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平成30年12月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(長坂隆司議員の質疑及び一般質問)


◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(藤山将材君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第142号から議案第181号まで、知事専決処分報告報第4号並びに諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 42番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、以下、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 まずは、仁坂知事、4期目の当選、まことにおめでとうございます。県民に身近な知事として、これからも御活躍をお祈りいたします。
 それでは、一つ目、オランダとの農業交流についてであります。
 昨年より始めていただいたオランダへの県職員派遣ですが、3人の若手職員の方が先月15日、かつらぎ総合文化会館で調査発表とパネルディスカッションをされたわかやまスマート農業セミナーを私も聞きに行ってまいりました。
 オランダ農業の強みと本県農業への適用、オランダの施設園芸の経営と人材育成、それに物流大国オランダならではの青果物の長期貯蔵技術開発と研究体制について、それぞれ調査成果を御報告、それをもとに本県農業への提案をいただきました。ぜひ環境制御技術を本県農業にも普及させていただいて、生産性を大幅に向上いただくとともに、周辺産業への本県企業の参入を果たしていただければと思います。
 さて、私たち改新クラブ5名は、それに先立って8月28日、県農林水産部職員の方々と一緒に、オランダと30年来のつき合いがあり、2009年にはオランダのウェストラント市と友好園芸農業協定を締結している高知県に、オランダ農業の導入とその展開状況を調査に行ってまいりました。
 協定締結後は、高知県では、それまでの交流をさらに拡大し、毎年、農業者や農大生、そして県やJAの農業関係者らで公式訪問団を結成し、最新の園芸技術と経営、流通の仕組みや省エネ対策などを学んでいます。さらに、県の試験場研究員の種苗会社や農業研修施設への長期留学も実現しています。
 逆に、ウェストラント市の農業専門学校生や教官を農業大学へ受け入れ、試験場や生産現場での技術者との交流や指導といった取り組みも続けています。
 高知県は、ナス、ショウガ、ニラ、ミョウガ、ユズなど出荷量日本一の野菜王国であります。オランダとの関係は、まず最初は、両国間の花卉の輸出入や栽培からの交流、そして化学農薬に頼らずに天敵昆虫で病害防除を行うIPM技術を駆使したオランダの環境保全型農業を学んで導入しました。6年間は高知県でも成功しなかったといいますが、県の普及員や農家の方がオランダへ行って学んだ上で、天敵退治に成功しました。
 山地が県土の約84%を占めていて平地の少ない高知県は、施設園芸がもともと盛んでありました。しかし、オランダと収量比較すると、オランダの収量は高知県の3〜4倍に及んでおりました。
 そこで、オランダにとってさほどメリットがあると思われていなかった友好園芸農業協定締結を高知県側から働きかけ、高校生や農業大学校の生徒交流、研究者・ビジネス交流も行い、今まで300人が訪問団として派遣されています。
 オランダとの収量の差は環境制御の差ということで、軒高6メートルのガラスハウスを建てたり、また、5年前から光合成に活用するため、CO2、温度、湿度、日射量、土壌成分のモニタリングができる機械を導入して、275ヘクタールまでオランダ式の環境制御型施設園芸に取り組むようになりました。四万十町では、オランダ式のハウス栽培で100名の雇用を生み出しています。
 私たちは、四万十町次世代施設園芸団地に行って、3社で4.3ヘクタールに及ぶ大規模施設園芸でトマトを生産していて、そのうちの1社である四万十とまと株式会社に調査に参りました。3社で植えかえ時期をずらし、売り先も別々にし、今3年目。収益も黒字化しています。
 山本社長さんは、もともと建設業で、4年前にオランダに出向いて次世代の新しい農業を興そうと始めました。国、県の制度で支援ももらい、作物に病気を出すこともなかったので、まずは順調に推移しています。燃料もおが粉を使ったり、LPGガスを使用したりしてやりくりしています。オランダのプリバ社の最新鋭の機械を導入し、全てコンピューター制御で栽培管理を行っています。6メートルの軒高の広大な温室での大量のトマト栽培の威容と精密機器類の配置状況、そして若い従業員が立ち働く明るい職場は想像以上でありました。
