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平成30年12月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(濱口太史議員の質疑及び一般質問)


◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(藤山将材君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第146号から議案第150号まで及び議案第153号から議案第155号までは、職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第1、議案第142号から議案第181号まで、知事専決処分報告報第4号並びに諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 11番濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕(拍手)
○濱口太史君 皆さん、おはようございます。
 平成30年12月定例会、仁坂知事にとりまして再選後初めての定例会ということになりますが、その一般質問のトップバッターという、まだまだ議員経験の浅い私に光栄な機会を与えていただきました先輩・同僚議員の御配慮に心から感謝申し上げまして、精いっぱい務めさせていただきます。
 それでは、早速ですが、議長のお許しをいただきましたので、これからの県政に対するお考えや多岐にわたる政策について、全て知事にお聞きしたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 まずは、見事4期目の当選を果たされ、和歌山県のかじ取りを引き続き担われることになりました仁坂知事に、改めてお祝いを申し上げます。
 仁坂知事におかれましては、17日間にわたる選挙戦で県内各地をくまなく回られ、みずからの思いを大いに語るとともに、県民のさまざまな声を直接お聞きになったことと思います。
 選挙戦の中でも、また開会日の所信挨拶でも、知事は、これまでの3期12年間で県の課題や発展を阻害していた要因は随分と克服したと発言されていました。県政の課題を解決した具体的な取り組みとしては、清潔な県政実現のための公共調達制度の改革や職員倫理規則の制定、行財政の健全化に向けた改革の断行などが挙げられると思います。
 また、本県の経済的発展を阻害していた要因を克服する取り組みとしては、高速道路を初めとする交通ネットワークの改善、少子化対策や高齢者対策、さまざまな産業振興制度の創設や農林水産業の振興策、県独自の教育制度ができてきていることなどがこれに当たると思います。
 さらに、総務省統計局の一部機能移転や町なかへの4大学誘致、ITを初めさまざまな分野の企業誘致、南紀白浜空港の民営化、南紀熊野ジオパークの推進、下津港、日高港、新宮港における大型クルーズ船誘致の対象範囲を広げるための大がかりな施設整備などに取り組まれ、「県民みんなの力で県勢を発展させ、高みに駆け上がろう」と発言されていたとおり、新たな要素も加わった上昇機運を的確に捉えて、さまざまな施策を実行されてきました。さらに、本県の将来的発展を見据え、統合型リゾート施設・IRの誘致、小型ロケット射場誘致など、県民が夢と希望と期待に胸を躍らせる元気の糧を創生するための大胆で新しい取り組みに、果敢にチャレンジしていくことにも賛同をいたします。
 その知事の強い思いは、初登庁のときに出迎えた県職員を前にしてかけた言葉、「さあ、みんなで仕事だ」という言葉にあらわされていると感じました。しかし、その言葉は県職員だけにかけたものではなく、県政の両輪を担う県議会にも、そして、県民一人一人に向かって、積極的に県政に参加して盛り上げてくださいという気持ちも込められていたのではないでしょうか。
 さて、このように知事のこれまで進めてきた施策により、和歌山がもう一度力強く発展するための条件がようやく整ってきたことが実感できる状況になってきましたが、一方では、少子高齢化の進展や人口減少、県内経済の活性化や自然災害への備えなど、和歌山県が抱える解決されていない問題もまだ残っていると感じます。
 このような問題の解決に向け、知事は4期目の県政に当たって、長期総合計画をもとに、全ての知識や経験や人脈を総動員し、和歌山県が目指す将来像に向けて全力投球で取り組むと発言されていましたが、これらの政策を推し進めることで和歌山県が持っている潜在力を解き放ち、さらに元気な和歌山県をつくってもらいたいと考えます。
