今月の旬な味(みかん)
和歌山県食育ひろば
今月の旬な味
今月紹介するのは みかん(温州みかん)です。
和歌山県のみかんって
- 生産について
和歌山県は、みかんの生産量が全国1位で全国シェアは17.4%(平成19年)です。
特に有田地方は400年の歴史と伝統を誇る「有田みかん」産地となっていて、有田みかんだけで全国シェア9%を占めています。 - 和歌山県のオリジナル品種
「ゆら早生」
日高郡由良町で発見された品種。果皮、果肉の色が濃く、実を包む袋(じょうのう膜)がとてもやわらかい。
「田口早生」
有田郡吉備町(現有田川町)において発見された品種。甘みが多く、口当たりがまろやか。
ゆら早生は甘さを示す糖度が12度以上のものを「味一ゆら早生」として出荷しています。
みかんができるまでを知ろう
芽が伸び始める時期
花がさく時期
収穫時期
- 2月から3月ごろ
春肥えとして肥料をやります。 - 4月ごろ
枝先から芽が伸び始めます。 - 5月中旬ごろ
白い花が咲きます。 - 5月下旬から
害虫を防ぐため農薬を10月の収穫時期まで定期的に散布します。 - 6月
果実がなり始めます。 - 7月から9月
品質のよい果実をならすために果実の数を減らす摘果を行います。 - 10月ごろから12月ごろ
収穫時期です。 - 10月から11月
収穫しながら、秋肥えとして肥料をやります。
栄養がいっぱい
- ビタミンC
みかんを3個から4個食べると成人1日に必要とされるビタミンCを摂取することができます。
お肌を美しくしたり、免疫力を高める効果が期待できます。 - β-クリプトキサンチン
がんに対する抑制効果が高いとされているβ-カロテンの5倍の抗がん作用があるとされています。 - 食物繊維(ペクチン)
整調作用や抗がん作用が期待できます。実を包む袋(じょうのう膜)や果皮に含まれています。
みかぼう
おいしく食べてね
みかん餅
(材料)
もち米 1.4キログラム
みかん 5個から6個
レモン汁 少々
砂糖 80グラム
(作り方)
(1) もち米を洗い、一晩水に漬ける。
(2)水気を切ったもち米を蒸し器に入れて、よく洗ったみかんをその上に丸ごとのせ、1時間蒸す。
(3)(2)で蒸したもち米とみかん(皮をとる)、砂糖を、餅つき機に入れてよくつく。
(4) つき上がった餅にレモン汁を加えて、レモン汁が混ざるように少しつき、適当な大きさに丸める。
物知りコラム
紀伊国屋文左衛門
江戸時代の1685年、紀州出身の紀伊国屋文左衛門(きのくにやぶんざえもん)は、悪天候にもかかわらず、みかんの価格が高騰してる江戸に、紀州からみかんを満載した船を送り、大もうけをしたという話が残っています。
この時のみかんは温州みかんではなく、紀州みかん(小みかん)であったと言われています。
小みかんは今も12月から1月ごろに売られており、鏡餅の飾りとしても使われています。
歴史のある和歌山県のみかんについて、一度ひもといてみてはいかがでしょうか。
参考資料
参考文献
「食材健康大辞典 」時事通信社発行
「くだもののはたらき」日本園芸農業協同組合連合会発行
「そだててあそぼう ミカンの絵本』 農文協発行
参考冊子
「和歌山のカンキツ」第50回全国カンキツ研究大会準備委員会発行