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平成30年12月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(全文)


◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

平成30年12月
和歌山県議会定例会会議録
第4号
────────────────────
議事日程 第4号
 平成30年12月12日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第142号から議案第181号まで、報第4号並びに諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第142号から議案第181号まで、報第4号並びに諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(39人)
 1番 中西峰雄
 2番 秋月史成
 3番 立谷誠一
 5番 前芝雅嗣
 6番 花田健吉
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 川畑哲哉
 10番 玉木久登
 11番 濱口太史
 12番 鈴木太雄
 13番 尾ア太郎
 14番 藤山将材
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 岩田弘彦
 18番 中本浩精
 19番 山本茂博
 20番 岸本 健
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 堀 龍雄
 24番 中 拓哉
 25番 森 礼子
 26番 服部 一
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(1人)
 35番 山田正彦
〔備考〕
 4番 欠員
 40番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮ア 泉
 危機管理監      藤川 崇
 総務部長       田村一郎
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     山田成紀
 福祉保健部長     山本等士
 商工観光労働部長   山西毅治
 農林水産部長     原 康雄
 県土整備部長     松 諭
 会計管理者      中西 淳
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員    中野幸生
 警察本部長      檜垣重臣
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       田村公一
 次長         糸川 徹
 議事課長       松山 博
 議事課副課長     山田修平
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主任      保田良春
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀
 総務課長       田中健司
 政策調査課長     中平 博
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  午前10時0分開議
○議長(藤山将材君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第142号から議案第181号まで、知事専決処分報告報第4号並びに諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 42番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、以下、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 まずは、仁坂知事、4期目の当選、まことにおめでとうございます。県民に身近な知事として、これからも御活躍をお祈りいたします。
 それでは、一つ目、オランダとの農業交流についてであります。
 昨年より始めていただいたオランダへの県職員派遣ですが、3人の若手職員の方が先月15日、かつらぎ総合文化会館で調査発表とパネルディスカッションをされたわかやまスマート農業セミナーを私も聞きに行ってまいりました。
 オランダ農業の強みと本県農業への適用、オランダの施設園芸の経営と人材育成、それに物流大国オランダならではの青果物の長期貯蔵技術開発と研究体制について、それぞれ調査成果を御報告、それをもとに本県農業への提案をいただきました。ぜひ環境制御技術を本県農業にも普及させていただいて、生産性を大幅に向上いただくとともに、周辺産業への本県企業の参入を果たしていただければと思います。
 さて、私たち改新クラブ5名は、それに先立って8月28日、県農林水産部職員の方々と一緒に、オランダと30年来のつき合いがあり、2009年にはオランダのウェストラント市と友好園芸農業協定を締結している高知県に、オランダ農業の導入とその展開状況を調査に行ってまいりました。
 協定締結後は、高知県では、それまでの交流をさらに拡大し、毎年、農業者や農大生、そして県やJAの農業関係者らで公式訪問団を結成し、最新の園芸技術と経営、流通の仕組みや省エネ対策などを学んでいます。さらに、県の試験場研究員の種苗会社や農業研修施設への長期留学も実現しています。
 逆に、ウェストラント市の農業専門学校生や教官を農業大学へ受け入れ、試験場や生産現場での技術者との交流や指導といった取り組みも続けています。
 高知県は、ナス、ショウガ、ニラ、ミョウガ、ユズなど出荷量日本一の野菜王国であります。オランダとの関係は、まず最初は、両国間の花卉の輸出入や栽培からの交流、そして化学農薬に頼らずに天敵昆虫で病害防除を行うIPM技術を駆使したオランダの環境保全型農業を学んで導入しました。6年間は高知県でも成功しなかったといいますが、県の普及員や農家の方がオランダへ行って学んだ上で、天敵退治に成功しました。
 山地が県土の約84%を占めていて平地の少ない高知県は、施設園芸がもともと盛んでありました。しかし、オランダと収量比較すると、オランダの収量は高知県の3〜4倍に及んでおりました。
 そこで、オランダにとってさほどメリットがあると思われていなかった友好園芸農業協定締結を高知県側から働きかけ、高校生や農業大学校の生徒交流、研究者・ビジネス交流も行い、今まで300人が訪問団として派遣されています。
 オランダとの収量の差は環境制御の差ということで、軒高6メートルのガラスハウスを建てたり、また、5年前から光合成に活用するため、CO2、温度、湿度、日射量、土壌成分のモニタリングができる機械を導入して、275ヘクタールまでオランダ式の環境制御型施設園芸に取り組むようになりました。四万十町では、オランダ式のハウス栽培で100名の雇用を生み出しています。
 私たちは、四万十町次世代施設園芸団地に行って、3社で4.3ヘクタールに及ぶ大規模施設園芸でトマトを生産していて、そのうちの1社である四万十とまと株式会社に調査に参りました。3社で植えかえ時期をずらし、売り先も別々にし、今3年目。収益も黒字化しています。
 山本社長さんは、もともと建設業で、4年前にオランダに出向いて次世代の新しい農業を興そうと始めました。国、県の制度で支援ももらい、作物に病気を出すこともなかったので、まずは順調に推移しています。燃料もおが粉を使ったり、LPGガスを使用したりしてやりくりしています。オランダのプリバ社の最新鋭の機械を導入し、全てコンピューター制御で栽培管理を行っています。6メートルの軒高の広大な温室での大量のトマト栽培の威容と精密機器類の配置状況、そして若い従業員が立ち働く明るい職場は想像以上でありました。
 また、この次世代施設園芸団地の取り組みをさらに充実したものにするために、隣接した敷地に農業担い手育成センターが整備され、新規就農者の育成の拠点となっています。ここでは、農業の基礎から天敵防除や環境制御などの先進技術までの実践的な栽培技術を学ぶとともに、経営や流通、販売などに関する幅広い能力を身につけるための研修内容についても強化、充実させています。
 この環境制御技術を活用した温室栽培は県内各地で行われており、ナス、ピーマン、キュウリ、ニラ、トマト、イチゴといった野菜、果実だけでなく、ユリやカーネーションなどの花卉栽培にも活用されています。その生産者のうちの数多くの人が、オランダへ実際に出かけていって刺激を受けてきた農業者であります。農家数は減少していても、3年連続農業産出額はアップしています。高知県は、環境制御技術普及促進事業費補助金として、施設園芸農家の収益増加を図るため、環境制御機器のリース導入に対し補助をしております。
 そこで質問ですが、一つ目、さきに述べたように、高知県はオランダとの長いつき合いの中で、オランダの環境制御型農業を自分のものにしながら産出額をふやしています。和歌山県も引き続き、ワーヘニンゲンURとの関係を基軸に、オランダのウェストラント市に代表されるグリーンポート、すなわち施設園芸農業の集積地で行われているような環境制御型ハウス栽培や、先述の環境保全型の天敵昆虫での病害防除といった技術の取得とその人材育成について、次代を担う農業者に向けて御注力いただきたいと思いますが、農林水産部長、いかがですか。
○議長(藤山将材君) ただいまの長坂隆司君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 議員お話しのように、オランダの施設園芸における環境制御技術は、高い生産性を可能にする最先端の技術です。しかし、オランダの環境制御システムは大規模施設を対象としたもので、本県のように小規模な施設では高コストになり、そのまま導入するのは適当ではありません。このため、オランダの技術を生かしながら、小規模でも導入可能なシステムにカスタマイズする必要があると考えております。
 そこで、本県では、農業試験場や暖地園芸センターにおいて、オランダの技術を応用しながら、本県の施設園芸の主要品目であるイチゴやミニトマトに低コストで導入可能な環境制御システムとその制御方法について研究を実施しているところです。
 次に、こうした技術を活用する次代の農業者の育成についてですが、農林大学校においては、本年からカリキュラムにオランダ型施設園芸技術を組み入れるとともに、今年度新政策の農業経営塾や経営発展セミナーでは、農業者に施設環境制御技術の事例を紹介するなど、先端技術を取り入れた農業を実践できる農業者の育成に取り組んでおります。
 また、県内においてもオランダの環境制御技術を実践している農業者がおられますので、そうした農業者とこれから導入しようとする農業者とのネットワークづくりであるとか、企業等が持つ最新の技術や情報を迅速に生産現場に提供できる仕組みの構築にも取り組んでいきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 さて、先日のスマート農業セミナーで、オランダ農業の生産性向上のための技術的なこと、人材育成と農業経営者の育成、それに貯蔵保存技術の研究開発の必要性がテーマとして出ましたが、一つ欠落していたのは、農産物の加工、機能性研究の部分だと思います。医療機関とも連携、つながっていて、健康維持・増進につながる機能性農作物も産出しているオランダでは、世界一の農業大学でもあるワーヘニンゲンURのもとで、オランダを初めとした多国籍の食関連企業と、知が集積したフードバレーが形成されています。
 フードバレーは、8000人の科学者と1500近くの食品関連企業、70の化学企業、20の研究機関が集まっています。食品会社では、よく知られているところで、ユニリーバ、ハインツ、ネスレ、そしてダノンなどが参加していますし、日本からはキッコーマン、ニッスイ、富士フイルムなどがフードバレーに入っています。
 本県でのフルーツバレー実現のためにも、和歌山県農業の課題である川中部分の加工食品研究開発の推進について、この先、県職員の派遣を引き続き考えていただきたいと思いますが、知事、いかがですか。
○議長(藤山将材君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県農産物が持つおいしさや機能性を生かした加工食品の開発は、農産物の販売促進や生産者の所得向上につながり、農業振興の観点からも非常に重要であると考えております。
 現在、県の農業関係の試験場では、梅やかんきつにおいて、新たな加工食品開発につながる機能性の高い品種の開発や、梅の品種特性を生かした新たな加工品開発の研究などに取り組んでおります。また、本年5月には、県工業技術センターにフードプロセッシングラボを開設し、県内食品企業の新商品開発につながる加工開発研究を支援しているところでございます。
 フードバレーについては、議員お話しのとおり、オランダ国内にとどまらず、世界中の食品関連企業が進出し、ワーヘニンゲンURと共同研究を実施しておりまして、食品に係る知見やノウハウが蓄積されております。
 これまでに派遣した職員は、こうした状況についても調査してきており、例えば、減塩しつつ風味や抗菌力を損なわない技術、豆乳を乳製品のように発酵させる技術、ゲノム情報に基づく野菜等の新品種開発、果実の貯蔵条件を最適化する技術など、それぞれの企業の課題に対応した農業や食品に関するさまざまな研究が行われております。
 また、フードバレーの中核研究機関であるワーヘニンゲンURでは、食品加工に関する特定の課題についてセミナーも実施しており、例えば糖質をカットする方法など、同様の課題を持つ企業が情報収集や意見交換をする場も用意されております。
 このように、御指摘のように、フードバレーに蓄積された知見やノウハウについては、今回の職員派遣で培った専門人材のネットワークを生かして情報収集できるようにしてきておりまして、今後、有用な情報については県内の食品加工業者やJA等に情報提供をしていく体制になっております。
 もちろん、具体的にオランダで研究開発すべき課題が出てきた場合とか、あるいはもう一度勉強し直したほうがよいなあと考えられる場合とか、そういう場合には必要に応じて職員を派遣することとしたいと思いますし、御指摘をよくお聞きしておりますと、これは工業技術センターの領域の話もあるなあというふうにも思いましたので、そういうことも含めて広く検討をしてまいりたいというふうに思います。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 このオランダのフードバレーには、日本のキッコーマンなどの食品加工関連企業がメンバーとして参画しています。そうした企業が、オランダで何年も何を求めてオランダの学術研究機関とパイプをつなげようとしているのか、あるいは、ユニリーバなど世界的食品メーカーのヒット加工商品づくりにどんな秘訣があるのかとか、そういうところを探っていただきたいと、そういうことは幾つもあると私は思っております。
