県議会の活動

議 事 日 程 第七号 平成九年三月十七日(月曜日)
   午前十時開議
 第一 議案第一号から議案第八十七号まで(質疑・委員会付託)
 第二 一般質問
 第三 請願付託
会議に付した事件
 一 議案第一号から議案第八十七号まで(質疑・委員会付託)
 二 一般質問
 三 請願付託
 四 休会の決定
出 席 議 員(四十七人)
 1 番 大 沢 広太郎
 2 番 木 下 善 之
 3 番 小 川  武
 4 番 吉 井 和 視
 5 番 下 川 俊 樹
 6 番 井 出 益 弘
 7 番 藁 科 義 清
 8 番 門  三佐博
 9 番 永 井 佑 治
 10 番 新 島  雄
 11 番 向 井 嘉久藏
 12 番 佐 田 頴 一
 13 番 和 田 正 一
 14 番 阪 部 菊 雄
 15 番 西 本 長 弘
 16 番 馬 頭 哲 弥
 17 番 谷  洋 一
 18 番 山 下 直 也
 19 番 高 瀬 勝 助
 20 番 上 野 哲 弘
 21 番 堀 本 隆 男
 22 番 宇治田 栄 蔵
 23 番 宗  正 彦
 24 番 橋 本  進
 25 番 神 出 政 巳
 26 番 玉 置 公 良
 27 番 松 本 泰 造
 28 番 東 山 昭 久
 29 番 尾 崎 要 二
 30 番 野見山  海
 31 番 木 下 秀 男
 32 番 町 田  亘
 33 番 中 山  豊
 34 番 井 谷  勲
 35 番 鶴 田 至 弘
 36 番 森  正 樹
 37 番 村 岡 キミ子
 38 番 新 田 和 弘
 39 番 平 越 孝 哉
 40 番 森 本 明 雄
 41 番 長 坂 隆 司
 42 番 冨 安 民 浩
 43 番 飯 田 敬 文
 44 番 中 村 裕 一
 45 番 松 本 貞 次
 46 番 大 江 康 弘
 47 番 和 田 正 人
欠 席 議 員(なし)
説明のため出席した者
 知 事 西 口  勇
 副知事 山 下  茂
 出納長 高 瀬 芳 彦
 知事公室長 野 見 典 展
 総務部長 中 山 次 郎
 企画部長 藤 谷 茂 樹
 生活文化部長 中 村 協 二
 福祉保健部長 小 西  悟
 商工労働部長 日 根 紀 男
 農林水産部長 平 松 俊 次
 土木部長 長 沢 小太郎
 企業局長 佐 野 萬瑳義
 教育委員会委員長
   山 本  昭
 教育長 西 川 時千代
 公安委員会委員 高 垣  宏
 警察本部長 青 山 幸 恭
 人事委員会委員長
   若 林 弘 澄
 代表監査委員 宮 市 武 彦
 選挙管理委員会委員長
   谷 口 庄 一
 医科大学学長 山 本 博 之
 医科大学附属病院長
   西 岡 新 吾
 以下、各部局次長・事務局長・財政課長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 西 畑 彰 久
 次 長 中 西 俊 二
 議事課長 佐 竹 欣 司
 議事課副課長 島  光 正
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主査 山 本 保 誠
 議事課主事 大 浦 達 司
 総務課長 塩 路 義 和
 調査課長 湊  孝太郎
 (速記担当者)
 議事課主任 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田  繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
 ─────────────────────
 午前十時三分開議
○議長(町田 亘君) これより本日の会議を開きます。
 ─────────────────────
 【日程第一 議案第一号から議案第八十七号まで】
 【日程第二 一般質問】
○議長(町田 亘君) 日程第一、議案第一号から議案第八十七号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 11番向井嘉久藏君。
 〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 おはようございます。議長のお許しをいただきまして、通告に従って一般質問をさせていただきます。
 私の本日の一般質問は、産業廃棄物についてでございます。
 産業廃棄物──今この悪魔に日本じゅうが、行政も国民も振り回されております。行政のちょっとしたすき間に入り込み、関係地区住民の身も心もむしばみ、多くの時間と労力、また資金を食う悪魔は、行政の初期段階での対応のまずさと地区住民のそれに対する取り組みのおくれが致命傷となるのであります。これだけ地区住民が苦しんでいる事件にもかかわらず、いまだに土地を売る人、その仲介をする人等、産廃ブローカーと言われる人たちの暗躍が後を絶たないのであります。人の心の中がわからない、これが私の偽らざる心情でございます。住民のうめき声が聞こえても退治することが難しい、それが産廃という悪魔であります。
 私の産廃に関しての一般質問は三度目であります。第一回目は平成六年十月六日、橋本市中道地区で無許可による産廃処分に係る事件でありましたが、警察当局のご協力をいただいて責任者が検挙されております。第二回目が平成八年七月四日、現在問題となっております橋本市菖蒲谷地区のN工業所産廃処分場であります。今回も、この処分場について質問をいたします。また、幾つかの提言もいたしたいと存じます。
 事件が起き始めてから一年余り、その間に地元住民からの苦情、要望、質問等が多く出されておりますが、回答と実態とのギャップが大き過ぎるのであります。
 そこで、N工業所許可処分の是非について検証いたしたいと思うのであります。心情に訴え、情にすがって訴えるのも一つでございますが、産業廃棄物というのは法律に基づいて許可されております。許可する方も、法律が大きな盾であります。そういう、法律に基づいて許可されたものに心情で訴えたりするやり方をやってもなかなか解決しない。そういう意味で、廃掃法に基づく違反があるんじゃないか、また建築基準法に基づく違反があるんじゃないかということで、法律に基づいて私なりの検証をし、当局のご回答をお願いするわけでございます。
 その前に今までの経過をもう一度振り返ってみますと、株式会社N工業所は、二年くらい前から橋本市野地区で建設廃材等で、また一部自己処分名目で無許可埋立処分をする一方、同所において産業廃棄物の廃プラスチック、紙くず、廃油等の野焼きをしておりました。その後、持ち込み焼却炉で焼却処分をしております。その結果、悪臭、黒煙、目、のどを刺激する異臭、火災の発生、ハエの大量発生、カラスの被害等々が相次ぎ、苦情が多く出されております。
 橋本市消防署取りまとめの火災・消防事故報告書では、火災一件、消防事故出動八件であります。また、同署が実施していた長期現地調査でも、深夜の作業並びに焼却、焼却炉以外での不審火、黒煙等々が確認されております。
 昨年十月十七日には、とうとう近隣の主婦が健康被害で入院されました。病名は、薬物中毒であります。この主婦宅では、子供さんも通院しております。また、自宅での生活を放棄して、現在は市営住宅への入居を余儀なくされております。現在の通院者は二十二名と聞いておりますが、いずれの人も薬物中毒の治療を受けております。動物にも被害が出ております。わけても臭覚がよい犬が被害をこうむり、顕著にその症状があらわれております。食べた物を戻す。また、薬物中毒が死因と思われる犬が二匹死亡しております。
 私の前回の一般質問では、なぜこのような許可を与えたのかとただしたのに対し、「既に設置されていた焼却炉からの悪臭等による苦情があり、早急に公害防止装置である二次燃焼装置と排ガス処理設備を設置させなければならないため許可を取得させたものでございます」、こういう回答をしていただいております。
 県はたび重なる違反に、最後通告とも思える廃掃法第十九条の三の規定による措置を平成八年九月十日付で命じております。その内容は、一、直ちに産業廃棄物の搬入を中止すること、二、直ちに夜間における産業廃棄物の焼却を中止すること、三、燃え殻について、別に指示する日までに適正な保管場所を設け保管するとともに、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の規定に基づき処理すること、四、県の指導のもとに、煙道排ガス中の大気検査及び施設からの排水の水質検査を実施し報告すること、このように命令しております。措置理由としては、産業廃棄物処理基準及び産業廃棄物保管基準に適合していない処分が行われているためとしております。また、別に地元産廃反対地区役員に出されている文書には、文書で強く指導する、それでも改善されなければ改善命令、許可の取り消し等の行政処分をする、このように回答しております。その後も、再三の指導にもかかわらず業者は改善せず、住民からの苦情が多発しております。大阪大学の森住先生の言葉をかりれば、このような許可前も許可後も違反を繰り返す業者は三十年ほど前には多くいたが今では非常に珍しいということであります。
 県は平成七年六月五日に宅造法に基づく開発許可を出し、六百八十四戸・二千五百人が住む宅地造成が始まっております。この地から三百メートルしか離れていない近隣地に、平成八年四月三日付で産廃処分業許可を与えました。宅造の完成が近づいた平成九年二月七日、宅造会社は良好な住環境の保障ができないとして、宅地・住宅販売の一時中止を決めました。このことは、宅造会社の損害だけではなく、橋本市が昨年十二月に長期計画の見直しを行いましたが、支障を来すのは明白であります。また、ほかにも近隣地で五百戸の宅造が進行中でありまして、将来この地は市街地として発展するところで、その真ん中に処分場が位置することになります。
 以上が、今までの経過であります。
 以下、順次質問をしてまいります。
 一、許可を与えたこの処分場の立地場所が、果たして産業廃棄物処分場として適地なのか、また廃掃法に基づき申請者が技術的に具備していればどのような場所でも許可を与えるのか。
 二、廃掃法では、第十五条第一項の施設の許可に際しては、同第二項一号で施設技術基準等を定め、これに適合することを求めております。具体的基準としては、施行規則第十二条及び第十二条の二項に規定しております。一、焼却施設から排出される煙から有毒ガスを除去するスクラバーは設置時から故障しており、県はこれを指導しております。二、現在もそうでありますが、廃棄物の山は野ざらしでハエの大量発生──これは新聞で既に報道されたとおりでございます。焼却施設を初め、保管施設や排水施設は不法な状態であります。県・市の担当者も認めておりますように、許可当時から明らかに法の定める技術基準に達しない業者であり、違法であると思うのであります。このことについて回答をいただきたいと存じます。
 三、廃掃法第十四条第一項及び第四項の処分業の許可に当たっては、第十四条第三項第二号及び第六項第二号で申請者の資質等に問題はないのか審査を求めております。その不適格要件といたしまして、業務に関し不正または不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者を挙げております。この業者は、「おそれ」ではなく業務に関し不正または不誠実な行為を行っている者であり、不適格者そのものであると思うのでありますが、このことについてご回答をお願いします。
 四、廃掃法第十五条第一項で許可を要する産廃最終処分場は、令第七条第十四号に規定して三つに分けておりますが、当該事件については処分場三千平方メートル以下の処分地として許可されております。しかし現場は、一見して二倍以上あるように思います。
 そこで質問いたしますが、手続上は三千平方メートル以下として取り扱われているが計測の必要があるのではないか、また申請者が記載した数値をもってよしとするのか。三千平方メートル以下であると申請すれば、どう見てもそれ以上あると思われる処分地であっても三千平方メートル以下であると認めていくのか。
 二つとして、焼却炉の燃え殻は管理型最終処分場での埋設を法で定められており、当該事件地で埋設をしているのは法に違反していると思うが、いかがでありますか。回答をお願いします。
 五、産業廃棄物を業とするため申請する者は、建築基準法に定める第五十一条等で規定している申請をし、許可を受けなければならないが、私の調査ではこの業者は申請をしておりません。
 そこで、質問いたします。
 建築基準法では廃掃法第十五条第一項の許可を要する産廃処理施設について、最終処分場は除きますが、第五十一条で「卸売市場、火葬場又はと畜場、汚物処理場、ごみ焼却場その他の処理施設の用途に供する建築物は、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ、新築し、又は増築してはならない。ただし、特定行政庁が──この場合は県に当たりますが──都市計画地方審議会の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合又は政令──百三十条の二──で定める規模の範囲内において新築し、若しくは増築する場合においては、この限りでない」と定めております。
 卸売市場等、いずれも都市の中に必要なものでありますが、同時に周辺環境への影響が大きいので、都市内のどこに配置するかを十分に検討しなければなりません。そこで建築基準法は、原則として都市計画で位置を決定していない場所に建築してはならないと規定しております。そして、この規定だけでは建築物に適用されるだけとなり、建築物の建築が伴わない施設だけの場合には適用されないことになっておりますので、法は、施設だけの築造であっても法第五十一条の規定を準用し、原則として都市計画で位置の決定していない場所には築造してはならないと規定しているのであります。なお、その他の処理施設は、昭和四十七年十二月八日付、建設省住街発第九十号通達で廃掃法第十五条第一項の許可を要する産廃処理施設、すなわち廃掃法施行令第七条の施設を指定しております。
 そこで、当該施設でございます。これは橋本市都市計画用途地図より調べましたが、当該事件地は橋本市都市計画区域内に位置しております。用途地域は、指定なしで建ぺい率七〇%、容積率四〇〇%となっております。また都市施設は、位置の指定がございません。
 以上により、建築基準法第五十一条のただし書き許可を受けていない限り、当該事件地での建築または築造は違法と考えます。廃掃法に基づく三つの許可は、行政庁自体が許可以前からの実態違反、手続違反であると思います。仮に廃掃法に基づく三つの許可申請が提出された場合でも、法的にも不許可処分にするのが当然であります。ましてや建築基準法第五十一条で、周辺環境への影響大で、都市内どこに配置するかを十分に検討しなければならない施設を、廃掃法に違法状態のまま、法に定められた手続を省略して──事前手続でございますが──許可をしたことはまことに残念であります。この許可は無効であると言わざるを得ないのであります。これについて回答をお願いいたします。
 また、土木部長にお尋ねいたしますが、建築基準法第五十一条に対する考え方と都市計画地方審議会の重みについてお伺いいたします。
 当該工業所から申請は出されているのか、もう一度確認をいたしたいと思います。
 以上、法に基づき当該事件処分場について検証をいたしましたが、すべての面で違法であり、即時操業中止、許可の取り消しを決断されるように望むものであります。
 ここで、提案を申し上げたいと思います。
 一として、現在、産廃の処分を業として行いたいとする者は、廃掃法に基づいて所定の書類を備えて手続を済ます、それが技術的に具備しておれば県はこれを許可する、こういうことになっております。しかし、その許可をする場合、だれがそれを審査し許可しているのかということであります。私も三回目の質問になりまして、その辺のところも勉強もさせていただき、お聞きもしましたが、担当の方三人ほどで決めて、書類上問題ないなということで許可をしているようであります。
