県議会の活動

○議長(馬頭哲弥君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 30番中村利男君。
  〔中村利男君、登壇〕(拍手)
○中村利男君 十二月県議会一般質問の最終となりましたが、いましばらくおつき合いのほど、お願いいたします。
 まず第一点でありますが、「国立鯨類・鮪類研究所」(仮称)の創設誘致についてお尋ねをいたします。
 西日本最大のマグロ漁業基地であり、特に近海マグロでは全国一の水揚げ高を誇る勝浦漁港を有する和歌山県にとって、対応を誤れば鯨の二の舞にもなりかねない憂慮すべき問題が、今、国際的な問題として急浮上してきております。
 ワシントン条約──正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」であります──の第八回加盟国会議が、ことしの三月、京都市で開催されました。そのときに、大西洋クロマグロの国際取引の禁止が提案されました。しかし、これは日本の努力と根回しによって、最終的にはこの提案が撤回されております。さらに、去る十一月九日から十三日までスペインで開催された大西洋マグロ類保存条約会議において、クロマグロの乱獲を防止するためにどの海域でとれたかを証明するため、来年の九月から原産地証明制度を条約加盟国の日本、アメリカ、カナダ等二十二カ国の間で実施することを決定いたしております。これは、便宜上よその国に船籍を置く、いわゆる便宜置籍漁船のダミー操業による乱獲を防ぐことがねらいでありますが、いずれにしても、クロマグロ漁業に対する規制強化の動きが今後ますます高くなってくることは避けられない状態であります。
 クロマグロと言えば、ご承知のとおりマグロ類の王様でございまして、特にトロの部分はすしネタとして最高級品でもあり、世界の漁獲量の約六割が日本で消費されております。
 水産庁によりますと、一九八九年の太平洋での漁獲量は約九千四百トンで、この数量は二十年前の約三分の一に落ち込んでおります。このままでは規制強化の国際的な圧力というものは強まる一方であり、これを回避するために平成五年度予算要求の最重点項目として地球環境問題への積極的な取り組みを掲げ、国際的な資源管理への貢献策の一環としてクロマグロ栽培漁業プロジェクトをことしの八月十九日に発表いたしております。このことについては八月二十日付の「和歌山新報」にも詳しく掲載されておりましたが、この構想は、漁船で捕獲した一歳から二歳のクロマグロの幼魚を──これは「ヨコワ」と呼んでおります──まず生けすでえづけを行った後、一つの湾を特殊の網で仕切った約四百メーター四方の飼育場に放牧をして天然に近い環境で飼育し、成長した親魚に対して産卵促進剤などを与えて大量の、しかも良質の卵を産卵・ふ化させ、それを稚魚にまで育てて太平洋に放流してクロマグロ資源の増大を図ろうというものであります。そして、このプロジェクトのねらいは、だんだんと少なくなっていくクロマグロを人為的にふやすということだけではなく、マグロ漁業に対する国際的な規制の動きを牽制し、日本がマグロ資源の増大に寄与、貢献しているということを世界の国々に認めてもらいたいという目的も含まれております。
 私は、冒頭、「鯨の二の舞にならないように」と申し上げましたが、一たん規制されますと、これを復元させるためには大変な努力と時間がかかるわけでございます。
 現在、水産に関する国の研究機関は、真珠養殖等、四つの専門機関を含めて全国に十カ所ございます。その設置地域は、北海道は釧路と札幌、東北地区は塩釜、関東地区が横浜と茨城、東海地区が清水と三重県の度会郡、近畿を飛ばして瀬戸内海が広島、四国は高知、九州地区は長崎、そして日本海側が新潟となっておりまして、なぜか近畿地区には国立の研究機関が一カ所もございません。地域的なバランスから言っても、今までの国の水産行政が近畿地区を軽視しているように思えてなりません。
 捕鯨発祥の地であり、鯨に関しては七百年の歴史と伝統、そして鯨文化を今に受け継ぎ、くじらの博物館までつくって鯨との共生を図っている太地町と近海マグロの水揚げ高が全国一を誇る勝浦漁港とは森浦湾を挟んで隣り合わせであり、研究機関の誘致には地理的条件等、極めて恵まれております。
 鯨を養殖して放牧するということについては、さきに先輩西本議員も提言されておりましたが、これは私の夢でもあり、バイテクを駆使して人工授精に成功した鯨の子供とクロマグロの幼魚を太平洋に放牧し、資源保護と国際貢献への一翼を担える国立鯨類・鮪類研究所を近畿地区で唯一の研究機関として、そしてまた半島振興という願いも込めて、この際、ぜひとも和歌山県に誘致していただきたいと思うのでありますが、知事の積極的なご所見をお伺いいたします。