 そして、和歌山県においては、たくさんのおいしい有用果実を初めとした農産物資源があります。そこから健康イコールヘルスですね、これをキーワードに、どれだけ機能性加工食品開発研究によってヒット商品を生み出していけるか、そんな鍵がワーヘニンゲンURを核としたオランダの食品にかかわるネットワークの中にあるのではないかと思っております。
 せっかく3人の有能な若手職員がつくってくれたオランダとのパイプです。これをきっかけに、ますますオランダのいいところは学び取っていただいて、そのパイプを有効に活用いただけたらと思います。
 一方、全国の大学を見ますと、生き残りをかけて大学院改革に取り組もうとしております。和歌山大学もその一つでありまして、大学院再編による新研究科に食農専攻を設立しようという動きがあると伺っております。現在の和歌山大学食農総合研究所での取り組みを発展させた、より理系に近い専門的に特化した学術研究機関に進化できるよう、まずは本県の食と農の発展に寄与できる実効的な食農専攻になるよう、県当局におかれましても御理解と御協力、御支援をお願いしたいと要望しておきます。
 2点目、行きます。
 ねんりんピックについてであります。
 本年11月3日から6日までの4日間、第31回全国健康福祉祭・ねんりんピック富山2018が開催されました。私も、来年の和歌山県開催に向けて、11月4日夜から翌5日まで視察調査に出かけました。延べ参加者数は、富山県が見込んでいた50万人を上回る55万1100人となり、過去10年間では最大規模になったそうであります。
 夜の特急と新幹線を乗り継ぎましたが、社内販売がないのには少々驚きました。富山駅に到着してホテルでチェックイン後、食事にやっとありつけたのは午後11時を回っていました。さすがに人は少なくなっていましたが、選手、関係者と思われる方が団体で飲食もされていましたし、ホテル内はねんりんピック関係者がほとんどでありました。
 朝、富山駅からタクシーで約20分のところにある岩瀬スポーツ公園まで行って、テニスとソフトボールの交流大会を観戦、応援し、大会会場の設備や、国体のときよりはゆったりとした大会運営、そして飲み物や郷土の汁物提供など、おもてなしの場を拝見しました。試合も国体のときの一種殺気立った気配もなく、和気あいあいと相手チームの応援団と一緒に声援ができる雰囲気でした。
 和歌山県という表示のジャージを見つけて、本県出身の他府県チームの関係者も訪ねてきてくれますし、私も高校時代の他校のテニス部の1年先輩と偶然出会うことができました。
 本県選手団から一つ不満が出ていたのは、どの都道府県でも今までそうであったのかもしれませんが、宿舎と試合会場の間、また夕食会場への移動が全て大型バスによるものであったため、自由な動きもできず、好きなものも食べに行けず、夕食が終わってから改めて夜のまちに出て行かざるを得ず、かえって出費がかさんだという感想を持っておられました。
 試合の間は、その大型バスが何台も会場通路を占領して、長くとどまったままであるのももったいない気がしました。
 年配の方の大会であるので、交通の手段とか経済性を御配慮いただいているのかなと思いましたが、今の60歳以上の方は体力も気持ちもお若いですし、もっと自由な裁量があってもいいのではと私見を述べさせていただきます。
 ちなみに、富山ねんりんピックは、都道府県、政令指定都市の67選手団から約1万人参加し、平均年齢は全国で69.4歳、富山県は70.1歳でした。テニスでも90歳を超えた選手がいた県もあったと伺いました。
 そこで質問ですが、一つ目、ねんりんピックは、仲間の皆様と開催地へ出向いて、現地では他地域の皆様と和気あいあいと交流し、たとえ試合に負けても、その日は宿泊して当地での夜を楽しみ、翌日は開催地を観光したりしておられるようで、国体の際には選手や関係者は負けたらすぐに、その日のうちに帰ってしまうことがほとんどで、意外と和歌山市内でも盛り場や駅前が夜でも静かだった印象でありました。
 富山県に隣接したきときと市場とやマルシェという土産店や富山の郷土料理店もねんりんピック関係者でにぎわっていました。お土産の1人当たりの消費額は1万円前後。持ち帰りでなく発送する人も多かったそうです。
 ねんりんピックの場合は、国体の際に比べれば、競技場を新たに建設したり、大規模改修をしたりするといった生産波及の部分の経済波及効果は余りありませんが、消費の部分では経済効果も十分見込めるのではと期待しております。
 ねんりんピック紀の国わかやま2019は、「あふれる情熱 はじける笑顔」の大会テーマのもと、来年11月9日から12日に開催されます。富山大会の総合閉会式には、代理出席が多い中、仁坂知事みずから出席されたとお聞きしました。知事の大会にかける思いが伝わってきます。
 そこで、知事の大会開催への思いとあわせて、和歌山県としてどれくらいの経済波及効果を見込んでおられるのか、お伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) いよいよねんりんピック紀の国わかやま2019の開催まで1年を切りました。
 議員が視察されました富山大会には、御指摘のように私も総合閉会式に出席いたしまして、石井隆一富山県知事からねんりんピック大会旗を受け取り、改めて間近に迫ってきたことを実感した次第です。
 この閉会式におきましては、りら創造芸術高校が大変立派な「空海」という名前の創作ダンスを踊ってくださいまして、それで和歌山への期待を高めてくれたというふうに思います。
 それから、議員がお話しになりましたように、私も11時ぐらいに着きまして、それで全く御飯が食べられず、その日はお昼も抜いたもんですから、大変苦痛を感じながら着きました。あ、同じことであったかというふうに思いました。
 年齢を重ねても、いつまでもスポーツや文化を楽しめるということは、すばらしいことでございまして、ねんりんピックはそのすばらしさを全国の方々と共有できる大切な大会だと私は思っております。
 また、もう一つは、御指摘のように、選手の皆さんにそれぞれの地域で特色のある産品や観光を楽しんでもらえる機会に大変なります。全国から来県される1万人の選手の皆さんに和歌山のよさを実感してもらい、また和歌山に来たいと思ってもらえる大会としたいと思っております。
 私は、ずっと前から、これは国体よりも観光と買い物のそれぞれの需要がうんとあって、それで経済効果も大きいんで、ビジネスチャンスでもあるぞと、これをうまく仕込まなきゃねというようなことを言うておった次第なんでございますが、実際に、先催県においては経済効果の試算なんかも、試算というか計算をしております。長崎大会では97億5200万円、秋田大会では106億8000万円というふうに報告されておりまして、ことしの富山大会についても来年の1月ごろに発表されるというふうに伺っております。和歌山県も、これ以上に経済効果が出るようにしたいなあというふうに思っております。
 そこで、本県においては、例えば会場近くで特産品販売を企業者に売ってもらうように、うまくアレンジしたり奨励をしたりする、あるいは、県産品の購買意欲を高めるためにカタログを作成して、いらっしゃった方々に配る、あるいは競技終了後に参加しやすい観光ツアーを提案して、これまたPRをする、あるいは町なかでお楽しみスポット、これがあると夜いろいろ楽しめるので、そういうことについても御紹介する。そういうようなことをいろいろと工夫いたしまして、先催県と同じように経済波及効果が県内全体に及ぶように頑張っていきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 御答弁いただきました。
 あんまり親切になって、囲い込みみたいなことは余りしないほうがいいとは思うんですけど、もっと自由に気持ちよくお金を使っていただける、そんな感じの配慮が必要ではないかなということを感じた次第です。
 続いて、富山県は、期間中に県内旅行ツアーを企画して計467人が参加され、ねんりんピックに合わせて開催された関連イベントも盛況であったと伺います。本県も観光効果が大いに期待されている中、どのような仕掛けを考えておられますか。商工観光労働部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) ねんりんピックでは、選手、役員等およそ1万人の来県が見込まれ、また、例年、約8割の方々が観光も含め3泊以上滞在されると聞いており、県としては、高野山、熊野の世界遺産ブランドを初め、豊富な観光資源の魅力を知っていただく絶好のチャンスと考えております。
 議員御質問の旅行ツアーにつきましては、ねんりんピック開催に合わせ、参加者が事前に旅行計画を立てられるように、開催地周辺の観光資源を組み合わせた旅行商品を関係者と連携し企画しているところでございます。
 また、事前に具体的な旅行計画を立てず来県される方につきましても、歴史に興味のある方が多いと予想されることから、大会開催を見据えて実施している「わかやま歴史物語」などの企画を旅行商品とあわせて事前にPRし、競技前後に和歌山の観光を楽しんでいただきたいと考えております。
 さらに、県内のグルメやお土産情報を掲載した「和みわかやまっぷ」や、本県ならではの体験メニューをまとめた「ほんまもん体験」など、現地での楽しみ方や消費喚起を目的に作成したパンフレットの配布に加え、夜の楽しみ方をウエブサイト「Nightlife in WAKAYAMA」で紹介するなど、県内各地域での消費拡大に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 とにもかくにも、ねんりんピックの経済効果を期待しておりますんで、どうかよろしくお願いします。
 3点目、県内病院のBCPについてであります。
 9月4日から5日にかけての台風21号によって、県内は大規模な停電に見舞われました。医療機関も約40施設が一時停電となりました。停電となると、非常用発電機を使用するとしても時間的にも使途的にも限度があるでしょうし、人工呼吸器を初め精密機器類も作動しなくなり、電子カルテも使えなくなるし、人工透析もできなくなってしまいます。
 災害時、大量の負傷者が発生し、病院は特にその特性上、一刻も早い復旧が望まれます。また、患者や被災者の命を守るために、防災や耐震、食料、飲料や薬、燃料の備蓄は十分かどうか、被災時でも患者の受け入れや治療は可能か、業務を継続できるかどうかが問われてまいります。
 「朝日新聞」の調査によれば、我が国の災害拠点病院において2015年春の時点で被災時の事業継続計画・BCPを策定している病院は、全体の33%にとどまっていました。一般の病院も含めれば、他業種の企業をも大きく下回っています。和歌山県内でも83病院のうち、昨年度までにBCPを策定していたのはわずか7病院と聞いております。
 BCPは、単なる防災マニュアルではありません。県内でも医療従事者向けの体験講習会を始められていると伺いますが、災害時、県民の命を一刻も早く守るため、今後、県内の災害拠点病院、そして一般の病院のBCP策定をどのように進めていかれるのか、福祉保健部長にお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 県内83病院のBCP策定状況についてお答えします。
 まず、災害拠点病院10病院のうち、現在、8病院が策定済みであり、残りの2病院につきましても今年度中に策定する見込みとなっております。一方、災害拠点病院以外の73病院につきましては、7病院の策定にとどまっております。
 このため、今年度、県及び県と包括連携協定を締結している損害保険会社2社との共催によるBCP策定研修会を3回開催し、30病院の参加を得たところであり、今後も策定に向け、継続的に参加病院のフォローアップを行うこととしております。
 来年度も引き続き研修会を開催し、さらなる参加を呼びかけ、病院のBCP策定を促進してまいります。
 また、災害拠点病院は、災害時の医療活動の中心的役割を担うことから、県では、病院ごとに大規模災害時における患者数や対応能力などの医療需給を推計し、その結果を踏まえまして、病院がBCPの実効性の検証を行う新たな取り組みを行うこととしております。
 加えて、病院の災害対応への意識をさらに向上させるため、来年3月には、東日本大震災において最前線で活動された医療関係者による災害医療講習会を開催する予定でございます。
 今後も、引き続き病院のBCP策定を促進し、病院における災害対策を強化してまいります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 病院のBCPは、策定体制の構築、現状把握、被害想定、通常業務の整理、災害時応急対策業務の整理、優先業務の設定、行動計画の文書化、そして最終的なBCPとしての取りまとめと、基本的に8項目のプロセスがあると伺っております。大変な作業だということは想像にかたくないですが、災害時に県民の命を守っていくため、病院のBCPがしっかり整備されていくことを望んでおります。
 次の4点目に行きます。
 台風21号襲来後の和歌山下津港についてであります。
 和歌山下津港においても、台風21号による高波で雑賀崎工業団地の堤防決壊による社屋、工場の機械類、そして車両等が大被害に見舞われましたし、港湾設備ではガントリークレーンがよじれ、高波によって公共上屋が損壊して貨物が水没したりと、和歌山下津港本港区だけでも大変な被災状況でした。和歌山下津港の各港区における被災状況と、その後の復興対策とその見通しについて、県土整備部長、教えてください。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長松 諭君。
  〔松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(松 諭君) 和歌山下津港の被害と復旧の見通しについての御質問をいただきました。
 台風第21号の暴風、波浪による和歌山下津港の主な被害でございますけれども、本港区におきましては、雑賀崎工業団地の護岸が損壊し、多くの事業所で浸水被害が発生いたしますとともに、ガントリークレーンや県営上屋が損傷する被害が発生しました。