 そこで、一つ提案をしたいのでありますが、今まで県は、難しい問題を伴うようなものは、学識経験者等で構成する委員会等を組織し、ほとんどそこに付託しており、知事への回答を待ってそれを参考にしながら許可を与えております。産業廃棄物の処分を業とする申請の許可を検討するときは、学識経験者等で構成する委員会を組織し、これに付議し、知事はそれを参考にして許可すべきだと思いますが、こういう組織をつくる用意があるのかということを、まず一点お伺いをいたしたいと思います。
 二番目として、産業廃棄物は本当に難しい問題でございます。私たちが出す一般廃棄物も、自治体において私たちが出した税金によって処理されておるわけでございます。産業廃棄物というのは、物を売るためにメーカーがつくった、そこで出てきた廃棄物であります。私たち一般家庭から出されたものが業者の手に渡れば、これもまた産業廃棄物です。
 例えば、車をメーカーがつくって、何かの理由で市場に出せない、それを処分するときは産業廃棄物です。私たちがメーカーからその車を買って自分が処分するときは一般廃棄物、車の買いかえ等で車を下取りしていただいて、その車が処理される場合は産業廃棄物、こういうことだそうでございます。したがって、ほとんどのものが産業廃棄物になり得るわけでございます。
 この処分場がなければ、これまた大変であります。しかし、一般の処分を業とする方に任しておけば──特に、この橋本市の菖蒲谷地区周辺人口を合わせると何千人という数字になりますし、また一千二百戸の新しく住民となる方々を迎えるわけでございます。こういう何千人という多くの方々の迷惑の上に立って商売をする、これは許されないことだと思うのであります。そこで私は、産業廃棄物処分場を県、市等自治体で設置していただきたい、このように思うわけでございます。
 実は、五年以内に橋本市の中心市街地の再開発が始まります。そうすると、ほとんどの家は解体をします。そうすると、相当量の廃材が出てまいります。この処分にも困るわけです。今のままでは、この事業すら思うようにいかないということでございます。そこで二番目として、自治体等での処分場の設置を検討していただきたいなと提案をするわけでございます。
 これで私の第一回目の一般質問を終わらせていただきますが、現在の廃掃法では、手続がすべて法律に基づいて完備しておれば行政はどうしてもそれを拒否することができない形に定められております。しかし、今国会に地元の意見も聞くことを条件とした新しい廃掃法が出るわけでございます。これに期待をしておりますが、現在既に操業している産廃場はこの対象にはならないということでありますので、私は幾つかの問題点を法に基づき検証させていただきました。地区住民の皆様方が、夏でも窓を閉め切り、マスクをして暮らさなければならないような生活から一日も早く解放されるように県のご努力をお願いするわけでございます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(町田 亘君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 向井議員にお答えをいたします。
 橋本市の産業廃棄物問題につきましては、大変ご心配をおかけしてございます。私も、現地の住民の皆さんからいろいろお話を聞くにつけ、大変心を痛めているところでございます。現在、一日も早い野積み状態の解消に向け、地元橋本市と協調を図りながら職員を督励し、鋭意取り組んでおるところでございまして、今後の対応策についても協議を重ねているところでございます。
 県といたしましては、今後の産業廃棄物問題の取り組みについて、公共関与のあり方、環境行政組織のあり方など種々検討を進めておるところでございます。議員からご提言のございました学識経験者などを含めた許可審議会の設置などについては、目下、法改正の動きもございますので、これらも見ながら貴重なご意見として受けとめさせていただきたいと思っております。
 また、県、市等自治体による処分場の設置についてであります。
 かつて環境保全公社において調査検討を行ってきたことがございますけれども、最終的には適地がなかなか難しいということもございまして大変困難なこともあるわけでありますが、今後、県、市等の自治体処分場の設置についても、市町村などの協力を得ながら検討をさせていただきたいと思っております。
 以上であります。
○議長(町田 亘君) 生活文化部長中村協二君。
 〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 向井議員にお答えをいたします。
 産業廃棄物につきましての五点についてお答えをいたします。
 産業廃棄物処理施設は、現行法では定められた技術上の基準に適合しているかどうかを審査し許可することになっており、周辺の土地利用との関係は審査対象とされてはございません。しかしながら、今国会に提出される予定の廃棄物処理法案には施設の設置手続として、生活環境調査の実施、関係住民や関係市町村の意見を聴取する手続等が盛り込まれると聞いてございますので、今後は設置場所の適地性についても判断することになるものと考えております。
 二番目は、廃掃法第十五条第一項、同条第二項第一号の産業廃棄物処理施設の許可における技術上の基準についてでございます。
 許可以前は法定規模に達しない焼却施設で自家処理をしていたものであり、公害苦情が多発している状態であったため、法律に基づき厳しく指導する方が適当であると考え、排出ガス処理装置を設置させた上、許可を与えたものでございます。
 産業廃棄物処理施設を平成八年三月七日に許可し、三月二十五日に使用前検査を実施いたしましたが、その時点では違法状態ではございませんでした。しかし、その後、排ガス処理設備が故障し、また梅雨時を経過して廃棄物の保管場所からハエが発生するなど処理基準に不適合な状態に至りましたので、法に基づき厳しく指導するとともに改善を命じ、所要の対策をさせているところでございます。
 三番目は、廃掃法第十四条第三項第二号及び第六項第二号での申請者の資質等についてでございます。
 産業廃棄物処理業の許可申請者が、一定の不適格条項に該当する場合、許可をしてはならないこととされてございます。この不適格条項のうち、議員ご指摘のいわゆる「おそれ条項」につきましては、平成五年の厚生省からの通知によって極めて限定的にしか適用できないこととされてございます。通知では、過去において繰り返し許可の取り消し処分を受けており、許可を与えても再度取り消し処分を受けることが予想される場合などが例示されておりますが、当該事業者はこの規定に該当しないものと認識をいたしております。
 四番目は、廃掃法第七条第十四号イ、ロ、ハに係る三千平方メートル以下の許可と実態把握と埋め立てについてのご質問でございます。
 当該事業者は、焼却処理を行う中間処分業者として許可したものであり、現在、家屋等の解体廃棄物をふるい分け、プラスチックや木くず、紙くず等の可燃物を焼却し、その燃え殻を県外の民間処分場に搬出するとともに、可燃物を取り除いた土砂を当該敷地内に埋め立てているものでございます。当該事業場は廃棄物最終処分場として許可を与えているものではなく、したがって面積要件はございません。
 五番目の、建築基準法第五十一条との関連についてでございます。
 一番目のご質問にお答えいたしましたとおり、廃棄物処理法では一定の技術基準を満たすことを許可条件とされてございます。
 また、二番目のご質問にお答えいたしましたとおり、本件については、黒煙や悪臭等の公害により問題となっていた焼却炉を廃棄物処理法に基づき対策させるために許可したものであることをご理解いただきたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 向井議員にお答えいたします。
 まず、ご質問の建築基準法第五十一条に対する考え方でございますが、同条に列記されているもろもろの施設は、いずれもなくてはならない供給処理施設であると同時に、周辺の環境に大きな影響を及ぼすおそれのあるものでございます。したがいまして、都市における供給処理計画の面からも、また周辺地域の環境維持の面からも、都市内におけるこれらの施設の配置については都市計画において十分検討されたものでなくてはならないものと考えております。
 また、都市計画地方審議会の重みについては、建築基準法第五十一条に定められた特殊建築物に該当する施設となれば、当然、都市計画地方審議会の議を経た後でなければ建築することができないこととなっております。
 議員ご指摘の件については、法第五十一条に基づく許可申請は出されておりませんが、同条に抵触する場合は関係部局と協議しながら指導してまいりたいと考えております。
 以上ございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 11番向井嘉久藏君。
○向井嘉久藏君 答弁ありがとうございました。
 産業廃棄物というのは難しい問題でございますのでご答弁もしにくかろうと思いますが、私は次の何点かを要望しておきたいと思います。
 一つは、現在問題になっているN工業所は大阪府堺市平井に本社がございます。泉北ニュータウンの近くでございますが、この泉北の道路沿線にあると聞いております。そこの本社の中に、仮置き場というんですか、産廃物が山となっておりまして、現在満杯状態になっております。地元から相当な突き上げがあるようでございます。そういうふうなことで、この工業所の処理場は橋本市菖蒲谷にあるわけですから、そこで処分するから、もうちょっと待ってくれと、恐らく地元にそういう言質を与えておるのではないか、こういうことを間接的に聞きました。そうすると、約束している、これ以上搬入するなということがほごにされるおそれがある。したがって、我々地元民、県、保健所はこの監視を怠ってはならない、このように思っております。
 もう一つは、県の担当は法をよりどころとして許可を与えております。一つでもその法に背いて許可をおろしてはならんと思いますし、当然のことでありますが、業者にもその行政指導をしておると思っておりました。残念ながら、法をよりどころとして仕事をしている部門で、一部法を省略してしまった部分があるわけです。それが、建築基準法第五十一条に定める申請であります。この五十一条の中でも、例えばプラスチックは一日に〇・一トン、すなわち百キロ未満の処理であれば届け出は要りませんよと規定はしております。しかし、申請をされて初めてわかることでありまして、現在は申請をされておりません。こういう、法に基づいて許可を与えるところが、その一部といえどもそれを省略してはならないと思います。これについては今後とも、こういう仕事をされるところは、やっぱり決められたものは守っていく必要があるのではないかと思います。
 次に、地元民への人格権、また健康で暮らす権利、これらを侵しておると思います。憲法で保障されているところの、日本人としての大切な基本的な部分が侵されておる。それでも、廃掃法に基づく手続がされればどこでも、場所を見なくても許可をおろしていいんだという感覚が私にはわからないのであります。
 もう一つは、地元でも最終的には裁判で事の決着をつける用意もあるという選択肢を考えております。でき得るならば、こういう事態を避けていただきたい。避けるように県はすべきである。なぜならば、法律に基づいて裁判所の判断でやるという場合は、地区住民ひいては県民何千人が県への信頼をなくしたから、そういう意味で裁判をするわけです。しかし、まだ住民は県への信頼を失っておりません。どうかこのことに県はこたえていただきたい、これをお願いいたしまして、一般質問を終わります。
 要望といたします。
○議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
○議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 42番冨安民浩君。
 〔冨安民浩君、登壇〕(拍手)
○冨安民浩君 通告に従いまして、順次質問を始めたいと思います。 まず地方分権について、いささか現在の潮流について私の考え方なりを申し上げ、知事並びに担当部長の答弁を求めるものであります。
 明治以来百三十年間という長きにわたり、国づくりの過程で大きな成果を上げ、特に戦後の文字どおりのゼロとも言える廃墟から、中身はともかく、今日、世界に冠たる経済大国として我が国が復興し得たのは、中央集権システムの強いリーダーシップがなし得た功であることは異論のないところであります。しかしながら、ふと気がついてみると、さまざまなマイナス面が多く出てきた、行き詰まってどうにもならない。そんな結果、現象が生じてきた。権限が余りにも集中し過ぎ、また多様化する行政需要にこたえるために行政機構が余りにも肥大化したり複雑化してきた。また、スピードに対応し切れない。東京一極集中が示すとおり、均衡ある国土形成をうたいながらも、地域間格差が生じ、また大きくなり、過疎過密を引き起こし、国家財政は借金財政を余儀なくされる危機的様相を呈しているのが今日であります。豊かになったとはいえ、実感が伴わない。こうした行き詰まり状況から脱却しないと国がもたない。もう一度、日本国のそれぞれの地方が自力で力を持ち、国全体の底上げをして活力を持たせたい。言うならば、国家に何をしてくれるのかというのではなく、それぞれの地方は自立しなさい、また国家のために何をなし得るのか、そうした発想、目的で、私はここが一番肝心な点だと思いますが、中央集権というシステムの中で考えている人たちが今日的中央集権システムの限界を感じ、時あたかも行政改革論議の世論の高まりを受け、もともと自治関係団体が長い間要求し続けてきたことでもあり、新しい国づくりを方向づける地方分権というシステムとして、平成七年七月、地方分権推進法が五カ年の時限立法で施行され、にわかに現実化されようとしています。
 私は、今なぜ地方分権という流れが急速に現実化してきたか、その切り口について地方政治に携わる者が、お互いにそのバックグラウンドをきちっと把握せねばならないと思います。国家存立の基盤は防衛、外交であることは申し上げるまでもございませんが、もう一つの大きな基盤をなす国家財政、これが危機的状況で大きく揺らぎ始めて解決の手だてがない。その解決策として地方分権が現実化してきたと考えるものであります。
 戦後の対外依存による右肩上がり基調の我が国経済が、外圧によりその経済運用体質の変更を余儀なくされて中曽根内閣において大きな転換をし、それまで築いてきた民間の富の蓄積を活用する内需振興という経済運用体質にシフトいたしました。しかし、その目的とするところがかなわず、ご承知のとおり、結果としてバブルを引き起こし、その後遺症をいまだ引きずり、今日、政府関係の月例経済報告または予測は、月は変われど、発表時期が異なれど、中身は「緩やかな回復の兆しが見えるが、いまだ先行き不透明」、こうした報告になっています。景気が悪いと税収が伸びない、予算を組むのが大変だ、予算を組むために赤字国債の借金に頼る、それでも足りない、消費税率をアップする。まさに、場当たり一時しのぎ政策に終始しているのが現状でございます。
 この際、一つの大きな改革に乗じてこの基調を変えようという中で、地方分権が本格的に現実化されようとしていると思うものでありますが、知事のとらえ方はいかがですか。だとするならば、地方に対してもこの大きな変革の流れに乗せ、財政面のしわ寄せが来ると思いますが、西口知事の忌憚のない所見を求めるものであります。また、その所見に対し、知事は本県の県政推進最高責任者としてどう取り組まれるか、答弁をお願いいたします。
