県議会の活動

平成十一年六月 和歌山県議会定例会会議録 第五号

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議事日程 第五号
 平成十一年六月二十八日(月曜日)午前十時開議
  第一 議案第八十六号から議案第九十五号まで(質疑・委員会付託)
  第二 一般質問
  第三 請願付託の件
会議に付した事件
   一 議案第八十六号から議案第九十五号まで(質疑・委員会付託)
   二 一般質問
   三 請願付託の件
   四 休会決定の件
出席議員(四十六人)
     一  番       新   島       雄
     二  番       山   田   正   彦
     三  番       佐   田   頴   一
     四  番       松   本   泰   造
     五  番       阪   部   菊   雄
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       西   本   長   弘
     九  番       坂   本       登
     十  番       小   原       泰
     十一 番       大   沢   広 太 郎
     十二 番       木   下   善   之
     十三 番       宇 治 田   栄   蔵
     十四 番       尾   崎   要   二
     十五 番       宗       正   彦
     十六 番       橋   本       進
     十七 番       谷   本   龍   哉
     十八 番       原       日 出 夫
     十九 番       永   井   佑   治
     二十 番       谷       洋   一
     二十一番       小   川       武
     二十二番       高   瀬   勝   助
     二十三番       木   下   秀   男
     二十四番       町   田       亘
     二十五番       山   下   直   也
     二十六番       玉   置   公   良
     二十七番       神   出   政   巳
     二十八番       野 見 山       海
     二十九番       吉   井   和   視
     三十 番       向   井   嘉 久 藏
     三十一番       平   越   孝   哉
     三十二番       下   川   俊   樹
     三十三番       江   上   柳   助
     三十四番       金   田       眞
     三十五番       森       正   樹
     三十六番       冨   安   民   浩
     三十七番       新   田   和   弘
     三十八番       中   村   裕   一
     三十九番       井   出   益   弘
     四十 番       大   江   康   弘
     四十一番       高   田   由   一
     四十二番       中   山       豊
     四十三番       飯   田   敬   文
     四十四番       鶴   田   至   弘
     四十五番       松   本   貞   次
     四十六番       村   岡   キ ミ 子
     四十七番       和   田   正   人
欠席議員(一人)
     六  番       堀   本   隆   男
説明のため出席した者
     副知事        高   瀬   芳   彦
     出納長        中   山   次   郎
     理事         藤   谷   茂   樹
     知事公室長      大   平   勝   之
     総務部長       稲   山   博   司
     企画部長       安   居       要
     生活文化部長     大   井       光
     福祉保健部長     小   西       悟
     商工労働部長     上   山   義   彦
     農林水産部長     島   本   隆   生
     土木部長       大   山   耕   二
     企業局長       白   井   保   世
     教育委員会委員長   安   藤   精   一
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員    中   尾   公   彦
     警察本部長      樋   口   建   史
     人事委員会委員長   若   林   弘   澄
     代表監査委員     宮   市   武   彦
     選挙管理委員会委員長 谷   口   庄   一
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       新   谷   哲   朗
     次長         蓮   池   康   宏
     議事課長       佐   竹   欣   司
     議事課副課長     井   田   光   三
     議事班長       松   谷   秋   男
     議事課主査      井   口   好   晴
     議事課主事      安   井   伸   彰
     総務課長       西   野   光   彦
     調査課長       湯   川       忠
 (速記担当者)
     議事課主任      吉   川   欽   二
     議事課主査      鎌   田       繁
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課速記技師    保   田   良   春
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  午前十時二分開議
○議長(下川俊樹君) これより本日の会議を開きます。
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  【日程第一 議案第八十六号から議案第九十五号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(下川俊樹君) 日程第一、議案第八十六号から議案第九十五号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 二番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 おはようございます。
 私は、今春の県議会選挙におきまして那賀郡選挙区からこの県会の場へ送っていただきました山田正彦と申します。どうか、よろしくお願い申し上げます。
 県民の皆様の幸せな暮らしと和歌山県の将来を決めるこの大切な議会、先輩議員の大変なご苦労によって築き上げられてきた長い歴史と伝統に培われたこの権威ある県議会議場で発言させていただく栄誉に浴させていただけることに、ご支援をいただいた地域の皆様方に万感を込めて厚く感謝し、改めて御礼申し上げたいと思います。
 私は、今後、私にお与えいただいたこの立場を十分認識し、県政をより身近なものとして感じていただけるよう、あらゆる機会を通じて発言させていただきたいと思っております。
 なおまた、今も大変緊張しております。失言や過ぎた発言があろうかと思いますが、議場にいらっしゃる先輩議員、同僚議員、高瀬副知事を初めとする執行部の皆様方におかれましては、新人がゆえと寛容の精神をもってお許しをいただけるようにお願い申し上げます。
 それでは、通告させていただいております事案について、順次質問させていただきます。
 第一点目の案件といたしまして、私は長い間交通安全関係の仕事をさせていただきましたので、道路の安全施設の問題を取り上げたいと思います。
 その経験から常々思っている事柄が幾つかありますが、その一つに交差点における信号機の設置の問題があります。
 車社会の現在、人間と車がお互いに協調していかなければなりません。当然のことであります。しかし、人命は最も尊重されなければならないと思います。これもまた当然のことであります。公安委員会としても、大変厳しい財政運営の中、そのご苦労はよく理解しているつもりであります。あそこにもここにもと注文をつけるべきではありませんが、地元住民の生活道路として、幾度か事故が発生した事実がなければ設置していただけないようでは温かみのある行政とは言えません。今後、警察予算に大いに反映していただきたいと思います。
 そこで、もし仮に総量としての信号機台数に制約があるのであれば、今後、既設交差点への設置問題は別といたしまして、新設あるいは改良する交差点に設置する信号機の設置予算をその土木工事の予算に組み込んで同時処理するとか、あるいはまた道路面における白ライン、路肩ライン、センターラインを含めた白ラインで、これはもともと土木工事の予算分でありますし、追い越し禁止ライン、すなわち黄ラインは規制の問題もありまして警察予算になっておりますが、これを同時施工するように同一予算として処理するなど柔軟な運用が図られないものか。道路管理者と道路を規制する公安委員会との立場の違いはよく理解しているつもりでありますが、とにかく効率のよい、むだのない、温かみのある、心のこもった執行をお願い申し上げたいと思います。
 以上のことを踏まえて、県民の交通安全に日夜ご尽力いただいている警察本部長のお考えをお伺いしたいと思います。
 第二点目の案件といたしまして、文部省から示された新学習指導要領の和歌山県としての取り組みについてであります。
 二〇〇二年から実施される学校教育課程における教育内容の改革は、ある意味では戦後の教育方針が百八十度転換するほどの大きな出来事であろうと思います。二十世紀の前半は、第二次世界大戦にも見られるように、戦いの時代でありました。また戦後は、荒廃した国土復興のために先輩の皆様方は、寝食を忘れ、わき目も振らず、物質的繁栄を求めてひたすら働いてくださいました。おかげさまで、世界に冠たる何の不自由もない我が日本を築いてくださいました。そのご苦労に対しては、最大限の敬意を表したいと思います。しかし現在、余りにも物質的に恵まれ過ぎた中で、人間として、また日本人としての心を忘れがちではなかろうかと思います。
 西口知事の二月定例県議会の冒頭のごあいさつの中でも心の問題について少し触れられておりましたが、二十一世紀は心の時代だと思います。たまたま過日の毎日新聞にも載っておりましたが、国会議員へのアンケートの中で今一番見直したい事柄のトップに、自民、民主、公明、自由の皆様方は教育を挙げておられました。二十一世紀を担う青少年が、心豊かに素直に育っていただくために、家庭、学校、行政、地域が一体となって取り組まなければならないことは当然のことであります。そんなときに、人間としての心の教育、心の豊かさの教育の重要性を再確認するような学習指導要領が発表されたのであります。私も、今後の取り組みについて大いに関心を持っております。
 そこで、今後の取り組みについていろいろお尋ねしようと思っておりましたが、過日、先輩・新田議員もこの問題について詳しく質問されましたので、私なりに少し角度を変え、幾つか教育長にお尋ねしたいと思います。