 また、この次世代施設園芸団地の取り組みをさらに充実したものにするために、隣接した敷地に農業担い手育成センターが整備され、新規就農者の育成の拠点となっています。ここでは、農業の基礎から天敵防除や環境制御などの先進技術までの実践的な栽培技術を学ぶとともに、経営や流通、販売などに関する幅広い能力を身につけるための研修内容についても強化、充実させています。
 この環境制御技術を活用した温室栽培は県内各地で行われており、ナス、ピーマン、キュウリ、ニラ、トマト、イチゴといった野菜、果実だけでなく、ユリやカーネーションなどの花卉栽培にも活用されています。その生産者のうちの数多くの人が、オランダへ実際に出かけていって刺激を受けてきた農業者であります。農家数は減少していても、3年連続農業産出額はアップしています。高知県は、環境制御技術普及促進事業費補助金として、施設園芸農家の収益増加を図るため、環境制御機器のリース導入に対し補助をしております。
 そこで質問ですが、一つ目、さきに述べたように、高知県はオランダとの長いつき合いの中で、オランダの環境制御型農業を自分のものにしながら産出額をふやしています。和歌山県も引き続き、ワーヘニンゲンURとの関係を基軸に、オランダのウェストラント市に代表されるグリーンポート、すなわち施設園芸農業の集積地で行われているような環境制御型ハウス栽培や、先述の環境保全型の天敵昆虫での病害防除といった技術の取得とその人材育成について、次代を担う農業者に向けて御注力いただきたいと思いますが、農林水産部長、いかがですか。
○議長(藤山将材君) ただいまの長坂隆司君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 議員お話しのように、オランダの施設園芸における環境制御技術は、高い生産性を可能にする最先端の技術です。しかし、オランダの環境制御システムは大規模施設を対象としたもので、本県のように小規模な施設では高コストになり、そのまま導入するのは適当ではありません。このため、オランダの技術を生かしながら、小規模でも導入可能なシステムにカスタマイズする必要があると考えております。
 そこで、本県では、農業試験場や暖地園芸センターにおいて、オランダの技術を応用しながら、本県の施設園芸の主要品目であるイチゴやミニトマトに低コストで導入可能な環境制御システムとその制御方法について研究を実施しているところです。
 次に、こうした技術を活用する次代の農業者の育成についてですが、農林大学校においては、本年からカリキュラムにオランダ型施設園芸技術を組み入れるとともに、今年度新政策の農業経営塾や経営発展セミナーでは、農業者に施設環境制御技術の事例を紹介するなど、先端技術を取り入れた農業を実践できる農業者の育成に取り組んでおります。
 また、県内においてもオランダの環境制御技術を実践している農業者がおられますので、そうした農業者とこれから導入しようとする農業者とのネットワークづくりであるとか、企業等が持つ最新の技術や情報を迅速に生産現場に提供できる仕組みの構築にも取り組んでいきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 さて、先日のスマート農業セミナーで、オランダ農業の生産性向上のための技術的なこと、人材育成と農業経営者の育成、それに貯蔵保存技術の研究開発の必要性がテーマとして出ましたが、一つ欠落していたのは、農産物の加工、機能性研究の部分だと思います。医療機関とも連携、つながっていて、健康維持・増進につながる機能性農作物も産出しているオランダでは、世界一の農業大学でもあるワーヘニンゲンURのもとで、オランダを初めとした多国籍の食関連企業と、知が集積したフードバレーが形成されています。
 フードバレーは、8000人の科学者と1500近くの食品関連企業、70の化学企業、20の研究機関が集まっています。食品会社では、よく知られているところで、ユニリーバ、ハインツ、ネスレ、そしてダノンなどが参加していますし、日本からはキッコーマン、ニッスイ、富士フイルムなどがフードバレーに入っています。
 本県でのフルーツバレー実現のためにも、和歌山県農業の課題である川中部分の加工食品研究開発の推進について、この先、県職員の派遣を引き続き考えていただきたいと思いますが、知事、いかがですか。