 また、北港区、北側のエリアでございますけれども、こちらでは国直轄事業で整備中の防波堤が滑動、滑り動く被害が発生しております。
 復旧の見通しについてでございますけれども、本港区につきましては、現在、復旧工事に着手する準備を進めているところでございまして、被害が大きかった雑賀崎工業団地の護岸では、災害復旧事業費にあわせて災害関連事業費や災害対策等緊急事業推進費も活用いたしまして、護岸のかさ上げや補強、消波ブロックの増設など、再度災害防止を図るための対策を行います。また、地域経済への影響が大きいガントリークレーンや県営上屋の復旧につきましては、国の特例措置といたしまして国庫補助が認められましたことから、これを活用して早期の復旧を図ってまいります。
 なお、北港区につきましては、国の直轄災害復旧事業により、復旧工事に着手すると聞いております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 ある企業では、建物の修繕に取りかかりたくても、いまだ材料が入手できず、冷たい風にさらされながら業務を続けなければいけないところもあると伺っております。引き続きの温かい御支援をよろしくお願いいたします。
 2点目ですが、ガントリークレーンが当分使用できない中、外貿航路の貨物船へのコンテナ荷役等はどのように対処されているのでしょうか。県土整備部長、お願いします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(松 諭君) ガントリークレーンが使用できない状況での対処方法に関するお尋ねをいただきました。
 ガントリークレーンの復旧につきましては、本格復旧には時間を要しますことから、応急措置といたしましてクローラクレーンを設置し、10月19日から国際フィーダー航路の荷役を再開したところでございます。
 また、船が大きい外貿コンテナ航路につきましては、依然、荷役ができない状況が続いておりますけれども、年度内にガントリークレーンを借り上げて設置をし、早期の機能回復を図りますとともに、恒久的な対応として来年度中にガントリークレーンを取得し設置することとしております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 コンテナ荷役機能も果たせないで和歌山下津港が抜港、飛ばされている間は、やっぱり和歌山県経済にとっても大きな痛手になりますので、せっかく積年つないできた定期コンテナ航路を死守、そして発展させていく手だてというのを早急に打っていただきますよう、今後よろしくお願いいたします。
 3点目です。
 港湾内で、台風などで高波をかぶった後の衛生面での問題が出てきていないか気になります。残存する瓦れき、樹木などの植物の残骸もある中で、外来生物等の増殖がないかどうかということです。
 思い出すのは、5年ほど前、雑賀崎工業団地で小型の茶色いカメムシが局地的に異常発生して、せっかく完成した機械や資材が大量のカメムシに覆い尽くされて、製品価値を大いになくしてしまうような事態も発生したことがありました。
 また、昨年6月に兵庫県尼崎市内で特定外来生物である強毒性のヒアリが国内で初確認されて以降、国土交通省は全国の68港湾でヒアリ定着防止緊急対策工事を実施されましたが、その後、和歌山下津港において外来生物の発見、発生状況はいかがでしょうか。とりわけ、台風21号以降で気になる状況はないでしょうか。県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(松 諭君) 和歌山下津港での外来生物の状況についての御質問をいただきました。
 台風第21号襲来後の和歌山下津港につきましては、ヒアリ等の外来生物が発見されたとの報告は、県民の皆様、それから港運事業関係の皆様方、それから関係行政機関から受けてございません。
 引き続き、和歌山下津港の関係者の皆様に対しましても、ヒアリを初めとする外来生物の発見に注意を促すとともに、広く情報収集に努めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 まあ誰が見ても本当に随分でこぼこと傷んでおりますんで、そういういろんな生物がいつの間にかすんでるというようなことにならないように目を配っていただきたいなと思います。
 5点目に、オオカミについてであります。
 さきの質問で被災後の衛生面について触れましたが、自然災害後は往々にして生態系に変化が出てくる可能性があると思います。害虫の被害もさることながら、鳥類なんかでも、雑賀崎の工業団地では台風襲来後、カラスやハトに加えて、最近ではムクドリも多くなってるということで、タカ匠の方に依頼してハヤブサを工業団地内で飛ばしたところ、鳥の飛来はおさまっているとお聞きしました。
 そこで気になるのは、長年、農家や山の麓の住民を悩ませている獣害被害であります。限られたエリアで期間を決めて集中的に捕獲作業を行うやり方なども提案させていただいたことがありましたが、イノシシや鹿の個体数は減少するどころか、潜在的にはますますふえているのではないでしょうか。
 鹿、イノシシ、猿などの野生鳥獣による農林水産業被害が深刻化する中、獣害の抑制や生態系への保護などのため、日本でも絶滅したオオカミを復活させようと活動している団体もあります。
 東京農工大学・丸山直樹名誉教授が会長を務める一般社団法人日本オオカミ協会は、全国に13支部、約600人の会員を有し、獣害の抑制や生態系の保護などのため、日本では絶滅したオオカミを復活させようとして、オオカミに対する偏見をなくす啓発活動を続けています。
 紀伊半島内の奈良県東吉野村を流れる高見川沿いのサイクリングロードでもある県道16号線のバス停・千代橋の少し南に、明治38年、日本で最後に捕獲された若い雄のニホンオオカミのブロンズ像が立っておりました。この像を紹介したあるブログに「ニホンオオカミは、人間にとっては怖い存在ではなく、むしろ熊やイノシシなどの野生動物から人間を守ってくれた山の神様みたいな存在だったのです」と掲載されていたのが印象的でした。童話の「赤ずきんちゃん」に出てくるように、オオカミは人を襲うという、そういうことはまずないそうであります。
 アメリカでは、イエローストーン国立公園を含む北部ロッキー山地でオオカミ復活事業が実施されて、1995年に再導入が開始され、鹿の仲間のエルクの増加を抑え、生物多様性が復活しつつあることが報告されています。2009年末で、アイダホ州、ワイオミング州、モンタナ州の3州のオオカミの個体数は約1700頭になり、そのうちイエローストーン国立公園には約100頭が生息しているそうであります。ほかにも、ヨーロッパで田舎の森林地帯に再導入しようと検討がなされていると聞きます。
 オオカミを再導入することによって、観光や生物多様性に利益があると主張する一方、人による殺傷や家畜の損失を恐れる意見もあり、その場合はオオカミ補償基金によって補償される制度も使っているとのことです。
 オオカミを放つ地域はおのずと限定されてくるとは思いますが、獣害対策として、そして森林を守るため、日本でも大分県豊後大野市でオオカミの再導入が提案されております。本県においても、一部の地域で実験的にオオカミの再導入について検討してみてはどうかと思います。
 そこで質問ですが、一つ目、オオカミの県内導入の可能性について、環境生活部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 環境生活部長山田成紀君。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) オオカミの県内再導入の可能性についてでございますが、ニホンオオカミは、我が国において1905年を最後に生息は確認されておらず、絶滅したと考えられています。
 海外で生息するオオカミを本県の自然に導入することについては、希少な動物を含む野生生物の捕食を通じた生態系の攪乱が懸念されるほか、人身や家畜への被害など、県民生活への重大な影響も懸念されます。
 また、オオカミは移動範囲も広く、個体数をコントロールできなくなる可能性が高いため、本県へのオオカミの導入は難しいと考えております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 御答弁いただきました。
 その御指摘の逆も言えるわけでありまして、ニホンジカの農林業被害というのは、これ深刻でありまして、奥日光など、樹木は剥皮されて立ち枯れ、幼樹は育たず、下草は食い尽くされて毒草などの鹿が食べない種などだけが残り、所によっては地面が露出するなど、森林の様子が一変しているところがあります。自然公園では、お花畑や希少な植物が食べ尽くされたり、そのために希少種のチョウチョウが絶滅の危機に瀕していたりして、生態系に深刻な被害を及ぼしているところもあります。
 「オオカミが絶滅したことはニホンジカの増加へとつながり、ニホンジカの増加は植生を改変し、改変された植生は他の動物生息にも影響するという玉突き的な一連の現象が生じているのが現在の我が国の森林だ」と立正大学地球環境科学部・須田知樹先生は指摘しております。
 本県の農林業被害がこれ以上ひどくならないよう、そして本県の誇りである自然豊かな森林が和歌山県から消滅してしまわないよう、森林、そして草食動物、そして肉食動物という生態系について、今こそもっと考えていかなければならないのではないかなと思っております。
 次に2点目ですが、農林水産部長にニホンジカの捕獲対策についてお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 議員御提案のオオカミによるニホンジカの捕獲対策につきましては、導入による捕獲の効果が不明でありまして、人身や家畜等への被害も懸念されることから、本県へのオオカミ導入は難しいと考えております。
 なお、ニホンジカの捕獲対策につきましては、昨年4月に策定した第二種特定鳥獣管理計画に基づき、年間1万7000頭以上を捕獲することを目標に、有害捕獲への支援や管理捕獲、夜間銃猟などを実施し、計画初年度である平成29年度は約1万8000頭を捕獲しました。
 今後とも、市町村や猟友会等と連携を図りながら、銃やわなによる捕獲を重点とした対策を進めてまいります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 本県でも獣害被害は深刻であります。引き続き、個体数を確実に減らせるよう、オオカミに限らず、対策をいろいろと考えて講じていただきたいと要望させていただきます。
 これで、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、長坂隆司君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 17番岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕(拍手)
○岩田弘彦君 皆さん、おはようございます。
 ただいま議長のお許しをいただきましたので、早速一般質問に入らせていただきます。
 その前に、知事、4期目の御当選おめでとうございます。選挙期間中に県民の皆様からいろいろお話を聞いたので多かったのは、安心しているせいやと思いますが、もう勝負は決まってるよという話と、そしてもう一つは、仁坂知事に大きく期待しているんだ、この二つの意見をたくさん聞かしていただきました。改めまして、仁坂知事に信頼と期待が県民の皆さんから大きいんやなというのを感じさしていただきました。4期目、なお一層、和歌山県の改組に頑張っていただきますようよろしくお願いいたします。
 それでは、質問に入らしていただきます。
 大項目1番、企業立地を起爆剤とした人口の社会減の抑制、(1)企業立地の現状と今後の戦略的な取り組みについてお伺いいたします。
 本県では、「しごとを創る」を長期総合計画における将来に向けた重要な取り組みの一つとしております。特に企業誘致につきましては、産業構造の多様化、雇用の確保に加え、県内企業との連携による地域経済への波及効果が期待されるため、全国最高水準の奨励金制度を設け、強力に推進し、人口の社会減の抑制につなげています。
 私の地元橋本市では、UR都市機構との全国初となる共同開発事業である紀北橋本エコヒルズの整備以来、45件の進出が決定し、用地は完売状態であります。
 また、進出企業の稼働による従業員数は、本年10月時点で920人、市内582人、市外338人であります。さらに、今後の増加予定は、株式会社東研サーモテック150人、NTN株式会社500人など、2021年には1700人を上回る予定であると聞いております。特に地元県民の皆様は、企業立地戦略の成果を実感しており、今後の戦略にも大きく期待していると思います。
 そこで、改めまして、4期目を迎えられた仁坂知事に、企業立地の現状と今後の戦略的な取り組みについてお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの岩田弘彦君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 和歌山県の次代を担う若者の働く場を確保し、定住を促進するとともに、新たな産業の創出による地域経済の振興を目指して、知事就任以来、みずから先頭に立って企業誘致を推進してまいりました。関係市町村などと協力いたしまして、丁寧に企業進出のサポートを行った結果、これまでに約200社の企業の立地が実現し、全体で2600人以上の雇用を創出してまいりました。
 今後の企業誘致の取り組みといたしまして、まず、企業用地の確保が第一であるわけでございます。県内の工業団地は、和歌山市の雑賀崎工業団地、紀の川市の北勢田工業団地、橋本市の紀北橋本エコヒルズ、御坊市の御坊工業団地がほぼ完売状態となっておりまして、近隣府県を見ても大規模な企業用地はかなり少なくなっている状態でございます。
 現在、橋本市のあやの台北部地域において、土地所有者である南海電気鉄道株式会社、橋本市、県の3者で内陸型の大規模工業団地の開発を新たに進めているところでございますが、既に企業からの問い合わせもございまして、今後は、2020年に募集を開始いたしまして、2022年度の工事完了後すぐ引き渡せるように企業誘致を進めてまいりたいと思っております。
 続いて、これに伴って交通アクセスが大事でございますが、高速道路や府県間道路の整備に伴いまして、本県へのアクセスは格段に向上したと考えております。特に京奈和自動車道の県内全線開通により、本県は大阪府などの近隣府県だけではなくて、名古屋圏からも企業の進出が期待できるようになってると思います。
 今後も、引き続き市町村と連携して、道路整備を行っていかなきゃいけないと思います。
