和歌山県の地勢と気候
地勢(ちせい)
和歌山県の面積の大部分は、紀伊山脈(きいさんみゃく)を中核とする標高1,000メートル前後の山岳地帯です。護摩壇山(ごまだんざん)、高野山(こうやさん)、那智山(なちさん)といった古代から人々に親しまれた山々なども多く、温暖で雨が多いため樹木がよく育ち、広大な森林に覆(おお)われています。和歌山県の古い国名である「紀の国」は、「木の国」から転じたものともいわれています。和歌山県は、近畿地方(きんきちほう)の南につきでた紀伊半島(きいはんとう)の南西部にあって、北は大阪府(おおさかふ)、東は奈良県(ならけん)と三重県(みえけん)、南は熊野灘(くまのなだ)に接し、西は紀伊水道(きいすいどう)をはさんで徳島県(とくしまけん)と向かい合っています。串本町の潮岬は、本州の最南端に当たります。
山脈から発生した熊野川、紀の川、日高川、有田川、日置川、古座川など多くの河川が紀伊水道や太平洋に注いでいます。人々は古くから暮らしのために様々な工夫を凝らして水の恵みを利用してきました。
和歌山県の面積の8割以上を山地が占めているので、平野(へいや)はとても少ないのですが、紀の川流域(きのかわりゅういき)の和歌山平野と、有田川(ありだがわ)や日高川(ひだかがわ)の下流などに小さな平野が広がっています。
海岸線(かいがんせん)は総延長(そうえんちょう)650.7キロメートルにおよぶリアス式海岸で、天然の良港にも恵まれています。とりわけ、潮岬(しおのみさき)を中心とした県南部の海岸は黒潮(くろしお)に洗われ、弘法大師(こうぼうだいし)の伝説で有名な奇岩(きがん)・橋杭岩(はしぐいいわ)がそびえ立つなど雄大な景色(けしき)をみることができます。
和歌山県の高い山
- 1位 龍神岳(りゅうじんだけ)(田辺市、奈良県)
標高1,382メートル - 2位 護摩壇山(ごまんだんざん)(田辺市、奈良県)
標高1,372メートル - 3位 牛廻山(うしまわしやま)(田辺市、奈良県)
標高1,207メートル
和歌山県の長い川
- 1位 熊野川(くまのがわ)
全長183.0キロメートル - 2位 紀の川(きのかわ)
全長136.0キロメートル - 3位 日高川(ひだかがわ)
全長114.7キロメートル
気候(きこう)
和歌山県は南北の距離が長く、北部と南部では気候が異なります。
和歌山市など県北部は瀬戸内海式気候(せとないかいしききこう)に属し、年間を通じて天気や湿度が安定しており、降水量も少なくなっています。
一方、県南部は太平洋岸式気候(たいへいようがんしききこう)に属し、黒潮の影響を受け温暖で台風の影響を受けやすく極めて降水量の多い地域もあります。また、日照時間が長く、夏は比較的涼しく冬は暖かい傾向がみられます。
県内の主な地域の平年値
県内の主な地域の平均気温、降水量、日照時間の平年値(へいねんち)を表にすると、次のとおりです。
同じ和歌山県でも地域により気候がずいぶん異なることが分かります。平年値とは、気象学で用いる一定の期間の観測値の平均値です。世界中で気候区分の基準となるほか、その土地の平均的な気候を知る重要な指標になっています。
和歌山市 |
高野山(高野町) |
潮岬(串本町) |
新宮市 |
|
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平均気温 | 16.9度 | 11.1度 | 17.5度 | 17.3度 |
降水量 |
1414.4ミリメートル |
2003.1ミリメートル | 2654.3ミリメートル | 3332.9ミリメートル |
日照時間 | 2100.1時間 | 1582.3時間 | 2255.9時間 | 2124.3時間 |
県内の主な地域の月別平均気温、降水量、日照時間
和歌山市 | 高野山 | 潮岬 | 新宮市 | |
---|---|---|---|---|
1月 | 6.7度 | -0.1度 | 8.5度 | 8.1度 |
2月 | 7.3度 | 0.6度 | 9.3度 | 9.5度 |
3月 | 12.7度 | 6.7度 | 14.1度 | 14.4度 |
4月 | 16.1度 | 10.2度 | 16.5度 | 16.7度 |
5月 | 19.7度 | 14.1度 | 19.5度 | 20.1度 |