○議長(藤山将材君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県農産物が持つおいしさや機能性を生かした加工食品の開発は、農産物の販売促進や生産者の所得向上につながり、農業振興の観点からも非常に重要であると考えております。
 現在、県の農業関係の試験場では、梅やかんきつにおいて、新たな加工食品開発につながる機能性の高い品種の開発や、梅の品種特性を生かした新たな加工品開発の研究などに取り組んでおります。また、本年5月には、県工業技術センターにフードプロセッシングラボを開設し、県内食品企業の新商品開発につながる加工開発研究を支援しているところでございます。
 フードバレーについては、議員お話しのとおり、オランダ国内にとどまらず、世界中の食品関連企業が進出し、ワーヘニンゲンURと共同研究を実施しておりまして、食品に係る知見やノウハウが蓄積されております。
 これまでに派遣した職員は、こうした状況についても調査してきており、例えば、減塩しつつ風味や抗菌力を損なわない技術、豆乳を乳製品のように発酵させる技術、ゲノム情報に基づく野菜等の新品種開発、果実の貯蔵条件を最適化する技術など、それぞれの企業の課題に対応した農業や食品に関するさまざまな研究が行われております。
 また、フードバレーの中核研究機関であるワーヘニンゲンURでは、食品加工に関する特定の課題についてセミナーも実施しており、例えば糖質をカットする方法など、同様の課題を持つ企業が情報収集や意見交換をする場も用意されております。
 このように、御指摘のように、フードバレーに蓄積された知見やノウハウについては、今回の職員派遣で培った専門人材のネットワークを生かして情報収集できるようにしてきておりまして、今後、有用な情報については県内の食品加工業者やJA等に情報提供をしていく体制になっております。
 もちろん、具体的にオランダで研究開発すべき課題が出てきた場合とか、あるいはもう一度勉強し直したほうがよいなあと考えられる場合とか、そういう場合には必要に応じて職員を派遣することとしたいと思いますし、御指摘をよくお聞きしておりますと、これは工業技術センターの領域の話もあるなあというふうにも思いましたので、そういうことも含めて広く検討をしてまいりたいというふうに思います。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 このオランダのフードバレーには、日本のキッコーマンなどの食品加工関連企業がメンバーとして参画しています。そうした企業が、オランダで何年も何を求めてオランダの学術研究機関とパイプをつなげようとしているのか、あるいは、ユニリーバなど世界的食品メーカーのヒット加工商品づくりにどんな秘訣があるのかとか、そういうところを探っていただきたいと、そういうことは幾つもあると私は思っております。
 そして、和歌山県においては、たくさんのおいしい有用果実を初めとした農産物資源があります。そこから健康イコールヘルスですね、これをキーワードに、どれだけ機能性加工食品開発研究によってヒット商品を生み出していけるか、そんな鍵がワーヘニンゲンURを核としたオランダの食品にかかわるネットワークの中にあるのではないかと思っております。
 せっかく3人の有能な若手職員がつくってくれたオランダとのパイプです。これをきっかけに、ますますオランダのいいところは学び取っていただいて、そのパイプを有効に活用いただけたらと思います。
 一方、全国の大学を見ますと、生き残りをかけて大学院改革に取り組もうとしております。和歌山大学もその一つでありまして、大学院再編による新研究科に食農専攻を設立しようという動きがあると伺っております。現在の和歌山大学食農総合研究所での取り組みを発展させた、より理系に近い専門的に特化した学術研究機関に進化できるよう、まずは本県の食と農の発展に寄与できる実効的な食農専攻になるよう、県当局におかれましても御理解と御協力、御支援をお願いしたいと要望しておきます。
 2点目、行きます。
 ねんりんピックについてであります。
 本年11月3日から6日までの4日間、第31回全国健康福祉祭・ねんりんピック富山2018が開催されました。私も、来年の和歌山県開催に向けて、11月4日夜から翌5日まで視察調査に出かけました。延べ参加者数は、富山県が見込んでいた50万人を上回る55万1100人となり、過去10年間では最大規模になったそうであります。
 夜の特急と新幹線を乗り継ぎましたが、社内販売がないのには少々驚きました。富山駅に到着してホテルでチェックイン後、食事にやっとありつけたのは午後11時を回っていました。さすがに人は少なくなっていましたが、選手、関係者と思われる方が団体で飲食もされていましたし、ホテル内はねんりんピック関係者がほとんどでありました。