 地方分権推進により機関委任事務の廃止が打ち出され、地方みずからが地域における青写真を、みずからの手で、みずからの責任で描ける道が開けるわけですが、本県における人的配置、能力開発等についての対応状況を担当部長にお尋ねをいたします。
 また昨年暮れ、第一次勧告の席で地方分権推進委員会諸井委員長は「分権の対象は人口五万人以上の市、ここに人口の七〇%が住んでいるわけですから」と発言されていて五万人未満の市町村のことには触れられておりませんし、過疎地という言葉は一カ所しか見当たらない。税財政配分はこれからの論議とはいえ、高齢化、過疎化に病む過疎町村にとって心配、不安が多い勧告をどう受けとめるか。財政能力の充実強化のために「市町村の自主的合併を一層強力に推進する必要がある」とも述べられているが、所見は。
 また、地方分権推進と同時並行で実施される行政改革を検討する政府行政改革小委員会がまとめた基準には、次のように記されています。「地域間の格差を是正するための所得再配分を目的とする施策からは原則として撤退する」と言われております。財政力の弱い町村にとって、交付税や起債は予算編成の中で極めて重要な部分を担うだけに、交付税や起債にこの基準が適用されないか心配されますし、高齢化、過疎化の諸問題を抱える町村の多い本県としては状況が大変厳しいということを認識の上、もちろん地方分権推進委員会の勧告どおり実施されるわけではないですが、地方分権推進委員会の今後の勧告内容に十分注視し、その周知方に努めていただくようお願いいたします。
 次に、今、金融界に大きな改革が行われようとしております。まさに金融制度改革であります。その金融制度改革実施に伴う本県の金融機関への影響等について、商工労働部長にお尋ねをいたします。
 私は今、日本の経済社会は大変な変革の時代を迎えているのではないかと思っています。次なる二十一世紀も、我が国が世界の経済一流国であり得るかの浮沈をかけ、日本が対外貿易の中で勝ちゲームばかりで蓄えた資産──これが対外摩擦問題を引き起こしたわけでございますが、その資産を日本国内だけに置かずに世界の自由市場に出せという米側の強い要請もあり、金融市場を段階的かつ急ピッチで内外の垣根──業種間の垣根もそうでございますし、国外の金融機関が国内に入ってくる、そうした垣根を取り払う抜本的な改革すなわち金融制度改革が、外為法改正を皮切りに、いよいよ本格化し始めようとしております。
 かつて世界の市場とまで言われた東京市場も今や空洞化し、その空洞化に対する危機感も限界点を超え、水が高いところから低いところに流れるがごとく、マネーは最も効率的で使いやすいマーケットへと向かっていく。アメリカのニューヨーク、イギリスのロンドンに見られるように、各国とも大変な犠牲を出しながら金融機関の体力強化に努め、かつ自国マーケットを規制の少ない、ユーザーにとって魅力的なマーケットにすべく、さまざまな金融改革を行ってきています。その結果、日本の金融機関が提供する商品、サービスはもちろん、日本の金融・資本市場そのものの魅力が、各国に比べ相対的に見劣りしてしまったというのが現状であります。我が国の金融資産も、海外市場や外国金融機関を選択し始めており、東京市場は制度改革をしないとますます空洞化しかねないし、日本経済も成長期から成熟期を経て低成長時代を迎えた今日、金融システムに求められる機能の重点が変わってきている点が指摘できます。二十一世紀には世界一の高齢化社会に突入するだけに、一千二百兆円とも言われる我が国の個人金融資産──ちなみに米国は一千八百兆円と言われますし、日米合わせると世界の六割を占めるそうでありますが、その金融資産を有利に運用するという課題を果たし得る金融システムづくりが急務であり、そうした金融システムができ上がってこそ市場は国民経済的に期待される役割を全うできるわけです。
 これまで日本の金融システムは、産業に対してできるだけ低金利で、かつ安定的に資金を提供することが求められてきましたが、今後は国民の金融資産をいかに効率よく、安全かつ有利に運用するかという点も求められています。日本の金融・資本市場の国際競争力を回復させ、ニューヨークやロンドンと同じように魅力あるマーケットとして再生させてこれらの諸問題に対処していくためには、いわゆる護送船団方式と言われるような、予防的で市場参加者の創意工夫と自己責任の芽を摘んできたのではないかとの批判がされている法体系や、行政指導、商品開発、取引を促進するような枠組みになっていない会計、税制、各種規制を全面的に見直す必要があります。これが我が国の金融制度改革であり、期限も二〇〇一年四月と決められ、前倒し実施すら検討されています。
 日本の金融機関も、バブルの後遺症をいやす間もなく、まさにサバイバルが始まろうとしております。こうした制度改革実施を念頭に置き、国の景気対策のもとでの超低金利誘導の中でバブル後遺症いやしをほぼ終えようとしている強い都市銀行はともかくとして、バブル後遺症を引きずる体力の弱い我が国の大多数の金融機関にとって、バブル後遺症が例えば先制パンチとなるならば、制度改革の項目一つ一つが実施されるたびにそれがボディーブローの連発となり、持ちこたえられるのかどうか。とにもかくにも、次なる二十一世紀も我が日本が世界の経済一流国であり得るかどうかの浮沈をかけた金融制度改革が、今まさに外為法改正を手始めに動き出そうとしています。
 そこで商工労働部長に、以下の二点についてお伺いをいたします。
 県は、この大きな改革をどのように見ているか。また、外国資本が国内に進出してくると、本県の金融機関への影響は。また、金融機関が動揺を来すと県内取引中小企業も大変大きな影響を受けるわけですが、その対策はどうか。
 次に、昨年来の阪和銀行の破綻による県内影響の大なるにかんがみ、県は少なくとも、あらゆる方法を駆使してでも県内金融機関の状況を最低限把握し、国に求めるべきは求め、言うべきは言い、県としての対応も考えていくべきだと考えるがどうか。
 処理スキームも十分とは言えない中での金融大改革、木津信の預金者に対するペイオフで底をつき、阪和銀行のそれは日銀の特融に頼らざるを得ない預金保険機構のありさま──この金融大改革は、国内の金融機関の数を少なく見積もっても現在の二分の一にするとも言われておるわけでございます。監督指導官庁である大蔵省に、監督指導官庁の責任でもって第二の阪和銀行を出さないように対処すべくお願いをしたい。
 次に、有害鳥獣駆除についてお尋ねをいたします。
 戦後の経済至上主義進展の過程で、我が日本人が失いかけてきた心や地域連帯感が確かに残っている地域が山村地域であります。朝夕、登校・下校時の子供たちは、見知らぬ人々に対しても「おはようございます」「さようなら」のあいさつがあり、山村に伺い、そうした機会にめぐり会うたびに救われ、ほっとした気持ちを抱かされ、「頑張ってください」と心で励ましを送りたくなる、そんな気持ちにさせられます。
 山村は、森をはぐくみ、清浄なる大気、せせらぎから大河へと、命の泉を無限に生み続けているのであります。こうした自然の営みも、山村に住む人々によってもたらされているのであります。食糧難の時代には食料生産に励み、住宅の供給には、今日大幅に改善されたとはいえ、危険、汚い、きつい、いわゆる三Kと言われる木材生産に懸命に取り組んできたのも山村に住む人々であります。こうした大きな役割を果たしてき、今なお果たし続ける山村。
 林業産業不振の中で、そこに住む人々が、猿、シカ等有害鳥獣により生活権を侵害され、また美山村寒川地区では、クマの出没により生命権すら奪われかねない状況になっています。都会に住み、自然をこよなく愛する自然保護団体の皆々様、またこうした人たちの声援を受け頑張る環境庁自然保護局野生生物課の皆々様、山村で懸命に生きる人々の気持ちはわかりますか。絶滅の危機だとか、自然との共生とか、大変響きがいいですね。時たま動物園で、クマ、猿、シカを見、かわいいという思いで山村を見られては、いかに素朴、純真、従順とはいえ、山村の人々は耐え切れません。皆様は、山村に対し、山村が自然天然動物園であれとでも言うのですか。もとより山村の人々は、そうした鳥獣とも共生して生きてきたのであります。共生は拒みません。しかし、そうした鳥獣が保護の行き過ぎの余り、ふえ続けているのです。
 ここに、美山村のシイタケの生産状況を示し、その減少している原因が有害鳥獣の影響であるという資料が届いております。
 ちょっと数字を申し上げますと、シイタケは江戸時代の中期に駿河の国から伝えられたと記されております。その生産量を見てみますと、干しシイタケで平成元年度が二十八トン、平成五年度になると十七トン、平成八年度で十トンに落ち込んでおるわけでございます。生シイタケも、平成元年度で十五トン、平成五年度で六トン、平成八年度で四トン強。この数字が有害鳥獣の影響ばかりとは言えませんが、有害鳥獣の影響が多分にあるということを役場関係者は言っているわけでございます。
 そこで、生活文化部長にお尋ねをいたします。
 有害鳥獣駆除行政を、許可時期もあわせてもっとスムーズにできないものか。有害鳥獣の対象に雌ジカを加えられないか。また、平成九年度予算に知事のご配慮で計上していただいているクマの保護対策費四百四十万円の使い方の中身は。私は美山村の寒川地内で、知事の配慮でこの予算が計上されているということを申し上げたところ、冗談かどうかわかりませんが、多分、自然保護団体の実験体験ツアーにでも使ってくれるんでしょうと、こういうようなお話があるほどでございます。そうしたことに対する答弁をお願いいたします。
 なお、県のバックアップで日高川内水面漁業も大変充実発展をしてきていますが、最近、カワウの被害が随分ひどいようであります。組合関係者が大変苦慮しているということも申し添え、私の一回目の質問を終わります。
○議長(町田 亘君) ただいまの冨安民浩君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 冨安議員にお答えをいたします。
 地方分権についてのご質問でありますけれども、私はかねてから、県政究極の目標は、県民の皆さんが和歌山に住んでよかったと言えるふるさとを築いていくことだと申し上げておるわけであります。そのためには、みずからの創意と責任のもとに施策を展開できる体制づくりが必要であります。現今の国と地方の関係を見直しまして、地方の主体性を確立するという意味で、国から地方への権限移譲を行うなどの地方分権を推進することが必要であろうと考えております。
 こういった意味で、地方分権推進委員会が昨年十二月二十日の第一次勧告において、中央集権体制の象徴である機関委任事務制度の廃止を勧告されたことは、国と地方公共団体について、地方自治の本旨を基本とする対等・協力の関係の構築を目指したものとして一応評価すべきものと考えております。しかしながら、地方分権を真に実効のあるものとするためには、権限のみにとどまらず、財源の移譲が不可欠なことでございます。
 従来、国に対して事務量に見合う財源の確保を全国知事会等を通じて申し入れておるところでございます。昨年の十二月四日には、私自身も本県独自の取り組みとして地方分権推進委員会に対する要望を行ったところでございます。本年六月には、地方税財源に関する地方分権推進委員会の勧告が予定されておりますので、今後さらに強力にあらゆる機会を通じて働きかけを行っていきたいと思っております。
 以上であります。
○議長(町田 亘君) 総務部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○総務部長(中山次郎君) 地方分権についての三点にお答えします。
 まず、人的配置、能力開発等の対応についてでございます。
 機関委任事務制度廃止に伴う対応については、事務そのものは従来、県において処理してきたところでございますので、制度廃止により事務の執行上支障が生ずることはないものと考えてございます。むしろ、必要以上の国の関与がなくなることにより、事務処理が迅速化、あるいは県民サービスの向上につながるものと考えてございます。もっとも、機関委任事務制度の廃止は県の自己決定権の拡充と自己責任の拡大を伴いますので、県職員一人一人がこのことを明確に自覚することが肝要であると考えてございます。県としても、この新たな役割を担うにふさわしい行政体制を整備することが重要でございます。このため、ただいま取り組んでおります行政改革の主要テーマの一つとして、行政課題にみずからの責任において主体的に取り組んでいける組織づくりや、時代の変化に対応できる創造的能力と政策形成能力を有する意欲ある職員を養成するため、能力開発あるいは国、市町村、民間への人事交流等を積極的に行っているところでございます。
 次に、第一次勧告をどう受けとめるかということでございます。
 地方分権推進委員会は、地方税財源の充実確保については、地方分権を推進するための重要課題であると位置づけてございます。分権的社会は、市町村にとって新たな責任と財政負担を伴うものでありますが、地方六団体で協力してその推進に取り組んできたところでございます。今後も、税財源の充実確保等の地方分権の推進のため、地方にとって最も重要な事柄について知事会等を通じて要望してまいりたいと考えてございます。
 また小規模町村については、さらに効率的な行政運営を実施するため、市町村の区域を超えた広域行政の推進ということがますます重要になってくると考えてございます。第一次勧告においても、地域における行政を広域的な視点のもとに行うことの重要性を指摘してございます。その中の課題として、中心都市との連携あるいは都道府県による補完、支援等が課題として指摘もされてございます。県としては、地域の状況を勘案しながら、効果的な広域行政が展開できるよう、ブロックごとの検討会の開催など周知し、適切な指導に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、市町村の合併についてでございます。
 地方分権を推進するためには、行政施策を効率的に実施するための行政体制の整備が重要でございまして、市町村合併も広域行政と同様にその一方法であると考えてございます。
 市町村合併については、実質的な合併を推進するために、市町村の合併の特例に関する法律が改正されまして、平成七年四月一日から施行されたところでございます。合併という問題については、この前もお答えしたように、各地域の地理的、歴史的条件を踏まえて、住民の方々が判断されることが大切でございまして、住民発議など住民による自主的な合併が基本となってございます。今後とも、地方制度調査会の動向もございまして、時代の流れを的確に把握して適切な指導をしてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 商工労働部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○商工労働部長(日根紀男君) 金融制度改革二点のご質問にお答えいたします。
 まず、今回の金融制度改革の実施に伴い、本県金融機関への影響についてということであります。
 我が国の金融制度改革については、日本の金融市場を国際競争に十分対応できる自由で強固なものに変革することを目的として、現在、国において検討されてございます。昨年十二月二十六日、大蔵大臣の諮問機関である金融制度調査会から中間報告として論点整理が発表されましたが、同調査会において現在なお詳細について検討中であり、本年六月に最終報告がなされ、その内容が公表される予定と聞いております。このことは、金融の国際的な自由化、自己責任原則の徹底等、金融機関を取り巻く大きな変化の流れの中で避けて通れない課題であろうと思われますが、議員ご指摘のように、金融制度改革が実施されると、外国資本の進出に伴う競争激化や金融機関相互の再編等も考えられることから、本県の金融機関も少なからず影響を受けることが予想されます。また、このことによる中小企業への影響も十分予測できるところでございまして、全国的な問題として、その影響を最小限にとどめるための各般の方策を、国においてあらかじめ講じるよう強く要望してまいりたいと思います。