 また、企業や時代のニーズに対応し、地域のポテンシャルを生かすことも重要でございます。例えば、白浜町にはIT企業の立地が進んでおりまして、白浜町の二つのITオフィスが満室になり、今年度は田辺市において地域未来投資の枠組みでビジネスオフィスを整備しているところでございます。
 今後も、働き方改革を背景にワーケーションとかリモートワークが進むものと考えておりまして、若者の新しい働く場としてIT企業誘致を進めていきたいと思っておりまして、特に問題になるオフィス、これの提供の仕組み、いつまでも全部公的提供をしてるとちょっとお金がもたないというところもありますので、民間の活力もうまく利用して、この仕組みづくりをしていきたいと、そんなふうに考えております。
 また、さらに串本町においても小型ロケット射場の誘致を強力に進めておりまして、紀南地域においてもさまざまなアプローチにより、企業誘致を進めているところでございます。
 このロケットに関しましては、単に射場だけじゃなくて、常に企業の方が、かなり技術水準の高い企業の方が常駐をしてくれることになりそうでございまして、そういうところはとてもいいことだなあというふうに思っております。
 このように、県としては引き続き、市町村と連携して企業のニーズに対応した大規模な工業団地の造成やビジネスオフィスの整備を着実に進めるとともに、交通インフラの充実により格段に向上した本県の立地環境や、全国最高水準の奨励金制度などをアピールいたしまして、全力を挙げて企業誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 全力を挙げて取り組んでいくという答弁で、本当にありがとうございます。大きく期待しておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、(2)あやの台北部用地の進捗と営業戦略についてに入らせていただきます。
 本県では、近畿自動車道紀勢線を初め、京阪神や中京圏との交通アクセスが飛躍的に向上する京奈和自動車道、府県間道路などの整備を行ってまいりました。これにあわせて、先を見越して、内陸型の大規模用地の開発として、私の地元橋本市では、UR都市機構との全国初となる共同開発事業であります紀北エコヒルズを整備するなど、積極的な企業誘致を進めていただいております。
 現在、紀北橋本エコヒルズに近接するあやの台北部地域において、新たな大規模工業用地の開発に着手しているところであります。
 特に、紀北橋本エコヒルズにおいては、県の企業立地課の精力的な取り組みと市企業誘致室との取り組みの相乗効果で、用地は完売状態であります。にもかかわらず、現在でも多くの問い合わせがあり、新たな大規模用地を待ちかねている、そのように聞いております。的確な戦略の積み上げで訪れた絶好のチャンスを見逃すわけにはいきません。
 あやの台北部用地の開発の進捗状況はどうなのか、また、完成を見据えた営業戦略はどのように考えているのか、商工観光労働部長にお伺いします。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 橋本市におけるあやの台北部用地につきましては、京奈和自動車道の開通に先駆け、平成28年2月29日、南海電気鉄道株式会社、橋本市、県の3者により第1次事業に係る細目協定を締結、事業主体である橋本市とともに関係省庁や関係機関と許認可事務に係る協議を進め、開発を進めてきたところです。
 現在は、開発に必要な環境影響評価と実施設計の最終段階にあります。来年度には、橋本市において、造成工事に係る入札を実施し、環境影響評価に係る意見を踏まえて開発工事に着手する予定です。
 あやの台北部用地は、高速道路や府県間道路の開通に伴い、大阪方面のみならず名古屋方面からのアクセスも向上したことから、企業の関西における製造拠点になり得る場所であると確信しております。
 当地への企業誘致につきましては、2022年度の工事完成を待つまでもなく予約を受け付けるなど、早い段階で販売を開始したいと考えており、金融機関や開発事業者への訪問や市場調査から企業の投資動向や各種業界の動向を的確に捉え、時宜を逸することのない誘致活動を行ってまいります。
 また、本県への進出が見込まれる地域や産業分野をターゲットに年間1000社を超える営業活動を継続するとともに、企業のニーズにきめ細かく対応した誘致活動を展開してまいります。
○議長(藤山将材君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 チャンスを逃さないように、できるだけ早く動いていただけたらありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続いて、(3)産業人材の確保についてであります。
 本県では、さらなる雇用を生み出し、仕事が人を呼び、人が仕事を呼び込む、新たな人の流れをつくり出すとともに、県内の若者がふるさとで働くことへの魅力を感じ、産業の振興が県民の経済的な安定を生むことで、若い世代は結婚や子育てに積極的になり、人口減少にも一定の歯どめがかかっている、そのような将来像を目指し、取り組んでいると思います。
 そのためには、今後、生産年齢人口が減少し、加えて本県は若者の転出が多い状況にあることから、県内産業を支える労働力の確保が課題であると考えます。
 高校生や大学生等の県内就職を促進するとともに、性別や年齢、障害の有無、国籍にかかわらず、働く意欲のある人がその能力を最大限発揮できるよう、県内企業の働き方改革や再就職支援を進め、県内産業界に求められる人材の安定的な供給を図る必要があると思います。
 企業誘致の成果もあらわれ始め、今後もさらなる進展が期待されております。今後の産業人材の確保についてどのように考えているのか、商工観光労働部長にお伺いします。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 人口減少が進む中、県では、県内産業を支える人材を確保するため、高校生の県内就職や大学生のUIターン就職の促進、女性や高齢者、都会からのUターン希望者の再就職支援に取り組んでおります。
 まず、高校生の県内就職につきましては、高校生が県内企業を十分に知ることができるよう、5月には田辺市で、6月には和歌山市で、7月には橋本市で企業ガイダンスを開催し、就職希望の高校3年生延べ3019人と誘致企業を含め県内企業延べ213社が参加いたしました。
 次に、大学生等のUIターン就職につきましては、「UIわかやま就職ガイド」を県内出身の大学3年生及び4年生、短大1年生及び2年生に送付するとともに、県内大学につきましては、出身地にかかわらず学生に広く周知しております。その上で、就職支援協定を締結している関西の10大学と連携を強化し、企業説明会などの取り組みを進めております。
 また、結婚や出産等で離職した女性、定年退職された方、都会で働く人のUターンなどの再就職を支援する第2の就活サイクルを実施しており、昨年度は企業174社、求職者341人が参加のもと、県内3カ所で合同企業説明会を開催し、31人が就職いたしました。
 今年度も取り組みを充実させ、より多くの女性や高齢者、Uターン希望者等の再就職を支援してまいります。
 以上のように、和歌山県では、全国でも先進的な取り組みを行うとともに、和歌山の暮らしやすさやすぐれた地元企業の情報をPRしていくことで、企業の人材確保を図っているところです。
 今後、さらに企業や高校、大学への積極的な訪問による連携強化や効果的な情報提供など、県内就職に向けた取り組みを充実し、誘致企業を含め、県内企業の産業人材の確保に全力で取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 全力でということで、またよろしくお願いいたします。
 最近、こういうお話がありまして、先ほど紹介さしていただいた今度来る工場、その紀北エコヒルズにもうじき建てるようになってるんですが、NTN株式会社さんというのは500人の雇用で、企業さんも私は超一流企業さんやなと思っているんですけど、そしたら雇用条件も結構なもんなんで、最近問い合わせがあるのは、NTNさん、いつごろから募集するんやろうなあとか。私の近辺の年代の方の問い合わせが多いんです。
 何でかと理由を聞いたら、ちょうど、うちもそうですけど、息子さんが30前後。聞くと、今、仕事は大阪で橋本に住んどるんですけど、2時間近くかかるらしいんです。ということは、1日4時間かかるわけですね、往復で。4時間かかるぐらいやったら、同じような条件やったら、今の職場かわってでもやっぱり地元にあったら──そのお父さんの話ですよ──地域のこともちょっとはするやろし、地元にお金も落ちるし、2時間通うとる間に無駄遣いしてしゃあないん違うかと、そういうふうなお話で、就職の募集が始まったら教えてくださいよということあるんで、これ、いい話やなあと思って、今、私、しゃべりまくってます。そんなんおまえ、片道1時間半も2時間もと往復3時間もかかってやでと言うて、それで今どっちかいうと地域のコミュニティーとか、人とのつながりが希薄になったと言うとるやんというて。
 私、選挙のときに経験あるんです。新興住宅に行きまして、高校の同級生なんですけど、その家を訪ねて、次男坊やったんで新興住宅に建てとったんですが、「済まんけど隣もしくは向かいの人を紹介してくれへんかな」と、こう言うたら、知らないと言うんですよ。無理ないのは、まだ現役ですから、聞くと、本人も2時間ぐらいかかって通ってるんです、大阪に。そしたら、大阪へ行って帰ってきて寝るだけ。そんな状態を繰り返してるんで、それはお隣の人にも出会うてないかわからへん。
 それからいうたら、これってそういう仕事と住まいがやっぱり身近にあるという職住近接のすばらしいところ。和歌山なんか環境もいいんですから、これを前面に出していってすると、さっきの話じゃないですけど、仕事が核になって人を呼び込んできて、今まで希薄になっていた人のつき合いもするようになって、職場が近かったら時間に余裕ができるんで、教育委員会も取り組んでおるコミュニティスクールも御協力してくれる人が──時間なかったらできませんやん、通うのが精いっぱいやったら。そういうええ傾向があると思うんで、そういうとこも、前に知事がたしか数字を出して、東京へ行って仕事をするとこうなります、和歌山ですると和歌山は得ですよというやつを県政報告でよくやられてたと思うんで、あれを事あるたんびにまたいろんなとこでしゃべっていただくということも、やっぱり次の世代の子供たちが地元で頑張ろうとする気になると思うんで、それも含めて、それもまあいうたら人材確保の戦略として考えていただけたらなと思いますので、その辺は要望ということでよろしくお願いします。
 それでは、大項目2、小型ロケット射場の誘致についてに入らしていただきます。
 キヤノン電子を初めとする4社が出資するスペースワン株式会社が計画する小型ロケット射場の誘致に関しましては、昨年より本会議場においてもたびたび議論がされております。
 県当局は、これまで企業誘致がなかなか進んでこなかった紀南地域における千載一遇のチャンスであること、県内への経済波及効果が10年間で約670億円程度見込まれること、県全体の発展に大きく寄与することなどから、気を緩めることなく、可能な限り早期に当県への立地を実現するよう、地元串本町とともに積極的な誘致活動を行っており、地元先輩議員からも熱い思いをお聞きしております。
 小型衛星を活用した宇宙ビジネスは、21世紀の最先端産業の一つになるものであり、キヤノン系企業などによる新たなロケット企業の誕生は、我が国の宇宙産業を牽引する貴重な礎になるものと思います。
 さらに、その活動の中核となる発射場が串本町にできれば、和歌山県が日本の宇宙産業の一大拠点となり得るものと大きく期待しているところであります。
 また、先ほど大項目1のように、私の地元地域では地の利もありまして、企業誘致戦略の大きな恩恵を受けているのに対し、これまで企業誘致が進んでこなかった紀南地域の活性化に対し、大きな起爆剤となることを期待しております。
 今回、上程されているわかやま版PFI制度を活用した小型ロケット射場建設に対する支援関連議案について、以下3点についてお伺いします。
 (1)わかやま版PFI制度の支援についてであります。
 今回、わかやま版PFI制度の活用をするための債務負担行為が議会に上程されております。このパターンの議案というのは私は初めての経験やと思うんですが、この予算案の趣旨について詳細な説明をまず求めます。
 あわせて、既にスペースワン社からは支援申請があったと聞いておりますが、その内容についてどのように評価しているのか、商工観光労働部長にお伺いします。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) わかやま版PFI制度は、無利子で長期の資金を貸し付ける等の方法により、企業の初期負担を軽減することで企業の本県への投資を促すために創設した制度であり、今議会に上程している32億円は、このわかやま版PFI制度による支援を活用し、スペースワン社が計画する小型ロケット射場の本県への誘致を実現しようとするためのものです。
 従来から御説明しているとおり、実際に支援を行うかどうかについては、今議会での議論も踏まえつつ、金融や法律の専門家等により構成される第三者による審査委員会の意見も聞いた上で、わかやま版PFI取扱方針として公表しているルールにのっとって判断していく方針です。
 スペースワン社に対して、わかやま版PFIによる支援の可能性について提案をしたところ、先方の反応は非常によく、和歌山に最終的に立地を決定した場合には、この支援策を活用したいということで、既に支援の申請がありました。
 この支援申請を受け、県は先日、衛星工学の第一人者や宇宙分野に明るい法律の専門家、金融の専門家など、本件にふさわしい県内外の専門家の方々を委員として迎え、早速第1回の審査委員会を開催したところです。
 その場の議論では、幾つか追加で事業者に確認を求めるべきことがあるとの指摘がありましたが、審査委員会の総意として、わかやま版PFI取扱方針で示された要件に照らし、支援を行うことが適当であるとの意見をいただいたことから、県としても支援の実行については前向きに考えています。
○議長(藤山将材君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 ぜひとも、前向きに考えていただきたいと思っております。
 次に、(2)支援に対する返済の確実性についてであります。
 本件については、ぜひ積極的に進めていただきたいと考えており、大きく期待もいたしております。県当局が可能な限り早期に当県への立地が実現するよう、地元串本町とともに積極的な誘致活動を行っていることについても感謝しております。