 そこで、知事4期目の初年度に当たる平成31年度当初予算編成に向けて、まず、新政策の基本的な考え方についてお聞かせください。
 あわせまして、財政運営についてもお聞きします。
 新たな施策を進めていく一方で、財政の健全性を損なわないような財政運営を行っていくことが重要です。
 これまでも知事は、新政策を積極的に推進しつつ、同時に県財政の健全性も確保するよう取り組んでこられたと思いますが、来年度の予算編成に向け、どのような財政運営をされようとしているのか。
 以上の2点を知事にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの濱口太史君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) これまでの12年間で、御指摘のように、和歌山県がもう一度発展できる条件がそろってきたというふうに思います。
 長年の懸念であった高速道路や府県間道路など幹線道路の整備が進み、さまざまな産業振興策も整ってまいりました。また、子育て支援を充実させるとともに、町なかへの大学の誘致も進めたところです。
 さらに、安全・安心の取り組みにおいても、医療の崩壊や福祉の後退を避けつつ、高齢者に向けた施策も着々と進みつつあるわけでございますし、災害への備えもだんだん充実して、全国トップレベルになっとるというふうに自負できるまでになってきております。
 これからの和歌山県は、これまでのように競争条件で他地域に負ける要素が減り、頑張ればその分だけ報いられる時代になってきたのではないかというふうに思っております。
 しかしながら、現在の状況は発展の入り口に立ったにすぎないと考えておりまして、その持てる潜在力に比べれば、まだまだ満足できるところではございません。
 また、避けられない少子高齢化やたび重なる自然災害への対応など、さまざまな課題が存在しております。特に、過去からの高齢化が重くのしかかっておりまして、数少ない──相対的にでございますが──若い世代、まだ元気な高齢者も含めて、よっぽどみんなで頑張らないといけないという状況だというふうに思います。
 平成31年度新政策では、これまでの取り組みを力強く加速、深化させて、大きな波にしないといけないと思っておりまして、本県が抱えるさまざまな課題の解消に向けて取り組んでいきたいと思っております。
 まず第1に、残っておりますやりかけの課題を解決しなければいけませんので、紀伊半島一周高速道路の実現を初めとする道路などのインフラの整備を加速させ、また、河川整備、津波対策などの防災対策も加速さしていかないといけないと思います。
 第2に、和歌山県の経済発展を進め、雇用を増加し、県民の暮らしを豊かにするため、これまで以上に産業振興に力を入れ、特にその執行も含めて力を入れて、かつ、IT産業の集積など新しく芽が出てきたものについても推し進めていかないといけないというふうに思います。さらに、地域を発展させる新しい要素として、IRの誘致や小型ロケット射場の誘致を推進していきたいと思っております。
 第3に、地震・津波や風水害への対策を油断なく進め、また、医療や福祉、高齢者施策、教育などの充実に取り組んでいかないといけないと思います。地域医療構想、健康長寿、子育て対策など、充実していかなければならないものがたくさんございますし、ICT教育など新時代に対応しなければならないこともございます。
 第4に、ねんりんピック、ワールドマスターズゲームズ、国民文化祭など、県民皆で力を合わせてつくり上げていかなければならないものも多うございまして、これの準備を着々とやっていかないかんというふうに思っております。
 現在、こうした思いで新たな施策を鋭意検討中でありまして、議員の皆様の御意見も伺いつつ、来年度予算案を作成し、2月県議会に提案をしたいと思っております。
 次に、財政運営についてでございます。
 先ほど申し上げました新たな施策を着実に実施していくためには、財政の健全性を同時に確保していく必要がございます。
 このため、平成33年度までの5年間の中期行財政経営プランを昨年3月に策定いたしておりまして、財政運営に関しては、社会保障関係経費が増加する中、新たな施策の展開も図っていくため、人員体制の見直しや事業の見直しによる財源確保に全庁を挙げて取り組むとともに、自然災害等不測の事態に備えるため、プラン期間中、財政調整・県債管理基金について、あんまりため過ぎるとこれはいけませんので、必要なところには予算をきっちりつけるわけですが、一方、放漫にならないように、少なくともこの目標年度で150億円を維持するという方針を示しているところでございます。