 次に、県内金融機関の状況をどのように把握しているかという点であります。
 金融システムや信用秩序の維持に関しては、国が一元的に行うべきであると考えておりますが、ご承知のとおり、普通銀行や信用金庫は国が、信用組合については国からの機関委任事務として知事が指導監督を行っております。現状では、国管轄の金融機関の財務内容等、種々の情報を把握することはなかなか困難な状況にございますが、県内の預金者及び中小企業を保護する観点から、国に求めるべきものは求め、関係機関との連携をより一層強めてまいる所存でございます。
○議長(町田 亘君) 生活文化部長中村協二君。
 〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 冨安議員にお答えをいたします。
 有害鳥獣駆除についてのご質問でございます。
 有害鳥獣駆除に係る取り組みについては、シカを初めとする野生鳥獣が農林水産業等へ被害を与える場合に、その対策としての有害駆除は野生鳥獣の保護との関係で大変難しい問題と認識してございます。基本的には、野生鳥獣が農作物等に頼らなくても生息が維持できる環境を確保していくことが必要であると考えてございますが、現に生じている被害については、防除措置を講じてもなお被害が減少しない場合、有害鳥獣として駆除することも対策の一つであると考えてございます。
 平成七年度では、雄ジカ、猿、イノシシ、ドバト等について五百五十四件の有害鳥獣駆除許可を行ってございますが、今後とも鳥獣による加害時期、農作物等の被害の実態に応じ、効果的に駆除できるよう対処してまいる所存でございます。
 なお雌ジカについてでございますが、平成六年度からシカの生息調査を行っており、被害の実態及び調査結果等を踏まえ、平成九年度以降、雌ジカの有害鳥獣としての駆除について検討してまいります。
 続きましてツキノワグマについての問題でございますが、ご指摘のとおり、昨年、美山村を初め県内各地に出没し、その対応に苦慮したところでございます。
 紀伊半島のツキノワグマは、環境庁のレッドデータブックにおいてその保護が求められてございます。県としては、クマの管理指針を作成して適正な管理を図っていく必要があり、平成九年度予算案においてこの指針作成のための予算をお願いしているところでございます。人身被害、農林被害の予防対策、生息環境の保全、整備方策等について、生息地周辺の地元のご意見を十分聞きながら検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 42番冨安民浩君。
○冨安民浩君 ご答弁ありがとうございました。
 有害鳥獣駆除問題について、生活文化部長にもっと踏み込んだ答弁をお願いしたかったわけでございますが、今の状況の中ではいささかやむを得ないかな、そんな感じをしております。
 ただしかし、山村に住む人々が、有害鳥獣によってまさに生活権を脅かされ、生命権さえ脅かされかねない状況にあるわけでございますから、その人々の声を十分聞いて行政に反映していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 それから西口知事にお願いをしておきたいわけでございますが、知事は日ごろ「変革の時代」とよく口にされますし、まさに変革の時代だと思います。今、新しい時代に備えて、新しい制度やスキームづくりの過程だと思います。その過程における決断なり判断なりというのは、これからの新しい和歌山県づくりの中において大きな重みを持つわけでございます。
 先般、先輩議員の質問の中で、超過密とも言えるスケジュールに対応しておる──これは政治家の宿命かもわかりませんが、大事な問題に処しては、時には頭を空っぽにしてその問題に処す、そうしたことを良識ある多くの県民は望んでおると思いますので、そのことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
○議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で冨安民浩君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(町田 亘君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時二十八分休憩
 ─────────────────────
 午後一時三分再開
○議長(町田 亘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 47番和田正人君。
 〔和田正人君、登壇〕(拍手)
○和田正人君 通告に従いまして、四点にわたってご質問と提言をさせていただきたいと思います。
 まず、一点目のコスモパーク加太に関連してでございます。
 このコスモパーク加太の土地利用について、私は平成二年十二月議会、平成四年二月議会、平成五年六月議会、平成七年二月議会、平成八年二月議会、それぞれこの本会議場において提言をさせていただきました。特に、政府開発援助──ODAと言われておりますが──の窓口とその施設を誘致すること、常設展示館を建設すること等により海外援助の具体的な人、物、金、情報がこの窓口を通して進められるようにすることが、関空と和歌山を結び、県内の自然、温泉、先人の残された文化遺産を最大限生かせる誘客策となり、波及効果の大きさからも、多数の省庁にまたがるとはいえ、地方分権の具体的な取り組みとして困難を承知で他府県に先駆けて組織の一部でも誘致をする名乗りを和歌山県として上げられるよう強く提言いたしました。その都度、仮谷前知事、西口知事から答弁をいただきましたが、今、長引くペルー大使公邸での人質事件を考えるとき、改めて問われている海外援助のあり方について思いをいたすものであります。
 また、別の観点から、土地売却の前提ではなく、賃貸方式の採用により参加企業の経営条件をより幅広く求められるのではないか、賃貸による収入によって土地開発公社の金利負担を軽減していく手段ともなるがとの提言もいたしました。平成五年六月議会では、将来の有効活用のため県有地として一部を買い取っておくことも検討されるよう申し上げました。
 一方、平成四年度予算で十八億円、平成五年度、十四億五千五百万円、平成六年度、十五億円、平成七年度、十億六千四百万円、平成八年度、上期・下期で計八億五千二百万円を貸し付け、累積額は六十六億七千百万円の予算となっているわけであります。平成九年度においても八億八千七百万二千円を計上されていることに対して、現状から判断して基本的に賛成でありますが、この県政の大きな宿題となっている土地利用について、知事の決断をすべき時期が来ているのではないか。大阪湾ベイエリア計画に参画する和歌山県の柱とすべき地域であり、早期に事業着手を促進しなければならない紀淡連絡道の和歌山のかなめとして準備しなければならない地域であることなどを考慮し、さらに、全体構想実現に動き出した関西国際空港のインパクトなど二十一世紀の県益を展望し、私は昨年二月定例会において、具体的な取り組みとして現地の幹線道路施工に関連し、ゾーン整備について提言をいたしました。それは、和歌山ドーム人工スキー場建設が発表されて以来、この規模のみでは土地利用の点にしかならないため、和歌山ドームの周辺に民間レジャー産業に呼びかけてレジャー空間としてのゾーンを面整備することがより多くの誘客手段となること、人工スキー以外のレジャーを楽しみ体験する面が整備できれば老若男女を問わず幅広い誘客が対象となるメリットがあること、土地売却の前提ではなく賃貸方式も検討され、その収入によって土地開発公社の金利負担を軽減する手段としてはと提言をいたしたところであります。
 また、大学と医療機関の誘致を具体的な内容としてその考えを申し上げました。特に大学誘致については、私個人の立場から水面下でお世話をさせていただいた経過についてもご紹介いたしました。そのときの知事答弁をご紹介いたしますと、「現時点では、平成七年秋より着手いたしておる幹線道路網整備によって東西にほぼ二等分されるコスモパーク加太の西側区域には、スポーツ・レクリエーション、リゾート・観光、国際交流に係る施設立地を推進して交流型エリアとしての整備を、また東側区域につきましては、居住を基本としながら、研究等の企業活動あるいは公共施設等の場としての定住型エリアとしての整備を目指してまいりたいと考えておるところでございます。 今後の施設立地に向けての誘致活動の成果を踏まえながら、公共的利用としての総合運動公園を含め、スポーツ・レクリエーション施設整備に向けての取り組みも進めてまいりたいと考えております」、大学誘致については、「大学は、単なる高等教育機関としてだけでなくて、地方産業界など地域社会に果たす役割は大変大きいと思っております。県内の大学等の高等教育機関の充実は和歌山県の発展にとって欠くことのできない課題であると考えておりまして、特色ある大学等の整備を推進してまいりたいと考えております。 コスモパーク加太への大学誘致につきましては、今後とも積極的に取り組んでまいりたい」、以上が知事答弁であります。
 関連して、企画部長答弁をご紹介いたしますと、「コスモパーク加太につきましては、一部和歌山市の所有地もございますが、大部分は県土地開発公社の所有地となっています。 この所有地の賃貸利用についてでありますが、公有地の拡大の推進に関する法律、いわゆる公拡法に基づいて設立された県土地開発公社所有地の運用につきましては、その法の趣旨により、長期に及ぶものや堅固な建物を建設する等を内容とする土地の賃貸については一定の制約がございますが、保有土地の管理、有効利用の観点から基本的には賃貸が可能でございますので、今後の立地施設の誘致活動を行う中では賃貸等による土地の有効活用についても対処してまいりたいと考えてございます。(中略)コスモパーク加太計画の推進といった点や将来の公共用地の確保といった観点から、県有地としての先行的な買い上げについては関係部局と協議を重ねながら取り組んでまいりたいと考えてございます。(中略)コスモパーク加太への大学誘致の実現に向けては、今後とも関係の方々のご意見を十分に賜りながら、和歌山市と連携を図り、積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます」、省略した部分もございますが、基本的な部分の答弁をご紹介いたしました。
 その後の経過について、過日、尾崎和歌山市長と私は面談をいたしまして、この大学誘致について、官の協力とりわけ地元和歌山市の役割と協力について強く要請してまいりました。和歌山市の現状は財政的にも余裕のない厳しい状況であることは理解できますが、二十一世紀の和歌山を考えるとき、コスモパーク加太に大学の誘致が実現をすれば、はかり知れないメリットを生むことでしょう。第一期の構想として学校側は一学部三学科を計画しており、学部は総合社会政策学部、学科は観光産業学科二百人、人間福祉学科百三十人、仏教学科三十人を目途に、開設二年ないし三年後の第二期構想として二つの学科にそれぞれ政策研究所を併設する構想も持っているようであります。前提となる条件は、福山平成大学の公私協力方式で進めたいこと、第一期の敷地約五万坪を基本に、県並びに和歌山市に大学誘致委員会(仮称)を設立してほしいとされているところから、昨年秋から県、和歌山市の企画部を中心に誘致のための研究会を持っていただいてきたところであります。
 昨年二月定例議会で提言して以来、約一年を経過した今日の大学誘致に関する決断とその状況について、知事並びに企画部長の答弁を求めるものであります。
 関連して、和歌山ドーム計画の現況についてもあわせお答えいただきたいと思います。
 さらに、コスモパーク加太の将来に欠くことのできない拠点とも言える請願駅・和大新駅の建設促進に県としての取り組みが十分になされているのかどうか、また懸案であります東西幹線道路の現状について、企画部長の答弁を求めるものであります。
 二点目の、大阪オリンピック誘致に関連をしてということでお伺いいたします。
 大阪府議会の要請もございまして、今議会で全会派の賛成で大阪オリンピック誘致促進の意見書を提出する予定であり、近畿各府県の協力が欠くことのできない二〇〇八年に向けたこのオリンピック誘致は、顧みますと平成元年二月定例会において私は、前年に開催されたソウルオリンピックの状況報告とともに、一九六四年(昭和三十九年)に開催された東京オリンピックが果たした役割、新生日本を世界にアピールした実績、準備期間五年間を含め一都四県三十三会場での各競技の効果、九十四カ国・七千人の選手代表団の参加の様子、その受け入れ整備に、当時の投資で大会運営費や施設整備費等の直接費用が約三百億円、道路整備や新幹線建設を中心とした間接投資が約一兆円であったこと、参考までに、これら公共投資は数年前から実施され、その内容は、東海道新幹線工事、地下鉄整備、道路整備、上下水道整備、宿泊施設整備、放送・通信施設整備、私鉄の都心乗り入れ工事、清掃施設整備、中央線と環状七号線との立体交差工事、東京国際空港整備、隅田川浄化、横浜港整備等、実に多岐にわたって投資による整備が進められ、約五年間の公共投資額と波及効果額の総額は当時の金額で約二兆四千八百億円と試算されたことを紹介いたしました。このことが、その後の国際都市東京、一極集中の東京を具現する基盤づくりになったことは否定できないでしょう。
 私は、平成元年二月議会で仮谷前知事に、関空開港を機に近畿圏でオリンピックを誘致することを知事会議で提唱されるよう提言したのであります。あわせて私は、当時の宇野関経連会長にも、このオリンピック誘致について民間からの協力をお願いした経過があります。
 二〇〇八年の誘致を目途に大阪市と横浜市が名乗りを上げている現状から、周辺自治体住民がこぞってこの誘致に最大限の協力を具体的な行動として起こしていかなければ、誘致実現は困難だと思います。大阪湾ベイエリア構想のグランドデザインの一つの柱として盛り込まれているこのオリンピック誘致に、和歌山県としてどう参画するのか。東京の例を見るまでもなく、社会資本整備を進める絶好のチャンスでありますが、誘致運動に参画することは具体的なインパクトを受けることでなければ意味がありません。和歌山として競技種目を一部引き受ける、誘致をする積極的な姿勢を持ちつつ大阪市に協力をすることについて、また、誘致が実現することになれば、和歌山の持つ魅力を世界に発信する機会でもあります。おくれている社会資本整備を年次計画で進めること等について、知事並びに教育長の答弁を求めるものであります。
 三点目に、吉礼バイパス開通に関連してということでお伺いいたします。
 昨年十二月六日に、県道和歌山橋本線吉礼バイパスが開通いたしました。国道二十四号の代替道路として早期改良が望まれていたところであり、吉礼トンネルを含めて事業費二十五億円をもって完成し、開通後は、円滑な車両走行はもとより、地域住民の住環境や利便性の向上に大きく寄与しているわけであります。
 平成元年二月議会において私は、具体的な問題として、和歌山市内とりわけ中心部から阪和高速へのインターが無理であれば、簡易なランプ形式のインターの設置を早急に検討されたいと提起いたしました。当時の状況として、市内への進入路、環状的な機能を持つ道路がないため市内の東西を横断する道路の整備がおくれていること、東部からの交通と南を結ぶ道路が整備されていないことから森小手穂地内から県道和歌山野上線と接続するランプを設置されたいこと、東には前年春供用された和歌山橋本線と接続が可能であり、貴志川住民はもとより那賀郡の発展に寄与するのみならず、企業立地の促進、団地活用に大きく役立つものであること、また西には、国体道路との接続により紀三井寺競馬場跡地の医大、マリーナシティとの関連もあって将来有効なランプとして期待されること、料金の取り扱い、インターの区間距離、建設に伴う財源問題、あるいは地元和歌山市の事情等、検討すべき課題は十分理解していますけれども、吉礼バイパスが開通した今、この実現が大きなメリットを生むことは確実であります。海南・吉備の四車線化、南への延伸など、和歌山の幹線道路が整備されていく二十一世紀に向けて、県都和歌山市の中心部から、那賀郡から接続するランプの建設について積極的な答弁を土木部長に求めるとともに、建設促進に向けて具体的、効果的な行動は何か、伺うものであります。
