病気を患った人の人権

病気を患った人の人権

エイズ(AIDS)やハンセン病などの感染症については、まだまだ正しい知識や情報がゆきわたっているわけではなく、こうした感染症等についての理解不足から生じる人権問題もあります。
過去には伝染病とも遺伝病とも言われ、患者の隔離も行われたハンセン病は、もともと伝染力の弱い感染症ですが、病気の進行によって容姿や手足が変形するといった後遺症などのため、ハンセン病患者が差別の対象となってきました。
また、エイズの原因であるHIVウイルスも、ハンセン病と同様に感染力は非常に弱く、正しい理解があれば日常生活をともにすることもできます。
しかし、このような感染症に関する誤った認識や偏見により、いろいろな差別があったり、プライバシー侵害などの問題が生じることもあります。
感染症の人に対する偏見や差別を解消するためには、正確な医学情報の提供とともに、正しい理解をもって患者やその家族の人権に配慮する必要があります。

HIVとエイズ(AIDS)

エイズ(AIDS「後天性免疫不全症候群」)は、HIVウイルス(ヒト免疫不全ウイルス)の感染によって引き起こされる病気です。
HIVに感染すると、身体の免疫機能が低下して、健康な時にはかからない感染症にうつりやすくなります。
HIVに感染して、数年から十数年間程度の潜伏期間が過ぎ、さまざまな感染症や悪性腫瘍などの発症した状態がエイズです。
現在は、HIV感染の治療をより早く行うことで、エイズの発症を予防したり、発症を遅らせることも可能となっています。
HIVの感染源や感染経路の正しい知識を身につけて、感染の予防に努めることがとても大切です。

ハンセン病

かつては、「らい病」と呼ばれていた病気で、細菌による感染症ですが、感染力や発症力は非常に弱く、日常生活で感染する可能性は、ほとんどありません。
遺伝する病気ではなく、早期に治療することによって、現在では完治可能となっています。

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