 朝、富山駅からタクシーで約20分のところにある岩瀬スポーツ公園まで行って、テニスとソフトボールの交流大会を観戦、応援し、大会会場の設備や、国体のときよりはゆったりとした大会運営、そして飲み物や郷土の汁物提供など、おもてなしの場を拝見しました。試合も国体のときの一種殺気立った気配もなく、和気あいあいと相手チームの応援団と一緒に声援ができる雰囲気でした。
 和歌山県という表示のジャージを見つけて、本県出身の他府県チームの関係者も訪ねてきてくれますし、私も高校時代の他校のテニス部の1年先輩と偶然出会うことができました。
 本県選手団から一つ不満が出ていたのは、どの都道府県でも今までそうであったのかもしれませんが、宿舎と試合会場の間、また夕食会場への移動が全て大型バスによるものであったため、自由な動きもできず、好きなものも食べに行けず、夕食が終わってから改めて夜のまちに出て行かざるを得ず、かえって出費がかさんだという感想を持っておられました。
 試合の間は、その大型バスが何台も会場通路を占領して、長くとどまったままであるのももったいない気がしました。
 年配の方の大会であるので、交通の手段とか経済性を御配慮いただいているのかなと思いましたが、今の60歳以上の方は体力も気持ちもお若いですし、もっと自由な裁量があってもいいのではと私見を述べさせていただきます。
 ちなみに、富山ねんりんピックは、都道府県、政令指定都市の67選手団から約1万人参加し、平均年齢は全国で69.4歳、富山県は70.1歳でした。テニスでも90歳を超えた選手がいた県もあったと伺いました。
 そこで質問ですが、一つ目、ねんりんピックは、仲間の皆様と開催地へ出向いて、現地では他地域の皆様と和気あいあいと交流し、たとえ試合に負けても、その日は宿泊して当地での夜を楽しみ、翌日は開催地を観光したりしておられるようで、国体の際には選手や関係者は負けたらすぐに、その日のうちに帰ってしまうことがほとんどで、意外と和歌山市内でも盛り場や駅前が夜でも静かだった印象でありました。
 富山県に隣接した「きときと市場とやマルシェ」という土産店や富山の郷土料理店もねんりんピック関係者でにぎわっていました。お土産の1人当たりの消費額は1万円前後。持ち帰りでなく発送する人も多かったそうです。
 ねんりんピックの場合は、国体の際に比べれば、競技場を新たに建設したり、大規模改修をしたりするといった生産波及の部分の経済波及効果は余りありませんが、消費の部分では経済効果も十分見込めるのではと期待しております。
 ねんりんピック紀の国わかやま2019は、「あふれる情熱 はじける笑顔」の大会テーマのもと、来年11月9日から12日に開催されます。富山大会の総合閉会式には、代理出席が多い中、仁坂知事みずから出席されたとお聞きしました。知事の大会にかける思いが伝わってきます。
 そこで、知事の大会開催への思いとあわせて、和歌山県としてどれくらいの経済波及効果を見込んでおられるのか、お伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) いよいよねんりんピック紀の国わかやま2019の開催まで1年を切りました。
 議員が視察されました富山大会には、御指摘のように私も総合閉会式に出席いたしまして、石井隆一富山県知事からねんりんピック大会旗を受け取り、改めて間近に迫ってきたことを実感した次第です。
 この閉会式におきましては、りら創造芸術高校が大変立派な「空海」という名前の創作ダンスを踊ってくださいまして、それで和歌山への期待を高めてくれたというふうに思います。
 それから、議員がお話しになりましたように、私も11時ぐらいに着きまして、それで全く御飯が食べられず、その日はお昼も抜いたもんですから、大変苦痛を感じながら着きました。あ、同じことであったかというふうに思いました。
 年齢を重ねても、いつまでもスポーツや文化を楽しめるということは、すばらしいことでございまして、ねんりんピックはそのすばらしさを全国の方々と共有できる大切な大会だと私は思っております。
 また、もう一つは、御指摘のように、選手の皆さんにそれぞれの地域で特色のある産品や観光を楽しんでもらえる機会に大変なります。全国から来県される1万人の選手の皆さんに和歌山のよさを実感してもらい、また和歌山に来たいと思ってもらえる大会としたいと思っております。