 今度の新学習指導要領では、文部省として各都道府県、各地域の特性、特質を生かした教育をするようにとあると思います。そこで、和歌山県教育委員会としては、この特性、特質を生かしてどう指導されるつもりなのか。余りにも大きな問題でありますので、基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、ご父兄への周知徹底の件であります。学校完全週五日制の実施に伴い、また総合的な学習の時間を設けることに伴い、学習時間が約三〇%縮小されるようにお伺いしています。そのために、学力低下の懸念の問題もあるでしょう。また行政としては、私学や塾への対応についても当然考えていかなければならないと思います。また学校にあっては、先生の再教育を徹底し、教師としての資質の高揚と教師としての自覚を持っていただくための指導を行わなければなりません。そのためにも、老朽化している教育研修センターを今後どうするのか。財政厳しい折であっても、国家百年の大計に立って早急に善処されるべきだと思いますが、そのお考えのほどは。
 以上、ご所見をお伺いしたいと思います。
 第三点目の案件といたしまして、議員に対する呼称の問題であります。呼び名の問題であります。
 私は、県議会へ当選させていただいて以来、「先生、先生」という言葉の満ちあふれていることに大変驚きました。私たちは、たくさんの有権者の代表として、県議会議員としてここに選ばれてまいりました。一方、県職員、執行部の皆様方も、県民の幸せ、生活の向上、県勢発展のために一生懸命頑張っていただいております。つまり、行政というものは、執行部と議会が車の両輪のごとくお互いに建設的な意見を闘わせながら、調和をとりながら推し進めていくものだと思っております。したがいまして、県職員、執行部の皆様方は、持ち場、持ち場のエキスパートとして、また私たち議員は県民の代表として、同じ土俵の上に立っております。対等であります。
 まことに失礼な話ながら、先生と呼ばれている方々には、職業的な呼び名として、学校の先生、お医者さん、弁護士さん、その他ごまんといらっしゃいますが、百八万県民の中で県議会議員として名誉ある称号をいただいているのは、この場にいらっしゃるたった四十七名しかいないのであります。この事実をどうかいま一度ご認識をいただき、今後はぜひ、私たちをだれだれ議員、山田議員とお呼びくださるようにお願い申し上げたいと思います。この本会議場では、当然だれだれ議員と発声されております。私的な場所とか、私的な会話にまで立ち入るつもりは毛頭ございませんが、せめて公的な場所、公的な会議等では特にそうお願い申し上げたいと思います。
 取りとめもないつまらない話だとお笑いの節もあろうかと思いますが、これから立ち向かう厳しい社会情勢の中で行財政改革を果敢に推し進めていかなければなりません。その第一歩は皆さん全員の意識改革であろうと思いますし、その第一歩の第一歩にでもなればと思いまして、あえて提言をさせていただきました。私は、真剣にそう考えている一人であります。
 余談ですが、私は「万象我師」を座右の銘といたしております。この件について、執行部のどなたかに、どの部かにご所見をお伺いしたいと思っておりましたが、どうも無理なようでありますので、要望ということにさせていただきます。
 前の二件についてご所見をお伺いし、つたない質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの山田正彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育問題についてお答えいたします。
 このたび告示された学習指導要領は、完全学校週五日制のもと、ゆとりの中で特色ある教育を展開し、子供たちに生きる力を身につけさせることをねらいとしており、その中で心の豊かさをはぐくむ指導は極めて重要であります。各学校は、こうした趣旨をPTA活動や学校便りなどを通じて周知し、家庭や地域社会と一体となって新しい教育を進めていく必要があると考えております。
 今回の改訂では、学校裁量の幅が大きく拡大され、地域や生徒の特性を踏まえながら、各学校が校長のリーダーシップのもと、責任を持って積極的に特色ある取り組みを展開することが特徴であります。特に、新たに設けられる総合的な学習の時間は、教科の枠を超えて、子供たちがみずから課題を見つけ主体的に学習を行うものであり、大きな期待が寄せられております。
 本県におきましては、ことしの秋に、郷土の豊かな自然、歴史、産業などをまとめた「ふるさと教育副読本」を発刊し、小中学生がさまざまな場で学習に活用できるよう各学校に配布することとしております。また、現在開催されている南紀熊野体験博には、これまでに約二万人の児童生徒が学校行事として参加し、ふるさと和歌山のよさを学んでおります。このような郷土の持つすばらしさを教育の場で十分生かすことが、和歌山に誇りと自信を持ち、子供たち一人一人がたくましく成長していくことにつながると確信いたしております。
 今後とも、新しい学習指導要領にのっとり、ふるさと和歌山や地域から学ぶことを大切にしながら、特色ある教育を一層推進し、二十一世紀を力強く生き抜いていく心豊かな子供たちを育ててまいりたいと考えております。
 また、総合教育センターの建設につきましては、財政事情厳しい折ではありますが、できるだけ早い時期に具体化できるよう努力をいたしてまいります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 警察本部長樋口建史君。
  〔樋口建史君、登壇〕
○警察本部長(樋口建史君) 山田議員にお答えを申し上げます。
 交通信号機の設置、それから追い越し禁止等の交通規制についてでございます。
 道路交通法等の関係法令によりまして、公安委員会の権限とされております。この公安委員会を補佐する県警察といたしましては、予想される交通量、交通の流れ、交通事故発生の危険性等を十分に分析、検討の上、必要性、緊急性等を総合的に判断いたしまして、適正な交通信号機の設置やその他の交通規制に努めているところでございます。
 お尋ねの、新設道路等における交通信号機の設置についてでございますが、法令上、公安委員会の事業とされておるところでございます。したがいまして、その所要経費につきましても警察費と明確にされているところであります。
 一方、新設道路におけるはみ出し禁止の規制標示いわゆる黄ラインの施工につきましては、中央線の指示標示、いわゆる白ラインに変えて、同一機会に一連の作業として施工するなど柔軟に対応するようにいたしております。
 今後とも、県民の方々の要望等を十分に踏まえて、道路管理者等との連携を図りながら、予算の効率的な運用に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) 以上で、山田正彦君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十八番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 おはようございます。
 通告に従い、順次質問をしてまいりたいと思います。
 まず、フリーゲージトレインについてであります。
 平成五年から九年までの鉄道高速化調査を受け、平成七、八両年の線形改良、一線スルー化、さらにオーシャンアロー号の導入等により新大阪─新宮間が約二十分短縮されました。従来の新大阪─新宮間、くろしお号で四時間というのは、東海道をのぞみで行くと、東京を通り越し、はるか福島市付近まで行ってしまうぐらいであったわけですから、これで遠い和歌山が幾分かは解消されました。その結果、不況で観光客数の減少が言われる中、オーシャンアロー号の平均乗車率は八〇%と大健闘しているのであります。今後一層の高速化、快適性に期待がかかります。
 先般、本年度より運輸省が実施する新幹線直通運転化事業調査において、JR紀勢線が調査対象路線に選定されたことが報道されております。軌間可変電車いわゆるフリーゲージトレインは、先発の山形、秋田両新幹線のように、わざわざ線路の敷きかえをすることなく、新在直通運転ができるため、比較的少ない費用で遠い和歌山の解消が図れます。この際、今回の選定に至る経緯並びに今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
 さらに、さきのオーシャンアロー号導入時には、沿線市町村、経済団体等へも資金協力をお願いしたわけですが、今回はどうなるのか。いずれにしても、官民挙げての盛り上がりが必要であると考えますが、どのように対応されるのでしょうか。
 また、山形、秋田両県では、ミニ新幹線導入の際に交通安全の観点から踏切改良が施されたと聞きますが、本県においてもそのような必要が生じてくるのではないでしょうか。ただ、踏切改良といっても、鉄道事業者と道路管理者の技術、予算の問題だけではなく、地域住民の意見や町づくりといったさまざまな要因が絡んできます。そのため、今から総合的な踏切対策を講じておかなければなりませんが、どのようにお考えでしょうか。
 次は、防災対策についてであります。
 あの忌まわしい阪神・淡路大震災の後、県地域防災計画震災対策計画編が大幅に改定されましたが、あるとき私は、その中に全く新しい事実を見つけたのであります。それは、想定地震一の場合、つまり前回の昭和二十一年に起きた場所で、歴史的に一番大きかったとされる安政の地震と同規模のマグニチュード八・四の南海道地震が起きたと想定するケースで津波のシミュレーションが行われております。それによりますと、地震の八分後には第一波が紀南地方の海岸に到達し、五メートル以上の津波が押し寄せてくるとなっております。とりわけ御坊周辺には、県下最大の九メートルもの津波が襲い、美浜町や御坊市の人口密集地区でかなりの部分が浸水するというものであります。津波と言えば、稲むらの火で有名な湯浅広や田辺市新庄、紀南のリアス式海岸と思っておりましたが、予想外のことに大変驚きました。
 ご承知のように、今御坊周辺では、中期地方の物流拠点を担うべく日高港の整備が着々と進んでおりますし、日高川につきましても、ふるさとの川モデル事業が展開中であります。しかし、津波の対策としては現在何も行われておりませんから、ちょっと待ったと言いたくなるわけであります。が、ここでは我がふるさとに津波対策をとは申しません。それよりも、なぜこんな矛盾が生じているかということを申し上げたいわけであります。
 災害対策基本法という法律があります。もちろん、災害から国民の生命、財産を守るための法律でありますが、その十四条には都道府県に防災会議を置くこと、四十条には防災会議が地域防災計画を作成することを定めており、四十一条にはその地域防災計画は他の法令による計画に対して優先されることがうたわれております。しかるに、県地域防災計画の災害予防計画には優先されるべき政策が具体的に策定されておりません。ここに原因があるのです。多くの課題を抱えた事業各課は、いつかわからない地震に縛られたくないという事情もあるでしょう。しかし私が心配するのは、政策的に優位であるべき防災担当課が、事業は事業課でないとわからないという消極的姿勢にあることであります。さらに、この消極姿勢は県地域防災計画全般に災いしており、ほかにも問題が生じております。そのため、計画は肝心の県民の生命や財産を守るといったレベルにはなっておりません。残念なことに、大方の人は災害が起きたらだれか助けに来てくれると、ただ漠然と思っております。事実、阪神・淡路大震災のときでもそうでありました。言い過ぎかもしれませんが、今は泥船に乗った状態にあります。こうしている間にも、南海道地震は確実に近づきつつあります。防災に関しての不作為──何もしないことでありますが、これは罪であると思います。私たち政治や行政にかかわる者が地震のことを理解し、そのことに対応しておけば、大勢の生命や財産を救うことができるのです。ちょうどことしは国際防災十年の締めくくりの年、六月は土砂災害防止月間でもあります。
