第12回和歌山県食の安全県民会議

平成19年7月5日に「第12回和歌山県食の安全県民会議」を開催しました。

食の安全局では食の安全・安心確保のための各種施策づくりの過程で県民の意見を反映するため、消費者をはじめ、生産、製造、流通に携わる方々や学識経験者として活躍されている方々計15名からなる「和歌山県食の安全県民会議」を設置しています。
このたびの会議では、和歌山県食の安全県民会議第3期委員の依頼状を交付後、委員長並びに副委員長を選出して頂き、「平成18年度アクションプランの実施状況」や「平成18年度和歌山県食品衛生監視指導計画の実施結果」などについてご協議頂きました。

開催日時・場所

日時:平成19年7月5日木曜日午後1時30分から午後3時30分

場所:和歌山県自治会館304号室

会議の様子1会議の様子2会議の様子3

議事

  1. 平成18年度アクションプランの実施状況について
  2. 第2次アクションプランの策定について
  3. 平成18年度食品衛生監視指導計画の実施結果について
  4. 平成18年度県民アンケート結果について
  5. その他

委員意見(概要)

平成18年度アクションプランの実施状況について 及び 第2次アクションプランの策定について

  • 委員
    先ほど、部長から、最近発生した食品関連事件の資料をご説明頂きまして、その中に、食の安全確保の先を示すようなものがあった。中国産のピーマンの残留農薬基準違反がある。県では、昨年69検体の輸入食品検査を行ったが、違反事例はなかったとのことである。それから、ミートホープ社事件が発生したことから、県内業者に対し、原材料仕入れ時の点検状況の確認をやっているとのことである。
    今後の食品行政をやる上で、変換点になることだと思う。今後のアクションプランにおいても残留農薬分析をしていくこととなると思うが、分析には、1検体あたり何十万円、全体では、相当な費用がかかると思う。末端の業者での仕入れなどの記録を残して、トレーサビリティー、原因の追及をしていくということを意味しているのであれば、非常に良い方向に向かっていると思う。分析というものは、検証に使う。分析によって(違反を)見つけるということは、至難な技である。だから、どういうシステムでやっているのか、そのシステムどおり実施されているのか。もしも、悪いことが起こった時には、やり方が悪いのかどうか、検証していけば、段々、良い方向になっていく。非常によいことが資料に示されていたと思う。
    分析は検証に使うべきだと思う。システムが正常に稼働するかどうかを見ていく方向に持って行けば、効果的になってくる。非常によいやり方ではないかと思う。

  • 残留農薬の分析検査につきまして、従来、農産物の他、輸入されているうなぎの抗菌剤、抗生物質等を手がけております。平成18年度については、900検体程度の収去検体のうち69検体が輸入食品に関わるもので、69検体を分析したところ、基準違反はありませんでした。
    ミートホープ社の食肉偽装問題に関して、部長から説明がありましたが、毎年、食中毒の予防を主体とした夏期一斉監視指導を、県下各保健所で実施していますが、今回、特にこの問題が起こりましたので、業者を回って、警鐘を鳴らすという意味と自分のところの製品について、仕入れする時の材料が書かれたとおり、納入されているかの点検と、事故が起こった場合、トレーサビリティーで防げるように、記録を残すよう、併せて指導します。食中毒の発生予防の衛生管理に付随して、原材料の記録とか管理について、きちっと検収を行うなど指導を行うこととしております。
  • 委員
    ミートホープの問題が起こって、農林水産省が現地調査を行っていると聞いているが、県としての対応は。

  • 農林水産省のJAS法では原材料表示の規定があるが、食品衛生法では、原材料まで表示しなければならないといった義務規定がないなど、若干違いがあります。今回、7月から1ヶ月の予定で、惣菜、食肉製品製造業、食肉販売業、約1000を対象施設として監視指導を実施します。監視指導内容については、先ほどお話しした内容です。JAS法と食品衛生法では、法の趣旨が異なりますが、食品衛生法所管課としては、食の安全確保の観点から、安全で嘘をつかない食品を作って頂くということを主眼に、今後、こういうことにならないように、指導していきます。
  • 委員
    平成18年度アクションプランの評価について、平成17年度と比較すると達成度が上がり、全体として達成度84%となっておりますが、評価としてどのように考えているか。成果が上がったと考えるのか、まだまだやっていかなければ考えるのか。
    また、項目毎に、達成、未達成があるわけですが、未達成のところは、なぜできなかったのか、できなかったところはどうするのか。