 本県の昨今の経済情勢は緩やかに回復しつつあるということでございまして、県税収入についても法人2税を中心として堅調に推移しておるわけでございますが、絶対額からいうと小さいところからちょっと上がったぐらいでございますんで、米中貿易摩擦とか原油価格の動向など情勢を楽観できない要素もこれまたありまして、先は見通しにくいところでございます。
 そのような中での来年度の予算編成は、引き続き県税を初めとした歳入の確保等に努めるとともに、中期行財政経営プランの方針に基づきまして、国の予算編成の動向にも留意しながら、スクラップ・アンド・ビルド等の事業見直しの徹底、既存事業についてマイナス5%のシーリングの実施によりまして、新たな施策の展開と持続可能な行財政運営の両立に努めてまいる所存でございます。
○議長(藤山将材君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 知事は、選挙戦の中で大変精力的に活動をされていました。私も、選挙戦序盤の新宮市や那智勝浦町、太地町での個人演説会や街宣活動に参加をしました。特に太地町内では、沿道で待つ大勢の町民のもとに知事みずからが街宣車をおりて一生懸命に駆け寄り、一人一人と握手をされている姿には感動すら覚えました。県民の幸せのためには手を抜かない、県政に全速力で取り組むんだという姿勢をかいま見たように思います。
 県議会も、県当局と重要な両輪としての責務を果たし、ふるさと和歌山県を元気にするため頑張りますので、今後とも和歌山県のかじ取り役をしっかりとよろしくお願いいたします。
 では、ただいまの御答弁にもありました二つの施策について、もう少し詳しくお聞きしたいと思います。
 まずは、津波災害対策についてお尋ねをいたします。
 知事は、これまでも、また選挙期間中も、自然災害による犠牲者ゼロを目指すと一貫した決意を声を大にしておっしゃっています。
 地震、津波、豪雨、最近では台風による強風など、自然の猛威をとめることは不可能だとしても、とうとい人の命と大事な財産を守ることは必ずできるという信念を私も持ち続けておりますが、その達成のためには、過去の経験や他地域で発生した自然災害の状況を分析し、先進的な事例や効果に期待ができる最新のアイデアを駆使し、緻密な計画を立て、行政や地域力で対策を講じることが必要不可欠であることは言うまでもありません。ハード面とソフト面の両面で何か有効なものはないだろうか、日々勉強しているところであります。
 そうした中で、今回取り上げますのは、津波災害からの避難についてです。
 このことにつきましては、先日開催されました「世界津波の日」2018高校生サミットin和歌山、また、東京で開催されました南海トラフ地震等に対する緊急防災対策促進大会に参加しましたが、国内外が大変な危機感を持ち、早期の対策に迫られていることを痛切に感じました。
 さて、担当部局にお尋ねしますと、津波避難困難地域を判断する基準は、3連動地震及び巨大地震の津波浸水想定をもとに、避難開始の時間から1分間で30メートルの避難速度、逃げ方、距離、地形などを総合的に検証し、地区単位で決定していることや、10年間の計画で津波避難困難地域を解消していくと伺いました。
 しかしながら、東日本大震災での迫りくる津波の様子などを映像で見ておりますと、特に津波が到達するまで短時間と言われる地域では、健常者でも避難行動が決して容易ではないと思われる中、避難弱者と言われる高齢者、幼児、身体的に病気やけがや障害をお持ちの方などがその想定どおりに逃げ切れるのかと考えると、不安要素もあります。
 また、地震による建物などの倒壊が、想定された避難路の妨げとなる懸念もあります。「ほかの人たちの迷惑になるし、状況が厳しそうなので避難施設へ逃げることは無理」との声、避難弱者のみならず、家族の方からも「この人を置き去りにはできない」と避難を諦めている声は少なくありません。全ての県民に逃げる意欲を持ってもらわなければ、災害による被害者ゼロの達成が難しいと感じます。
 そこで、知事にお尋ねしますが、今現在、南海トラフ地震においては、平成27年度からの10年計画の真っただ中であり、各市町村において基準を満たすための避難対策が着々と進んでいるとは思いますが、現在の計画をもって津波対策は十分だと考えますか。
