同和問題

同和問題

日本の社会の歴史的発展の過程で形づくられた身分的差別により、国民の一部の人びとが長い間、職業や住まい、結婚などを制限されるといった差別を受けていました。
制度上の身分制度がなくなった近代以降においても、特定の地区出身であることや、そこに住んでいることを理由に、人間の自由と平等が侵される重大な人権問題が同和問題です。
その他にも、さまざまな人権に関する問題がありますが、同和問題は、他の人権問題とは違って身分的差別の問題であるということです。
現在の日本には、法制度上の身分制はありませんが、封建時代の身分的差別の色彩を残した差別が部落差別として存在しています。
さらに、身分的な差別という特質から、その差別が代々つきまとうことにもなります。
この問題を解決するため、国や県、市町村などが一体となって取り組んできた結果、住環境整備などの課題は大きく改善されました。
しかし、一方でインターネット上での差別落書きなどに見られるように、人のこころの中にある差別意識は、まだ解消されていません。
同和問題と他のさまざまな人権問題との関わりや違いを理解したうえで、私たち一人ひとりが偏見などに縛られず、人権の尊重という視点に立って、同和問題の解決に取り組んでいくことが大切なことです。

このページの先頭へ