 次に、紀勢線の問題でございます。これは、紀南選出の議員諸兄が本議場を通じて、また機会あるごとにご提言をいただいておるわけでございますが、私もまたひとしく具体的な事例を交えながらお尋ねをいたしてみたいと思います。
 東京駅を発車した東海道新幹線が名古屋駅に近づいてまいりますと、乗りかえのアナウンスが始まります。そのときに、列車の一番前の電光掲示板のところに、紀伊勝浦─名古屋間にワイドビュー南紀号が登場して四十分時間短縮し、紀南への旅が非常に便利になった旨の字幕が映し出されております。
 JR東海としては、紀南に対して大変力を入れているように思えますし、事実、ことしの三月、ワイドビュー南紀号が導入されてから乗車率にして約七〇%アップしておりますし、熊野地方を訪れる観光客も大きく増加をいたしております。新型車両による大幅な時間短縮、そして和歌山県が行っているテレビコマーシャル等、一連の宣伝活動等がこのような好結果を生み出しているものと思われます。
 このような状況の中で、JR東海としては、今後二年をめどに名古屋─勝浦間をさらに二十分短縮する計画があるやに伺っておりますが、これが実現いたしますと、名古屋─新宮間が約二時間四十五分、名古屋─勝浦間が三時間ちょうどで結ばれることになります。これに比べてJR西日本の方は、私のひがみかもしれませんが、紀勢本線よりも北陸本線の方がすべてに優遇されているように思われます。
 仮谷知事は、十月二十九日付の「和歌山新報」に連載していた「ミニ新幹線を紀伊半島に」の中で、次のように述べられております。「全国的にも『鉄道復権』がいわれ、鉄道の持つ機能、役割が改めて見直されつつある中、高速化や利便性の向上など、鉄道に対する、より高いニーズに今後とも対応していくことが極めて大切であると考えている。県内の幹線鉄道(紀勢線)の更なる高速化、利便性の向上が課題になっている。本年度に運輸省、JRなど関係機関の方々のご協力をいただき、ミニ新幹線、在来線の高速化、高速バスなど高速交通機関の整備の在り方、その導入(ミニ新幹線の)可能性などについて調査、検討を進めているところだ」と述べられており、在来線の高速化に対しても仮谷知事の極めて積極的な姿勢がうかがわれるわけであります。
 そこで私は、紀勢線のスピードアップについて具体的にお尋ねいたしたいと思います。
 現在の紀勢線の速度は、天王寺─和歌山間が平均時速九十二キロ、和歌山─田辺間が八十八キロ、田辺─新宮間が五十五キロとなっているようであります。
 そこで第一点、天王寺─和歌山間及び和歌山─田辺間については現状路線のままでもスピードアップは可能と思われますが、県としてJR西日本に対してどのような働きかけを行ってきたのか、そして今後どのように要請していかれるおつもりなのか、お尋ねをいたします。
 また、天王寺─和歌山間には快速、区間快速、各停がそれぞれ錯綜しており、特急くろしお号はその間隙を縫って走っているような状態でありまして、スピードアップをするということ、ただそれだけならば線形も割合良好でもあり、可能なようでありますが、他の一般電車との関係上、現状では技術的に困難を伴うようであります。だとすれば、今、和歌山県がその導入の可能性について調査検討を進めているミニ新幹線構想も念頭に置きながら、この際、立体交差も含めて天王寺─和歌山間の複々線化を国及びJR西日本に対して働きかけてはいかがかと存じますが、企画部長の答弁をお願いいたします。
 次に、紀伊田辺─新宮間についてであります。我々新宮・東牟婁の議員が和歌山から新宮方面へ帰るときに、見老津駅から新宮まではこの紀勢線と国道四十二号が並行したりクロスしたりしながら、ほぼ並行しながら走っているわけでありますが、いつも情けなく思うことは、我々の乗っている特急くろしお号が道路を走っている車にどんどん追い越されてしまいます。我々は辛抱するとしても、せっかく紀南を訪れた観光客やビジネス等でお急ぎの方々に大変迷惑をおかけしているのが現状であります。県としても、紀勢本線、特に紀伊田辺─新宮間の複線化及び線形改良については和歌山線の複線化とともに国に対して強く予算要望を行っているところでありますが、正直なところ、なかなか急には見えてこないのが現状ではないかと思います。
 そこで、私は一つの方法を提案いたしたいと思います。それは、紀伊田辺─新宮間の各駅構内にある軌道分岐点、いわゆるポイントを改良することであります。