 高齢者など災害弱者を含む全ての人々が逃げ切れるために、さらに細かく対策を講じていくことが必要だと思いますが、今後の津波対策に対する知事のお考えをお聞かせください。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 県では、東日本大震災の直後から、防災・減災対策の総点検を実施して、避難路の整備等を推進するとともに、避難場所の安全レベルの設定や津波予測システム、和歌山県防災ナビの構築など、全国トップレベルと言ってもいいと思いますが、そういう津波避難対策に取り組んでおります。
 本県は、南海トラフの震源域に近い、そのため津波の到達が早いため、安全な場所に避難することが困難というか、できない避難困難地域が存在しております。これを詳細に分析、抽出いたしまして、平成26年に「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」を策定して、堤防整備に460億円を投じるとか、それから内陸対策もやっていただくとか、そういうことも含めておおむね10年間でその解消を図ろうとしているわけでございます。
 現在、東海・東南海・南海3連動地震に対しては、堤防整備を進めるとともに、避難路、津波避難タワーの整備等が進められておりまして、4町22地区に避難困難地域があったんですが、既に13地区で解消が図られております。
 また、南海トラフ巨大地震に対しては、これはもっとふえてまいりまして、田辺市など12市町の津波対策検討協議会で具体的な対策の検討が進められておりまして、美浜町では命山の整備等によりまして、津波避難困難地域が既に解消されました。さらにこのような取り組みを加速させていくことが大事であると考えております。
 津波からの犠牲者ゼロを実現するためには、津波避難困難地域以外の避難対策ももちろん充実していかなければいけないと思いますし、また、外国人を含む旅行者、あるいは旅行者とは言えないまでもたまたまその町によそから来ている人、こういう人も含めて、ちゃんと避難をしていただくということを徹底していかないといけないと思います。
 特に、議員御指摘の高齢者あるいは障害者等の避難行動要支援者への避難対策については、これは大変難しい問題でございますが、一人一人に対応する個別の避難計画の策定が重要でございまして、早期策定に向けて市町村への助言を行ってまいりたいと思っております。
 今後とも、全ての人々が確実に避難できるように、国や市町村と協力し、避難路、避難場所の整備や安全性の確保をさらに進めるなど、津波対策の一層の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、避難訓練、これも大変重要な要素だと思いますので、これについても怠ることなく熱心に進めていきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 御答弁をいただきました。
 地震と津波は、いつ発生してもおかしくない状況でありますので、市町村との連携をさらに強化していただき、10年と言わず早急に避難環境を整えて、避難困難地域を解消していただきますようお願いいたします。
 次の質問に移らしていただきます。
 串本町への小型ロケット射場誘致については、9月議会において地元選出の前芝議員が進捗状況、経済効果、積極的な誘致策について質問されています。それに対し、知事から、鹿児島県や北海道などでも民間ロケット射場を誘致する動きがあるとの報道があったように、本県への立地が実現するかは、なお予断を許さない状況である、こうした状況の中、一層強力に当県への誘致を働きかけるために、先方に資金面での支援を行うことを提案するのが効果的である、そこで、これまで企業誘致のために設けてきたわかやま版PFI制度の仕組みの一部を見直し、誘致対象企業が行う土地の造成等に係る費用の一部に充てるため、県から無利子で長期の資金を貸し付けることを考えているという趣旨の答弁がありました。
 そこで、知事にお尋ねします。
 誘致の成功に向けて、県としてさまざまな支援策を講じているとは思いますが、実際は事業者との交渉事ですので、なかなか思うように進んでいかない部分もあるのではないかと思います。PFI制度の活用も含めまして、その後の進捗状況についてお聞かせください。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 9月議会において御説明申し上げましたわかやま版PFI制度を活用した長期・無利子の資金支援について、既に先方に提案をしたところでございます。先方からは、「地元の受け入れに向けた本気度がよくわかった」といった好意的な反応がありまして、本件を前に進める上で効果的な提案ができたのではないかと考えております。