6月 | 23.3度 | 18.3度 | 22.6度 | 23.4度 |
7月 | 28.3度 | 23.0度 | 26.3度 | 27.9度 |
8月 | 29.1度 | 28.6度 | 27.6度 | 27.8度 |
9月 | 27.2度 | 21.1度 | 26.3度 | 26.6度 |
10月 | 19.2度 | 12.3度 | 20.0度 | 20.1度 |
11月 | 14.2度 | 7.4度 | 16.0度 | 15.6度 |
12月 | 9.4度 | 3.1度 | 11.3度 | 11.1度 |
和歌山市 | 高野山 | 潮岬 | 新宮市 | |
---|---|---|---|---|
1月 | 45.5ミリメートル | 131.5ミリメートル | 92.5ミリメートル | 65.0ミリメートル |
2月 | 23.5ミリメートル | 58.0ミリメートル | 25.5ミリメートル | 35.5ミリメートル |
3月 | 84.0ミリメートル | 127.5ミリメートル | 124.0ミリメートル | 228.0ミリメートル |
4月 | 170.0ミリメートル | 190.0ミリメートル | 119.5ミリメートル | 293.0ミリメートル |
5月 | 206.5ミリメートル | 269.0ミリメートル | 267.0ミリメートル | 358.5ミリメートル |
6月 | 305.5ミリメートル | 505.0ミリメートル | 521.5ミリメートル | 612.5ミリメートル |
7月 | 62.5ミリメートル | 102.0ミリメートル | 112.0ミリメートル | 96.0ミリメートル |
8月 | 133.0ミリメートル | 364.0ミリメートル | 461.5ミリメートル | 426.5ミリメートル |
9月 | 51.0ミリメートル | 236.5ミリメートル | 222.0ミリメートル | 265.0ミリメートル |
10月 | 69.5ミリメートル | 100.0ミリメートル | 189.5ミリメートル | 157.0ミリメートル |
11月 | 87.5ミリメートル | 136.5ミリメートル | 134.5ミリメートル | 144.5ミリメートル |
12月 | 29.5ミリメートル | 75.0ミリメートル | 137.0ミリメートル | 108.0ミリメートル |
和歌山市 | 高野山 | 潮岬 | 新宮市 | |
---|---|---|---|---|
1月 | 150.2時間 | 76.2時間 | 210.9時間 | 213.4時間 |
2月 | 147.0時間 | 97.8時間 | 181.6時間 | 187.8時間 |
3月 | 224.2時間 | 192.0時間 | 224.2時間 | 215.1時間 |
4月 | 204.4時間 | 164.3時間 | 191.6時間 | 186.9時間 |
5月 | 230.2時間 | 201.7時間 | 218.7時間 | 202.7時間 |
6月 | 132.6時間 | 111.7時間 | 114.3時間 | 121.9時間 |
7月 | 259.0時間 | 205.2時間 | 227.0時間 | 268.4時間 |
8月 | 240.8時間 | 156.7時間 | 213.0時間 | 169.7時間 |
9月 | 211.8時間 | 133.7時間 | 192.0時間 | 184.5時間 |
10月 | 212.9時間 | 171.0時間 | 240.8時間 | 208.1時間 |
11月 | 158.3時間 | 126.8時間 | 194.9時間 | 195.3時間 |
12月 | 156.6時間 | 104.9時間 | 201.4時間 | 205.3時間 |
数字で見ているだけでは違いや特徴(とくちょう)が分かりにくいので、この表をグラフにしてみましょう。
関連リンク
- きいちゃんと学ぼう 統計で知るわかやま
- 統計でわかやまを知ろう
- 気象庁「最新の気象データ」 (外部リンク)
- 気象庁「過去の気象データ」 (外部リンク)
- 国土地理院「日本の主な山岳標高」 (外部リンク)
- 国土地理院「日本の川」 (外部リンク)