 紀伊田辺─新宮間には、駅が二十九あります。そのうち、紀伊田辺、白浜、串本、紀伊勝浦、新宮の五つの駅は特急くろしお号が常時停車いたしますから、これはポイントの改良の必要がまずございません。それと、田子、紀伊姫、太地、紀伊天満の四つの駅は片側ホームで線路が一本ですから、これもポイントはないので改良する必要がありません。この九つの駅を引きますと、残り二十駅のポイントを改良すればよいということになるわけでございます。
 私の知るところでは、このポイントを改良するのに一つの駅で約一億円かければ一分間の時間短縮が可能となり、したがって、二十駅ですから総額にして約二十億円をかければ紀伊田辺─新宮間で約二十分間以上の時間短縮が可能となってまいります。時間短縮が現代人にとっていかに魅力的なものであるかということは、ワイドビュー南紀号によってはっきりと証明されております。
 観光立県和歌山にとってのライバルは、北陸であります。大阪駅から加賀温泉駅までは二時間二十分。天王寺から紀伊勝浦駅までが、一番速い電車で三時間二十分。これを二十一分短縮することによって二時間台で走れるというわけでございます。
 京阪神地域の観光客を一人でも多く和歌山県に誘致するため、すぐにでも実行可能なことはポイントの改良ではないかと思いますが、この提案に対して、恐らくJR西日本の方は資金的に難色を示してくると思います。しかし、そこはいろいろと知恵を出し合って何とかできる方向へ強く働きかけていただきたいと思うのでありますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 また、二年後には既に関西国際空港も開港いたしておりますし、そうなれば和歌山県を訪れる外国人観光客も当然ふえるでありましょう。快適な紀州路を旅していただくためにも、現在のグリーン車は横四列のツー・アンド・ツーシートでありますが、北陸線のような、またワイドビュー南紀号のような横三列のいわゆるツー・アンド・ワンシート方式の車両の導入も強く要請していただきたいと思います。企画部長の答弁をお願いいたします。
 最後に、紀勢本線には車内電話の備えつけがありません。新宮駅で乗った乗客は和歌山あるいは天王寺までの三時間半ないし四時間というものは完全に情報が遮断され、どんな重要な連絡事項があっても外部と対話することができない状態に置かれます。田辺─新宮間は地形的に無理があるとしても、せめて天王寺─田辺間で通話のできる車内電話を設置してほしいという声が非常に強いわけであります。JR西日本等関係機関に対して、これまた強く働きかけていただきたいと思いますが、あわせて企画部長の答弁をお願いいたします。
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの中村利男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 中村議員にお答え申し上げます。
 国立鯨類・鮪類研究所の誘致の問題でございます。
 お話のように、日本はかつて世界の海へ向けて遠洋漁業が進んでおりましたが、最近、二百海里問題が定着してまいりました。それに伴ってマグロに対する国際的な規制の動きが非常にゆゆしき問題となり、厳しい環境にあることは事実でございます。こうした動向に対しまして、新たな試みとしてクロマグロの資源対策や養殖技術についての開発が進められているところでございます。しかしながら、いずれにしても、こうした国際的な世論を打開して公海上の漁業の安定を維持し、また資源の培養を図っていくためには国の一層の外交的努力も必要かと思いますが、また研究機関の充実ということが非常に大事な問題ではないかと思っております。
 本県の重要産業であるマグロ漁業の振興を図っていくためには、また捕鯨の再開を図っていくためには、お話ございました鯨類・鮪類研究所も必要であると考えております。今後、趣旨を踏まえて積極的に国に対して提言してまいりたいと思っておるところでございます。
 それから、紀勢本線のスピードアップについてご提言なり質問をいただきました。
 特に田辺─新宮間のスピードアップの問題等々があるわけでございますが、話ございましたように、紀勢本線の高速化については、私も議会の皆さんのご協力を得ながら現在積極的に取り組んでおるわけでございます。特に今年度は、学識経験者を初め運輸省、JR西日本、JR東海等の関係者から成る委員会を設けて調査していただいており、今後の高速交通体系の整備構想等について取りまとめていただく予定としております。
