西牟婁地方の伝承料理 「た」行から「な」行

茶がゆ

耕地の少ない紀南地方での主食として、かゆ食が中心でした。

茶がゆの写真

茶がゆのほかにだんごかゆ・いもがゆ・むかごかゆ等も季節に採れるものを入れて食されてきました。

  • 材料

米 1合
水 6カップから7カップ
ほうじ茶 適当

  • 作り方
  1. 大きめの鍋に水、ほうじ茶を入れ、沸かしてお茶を作る。(茶葉は、袋などに入れ茶かすが鍋にでないようにする。)
  2. 米1合をさっと洗い、お茶に入れてすくい上げるようにして混ぜる。
  3. 強火で約15分炊き上げる。(吹きこぼれそうになれば、その都度混ぜる。)
  • ワンポイント

終始強火で炊く。
お茶はあまり濃く出し過ぎないほうが味が良い。

鍋餅

昔、餅米の少ない時期に屑米やうるち米を混ぜて作りました。

鍋餅の写真

芋を入れると柔らかくなり固くなりにくいですよ。

  • 材料

餅米 2升
あん(小豆 5合から6合 砂糖 1キログラム 塩 少々)
さつまいも(皮むき) 2キログラム
きな粉 3袋
塩 90グラム
よもぎ(茹で上り)2カップから3カップ

  • 作り方
  1. 餅米は洗って一晩水に浸けておき、ザルに上げ水気を切る。
  2. さつまいもは皮をむき、1センチ角に切りあく抜きをする。
  3. 餅米を1升5合の水でしかけ、さつまいもを上にのせて炊く。
  4. 炊き上がったら約10分から20分間蒸らす。
  5. 釜のまま餅つき機でねり合わせる。時々しゃもじで周囲の餅米、いもを混ぜ込みながらねると良い。
  6. 半練りになったら、色よく茹でたよもぎと塩を入れ、さらによく ねりあわす。
  7. バットにきな粉を広げ、手に水をつけ適当な大きさに餅をちぎって入れ、あんを中に包み込む。
  • ワンポイント

炊飯器で炊いてもよい。
少量の場合練木でつくとよい。

野苺の葉の押しずし

手近にある素朴な材料で作る串本町和深地方の伝統の押しずし(具は種類別に配列)で、野苺の葉は余分な水分を吸い取ってくれます。

野苺の葉の押しずしの写真
  • 材料

魚切身(刺身用) (アジ、サバ) 600グラム
高野豆腐 4枚

ごぼう 200グラム
人参 200グラム

しょうが 適宜
しいたけ 20枚
すしめし(米10カップ、酢1カップ、塩40グラム強、砂糖140グラム)
野苺の葉

  • 作り方
  1. 野苺の葉はよく洗い水気を切っておく。
  2. 切り身は塩を当てておき酢洗いして身をしめ、2センチ角位に切って酢につける。
  3. 椎茸、ごぼう、高野豆腐、人参は巻きずしの芯の要領で切り 身と同じ位に大きさをそろえて切り、味付けをする。(しいたけは濃い目の味付け)
  4. 酢飯と具がよく冷めてから押し型の底に(1)を敷きつめ、酢飯を2等分して2分の1を広げ具を彩りよく散らし、野苺の葉をおき、蓋をして重石をのせ、なじませる。(冬は1晩置く。)
  5. 型から出して適当な大きさに切り供する。
  • ワンポイント

具を並べる時、魚と生姜を一緒におくと生臭みがない。

切り分けた時、具がどれにも均等に入っているように並べる。
重石は重い方がよい。(ひき臼の重さがよい。)
40切れ位に切る。


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