 そこで、防災の観点から、以下、三点について伺います。
 一点目は、人事です。
 本県にも防災のエキスパートが複数いてほしいと思います。防災のエキスパートとは、地域防災対策をそらんじるだけではなく、防災にかかわる広い見識を持ち、日常より防災の観点から県政全般について政策を提言し、有事の際にはその全身全霊をもって知事に迅速的確に対応策を建議し、みずからも実行できるような人のことであります。残念ながら防災学校はありませんので、こういった人は県独自に養成していかなければなりませんが、どのようにお考えでしょうか。
 二点目に、地域防災計画は、さきの大改定後、毎年わずかの改定しかしていないと聞いておりますが、課題も多く残されており、今後予算も確保し、積極的に改定作業を続ける必要がありますけれども、どのようにお考えでしょうか。
 けさの朝刊各紙には、清水寺で土砂災害があったということが報道されております。私たちのふるさと和歌山は、海岸線からすぐに急峻な山が続くわけでありますし、たくさん雨が降って、今までにも土砂災害で大変苦い歴史を持っているわけであります。今、梅雨に入ってこれから非常に土砂災害が多くなってくる時期でありますから、三点目には土砂災害についてお伺いをしたいと思います。
 昨年、建設省より注目すべき通達がなされました。土石流危険区域の地域防災計画への図面表示や警戒避難情報の提供などの内容ですが、目的とするところは、「危険箇所は精いっぱい努力して改修しておりますが、すべて改修してしまうのに時間も費用もかかり不可能です。だから、危険箇所が本当に危ない状況になったらお知らせしますから逃げてください」ということです。一昔前なら、建設省砂防部の敗北宣言とも受け取れます。しかし、これが本当に国民を災害から守るという切実な姿勢であると私は評価し、拍手を送りたい気持ちでいっぱいであります。こういった精神こそ我が防災計画は見習うべきです。
 そこで、本県の土砂災害危険箇所、砂防事業の進捗状況を報告いただき、いわゆるソフト対策、情報対策についての取り組みをお聞かせいただきたいと思います。
 三番目は、コンピューター西暦二〇〇〇年問題について伺います。
 いわゆる二〇〇〇年問題はかなり前から新聞、テレビなどで取り上げられており、ご承知の方も多いと思います。改めて申し上げますと、西暦年を下二けたで処理しているコンピューターシステムにおいて、西暦二〇〇〇年が「〇〇年」と処理されることにより、二〇〇〇年代のデータを入力すると二〇〇〇年が一九〇〇年として認識されることが原因で発生する問題のことであります。
 当たり前のことですが、地震などの自然災害と違い、西暦二〇〇〇年という時は、多少の時差はあれど世界じゅうどこにでも訪れるわけですから、早くから警告が発せられ、先進国を中心に世界じゅうで二〇〇〇年問題への対応が進められております。我が国でも、昨年九月十一日、内閣総理大臣を本部長とする高度情報通信社会推進本部において、コンピューター西暦二〇〇〇年問題に関する行動計画が決定され、官民挙げての取り組みがなされております。
 先般五月二十八日、衆議院災害対策特別委員会における内閣内政審議室の説明では、金融分野においては、昨年十二月末までに重要なシステムについて全金融機関の七三%が修正を完了し、五六%が模擬テストを完了しており、本年六月末には九六%の金融機関が模擬テストを完了する見込み。最重要の決済システムも、共同模擬テストが金融、証券各社参加のもと、昨年十二月より四回実施されており、問題がないと確認されております。電力分野においては、本年三月末時点で制御系重要システムの模擬テストは八八%が完了、六月までに九八%、十一月までにすべて完了との計画。また制御系重要システムについては、マイクロチップの設計、プログラム等まで調査した結果、電力供給には影響なしと確認されております。電気通信分野においては、電話・専用線等の通信系の重要システムの六九%が模擬テストを完了、六月末までに九九%完了の見込み。航空分野においては、航空管制システムが本年三月までに模擬テストを実施し、安全を確認。国際共同模擬テストも、米国、香港は終え、その他と調整中。エアラインの重要制御系システムは、模擬テストを三月に七九%、七月にはすべて完了予定とのことであります。また危機管理計画の策定は、金融、電力、航空等では六月末までに、他の民間重要分野も九月末には策定する見込み。中小企業については、進捗しつつあるものの未着手の企業も相当あると推定、目下、普及、啓発、支援を総合的に展開中。中央省庁では、六月末までに九二%が模擬テストを完了予定。地方公共団体では、都道府県で六割以上の進捗、終了している団体が六〇%、市区町村で一〇〇%修正作業に着手しており、終了団体は五四%。以上のような報告があり、他の先進諸国と比較しても遜色ない状況との認識を示しました。
 さて、我が県におきましても、去る六月二十一日、副知事を本部長とする県対策本部を設置したとのことでありますが、県自身の問題としてどのように対応しておるのか、また県下の市町村や民間の状況はどうなっているのか、そして県民へどのように啓発をするのか、あわせて報告をいただきたいと思います。
 最後に、和歌山市内の交通対策についてお伺いをしたいと思います。
 私ごとになりますが、県庁へ来るときは自動車で参ります。まず、自宅近くの御坊インターチェンジまでは約五分、御坊インターチェンジから海南インターまでが約二十五分、海南インターから県庁までが約二十分、場合によっては三十分と、小一時間の道のりで参りますが、いつも思うことは、海南まで三十分もあれば来るのに、どうして海南から県庁まで二、三十分もかかるのかということです。さらに、和歌山インターまで行って通行料金を五百円余計支払っても、かかる時間は同じかそれ以上というのが実情であります。高速道路を使っても早く行けない。まことにもって変な話であります。しかし、理由は至って簡単です。第一にこの広い和歌山市にインターチェンジが一つしかないということ、第二にインターチェンジから市内へのアクセスが悪いということ、第三に市内を貫く幹線道路が少ないということであります。和歌山市北部に住む主婦が、市南部にある職場への通勤に時間がかかるので就職をあきらめたという話も聞いたことがあります。恐らく、朝夕などは和歌山市の端から端までは一時間以上もかかるのではないでしょうか。よほどのことがない限り、端から端まで一番長いところでも二十分もあれば通り抜けてしまう御坊市に住む私の感覚からすれば、非常に不便に感じます。しかし、私の感覚だけではなく、西口知事の県内二時間行動圏構想に照らしてみても、せっかく遠くから早く来れても和歌山市内で時間がかかるのであれば効果は半減いたします。
 私は、この際、市内自動車専用道路を提案いたします。都市高速道路については、政令市では既に供用されておりますが、苦しい財政状況にあると聞きます。しかし、和歌山市であれば地価もそんなに高くありません。紀の川の河川敷や海岸線など、通すためのスペースはまだまだあります。公共投資をこれに集中させるといった方法もありますし、最近ではPFIなどもうまく組み合わせればと思います。いずれにしても、和歌山市、市役所という意味ではなく、都市という意味での和歌山市に頑張ってもらわなくてはなりません。県都の発展なくして県全体の発展はないと思います。そのためには、都市としてのプライドとそれをあらわす都市としての備わりとでも言うべき具体的な政策が必要であります。その政策の一つが市内自動車専用道路であると思います。県としてどのようにお考えでしょうか。
 以上、積極的な答弁を期待いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの中村裕一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 副知事高瀬芳彦君。
  〔高瀬芳彦君、登壇〕
○副知事(高瀬芳彦君) 中村議員にお答えいたします。
 まず、フリーゲージトレインについてお答えいたします。
 今年度より二カ年の予定で国が行う新幹線直通運転化事業の調査対象路線に紀勢本線が選ばれた経緯についてでございますが、県におきましては、平成四年度から平成九年度にかけまして、紀勢本線へのミニ新幹線の導入について技術的課題や高速化による効果など各種観点から調査を行うとともに、平成六年度より県の重要施策として政府予算要望時において国に対し要望活動を行ってきてございます。今回の調査対象路線に紀勢本線が選ばれたことについては、これらの活動が認められた結果と考えております。
 今後の取り組みについてでございますが、現在国で行われている調査に対し協力するとともに、その情報収集に努め、並行して県内各方面との協力のもと、フリーゲージトレインの導入について国等関係機関への要望活動を行ってまいります。また、必要に応じまして、米国コロラド州において行われているフリーゲージ車両の走行試験の視察等も検討してまいりたいと考えてございます。いずれにいたしましても、紀勢本線へのフリーゲージトレインの導入につきまして、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に県民挙げての協力の関係でございますが、県といたしましては、フリーゲージトレイン導入を目指した現在までの県の取り組み等を、国はもちろん、県内の沿線市町村、経済団体等、関係方面へもアピールするとともに、積極的に盛り上げを図っていく考えでございます。
 なお、資金協力を含めた具体的な事業内容につきましては、国の調査及び走行試験の経緯を見ながら、国、JR等関係機関と協議を行いたいと考えてございます。
 次に、踏切事故防止の総合対策についてでございます。
 昭和四十六年以降、総務庁の踏切事故防止総合対策を基本に、本県でも鉄道事業者を初め、道路管理者、市町村、関係機関の参加による会議を開催し、地元住民の意見等を踏まえ、具体的な調整を行うことなどにより、平成八年度からの五カ年を計画期間とする第六次踏切事故防止総合対策実施計画を策定し、この計画に基づきまして、鉄道事業者、道路管理者等が踏切道の立体交差化、構造改良、保安設備の整備等を実施しているところであります。
 主な事業を申し上げますと、県では平成十年に海南連続立体交差事業を完成するとともに、現在、国道二十六号和歌山北バイパスなどの立体交差に取り組んでございます。
 また、昭和四十六年度からの第一次五カ年計画期間中百十七件あった踏切事故は、平成三年度からの第五次五カ年計画期間中では八件と大幅に減少しており、着実に成果を上げているものと考えてございます。
 今後は、議員ご指摘のとおり、町づくりなども視野に入れながら総合的な対策を進め、平成十三年度を初年度とする第七次五カ年計画の策定に向けて協議組織の見直し等を検討して、長期的な観点に立った計画となるよう一層努力をしてまいりたいと考えてございます。
 最後に、コンピューター西暦二〇〇〇年問題について、県の取り組み状況ということでございます。
 コンピューター二〇〇〇年問題は、世界各国共通の課題となってございます。また、本県におきましても対応を進めているところでございますが、六月二十一日に私を本部長とする和歌山県コンピューター西暦二〇〇〇年問題対策本部を設置してございます。
 本県には、県民生活に影響があると思われる重要システムが三十七ございます。三月一日現在で行った調査では、プログラム等修正を終わっているものが六二%、模擬テストが終わっているものが五一%となっております。現在、六月末の状況を調査しており、この調査を踏まえて、未対応のシステムについては早急に修正、模擬テスト等を行うようにしてまいりたいと考えてございます。
