今月の旬な味(いちご)
和歌山県食育ひろば
今月の旬な味
今月紹介するのはいちごです。
いちごができるまでを知ろう
和歌山県では、57ヘクタール(平成19年産野菜生産出荷統計)の面積でいちごが栽培されていて、那賀地方で多く作られています。
また、オリジナル品種も育成されています。ご存じでしたか
オリジナル品種「まりひめ」
- 紀州の伝統工芸品「紀州てまり」にちなみ、かわいらしく皆に愛されるように「まりひめ」と命名されました。
- 紅色が鮮やかで、酸味が少なく甘い品種です。
- 収穫開始時期が、12月上旬で「さちのか」より2週間ほど早く、4月ごろまで楽しめます。
わかやまでしか作られていないまりひめです。スーパーやお店で見かけたら一度試してみてください。
いちごができるまでを知ろう
ここでは促成栽培での作り方を紹介します。
(1)苗をつくろう
苗をポットに植えたところです。
- 7月
病気のない苗を準備し、水はけがよく、病原菌のいない土地を選んで元肥をして耕しておきます。
苗を植えつけ、十分水やりをして、適宜追肥します。花房(花の集まり)は早くに取りのぞき、保温やジベレリン散布によってランナー(つるのように伸びる茎)をたくさん出させます。 - 7月中旬までに
育苗した苗をポットに植えます。常に本葉4枚程度になるように、下葉を取りのぞいて育てます。
(2)畑で栽培
花が咲いて実がなったころ
- 9月 定植
花芽(花のもととなる芽)が確認できたら、定植します。1うねに2列で浅めに植えます。また、花芽が一定方向になるようにしましょう。 - 10月下旬
ハウスにビニールをはり、マルチも行います。
「栽培中の管理」
- 水やり
苗がしっかり根付くまでは十分みずやりをし、その後は徐々に減らし、少量をこまめにやるようにします。3月以降は生育が旺盛になるので、量を増やします。 - ミツバチを放つ
うまく受粉しないと、実がいびつな形になるため、開花が始まったらハウスにミツバチを放って受粉を助けてもらいます。 - 電灯照明
日を長くして温かくし、いちごが眠らないようにします。 - 温度
昼間は25度、夜は6度以上になるようにつとめます。
(3)収穫します
- 12月ごろから5月ごろ
きれいに赤くなったものから収穫していきます。
おいしそうですね。
栄養いっぱい
- ビタミンC
レモンに並ぶほど豊富で、免疫力を高めて感染症予防に効果があるとされています。また、皮膚などを丈夫にする働きも期待されます。 - ペクチン
水溶性食物繊維。腸の調子を整え、便秘や高脂血症の予防にも役立つとされています。また、いちごジャムを作るとき砂糖と煮詰めて固まってくるのは、このペクチンのおかげです。 - 葉酸
十分摂取することで、動脈硬化からくる心筋梗塞や狭心症になる危険性が高まるのを防ぐ効果が期待できます。
おいしく食べてね
いちごがたくさん手には入ったら、保存のきくジャムにして長く楽しみましょう。
いちごジャム
(材料)
約90グラム分
いちごの実 100グラム
砂糖30グラム(好みで実の重さの3割から5割が目安です。お好みの甘さで作って下さい。)
レモン汁 少々
(作り方)
(1)いちごの実を洗ってへたを取ります。
(2)鍋に1のいちごと砂糖を入れ、かるくまぜ、水分が出てくるまで、しばらくそのまま置いておく。
(3)(2)を弱火にかけ、あくを取りながらこげつかないようにまぜながら煮詰める。
(4)レモン汁を入れ、色を鮮やかにする。
(5)煮汁をコップに入れた水にたらして固まればできあがり。
(6)さめてから、消毒したビンにつめて保存する。
物知りコラム
いちごの種ってどこにある
いちごを食べてみると、桃やりんごのように中に種がないですよね。
じつはいつも食べているところは花の下がふくらんだもので、まわりについている小さなぷつぷつが種です。
だから赤くなって食べられるいちごなら、ついているぶつぶつをまくと芽がでて、うまく育てられればいちごができます。
一度お試しあれ
参考図書
「食材健康大辞典」 時事通信社2005年発行
「そだててあそぼう いちごの絵本」農文協2005年発行
「くだもののはたらき」日本園芸農業協同組合連合会2003年発行