 私は、ずっと前から、これは国体よりも観光と買い物のそれぞれの需要がうんとあって、それで経済効果も大きいんで、ビジネスチャンスでもあるぞと、これをうまく仕込まなきゃねというようなことを言うておった次第なんでございますが、実際に、先催県においては経済効果の試算なんかも、試算というか計算をしております。長崎大会では97億5200万円、秋田大会では106億8000万円というふうに報告されておりまして、ことしの富山大会についても来年の1月ごろに発表されるというふうに伺っております。和歌山県も、これ以上に経済効果が出るようにしたいなあというふうに思っております。
 そこで、本県においては、例えば会場近くで特産品販売を企業者に売ってもらうように、うまくアレンジしたり奨励をしたりする、あるいは、県産品の購買意欲を高めるためにカタログを作成して、いらっしゃった方々に配る、あるいは競技終了後に参加しやすい観光ツアーを提案して、これまたPRをする、あるいは町なかでお楽しみスポット、これがあると夜いろいろ楽しめるので、そういうことについても御紹介する。そういうようなことをいろいろと工夫いたしまして、先催県と同じように経済波及効果が県内全体に及ぶように頑張っていきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 御答弁いただきました。
 あんまり親切になって、囲い込みみたいなことは余りしないほうがいいとは思うんですけど、もっと自由に、気持ちよくお金を使っていただける、そんな感じの配慮が必要ではないかなということを感じた次第です。
 続いて、富山県は、期間中に県内旅行ツアーを企画して計467人が参加され、ねんりんピックに合わせて開催された関連イベントも盛況であったと伺います。本県も観光効果が大いに期待されている中、どのような仕掛けを考えておられますか。商工観光労働部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) ねんりんピックでは、選手、役員等およそ1万人の来県が見込まれ、また、例年、約8割の方々が観光も含め3泊以上滞在されると聞いており、県としては、高野山、熊野の世界遺産ブランドを初め、豊富な観光資源の魅力を知っていただく絶好のチャンスと考えております。
 議員御質問の旅行ツアーにつきましては、ねんりんピック開催に合わせ、参加者が事前に旅行計画を立てられるように、開催地周辺の観光資源を組み合わせた旅行商品を関係者と連携し企画しているところでございます。
 また、事前に具体的な旅行計画を立てず来県される方につきましても、歴史に興味のある方が多いと予想されることから、大会開催を見据えて実施している「わかやま歴史物語」などの企画を旅行商品とあわせて事前にPRし、競技前後に和歌山の観光を楽しんでいただきたいと考えております。
 さらに、県内のグルメやお土産情報を掲載した「和みわかやまっぷ」や、本県ならではの体験メニューをまとめた「ほんまもん体験」など、現地での楽しみ方や消費喚起を目的に作成したパンフレットの配布に加え、夜の楽しみ方をウエブサイト「Nightlife in WAKAYAMA」で紹介するなど、県内各地域での消費拡大に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 とにもかくにも、ねんりんピックの経済効果を期待しておりますんで、どうかよろしくお願いします。
 3点目、県内病院のBCPについてであります。
 9月4日から5日にかけての台風21号によって、県内は大規模な停電に見舞われました。医療機関も約40施設が一時停電となりました。停電となると、非常用発電機を使用するとしても時間的にも使途的にも限度があるでしょうし、人工呼吸器を初め精密機器類も作動しなくなり、電子カルテも使えなくなるし、人工透析もできなくなってしまいます。
 災害時、大量の負傷者が発生し、病院は特にその特性上、一刻も早い復旧が望まれます。また、患者や被災者の命を守るために、防災や耐震、食料、飲料や薬、燃料の備蓄は十分かどうか、被災時でも患者の受け入れや治療は可能か、業務を継続できるかどうかが問われてまいります。
 「朝日新聞」の調査によれば、我が国の災害拠点病院において2015年春の時点で被災時の事業継続計画・BCPを策定している病院は、全体の33%にとどまっていました。一般の病院も含めれば、他業種の企業をも大きく下回っています。和歌山県内でも83病院のうち、昨年度までにBCPを策定していたのはわずか7病院と聞いております。
 BCPは、単なる防災マニュアルではありません。県内でも医療従事者向けの体験講習会を始められていると伺いますが、災害時、県民の命を一刻も早く守るため、今後、県内の災害拠点病院、そして一般の病院のBCP策定をどのように進めていかれるのか、福祉保健部長にお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 県内83病院のBCP策定状況についてお答えします。