 また、対策本部では、万が一、二〇〇〇年問題が発生したときに備えて危機管理計画を策定するとともに、近畿各府県や県内各市町村、及び金融、電力など、県民生活に重大な影響を与える企業等との情報交換、情報収集、県民の方々への広報活動を行ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) 防災対策についての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、防災エキスパートの養成についてでございますが、議員ご指摘のとおり、防災対策は専門的な知識と習熟、行政に対する幅広い知見を要する業務でございます。このため本県では、担当者を消防庁や京都大学防災研究所の研修、あるいは防災ボランティアなど各種防災セミナーに積極的に参加させ、専門的な知識と習熟に努めているところでございます。また、阪神・淡路大震災の教訓を生かしまして、大地震発生時の迅速な初動体制の確立を図るため、毎年一月には緊急防災要員を対象とした緊急職員参集訓練を実施しているほか、新しい取り組みとして全職場を対象とした応急手当て法の研修を実施したところでございます。
 今後の課題といたしまして、防災体制の充実を図る上で、幅広い知識を持った職員の養成を考えてまいりたいと存じます。
 次に、地域防災計画の改定に際し、計画を実効性のあるものにとのご質問についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、県地域防災計画は、県、国の機関、交通機関、NTTなどの民間関係機関等で組織された県防災会議により作成されたもので、防災に関する機関が処置しなければならない防災に関する事務事業について総合的に計画したものでございます。
 このうち、地域防災計画での震災対策計画編では、過去の地震事例での全壊した建物棟数等を参考にして、統計的に人的被害や建物被害など、それぞれの被害に関する傾向値を示してございます。
 ただ、特にご指摘のございました南海道地震に伴う津波対策につきましては、津波現象においていまだ解明されていないことも多く、現在その対策には困難を伴う面もあると伺っているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後、地域防災計画の震災対策計画編の改定に当たりましては、ご指摘も参考とさせていただきながら、防災関係機関等の意見を踏まえ、その見直しを行ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 防災対策の三点目、砂防事業についてお答えします。
 まず土砂災害の危険箇所についてでございますが、最新の調査によりますと、県下には土石流危険渓流が千六百十一渓流、地すべり危険箇所が五百九十一カ所、急傾斜地崩壊危険箇所が二千二百八十七カ所存在しております。
 和歌山県においては、明治四十一年に砂防事業が始められ、荒廃地域から順次事業を実施してきておりますが、宅地化も進んでおり、整備率はそれぞれ一七%、七%、二五%と、全国平均をやや下回っているのが現状でございます。
 このような現状に対して、国と連携して、和歌山県においても近年ソフト対策に重点的に取り組んできており、毎年六月の土砂災害防止月間における各種広報活動を初めとして、土砂災害危険箇所の調査及びその調査結果を地域防災計画書や防災マップ等で住民に情報開示するよう市町村に資料提供するなど、各市町村と連携をとりながらソフト対策を進めております。
 さらに、平成八年度からは情報基盤緊急整備事業として県下百三十八カ所に雨量計を設置し、県庁及び各振興局においてリアルタイムの雨量情報が得られるシステム整備を進めてきており、今年度末には枠組みが完成する予定であります。このシステムは単に県庁内部にとどめておくものではなく、市町村との連携により各市町村への配信が直接可能となり、またインターネット上で広く一般に情報公開するなど、土砂災害危険箇所の調査結果とあわせて情報提供していく方向で進めております。
 次に和歌山市内の交通対策についてですが、議員ご指摘のとおり、和歌山市域は広域的な道路のネットワークが結節する地域であり、高規格幹線道路である近畿自動車道紀勢線や京奈和自動車道と連携し、地域相互の交流促進や特定重要港湾和歌山下津港への連絡を強化するとともに、都市内の交通渋滞を緩和する第二阪和国道、紀淡連絡道路及び和歌山環状道路等の地域高規格道路によるネットワークの形成が重要であると考えております。
 議員ご提案である市内の高速交通体系を形成すると考えられるこの地域高規格道路の和歌山環状道路につきましても、今年度から建設省と県、市が協力して、交通需要及び交通体系から見た環状道路の機能及び経済効果等についての調査を進めてまいります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) コンピューター西暦二〇〇〇年問題の三点についてお答えいたします。
 一点目の市町村の取り組み状況でございますが、三月一日現在で把握したところ、住民基本台帳、住民税など住民生活に影響があると思われるシステムは県内四十七市町村で約六百程度あり、このうちプログラム等の修正が終わっているものが四七%、模擬テストが終わっているものが三三%となってございます。残りのシステムについても、調査時点以降におおむね対応がなされるものと聞いております。また、この問題に適切に対応するため、五月に各市町村担当者会議を開催し、対策本部等の設置と危機管理計画の策定について要請したところであります。県といたしましては、今後とも六月末、九月末の調査により万全を期するよう必要な対応を指導してまいりたいと考えております。
 次に民間の取り組み状況でございますが、民間企業につきましては、それぞれの企業で対応を行っていく必要がございます。そのためにも、本県といたしましては昨年八月に県産業情報センターに二〇〇〇年問題相談窓口を設置し、問い合わせや相談に応じてまいりました。しかし、中小企業の対応のおくれが懸念される中で、県内中小企業を対象としたPRチラシを作成し、商工会議所及び商工会の経営指導員を通じ配布するなど、きめの細かい啓発活動を行ってまいります。また医療機関の問題につきましては、厚生省において全国の医療機関に対し問題発生の可能性のある医療機器のリストを示し、六月末までに自主的に総点検を実施し、その結果を報告するよう通知しているところでございます。県といたしましては、厚生省の指導に基づき、六月末までに点検を完了するよう県内の医療機関を指導しているところでございます。
 三点目の県民の皆さんへの啓発活動でございますが、本年の「県民の友」四月号に二〇〇〇年問題のコラムを掲載するとともに、インターネットのホームページ「和歌山県情報館」にも二〇〇〇年問題関連コーナーを設けたところでございます。県民生活に重大な影響を与える金融、電力、通信、交通等の企業については十分な対応を行っていると聞いております。今後も、県民の皆さんがいたずらに不安を感じることのないよう、国、県、市町村及び企業等の適切な情報の提供に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) 以上で、中村裕一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十時五十八分休憩
     ─────────────────────
  午後一時三分再開
○議長(下川俊樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十六番村岡キミ子君。
  〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 議長のお許しを得ましたので、順次質問をさせていただきます。
 まず初めに、フォレストシティ計画の開発許可についてお尋ねを申し上げます。
 県は、平成九年一月二十二日、フォレストシティ計画の事業主体である和興開発株式会社に都市計画法及び森林法、宅地造成法等による開発を許可いたしました。このフォレストシティ計画は、和歌山市の北部、和泉山系南ろくの急峻な山林三百十五ヘクタールを切り開き、ゴルフ場、住宅、ホテル用地などを造成し、リゾート地を形成するとした大規模開発であります。この計画地の真下に住む多くの住民が、開発による浸水被害、交通渋滞の増大、二次災害の危険性、あるいはゴルフ場の農薬散布の被害、そして鳴滝不動尊の霊場であるお滝の水が枯渇するなどを訴えて大きな反対運動が起こりました。和興開発は、さまざまな反社会的な行為を続ける中、司法において厳しく断罪をされ、経営責任者である社長は辞任に追い込まれてしまいました。そして、経営すべてが紀陽銀行の管理下に置かれたものの、決して会社としての社会的信用を取り戻すことはとても無理と言わざるを得ません。なのに、県は許可を与えたわけです。ところが、許可後わずか一年の後、平成十年二月十八日、和興開発は会社更生開始手続を和歌山地方裁判所に申請いたしました。裁判所は平成十一年五月十一日、つい先日、申請を棄却し、同時に破産を宣告したところです。これは事実上の倒産です。したがって、事業主体の存在しなくなったフォレストシティ計画の遂行は将来的に不可能となったと言えます。私は、このように考えます。
 これまで和興開発は、計画を進めるに当たって、社長みずから国土法、所得税法違反によって実刑判決を受け、企業としての社会的信用を失墜しました。紀陽銀行などから多額の融資を受けたものの、その金利さえ払えないという経営状況に陥りました。そして許可取得後は、銀行等からの融資は一切打ち切られています。
 私は、許可当時においても破産状態にあったことを平成十年二月の本議会において指摘をいたしました。和興開発の資力、信用状況は到底許可条件に値しないことをもこの議場で指摘してまいりましたが、西口知事は、あえて和歌山の活性化を図るために書類審査が正しいものと確信をして決断し許可をしたと答弁いたしております。私は、今においても許可が適切だったとは到底思えないのであります。改めて、ここでお尋ねをするものです。
 和興開発株式会社の開発許可直前の決算報告書を見てみますと、平成八年十月三十一日時点で負債額六百七十三億円、債務超過額三百六十八億円、そして平成十年二月十八日の会社更生法適用申請時の債務超過額は四百七十億円にも達し、さらに申し立て時の銀行等の融資残高は紀陽銀行と紀陽ビジネスファイナンスを合わせて五百五十八億円にも上っていますから、これは確実に破産という状態であることが明白でもあります。加えて申し上げますならば、許可直前には、工事施行業者である東急建設が撤退をするという動きもありました。
 これらの状況から見ても、許可条件を満たしているとはとても言えるものではありません。私は、許可取り消しはごく自然であって、当時の許可権者である県の行政責任は厳しく問われなければならないと思うものです。いかがでしょうか。また、資力、信用に問題はなかったと今日でもお考えですか。都市計画法は和歌山市に移管したとはいえ、土木部長の所見をお聞かせ願いたいと思います。林地開発許可にかかわる農林水産部長の所見も、あわせて伺いたいと思います。
 次に、森林法改正による旧基準の廃止を林野庁に求めてはいかがでしょうかという問題です。
 平成二年六月十日、森林法改正によるゴルフ場造成に係る残地森林率と切り土、盛り土量に新たに抑制基準を設け、森林の保全と二次災害防止に役立てようとするものであります。これは、二年間の経過措置を経て既に八年になります。ところが、平成四年六月十日以前に開発許可を申請した事象については、今なお旧基準の適用となり、新基準の対象にはなりません。新基準による厳しい抑制を逃れるため、各事業者は駆け込み式に多く申請されてまいりました。いつまでも旧基準で審査が行われることは、新基準の目的にも相反することになります。森林法の根本を変えるものではないと思いますので、旧基準の廃止を国に求める必要があると考えるものです。農林水産部長、いかがでしょう。
