今県民のために尽くすにはどうしたらいいんだろう、ということを考えることのできる役所でなければ、同じ役所でも、そういう雰囲気のあるところでないと、それはなかなか難しい、ということだと思います。

   皆さん考えてみてください。例えば失敗しないようにするために、何もしないでおこう、とする人がいたとしたら。あるいは、言われたことだけをやっていればいいんだと思って、言われたことだけやるようにする人がいたとしたら。その人が仕事を辞めた時とか、人生を振り返った時とか、あるいは死ぬ時に、自分の人生はどうだったか、ということを考えたら、おもしろくないですよね。従って、自分で考えて、一生懸命尽くした、ということが達成できる役所でなければ、やっぱりだめなんじゃないかな、と思います。

    それからよく、これの逆で、安定してるからいいんだとか、クビにならないからいいんだ、ということがあって、たしかに、公務員はクビになりません。それから会社の業績が悪くて、あなたは解雇、ということも無いですね。むしろ、会社の業績が悪いような社会情勢の時は、公務員の仕事ってもっと忙しくなる訳ですから、したがって、クビにはならない。だけども、何故クビにならないのか、ということを考えたら、自ら考えて、誠意とか使命感のために意見を言い、そして頑張る。その時に、例えば、意見の違う上司なんかがいて、お前なんかクビだ、と言われたら、やってられませんよね。そういうことが無いように、保障するというのが、公務員制度上の、簡単にはクビになりませんよ、ということなので、私は安定した生活ができるんだ、と思ったら、大間違いですから。そういう意味で、県民のためにどうしたら尽くせるか、ということを考えてみる。そういう人を我々は採用したいな、と思っている訳です。

 第3に、和歌山県庁は何故いいのかっていうと、適度に広い分野について仕事をしていると私は思います。どういうことかというと、例えば日本全国あるいは世界を見て、あるいは和歌山県を見て、それから、例えば小さい市町村を見て、というふうに考えると、やっぱり適度な大きさっていうのはなかなかエキサイティングでいいぞ、と思います。私は、国家公務員もやっていましたから、スケールという点では、やっぱり国家公務員に県庁はなかなか敵いません。だけど、その代わり、目に見える人のために、きめの細かいことを考えてやるという点では、遥かに国家公務員よりも密度の高い仕事をできる。そしたら市町村がいいんじゃないかといったら、そのとおりですけれども、その代わり仕事が限定的になって、ちょっと、ある人にとっては単調だなと思うようになるかもしれない。だから、適度に広範な仕事だからいいよ、と言った訳です。自分自身は、国家公務員でスタートしましたから、そういう意味では、あなた自分でやったことと言っていること違うんじゃないの、と言われるかもしれませんが、それは自分の理想とか、あるいは能力とか、そういうことを全部考えたときに、国家公務員に向いている人と、地方公務員に向いている人があるだろうということなんです。国家公務員は確かに、大きな仕事ができるかもしれないけど、組織はやっぱり巨大だから、例えばある職階があって、そういう職種によって、じゃあその大きな仕事が将来にわたっても全部できるかというと、できない場合もある。その場合は、歯車として一生を終えるということになります。そういうのでいいのかというと、どうかなという人はいるんじゃないかなと思います。県庁の場合は、採用した人はみんな同じチャンスがあります。したがって、県庁全体のある部門を全部責任をもって差配していくんだということも将来はできるかもしれないし、若い時でも、これはこうじゃないかといってどんどん進言して仕事をやっていけるというぐらいの適度に広い、そして深い分野を任されることができる。これはなかなかおもしろいんじゃないかな、と思う訳です。

 それでは皆さん、そんなにいい仕事でもちょっと入ったら心配だなと思うかもしれませんね。仕事ぶりはどんなになっているの、ということをこれから申し上げたいと思います。

 仕事ぶりはですね、公務員には職種がありますね。事務系であったり、技術系の、土木職であったり農業職とか、いろいろな職種があります。事務系というのは何でも屋なんですけれども、それでも何でもやっちゃうというと、向き不向きがあるかもしれません。だけどその向き不向きっていうのは、仕事をやっているうちに身に付いてくるものだと私は思っているので、あるいはだんだん決まってくるものだと思っているので、初めのうちは、県庁に入ってもらったら、いろんな分野を経験してもらいます。地方も、県庁本庁もやってもらいます。そしてだんだん自ずと関心も固まってくるし、そして得意分野も出てくると、その方向へ、最終的には、卒業間近になると行ってもらったらいいのではないかと、そんなふうに思います。

