和歌山県の水産業

和歌山県の水産業について見てみよう。どんな魚がよくとれているのかや、漁師さんの数などがわかるよ。

和歌山県は、漁業がさかんな県なのかな?

漁業には、大きく分けて、海で漁をする「海面漁業(かいめんぎょぎょう)」と、川や池などで淡水魚をとる「内水面漁業(ないすいめんぎょぎょう)」があり、それぞれに人工的に飼育する「養殖業(ようしょくぎょう)」もあります。これらの和歌山県の生産量を示したのが、次の表です。
このデータから、和歌山県の漁業が我が国全体のそれに占める割合はそれほど大きくないことが分かります。

和歌山県の漁業生産量

和歌山県の漁業生産量一覧
 

海面漁業

海面養殖業

内水面漁業

内水面養殖業

全国

3,550,003トン

1,069,017トン

32,917トン

36,336トン

和歌山県

22,901トン

2,845トン

7トン

991トン

割合

0.65パーセント

0.27パーセント

0.02パーセント

2.73パーセント

順位

27位

23位

34位

9位

出典 農林水産省「平成27年漁業・養殖業生産統計」

海面漁業に従事する人数と漁船数を見ても、いずれも我が国全体の2パーセント未満です。日本には、長野県、岐阜県、奈良県など海に接していない県が8県ありますから、人口比率からしても、この割合は決して多いとは言えません。なお、全国でも和歌山県でも、漁業に従事する人は昔と比べてずいぶん少なくなりました。

和歌山県の海面漁業

和歌山県の海面漁業一覧
 

漁業従事者(人)

漁船数(隻)

全国

180,985人

152,998隻

和歌山県

2,907人

2,892隻

割合

1.61パーセント

1.89パーセント

順位

23位

23位

漁師さんがずいぶん減ってるって?おさかな大好きなのに。

漁業に従事する人が減っているって?

海面漁業従事者と漁船隻数の推移
漁業就業者数(全国) 漁業就業者数(和歌山県) 漁船隻数(全国) 漁船隻数(和歌山県)
昭和38年 625,935人 10,179人 317,512隻 5,572隻
昭和43年 593,829人 9,793人 345,606隻 5,668隻
昭和48年 510,727人 8,364人 331,274隻 5,694隻
昭和53年 478,148人 8,083人 320,972隻 5,755隻
昭和58年 446,536人 7,383人 320,949隻 6,025隻
昭和63年 392,392人 7,272人 293,934隻 5,890隻
平成5年 324,886人 6,130人 267,574隻 5,362隻
平成10年 277,042人 5,682人 236,484隻 4,913隻
平成15年 238,371人 4,668人 213,808隻 4,365隻
平成20年 221,908人 3,922人 185,465隻 3,572隻
平成25年 180,985人 2,907人 152,998隻 2,892隻

出典 漁業センサス

漁業就業者と漁船隻数の推移グラフ  

上の表と右のグラフは、全国と和歌山県の海面漁業従事者と漁船数の推移を示したものです。このデータから、漁業を仕事とする人が昔と比べて大きく減っていることが分かります。

漁師のイラスト我が国の漁業は、戦後の高度経済成長の時代(昭和30から40年代)に大きく発展しました。物価が上昇し、魚の値段も年々上がりました。漁船の性能が大きく向上し、遠い外国の海までどんどん出かけて漁をしていました。しかし、昭和50年代に、それぞれの国の岸から200海里(約370キロメートル)以内で外国の船は勝手に入って漁をしてはいけないという国際的なルールが決まり、遠洋漁業(えんようぎょぎょう)から撤退せざるを得なくなったのです。

その後も、スーパーマーケットなどが外国から輸入される水産物を多く扱うようになったこと、多くの人々が魚より肉を好むようになったこと、漁船の燃料費が高くなったことなど様々な理由により、漁業の経営環境は次第に厳しくなってきました。

漁師さんってかっこいいのにな。なり手がずいぶん減っているんだね。

和歌山県ではどんな魚がよくとれているの

和歌山県には、日高郡の日ノ御埼(ひのみさき)を境に、北の紀伊水道沿岸(きいすいどうえんがん)と南の太平洋沿岸(たいへいようえんがん)の2つの漁場に分かれ、それぞれ異なる漁法で魚をとっています。魚類はたいへん種類が多く、その生態もさまざまであり、地域によっても季節によってもとれる種類が変わります。次の表とグラフは、平成27年の全国と和歌山県の海面漁業による魚種別の漁獲量を示したものです。

グラフを見ると、全国と比べて和歌山県ではどんな種類の魚がよくとれるのか分かるでしょう。ただし、このグラフを見るときは、全国と和歌山県の目盛りの単位が異なることに注意して下さい。

海面漁業の魚種別漁獲量グラフ

漁業生産量の全国順位(和歌山県が上位のもの(単位トン)(注意)海産ほ乳類の単位頭)