 次に、県営住宅の合併浄化槽の維持管理費の問題について質問を申し上げます。
 最初に、県営川永団地で起きている問題についてお尋ねをするところです。
 川永団地では、この四月から二千四百人槽の合併浄化槽の供用が開始をされてまいりました。それに先立つ二月二十七日、各棟長や自治会長らを集めた説明会が開かれました。そこで、保守点検及び清掃の契約を和歌山県浄化槽協会と結び、団地全体では保守点検費が年額八百六万四千円、清掃料金が六百三十六万円、合わせて千四百四十二万四千円にもなります。一戸当たりでは、電気料を含め、平均で月額約二千六百円になるという報告がなされております。
 同団地では、これまで単独浄化槽で、住民の負担は月額五百円でしたから、約五倍にもはね上がることになります。住民の皆さんから、なぜこんなに高くなったのか、値段の根拠をきちんと説明してほしいとの声が出され、住民有志が説明を求める陳情署名を募ったところ、一週間ほどで世帯の六割を上回る三百三十二世帯、七百八十四名の方から賛同署名が集まったとのことです。県も、こうした声にこたえて、三月十九日から四回にわたって住民を対象にした説明会を開きました。とても住民の皆さんの納得を得られるものではなかったようです。千四百万円という料金の根拠が明らかにならないばかりか、県が業者を一方的に押しつけるのでなく、自分たちで業者を選ばせてほしいとの意見には全く答えることをしなかったのです。ところが、県は四月十九日になって、住宅課長名で「維持管理契約の早期締結について」との文書を全世帯に送りつけています。住民が県浄化槽協会と維持管理契約を結ばないのはまことに遺憾だとし、「このままの状態を続けられますと、浄化槽が使用できなくなり皆様の生活に支障を来すことになるばかりか、浄化槽に重大な損害が生じ、最終的に皆様にその損害を負担していただくことになります」、そして「四月三十日までに、入居者の代表者が(中略)社団法人和歌山県浄化槽協会との浄化槽の維持管理契約を締結されるよう求めます」と、半ば住民を脅迫する文書を送りつけています。
 そこで、土木部長にお尋ねをいたします。
 部長、あなたは、住宅課長が住民に送りつけた文書で言うように、川永団地住民は県浄化槽協会とだけ契約を結ぶ義務があると考えられるのでしょうか。なぜ、他の業者ではだめなのですか。県浄化槽協会との契約を結ばなければならない条例上の根拠があるのでしたら、お示しください。また、新たに設置された浄化槽の維持管理は、新たな維持契約が結ばれるまでは設置主体である県の責任で行う必要があると考えるものですが、所見をお聞かせください。
 次に、川永団地の問題で明らかになったように、県営住宅の合併浄化槽の契約方法には、私は大きな問題点、改善の必要があると考えるものです。そこで、住宅課に県営住宅の合併浄化槽の維持管理、清掃の契約状況をお聞きいたしました。県内には、合併浄化槽を設置している県営住宅が三十四団地あります。それぞれの団地について、年間契約額及び業者名などについてお聞きいたしましたところ、民間と民間の契約だから明らかにできないとの回答でありました。おかしいと私は思います。民民契約であるなら、団地住民が自由に契約の相手先を選べるはずです。ところが、それは許されていません。県が浄化槽協会に保守点検及び清掃を委託する契約をみずから結んでいるからです。住民は、協会から提示された料金を問答無用に押しつけられているのが今の実態です。
 浄化槽の保守点検は、浄化槽法第十条第三項において、登録を受けた者に委託することができるようになっています。浄化槽保守点検業者の登録に関する条例に基づき県に登録されている浄化槽業者は、二百二十一社あるいは二百二十一人あります。県浄化槽協会もその一つでありますが、それ以外に二百二十社あるいは二百二十人あります。公益法人だから安心して委託できると言うのであれば、登録された業者の中にランクをつけることになり、登録制度への信頼性を失わせるものになります。
 そこで、土木部長にお聞きをいたします。
 登録業者二百二十一社あるいは二百二十一人の中で、県営住宅について、浄化槽協会のみを契約の対象にしているのは契約の一般競争入札の原則に反すると考えるものですが、いかがですか。県が委託している浄化槽協会は、協会自身がすべての県営住宅の保守点検、清掃を実際に行っていると考えているのでしょうか。協会が各地域の支部に加盟している業者に実際の業務を下請させているとしたら、これは建設業法では禁止されている一括下請、いわゆる通称丸投げに当たるのではありませんか。浄化槽の契約においてはこの丸投げが許されるとお考えですか、所見をお聞かせください。
 続いて、お聞きを申し上げます。県営住宅条例第二十条では、四つの項にわたって入居者に負担義務のあるものを列記していますが、これには個々の入居者が負担するものと入居者全体で負担するいわゆる共益費と呼ばれるものが一緒に含まれています。また、入居者の負担義務のあるものすべてが現在入居している人だけに負担がかかってきますから、空き家の多い団地では入居者の負担がふえることになります。通常、民間アパートでは、ご存じのように共益費は家主さんが徴収するのがごく普通です。和歌山県は、徴収するのは家賃だけで、共益費的な費用も自治会が集めることになっています。
 大阪の住宅条例や施行規則を見てみますと、知事が徴収する共益費の範囲を規定しています。その計算方法についても、住民の負担に配慮したものとなっています。ちなみに大阪府では、浄化槽に係る費用は、電気代については全額住民負担とし、維持管理費については半額を大阪府が負担するとなっています。
 そこで土木部長、空き家分の共益費など、県営住宅の設置者である県が負担するのが当然なものもあるでしょう。共益費の範囲を規定し、県として住民負担を軽減するように改善していただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
 この問題の最後に、現在の県営住宅の浄化槽の保守点検、清掃費の値段が適正かどうかという問題についてお尋ねをいたします。
 先ほど触れましたように、すべての県営住宅の保守点検費、清掃費についての価格の資料を求めましたところ、県からは拒否をされました。和歌山市内の一部の県営住宅だけは一戸当たりの月額料金が示され、それから推計しますと、一年間の一人槽当たりの費用は、安い県営住宅で約六千円、高いところで九千円近いというものでした。
 一人槽当たりの費用というのは費用総額を浄化槽の規模、人槽で割ったものですが、これを県の振興局などが入っている総合庁舎の合併浄化槽の費用と比較をしてみました。総合庁舎の契約額については、管財課が金額を明らかにしたものです。管財課によりますと、西牟婁総合庁舎の一人槽当たりの費用は千四十一円、日高総合庁舎が千七百五十三円、伊都総合庁舎が三千五百九円、那賀総合庁舎が三千三百八十一円となっています。これらは、県が直接それぞれの地域の浄化槽業者と契約をしております。県営住宅のように、県浄化槽協会と一括契約ではありません。安い総合庁舎と高い県営住宅では約八倍以上の差があります。高い総合庁舎と安い県営住宅でも、県営住宅の方が二倍も高くなっています。これらの価格の違いは、浄化槽の規模の違いや住戸と庁舎という違いもあるでしょう。県営住宅の浄化槽の維持管理料が不当に高いのではないかとの疑問を持つのも当然ではないでしょうか。
 土木部長、県営住宅の浄化槽維持管理料金については、先ほども述べましたように、契約方法にも問題がありますし、料金そのものも高いのではないかと私は考えるものですが、県として、県内の県営住宅の浄化槽の維持管理料金が適正かどうか調査していただきたいと思うところです。いかがなものでしょうか。
 最後に、介護保険の問題についてご質問を申し上げます。
 介護保険の問題については、これまで本議会でも多くの議員から、基盤整備のおくれや保険料がどうなるのかなどについて、心配する意見が多く出されてきました。私も昨年の十二月議会でこの問題の基本的な課題について取り上げ、基盤整備の充実や市町村への財政支援、保険料や利用料については減免制度をつくり、低所得者の方が介護保険制度から排除されないようにすることなどを求めました。これらの点はますます重要になってきていると思うわけです。
 いよいよこの十月から介護認定の申請手続が始まろうとしています。本議会にも、介護認定を受けた人から出される不服申請を審査する介護保険審査会の公益委員定数を定める条例案が提案されています。県では、既に指定事業予定者への説明も開催され、市町村でもその需要調査や実務準備に追われております。市町村の現場の担当者からは、実際に四月から実施できるか不安ですとの声もよく聞くところです。
 朝日新聞の和歌山版に三回にわたって連載されました「どうする?介護保険 市町村アンケートから」でも、三つの自治体の担当者が、「準備対策が万全でなく、時間も残り少ないので開始時期の延期または制度の凍結を望む」という意見のあったことも紹介されています。同じ連載記事によりますと、介護保険制度導入の課題や問題についての市町村からの回答では、多い順番から申しますと、「サービス基盤の確保」、「住民の理解」、「保険料徴収」、「訪問調査員や認定審査会の委員、ケアマネジャーの確保」、「要介護認定の公平性」が課題や問題点として挙げられています。来年四月になって国民から介護保険料を徴収しながら、それにこたえるべくサービス提供の体制がとられないとしたら、保険制度そのものが成り立たないことになります。そして、今の状況ではそうしたことも十分考えられることから、私は、整備目標そのものを実態に合ったものに引き上げることや、国が基盤整備の充実のために新たな助成措置をとるなどの改善を行い、一定の介護サービス体制が整うまでは保険料の徴収を延期することが必要になってくるのではないかとも考えるところです。
 介護保険は在宅サービスを柱とすることになっていますが、それを担うホームヘルパーさんの人数は、和歌山県では老人保健福祉計画が策定された九一年に四百四十三人、それから七年を経過した九八年度末では約五百人ふえて九百三十八人、今年度末の目標である千五百二十四人の整備目標に対して、今六一・五%の到達率にすぎません。さきに紹介した朝日新聞のアンケートによりますと、ホームヘルプサービスの将来の利用希望者が現在の利用者の二倍以上になると見込んでいるのは、橋本、新宮市など十三市町、三倍以上が有田市など五市町村、五倍以上が由良町など二町村もあるとのことですから、とても在宅介護の需要に応じられないことが現実に出てくるということを心配するものです。そして、入所施設の中心である特別養護老人ホームは、入所を申請しながら入れない待機者が、九六年四月で九百七十九人、九七年では千三百九十二人、九八年が千四百九十八人と、うんとふえてまいりました。
 福祉保健部長にお尋ねをするわけですが、介護保険審査会の運営についてであります。
 公益委員の人選は、介護の実態を熟知した方に委嘱されることを強く要望したいと思います。不服審査は認定に対して県民が異議を申し立てるものですから、特に実施初期には多数の申請が出される可能性も予想されます。ドイツでは、九五年、介護保険制度の発足時は八万件の異議申し立てがあったと言われていますから、県民の申請を迅速に処理できるような体制をどう考え、また申請の方法についても窓口を広く設定するなど、郵送など簡単な方法で行えるようにする必要があると考えるものですがいかがなものでしょうか、お示しください。