 まず、災害拠点病院10病院のうち、現在、8病院が策定済みであり、残りの2病院につきましても今年度中に策定する見込みとなっております。一方、災害拠点病院以外の73病院につきましては、7病院の策定にとどまっております。
 このため、今年度、県及び県と包括連携協定を締結している損害保険会社2社との共催によるBCP策定研修会を3回開催し、30病院の参加を得たところであり、今後も策定に向け、継続的に参加病院のフォローアップを行うこととしております。
 来年度も引き続き研修会を開催し、さらなる参加を呼びかけ、病院のBCP策定を促進してまいります。
 また、災害拠点病院は、災害時の医療活動の中心的役割を担うことから、県では、病院ごとに大規模災害時における患者数や対応能力などの医療需給を推計し、その結果を踏まえまして、病院がBCPの実効性の検証を行う新たな取り組みを行うこととしております。
 加えて、病院の災害対応への意識をさらに向上させるため、来年3月には、東日本大震災において最前線で活動された医療関係者による災害医療講習会を開催する予定でございます。
 今後も、引き続き病院のBCP策定を促進し、病院における災害対策を強化してまいります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 病院のBCPは、策定体制の構築、現状把握、被害想定、通常業務の整理、災害時応急対策業務の整理、優先業務の設定、行動計画の文書化、そして最終的なBCPとしての取りまとめと、基本的に8項目のプロセスがあると伺っております。大変な作業だということは想像にかたくないですが、災害時に県民の命を守っていくため、病院のBCPがしっかり整備されていくことを望んでおります。
 次の4点目に行きます。
 台風21号襲来後の和歌山下津港についてであります。
 和歌山下津港においても、台風21号による高波で雑賀崎工業団地の堤防決壊による社屋、工場の機械類、そして車両等が大被害に見舞われましたし、港湾設備ではガントリークレーンがよじれ、高波によって公共上屋が損壊して貨物が水没したりと、和歌山下津港本港区だけでも大変な被災状況でした。和歌山下津港の各港区における被災状況と、その後の復興対策とその見通しについて、県土整備部長、教えてください。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長松 諭君。
  〔松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(松 諭君) 和歌山下津港の被害と復旧の見通しについての御質問をいただきました。
 台風第21号の暴風、波浪による和歌山下津港の主な被害でございますけれども、本港区におきましては、雑賀崎工業団地の護岸が損壊し、多くの事業所で浸水被害が発生いたしますとともに、ガントリークレーンや県営上屋が損傷する被害が発生しました。
 また、北港区、北側のエリアでございますけれども、こちらでは国直轄事業で整備中の防波堤が滑動、滑り動く被害が発生しております。
 復旧の見通しについてでございますけれども、本港区につきましては、現在、復旧工事に着手する準備を進めているところでございまして、被害が大きかった雑賀崎工業団地の護岸では、災害復旧事業費にあわせて災害関連事業費や災害対策等緊急事業推進費も活用いたしまして、護岸のかさ上げや補強、消波ブロックの増設など、再度災害防止を図るための対策を行います。また、地域経済への影響が大きいガントリークレーンや県営上屋の復旧につきましては、国の特例措置といたしまして国庫補助が認められましたことから、これを活用して早期の復旧を図ってまいります。
 なお、北港区につきましては、国の直轄災害復旧事業により、復旧工事に着手すると聞いております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 ある企業では、建物の修繕に取りかかりたくても、いまだ材料が入手できず、冷たい風にさらされながら業務を続けなければいけないところもあると伺っております。引き続きの温かい御支援をよろしくお願いいたします。
 2点目ですが、ガントリークレーンが当分使用できない中、外貿航路の貨物船へのコンテナ荷役等はどのように対処されているのでしょうか。県土整備部長、お願いします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(松 諭君) ガントリークレーンが使用できない状況での対処方法に関するお尋ねをいただきました。