 しかし、県当局をチェックする立場にある県議会の一員としましては、気になるのは返済の確実性についてであります。返済の確実性についてどのように考えているのか、商工観光労働部長にお伺いします。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) スペースワン社からは、基本的に融資相当額の資金を預金担保とすることで返済の確実性を担保していきたいとの提案がありました。預金を担保としてもらえるのであれば、我々としては返済の確実性については十分に確認できるものと考えています。
 一方で、先方からは、例えば自社が有する土地や設備等を担保として提供するなど、預金担保以外の方法により債権保全措置を講じた場合などに、一時的にその債権保全措置の内容に応じて担保としている現預金の一部を活用することを認めるなど、多少柔軟な資金の活用を可能にしてほしいといった申し出もありました。
 この提案を認めるかどうかの判断は難しいですが、我々の目的は、本事業が成功し、その結果、県が発展していくことであること、また、審査委員会でもこの提案について大枠として異論がなかったことから、現時点ではこれを認めていきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 現時点で認めていきたいと考えているということなんですが、私、これについてはいろいろありまして、確かに私たちも厳しくチェックしてするという、それは行政が主体的にやる仕事については当然私も厳しくチェックさせていただきますんで、仕事ですので。
 ただ、心配なのは、相手さんに来ていただくということなんで、ほかの都道府県よりも、やっぱり、よりこちらに来ていただくというタイプのことなんでね。例えますと、石橋をたたいて渡るというお話があると思うんです。私も経営者の端くれでございますんで、考えるときに三つパターンを考えるんです、いつも。石橋をたたいて渡る、確かにたたいて渡らないとだめなんです。ところが、石橋をたたき過ぎると渡れなくなるんですね。もう一つあるのが、それ以上たたくと石橋が潰れるんです。ということは、話が潰れるということになると思います。
 この辺のさじかげんというのがなかなか難しいとこやと思いますが、ただ、一番目的は、先ほど言わしていただいた、いかに和歌山県の今後の将来の活性化につながるかつながらないか、私は大きい判断、決断の時期やと思っておりますので、これを逃すか逃さないかで和歌山の将来は変わると思いますので、私はより柔軟な対応を期待させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 次、(3)誘致実現に向けた決意についてであります。
 企業誘致について、私の地元橋本市の事例でいいますと、先ほども言わしていただいたかわかりませんが、橋本市は、もともと住宅開発に取り組んでいましたので、住宅開発予定の山林はたくさん残っていたのですが、企業誘致に使える用地が少なくて困っておりました。
 そんな折に、仁坂知事の御英断で、住宅開発予定地の山林を企業立地用地に造成するため、UR都市機構と全国初となる共同開発事業に取り組み、投資をしていただき、紀北橋本エコヒルズが整備されました。このことが起爆剤となって、現在の45件の進出が決定し、2021年には1700人を上回る成果につながって、さらに進展しております。
 しかし、当時はやっぱり、今さら山林を造成して取り組んでも塩漬けの土地をふやすだけやないかと、この意見が多かったんです、私、市会議員やったと思いますが、このときは。ところが、仁坂知事が思い切った決断で、この全国初のことをやっていただいたおかげで、私は大きな成果を生み出してきたと思っております。
 私は、市会議員時代からこのことを目の当たりに実感しておりますので、項目の最後に、改めまして誘致実現に向けた知事のお考えと決意をお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 御質問の中でも触れていただきましたとおり、企業誘致について、紀北地域ではこれまで一定の成果を残してこれたのではないかと思っておりますけれども、一方で、都市部から物理的な距離が離れている紀南地域においては、道路事情がもっと悪いというのもあるんですけれども、大規模な企業誘致が進んできませんでした。
 そのような中、この小型ロケット射場の案件は、和歌山県最南端という通常であれば不利な条件が、むしろ地の利として生きるという案件でございまして、これは千載一遇のチャンスだと思っておるわけでございます。 私自身、地元の本件に対する期待の大きさも感じておりまして、ぜひ本件を実現したいと考えております。
 紀北橋本エコヒルズについては、京奈和自動車道路の開通が間近、まあ時期はともかくとしてそのうちできるということで、橋本が企業誘致を進める上で相対的に優位な土地になるということが想定されましたので、橋本はよい企業用地なんだけども、すぐに着工できないと企業の投資というのはなかなか進まないんでございます。
 そこで、前の状態であると間尺に合わないので、したがって、これ、何とかせないかんのですが、持ち主のURは実はいろんな行革のしがらみがあって、自分でこれ以上投資をすることが許されなかったわけでございます。そこで、そのURに県から委託費を出して、それですぐに立地できるような地面をつくってもらったということでございますが、あのときは和歌山県にまた不良資産をつくったらどうしようかというふうに、私自身、逡巡する気持ちもございましたが、思い切って投資をしてよかったというふうに思っております。
 こうした経験から、企業誘致を進めるに当たってはタイミングを逃さないことがとても重要だと思っております。本件について、ロケットについても、好機を逃すことがないように、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
 本件が実現すれば、射場が立地する地域のみならず、県全体の発展に大きく寄与することが期待できると考えております。議会の皆様にも、ぜひ本件について御理解いただきまして、何としても日本で初めての民間ロケット射場をこの和歌山県で実現してもらえるように、今回提案している補正予算に御賛同いただきますように、よろしくお願い申し上げます。
○議長(藤山将材君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 知事のお考えも思いも十分わかりましたので、これ上程されとる議案でございますので、私としたらその思いも理解した上で審議に臨みたいと思っております。
 それでは、次に行かしていただきます。
 大項目3番、伝統的工芸品産業の振興についてであります。
 (1)海外への販路拡大についてであります。
 近年、伝統工芸には追い風が吹き始めていると思います。2020年東京オリンピック開催に向けて自国の文化を見直す動きが加速化しており、テレビや雑誌、行政からも伝統工芸への注目度は増しているようです。
 また、伝統工芸と映画、アニメのコラボによって、若年層からも新鮮なものとして受けとめられ、新たな顧客層も獲得しつつあるようであります。
 幾つか事例を紹介しますと、映画「シン・ゴジラ」では、作品中の日本の総理大臣が秋田県出身という設定から、執務室の背景に秋田県の工芸品が多数飾られ、それが話題になりました。
 次、大ヒット映画であります「君の名は。」、これは皆さん知ってると思うんですが、作品中の重要なアイテムとして伊賀組みひもが登場し、作品のファンが組みひも体験に多数訪れたり、さらに、多くの組みひも店で売り切れが続出。公式グッズとして販売されると注文が殺到し、最大4カ月待ちになりました。
 もう1点、日本刀をモチーフにしたゲーム「刀剣乱舞」などに影響され、若い女性を中心に日本刀ブームが起こり、若者が日本刀のイベントや展示会に殺到しました。
 また、南部鉄器の急須をカラフルにしたところ、フランスのパリで紅茶を楽しむティーポットとして人気に火がつくなど、海外から注目も増しているようであります。こういう案件が多数報告されております。
 今後、東京オリンピックの開催、本県での国民文化祭の開催、大阪での万国博覧会の開催など、ビッグイベントが連続することから、当然、日本の伝統文化が世界中から注目されることになると思います。本県の誇る伝統的工芸品産業を、付加価値高く世界に売り出す絶好のチャンスではないでしょうか。
 そこで、海外への販路開拓について、商工観光労働部長にお伺いします。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 伝統工芸品の海外への販路拡大につきましては、本年11月の中国国際輸入博覧会に出展したのを初め、来年1月にフランス・パリで開催される世界最大級のインテリア・デザイン見本市「メゾン・エ・オブジェ」に集団出展する予定で、本県の伝統工芸品である紀州漆器の企業も複数出展することになっております。
 また、BtoBの展開として、ジェトロ和歌山貿易情報センターと連携し、本年8月と10月には貿易実務セミナーを開催したのを初め、11月にはキッチン・テーブルウエアの海外バイヤーを招聘し、商談会を実施したところであります。
 さらに、観光局と連携して海外有力メディアを招聘し、「The Japan Times」やJAL機内誌「SKYWARD」を初めとする新聞、雑誌等の各種メディアにおける露出を通じ本県の伝統工芸品の認知度向上に取り組んでおり、海外ブランディングを積極的に進めているところであります。
 議員御指摘のとおり、本県としても絶好のチャンスと捉え、ジェトロ和歌山貿易情報センターを初めとする関係機関との連携を深め、さらなる伝統工芸品産業の振興に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 よろしくお願いします。
 それでは、(2)紀州へら竿研究池における桟橋の災害復旧支援についてに入らしていただきます。
 紀州へら竿は、平成25年3月に経済産業大臣の伝統的工芸品指定を受けております。県内では3品目で、同年11月に和歌山県で伝統的工芸品全国大会が開催されたこともあり、県を挙げて紀州へら竿が全国に発信されました。
 さお師でつくる紀州製竿組合では、指定を受けたことをきっかけに伝統的工芸品の振興計画を作成し、伝統的技術を伝えるため、後継者育成に向けた取り組みを始めました。養成施設である匠工房では、伝統技術の継承を目指す若者が修行し、独立しています。
 しかし、独立しても廃業するなど、技術の伝承、後継者の育成が課題となっています。その最大の要因は、安定した収入が見込まれないことにあります。そのため、紀州製竿組合では、中国の富裕層など海外の市場に目を向け、本年5月には中国のフィッシングショーに出展するなど、2019年以降、具体的な販路拡大に向けて取り組みを始めたところであります。
 こうした状況の中、本年9月4日に和歌山県に訪れた台風21号により、へら竿の研究池である隠れ谷池の浮き桟橋が大きく破損いたしました。紀州製竿組合は、早期の復旧を目指し、組合員が協力しながら修繕を行ってきましたが、沈んだ桟橋の引き揚げや交換を必要とする破損部分は人力だけでは難しく、現在も復旧できず、沈んだ状態にあります。
 和歌山県知事指定の郷土伝統工芸品にも指定されている本県の全国、世界に誇れる伝統的工芸品であります。研究施設の破損により、伝統技術の継承が非常に厳しい状況になっていると思います。県として、市町村と協力して特段の災害復旧支援が必要と考えますが、商工観光労働部長にお伺いします。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 和歌山県の伝統工芸品は、経済産業大臣指定伝統的工芸品の紀州漆器、紀州箪笥、紀州へら竿の3品目があり、和歌山県知事指定郷土伝統工芸品の9品目と合わせ12品目指定されており、本県としては、従来からこれら伝統工芸品の普及と販路開拓を支援してきたところであります。
 紀州へら竿の研究池である隠れ谷池は、国内外の方が釣り体験を楽しむことができる観光資源としても地域の重要な役割を担っていると認識しております。
 先般の台風21号により、隠れ谷池にある桟橋の一部が損壊し、利用に影響が出ていることは承知しており、県としては、早期の復旧と振興に向け、事業再開補助金を含め、国や市とも連携してさらなる支援を実施してまいります。
○議長(藤山将材君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 ありがとうございます。
 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、岩田弘彦君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時35分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(岸本 健君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 36番菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕(拍手)
○菅原博之君 ありがとうございます。質問の機会をいただきました。早速質問に入りたいと思います。
 まずは、仁坂知事が県民からの圧倒的支持を得て4選されたことに、心からお喜び申し上げたいと思います。
 知事は、選挙前、県庁をひとまず離れるに当たって、仁坂県政は県職員の皆さんとともにつくり上げてきたものだ、私が一生懸命その成果を訴えて県民の皆さんに評価いただけなければ県職員の皆さんにも申しわけないのだという御趣旨のお話をされました。まさに、その県政が評価されていると同時に、今後の大きな期待が寄せられた結果であると思います。
 その上で、今回は、まず今後の人口減少社会のあり方について考えたいと思います。
 本県は、長期人口ビジョンで和歌山県の将来人口の推計を2040年に70万人、2060年に50万人程度まで減少するとしています。この長期人口ビジョンが発表された3年前はまだ県人口が100万人と言われておりましたので、そこから考えると、今後、人口が3割減、5割減の社会が到来いたします。本年4月時点での推計人口が93万人台になったとの発表が県からもございましたので、恐ろしく速いペースで減ってきております。