 また、特別養護老人ホームに入れない人が多数になることは確実だと考えます。目標設定の実態から離れた老人保健福祉計画を策定し、こうした状況を招いた県の責任をどう認識され、最重度の介護度五に認定された方への入所をどう保障されるおつもりなのでしょう。介護保険の実施に向けて需要調査が実施されたわけですが、その結果の報告を求めるものです。中でも、特別養護老人ホームへの入所希望、需要の状況はどうなっておりますか。
 以上、これで第一回の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの村岡キミ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) フォレストシティ計画の開発許可について、その一点目、事業主体のない計画許可は取り消しをについてでございます。
 当許可申請は、都市計画法による必要書類が許可要件どおり整っていたため許可を行ったものであります。その後、社会情勢の変化により会社更生法の適用申請がされ、今回棄却されたことはまことに遺憾なことと思っております。
 開発許可の取り消しにつきましては、既に和歌山市に権限を移譲しており、今後の対応については和歌山市の判断になり、推移を見守ってまいりたいと思っております。
 次に、許可に係る資力、信用に問題はなかったかについてでございます。
 資力及び信用についての審査は、都市計画法施行規則で定められている資金計画書のほか、法人の登記簿謄本、事業経歴書、納税証明書に統一することと定められており、それに基づき審査を行ったものであります。
 資金計画については、処分収入を過当に見積もっていないかどうかに留意することとされております。このため、提出された開発許可申請書の資金計画について、処分収入の審査を慎重に行った結果、事業の採算性のとれた計画となっており、問題はなかったものと考えています。
 次に二点目、県営住宅の合併浄化槽の維持管理、清掃費について、まず県営川永住宅団地の合併浄化槽の維持管理について一括してお答え申し上げます。
 川永団地につきましては、従前の単独処理浄化槽が老朽化により機能を果たしておらず、放流水の水質が悪化していたため、自治会長など入居者の代表者の方々と十分協議を行い、団地のご了解を得た上で、法律上その設置が義務づけられている合併処理浄化槽を設置する工事を行い、現在稼働しているところでございます。
 浄化槽の維持管理費用はいわゆる共益費の一部であるという考え方もありますが、県営住宅条例にはその規定はなく、第二十条では、汚物の処理に要する費用及び汚水処理施設の使用または維持管理に要する費用は入居者の負担とすると規定されております。
 川永団地の浄化槽の維持管理費用につきましては、入居者が全額を負担している近畿の他県における浄化槽の維持管理費用の調査状況等から、妥当なものであると判断しております。今後とも、入居者の方々にはご理解をいただくよう努力してまいりたいと考えております。
 次に、委託契約のあり方と改善について、一括してお答え申し上げます。
 浄化槽が順調に稼働していなければ、入居者の日常生活に支障を来すことになります。そこで、県営住宅の浄化槽の維持管理業務につきましては、浄化槽の規模が大きいこと、常時適正に稼働していることが不可欠であること等から、過去の実績や技術力、施設に異常が発生した場合の緊急対応能力等を勘案し、社団法人和歌山県浄化槽協会にその業務を委託しているところであります。協会では、実際に協会の会員業者等の指導監督を行いながら、保守点検及び清掃業務を的確に実施しております。
 なお、浄化槽の維持管理業務の契約についてより適切な方法があるかどうか、今後の研究課題としてまいりたいと考えております。
 以上です。
○議長(下川俊樹君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 村岡議員にお答えいたします。
 フォレストシティ計画の開発許可に関しての、一、事業主体のない計画許可の取り消しについてでございます。
 さきに林地開発許可を行った当該案件につきまして、過日、会社更生法の適用申請が棄却されたことは、まことに遺憾なことと存じております。
 森林法における許可の取り消しについては、許可の条件に違反した場合に限り取り消しができることとなっております。したがって、今回の事態はこの取り消しの要件には該当しないので、許可の取り消しはできないものと判断しております。しかしながら、会社が破産したことにより事業の実行が困難になったと考えられることから、既に破産管財人に対し、事業廃止届の提出をするよう指導しております。
 次に、森林法改正による旧基準は廃止すべきとのご質問についてでございます。
 一般的に、開発基準等の改正が行われた場合、混乱を避けるため、経過措置が講じられることとなっております。本県の場合、新基準が設けられた趣旨を生かすため、経過措置の適用事案についても、個々の協議の中ででき得る限り新基準に近づけるよう指導を行ってまいったところでございます。しかしながら、相当の期間も過ぎていることから、その取り扱いについて国とも協議を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 福祉保健部長小西 悟君。
  〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 介護保険についての三点にお答えいたします。
 まず、介護保険審査会についてでございます。
 本年十月から準備要介護認定が市町村等で開始されることから、今議会で認定処分にかかわる公益を代表する委員の定数を定める条例を上程させていただいております。なお、本審査会の内容としては、認定処分と認定以外の保険料等の処分の二種類がございます。
 県といたしましては、認定処分の不服審査に迅速に対応するため、南北に長い本県の地勢を勘案して、本庁以外に伊都、日高、西牟婁、東牟婁の各振興局に公益代表の合議体を設置することにより県民の利便性を図るとともに、法律関係者、学識経験者、医療保健福祉関係者の適正な委員配置に考慮してまいりたいと考えております。
 なお、不服審査の申請方法については今後要綱等で定めてまいりますが、いずれにいたしましても、県民にとって簡易で短時間で行えるよう、最寄りの振興局もしくは市町村において対処したいと考えております。
 次に、介護保険制度は、介護が必要になってもできる限り住みなれた自宅で生活ができるように居宅介護サービスを重点的に提供し、居宅介護サービスでは対応できない方々に対しては介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の施設サービスを提供するものであります。これらの三種類の施設を合わせて、現在整備中のものを含めると約八千床になっております。県といたしましては、要介護度五で認定された方々が介護老人福祉施設に入所できない場合には、一時的に他の施設や居宅介護サービスを利用していただきたいと考えております。
 また、市町村高齢者実態調査、ニーズ調査の結果等を基本に、今後必要な居宅介護サービスや施設サービスを盛り込んだ老人保健福祉計画及び介護保険事業支援計画を市町村と協議しながら策定してまいりたいと考えております。
 最後に、実態調査についてでございます。
 昨年秋、高齢者一般調査を実施した上で、さらに介護が必要と考えられる約二万五千人を対象として、要援護高齢者需要調査並びに特養待機者調査を行ってきたところでございます。本調査の結果につきましては、現在市町村と数値を精査しているところでございまして、介護度別等の実数も含め、七月中には公表してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十六番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 答弁をいただきました。実に血の通わない答弁であったと思います。
 フォレストシティの問題。土木部長、再三私たちは申し上げてきましたけれども、とにかく和興開発というのは昭和六十二年の計画当初からさまざまな問題を起こしてきた企業でもあります。そして、平成元年あたりから用地買収における国土法違反、脱税指南といったような、法に照らしてみても本当に許しがたい行為を平然としてきた企業であるわけです。しかも、この開発許可という時点に至るまでの間は、こうした問題を繰り返し繰り返し指摘をされていながらもやめなかったという企業でもあります。ましてや、銀行から借りた五百七十億円余りの融資額の元金はもちろんのこと、利払いさえもできなくなっていたという実態が平成五年にはあるわけです。この平成五年の時点では、現実的にもう会社はほとんど事業ができていないという状況に陥っていたわけです。にもかかわらず和歌山県は、せっせと燦黒潮リゾート構想の一つとしてフォレストシティを推進するという立場を貫き通しました。
 経済的な──とりわけ企業の社会的責任というものと社会的信用というものについて、本当に県が信用できるというふうに、そしてこの会社が三百十五ヘクタールに及ぶ巨大開発をやれる業者かどうかということも判断できたのかどうか。
 東急建設は、もうこの計画当時からいろいろとうわさされてまいりました。そして許可後直ちに撤退をするという、そういう状況にもなったわけです。その上、許可される直前の負債総額もすごいものです。また、先ほども申し上げましたように、平成八年の許可何カ月か前の時点においてもかなりの債務超過額があると出ているわけです。こういう状況で許可してわずか一年余りで企業が会社更生法を適用申請するということは、もうその何年か前からこういう事態がずっと続いていたと見なければならないと思うんですけれども、こういう事態については一体どのような審査をされたのでしょう。そのことについて、まずお答えをいただきたいと思います。
 書類上での審査ということをおっしゃっていましたけれども、でもこの企業については、ことごとく反社会的な行為を行ってきたという点からも、一般的な審査のあり方であってはならないと思うんです。そういう点をどういうふうにして審査されたのかということについてお答えいただきたいと思います。
 それと、合併浄化槽の問題です。
 これは、条例には別に共益費とかそういったものについて定めていない、規定にはない、だから今のままでいいんだ、近畿の状況を見てみたらよその府県でもみんな住民が全部負担していた、これで妥当だと考えるというふうにご答弁をされたわけですけれども、しかし私どもが調査をいたしましたところ、大阪は共益費という名目で規定し、電気代は全額住民が払うけれども、保守点検費については府が半額を補助しているということを明記されています。それから奈良については、保守点検は県が負担をし、電気料については住民が負担をしていると。しかも、これは住宅供給公社に委託をしているわけですから、そういう点では住宅供給公社と地域の業者との契約になっていて住民との契約にはなっていないということも、私どもの調べであります。兵庫県は、県と自治会と業者とが見積もりをとった上で論議をして契約するということが一つの方法としてあるということと、二つには自治会と地域の業者が自由に契約をするケースがあると言われていますし、京都は自治会と業者が自由に契約をしています。和歌山県はどうかと言えば、県の住宅課と県の浄化槽協会という登録業者とが委託契約をしているということです。そして料金については、住民に一方的に押しつけているということです。しかも、空き家の分まで全部住民に負担をさせているということになっているわけですけれども、こういう点でも、私は今のあり方について、住民が納得をしていないわけですから、今後の研究課題にするのではなくて直ちに検討をしていただきたいと思うんです。そういう点でどのように考えられるのか、もう一度お聞かせいただきたいと思います。