 ガントリークレーンの復旧につきましては、本格復旧には時間を要しますことから、応急措置といたしましてクローラクレーンを設置し、10月19日から国際フィーダー航路の荷役を再開したところでございます。
 また、船が大きい外貿コンテナ航路につきましては、依然、荷役ができない状況が続いておりますけれども、年度内にガントリークレーンを借り上げて設置をし、早期の機能回復を図りますとともに、恒久的な対応として来年度中にガントリークレーンを取得し設置することとしております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 コンテナ荷役機能も果たせないで和歌山下津港が抜港、飛ばされている間は、やっぱり和歌山県経済にとっても大きな痛手になりますので、せっかく積年つないできた定期コンテナ航路を死守、そして発展させていく手だてというのを早急に打っていただきますよう、今後よろしくお願いいたします。
 3点目です。
 港湾内で、台風などで高波をかぶった後の衛生面での問題が出てきていないか気になります。残存する瓦れき、樹木などの植物の残骸もある中で、外来生物等の増殖がないかどうかということです。
 思い出すのは、5年ほど前、雑賀崎工業団地で小型の茶色いカメムシが局地的に異常発生して、せっかく完成した機械や資材が大量のカメムシに覆い尽くされて、製品価値を大いになくしてしまうような事態も発生したことがありました。
 また、昨年6月に兵庫県尼崎市内で特定外来生物である強毒性のヒアリが国内で初確認されて以降、国土交通省は全国の68港湾でヒアリ定着防止緊急対策工事を実施されましたが、その後、和歌山下津港において外来生物の発見、発生状況はいかがでしょうか。とりわけ、台風21号以降で気になる状況はないでしょうか。県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(松 諭君) 和歌山下津港での外来生物の状況についての御質問をいただきました。
 台風第21号襲来後の和歌山下津港につきましては、ヒアリ等の外来生物が発見されたとの報告は、県民の皆様、それから港運事業関係の皆様方、それから関係行政機関から受けてございません。
 引き続き、和歌山下津港の関係者の皆様に対しましても、ヒアリを初めとする外来生物の発見に注意を促すとともに、広く情報収集に努めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 まあ誰が見ても本当に随分でこぼこと傷んでおりますんで、そういういろんな生物がいつの間にかすんでるというようなことにならないように目を配っていただきたいなと思います。
 5点目に、オオカミについてであります。
 さきの質問で被災後の衛生面について触れましたが、自然災害後は往々にして生態系に変化が出てくる可能性があると思います。害虫の被害もさることながら、鳥類なんかでも、雑賀崎の工業団地では台風襲来後、カラスやハトに加えて、最近ではムクドリも多くなってるということで、タカ匠の方に依頼してハヤブサを工業団地内で飛ばしたところ、鳥の飛来はおさまっているとお聞きしました。
 そこで気になるのは、長年、農家や山の麓の住民を悩ませている獣害被害であります。限られたエリアで期間を決めて集中的に捕獲作業を行うやり方なども提案させていただいたことがありましたが、イノシシや鹿の個体数は減少するどころか、潜在的にはますますふえているのではないでしょうか。
 鹿、イノシシ、猿などの野生鳥獣による農林水産業被害が深刻化する中、獣害の抑制や生態系への保護などのため、日本でも絶滅したオオカミを復活させようと活動している団体もあります。
 東京農工大学・丸山直樹名誉教授が会長を務める一般社団法人日本オオカミ協会は、全国に13支部、約600人の会員を有し、獣害の抑制や生態系の保護などのため、日本では絶滅したオオカミを復活させようとして、オオカミに対する偏見をなくす啓発活動を続けています。
 紀伊半島内の奈良県東吉野村を流れる高見川沿いのサイクリングロードでもある県道16号線のバス停・千代橋の少し南に、明治38年、日本で最後に捕獲された若い雄のニホンオオカミのブロンズ像が立っておりました。この像を紹介したあるブログに「ニホンオオカミは、人間にとっては怖い存在ではなく、むしろ熊やイノシシなどの野生動物から人間を守ってくれた山の神様みたいな存在だったのです」と掲載されていたのが印象的でした。童話の「赤ずきんちゃん」に出てくるように、オオカミは人を襲うという、そういうことはまずないそうであります。