 四点目は、代船建造設計委託に関連してであります。
 この問題は、地元勝浦に関係をする先生、東牟婁郡の先生などがいらっしゃいますから大変失礼に当たるかもしれませんけれども、いろいろと心配をした点がございますので、あらかじめご了承いただきたいと思います。
 平成九年新年度予算のうち、老朽化が著しい漁業取締船みさきの代船建造の設計委託として三百六十三万八千円を水産課で計上されていることに関連して、懸念される問題について質問をさせていただきたいと思います。それは、県が発注し、昨年九月十九日進水、十一月二十二日竣工した和歌山県の漁業調査船きのくにに関係する問題であります。
 本年二月十九日夕刊に、「造船会社『勝浦船渠』和議を申請」という見出しの報道がされました。記事の内容は、「日本有数のマグロ基地、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の造船会社『勝浦船渠』──通称・勝浦ドック──(山下浩司社長、資本金二千四百万円)が十八日、和歌山地裁新宮支部に和議を申請し、事実上、倒産した。二〇〇カイリ漁業規制などによる遠洋のマグロ漁の不振で船主からの集金が焦げついたのと、昨年十一月に経営破たんした阪和銀行(本店・和歌山市)の影響で資金繰りが悪化したとみられる。 東京商工リサーチ和歌山支店によると、負債総額は約二十九億五千万円。一九三六年──昭和十一年であります──創業で、紀南地方では大手の造成所。従業員約三十人。最近はマグロ、カツオ漁船の新造受注がほとんどなく、貨物船への転換などでつないでいたという」、以上が朝日新聞夕刊の記事内容であります。
 遠洋漁業の不振に対する対応など、私の後の木下秀男先生が提言されるようになってございますけれども、平成六年度予算で調査費を計上、平成七年入札の結果、漁業調査船きのくには勝浦ドックが受注したのであります。建造費六億四百六十一万円、契約平成七年十月三日、完成平成八年十月二十二日で、この県が発注した調査船きのくにを建造した勝浦ドックは、戦後、冷凍マグロの技術進歩とともに近海・遠洋漁船の建造ブームに乗り、昭和四十年代後半より昭和五十八年まで、三十九トン型マグロ漁船を中心に多くの新造船が進水したようですが、外国船とりわけ韓国、台湾の搬入が増加、バブルの崩壊、魚価の低迷、また漁獲量減少による航海の長期化等で遠洋漁業の業績悪化は全国的にも厳しく、建造、検査、整備ドック、外地修理等の支払いの長期化が造船所の経営を圧迫してきたのが現状のようでございます。県発注に伴う措置には、契約後の前払い、出来高払い、完工後の精算払いがあるようですが、この調査船きのくにの支払い経過について、また入札発注時の信用度調査はどうであったのか、伺うものであります。
 調査船という性格からも、船本体の建造費より航海計器、無線装置、調査観測機器等の費用が大きいと思いますが、これらのメーカーや納入業者では代金を受け取っていないところが、約八千万円をトップに数社あるようであります。和議申請後、これらメーカーでは、「勝浦ドックに信用不安があったけれども、県発注の官庁船建造であるから大丈夫だろうと納入した」との声がありました。民対民の単なる商取引で発注者の県には責任がないという事態でありますけれども、和歌山県の信用という点ではいかがなものか。平成八年十一月十一日に七千四百三十万円の精算払いを受けた後、約三カ月で和議申請をするという常識的には考えられない経営内容であったとすれば、発注時の信用度チェックのあり方や一〇〇%かぶっている債権者の立場や言い分は一体どうなるのか。新聞報道のように阪和銀行関連ということであれば、メーン銀行と言われている百五銀行との関係はどうなっているのか。
 不振が続いている和歌山県のマグロ漁船も、最盛期には遠洋、近海、小型を含め九十数隻を数えたと言われています。勝浦ドック関連の倒産が数社あると言われ、現在、操業稼働中の船を持つ事業主も含まれているのであります。今後の検査、整備、修理等はどうなるのか、県内産業の危機に具体的な政策が必要だと考えますが、いかがでありますか。
 また、きのくにを建造した勝浦ドックの現状から見て、官庁船に対する一年後の保証ドックはどうなるのか。別のドックでチェックをする事態になれば新たに予算支出を伴うことが考えられますが、この場合どうされるのか、お伺いするものであります。
 以上のように、勝浦ドックに関連して幾つか質問いたしましたが、予算計上されている漁業取締船みさきの代船建造については十分に検討を加えられるよう要望するとともに、官庁船建造に当たっての高知県などの対応を参考とされるよう申し上げ、農林水産部長の答弁をいただきたいと思います。
 先ほどお断りいたしましたように、地元勝浦に関係する東牟婁郡の先生方もいらっしゃる中で、あえてこの問題について触れさせていただきました。いろいろと地元ではご意見があるようであります。しかし、県内産業の一つとして本当に頑張ってこられた水産業、さらには造船にかかわる人たちの将来を考え、あえて質問をさせていただいたところでございます。
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(町田 亘君) ただいまの和田正人君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 和田正人議員にお答えをいたします。
 コスモパーク加太計画の推進についてであります。
 和田議員からは、今日までもいろいろのご提言をいただいてまいりました。お話にございましたように、この地域は将来的には非常にポテンシャルが高く、貴重な財産でもございます。今後とも社会経済動向に柔軟に対応しながら、各界各層のご協力を得まして、二十一世紀に向けた魅力ある町づくりの推進に取り組んでいきたいと考えております。
 お話の大学誘致もその中の一つでございまして、コスモパーク加太への特色ある私立大学の誘致につきましては、昨年の二月議会で議員にお答えを申し上げましたとおり、積極的に推進してまいりたいと考えております。
 もとより高等教育機関の整備は、若者の進学機会の確保、専門的知識・能力を備えた人材の養成、地域の学術、文化、産業の振興など、地域活性化を図る上で極めて重要であると考えております。今後、地元自治体としての協力のあり方など、幾つかの課題につきまして、和歌山市を初め関係機関と協議しながら、引き続き積極的に取り組みたいと考えております。
 次に、大阪オリンピック誘致に関連してであります。
 オリンピックは、申すまでもないことでありますが、世界の人々の相互理解と友好親善を推進いたしまして、世界平和の実現に大きく寄与するスポーツと文化の一大祭典でございます。
 西暦二〇〇八年にこのオリンピックを大阪市に誘致されることは、我が国のスポーツ振興はもとより、古くからの国際交流の歴史を持ち、また世界的な歴史遺産と文化を有する近畿圏を世界にアピールする絶好の機会であると期待をしておるところでございます。
 この大阪オリンピック招致に向けましては、これまで近畿二府七県三政令市で構成している近畿開発促進協議会で関係機関への要望活動を行うとともに、本年一月には招致支援の緊急決議を行ったところであります。また、私が現在会長を務めている近畿ブロック知事会でも、招致支援に向けての検討を行うことといたしております。
 大阪でのオリンピック開催は、本県の地域産業の振興はもとより、歴史・文化等の情報を広く世界に発信することのできる絶好の機会でもあると考えてございます。今後とも近畿圏との連携のもとに大阪市の招致活動を支援いたしますとともに、JOCの国内開催候補地の決定動向なども見守りながら、本県の果たせる役割、そのために必要な社会資本整備のあり方についても考えてまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(町田 亘君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 和田議員にお答え申し上げます。
 コスモパーク加太への私立大学誘致についての取り組み状況でございますが、昨年来、学校側から大学の基本的理念、開設構想、立地に際しての諸条件などの意向を聞くとともに、昨年八月には和歌山市との間で実務的な検討を行っております。議員ご指摘のとおり、公私協力方式が一般的な誘致条件と考えられておりますが、今後このような条件整備や他の諸課題について、和歌山市等関係機関と協議を重ねてまいりたいと存じます。
 次に、株式会社和歌山ドームが事業主体となって進めている人工スキー場計画につきましては、当初、平成九年夏ごろの開業を目途に進めていましたが、事業の基本計画等の見直しによる総事業費の検討に時間を要したため、現在のところ、本年六月ごろに着工し、平成十年度中の開業予定になっていると聞いてございます。施設につきましては、約七・五ヘクタールに全長約三百メートル、全幅三十六メートルから六十三メートルの規模で、人工スキー場とスノーランド、あわせてレストラン、駐車場等の附帯施設が整備され、約四十万人の年間入場者が予定されていると聞いてございます。県といたしましても、その計画の推進に向けて積極的に対処しているところでございます。
 次に、和大新駅の現況についてでございます。
 和大新駅は、コスモパーク加太はもとより、紀泉南丘陵地域の開発計画地や和歌山大学等へのアクセス交通機関として大変重要な役割を担うものと考えてございます。このため、県としても新駅の設置に向けて南海電鉄株式会社や関係機関に強く働きかけ、議員ご指摘のとおり、平成四年九月には南海電鉄株式会社より請願駅方式を前提に協議を進めてまいりたいとの回答を得ております。
 また、新駅設置には確実な需要が必要であることから周辺地での宅地開発等の具体化が不可欠となりますが、現在、新駅予定地周辺の民間事業者により組合施行による区画整理事業の準備も進められており、本年二月には施行区域の公告、縦覧が行われ、施行区域並びに地権者等が確定するなど、一定の進捗を見たところでございます。
 今後とも、県も参画して和歌山市に事務局を置いている新駅設置調整会議などを中心に関係機関相互の意見調整や連携を図り、早期実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、東西幹線道路についてでございます。
 東西幹線道路は、コスモパーク加太を初めとする紀泉南丘陵の開発計画地を結ぶ道路計画でございまして、開発区間相互の交通の利便性向上のためのみならず、和歌山市北部の基幹となる道路網を形成するためにも重要な道路であると認識しているところでございます。そのため、県では平成四年度から順次調査を進めてまいってございますが、この道路の実現には紀淡連絡道路のルート決定や民間開発計画の具体化が不可欠でございますので、今後とも早期に紀淡連絡道路のルート決定がなされるよう国に要望してまいると同時に、民間の開発計画の動向を見ながら引き続き関係部局と調整し、検討を深めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 和田議員にお答えします。
 吉礼バイパス開通に関連しての高速道路へのアクセス、ランプ設置についてでございます。
 高速道路へのアクセスとして新たなインターチェンジを設置することは地域の活性化を図るためにも有効な手段の一つでありますが、事業の形態といたしましては、一般的に開発事業者の負担により建設する開発インターチェンジによることとなります。この制度は、開発事業者が負担する建設費並びに供用後、日本道路公団が支出する維持管理費双方とも採算がとれることが前提であり、これに加え、アクセス道路の整備も不可欠となります。
 今後、地元和歌山市と協力して他府県の事例調査を行うとともに、地元の経済界とも連携しながらインターチェンジ設置の要件を満たすよう新たなプロジェクトの検討などを進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 農林水産部長平松俊次君。
 〔平松俊次君、登壇〕
○農林水産部長(平松俊次君) 代船建造設計委託に関連いたしまして、勝浦ドック和議の申請の件についてお答えいたします。
 漁業調査船きのくにの建造に際し、入札参加資格審査に当たっては、鋼船の建造実績、納税証明書、貸借対照表、損益計算書、利益処分計算書等の提出を求め、信用調査を行ったところでございます。その後、平成七年九月、県内業者五社による入札の結果、勝浦船渠株式会社が建造費六億四百六十一万円で落札したものでございます。
 支払い経過につきましては、平成七年十一月十四日に七年度前払い金として五千万円、平成八年五月二日に部分払いとして二億五千二百三十万五千円、六月二十日に八年度前払い金として五千万円、九月六日に部分払いとして一億二千万円、十月十四日に部分払いとして五千八百万円、十一月十一日に完成払いとして七千四百三十万五千円をもって支払いを完了してございます。
 次に、勝浦船渠の状況につきましては、発注時はもちろん建造中においても予想はできなかったことでございますが、議員お話しのように、同社から調査機器等納入業者に対する支払いがなされていないことにつきましては、まことに遺憾であると考えてございます。
 次に、今後の調査・修理費等はどうなるのか、また県内の基幹産業等の危機に対する具体的な対応はどうかとの質問でございますが、今回の事態は本県マグロ漁業者にも大きな影響があるものと考えてございます。
 マグロ船の修理等につきましては、今後の動向を注意深く見守りながら漁業者からの相談に応じてまいりたいと考えてございます。
 また、カツオ・マグロ漁業の厳しい状況への対策でございますが、経営維持が困難な経営体については各種融資制度の活用により経営の安定化を進めるとともに、国に対しては抜本的な構造改善対策の要望を行ってまいりたいと考えてございます。
 また、保証ドックにつきましては、保証期間満了前に上架して瑕疵検査を受けるほか、再塗装等を行うこととなってございまして、和議申請中ではございますが、契約に基づき対処いたしたいと考えてございます。なお、万一の場合は法律あるいは船舶の専門家とも相談しながら対処してまいる考えでございます。
 また、今後の漁業取締船みさきの代船建造に当たっては、議員お話しの事例等も参考にしながら、十分検討を加え、慎重に対処してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 大阪オリンピック誘致に関連しての一部競技種目の誘致についてお答えいたします。
 ご提言のとおり、大阪での開催が実現し、本県において競技の一部を実施することになれば、スポーツ振興はもちろんのこと、国際交流等においても大きな効果があるものと考えます。このため、昨年十二月に競技の誘致を目的に職員を大阪市へ派遣いたしましたが、競技種目が決まっていないこと、大阪市内での開催を基本に誘致活動を進めていることなどの回答がありました。また、過日の新聞報道でも、開催期間は七月二十五日から十七日間、競技開催地は、一都市開催の原則のもとに大阪市内を中心として二十キロメートル、三十分以内としたい旨伝えられているところであります。しかし、今後さらに、マリンスポーツなど一競技でも本県で実施ができるよう働きかけてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 47番和田正人君。