 技術系の職員は、ある一定の仕事というふうにイメージされる訳ですが、ある程度そうなんですけれども、それでもそればっかりずっとやっておられると、ちょっと視野が狭くなる可能性もありますね。したがっていろんなところを経験してもらって、そして最終的には元々の専門性を生かした特殊なところで頑張ってもらうのがいいんじゃないかと思って、今はそういうふうにやっています。

 それから我々の、県民を幸せにする、という目標は、長期的には「和歌山県長期総合計画」というものに、我々心血を注いで、いろいろと議論して書いてあります。これは10年に1回そんな議論をします。現在の長期総合計画は2017年から2026年までの10年間になっている訳です。だけど、10年間の計画があるからと言って、そのままのんびりやっているとマンネリになったりします。状況も変わってきますね。したがって、毎年毎年、これを反省をしながら発展をさせていく、という作業をやっています。これが「新政策」というプロセスになるんですが、年度は4月から始まりますね。そうすると4月からすぐに、我々が用意した政策を始めるとともに、これをやっていくとちょっと問題が起きてくるかな、というようなことも、みんなでずっと議論して最終的には次の年度の政策を用意していく訳です。最終的には1月末くらいに完成して、2月に議会にかけて、議会で了解をいただいたら、4月から始まると。始まると同時にですね、従来からの宿題もまた検討して、1年をかけてやっていく。その時には、もちろん私も議論します。幹部もみんな一生懸命議論する訳ですが、和歌山県の流儀として、たとえ新人であろうとも自分で考えたことを述べて、そしてその改めるべき政策は改め、付け加えるべき政策は付け加えるという作業にみんな参加してもらう、というふうに私は思っています。

 それから、忙しい時、公務員って忙しくて大変なんじゃないですか、もっと暇なところへ行きたい、という方もいらっしゃると思います。確かに、大変な時は忙しいです。例えば、今和歌山県はコロナウイルス対策で、ちょっと一段落ついたんですけども、その前は病院の院内感染を疑われるような事態になったので、本当に大変だったんですね。直接の担当の人は元より、それを助ける人達も、本当に一生懸命やってくれた訳です。その時はもう誠に忙しいと思います。だけどこれが永久に続く訳ではないので。また、忙しいからといって倒れるまで仕事をしちゃいかん訳です。それはみんなで助け合いをしながらやっていったらいいし、それから、無駄なことをやってはいかんですね。昔からやっているからやっとかないといけないとか、それから意味は無いと思うんだけど、昔からそうだから続けるんだとか、あるいは資料はきれいでなきゃいけないとか、そういう無駄なことはできるだけ止めて、実質的なこと、即ち県民が幸せになることを追求していけばいい、それで無駄なことはどんどん手を抜いていけばいい、そんなふうに私は思っていて、県庁中そのようにやってもらっているつもりであります。

 次に、和歌山で暮らすとどうなるかということを皆さんにアドバイスしたいと思います。よく言われることは、和歌山はあんまり働くところがないね、ということと、それから和歌山は田舎だから働いていたら損するんじゃないか、というような議論も結構あるんですね。それは明らかにデータを取れば間違いと思います。例えば、和歌山県の初任給は、東京都の初任給に比べて、多分低いと思うんですね。しかし、物価、暮らしやすさ、そういうことを考えると格段に差があるし、それから将来皆さんが家庭を構え、そしてお家を建てる、それからそうでなくても、アパートやマンションなんかを借りる、そういうことを考えた時の住居費や住宅の建設費とかを考えると、東京みたいな大都会と比べたら、圧倒的に違いますよね。ですから、皆さんが手にするお給料その他の使い道は、それはもう和歌山のほうが遥かに得だと思う訳です。それから、和歌山県にも、もちろん東京とも大阪とも違いますが、いろんなものが結構あるんですね。例えばレジャー、スポーツ、文化活動、アミューズメントといったものは、そんなに遜色なくありますから、まあなければ東京や大阪や京都に行けばいいというところも含めて考えると、和歌山で暮らしていたら得なんじゃないかなと思います。これは民間の方にも言えることなんですけども、和歌山県庁だけじゃなくて、和歌山で仕事をして暮らしたら得ですよ、ということは自信を持って言えるんじゃないかなと思っています。