 本県の長期計画では、各種の政策を動員して何とか3割減でとめようと努力されておられるわけですが、それでも3割減るということは相当大きい社会への負荷がかかってまいります。既に、鉄道やバスの路線維持の問題、地域によっては買い物難民と呼ばれる状態も出てきております。病院の維持、水道の維持など大きな社会問題となっており、放っておけば、単に合併や民営化だけでは片づかない根本的な部分で、今後ますます対応が難しくなるのではないかと考えます。
 対応の一つは都市部では交流人口をふやすことですが、和歌山市では大学誘致も進んだ今後は、町なかのにぎわい創出のために、そういう種をもとにどういう受け皿で交流人口を受けていくのか、学生や関係の方たちの滞在、滞留する地域を大学以外に広げることが重要です。そして、大阪では万国博覧会の誘致も決定しました。今後さらに交流人口をふやしていく取り組みに力を入れなくてはなりません。
 こういう話をすると、すぐに観光という連想で和歌山の魅力をアピールということに発想が飛ぶと思いますが、私は昨年、小西美術工藝社社長で政府の観光局特別顧問をされておられるデービッド・アトキンソンさんの御講演を和歌山市でお聞きした際に、アトキンソン氏は以下のように述べられました。「広報やアピールにそんなに力を入れる必要はない。今は、よいものは放っておいてもインスタグラム等で拡散していく時代だ。むしろ来ていただくためには中身を磨くことのほうがよほど重要だ」という御趣旨のお話でございました。
 宣伝よりも中身をどう磨いていくのかということが問われるのだということをおっしゃっているのですが、そのとおりで、中心街の活性化のためには、都市には都市の魅力がなくてはなりません。私やこの議場におられる皆様も、JR和歌山駅、南海和歌山市駅におり立った方の印象の言葉として「何もない」という言葉を一度や二度お聞きになったことがあると思いますが、これは他府県の方がおっしゃるのではなく、和歌山の方が他府県に出かけて帰ってこられた際に出る言葉であります。多くの和歌山県人が県都におり立って思ってきた感想が、中心部ににぎわいが「何もない」なのです。
 都市計画は市町村がすることになっていますが、紀北、紀南というくくりで地域の拠点の魅力をどうつくっていくのかが問われているのだと思います。
 そこで、都市中心部のにぎわいと活性化について、県の現状の政策はどうなっているのか、都市政策の観点から県土整備部長にお伺いします。
 次に、空き家対策についてお尋ねいたします。
 都市の発展を阻害する要因として、また、都市周辺のインフラにおける懸念として人口問題を見たときに、空き家の問題があります。この問題は、傾いた建物や危険な状態までいけば撤去という対応をとれることになりましたが、資産の有効的な利用促進という観点からは、十分な対策はなされていません。
 つまり、人口減少によって空き家がふえれば、都市中心部ではにぎわいがなくなり、公共施設や商業施設の維持が難しくなり、地域全体の魅力が乏しくなる点、また、周辺部では人口減少は交通インフラ維持の問題や買い物難民の問題も出てまいります。そこからさらに周辺部に行くと、これまで提供していた医療サービスの維持をどうするのかといった問題に発展してまいります。
 過疎やまちの空洞化、住居地域の分散化といった問題は、放っておけばどんどんと進行していってしまう。医療、水道、電気、鉄道など公共インフラの維持コストがどんどん膨らむおそれがあります。事業の合併、民営化は、あくまでも効率化や品質向上の話であり、利用者の減少と保守範囲の広がりには行政の根本的対応が必要です。
 その上に、今後はさらに高齢化が顕著になってまいります。その結果、医療、福祉の課題が大きくのしかかり、また、買い物難民等の地域社会維持の問題についても対策が重要です。
 これらの問題には、どうしても地域、地域で可能な限りまとまって住んでいただく、分散からコンパクトな集中が必要となってまいります。和歌山市でいえば、お城を中心とした中心部の活性化と同時に、その中心部のさらに周辺部では、地域ごとにコンパクトに拠点をつくっていく。そして、その拠点に人口が集積する要因を政策的に実行しなければなりません。そうすることで一定以上の集積が生まれれば、そこに商業施設も来て、その地域の買い物難民が解消するという流れを想定するわけですが、やり方と条件によっては可能だと考えております。
 これは、市町の都市計画に反映するべき課題でありましょう。しかし、例えば貴志川線に問題を絞った場合ですが、貴志川線には、その維持に要する費用として、2016年度から10年間で12億5000万円が県を含む3自治体から補助されます。これは、地域の交通を維持し、地域経済浮揚のために必要な経費だと理解し賛成するものでありますが、この協定が切れる2025年度末までに沿線の人口減少に手を打たなければ、次はこの金額では済まない、あるいは大幅に貴志川線事業の後退を招くおそれがあります。
 そこで、例えば一案ですが、貴志川線沿線に対象エリアを設定して家賃補助を行うことで、空き家対策やコンパクトシティーの形成、町なか活性化という効果も生まれます。加えて、医療などの政策分野の施策との相乗効果も期待できると考えます。
 また、若い世代の住民税非課税世帯に限定して、地価に応じて上限額を設定し家賃補助を行った場合、慶應義塾大学の山田篤裕教授によれば、一般低所得者向けの住宅手当が充実している国ほど世帯形成率が高いという指摘もされております。つまり、若い人たちが結婚しやすいということであります。人口減少対策としての効果も期待できます。
 また、公共交通インフラ利用との相乗効果を狙って家賃補助のエリアを設定することによって、そのエリア内での投資活動も誘導することができます。もちろん、そうして移り住んでいただいた方や従来からお住まいの方に対して、マイカー利用よりも公共交通機関利用の経済的有利性の理解を広めるといった、マイカー利用を無理のない範囲で各自が控えていただく取り組みも必要です。そういったことで貴志川線の利用者数を高めることが可能だと考えます。次の和歌山電鐵さんと3自治体の協定の際には、貴志川線自立のめどが立っていなければなりません。
 さきに触れました和歌山県長期人口ビジョンでは、「めざす将来の方向」の中で「未来を創造する決意」として、「構造的に人口減少が見込まれる中、これまでの取組だけでは社会減の抑制と出生率の向上を実現することはできない。あらゆる叡智を結集し、あらゆる分野で一歩も二歩も踏み込んだ政策を断行していく決意が求められる」と述べられております。
 県下には空き家が多く存在し、目に見えて減少が進まない現状の中、家賃補助を行うことで、都市の中心部のにぎわいづくりにエリアを設定したり、都市周辺部の買い物難民解消のために商店周辺に人口を集中させたり、公共交通機関利用促進の観点からも、例えば貴志川線沿線地域に人口を集中させる等が考えられますが、知事の御所見をお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) ただいまの菅原博之君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長松 諭君。
  〔松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(松 諭君) 都市中心部のにぎわいと活性化に関する県の現状の政策についての御質問をいただきました。
 都市中心部のにぎわいと活性化のためには、それぞれの市町村におきまして、都市計画の適正な運用によるゾーニングや、既存市街地などの拠点における再開発を行うなどによりまして、コンパクトな都市づくりを進めることが重要であると考えております。県といたしましても、こうしたことに取り組む市町村を積極的に支援しているところでございます。
 具体的には、都市機能の集約や町なか居住を誘導する区域を定める立地適正化計画を策定する市町村に対しまして補助金を交付いたしますとともに、町なか居住の促進やにぎわいの創出に資する市街地再開発事業を行う者を助成する市町村に対しまして補助金を交付しているところでございます。
 立地適正化計画につきましては、和歌山市、有田市、新宮市、湯浅町において策定済みでございまして、海南市におきましても現在策定しているところでございます。また、市街地再開発事業につきましては、南海和歌山市駅前地区を初め、和歌山市内の3地区において進められております。
 引き続き、県といたしましても、市町村と連携し、にぎわいのあるコンパクトな都市づくりに取り組んでまいります。
○副議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 空き家対策についてお答え申し上げます。
 空き家対策は、防災や衛生あるいは景観上のほか、土地の流動化を図り、地域の活性化を進める上でも重要であると認識しております。
 このため、空き家対策の主体は、例えば空き家法なんかでも市町村ということになっておりますけれども、県も一体となって各種の取り組みを進める必要があると考え、県、市町村、学識経験者等で組織する和歌山県空家等対策推進協議会を設立し、空き家の状態に応じた対策を総合的に推進しているところでございます。
 空き家については三つやり方がございまして、一つは、使える空き家は使っていただこうと、使っていただくときにお貸しするのが、御自身が使わないときは立派なおうちはお貸ししていただいたらいいんじゃないかと。そのときに問題になるのは耐震でございますので、そういうふうに契約が結びかけられている場合は耐震についてちゃんと調べるとか、そういうことについての助成を県でやるという制度をつくっています。
 それから二つ目は、貸していただくということで、これもきちっとした、ほかに迷惑をかけないような民泊法とかそういうのをつくりましたし、そういうことで特に古民家なんかはなかなかトレンディーでございますから、やっていただいたらいいんじゃないかと思います。
 三つ目は、使えないようなものはさっさと潰すというのが一番よいんでございまして、それで、ほんとに廃墟みたいになったのがいっぱい残っとるというのは一番よくないということだと思います。そこで、県では、そのための条例をずっと前からつくって、やろうとしてたんですが、もっとより強力な空き家法ができまして、市町村の仕事としてそれをやらなきゃいけないということになっております。
 そこで、先ほど申し上げました協議会で、市町村によっても、うちの市町村はきついとか、そんなふうに言われてもかなわんので、統一的な基準をつくったりして、みんなでやろうというふうな運動をしているところでございます。
 もう一つは、にぎわいと魅力あふれるまちづくりを推進するということも大事で、市町村に対して、町なか居住を誘導する立地適正化計画の策定や市街地再開発事業を支援しているところでございます。
 町なか居住が推進され市街地が集約されることによりまして、公共施設やインフラの維持管理業務やごみ集積等の行政サービスの効率化が図られまして、地価が維持され固定資産税収の確保が見込まれる。そういうことで、市町村にとってさまざまな政策効果が期待されるところでございます。
 そういう意味で、家賃補助を仮にやるとすると、してないところからしてるところへ、要するに政策誘導効果があって、人を移すというようなことがあるんで、そこはまあ県全体としてそういうことはやっちゃいけないと思うんで、やるとすれば、それは都市計画とか空き家対策の主体となる市町村が、地域の実情を踏まえて、これはどうしてもということでやるということになるべきだと思います。
 市町村が家賃補助を行う場合には、実は町なか居住を誘導するために子育て世帯や高齢者世帯などの入居を対象にしまして、全部じゃないんですが、市町村が負担する額に対して国からの支援が受けられる制度がございます。
 県といたしましては、市町村がこういうことをやろうということであるならば、必要となる国費の確保とか補助金を活用するための計画策定等について、事業主体である市町村に対していろいろと協力してまいりたいと考えております。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 御答弁ありがとうございます。
 なかなか難しい問題はあるんだろうと思いますけども、人口減少というのは、これはほっとけば大変な状態になると思いますので、どうか英知を絞っていただいて、都市周辺部の生活が成り立ちますように、また、行政に負担、早く手を打てば打つほど負担も少なく済むと思いますので、どうか御検討いただきたいと思います。
 次に、高齢ドライバーの交通事故防止についてお尋ねいたします。
 人口減少問題とは、一方では人口の高齢化問題でもあります。昨今、高齢ドライバーの交通事故の報道を頻繁に聞くようになりました。高齢者が健康で日常活動を続けていただくためには、この和歌山県に住んでいただく限り、車の運転は重要な鍵となります。
 いつまでも健康で活動的な人生を人生の最後まで続けていただけるよう政策の方向を定めなければなりません。技術の進歩もあり、安全な運転をサポートしてくれる自動ブレーキなども実用化されてきておりますが、現状の本県の高齢ドライバーの事故状況を警察本部長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 警察本部長檜垣重臣君。
  〔檜垣重臣君、登壇〕
○警察本部長(檜垣重臣君) 本年10月末現在における高齢ドライバーの関係する交通事故は560件発生しており、全事故に占める割合は29.3%となっております。
 警察といたしましては、高齢ドライバーの交通事故防止対策として、参加体験型の交通安全教育や街頭指導活動を推進しているほか、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制制御装置等の先進安全技術が搭載された安全運転サポート車が有効であることから、最新の安全性能について正しく周知させることを目的とした体感試乗会を自動車販売業者等と連携して開催するなど、その普及促進に努めているところであります。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ありがとうございます。
 やはり高齢ドライバーの事故というのは29.3%ということで、全体の3割を占めるという本部長の御答弁であります。そして、自動ブレーキなどの安全運転サポート車というのは有効だという御見解だと思います。
 その上で、前段の都市政策の部分でも触れさせていただいたように、急速な高齢化によって今後ますます高齢ドライバーはふえ続けることですから、早急な安全対策が求められております。
 交通インフラが十分とは言えない地域において自家用車はまさに命綱であり、それを手放してしまえば生活が成り立たない地域にお住まいの方も多く存在します。しかし、一方で高齢ドライバーの事故によって幼子が犠牲になるケースが、本年秋にも和歌山市内において発生しております。