 実際、その後、先方からは、用地の取得見通しが立つことや、地元関係者が事業の受け入れに賛同してくれること等が事業化決定の前提条件であるといった一定の留保条件がついとるんですが、和歌山において事業を行う場合にはぜひ同制度を活用したいという支援申請がありました。
 その支援申請を受けて、県としても好機を逃がすことがないよう、可及的速やかに申請内容を精査し、支援の可否を判断するように指示をしたところでございます。民間事業者による日本で初めてのロケット射場の一日も早い本県への立地決定に向け、引き続き全力で取り組んでいきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 小型ロケット射場誘致が前に向かって進んでいることがよくわかりました。
 前芝議員が9月議会において述べられたように、この誘致が実現すれば、紀南地域にとって千載一遇のチャンスであります。
 以前、「県としては事業リスクをとらない」と慎重なお話もありました。もちろんこれは重要な原則ではありますが、余りにも厳格な審査を行うことによって好機を逃すことのないよう積極的に取り組んで、ぜひ和歌山県への立地決定を早期に実現させていただきますよう、なお一層頑張ってください。
 次に、国の動きに目先を変えて質問をさせていただきます。
 日本国憲法は、昭和22年に施行以来、70年を超えるこの間、一度も改正されることはありませんでしたが、今や我が国を取り巻く国内外の情勢は制定時と比べ大きく変化していることは、国民が周知するところであります。昨今の東アジア情勢や頻発するテロなど、我が国の安全保障は一層緊迫度を増しており、国内においても各地で頻発する大規模災害等の緊急事態への対処、そのほかにも日常生活、環境問題等にさまざまな課題が生じています。
 そのため、憲法を新たな時代にふさわしいものに改めるという機運が、昨今、政治のみならず、社会における動向の中でも必然的に沸き起こっており、国民が憲法改正論議の具体的な進展を望んでいる状況を国会は真摯に捉えるべきであります。
 自由民主党は、ことし3月に自衛隊の9条明記などから成る改憲4項目をまとめ、憲法審査会での議論を目指しましたが、通常国会では政権の不祥事が相次ぎ、与野党が対立、自民党は案の説明すらできないまま閉会しました。また、今臨時国会においても、今月6日の審査会の開催自体が見送られるなど、党の改憲案の提示は来年に先送りされる情勢となっています。
 このように、憲法審査会でもいまだ活発な議論が行われていないのが現状であります。国会においては、国民の前で堂々と議論を展開することにより、我が国の将来のためにはどのような憲法がふさわしいのか、守るべきところ、改正を目指すべきところなどを国民に示した上で、国民がみずから判断する国民投票の実現を求めるところであります。
 日本国憲法が国民主権、平和主義、基本的人権の尊重の三つの原則により、日本国のあり方、日本人の生活の根幹をなすことは言うまでもありませんが、改正が実現すれば、国はもちろんのこと、地方にも大きく影響を及ぼすことから、日本各地で活発な議論が行われることも重要であると考えます。
 そこで、このような情勢でありますが、仁坂知事は憲法改正についてどのような所見をお持ちでしょうか。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 憲法は、昨年5月3日に施行70周年を迎えました。その制定経緯については、さまざまな議論はあるわけでございますが、理想主義的なところが戦後の国民の心情に広く合致し、これまで改正されることなくやってきたと考えております。また、憲法制定以降の安全保障環境や国内及び国際経済情勢が後押ししたこともございまして、理想として掲げた平和主義に徹することができたというふうに私は思っております。
 私は、理想主義者でありますけれども、それが現実の中でしか実現しないということもよく知っているつもりでございまして、平和を唱えたら、あるいは憲法に平和と書いたら平和になるという説にはくみいたしません。
 昨今、我が国の安全保障をめぐる国際環境も大きく変わり、また、衆議院及び参議院の議員定数をめぐり、一票の格差が全てに優先をするような判例が確立しつつあるところであり、そういう意味では、時代の大きな変化を踏まえ、憲法がこのままでええのかなあというようなことを考える時期に来ているのではないかというふうに思います。憲法の制定過程も少々残念でございますし、憲法の条文も一つ一つ見ると、何か変だなあと思うところも個人的にはあります。それから、先ほどのような話として、ちょっと変えなきゃいけないんじゃないかというふうに思うところもあります。