 それから、制度の話、これをちょっとしておきたいと思います。採用の制度は、私が昔経済産業省で採用の担当をしていたというところもありまして、結構いろいろ考えるところがあるんですね。そういう意味では、和歌山県でやっている公務員試験というのは、択一式の試験ですけれども、これが全く無駄かというと、そんなことは無いと思います。ただこれにばかり頼るのはどうかというところがあって、和歌山県は私が就任してから、人事委員会にお願いをして、採用試験の中で、面接の割合を随分上げてもらいました。それは何故かというと、面接でいろいろ議論するということは、日頃県庁の中でいろいろな人達とコミュニケーションをして、議論をするということと、あまり変わらない、ほとんど一緒、ということなので、よくその人の実力が分かるということなんです。したがって、そのように比重を上げてもらいました。したがって皆さんは公務員試験のペーパーテストだけじゃなくて、面接も是非頑張ってほしいと思います。それはだけど、素直に自分を出せばいいので、選ぶ人がちゃんと選んでくれると思います。

 それから、何かに打ち込んだ結果、あるいは事情があって公務員試験の勉強ができなかった人というのはいると思います。例えば外国から帰ってきたばかり、あるいはスポーツでもの凄く一生懸命やったので、いい成績は取ったけれども公務員試験の勉強はできなかったから、公務員になるためには1年留年しなきゃいけない、なんてことになってもあまりよろしくない訳ですから、公務員試験のウエートを小さくして、その代わりに、自分が公務員試験の勉強をできなかった代わりに得られた、皆さんの経験、教訓、そういうものを作文にしていただくと、その作文の評価によって皆さんが公務員試験があまり良くできなくても、採用されるということがあります。もちろん面接は平等に受けていただきますけれども、そういうような「特別枠」という制度を作りました。

 それから、公務員試験の専門試験で、ちょっと工夫をしました。今までは、事務系だったら一律に1つの試験をやっていました。その試験の中には法律もあるし、経済もあるし、社会学もあるし、国際関係もあるしとか、そういう何でもありの試験を1つやってもらっていました。そうすると例えば皆さんが大学生であるとすると、何々学部というところに行っておられて、自ずと専門の科目を一生懸命勉強しておられる。そうすると自分の大学で一生懸命勉強していたそういう科目だけだと不利かなということになって、予備校かなんかに行かなきゃいけないということになりますね。そんなことをしなくても、大学で一生懸命やっておられたら、その分野を大きな比重にして試験をしますよと、こういうような制度を作りました。したがって、「法律」「経済」それから「総合A」「総合B」というのがありますが、「総合A」は例えば社会学とか文学とかそういうところにいた人が受かりやすいようなもので、「総合B」は理科系の学部にいらっしゃった方も事務系を受けてもいいですよという場合は、これを選択してもらえばいいということになる訳であります。

 それから今年からでありますけれども、昨今の情勢を見て、特に技術系、あるいは資格を持った人だけが採用されることができるような職種については、従来よりも合格判定を早めて、8月にはこれを判定し、発表するということを始めます。こういう、今年からのものも含めて制度的な話をちょっと申し上げました。

 いずれにしても、一番大事なことは、皆さんにとって和歌山県庁が好きかどうか、そして和歌山県庁にとって皆さんが好きかどうか、ということだと思います。好きかどうか、がちょっと言い過ぎであるとすると、向いてるかどうか、ということだと思います。お互いにこれは向いている、自分はこの職場が向いていると思う、そして和歌山県庁の方から君向いているから是非おいでと言われた。こういう相思相愛型になるのが一番よろしいと思う訳です。そのためには、皆さんはもちろん和歌山県庁のことをいろいろ勉強はされるでしょうけど、一番勉強になるのは何かというと、皆さんの近しい先輩が、既に和歌山県庁で一生懸命働いている訳です。そういう方にいろんな自分の疑問、あるいは悩み、心配、そういうものをぶつけてみてお話しを聞いてみたら一番理解しやすいんじゃないか、そしてこれは好きだな、向いてるなと思ったところに志願すればいいと思います。もちろん、皆さんがいいかどうかというのは人事委員会の専門的な審判員がちゃんと見てくれますから、皆さんの気持ちを素直にぶつけていけばいいと思う訳です。それで先輩と言いましたけど、和歌山県はそのようにいろいろ聞ける先輩を、名前がいささか露骨ですけれども「リクルーター」と称して、何十人も後輩の面倒を見てあげてね、という人を選んであります。特にこのコロナ騒ぎで、今回の説明会の時に、いろいろディスカッションをするとか、勉強していただくというチャンスを皆さんにお渡しするというのがちょっと滞っている訳ですね。だけど皆さん自身は一人ひとり活動していただいていい訳ですから、したがってリクルーターのところにいろいろ聞いていただいたらいいんじゃないかと思います。それでは皆さん、お待ちしております。ありがとうございました。

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