 アメリカでは、イエローストーン国立公園を含む北部ロッキー山地でオオカミ復活事業が実施されて、1995年に再導入が開始され、鹿の仲間のエルクの増加を抑え、生物多様性が復活しつつあることが報告されています。2009年末で、アイダホ州、ワイオミング州、モンタナ州の3州のオオカミの個体数は約1700頭になり、そのうちイエローストーン国立公園には約100頭が生息しているそうであります。ほかにも、ヨーロッパで田舎の森林地帯に再導入しようと検討がなされていると聞きます。
 オオカミを再導入することによって、観光や生物多様性に利益があると主張する一方、人による殺傷や家畜の損失を恐れる意見もあり、その場合はオオカミ補償基金によって補償される制度も使っているとのことです。
 オオカミを放つ地域はおのずと限定されてくるとは思いますが、獣害対策として、そして森林を守るため、日本でも大分県豊後大野市でオオカミの再導入が提案されております。本県においても、一部の地域で実験的にオオカミの再導入について検討してみてはどうかと思います。
 そこで質問ですが、一つ目、オオカミの県内導入の可能性について、環境生活部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 環境生活部長山田成紀君。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) オオカミの県内再導入の可能性についてでございますが、ニホンオオカミは、我が国において1905年を最後に生息は確認されておらず、絶滅したと考えられています。
 海外で生息するオオカミを本県の自然に導入することについては、希少な動物を含む野生生物の捕食を通じた生態系の攪乱が懸念されるほか、人身や家畜への被害など、県民生活への重大な影響も懸念されます。
 また、オオカミは移動範囲も広く、個体数をコントロールできなくなる可能性が高いため、本県へのオオカミの導入は難しいと考えております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 御答弁いただきました。
 その御指摘の逆も言えるわけでありまして、ニホンジカの農林業被害というのは、これ深刻でありまして、奥日光など、樹木は剥皮されて立ち枯れ、幼樹は育たず、下草は食い尽くされて毒草などの鹿が食べない種などだけが残り、所によっては地面が露出するなど、森林の様子が一変しているところがあります。自然公園では、お花畑や希少な植物が食べ尽くされたり、そのために希少種のチョウチョウが絶滅の危機に瀕していたりして、生態系に深刻な被害を及ぼしているところもあります。
 「オオカミが絶滅したことはニホンジカの増加へとつながり、ニホンジカの増加は植生を改変し、改変された植生は他の動物生息にも影響するという玉突き的な一連の現象が生じているのが現在の我が国の森林だ」と立正大学地球環境科学部・須田知樹先生は指摘しております。
 本県の農林業被害がこれ以上ひどくならないよう、そして本県の誇りである自然豊かな森林が和歌山県から消滅してしまわないよう、森林、そして草食動物、そして肉食動物という生態系について、今こそもっと考えていかなければならないのではないかなと思っております。
 次に2点目ですが、農林水産部長にニホンジカの捕獲対策についてお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 議員御提案のオオカミによるニホンジカの捕獲対策につきましては、導入による捕獲の効果が不明でありまして、人身や家畜等への被害も懸念されることから、本県へのオオカミ導入は難しいと考えております。
 なお、ニホンジカの捕獲対策につきましては、昨年4月に策定した第二種特定鳥獣管理計画に基づき、年間1万7000頭以上を捕獲することを目標に、有害捕獲への支援や管理捕獲、夜間銃猟などを実施し、計画初年度である平成29年度は約1万8000頭を捕獲しました。
 今後とも、市町村や猟友会等と連携を図りながら、銃やわなによる捕獲を重点とした対策を進めてまいります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 本県でも獣害被害は深刻であります。引き続き、個体数を確実に減らせるよう、オオカミに限らず、対策をいろいろと考えて講じていただきたいと要望させていただきます。
 これで、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、長坂隆司君の質問が終了いたしました。


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