○和田正人君 お答えをいただきました内容で、幾つかご要望申し上げたいと思います。
 まず、コスモパーク加太に関連をしての大学誘致等について、知事並びに企画部長のご答弁をいただきました。私は、学校側の熱意を含めて、本当に絶好の機会ではないかと思います。ただ、質問の中で申し上げましたように、当該市の和歌山市の現状が大変厳しい、しかも和歌山市の土地開発公社が持っている土地も含まれている区域というふうに考えてまいりますと、どうしても和歌山市の協力が必要になります。そのために、知事初め県挙げて、この大学誘致に和歌山市と十分連携をとっていただきたい。和歌山市の目の前は大変厳しくても、将来にわたってどんな協力ができるのかという方法論については話し合いができるはずであります。その旨、尾崎市長にも申し上げてまいりましたけれども、積極的にリーダーシップを発揮していただきまして、ぜひとも早い時期にこの大学誘致が実現をするようにご努力いただきたい旨、ご要望申し上げておきます。
 それから、同じくコスモパーク加太に関連をして、人工ドームの関係であります。
 現場においては、当初発表された状況よりいささかおくれております。排水その他いろいろ問題があるようでありますが、再々申し上げてきたように、この人工ドームに関しては、一つそこに点ができるだけであればなかなか誘客に結びつかないのではないか。むしろ、後から名乗りを上げた大阪の方が早く進んでいくような空気すらございます。それだけに、もっと積極的にレジャーゾーンとしてのいろんな知恵を絞り、各レジャー産業に呼びかけをしてこの面整備を図っていただくように、企画部を中心にご努力されるようご要望申し上げておきます。また、民間からもいろんな声が出ているようであります。そういう声に耳を傾けて、実現に向けてフォローできるものはないかどうか、そういう点についても研究をしていただきたいとお願いをするところであります。
 オリンピックの関係につきましては、確かに大阪市は大阪市自前でやろうという動きがあるようであります。しかし今、ことしの大阪国体を前にして、スポーツ施設一つとってみても、和歌山県が国体をやった当時から見れば、近畿の各府県は立派な運動競技場、スポーツ施設が整備をされてございます。大阪市を中心にオリンピックまでのあと約十年間にいろんな競技を対象にしてますます整備されていくとすれば、和歌山における競技施設やスポーツ・運動施設がなおおくれをとることも間違いないと懸念いたします。
 それだけに、多くの方からご意見ございましたが、紀三井寺競技場のナイター照明すらつけられない今日の住環境を含めた問題点などもあわせ考えながら、このオリンピック開催の二〇〇八年までの間にせめて和歌山としては何が誘致できるのか。教育長の答弁にありましたように、和歌浦湾でヨット競技などができないのか。奈良県ではできないのはもちろんであります。大阪市は一体どこでやるのか。いろいろ考え方があろうかと思いますけれども、私は、マリーナ基地を初め、整備されていく和歌山県の和歌浦湾を中心にした一つの競技に絞ってでも大阪市に強く働きかけをしていく、そして関連する施設を整備する、道路整備をする。社会資本の整備につながるこの絶好の──我々が生きている間に、もはや日本でオリンピック開催はないでしょう。二〇〇八年に大阪市で仮に実現をするとして、私やこの議場の方々を含め何人がこのオリンピックを見に行けるのか。あと十年の問題でありますけれども、その間にやるべきことはたくさんあると思うわけであります。
 幹線道路を初め、随分便利になってまいりました。しかし、絶好の機会ととらまえて、本当に目いっぱい、このオリンピックの種目を誘致できるよう運動をしていただきたい。せっかく大阪誘致に対する決議を提出するわけであります。議会を含め、当局とも連携をしながら、二〇〇八年に本当に大阪へオリンピックが誘致できるように、そして和歌山もそのインパクトを大きく受け、県民の喜びとできるような二〇〇八年の実現に向け、ともに頑張りたいということを申し上げまして、オリンピックの関係のご要望としておきたいと思います。
 この議会は、平成九年度当初議会として、産業廃棄物に関する問題、電源立地に関する問題、医科大学の問題など、いろいろと今県民の持つ問題、県政にかかわる主要な課題についての真摯な質問とご提言がございました。あと木下秀男先生お一人で終わりでございますが、私はこの機会に、最近のマスコミを含め日本全国でいろいろ指摘をされているオンブズマンの活動や住民の意識といったものに関して──いかなる時代であっても、むだをなくすことは必要なことであります。特に財政問題を前提に考えた場合、行政にある者は常にむだをなくす、投資効果を考えてより大きな波及効果を求めていく、このことが大切であることは論をまたないわけであります。しかし、余りにも自粛をするという姿勢の中で、県職員を初め萎縮をされたら困るのであります。どうか西口知事を先頭に、県民に対して胸を張って答えを出していけるように、胸を張って堂々と県行政を進めていただきますことをご要望し、私の意見といたします。
 以上です。
○議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で和田正人君の質問が終了いたしました。
○議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 31番木下秀男君。
 〔木下秀男君、登壇〕(拍手)
○木下秀男君 質問者二十一名が登壇いたしました今議会も、私をもって一般質問が終了するのでありますが、質問に入る前に西口知事に一言お礼を申し上げたいと思います。
 和歌山県の農業の基幹産業の一つである梅づくりの農業振興策として梅衰弱症原因究明費約二億円を予算化いただきましたことに対して、梅生産農家の皆さん方に成りかわって感謝申し上げ、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
 それでは、通告に従って質問をいたします。
 まず危機管理についてでありますが、この言葉は英語を直訳した新しい日本語の造語でございまして、「クライシス・マネージメント。大地震、大停電、ハイジャック、テロ等、人災・天災を問わず、不測の事態に対して事前の準備を行い、被害を最小限に食いとめるよう対処するための処理策」とあります。主に国際関係の分野で、国家的危機に際しての指導者の政策決定のあり方について行われてきた研究でありまして、戦後アメリカが世界最大で最強の責任国家となり、数多くの世界の危機管理を体験する中で、全面的核戦争抑止という軍事的な観点から生まれたものとも言われてございます。
 さて、今世紀もあと少しとなりましたが、この二十世紀は戦争と革命の世紀であったと言われております。世界の民族のうちで、今世紀に入って戦争や革命、民族・部族の解放戦争やクーデター、暴動やテロ等、流血の危機を一度も経験したことのない民族は皆無と言えましょう。つまり、危機管理を大きく定義すれば、これら国際的・国内的危機や大小さまざまの事件が相互に因果関係を持っているという事実認識に立って、小さなうちに解決することにより大きな危機を回避して、世界のどこかで紛争が起きた場合、自分の国への波及を素早くリスク計算して被害を局限することを目的とした研究であると言えます。世界的には、キューバ危機、ベルリン危機という、一触即発、世界大戦争になる大きな危機もありました。
 また、平和を謳歌している日本にも、日本経済の高度成長をとんざさせた石油危機、貿易収支のアンバランスによる経済危機、外国から米を緊急輸入した食糧危機、たび重なる地震災害危機、赤字国債等による財政危機、浅間山荘事件やダッカ・ハイジャック事件等の治安危機等、数多くの危機がありました。中でも、一九七七年に発生したダッカ・ハイジャック事件は、日本赤軍による犯行で、時の日本政府は「人命は地球より重い」とのメイゲンをもって──これは「迷言」と書きますが──九人の重罪犯と六百万ドルの身代金を支払って解決した事件は、日本の危機管理の取り組みの未熟さを世界にさらした不名誉な出来事でありました。
 また、一九九一年一月十七日に発生した湾岸戦争は、豊富な情報を持ちながら「希望的な観測」と「冷静な情勢判断」を混同し、右往左往して危機管理の失敗を重ね、総額百三十六億ドルもの資金拠出をしたにもかかわらず、機を逸した決定は世界の国々から感謝されない惨めな結果に終わり、日本の危機管理能力の乏しさを露呈したものであります。
 そして、一九九五年一月十七日に起こった阪神・淡路大震災は、近代都市を襲った悲劇的な大震災でありました。この震災のときほど危機管理を叫ばれたことはないでしょう。初動対応、災害への救援対応、情報収集、政治・行政の無策等々、すべてが後手後手になり、首相官邸の指導力のなさに政権の実権というものがどこにあるのか疑問を持ったものであります。
 政治の原点が市民生活の安寧を守り国家の安全を確保することにあることを忘れて、今や永田町では、政界の再編や相も変わらぬ数合わせゲーム、利権の確執をめぐる争いに明け暮れ、国家の危機管理が具体的に詰められないままであります。
 私は、和歌山県は今、震災害対策を立てられていると思うのでございますが、和歌山県の危機管理について知事のご所見をお伺いいたします。
 一九九六年十二月十七日に発生したペルー大使公邸占拠事件は、多くの人質をとり、二カ月を経てようやく話し合いの交渉の場に着いたところでありますけれども、前途は不明であります。きょう三月十七日で九十日になります。フジモリ大統領とMRTAとの対立のようにも見えますけれども、なぜ日本大使公邸がねらわれたかを十分に検討し、その対策をする必要があります。本事件が未解決でありますから断言はできませんけれども、麻薬・コカインの権利、地下資源──稀少金属や天然資源、そして宗教、この三点が原因とも言われてございます。日本大使館は無防備の状態で、しかも金属探知機や独自の警備官は置いておらず油断のあったことや、テロリストからの脅迫状も軽く見て動静を察知できなかったことが言われております。まさに情報収集、危機管理の不足であります。
 一九九七年一月二日、ことしでありますが、おとそ気分の正月早々、島根県沖でロシア船籍のタンカー、ナホトカ号が沈没し、重油流出事故が発生いたしました。この吸油作業は昔と変わらないバケツとひしゃくによる人海戦術以外は全く無為無策とは、科学技術立国日本にとっては情けない危機管理能力でありました。この種の事故の所管官庁は運輸省でありますけれども、海上保安庁だ、環境庁だと、縦割り行政で出動がおくれたことによって被害を大きくしたことも事実であります。災害府県から大型油回収船配備要請を受けましたが、運輸省所属の清龍丸が出動したのは事故発生から五日おくれの一月七日であったことを見ても、日本の政治・行政における危機管理体制の構造欠陥と言えましょう。この事故が紀伊水道で起こった事故だったらと、不安を覚えたのは私一人ではないでしょう。
 私は、昨年の秋の一日、紀の川口を朝五時に出港して加太の沖で釣りをいたしました。釣果はありませんでしたけれども、国際空港におりる飛行機と紀伊水道を行き交う大小さまざまな船を眺め、大変社会勉強になりました。
 紀伊水道は、ご承知のように、友ケ島を左右に、大阪方面へ向かう友ケ島航路と神戸・瀬戸内方面へ向かう鳴門海峡航路が重なり、一日平均千隻が行き交う全国でも有数の過密海域であります。マンモスタンカー、LNG船、商船、マンモスフェリー、コンテナ船等々、外国船も含め、海の銀座とも言われるだけあって大変にぎやかでありました。
 この紀伊水道に面して和歌山下津港があります。そして、この湾岸に製鉄所、精油所が立地して和歌山県の主要工業地帯を形成しているのであります。平成七年の集計によりますと、内外合わせて一万四千余隻の油送船が入港いたしております。また、一九九二年に二回、九三年に二回、いずれもタンカーの衝突事故が発生してございます。
 一九九四年十月十七日、和歌浦湾でタンカーの衝突事故が発生し、下津町戸板海岸に漂着し、油回収に取り組んだのはついきのうの出来事のように思われるのであります。この事故後、県としてどのような事後対策をとられたかをお伺いいたします。
 以上、危機管理を中心に申し上げましたが、和歌浦湾重油流出事故を体験した和歌山県として、今回のナホトカの事故を教訓に紀伊水道における危機管理体制の確立が急務と考えるものであります。第三港湾建設局の大阪湾、紀伊水道周辺には大小合わせて十二隻の油回収船がありますが、これからは、国に対して海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の改正を迫り、最新式の双頭の油回収船を建造して石油コンビナートのある紀伊水道に配置し、油中和剤の開発を促進すべきだと思うものであります。
 私は、この後、各会派の皆さんに同意を得て、国に対して意見書を出したいとも考えております。さらに、瀬戸内海沿岸の府県に賛同を求めて国に要求していきたいとも思っております。知事、総務部長のご所見をお伺いいたします。
 次に、漁業振興について。
 我が国は海国であって、世界有数の水産国であります。中国、ペルーに次いで三位の生産量を上げていますが、近年、世界的な不漁と資源保存の動きが各国で起こり、一九四七年のチリ大統領の二百海里宣言に始まり、一九七六年、アメリカが漁業保存管理法を成立させてから漁業先進国にも漁業水域の制定が相次ぎ、日本も一九七七年(昭和五十二年)に二百海里漁業水域を設定したことはご承知のとおりであります。自来、我が国の漁業水域の水産資源は、人工種苗等の放流で高水準の資源を維持している魚介類もありますが、横ばいか減少の傾向にあり、特に生産量は年々下がっているのが現状であります。
 ここで、和歌山県の一九八六年と一九九五年の十年間を比較してみますと、一九八六年を一〇〇として生産量で一八%、売上高で一二%のダウンであります。和歌山県水産業の三本柱の一つである遠洋漁業の状態を見ますと、盛況時には六十数隻余りのカツオ・マグロ船を有し、勝浦港は京阪神への水揚げ基地として活況を呈したものでありますけれども、一九八六年と一九九五年を比較いたしますと、生産量にして三七%、売上高五二%のダウンであります。遠洋漁業の不振の原因は、一九七三年のオイルショックと一九七七年の二百海里水域設定による操業区域の縮小が重なり世界的に不漁となっているのが現状でありますが、和歌山県水産業界として放置してはならない大きな課題と考えるものであります。
 二月には、阪和銀行関連で紀南地方の造船会社と遠洋漁業組合の大型倒産が発生しております。廃業や倒産により所属する漁協や県信用漁業組合連合会に与える影響が大きいと言われておりますが、この点について農林水産部長の答弁を求めるものであります。
 沖合漁業、沿岸漁業は横ばいかやや不況という状況でありますが、注目されるのが海面養殖業であります。「つくり育ててとる漁業」が言われて大分たちますが、ふ化、育苗、養殖等の増養殖技術が発達して、全国各地で海面養殖、内水面養殖が盛んになってきております。和歌山県の状況を見ますと、タイやブリ、アユらが主力でございまして、一九九五年には売上高百十五億三千二百万円、四二%と大きな伸びを示しております。これは、高度な養殖技術で価値の高い魚を生産しているからであり、これからの水産業のあり方を示す数値であります。私は増殖、養殖、育苗技術者の養成が必要であると考えるものでありますが、県当局の今後の取り組みを伺うものであります。
 前段申し上げましたように、世界的に漁獲量が減少している実態から、漁業管理、資源管理を図ることが急務であります。我が国も一九九六年、国連海洋法条約を批准し、国内法を整備して総量規制を行い、国が資源管理をしながら海の幸を守る新秩序法(TAC)がことし一月から実施されております。このTAC施行によって和歌山県漁業に及ぼす影響の有無について当局の見解を求めます。