  • アクションプランの項目は116ありますが、性質が違うため、その重み付けというものをやって行く必要があると考えております。どういう評価をするのか、平成19年度が目標年度となっており、評価の仕方について検討して行きたいと考えております。また、未達成項目についても評価の仕方を検討していきたいと考えております。

平成18年度食品衛生監視指導計画の実施結果について

  • 委員
    平成18年度和歌山県食品衛生監視指導計画の実施結果の残留農薬検査で、ほうれん草が0.01ppmの基準を超えて検出され、始末書を提出させたとのことでありますが、行政としてはそれでよいのですが、ただ、これは、県としてのリスクが高かった。どういうことかと申しますと、県内農産物が他府県で検出されますと、風評被害につながったかもしれない。始末書で済んだということで、もしかすると、ドリフトだったかもしれないが、検証が必要だと思う。保健所は業者に対する取締の他、指導をもっとやっていただきたい。問題が起こった場合、記録がなければ、何も言えない。

  • 残留農薬検査に係る原因究明と再発防止対策についてですが、農薬使用履歴の記録について、農林サイドからきちんと指導を行って頂いております。EPN(農薬の成分名)は、検出されれば、出荷はできませんので、出荷しておりません。(後作物の)大根の検査も実施したところです。
  • 委員
    平成18年度和歌山県食品衛生監視指導計画の実施結果の食品の検査結果の表を見ますと、残留農薬の検査、103検体を分析された。食品添加物の検査にしても86検体とあります。この件数が県が分析できる限度なのか、この検査数を続ければ安心なのかをお聞きしたい。
    また、タウンミーティングについて、3回実施されたとあります。ただ開催時間が、お昼の1時とか、3時とかで、やっぱり若い人に来てもらおうと思えば、夕方に開催するなど、前回、意見を申させて頂いたが、今後どのようにしようと考えられているのか。
    ミートーホープの話がたびたび出ています。タウンミーティングでは、和歌山県は大丈夫かと、必ず質問が出ると思うのですが、その際、検査を何十検体とやっているのだが、現実的には難しい。そうすれば、内部告発ですか、現実的には、それがかなり有効な手段とすれば、何かそういう方法というか、投書方式というか、安全性を確保するために、何か対策があるのかお聞きしたい。

  • 検査の件数のご質問ですが、全国的な観点からいうと、東京都、厚生労働省等の検査結果を踏まえますと、0.4%ぐらいの違反検出率でございます。和歌山県としましても、1000件検査しないと違反食品が出てこないということとなります。1000件実施して4件程度の違反事例がわかるかなというものです。940検体の検査をもって、県民の安全を守れるのかということですが、決して満足できる数字ではないと自覚しております。しかし、県内では、環境衛生研究センターで検査を行っておりますが、このようなGLP(食品衛生検査施設における業務管理)対応が可能な施設でないと結果公表ができないことになっております。人員の体制等々で、こういう数字となっておりますが、将来的には、1000検体を超える検体数をこなしていきたいと考えております。ただし、検査項目数は、年々増やしております。また、世界的な潮流や、国内での違反事例等々を踏まえて、タイムリーな検査を実施していきたいと思っております。
    ミートホープ社の関係でございますが、夏の一斉監視指導で、重点的に原材料チェックをしっかりやっていただくよう指導をすることによって、抑止力につなげていきたいと思っております。それから、内部告発につきましては、内部告発者を守る法律もございまして、内部告発がありましたら、迅速に調査に入ることとなります。
    食の安全タウンミーティングの開催につきまして、もっと若い人の参加を促すようにとの昨年度の県民会議でご指導を頂きました。
    お手元に、黄色いチラシで、タウンミーティングのご案内を配付させています。一時保育ルームを設け、20代、30代の若い女性といいますか、お母様方に、少しでも参加して頂きやすいよう環境づくりをしていこうと考えております。それと、手話通訳を導入し、聴覚障害者にも参加しやすいような環境にしていきたいと考えております。今後、開催日時の検討も必要ではないかと考えております。
  • 委員
    1つ目は、立入検査の調査結果がありまして、この中で、主な指導内容の中に表示の適正化があるのですが、これは、去年より大幅に減っています。なぜ減ったのか。
    2つ目には、去年と比べて、大幅に立入検査の件数が増えたとのことですが、昨年、平成17年度の検査結果の説明で、体制の問題が出されまして、全体で24名いるが、4名欠員しているとの話がありました。その後、どうなっているのか。
    3つ目に、不良(違反)食品等対応状況について、始末書の対応というのがありますが、この始末書対応とはどうするのか。3回書いたら、公表するよ、というものなのか。始末書の意味合いについて教えてほしい。
    4つ目に、食中毒の発生状況について、昨年、発生が非常に多かったが、事故が起こった場合の危機管理マニュアルといったものはあるのでしょうか。
    5つ目に、食に関するおはなし講座が、昨年と比べると大幅に減っている。なぜか。