 また、田辺─新宮間のスピードアップについてのご提言をいただいたポイント改良については、私も非常に大事なことであると思っております。これもこの調査の中で高速化の方策の一つとして検討していただいておりまして、こうした調査結果を踏まえ、紀勢本線の時間短縮に向けて今後とも積極的に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○議長(馬頭哲弥君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 紀勢本線のスピードアップと車両のグレードアップについてのご質問にお答えいたします。
 まず、阪和線、紀勢本線につきましては、かねてから県民の利便性の向上や観光、産業の振興を図るため、JR西日本と随時意見交換の場を設け、その輸送力増強について働きかけを行ってまいったところでございます。
 阪和線、紀勢本線和歌山─田辺間については表定速度が時速八十五キロを超えており、さらなるスピードアップについては、車両の加速・減速等の性能の向上や軌道構造、信号、踏切などの施設改良が必要とされてございます。今年度実施している高速交通体系調査におきましても、これらの区間の高速化も検討課題として進めてございます。今後、この調査結果を踏まえ、JR西日本を初め関係機関と協議をしてまいりたいと存じます。
 次に阪和線につきましては、ピーク時には特急二本を含め一時間当たり最大二十二本が運転されているなど、JR西日本でも有数の列車密度の高い線区であり、スピードアップについてはダイヤ編成上の問題などの制約があるように伺ってございます。
 議員ご質問の複々線化につきましては、新たな用地取得等の課題もあると伺ってございますが、本年度実施している調査において、複々線化、連続立体交差事業等についても長期的な問題として検討してまいりたいと存じます。
 次に新型車両の導入についてでございますが、議員ご指摘のツー・アンド・ワンシートにつきましても、今年度実施している調査において、快適性の向上を図るための方策の一つとして車両関係の専門家の方にもご参加いただき、検討を進めているところでございます。今後、この調査結果を踏まえ、その現実化方策についてJR西日本を初め関係機関とも協議し、対応してまいりたいと存じます。
 最後に車内電話についてでございますが、車内電話は自動車電話と同じ仕組みになっており、現在、自動車電話のサービスは湯浅以北と御坊、田辺、白浜並びに串本─新宮間の各市街地に限り利用できることとなってございます。このため、国道四十二号線上の自動車電話エリアの拡大について鋭意努力しているところであり、特急くろしお号への車内電話の設置についても、JR西日本、電気通信事業者等、この設置に向けて協議をしてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) 以上で、中村利男君の質問が終了いたしました。
○議長(馬頭哲弥君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 次に、議題となった全案件のうち、議案第百五十五号平成三年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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○議長(馬頭哲弥君) 次に日程第三、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 次に、お諮りいたします。十二月十四日及び十五日は、各常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) ご異議なしと認めます。よって、十二月十四日及び十五日は休会とすることに決定いたしました。
○議長(馬頭哲弥君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員からこれを申し上げます。
  〔職員朗読〕
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 総務委員会 第 一 委 員 会 室
 厚生委員会 第 二 委 員 会 室
 経済警察委員会  第 三 委 員 会 室
 農林水産委員会  第 四 委 員 会 室
 建設委員会 第 五 委 員 会 室
 文教委員会 第 六 委 員 会 室
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○議長(馬頭哲弥君) 次会は、十二月十六日再開いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午前十一時二分散会

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