今月の旬な味(ミニトマト)
和歌山県食育ひろば
今月の旬な味
今月紹介するのは ミニトマト です。
和歌山県のミニトマトって



和歌山県では、50ヘクタールの面積でミニトマトが栽培されています。もちろん、普通サイズのトマトも栽培されていますが、全国に比べてミニトマトを栽培している割合が大きくなっています。
県内では、 印南町や日高町で多く生産されています。
また、和歌山県のミニトマトは、糖度の高いものや房どりなど特徴のあるミニトマトが栽培されています。たとえば。
- 赤糖房(あかとんぼ)
JAみなべいなみ管内で、高品質を保つために条件を厳しく取り決めて栽培されていて、完熟房どりで糖度が8.5度以上のものだけが赤糖房として出荷されています。 - 優糖星(ゆうとうせい)
赤糖房と同じくJAみなべいなみ管内で栽培されていて、糖度が8度以上のもの。これは房どりではありません。 - 美味房(おいしんぼう)
JAながみね管内で、安心安全のため農薬と化学肥料の使用量を半分以下に減らして栽培されています。
その他にも、甘みと酸味のバランスがよい、「ロケット」と呼ばれるだ円形のものなどが栽培されています。
(補足)今月ごろから施設栽培のミニトマトが出荷されています。2月、3月以降にはさらに美味しくなりますので、ぜひ食べてみてくださいね。
ミニトマトができるまでを知ろう
ここでは施設で行われる促成栽培を紹介します。
(8月ごろ)播種(はしゅ:種をまくこと)

育苗
種をまいたら5ミリメートルぐらい土をかぶせてたっぷり水をやりましょう。新聞紙を被せて乾燥しないように注意してください。苗を育てる期間は45日から50日が目安です。
(8月下旬から9月上旬) 鉢上げ

鉢上げ
苗の本葉が2枚から2.5枚になったら苗をポットなどに植えかえます。
(9月中旬から10月上旬) 定植

定植

生育している様子

開花している様子
- 定植の準備
畑を耕し、土壌消毒をします。元肥などは早めに行って、うね立てやマルチングもしておきましょう。
定植は1段目の花が咲くころに行います。定植後は水やりをして、根づくのを促します。
(補足)トマトは花がつく方向が同じなので、通路がわに花がくるように定植すると、管理がスムーズです
(定植後の管理)
- 摘葉(てきよう)、摘心(てきしん)
生育するにつれて、いらない下葉を取りのぞきます。また、脇芽かき(葉のつけ根から出る芽(わきめ)を摘みとること)は早めに行います。 - 水やり
1度の量を少なめで回数を多く行いましょう。極度の乾燥や過湿は避けて下さい。 - 追肥(ついひ)
第1回目は3段目の花が咲くころに行います。それ以降は様子をみながら行って下さい。
(11月から6月ごろ)収穫

収穫です
栄養いっぱい
- β-カロテン
抗酸化作用があり、発がん防止や動脈硬化の予防に効果があるとされています。 - リコピン
赤色のもととなる成分。β-カロテンよりも強い抗酸化作用があり、がんや老化の防止があるとされています。 - クエン酸
酸っぱさのもととなる成分。胃の働くを活発にするとともに、疲労物質の乳酸の代謝分解し、疲労回復を促進するとされています。
おいしく食べてね
鶏肉とミニトマトの蒸し煮

(材料)
鶏もも肉 280グラム
ミニトマト 500グラム程度
玉ねぎ100グラム
赤ピーマン1個
にんにく1片
塩、こしょう 少々
バジリコ、パセリみじんぎり 各適量
(作り方)
(1) 鶏肉は一口大に切り、塩、こしょうをする。
(2) 玉ねぎ、にんにくはみじん切り、ミニトマトは半分に切り、赤ピーマンは種をとり小さめのの角切りにする。
(3) フライパンにオリーブオイルを熱し、にんにくを炒め香りが立ったら玉ねぎを透き通るまで炒め、鶏肉を皮から入れて、バジリコをふり、焼き色が付いたら上下を返す。
(4) 焼き色がついたら、ミニトマトと赤ピーマンを加え、水気が出てきたら中火で煮る。煮込んだら、器に盛ってパセリを散らしてできあがり。
(補足)ミニトマトの皮は煮るとはがれるので、食べる時に気になる場合は取りのぞく。
物知りコラム
ミニトマトの栄養
トマトとミニトマト、栄養成分はかわらないけれど、じつはミニトマトのほうが栄養価が高いんです。
たとえば抗酸化作用のあるβ-カロテンは1.5倍以上あるし、ビタミンCも2倍ぐらいあります。
ミニトマトって料理の付け合わせやサラダによく使われていますよね。栄養価が高いミニトマトを残すなんてもったいない。残さずおいしく食べてくださいね。
参考文献
「食材健康大辞典 」時事通信社発行
「そだててあそぼう トマトの絵本」 農文協発行)