 だけど、そういうところを全てすぱっと変えてしまうと、我々の日本が調子に乗って、行き過ぎの世相が強くなってもいかんかなというような、そういう気持ちも一方では私はあります。
 しかし、憲法改正について議論することすらまかりならんというようなことはいけないんでありまして、要は今のような議論を国民みんなでよく考えて議論すればいいんじゃないかというふうに思うわけであります。憲法について、決して変えてはいけないというような話が結構ありますが、時代とともに正当な手続のもとで改正し得るものであると私は思っております。一番いけないのは、当今はやりのワンフレーズで「憲法改正反対」、すなわち「戦争反対」と言って、「はて、中身は」と聞くと「さてさて」というのは、いささかどうかというふうに思うわけであります。
 こういった状況を踏まえれば、憲法のあり方について一人一人が真剣に考えて皆で議論を重ねていくことは、とても大事であるというふうに思っております。
○議長(藤山将材君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 御所見をお聞かせいただきました。
 それでは、最後の質問に移らしていただきたいと思います。
 最後は、ペルー・メキシコ県人会を訪問してであります。
 まず、活動報告をさせていただきます。
 去る10月10日から18日の日程で、下宏副知事を団長とし、藤山将材県議会議長、南北アメリカ諸国友好議員連盟会長の谷洋一議員、秋月史成議員、玉木久登議員と私、和歌山県国際交流協会と県の職員らで構成された総勢13名の訪問団で、ペルー移住110周年記念式典への出席を初め、和歌山県人会との交流、また、経由地であるメキシコにも滞在し、日墨会館で在メキシコ和歌山県人会交流会に出席するなど、和歌山県と本県出身者、子弟とのきずなをさらに深めてまいりました。
 一行は、10日に県庁を出発し、関西空港、成田空港を経由し、約15時間をかけてメキシコシティー空港に到着、在メキシコ和歌山県人会の皆さんに大変な歓迎を受けました。
 翌日は、世界遺産に登録されたティオティワカン遺跡とその敷地内にあるシティオ博物館において、展示物などについての詳しい説明を受けました。そして、メキシコ国立自治大学では、学校関係者らと意見交換を行いました。その後、日墨会館にて盛大に催された歓迎交流会に参加しました。和歌山県出身者及びその子弟、清水駐メキシコ日本国領事、中村日墨協会副会長ら約60名が集まられた中、アドルフォ・キムラ会長の歓迎挨拶や来賓祝辞などがあり、下副知事より県出身の80歳以上の長寿者及び功労者に表彰状や記念品を贈呈し、激励を行いました。
 翌12日は、再び日墨会館を訪れ、メキシコ各地において亡くなられた日系の開拓先没者に対し敬意と哀悼の意を表するため、献花と平和の鐘を鳴らしました。そして、日本人メキシコ移住あかね記念館と財団法人中央学園を訪問した後、メキシコを後にしました。
 約6時間を要してペルーのリマ空港に到着、早速ペルー県人会主催意見交換会に出席し、ネッダ会長を初めペルー県人会の皆さん、式典に出席するためにやってこられたメキシコ県人会キムラ会長夫妻並びにブラジル県人会谷口会長夫妻を初め、ブラジル県人会の皆さんらと親交を深めました。
 私は、それぞれの県人会の方々とも以前のブラジルやアルゼンチン訪問の際に面識がありましたので、当時の話にも花が咲き、有意義な時間となりました。
 その後、ペルー日系人協会、ペルー日本人移住史料館を訪問しました。中でも、以前に日系人協会や和歌山県人会の会長を務められた斎藤カルロスさんは、ペルー国立銀行総裁などの要職を歴任し、日系人の名誉を高めた長年の功績に対し日本政府から叙勲を受けるなど、社会的地位の高い方でありましたが、私の地元新宮市三輪崎にもゆかりがあるということで、特に親近感を抱いていただき、親切にいろいろなお話をしてくださいました。
 そして、今回の訪問団のメーン行事であります和歌山県人ペルー移住110周年を記念した式典並びに祝賀会に出席、リマ市周辺を中心にペルー全土から集まった和歌山県出身者及びその子弟ら約110名から歓迎を受けました。
 式典中、下副知事、藤山議長から、本県からのペルー移民に尽力した初代移住者22名を顕彰するとともに、本県出身者への激励を行いました。式典には、土屋在ペルー日本国特命全権大使を初め多くの団体関係者が出席していたことは、ペルー和歌山県人会の長年にわたる活動が現地で広く認知されているあかしであり、同じ和歌山県人として深い感動を覚えた式典でありました。