漁業生産量の全国順位 その1
順位

うるめいわし

うるめいわしの写真

むろあじ類

むろあじの写真

たちうお

たちうおの写真

ちだい・きだい

ちだい・きだいの写真

いさき

いさきの写真

  全国 97,794トン 全国 14,837トン 全国 6,953トン 全国 6,713トン 全国 4,149トン
第1位 長崎 24,903トン 長崎 2,662トン 愛媛 1,453トン 長崎 2,115トン 長崎 1,216トン
第2位 宮崎 19,913トン 宮崎 2,488トン 大分 790トン 山口 1,115トン 福岡 375トン
第3位 三重 17,864トン 和歌山 2,296トン 和歌山 728トン 島根 843トン 山口 349トン
第4位 愛媛 7,310トン 鹿児島 1,981トン 広島 610トン 福岡 432トン 三重 281トン
第5位 鹿児島 7,233トン 高知 1,057トン 長崎 519トン 千葉 338トン 島根 269トン
第6位 高知 4,974トン 兵庫 920トン 兵庫 509トン 鹿児島 208トン 高知 212トン
第7位 島根 4,968トン 愛媛 674トン 徳島 389トン 和歌山 201トン 和歌山 207トン
第8位 熊本 3,274トン 静岡 669トン 熊本 365トン 高知 191トン 大分 192トン
第9位 和歌山 2,103トン 三重 390トン 千葉 243トン 石川 153トン 愛媛 191トン
第10位 大分 2,059トン 大分 353トン 宮崎 189トン 福井 124トン 千葉 186トン
漁業生産量の全国順位 その2
順位

いせえび

いせえびの写真

海産ほ乳類

海産ほ乳類の写真

養殖まだい

養殖まだいの写真

養殖くろまぐろ

養殖まぐろの写真

養殖 あゆ

養殖あゆの写真

  全国 1,199トン 全国 2,724頭 全国 63,605トン 全国 14,825トン 全国 5,084トン
第1位 三重 313トン 岩手 1,571頭 愛媛 34,208トン 長崎 4,128トン 愛知 1,160トン
第2位 和歌山 166トン 和歌山 979頭 熊本 10,420トン 鹿児島 3,394トン 和歌山 984トン
第3位 千葉 163トン 宮城 38頭 三重 5,530トン 高知 1,517トン 岐阜 897トン
第4位 静岡 129トン 石川 29頭 高知 4,890トン 三重 1,358トン 滋賀 460トン
第5位 徳島 82トン 長崎 15頭 長崎 2,858トン 和歌山 1,045トン 栃木 333トン
第6位 宮崎 59トン 高知 13頭 和歌山 1,561トン 大分 897トン 徳島 284トン
第7位 長崎 56トン 富山 12頭 鹿児島 927トン 愛媛 784トン 宮崎 256トン
第8位 鹿児島 53トン 北海道 11頭 宮崎 791トン     静岡 165トン
第9位 高知 40トン 沖縄 10頭 静岡 675トン     熊本 123トン
第10位 東京 39トン 三重 8頭 大分 471トン     大分 120トン

出典 農林水産省「平成27年漁業・養殖業生産統計年報」

コラム

いまも行われている、伝統のクジラ漁

上の表にある「海産ほ乳類」というのは、クジラやイルカなど鯨類(げいるい)のことです。(一般的に成体が4メートルを超えるものをクジラ、4メートル以下のものをイルカと呼んでいます。)和歌山県太地町(たいじちょう)は、全国でも珍しい「捕鯨(ほげい)」を今も行っている漁師まちです。400年も前の江戸時代から、古式捕鯨(こしきほげい)とよばれる漁法が太地町で始まり、昭和時代には、大船団を組んで南極海まで大きなクジラを捕りに行くようになって、太地町の人々は捕鯨船の砲手(ほうしゅ)として大いに活躍しました。古来、日本では「鯨一頭、七浦うるおす」といいます。クジラを一頭とれば、とても多くの人々に利益をもたらす、という意味です。日本人は昔から、大きな恵みをくれたクジラに感謝し、鯨肉、皮脂、内蔵、ひげ、骨などあらゆる部分を余すところなく利用してきました。

現在、世界には、日本のように捕鯨を行っている国と、捕鯨に反対の立場をとっている国があり、IWC(国際捕鯨委員会(こくさいほげいいいんかい))の決議によって、ナガスクジラやミンククジラなど大型のクジラを対象とした捕鯨は、調査目的のものを除いて禁止されています。太地町では、IWCの規制対象となっていない小型のゴンドウクジラなどを限られた頭数内で捕ったり、IWCの管理対象外であるイルカなどを、科学的根拠に基づき資源に影響のない範囲で捕っています。

古式捕鯨の図 世界には、クジラやイルカを捕獲することに強く反対する人たちもいますが、長い捕鯨の歴史をもつ太地町には、クジラやイルカの食文化やクジラ漁に関する伝統行事が受け継がれており、それは今も地域の産業として欠かすことのできないものです。

また、熊野灘(くまのなだ)における捕鯨の伝統文化は、世界に誇るべき「日本遺産(にほんいさん)」として認定されています。意見が違っても、それを押しつけるのではなく、お互いの立場を尊重(そんちょう)することが大切ですね。

 

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