海南市の基盤産業と雇用吸収産業

公開日: 2019年3月13日

代表研究者
所属機関 和歌山県データ利活用推進センター
氏名 鶴田靖人
e-mail e0201003@pref.wakayama.lg.jp
 

概要

和歌山県海南市の産業が持つ稼ぐ力と雇用を生む力を表す散布図を作成した。その結果から海南市の強みである産業と雇用を吸収している産業を明らかにした。

分析結果

海南市稼ぎ力と雇用力


この散布図は和歌山県海南市の産業が持つ稼ぐ力(X軸)と雇用を生む力(Y軸)を表している。海南市で稼ぐ力が強い産業(基盤産業)は鉄鋼業、飲料・たばこ・飼料製造業などがあり、製造業が多い。雇用を生む力が強い産業(雇用吸収産業)のは医療や小売り・卸売など住民にサービスを提供する産業が多い。稼ぐ力が強い産業が地域の外からマネーを獲得しそのお金が地域内を循環して雇用を生む産業に流れることで地域に必要な雇用が維持されていると考えると、鉄鋼業、飲料・たばこ・飼料製造業等の基盤産業の生産額を増やすことができれば、その効果は雇用吸収産業にも波及するので基盤産業だけではなく雇用吸収産業の雇用も増やすことができると言える。

解説

結果の散布図を解説する。X軸は修正特化係数、Y軸は海南市に占める従業員割合(雇用割合)である。修正特化係数は、ある産業が日本全体の同じ産業に比べて優位であるかどうかを表す指標である。たとえば、地域aの産業Aの修正特化係数が1を超えた場合は、地域aの産業Aは日本全体の当該産業に比べて比較優位であることを表し、地域aの産業Aの修正特化係数が1を下回る場合は、日本全体の当該産業に比べて比較劣位であることを表す。絶対とまでは言えないが、修正特化係数が1を超える産業は域外収支が黒字であり、修正特化係数が1を下回る産業は域外収支が赤字であることが経験的に知られている。

修正特化係数の定義や意味などの詳細は以下のサイトが参考になる。

統計局ホームページ/地域の産業・雇用創造チャート (stat.go.jp)(外部リンク)

活用したデータ

データの出典:従業員数の出典は平成26年経済センサス-活動調査、自給率は平成23年全国産業連関表を基に公開者自身が作成した。

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