  • まず、表示の適正化の指導件数ですが、その前の年がインターネットでのチェックもあり、非常に多かったものであります。
    2つ目の監視員の件ですが、7保健所1支所、23名で実施しております。
    3つ目の始末書の意味合いですが、始末書は行政指導であります。
    4つ目の食中毒マニュアルですが、危機管理のためのマニュアルがございます。
    5つ目のおはなし講座の回数ですが、実績を見ますと、平成16年度が28回、平成17年度が15回、平成18年度が5回と減少しております。当初は、防災の要望に次いで、2番目に多かったのでございますが、現在、関心が他に移っているのかなという思いがあります。おはなし講座というのは、15名以上の方がお集まりになれば、土日、夜間でも県の方から職員を派遣して、説明をするという制度でございますので、申し込んで頂けるようにチラシなどで制度のPRにあたっていきたいと考えております。

平成18年度県民アンケート結果について

  • 委員
    生産者が、製造物に関してデスクロージャー(業務状況などの内容開示)して、説明責任を果たす。後は、(消費者の)理解を促すためのコミュニケーションが必要だと思う。食の安全というのは、生産者以外にはわからないところがある。何の農薬を使用したか知っているのは、生産者だけである。消費者は、疑うことができるだけで分からない。どうデスクロージャーするか。世界中の食べ物で、リスクのない食べ物は、1つもないということを解ってほしい。
  • 委員
    生産者が、安全なものを提供すれば何も問題は起こらないが、消費者に安心して購入して頂く、購入して安心した生活をおくれるよう、努力をして頂きたい。
    消費者に安心してもらうために、いろんなことをやってきているが、アンケートをとってみると、ある程度関心のある方、一生懸命やりましょうという方の方が、不安感がだんだん大きくなって来ているという現状がある。
    そういう現状を越えなければいけないと思う。それを安心というところまでもっていってあげないといけない。
    後は、まったく無関心、価格だけで食品を選択する人は、消費者の中に一部います。その人たちに情報を提供して、何とか安全に関心を向けてもらわねばならない。
    消費者が、安全・安心と二つつながっている意味がその辺にあると思うので、消費者が安心して、県内で消費ができていくような形にもっていかなければいけない。
    アンケートの安全・安心を考えるという項目を見ると、賞味期限であるとか、産地を選ぶとか、輸入品であるかないかを選ぶとか、ということである。輸入品でないものばかり食べてますという人は、本人が自覚しているところに、私は、関心があって、安全なものを選んでいるつもりかもしれないですが、県の方からいえば、安全だと受け取ってもらって、安心して食べてもらいたいというところもあって、消費者との感覚のずれが出てきているような気がします。だから、ご提供頂いたように、もう一段、山を越えないと、本当のこちら側がめざす意図と消費者の安全・安心というところにつながっていかないのかなと思いました。
  • 委員
    このアンケートの結果で不安のパーセンテージの数値にあまりこだわらず、不安材料は何なのか、どういう消費者が不安材料をもっているのか、その対応策として捉えられた方がよいのじゃないかと思います。あと、平成15年と平成18年の母数団が、おそらく違うんだと思うんですけれども、そのあたりの差と、アクションプランで、この2年間取り組まれてきた、その項目が、果たして消費者に、どれだけ浸透しているかとか、そのあたりの解析をこちらのアンケート調査からして頂ければなと思いました。
  • 委員
    この3年やってきて、輸入農産物の不安が5ポイントとか、輸入肉の安全性が6ポイントとか、増加したということは、やはり関心が高まったことだと思う。今後、県民会議でどういったことをすればよいのか、事務局からの考えは。

  • 県民アンケートの調査で、輸入食品の安全性に関心が非常に高く、そういう不安に思っている項目につきまして、県で行うシンポジウムや公開講座、タウンミーティング等で、正しい知識の普及にあたって参りたいと思っております。

その他

特になし

このページの先頭へ