平成30年地域づくりネットワーク和歌山県協議会研修交流会  開催レポート

研修交流会開催レポート

本年度も自主的・主体的な地域づくりの推進を図るため、下記のとおり研修交流会を開催しました。

日時 平成30年11月27日(火)13:30~16:30

場所 和歌山県自治会館

13:30       開会

         挨拶 和歌山県企画部地域振興局長 南木 芳亮

13:45~14:45    講演   「地域資源を活かす~地域の魅力でまちづくり~」

         講師 むれ源平まちづくり協議会 会長 新谷 稔 氏

15:00~16:15    グループワーク

16:15~16:25    質疑応答・講評

16:25~16:30    閉会

講演「地域資源を活かす~地域の魅力でまちづくり~」     講師 むれ源平まちづくり協議会  会長 新谷 稔 氏

講演写真

地域づくりのはじまり

高松市との合併を前に、牟礼町のオリジナリティが薄れていくのは面白くないので、何とかしたいという想いのもとに、旧牟礼町の呼びかけで有志が何人か集まって、牟礼町の風土を活かしながらまちづくりを展開できるように、今から地域づくりをスタートさせようと始まりました。

ちょうどその頃、NHKの大河ドラマで『義経』放映が決まっていて、源平合戦の古戦場の史跡文化と、地元の庵治石の石材文化をうまく融合させたまちづくりができないか検討して、まちづくり協議会を立ち上げて、準備委員会として始めました。

当時は、合併後も牟礼町として、地域の資源をうまく活用した地域づくりをするにはどうしたらいいのかということだけを半年間考えました。コンセプトとして源平史跡文化と石材文化をテーマに地域づくりを推進していこうということを決めました。それを具現化するために、道並み・街並み景観保存委員会、源平史跡保存委員会、観光案内検討委員会、石の民俗資料館活性化委員会、イサム・ノグチ委員会、駐車場委員会という6つの委員会を立ち上げました。  

最初の呼びかけは、行政から始まったが、自分たちでできることはやろうということで、委員会の運営は、場所も含めて自分たちでやろうと決めました。大きなハードの修繕工事については、行政にお願いをしました。

まちづくり協議会の活動

 ボランティアガイドの育成では、地元の人たちに呼びかけると同時に中学生の皆さんにも参加していただいます。今は中学生のガイドはいませんが、石あかりロードのボランティアに来る大学生の中に、中学生の頃にボランティアガイドに参加したという人が何人かいます。

 道並み・街並みの景観保存については、お金のかかる話ではありましたが、石の町にふさわしいような道並み・街並みにしたいという気持ちが非常に強かったので、デザイナーの先生方にフリーハンドの絵を描いてもらい、行政のまちづくり関係や道路課関係の方々にお願いして、もしこの辺を修景工事するのであれば、こういうふうなイメージにしてほしいとお願いをしました。

 自分たちでできることはやろうということで、モニュメントをつくることにしました。地元のライオンズクラブさんに呼びかけて、源平の史跡の扇の的をイメージしたモニュメントをつくってもらいました。 また人づくり事業としてまちづくり協議会がサポートしながら源平合戦の史跡とか、イサム・ノグチの関係とか石材文化、食育等々6コースぐらいの総合学習メニューを作って毎年2日間開催しています。

石あかりロード誕生まで

 ある日、原風景を何か形にして発信できるものはないかということで、皆で考えるようになりました。その中の1人が、点在している源平の史跡をうまくつなげて歩いてもらうために、石の灯龍ではなくて、モダンアートの石あかりをつくって、それをつないでいって、史跡を見てもらいながらモダンアートの石あかりを発信できたら面白いという意見が出てきて、それをやってみようということで始まったのが石あかりロードです。それはずっと続ける気はなくて、取りあえずやってみようという気持ちで始まったのがこの事業でした。

 石あかりを始めていろんなモニュメントの企画展もやってきたのですが、出店数は200~300点ぐらいで、毎年の新作品は50点ぐらいです。作品をつくる過程がいろいろありまして、加工するのは得意な人がいっぱいいるのですが、デザインはちょっと苦手という人もいっぱいいます。そういう方には、全国からデザイン画を募集して、その中で採用されたものを作ったり、地元の高校生や大学生、美術部の人たちに描いていただいたデザイン画を元にして作品をつくるコラボ事業も積極的にやっています。他にもいろんな金属関係又は木材関係、それから設計、デザイナー等々ありとあらゆる他産業ともコラボしました。そういう業界団体も含めて、個人の人たちともコラボしながら異業種間で石あかりを作品化して展示するところに、ほかの産業のものづくりも持ち込んで一緒にやったりしております。

石あかりロードの効果

 石あかりロードの効果で、地場産業の認知度がアップしたということはあります。庵治石は、ほとんどが卸売りから小売屋という流通で売っていたから、自分たちが発信する必要がなかったんです。でも、海外から安価な石がどんどん入ってくるので、庵治石がほとんどチョイスされなくなってきて、自分たちで発信していかないかんと悩んでいたときに、たまたまこの事業が始まったんですね。そういう意味では、認知度アップにすごく貢献しました。

 石材業者間の交流は、あまりなかったらしいのですが、この事業をすることによって盛んになってきて、今では石あかりロードに他の産地の作品も出展されてきたり、僕らも他の地域の産地に呼ばれていったりすることが頻繁に起こるようになってきました。

 行政との交流では、地域振興や観光振興や文化振興という、今まで接することがなかった行政との交流が頻繁に行われるようになりました。

 マスコミからの取材も圧倒的に増えました。庵治石を発信するうえで、マスコミからの取材はものすごく有り難い話です。

 地域の絆の深まりという点では、この事業が、我々の意図するところではなかったのですが、何かをやってみたい、チャレンジしてみたい、発表したいというようなハブ的な要素がでてきたことが、非常に有り難いと思っています。

今後について

 今後、我々が取り組む課題としては、多様な人たちが単に賑わいを創出するだけのイベントではなくて、つながりを深められて、地域の活動やまちづくりに寄与できるような、イベントの1つとして使えるように育てたいと考えています。

グループワーク

グループワーク1

グループワーク2

グループワーク3

グループワーク4

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