 翌日、一行はリマ空港からクスコ空港へと移動し、ネッダ会長夫妻の案内でペルー日系人協会クスコ支部を訪問、スエナガクスコ支部会長や併設された日本語学校に通う現地の生徒らと交流をいたしました。
 翌日、マチュピチュ村の発展に尽力した日本人の野内与吉氏が初代村長を務めたということで、我々も敬意を表するため村役場を訪問し、地元の子供たちのかわいい歓迎を受けた後、記念品の交換など関係者との交流を深めました。
 私たち訪問団は、滞在中のペルー、メキシコの両県人会の皆様方の熱烈な歓迎と心温まるおもてなしに感激するとともに、両県人会の皆さんにも大変喜んでいただくことができ、とても有意義な訪問になったと確信しております。お世話いただいた皆様方に御礼を申し上げ、9日間にわたる訪問団の一連の活動報告とさせていただきます。
 続きまして、県人会世界大会開催についての質問に移ります。
 これまで、国内外で活動を続けている県人会とは、周年を祝う記念式典等に知事や議員が御招待をいただき、それを受けて各地に訪問をしたり、逆に、先方の役員や子弟が和歌山県を訪問してくれるといった相互の交流を続けてきました。
 県人会世界大会について、9月定例会の一般質問で谷議員も触れておりましたが、来年、平成31年11月下旬に、海外に移民として移住された方々やその子弟から成るブラジルやアメリカなどにある九つの県人会並びに国内の在京や東海等の六つの県人会に広く参加を呼びかけ、開催する予定と伺いました。
 和歌山の地を離れ、一言では語り尽くせないほどの多くの苦労を重ねてきた先人やその子弟の方々に、改めて和歌山にお越しいただき、和歌山の文化や伝統に触れ、県民や県人会相互の交流を深めることでより強い結びつきを築いていただけることと思います。
 そこで、和歌山県人会世界大会の内容や規模について、あわせて、大会開催によって期待する効果について、知事にお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私自身も、これまで国内外で活動を続けている県人会とは、式典にお招きいただくなど交流を続けてまいりました。
 ふるさと和歌山から移住された方々は、厳しい住環境や労働条件など幾多の困難を乗り越え、文化や風習、言語の異なる異国の地での生活の基盤、あるいは異郷の地での生活の基盤をつくり上げ、多くの犠牲を時には出しながら、その勤勉さと創意工夫、あるいはたゆまぬ努力で信頼をかち取り、今日の繁栄を築かれています。
 県人会世界大会は、まず、我々和歌山に残る県民が、これら異国異郷の地で活躍された方々の御労苦に深い敬意の意を表することが大事であるというふうに思います。それは、県人会の皆さんにとって、移住した一世、それからその子弟子孫に受け継がれてきた道程が理解され称賛を受けることで、誇りと自信を新たにし、さらなる活躍につながるというふうに考えております。
 第2に、我々残された県民が同胞の歴史と思いを理解し共有することで、みずからも生きる勇気、それから、ふるさとをよくしていこうという意志、そして、活力を得るものになるだろうというふうに考えております。こういう思いを持って開催したいと考えています。
 大会については、記念式典や歓迎レセプションのほか、ふるさと和歌山の魅力を肌で感じていただくために文化を体験する催しや、県民の皆様と広く交流していただくために県内各地をめぐるツアーを企画しております。
 世界大会の名にふさわしいものとなるよう、県人会の方々に広く参加を呼びかけてまいりたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 海外から和歌山に来られるということで、次世代を担う若者や夫婦での参加は経済的にも相当な負担がかかると思われます。県人会ごとの経済状況も踏まえた上で、多くの方が参加できるような環境づくりをお願いしたいと思います。
 また、他県では沖縄県、福岡県、山口県、鹿児島県などが同様の大会を実施しているそうですが、せっかく和歌山に来ていただくのですから、ぜひ日程の中で県民と交流する機会を設けるなど、地域とのつながりがより高まるような和歌山県独自の工夫をしていただき、参加した皆さんが改めて和歌山ファンとなるようなすばらしい大会にしていただきたいと思います。
 これで、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、濱口太史君の質問が終了いたしました。


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