 高齢者の生活事情というものは、高齢ドライバー全ての中で簡単に新車を買いかえることのできる方はわずかです。そこで、例えば高齢ドライバーに対して、交通事故の抑制につながる自動ブレーキ装備に要する経費を補助する仕組みを構築してはどうでしょうか。
 大体、ドライバーの方自身も自分が事故を起こす立場になることを恐れているわけですから、そこで事故を防ぐ、あるいは事故が起きた際にも軽度で済むよう、車の買いかえを検討されている高齢ドライバーの方に、せっかくならオプションの自動ブレーキ装着車を購入しようと決断していただけるよう買いかえ時に補助を行い、高齢者の日々の暮らしをサポートする政策を進めるべきと考えます。
 人の移動範囲が市町村を超えることが日常的になっている現状から、県が取り上げるべき課題ではないかと考えますが、他府県の例を見ますと、香川県で全高齢ドライバーを対象に3万円の補助金をつけておられます。17年度実績で、2071台が購入時に自動ブレーキ装着車の補助を受けられております。また石川県でも、本年6月から県が高齢ドライバーに安全運転サポート車の購入に3万円の補助制度を設けておられますが、当初は年間300台という限定枠を設けていたものを、半年で292台の申請があり、県では予算を上積みし、台数制限をなくす方針を決定したとのことであります。
 中古車市場に自動ブレーキ装着車が普及するまでの間、高齢者に対して自動ブレーキの装備された車への補助を行うべきだと考えますが、この点を環境生活部長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 環境生活部長山田成紀君。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 高齢ドライバーの事故が課題になる中、交通事故防止や被害軽減に大きな効果がある自動ブレーキ装置や、ペダルを踏み間違えたときに加速を抑制する装置など、先進の安全技術が搭載された安全運転サポート車につきましては、現在、国において官民一体となって開発、普及が進められており、新車の乗用車への自動ブレーキ装置搭載率を2020年までに9割以上とする目標は既に達成されつつあります。
 本県におきましても、身体機能の低下や健康上の理由で運転に不安を覚える高齢ドライバーには、運転免許証の自主返納を呼びかける一方で、運転を続けられる高齢ドライバーには事故を起こさずに運転していただくため、警察や関係団体、自動車販売事業者等と連携して、安全運転サポート車の効果を実感できる体験講習会を開催するなど、その利用促進を図っているところです。
 議員御質問の高齢者に対する自動ブレーキ装着車の購入補助につきましては、他県で実施している例もございますが、今後、購入される新車のほとんどの乗用車には自動ブレーキ等の先進安全技術が搭載されることや、自動車購入費用全体に占める自動ブレーキ装着費用の割合を考えたときに、補助金が買いかえを促進するインセンティブになるのかという疑問があります。
 こうしたことから自動ブレーキ装着車の購入に対する補助は困難と考えますが、引き続き高齢ドライバーの安全運転対策に、警察や関係機関と連携して総合的に取り組んでまいります。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ありがとうございます。
 国の安全サポート車普及の方針は、部長の御答弁にあるとおり、新車への装備を進めることです。さきにも述べましたが、年金暮らしの高齢ドライバーで、新車をおいそれと購入できる層がどれだけあるでしょうか。
 日本の自動車市場の半分は中古車市場です。その状況で高齢者が買いかえを検討するのは、まずは中古車からだと思います。2020年までに9割新車に普及したとして、それが中古車市場に9割出回るには、さらに6〜7年ぐらいかかるのではないでしょうか。今から7〜8年先と見なければなりません。その間、できる限り高齢ドライバーが車の買いかえを検討する際に、安全運転サポート車を選んでいただくことが必要です。
 県の単独事業として難しいなら、国にも要望を行い、国の補助を働きかけてはいかがでしょうか。再度、環境生活部長にお尋ねいたします。
○副議長(岸本 健君) 環境生活部長。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 先ほどもお答えしたとおり、自動ブレーキ装着車の購入に対する補助は困難であると考えておりますので、国への要望も現時点では考えておりませんが、高齢ドライバーの交通事故防止対策に係る総合的な施策の一層の推進につきましては、国への要望も含め、引き続き警察や関係機関と連携して研究してまいります。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ずっと補助を続ける必要はないと思うんです。しかし、中古車市場に安全サポート車が行き渡るまでの間、高齢ドライバーに対して安全サポート車の補助が必要だと思っております。確実に事故の程度を軽減したり防ぐことができるのですから、今後も訴えさせていただきたいと思います。
 さて、私の住む地区で起きたことでありますが、本年9月、老人男性が和歌山市鳴神地区の農業用新溝用水路に自転車とともに転落し、死亡したとの報道がございました。この場所は、以前から車の脱輪などが多く、歩行にも非常に気を使う側道が併設されております。
 私は、この際、二度とこういうことが起こらないよう転落防止処置を望むものでありますが、まずは県警本部長に事実関係をお伺いしたいと存じます。
○副議長(岸本 健君) 警察本部長。
  〔檜垣重臣君、登壇〕
○警察本部長(檜垣重臣君) 議員御質問の事故に関しましては、本年9月28日に認知したもので、和歌山市鳴神の用水路内に自転車とともに転落していた高齢男性を付近通行人が発見し、通報がなされ、所要の救急措置等が講じられましたが、当該男性の死亡が確認されたものであります。
 詳細につきましては捜査中であるため差し控えさせていただきますが、当該事故に関しましては、高齢男性が自転車とともに用水路に転落した交通死亡事故と見て、所要の捜査を実施しているところであります。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ありがとうございます。
 先ほども触れましたが、当該用水路の側道は道幅が狭く、車が来れば人がいる余地がない状態の道幅です。また、道と用水路の間に転落防止の防護柵がない上、ガードレールもなし、側道は周辺住民の生活道路であり、また、岡崎方面からの通り抜けの車が通る、いわゆる通り抜けの道でもあります。
 安全策を和歌山市に求めたところ、用水路に沿う形で県有地が存在しているということであり、和歌山市は、県が当然整備する箇所との認識です。しかしながら、県当局は所有していないとの認識で、要請の結果、このたび県当局が市と話し合いを持っていただき、これは現場の方が早急に対応していただいて大変御苦労いただいたんですけども、危険箇所のうち7割方が市が所有すると確認され、和歌山市が転落防止策を講じることとなりました。
 しかしながら、まだ所有がはっきりしない未解決の危険箇所が3割方残っており、和歌山市の担当課は、その箇所は丸々県有地との主張であります。人命にもかかわることですので、当局にはこのまま放置することなく、確実な対応を求めたいと思います。
 この点について、農林水産部長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 当該新溝用水路につきましては、昭和30年代から40年代に県営土地改良事業として整備したものでございます。
 議員御指摘の当該区間の側道につきましては、里道を水路管理道路として整備したもので、現在は周辺住民の生活道路としても利用されております。区間内の里道のうち、大部分は和歌山市に管理を譲与済みですが、一部未譲与の区間があります。
 譲与済みの区間につきましては、市で安全施設の整備を行うと聞いております。未譲与の区間につきましては、引き続き和歌山市及び用水路施設の管理者である紀の川左岸土地改良区と協議しながら、安全施設の整備を進めてまいります。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 御答弁ありがとうございます。
 担当課が一生懸命動いていただいてるということは評価さしていただきたいと思います。どうか二度と今後に禍根を残さない確実な対応を要望いたしまして、本日の私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(岸本 健君) 以上で、菅原博之君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 6番花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○花田健吉君 本日、もう最後になりました。いましばらく御清聴いただきたいと思います。
 ただいま議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 ことしは、台風が立て続けに和歌山県にやってきました。特に21号は風台風となり、和歌山市でも瞬間風速57.4メートルと観測史上最大の瞬間風速を記録し、屋根瓦被害はもとより、電柱被害による長期停電も記憶に新しいところであります。また、農作物の塩害やパイプハウス等の損壊も大きな被害となりました。
 知事はいち早く、被害に遭われた方々のために、あらゆる施策を国、県一体となって復旧対策に当たっていただきました。被害に遭われた方々も、きっと心強く思ったことと思います。まさに「あたたかい県政」を標榜する仁坂知事の面目躍如といったところであります。
 しかし、台風21号は、関西経済のみならず、中部、中国、四国エリアにも大きな経済的被害をもたらしました。初日に新島雄議員からも御指摘がありましたが、関西国際空港の連絡橋へタンカーが激突し、通行不可能となり閉じ込められた利用客はもとより、通行可能となるまでの期間、広域エリアの経済に与えた影響の大きさに私たちは震撼し、改めて関西国際空港が旅行客はもとより物流の拠点であることを再認識いたしました。
 海外から物資が届かない、国内の生産品が輸出できない、観光客のキャンセルが相次ぎ、ホテルや関連するお店にも大きな影響を及ぼし、多大の損害を与えました。和歌山県にも、観光業界を初め大きな損失を与えたことは御承知のとおりであります。改めて、国際空港の重要性を認識したところであります。
 折も折、11月22日に大阪万博が2025年に開催が決定いたしました。関西は、大変な祝福ムードで盛り上がっております。東京オリンピックの次は関西の時代がやってくると期待が膨らみ、エキスポ70以来の活況が大阪を中心に広がるのではと、経済界はもとよりみんなが大きな期待を寄せるものであります。
 仁坂県政の最重要施策であるIRの誘致にも、関西国際空港の一時機能停止は誘致活動に影響が出るのではと心配をいたしました。
 今後、世界的規模のイベントが予想される中、関西国際空港の危機管理体制が大きな課題となっています。幸いにして、今回は連絡橋が完全に落ちることなく、間もなく復旧いたしましたが、まさか連絡橋が破損し通行不能になるとは、正直想定していなかったのではないでしょうか。
 しかし、私が二階俊博代議士の秘書をしていたころから関西国際空港の南連絡橋の必要性は議論されていました。国際空港であるがゆえのテロ対策や不測の事故や今回のような災害による事態に備え、もう1本進入ルートが必要であると、当時から議論されていました。
 しかし、当時の社会情勢により、いつしか先送りされ、近ごろは議論さえされなくなっていました。最近、ある会合で地元、阪南市長の水野謙二市長にお会いする機会がありました。水野市長さんは、南連絡橋の建設に大変積極的で、周辺の市長さんとも協力して国に陳情しているとのことでした。当然、二階自民党幹事長にも、先般陳情されたとお聞きいたしました。和歌山県も、関西国際空港の出資自治体であり、県経済にも大きく影響する南連絡橋の必要性について検討すべきと考えます。
 先般の事故で、関西国際空港の及ぼす物流経済の範囲は、東は名古屋経済圏、西は中国・四国経済圏まで関西空港に頼っていることが、図らずも判明いたしました。
 もちろん、南連絡橋ができることで、和歌山県、特に第二阪和国道と直結している和歌山市は、飛躍的な利便性の向上につながります。IR誘致にも好印象を与えるのではないでしょうか。
 知事は、四国新幹線構想に関連して、選択肢を広げて新島議員の質問にお答えでしたが、各自治体の負担を考えると、南連絡橋は現在の連絡橋ほどの規模でなくても、対向車の安全が確保できれば2車線でもいいのではと考えます。
 そこで、仁坂知事にお伺いをいたします。
 関西国際空港は、我が国唯一の24時間空港であり、世界の各地とつながる西日本の物流のかなめの空港であることから、もし万が一、通行不能となれば、影響を受ける経済圏の範囲は2府15県と広域にわたります。
 大阪府を中心に、それぞれの知事と連携して、関係機関に関西国際空港の南連絡橋の建設の必要性について働きかければ大きな推進力になると考えますが、いかがですか。
○副議長(岸本 健君) ただいまの花田健吉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本年9月の台風第21号によりまして、関西国際空港連絡橋が被災し、通行が制限される事態が生じたことから、議員御質問の関西国際空港南連絡橋など南ルートの整備は、災害時におけるリダンダンシーの確保や広域的な交通ネットワークの強化に寄与するものであると認識しております。
 さらに、私が関係府県の知事に直接働きかけをし、平成25年に設立いたしました関空・紀淡・四国高速交通インフラ期成協議会では、四国新幹線の早期整備を要望しておりますけれども、このルートとして活用することで、より関西国際空港の機能強化につながるのではないかというふうに考えております。
 南ルートの実現に当たっては、多額の建設費がかかることや採算性精査等の課題があることから、まずは国や関西国際空港のある大阪府の理解も得られるように働きかけるとともに、四国新幹線の関西国際空港へのアクセス方法として、今後も推進を図ってまいりたいと思っております。
○副議長(岸本 健君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 先ほども述べましたように、経済だけでいえばかなり広範囲の経済に影響を及ぼすわけですから、ぜひそういう関係の府県とも連絡をとりながら進めていただきたいなと思います。よろしくお願いします。