 次に、水産研究機関の整備についてであります。
 和歌山県は、大は鯨から小は小エビまでと、多岐にわたる漁業を営んでおります。漁場は、インド洋、太平洋、遠くは南米のアルゼンチン、ペルー沖までマグロを追って遠洋漁業をした時代もありましたが、前述いたしましたように、二百海里水域の設定によって水域が狭められ、このことが不振となった大きな原因であります。沖合・沿岸漁業は日ノ御埼を境に瀬戸内海区、太平洋南区に分け、それぞれ二十七漁業地区をもって約四千四百の経営体で、ほとんどが沿岸漁業を行っております。平成七年度の農水省の集計を見ますと、漁船の隻数、漁業世帯数、漁業就業者数がすべて五%、六%と減少しております。生産量につきましては、昭和六十一年度から平成七年度の比較では一二%の減少であります。
 日本人の魚好きは格別でありますが、一九九四年の世界統計による一人一日当たりの魚介類消費量は、アイスランド共和国に次ぐ消費量二百グラムであります。輸入量は一九九三年の統計では百四十一億八千七百万ドルと世界のトップで、二位のアメリカの倍以上の数値を示しているのであります。つまり、日本は水産国であって、水産物輸入国でもあるのであります。
 県においては栽培漁業を推進し、沿岸漁場の整備、漁場づくり、種苗、生産、放流等を行って漁場安定を図っておりますが、さきに申し上げましたとおり、船も人も収入も減少傾向にあり、後継者不足と漁業離れの進んでいるのが現状であります。漁業者は、水産資源の増大、漁場の整備・造成、人工ふ化による放流等々、漁業の経営安定を求めております。県内の過去十年の漁業生産量と生産額を見ても、海面養殖業が伸びて収益をふやしているという結果が出ております。とる漁業からつくり育ててとる漁業へと移行されてきております。
 このような状況の中で、県の水産機関に対する役割は大きく、新しい科学技術の時代に即応した施設整備が急務であります。現在の和歌山県の水産研究機関は、串本町、那智勝浦町、田辺市、桃山町と分散しており、試験研究面での連携の不備、施設の老朽化・狭隘により業務に支障が生じ、漁業者の要請にこたえられない現状であります。県はこの現状を踏まえて一九八九年(平成元年)に和歌山県水産研究機関の整備統合について諮問し、一九九一年一月にその答申報告を受理しております。
 答申を受けて、はや六年余りの歳月が過ぎております。この間、関係する諸団体や関係筋の理解と協力を得られる状態になっているとも仄聞するものでありますが、水産業界の現状をるる申し上げまして、知事のご所見を伺うものであります。
 次に、医大問題についてであります。今議会は「医大問題議会」と言われるほど質問が相次ぎ、初日からしんがりの私を入れて七人が医大の不正事故について議論いたしますが、私も通告に従って質問いたします。
 西口知事は、昨年の六月議会と今議会の冒頭にこの壇上から県民に向かって深々と頭を下げ、遺憾の意を表されましたが、すべて県立医大の不祥事であります。設置者の知事の心中を察するに、断腸の思いでありましょう。一度ならず三度、四度と不祥事を起こした医大の良識はどこにあるのかと、県民は怒りに燃えているのであります。大学の総責任者である学長の責任は重大であります。
 続いて、医の倫理についてお伺いいたします。
 和歌山県立医大の憂うべき状況については、多くの質問者が相次ぎました。今回のミルク静脈注射事件が発覚してからの医大当局のろうばいぶりはまさに学内の現状を暴露したものであって、医の倫理いずこにありや、人の命を何と考えているのか、このような気持ちで質問に入ります。
 まず、「倫理」とは、「人として行うべき道。人間の道。倫理学」とあります。倫理学とは、世間で言う道徳に哲学的な反省を加え、どのような原理に従って生きるのが真に道徳的な生き方であるかを探究する学問とされております。人間社会で何よりも大切なものは、命であります。釈迦に説法のようなことを申し上げましたが、医師として、医科大学学長として、医の倫理についてどうお考えか、お伺いいたします。
 事故調査についてでありますが、昨年の覚せい剤混入事件後にミルク静脈注射事件と題するテープが報道関係に送付され、院内告発があったと聞いておるのでありますが、実在するのかどうか。あるとするならば、その内容をお聞かせ願いたい。
 内容は院内規定による医療事故防止対策委員会の会議を録音したものと言われておりますが、会議はオープンであったのか、秘密であったのか。秘密会議であるとするならば、そのようなテープに録音して外部に出たことは、全く管理体制ができていない証左であります。私は、この告発者の勇気に敬意を表します。この告発がなかったら、今もやみの中であるでしょう。県当局はこの事故についてどのような方法で知ったのか、そしてどう対処したのか、総務部長にお伺いいたします。そして、この内部告発を医大は何と受けとめたのか、どう対処されたのか、お伺いいたします。
 院内医療事故防止対策委員会の記録の有無についてでありますが、病院の内規で事故発生時に義務づけられている問題届がCCMCの医師から提出され、一九九四年十一月二十八日に会議が開かれております。院長は、二月十二日の記者会見で「大事な記録なら残すが、すべてを残すわけではない」と話されておりますが、幼い幼児の一命を亡くしたこのミルク静脈注射事件の記録がないとされております。この事件を大事とみなすのか小事とみなすのか、この見解を伺うものであります。
 続いて、カルテ、看護記録についてであります。患者のすべてにわたる検査や投薬、病状経過等がカルテであり看護記録であると思いますが、この幼児のカルテにも看護記録にも事故を示す記載はなかった、事故はなかったと、二月十一日の記者会見で述べられております。二月二十一日には、当時の病院長が「院内で規定された医療事故防止対策委員会の報告に基づいて決定した。病院全体の責任と言われても仕方がありません。間違った判断をしました」と謝罪をされました。委員会は、事故報告があって開かれるものと思います。前院長と現院長の会見内容は正反対でありますが、院長の答弁を求めるものであります。
 調査特別委員会報告についてであります。
 このミルク誤注入事故告発があって医大に調査特別委員会を設置し、一カ月をかけた調査結果が発表されましたが、新たに看護記録の改ざん、事故発生日の看護記録のみ紛失という、あってはならない事実が発覚したのであります。病院ぐるみの事故隠しであって、証拠隠滅に等しい犯罪行為と思うのであります。看護婦に改ざんを指示した存在を認めながら指示した人物を不問にしたまま終結しようとしていますが、不信が強まるばかりであります。看護婦の個人的追及や病院の信頼失墜を恐れたと言っておりますが、私は看護婦を追及するつもりはありません。事故発生日のCCMC室は、救急患者や術後の患者でてんてこ舞いの忙しさであったことも聞いております。これは、看護婦の人員配置の問題であります。
 私も二十年ほど前に千葉医大に一カ月余り入院し、生死の境をさまよった経験を持っております。そのとき、看護婦さんの献身的な看護を受け、今日があるのであります。まさに天使であり、病人にとっては一番頼りにするのが看護婦さんであります。病院の信頼失墜を恐れたと言われておりますが、今回の事件で全国に報道され、NHKを初め各民放で連日放映され、「和歌山病院、暗黒の伏魔殿」と酷評され、落ちるところまで落ちたのが県立医大の今の姿であります。
 三月十日の夜、調査結果が公表されたときの記者会見で、「複数浮かんだ確信部分の指示者には否定されて証言が一致しない。その人にも権利がある」と話されています。確かに、その人の人権もありましょう。このミルクを注入された幼児にも、生きる権利もあれば人権もあると思います。
 以下、次の点についてお伺いいたします。
 調査特別委員会はこれで終わりとするのかどうか。解明できないとなれば警察の手にゆだねるべきと思いますが、その心づもりはあるかどうか。学長は議会において、懲罰委員会を設置して厳正に対処するとこの場で表明されましたが、その対象はいずれにあるのか。この調査で医大に対する不信感が一層強まったと思いますが、どのようなお考えを持っておるか。この調査で世間の常識が医大病院に通じないことを証明していると思いますが、特別委員会の結果の評価をお伺いいたします。
 学長選挙についてであります。
 私は、今議会に質問を通告してから、複数の方々から学長選挙に際していろいろとご教示をいただきました。また学内からは、がんの病状に例えて、今の和医大の現状はまさに末期症状にある、医大及び附属病院の基本的見直しを図るべきだとの提言もいただきました。
 この学長選挙には公選法が適用されませんけれども、ちまたではさまざまな風評が流されております。このうわさを信じたくはありません。私一人の杞憂にすぎないことであってほしいのでありますが、公明正大な選挙であったと断言できますか。
 次に、医薬分業について。
 高齢化社会の到来を迎えた昨今、疾病構造の多様化が進む中、高度医療への進展と相まって、薬の安全で効果的な使用による、より良質な医療サービスが求められている現状にあることは、言をまたないところであります。このような中にあって、医師及び薬剤師が連携して、それぞれの専門性を生かし、チーム医療として対応することは今最も必要なことであります。
 医薬分業システムは、日常欠かせないものとして欧米では約七百年の長きにわたり実施されてきているところでありますが、我が国では今やっと緒についたところであります。我が国は、漢方主体の医療から、明治に入ってから西洋医学が導入されましたが、歴史的医療慣習がそのまま続けられており、昭和三十一年度に医師法、薬剤師法等が改正され、医師の治療上必要な薬の投与に対する処方せん交付義務、薬剤師以外の者の調剤行為の禁止規定が制定され、法的には制度化されたにもかかわらず例外規定があるためそれが全面的に活用されている現状でもあり、一般的にはお医者さんでもらうものと患者さんも思っており、法文は空文化している現状にあります。
 病院では今、薬づけやソリブジン薬害事件等が問題となり、安全な薬の使用が叫ばれ、医薬分業システムの重要性がクローズアップされてきている現状を考えるならば、県立医大という立場も踏まえて、患者への医療サービス向上のため県下に範を示すべく、率先して院外処方せん全面発行に向けてその方針を打ち出す時期であると思います。そのことにより、低位にある本和歌山県の分業推進のインセンティブになると思いますが、医大では既に患者の希望によりその対応をしていると聞いておりますけれども、ここ十数年の推移はわずか七、八%の横ばい状況であって、特定機能病院としてスタートして少し上昇したものの、約一二%にとどまっている現状であります。
 この問題については大江議員も質問されましたが、早急に病院方針として、各診療科で医師から患者への院外処方せんについての助言を初め、病院組織全体で患者へのPRへの取り組み等、病院の積極的な対応により院外処方せんを原則全面発行すべきと考えますが、病院としての考えを伺うものであります。
 最後に、責任のとり方についてであります。
 このミルク誤注入事故の告発から、新たにカルテ、看護記録の改ざん、事故当日のカルテ及び看護記録の紛失事故が発覚しました。事故隠しとともに解明し、責任の所在を明らかにしなくてはなりません。この点いかがなさるのか、お伺いするものであります。
 ここで、和歌山医大で過去にあった事故処理の一例を申し上げます。昭和三十年後半のころでありますが、医大病院外科で開業医の外科の先生が開腹手術を受けました。手術は無事成功して退院、術後の養生とまで事は順調に運んだのでありますけれども、日がたつにつれて腹痛が起こり、余りの激痛に自分でモルヒネを打つ日が多くなり、回数も量も多くなって、麻薬の使用量が多いということで警察の調べを受けたのであります。その結果、再度、和医大に入院して開腹手術をしたところ、腹中からガーゼが発見され、その腹痛の原因がわかったのであります。そこで、責任と慰謝料の問題が起こりました。手術チームの若い医師が責任のすべてを一人でひっかぶり、親元から慰謝料を出してもらい、患者医師が正業につけるまでその病院の仕事の代診をしたのであります。現在、その医師は県医師界の重鎮として活躍されております。その解決に立ち会ったお二人の方も、今もご健在であります。
 以上、実例を申し上げましたが、今回の事故について、新田議員の質問に対して「先方の家族に誠意を持って対応する」と答弁されておりますが、責任のとり方と事故解決をどのようになさるのか、学長の所信を伺うものであります。
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(町田 亘君) ただいまの木下秀男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 木下議員にお答えをいたします。
 まず危機管理についてのご質問でありますが、議員お話しのように、我が国におきましては数多くの危機がございました。また、本県においても多くの災害に遭遇をいたしまして、はかり知れない痛みを受けてまいったわけであります。
 私といたしましては、災害を実際に体験された方々のご意見をお聞きし、これを深く心に刻みながら県の防災対策に取り組んできたところでございます。また、私は常に安心して暮らせる和歌山にということを申し上げておるわけでありますが、その中で防災体制の確立を訴えております。今、さらにその決意を新たにしているところでございます。
 県では、阪神・淡路大震災を教訓として全庁的な体制で見直しに取り組んできたところでございます。その主な内容としては、地域防災計画の抜本的な見直しを行うとともに、備蓄物資の確保を初め、被害状況の把握や応急対策が適切に行えるように、通信体制の整備及び職員の初動体制の確立を図ってきたところでございます。また、本県のような地形を踏まえ、防災ヘリコプターの活用、あるいは海上自衛隊の参加など、空と海を利用した交通手段を取り入れたところでございます。このほか、もろもろの総合的な地震対策を構築するとともに、近隣府県との広域的な応援体制の整備を図るなどいたしまして、機動的な防災体制の確立に努めているところでございます。今後とも、市町村と一体となって積極的に防災対策に取り組み、県民が安心して暮らすことのできる災害に強い町づくりを進めてまいりたいと考えてございます。
 次に、油回収船の配置についてでございます。
 今回の日本海重油流出事故につきましては、平成六年に下津沖で発生したタンカーからの油流出事故の経験からいたしまして、大変重大かつ深刻に受けとめてございます。このような大規模な油流出事故は、環境汚染はもとよりでありますけれども、水産業など県経済に与える影響も大変大きく、早期に海上で回収することが望ましいと考えてございます。現在の本県海域への油回収船の配備状況からして、回収能力にすぐれた船舶の配備が必要であると考えております。今後、関係府県と調整を図りながら、国に対しても強く要望していきたいと思っております。
 次に、水産試験研究機関などについてであります。
 水産試験研究機関等の整備については、新しい時代に対応し、漁業者のニーズにおこたえするために、本年度におきまして漁業調査船きのくにが竣工いたしました。また、三月には人工衛星画像解析システムの運用を始めるなどいたしまして、その整備に努めているところでございます。水産試験研究機関の整備統合につきましては、かつて検討委員会の答申をいただきまして、整備統合を図るべく検討を重ねてきたところでございます。しかしながら、用地の問題に加えまして、関係者のご理解が得られなかったというのが実情でございます。
 議員お話しのように、水産試験研究機関の整備あるいは研修機会の充実というのは大変重要なことでありますので、今後とも努力をしていきたいと考えております。
 以上であります。
