今月の旬な味(中晩柑)
和歌山県食育ひろば
今月の旬な味
今月紹介するのは ちゅうばんかん(中晩柑)です。
和歌山県の中晩柑って
中晩柑とは、1月から5月ごろに収穫される、温州みかん以外の柑橘(かんきつ)の総称で、和歌山県では、いろいろな種類の中晩柑が生産されています。
晩柑は形もおいしさもさまざまです。いろいろ食べてみて、お好みのものを探してみてください。
中晩柑の一部を紹介します
はっさく
和歌山県で多く生産されており、あっさりした味でほろ苦さがおいしい。県内では、紀の川市で栽培がさかん。
デコポン(不知火(しらぬい))
中の皮(じょうのう膜)ごと食べられ、たいへん甘くて種もなく食べやすいため、人気上昇中。
三宝柑(さんぼうかん)

和歌山県特産で、さわやかな味。果皮がしっかりしているため、お菓子や茶碗蒸しのうつわとしても利用される。
清見(きよみ)
デコポンなどの親。ジューシーでおいしい。
春峰(しゅんぽう)
有田川町の河嶋美樹氏が育成。さっぱりとした風味・食味。
中晩柑ができるまでを知ろう

花が咲いている様子


果実がなっている様子
ここでは不知火の栽培を紹介します。
- 4月ごろ
新芽が出始めます。 - 5月ごろ
花が咲きます。花肥として肥料をやります。 - 6月から9月
実がなってきたら、品質のよい果実をならすために果実の数を減らす摘果を行います。 - 7月
夏肥として肥料をやります。 - 7月から9月
夏場は乾燥しないようにかん水を行います。しっかりとかん水をする事で果実の肥大と減酸が促進されます。 - 11月
果実に色がつき始めます。秋肥として肥料をやります。 - 2月から3月
収穫です。
収穫前または後に肥料をやります。また、来年よい果実がなるように剪定をします。
栄養いっぱい
- ビタミンC
清見や不知火などの大きさの中晩柑を1つ食べると、成人1日に必要とされるビタミンCをほぼ摂取することができます。
お肌を美しくしたり、免疫力を高める効果が期待できます。 - リモノイド
カンキツに含まれる苦味成分。食べる部分に比較的多く含まれています。発がん抑制作用が期待できるとされています。 - クマリン類
特にカンキツに多く含まれている成分。炎症を抑える作用が期待できるとされています。


はっさくん
おいしく食べてね
三宝柑ゼリー

(材料)3個分
三宝柑の果汁 300ミリリットル(絞り方や鮮度にもよるが三宝柑4つ程度必要)
水 300ミリリットル
砂糖 大さじ4.5
ゼラチン10グラム
(作り方)
(1) 三宝柑の上部4分の1ぐらいのところを横に切り、うつわとなる外の皮に穴をあけないように、実を取りのぞく。
(2)取りのぞいた実から果汁をしぼる。
(3)ゼラチンを大さじ6の水でもどしておく。
(もどさなくてもよい商品もあるので、その場合は省略)
(4)果汁と水と砂糖を火にかけ、砂糖がとけたらゼラチンを加えて混ぜる。
(5)ゼラチンが溶けたら火をとめ、混ぜながらあら熱をとって、実を取りのぞいた三宝柑に入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
物知りコラム
船乗りを救ったのはカンキツ
大航海時代、現在のイギリスの軍艦ソールズベリー号で壊血病が発生し、多くの船員が亡くなりました。同乗していたジェームス・リンド医師は、病気の原因が食事内容にあるのではと考え、12人に協力してもらい、2人ずつ6種類の献立を2週間食べてもらう実験を行いました。するとオレンジとレモンを食べていた人が、1週間後に壊血病の症状が回復しました。このことから、壊血病予防にカンキツが最も効果的であることがわかりました。
壊血病を治したのは、カンキツに含まれるビタミンC。ビタミンCは生活習慣病の予防に効果があるという研究もすすめられています。
現代の私たちも、ビタミンCたっぷりのカンキツを食べて健康な暮らしをおくりましょう
参考文献
「食材健康大辞典 」時事通信社発行
「くだもののはたらき」日本園芸農業協同組合連合会発行