 次に、和歌山県の道路網整備についてお尋ねをいたします。今回は、あえて「道路網」という言葉を使わせていただきます。
 知事は、就任以来、高速道路では京奈和自動車道の完成、阪和道、紀勢道の南伸、阪和道の4車線化、国道42号では、海南─有田間のバイパス、田辺西バイパスの改修、X軸構想、川筋ネットワークの整備等を進められてきました。特に政権交代があった当時、「コンクリートから人へ」のキャッチフレーズで、高速道路御坊─南紀田辺間の約750億円余の予算が取り消されました。その後遺症は、現在いまだに御坊以南の渋滞を引き起こし、多くの観光客の皆さんに御迷惑をおかけしています。
 近い将来、必ずやってくる南海地震において、和歌山県の海岸線を走る国道42号線の被害は言うに及ばず、高速道路といえども地震の後は破損や点検等の関係ですぐに走れるとは考えられません。
 地震後、各方面から救援物資や医薬品等の補給道路の確保が大変重要な課題となってきますが、特に重要なのは郡境を越える南北をつなぐ道路であります。資料をお配りしてるので、ごらんください。
 和歌山県の道路網の地図ですが、県を南北に縦断してる道路が少ないことがおわかりいただけると思います。地図に載ってる道路であっても、一部区間でバスやトラック等の大型車が通行できない箇所を多く抱えています。
 地震・津波が起こったとき、北から南への移動は、一番東側の国道425号を経由して龍神から本宮に抜けるルートでさえ、一時的に通行不可能になる可能性が高いと考えます。北から、現在、県道海南金屋線の改修が行われていますが、平成29年10月の豪雨で通行どめになりました。日高川と広川の郡境をつなぐ県道広川川辺線は整備されています。県道井関御坊線も現在改修していただいています。
 日高から田辺につながる道路は、黒潮フルーツラインが完成していますが、国や県の管理する道路ではありませんから、道路ののり面がコンクリート等で補強されておらず、大きな地震があると崖崩れが起こり、復旧に時間がかかると推察いたします。
 そこで、今回質問させていただくのは、東西に延びる川筋ネットワークの整備が急ピッチで進んでいますが、南北の道路を整備することで道路が網の目のようにつながり、その機能を強靱なものとします。平時は高速道路と国道42号線で南北の移動に支障はありませんが、地震・津波襲来時に一定期間機能停止になる可能性があります。道路整備は1年、2年で完成するものではありません。将来に備え、今から計画的に南北に通じる道路整備も進めなくてはならないと考えます。
 そこで、今回は、県道田辺印南線の整備に絞ってお尋ねをいたします。
 この路線の難所は、印南町の樮川からみなべ町熊瀬川の区間が狭く、大型車の対向ができません。わずか数キロの区間であります。
 この道路は古くから生活道路として利用され、みなべ町側も印南町側もほぼ完成しているのですが、私が当選いたしました平成15年9月議会一般質問で、当該区間の改修をお願いをいたしました。15年前になりますが、当時、両町にはそれぞれの事情があり、みなべ町側は鶴の湯温泉まで改修してきましたが、そこでとまっていますし、当時、印南町は切目川ダム建設と関連の国道425号の改修が急務でありましたので、そちらを優先いたしました。最近、両町で県道田辺印南線改良促進協議会を結成し、早期改修に向け活動を開始したと聞いております。
 私は、昔、国道42号線の切目地区で豪雨のため42号線が分断され、長い間使えなくなったときのことを思い出します。ふだんなら御坊から田辺まで国道42号で40分もあれば移動できますが、当時、龍神村を迂回するとなると3時間半近くかかり、大変な時間ロスとなり、地域住民の生活に大きな影響を与えました。ちょうどその地点でJRも当然分断されてましたんで、そこまで来て乗り継ぎをする、国道もそこでとまって、バスとかあんなのも乗り継ぎをするというような状況でした。しかし、トラックの積み荷を向こうに持っていくというのはできないんで、どうしても奥へ回らなくてはならなかったというように当時記憶してます。
 私は、何も京都市のように碁盤の目のように整備することを考えているわけではありません。南北に移動できるルートをあみだくじのように整備し、もしものときのルートを確保しておくことが必要だと考えます。
 そこで、仁坂知事にお伺いをいたします。
 地震や津波により海岸に近い路線が通行不能になった場合、日高管内の国道424号と国道425号を南北に結ぶ県道田辺印南線の重要性をどのように認識しておられますか。
○副議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 和歌山県では、現状でございますが、内陸部の骨格道路として整備を進めていたX軸ネットワーク道路を平成24年度に完成さしまして、現在は、引き続いて川筋ネットワーク道路をプラスアルファという感じで、県内の幹線道路網の整備に重点的に取り組んでおります。
 日高管内においては、国道424号とか425号などを川筋ネットワーク道路に位置づけ、海岸部のみなべインターとか印南インターと田辺市龍神村などの内陸部を結ぶ幹線道路として現在鋭意整備を進めておって、かなり進んできましたが、まだちょっと残っとるというような感じでございます。
 議員御質問の県道田辺印南線については、いわゆる議員御指摘のような南北という感じで、みなべ町と印南町内において、国道424号と425号とを内陸部で南北に連絡する道路として位置づけられると思いまして、そういう意味では大変重要だと思います。
 議員の御指摘も踏まえまして、まずは今やってるところを完成させなきゃいけませんが、その次の段階で整備をしていかないといけない、そういう道路だと思っております。
○副議長(岸本 健君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 次に、県土整備部長にお伺いをいたします。
 現在、それぞれの郡境を越える道路整備は進んでいますが、御坊─田辺間をつなぐ県道田辺印南線と県道たかの金屋線のみなべ町と印南町の区間が一部未整備となっており、ぽっかりと、この地図でごらんのとおり、空白区になっています。ここがつながらないと、もし万が一のことがあると、先ほど申し上げた黒潮フルーツラインがもう使えないということになると、ずうっと425号線を龍神までさかのぼって、また424号線をみなべにおりてくるか、県道の虎ケ峰を越えて田辺市へ入っていくルートに迂回しなくてはならないということになりますんで、大変な遠回りになるんです。
 そこで、印南町とみなべ町で早期改修を熱望している県道田辺印南線の樮川から熊瀬川の間の今後の改修の見通しについてお尋ねをいたします。
○副議長(岸本 健君) 県土整備部長松 諭君。
  〔松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(松 諭君) 県道田辺印南線の熊瀬川から樮川の今後の改修の見通しについて御質問いただきました。
 県道田辺印南線につきましては、みなべ町熊瀬川地内から印南町樮川地内の町境付近約3.5キロメートル区間におきまして、幅員が狭小で線形も悪く、乗用車同士のすれ違いも困難となっているという状況でございます。
 このため、印南町樮川地内の特に交通の支障となっております箇所から、順次、現道の対策を進めてきているところでございます。
 県といたしましては、幹線道路でございます国道424号や国道425号の整備に引き続きまして、県道田辺印南線改良促進協議会を初めとする地元の方々の御協力も得ながら、現道の拡幅などによる整備について検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○副議長(岸本 健君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 私も町に住んでるんでよくわかってるんですけども、あそこ、なかなか現道の改修、拡幅というのはかなり制限されてるルートでもあるとは考えておるんですけども、生活道路でもありますんで、今のある現道の拡幅というのはぜひやっていただきたい。しかし、将来の大型バスとか大型のトラックが走れるような、そういう道にするには少し路線の形がちょっと悪いんかなあという気がしますんで、いろんな方法をお考えいただきたいと思います。
 次に、過疎地に対する知事の思いについてお伺いをいたします。
 仁坂知事は、先般、片山さつき地方創生担当大臣と面会し、スーパーシティー構想について話し合われたと「産経新聞」のデジタル版、電子版で拝見をいたしました。
 一般的に、スーパーシティー構想と聞くと、最先端都市、大都市のイメージが浮かびます。福岡市や神戸市が関心を示しているとお聞きをいたしました。しかし、さすが我が仁坂知事であります。和歌山県が少子高齢化で深刻化する過疎地域を多数抱えてることを踏まえ、「スーパーシティー構想によって過疎地にユートピアをつくるというのはどうか。一遍に人が集まってくる」と新たなコンセプトを大臣に提案されたと報道されていました。
 国のスーパーシティー構想自体、まだ具体策を明らかにしていませんが、地方の大都市のみならず、過疎地域にも新たなコンセプトを加えていただきたいと熱望する次第であります。
 先般の知事選挙で、県内各地の過疎地域を回られた上でのお考えではないかと考えますが、少子高齢化に悩む全国の過疎地域にお住まいの住民にとっては大変心強い提案であると思います。
 そこで、大臣に示された仁坂知事の過疎地に対する思いの一端をお聞かせください。
○副議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 国の考えるスーパーシティー構想は、それほどかっちりしたもんではございませんけども、推測も含めて申し上げますと、国家戦略特区制度の枠組みの中で、AI及びビッグデータを活用して革新的な暮らしやすさを実現する最先端都市を想定しているもんかなあというふうに思うわけでございます。
 しかし、私は、繁栄している大都市とか、あるいは新しく一からつくるニュータウンとか、そういうところばっかりだと、どうも日本のためには不十分であるというふうに思うんでございまして、将来にわたり人口減少が見込まれる本県の問題解決にも有効であるためには、片山大臣に申し上げましたようなところも考えていただいたらどうかというふうに思ったわけでございます。
 すなわち、過疎地にこういうスーパーシティーみたいなものを一つつくることができたら、そのモデル性というのも高まりますし、それから、その地域が一気に若返るというようなこともあると思います。それから、衰退した都市の中心市街地とか商店街とか、そういうものの再生に一気に資金投入して新しい町並みをつくっていくというようなことになると、今度は今我々が苦しんでるような問題の解決には物すごく役に立つ、そういうふうに思いまして、申し上げた次第でございます。
 ただ、そういうことを行うには、民間の資金なんかがそんなにたくさん来ることは、そのままでは期待できないところなんで、したがって、財政的な支援が物すごくたくさん要るということが必要になってくるんじゃないか、そんなことを申し上げたところでございます。
 私は、いつも県内各地に出かけましたり──公私ともにですが──それから住民の皆様と直接対話をしたりする中で、高齢化の進行によりまして若者や地域の担い手不足に苦しむ過疎地域の窮状についてはひしひしと感じて、危機感を持っております。
 このような地域においても住民の方々が安心して暮らせるように、県がいろいろ知恵を絞って実施してきたんですが、例えば過疎集落支援総合対策なんていうのは、これは国の先行モデルにもなってるんですけど、そういうものによって住民主体の取り組みを支援したり、あるいは移住・定住大作戦と銘打ってUIターンの促進をやってまいりましたが、こういうことをより積極的に進めていかなきゃいかんというふうに思っております。
 さらに、昨今でございますので、技術的な進歩がすばらしいものがあります。そういうのをこの過疎地対策としても取り入れることができたら随分いいんじゃないか。特に需要はそっちのほうが強いかもしれない。例えば遠隔医療など、IoT技術などをうまく取り入れて、それを技術というよりも、そういうサービスを実現するということができたら、過疎地に住んでいる人たちの不自由さというのが一気に解消されるという可能性もあることでございまして、夢や希望を持って暮らすことができるんじゃないかなと、そんなことを考えながら、新しい技術の活用も含めて、幅広い視点から過疎地域の振興策を今後とも一生懸命考えてまいりたいと考えております。
○副議長(岸本 健君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 ありがとうございます。
 僕もスーパーシティー構想と聞いたとき、僕ら関係ないなと、関係あるんだったらもしかしたら和歌山市ぐらいかなと一瞬は思ったんですけども、知事がそうではなくて、過疎地のことも、スーパーシティー構想という、そういう都会的な構想の折にも過疎地のことを思い出していただいて大臣に申し入れをしていただいたということは、本当に僕、うれしく思ったんで、だから僕、この質問を取り上げたんです。常日ごろから知事が過疎地域に対する温かい思いを抱いていただいていることを本当に心から感謝いたしますが、引き続き、過疎でお暮らしの皆さんに安心して安全で暮らせるような、安心感を与えるような県政であってほしいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 最後に要望があります。資料を添付してるんで、皆さん、見ながらお願いします。
 私の地元の日高川町に、和佐駅というJRの小さな無人駅があります。最近改修していただき、大変きれいでデザインもおしゃれでいいのですが、少し小さ過ぎるのです。座席が3席で、5人入ればいっぱいだそうです。
 利用者は、御坊の病院に通う高齢者が多く、雨の日は駅舎に利用者が入り切れません。ベビーカーのお子さん連れのお母さんが入ると、さらに狭くなります。最近、近くに開校した和歌山南陵高校の生徒の利用者もふえてきました。雨が降ると、トイレやホームの陸橋の階段の下で雨風をしのいでいるそうです。
 そこで、ホームに10人程度、雨風をしのぐスペースをつくっていただきたいと地域住民の皆さんから御依頼がありました。JR西日本に要望していただくことをお願いして、一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(岸本 健君) 以上で、花田健吉君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時3分散会


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