 県の浄化槽協会一社だけですべての県営住宅の維持管理などの契約をしているということも、問題ではないでしょうか。二百二十一社あるいは二百二十一人の登録業者がいるわけでしょう。だから、いわゆる独占的に県の協会と契約するということ自体、甚だおかしいと思うんです。業者にランクづけがあるんですか。
 土木部長、先ほど、浄化槽が大きいということ、技術と経験がある、そういう点で協会と契約をしているんだとおっしゃいましたけれども、こういう点から見れば、契約をしていない業者については一定のランクづけをされているのでしょうか。これについても甚だおかしいと思いますが、お答えいただきたいと思います。
 一般競争入札なり、あるいは随意契約であったとしてもきちんと公開をして契約を結ぶということの方が、県の浄化槽管理者としての果たす役割がはっきりしてくるのではないでしょうか。幾ら協会の中に入っている業者であったとしても、それは下請になりはしませんか。指導監督をしながら、十分監視を強めながら仕事をやってもらっていると言いますけれども、業者として登録している以上は、専門的な知識、技術を持っている一つの法人格じゃありませんか。そういう点では、協会というところに委託したからと言ってそのまま業者を協会が指定するということは、いわゆる建設業法で言う一括下請でありませんか。こういう点で、この浄化槽の維持管理そのものについては該当しないのでしょうか、教えてください。
 以上で第二問を終わります。
○議長(下川俊樹君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 村岡議員の再質問にお答えいたします。
 当開発許可は、先ほども申し上げましたように、都市計画法に定められている資金計画書に基づき審査を行い、許可を行ったものでございます。
 議員ご質問の内容につきましては、ただいま取り消し訴訟の裁判中の争点の一つでありますので回答を差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、当時の許可は正しかったと考えております。
 続きまして、県営住宅の合併浄化槽の維持管理、清掃費についての再質問でございます。
 基本的には、浄化槽が順調に稼働していなければ入居者の日常生活に支障を来すことになりますので、県営住宅の浄化槽の維持管理業務については、浄化槽の規模が大きいこと、常時適正に稼働していることが不可欠であること等から、過去の実績や技術力、施設に異常が発生した場合の緊急対応能力等を勘案して、社団法人和歌山県浄化槽協会にその業務を委託しているところでございます。
 協会におきましては、浄化槽技術管理者三名及び浄化槽管理士二名を擁し、会員業者等に対する業務の的確な指示、確認を頻繁に行うとともに、浄化槽に異常が発生した場合に備えて二十四時間緊急対応できる体制を整えております。
 なお、浄化槽の維持管理業務の契約についてより適切な方法があるかどうかにつきましては、先ほどお答えしましたように今後の研究課題としてまいりたいと考えております。
 以上です。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 四十六番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 今の浄化槽の、いわゆる協会一つに絞って、三名、二名の技術者がいるからその人たちが会員に指導してやっているんだと、こういうことをおっしゃっていますけれども、それはみずから下請に出しているということをお認めになることと違いますの。そのこと自体が私は問題だと思うんです。協会員であればいいんだということではないと思うんです。これは浄化槽法の第十一条ですか、そこらに明記されているわけですから。そういう点で見れば、いわゆる下請すること自体が問題だということですよ。ぜひこの点については改善をしていただきたいと思います。
 それから、今、住民の皆さんたちは、決して維持管理費とかを払う気は全くないんだということではないんです。ぜひこの問題については解決をするために話し合いをしてくださいという申し入れをしているわけです。ところが県の方は、もう話をすることはないと言って、この脅迫めいた文書を各家庭に送りつけるというやり方そのものが問題なんです。話し合いの場で、時間がかかると思いますし、皆さんが一〇〇%納得できない部分があったとしても、やらなければならない時点が来ると思うんです。ぜひ、そういう点では、住民の皆さん方と今のやり方についても検討を加えるということも含めて話し合いを進めていただきたいと、要望しておきます。
 それからフォレストシティの問題は、やっぱり部長が言っているような時点じゃないんです。都市計画法に書かれているのは、技術的に間違ったことをやったかどうか、あるいは資金的にちゃんと保障されているかどうかということだけがあると思うんですけれども、しかし事は、問題が多かった企業じゃありませんか、だからフォレストシティ計画が順調に、県が望んでいるようなものが事業者として完遂できるのかどうかということを見定めるためには、もっと広い視野で審査を進めるべきだと思うんです。
 確かに都市計画法は、開発を許可するがためにつくられた法律です。それは十分わかります。でも、一歩踏み込んで考えれば、企業そのものの資質や技術度、あるいは社会的な問題をはらんでいないのかどうかということなど、もっと幅広く審査の対象にするという、そういう点についても県の開発指導要綱などで加えていくべきだと思うんです。こういう問題が起これば、住民は大変なんです。
 私どもは今、和興開発が住宅造成をしたところに住んでおります。ところが、業者が倒産をしたという状況の中で、いわゆる公共施設、ため池やら調整池、あるいは道路、水道問題といったところで、今、毎日住民は不安な状況になっているわけです。そういう問題まで発生するということを、今度のこの和興開発のフォレストシティ計画において教訓にしていただきたいと思うんです。そういう点では、和歌山県の許可した責任は免れないと思うんです。ぜひ、住民が生きていくための水の施設の管理問題とか、あるいは公共施設の管理問題等についても、もう私たちの管轄ではないということで見捨てないでください。ぜひ行政責任として、市と協力をしてこの問題については解決をしていただきたいということもつけ加えて、要望としておきます。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で村岡キミ子君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十六番橋本 進君。
  〔橋本 進君、登壇〕(拍手)
○橋本 進君 お許しをいただきまして、質問させていただきます。
 四月の改選以来初の県議会において一般質問最終日の最終ランナーとして質問をさせていただきますこと、大変うれしく、ありがたく思います。
 ところで、今期定例会におきましては、大変残念なことでございますが、西口知事が体調を崩されてお休みになってございます。副知事を先頭に、当局の方々も大変であったとお察しを申し上げますとともに、西口知事の一日も早い全快をお祈りしつつ、質問をさせていただきたいと思います。
 皆様方におかれましては、連日、大変ご苦労さんでございます。したがいまして、短く、三点に絞ってご質問をさせていただきたいと思います。
 まずその一番目は、朝から中村裕一議員のご質問にもございましたけれども、和歌山市の道路の問題につきまして、我々和歌山市選出の十六人の議員もかなり心配をいたしておりますので、一層のお支え、援護をお願いいたしておきたいと思います。
 和歌山市の都市計画道路の整備促進についてであります。
 県内の基盤整備につきましては、湯浅御坊道路の開通や国道三百十一号の全線改良により、西口知事の提唱する県内二時間行動圏の確立に向けて大きく前進をするとともに、紀伊半島一周の高速道路も現実のものとなり、さらに京奈和自動車道につきましても、橋本道路が着工され、紀北東道路も都市計画決定されたところでございます。そして、懸案でありました紀淡連絡道路も全国総合開発計画に明記されるなど、主要自動車道路構想は着々と進展してございます。これは、西口一期県政の大きな成果の一つであることは申すまでもございません。
 こうした基盤整備が進む中で難航しているのが、ご承知の、和歌山市の都市計画道路の整備問題であります。もちろん、用地取得の困難さなど多くの課題も抱えていることは私も十分承知をいたしてございますが、私なりに常々考えているところの一端を述べさせていただき、当局の考えをお聞かせいただきたいと思います。
 道路は、人や車の通行空間としての機能ばかりでなく、電気、ガス、通信、上下水道等のライフラインを収容する空間として、また町の区画の構成、都市防災機能の確保、さらには将来の都市開発の促進等、さまざまな機能を持っており、都市活動にとって根幹的な施設であることは申すまでもありません。そのために、都市内において将来の都市のあるべき姿を想定し、その基幹となる都市計画道路を都市計画決定しているわけであります。この都市計画道路の整備の進みぐあいによって町づくりが左右されてくるわけであります。
 そこで、県及び和歌山市の都市計画道路の整備状況はどうかと言いますと、全国平均より相当低いと聞いておりますが、和歌山市内で生活をしている者の感覚としても、市内の中心部を除いて非常におくれていると実感しているところであります。特に、紀の川を横断する橋梁整備、JRを横断する道路、また紀の川北部とともに貴志川方面と市内中心部を連絡する市内南東部の整備がおくれているのではないかと強く感じているところであります。
 現在、県、市及び建設省において、西脇山口線、湊神前線、南港山東線、和歌山北バイパス等の事業を積極的に行っていただいておりますが、残念ながら、住民感覚としてはなかなか進んでいないと感じるのも正直な実感であります。私としても、何とか早く整備が進む方策がないかと常々考えているところでございます。
 そこで、私なりに考えていることの一端を述べさせていただき、私の案を含め真剣に検討いただいて、都市計画道路の整備が進み、和歌山市の町づくりが進展するよう強く望むものであります。
 そこで第一点目は、事業手法の問題であります。
 都市計画道路と言えば、建設省の機構で、都市局所管の街路事業や土地区画整理事業による整備ということになると思います。事実、現在の和歌山市内中心部の立派な町並みができたのも戦災復興土地区画整理事業によるものであり、また国体道路もしかりであります。現在も、西脇山口線や湊神前線など街路事業で整備されているわけでありまして、まず都市局事業の積極的な展開を図ることは言うまでもございません。しかしながら、聞くところによれば本県の街路事業予算は他県に比べ相対的に少なく、また急に和歌山県の予算だけを増額させることも限度があると考えられ、今後他の事業手法を用いないと幾ら頑張っても全国平均に近づけないどころか、もっと引き離されてしまうのではないかと危惧するところであります。そのためには、街路事業予算に比べ予算額も多い建設省の道路局事業の予算を和歌山市内の都市計画道路の整備に積極的に充当して進めることが、おくれている市内の都市計画道路の整備を促進する上で重要なポイントとなるのではないかと思うわけであります。
 二つ目は、用地取得を迅速に進めることであります。
 幾ら予算が手当てできても、その予算を執行しないと何にもならないわけであり、道路整備には県民の協力、特に用地所有者の協力が不可欠であります。毎年予算がついたものの用地交渉がうまくいかず、翌年度に繰り越す額も相当多いようで、今議会においても十年度予算の繰り越し案件が提出されております。都市計画道路の整備の大部分が用地補償であることを考えると、用地の早期取得が都市計画道路の早期整備に直結するわけであります。県においても、用地スタッフの充実を図ることがまず第一であるということで、用地の専門家を養成すべく用地主事の採用を行っているようでありますが、今後は、従来の買収方法だけでなく、新たな、例えば建設省でも試験的に実施している用地取得の民間委託も検討する必要があるのではないかと思うのであります。