○議長(町田 亘君) 総務部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○総務部長(中山次郎君) 危機管理の二点と医大問題の一点についてお答えをします。
 まず、和歌浦湾内タンカー衝突事故後の対策でございますけれども、平成六年十月に下津町沖で発生したタンカー衝突事故による油流出事故につきましては、県災害対策本部はもとより、現地対策本部を設置し、関係機関の連携によりオイルフェンス延べ六千六百メートル、油吸着剤延べ二千七百箱、出動船艇延べ八百四十五隻、作業員延べ三千五百人による油回収作業の結果、十二日間という短期間で回収作業を終了したところでございます。
 このことを教訓にして平成六年度からオイルフェンス等油流出防除資機材の整備を年次計画的に進めるとともに、関係機関相互の連携を図り、毎年十一月に和歌山県石油コンビナート等総合防災訓練を実施してございます。特に、昨年開催した近畿府県合同防災訓練の際にも、和歌浦湾においてタンカー衝突による油流出事故を想定した訓練を実施したところでございます。
 次に、ナホトカ号重油流出事故についてでございますが、今回の日本海重油流出事故を教訓に、国においては流出油防除体制総合検討委員会を設置し、事故再発防止、流出油防除対策等が総合的に検討されているところでございます。また本県におきましても、和歌山県沿岸全域にわたる流出油災害に対し、事故発生時の連絡体制及び資機材等の確保計画を整備するため、和歌山県排出油防除対策協議会の設置に向けて田辺海上保安部を中心に関係機関と協議を進めているところでございます。また、県地域防災計画におきましても見直しを進めてまいりたいと考えてございます。
 次に医大問題について、県は今度の事件をどのような形で知ったかという質問でございますけれども、今回の事件につきましては、二月十二日、医科大学から事実関係を調査するとの報告を受けました。そして、その後、県として事実解明に努めるよう強く促したところでございます。その後、逐次調査結果等についても報告を受けてございます。今後とも、医科大学との連携を一層密にして信頼回復に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 農林水産部長平松俊次君。
 〔平松俊次君、登壇〕
○農林水産部長(平松俊次君) 漁業の振興について、遠洋漁業の不振とその対応ということでございます。
 議員お話しのとおり、近年、カツオ・マグロ漁業の不振により倒産、廃業する漁業者も出るなど、所属する漁協や県信漁連の経営に影響を与えてございます。このため、県といたしましては、個々のカツオ・マグロ漁業者に対し、経営を安定させるための各種融資制度の活用を図るとともに、所属漁協、県信漁連に対しては整備貸付金等に対する利子補給などを行う信用事業整備強化対策事業を引き続き実施し、今後とも経営の安定に努めてまいる所存でございます。
 次に、増養殖技術者養成についてでございます。
 お話のとおり、沿岸、沖合、遠洋漁業が停滞する中で、増殖・養殖業の推進が重要であると認識してございまして、これまで種苗の生産や放流、漁場の造成並びに養殖業の振興に努めてまいったところでございます。今後さらにこれらの施策を推進する上で、漁業者自身による技術の習得は欠かせないものと考えます。したがって、漁業者に対する啓発はもちろんのこと、漁業後継者対策事業等、各種研修制度を活用するなど技術者の育成に努めてまいりたいと存じます。
 次に、TAC施行による和歌山県への影響はということでございます。
 国連海洋法条約の発効に伴い、漁獲可能量制度いわゆるTAC制度が本年一月一日からスタートしてございます。この制度により、サバ類ほか五魚種が特定海洋生物資源に指定され、我が国二百海里内で漁獲可能量が決められてございます。このうち、本県に関係する魚種は、マアジ、サバ類、マイワシ、サンマの四種でございますが、実質、漁獲量の割り当てを受けるのはサバ類のみでございます。サバ類の漁獲割り当てに際しては、県議会のお力添えもいただき、漁業関係者ともども国に強く要望活動を行った結果、本県に示されたサバ類の漁獲割り当て量は一万トンとなってございます。この漁獲割り当て量は本県の過去最大漁獲量に近いものであること、また田辺・南部漁協のまき漁船四カ統が自主的に減船していることもございまして、当面、本県漁業への影響はないものと考えてございます。
 いずれにいたしましても、今後、漁獲割り当て量の見直しが予想されますので、本県の漁獲実績に十分注意を払ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 医科大学学長山本博之君。
 〔山本博之君、登壇〕
○医科大学学長(山本博之君) 今議会において多くの議員の皆様から医科大学に関するご質問をいただき、また県民の皆様には大変ご心配とご迷惑をおかけしましたことに、本学を預かっております責任者の私といたしまして、まことに申しわけなく思ってございます。ここに、いま一度おわびを申し上げる次第であります。
 さて、議員ご質問の医の倫理につきまして、私なりの考えを申し上げさせていただきます。
 申すまでもなく、医療人の使命は人の命と健康を守ることでございます。医療の現場においては、命の尊厳が守られ、人権が尊重されることが基本でございます。いかなる医療行為も、人道に反するものであってはなりません。高度な医療技術あるいは迅速で的確な判断力が求められる現在にあって、今回のミルク誤注入事故のような医療ミスの発生を防ぐことは医師や看護スタッフが最も心を傾けなければならないことであることは、言うまでもございません。
 最近の医学医療における知識と技術は急速に進歩いたしましたが、これが人々の健康と福祉の向上に役立つためには、倫理的、社会的に十分評価されなければならないところでございます。また、近年、患者と医師のコミュニケーションと信頼関係の必要性が強く求められてございますが、命を預ける患者、家族の皆様にとっては心から信頼できる医師の言葉と態度が患者、家族の皆様の大きな心のよりどころになるということを、我々医療に携わる者としては決して忘れてはならないことでございます。
 今回の事故の対応が不適切なものであったことにより、お心を痛められましたご家族のお気持ちを真摯に受けとめ、医療のあるべき姿を見直し、今後の医療あるいは教育の現場にこの教訓を生かしていくことが我々の責務であると考えてございます。
 次に学長選挙についてでございますが、先日、井出議員のご質問にお答え申し上げましたとおり、選挙制度上の問題点等につきましては、教授会の意見を聞きながら検討してまいる所存でございますが、今回の選挙は学長の選考等に関する基準により厳正に執行されたものと考えてございます。
 最後に、責任のとり方についてでございます。
 今回の事故調査につきましては、三月十日に調査特別委員会の調査結果を明らかにしたところでございます。この事故をご家族に伝えなかったこと、看護記録に書きかえがあったことが確認されたところでございますが、だれの指示によるものか等については、調査結果では特定できないことがございました。これは、関係者の記憶が異なり、事実関係の調査に限界があったためで、非常に残念なことでございます。こういうことでございまして、大学として、当然のことでございますが、その責任を免れるとは考えてございません。また、患者ご家族に対しましては十分誠意を持って話し合いを進めてまいりたいと考えてございます。
 今回の事件を謙虚に反省し、調査結果が出た翌日に臨時教授会を開催して設置しました和歌山県立医科大学教員懲戒分限審査特別委員会において、大学としてみずからその責任の所在、対象者及び処分の内容を含め、検討をしているところでございます。以後このようなことがないよう、患者さんの立場に立った医療を提供するため、医療人としての良識を再点検し、大学が一丸となって信頼回復に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 医科大学附属病院長西岡新吾君。
 〔西岡新吾君、登壇〕
○医科大学附属病院長(西岡新吾君) 木下議員のご質問の事故調査についてお答えいたします。
 この事故につきましては、まず、平成八年初めごろ、ご質問のテープが送られてまいりました。それを聞いてみましたところ、雑音がひどく、内容はほとんど聞き取れませんでした。その後、ことし二月十二日にこの事故が大きく詳細に報道され、私はこの報道を見て大きなショックを受け、もしもこの報道が事実であるならば重要なことだと考え、これを受けとめ、翌十三日、私の指示で調査特別委員会を設け、事実の解明に当たらせました。
 その調査結果から、事故があったこと、その当時、両親への告知がなされていなかったことが二月十七日に明らかになりました。なお、この事故についての当時の医療事故防止対策委員会が患児の死亡後に開催されました。この院内医療事故防止対策委員会は委員及び関係者のみにより開催するもので、記録は作成されていません。したがって、この事故につきましても、事の重大さは受けとめておりましたが、記録は作成されておりませんでした。
 次に、今回の調査特別委員会の報告についてでございますが、この調査結果は三月九日に私に報告されました。議員ご指摘のとおり、看護記録の書きかえをだれが指示したのか、またその紛失にだれがかかわったのかについては特定できないことがありますが、これ以上は調査特別委員会の調査の限界と判断しております。今後は、大学みずからの責任として、懲戒分限審査特別委員会の審査の中で検討してまいりたいと考えております。
 この事故が学内から外部への漏洩という形で端を発したことは、病院の事故処理の誤りによるものであり、まことに残念なことであり、大いに反省すべき点であります。今回の調査の過程におきましても、管理体制等、多くの問題発生の素地があり、ご指摘のとおり、県民の不信感を強めましたことを深く反省しております。以後このようなことのないよう、患者の立場に立った医療とはどういうものであるかを問い直し、医療従事者が一丸となって信頼回復に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「ある」と呼ぶ者あり〕
○議長(町田 亘君) 答弁漏れがあるようですので、当局の答弁を求めます。
 医科大学附属病院長西岡新吾君。
 〔西岡新吾君、登壇〕
○医科大学附属病院長(西岡新吾君) 大変失礼をいたしました。
 次に、医薬分業についてのご質問でございますが、医薬分業は、国及び県の施策として推進されているところであります。現在、当病院においても、その指導を受け、患者さんの意思を尊重しながら進めているところであります。
 今後、県の中核病院として、また公立病院として、国や県の施策を率先して遂行しなければならない立場といたしまして、県薬剤師会や院外薬局とより一層の協調を図りながら推進してまいりたいと考えてございます。
 以上です。大変失礼を申し上げました。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「あります」と呼ぶ者あり〕
○議長(町田 亘君) 31番木下秀男君。
○木下秀男君 調査特別委員会が終わりですかというその次に──今は解明はこれで終わりですと。それはいいんですけれども、解明できないとなれば警察の手にゆだねるべきと思いますがその心づもりはありますかと、これへの答弁は一言もありません。
○議長(町田 亘君) 当局の答弁を求めます。
 医科大学学長山本博之君。
 〔山本博之君、登壇〕
○医科大学学長(山本博之君) 先ほども申し上げましたとおり、学内に設けた懲戒分限審査特別委員会でやりたいと考えてございます。
 なお、調査につきましては、今の調査ですべて判断するかということになりますと、これは懲戒委員会でまた追加の調査がある可能性は十分ございます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「31番」と呼ぶ〕
 31番木下秀男君。
○木下秀男君 懲戒委員会とか、そういうことでなさるのは結構ですが、調査特別委員会の結果がこれで終わりとするならば警察の手にゆだねるべきだと思うが、それについての答弁を願いたいんです。
○議長(町田 亘君) 以上の答弁漏れに対する当局の答弁を求めます。
 医科大学学長山本博之君。
 〔山本博之君、登壇〕
○医科大学学長(山本博之君) 現時点では、学内における委員会でやりたいと考えてございます。
 議員ご指摘のとおり、そういうふうな事態になる可能性もあるかもわかりませんが、現時点では学内の調査委員会でやらしていただきたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 31番木下秀男君。
○木下秀男君 もう時間もありませんから、提言としたいと思いますが、今、和歌山県は一千億円余の予算を組み、医大及び附属病院の移転新築工事の最中であります。ここに至るまでには、現地再開発、移転新築、国立移管、廃校等々の議論が百出いたしました。私も、その委員会に所属しておりました。
 今、移転新築と決まり、紀三井寺にその外郭が見えてまいりました。平成十年には移転・開学ということでありますが、今の医科大学の退廃した状態では、移転してそのまま管理をゆだねるわけにはまいりません。私は、県知事を中心とした医科大学管理組織をつくり、今後の基本方針を確立するなれば信頼回復できると思いますが、今のままでは信頼回復できるとは思いません。「新しい酒は新しい革袋に盛れ」という西洋の格言を申し上げまして、提言といたします。
 これで終わります。
○議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で木下秀男君の質問が終了いたしました。
 ─────────────────────
○議長(町田 亘君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(町田 亘君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 ─────────────────────
○議長(町田 亘君) 次に、ただいま議題となっております全案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 ─────────────────────
 【日程第三 請願付託】
○議長(町田 亘君) 次に日程第三、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 ─────────────────────
○議長(町田 亘君) 次に、お諮りいたします。三月十八日、十九日及び三月二十一日を各常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(町田 亘君) ご異議なしと認めます。よって、三月十八日、十九日及び三月二十一日を休会とすることに決定いたしました。
 ─────────────────────
○議長(町田 亘君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員からこれを申し上げます。
 〔職員朗読〕
 ───────────────────
 総務委員会 第 一 委 員 会 室
 福祉環境委員会 第 二 委 員 会 室
 経済警察委員会 第 三 委 員 会 室
 農林水産委員会 第 四 委 員 会 室
 建設委員会 第 五 委 員 会 室
 文教委員会 第 六 委 員 会 室
 ───────────────────
○議長(町田 亘君) 次会は、三月二十四日再開いたします。
○議長(町田 亘君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後二時五十八分散会

トップページへこのページの最初へ