 三つ目は、地元の協力であります。
 公共事業を円滑に進めるためには、担当職員の努力は申すまでもございませんが、地権者を含む地元の方々のご協力、さらには関係する地元市町村の協力が大きなウエートを占めるものと思われます。そこで、県としても、用地取得の地ならし等についてもこれまで以上に関係自治体の協力を求めていってほしいと思います。
 以上、都市計画道路を早期に整備するための私なりの考えを述べたわけでありますが、三つ目は要望とし、最初の二点については土木部長のお考えを伺いたい。
 二十一世紀を目前にした今、従来の考え方にとらわれない柔軟な発想で整備を進めていただき、都市計画道路が一日も早く整備されるよう強く要望するものであります。
 次に、和歌山市の商店街の振興策についてであります。
 町の中心市街地は、今日に至るまで経済活動の基盤の役割を果たしており、人、物、金、情報の交流の中核的な担い手であります。また商店街は、単なる商業集積機能を超えて、祭り等の文化、治安、防災、地域社会の形成といった社会インフラとしての機能を果たしております。近年、急速に深刻化している中心市街地商業の空洞化は、町のにぎわいや地域の社会活動の担い手の喪失ももたらし、町そのものの存在自体が揺るがされかねない状況であります。
 市内の各商店街の状況を見ますと、空き店舗が増加し、平日には買い物客の姿はほとんどなく、休日でもかつてのにぎわいを見せている商店街は皆無に近い状況であります。特に昔は買い物客で平日にぎわいのあったみその商店街は、市の玄関口でもある和歌山駅前という立地条件にありながら店舗のうち四〇%が閉店しており、商店街組合の理事長を初め、組合員の方々がさまざまな努力をしておりますが、かつてのにぎわいを取り戻すにまで至っておりません。
 このような商店街の衰退は、消費者のライフスタイルの変化や車社会の進展、それに郊外型大規模小売店舗の進出等外的要因や、後継者問題、消費者ニーズへの対応のおくれ等の内的要因によるところが大きいものと思われます。高齢化社会が進行する中で、商業やサービス等の機能が身近に備わっている商店街が高齢者などの交通弱者にも暮らしやすい生活環境を提供できることもあわせて考え、商業基盤の整備や空き店舗対策等の各種ソフト事業を集中的に実施し、商店街の活性化を図っていく必要があると考えますが、商工労働部長のご見解を伺います。
 続きまして、二〇〇八年の夏季オリンピックについてであります。
 本問題につきましては、先般来、大江議員や和田議員から既にご質問をいただいておりますが、オリンピックは国際スポーツの最高の権威を持つ最大のイベントであります。世界のトップ選手が自己の能力の限界に挑むその姿、また全力で競い合った勝者と敗者は、国籍や人種を超え、世界じゅうの人々に生きる勇気と感動を与えてくれるものでございます。
 さて、二〇〇八年の夏季オリンピックには、現在のところ、大阪市を初め、北京、パリ、クアラルンプールなどが立候補を表明しているところであります。オリンピックの開催地決定方法については、加熱した誘致合戦のために改革が加えられ、二〇〇六年の冬季オリンピックについては、IOC委員による現地視察の禁止や投票についても開催都市決定日に二段階で行う新方式が取り入れられ、この六月十九日の選考会議でイタリアのトリノでの開催が決定されたところであります。
 二〇〇八年の夏季オリンピックについても来年二月まで国外での誘致活動が禁止されるなど、競技会場や施設等を大きなセールスポイントにしている大阪市は、今回の改革に戸惑いを見せているところであります。二〇〇八年のオリンピック開催都市として北京とともに有力な候補地であることは間違いございません。
 和歌山県議会では、平成九年三月に第二十九回オリンピックの大阪招致について決議をし、その後、本会議において本県でのヨット等の一部競技の開催について要望してきたところであり、県当局としても積極的に誘致に努めてまいるところであるとご答弁をいただいております。
 和歌浦湾は、水質、風速、潮流、船舶交通等、どの点から見ても全国的に非常にすぐれたヨット競技の会場であると定評のあるところでございます。またヨット競技に取り組む人材も、星林高等学校や和歌山大学など、長い歴史の中で数多く育っており、それらの人たちによって、世界的な国際大会や各種の国内大会など、ここ三年を見ても十三競技大会を主催あるいは主管してきた実績を誇るものであり、日本セーリング連盟や国際セーリング連盟の高い評価を得てきたところであります。
 私は和歌山県セーリング連盟の会長をさせていただいておりますが、平成九年に二〇〇八年オリンピックの日本の候補地として大阪市が決定されたころは本議場においても論議がなされ、また県当局あるいは教育委員会から大阪市への働きかけもなされたところでありますが、ここ二年ばかり余り目立った動きがなく、我々セーリング連盟といたしましても非常にやきもきしているところでございます。
 そこで、質問をいたします。
 まず、二〇〇八年のオリンピック開催地は再来年の二〇〇一年九月にIOC国際オリンピック委員会で決定されるところでありますが、大阪市に決定された暁にはヨット競技を和歌山に誘致され、和歌浦湾でヨット競技を開催されるおつもりがあるのか、改めて本議場において県当局のご決意を副知事にお伺いいたします。そして、そのことを大阪市及び国際セーリング連盟等に正式に表明されるよう、強く望むものであります。
 次に、和歌浦湾を会場とした場合の具体的な競技開催プランを樹立する必要がありますが、県としてそのことに対し、早急に着手していただきたい。県セーリング連盟といたしましても、全力を挙げて取り組みたいと存じます。
 最後に、これらオリンピックを初め各種国際大会を開催するためには関連する諸施設の整備が必要であり、和歌山県のヨット競技誘致が本気であるとの具体的な意思表示のためにも来年の夏ごろまでに建設されることを強く要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。何とぞすばらしいご答弁をお願いいたしまして、終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの橋本進君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 副知事高瀬芳彦君。
  〔高瀬芳彦君、登壇〕
○副知事(高瀬芳彦君) 橋本議員にお答えいたします。
 二〇〇八年の夏季オリンピックにおけるヨット競技の和歌山への誘致の問題でございます。
 オリンピックのヨット競技を本県の恵まれた海洋条件のもとで開催することは、県民に大きな夢と希望を与えるものでございます。今後とも、日本オリンピック委員会や大阪市の動向を見ながら、県セーリング連盟と連携し、誘致活動に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 私からは、都市計画道路の整備促進について、そのうち事業手法の問題についてお答え申し上げます。
 本来、都市計画事業につきましては、施行者は市町村が主体でありますが、都市計画道路については、道路網が国道、県道、市道で構成されることから建設省事業や県事業を組み合わせながら、また予算的には国の補助体系により、おおむね市街地部の内側は都市局事業で、また市街地部の外側は道路局事業で整備を進めるという役割分担のもとで整備を図っているところであります。
 市内の道路ネットワークを構築するためには、現在事業中の箇所の早期整備を図るとともに、続く区間の整備が必要となります。このため、県、市が連携をとりながら、市駅小倉線については近畿道紀勢線から西側は都市局事業、東側区間は道路局事業で、また南港山東線については和田川付近から西側は都市局事業で、東側は道路局事業により事業を推進しております。また、西脇山口線、松島本渡線等の未整備区間についても、議員ご指摘のとおり、両方の予算の積極的な投入により整備を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして、用地取得の迅速化についてのお尋ねです。
 用地交渉は、地元説明会を初め、用地測量、建物調査など、さまざまな業務が一連の流れとなって成り立っています。言いかえれば、説明会で地権者の方々と初めてお会いするときから用地交渉が始まっているとも言えます。
 公共事業における用地交渉とは、補償金の妥当性を説明し、地権者の方々にこの内容が公正かつ公平であることの理解に向けて行うものであり、相手方との信頼関係が必要な業務であります。また、関係者等のプライバシー保護の問題もあり、用地交渉を民間業者等へ委託することは現在のところ難しい点がございますが、用地需要が増大する時期でもあり、議員のご提案につきましては、今後国及び府県等の動向も踏まえ、事業の促進を図る方策の一つとして用地取得業務における民間の活用方法を検討してまいりたいと存じます。
 以上です。
○議長(下川俊樹君) 商工労働部長上山義彦君。
  〔上山義彦君、登壇〕
○商工労働部長(上山義彦君) 和歌山市内の商店街の振興策についてお答えします。
 議員お話しのとおり、和歌山市内の商店街を取り巻く経営環境は大変厳しいものがございます。そのため和歌山市では、昨年度、市全体の商業分析を行い、消費者ニーズの多様化や高齢化社会など社会環境の変化への対応、商圏の維持拡大、また経営者及び商店街の質的向上を基本目標に、和歌山市の町づくりを含めた商業全体の活性化ビジョンである和歌山市商業等活性化基本計画を策定し、商店街再生への取り組みを始めているところでございます。
 ご指摘のありましたみその商店街につきましては、従来から物産販売店や商店街を訪れる方の休憩所として空き店舗を活用する事業、また商店街案内アーチやサインポールを設置する商業基盤施設整備事業について、和歌山市と連携して支援を行ってきたところでございます。
 今後、この基本計画に基づいて地元商店街組合等が実施する活性化策に対し、県としても和歌山市と連携して取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「ございません」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) 以上で、橋本進君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております全案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
     ─────────────────────
  【日程第三 請願付託の件】
○議長(下川俊樹君) 次に日程第三、請願付託の件について報告いたします。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 お諮りいたします。六月二十九日、三十日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) ご異議なしと認めます。よって、六月二十九日、三十日は休会とすることに決定いたしました。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、ご了承願います。
 次会は、七月一日再開いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時二十三分散会

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