長期総合計画 第2章 第5節 地域を創る

第5節 地域を創る

第1項 活力と魅力のあるまちづくり

1.和歌山が誇る豊かな自然の継承

<現状・課題>

・本県では、温暖多湿な気候と地質的な特異性が多様な自然環境をつくり、豊かな生態系を育んできましたが、天然林の減少や里地・里山の荒廃、外来生物の侵入などの影響により、生物多様性は低下しています。
・本県の豊かな自然は、人の手を入れることで、地域固有の生態系を保ちつつ、世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」に代表される伝統的な農業や産業を創り出してきました。


<めざす方向>

本県の美しい自然環境と、そこで育まれる多様な生態系を保全するとともに、人と自然のつながりを後世に受け継いでいくため、自分たちの産業は世界的にも有望なものであるという自覚と誇りをもてる教育・啓発を行い、知識の蓄積ができる仕組みをつくることで、「自然資源の循環」を途切れさせることなく、いつまでも守り続けます。
さらに、世界的にも魅力ある本県の自然を最大限に生かし、訪れる人にそこでしか感じることのできない体験を提供する、観光と融合した「自然資本ビジネス」を推進します。


<実施する主な施策>
1 自然・生物多様性の保全の推進

ア 貴重な天然林を、必要に応じ公有林化することで「新紀州御留林(おとめりん)」として保護するとともに、人工林については、間伐など適切な管理を推進します。
イ 自然や生物多様性の価値を浸透させていく取組を推進するとともに、県民や事業者、NPOによる里地・里山の保全活動や森林づくり活動を支援します。
ウ 野生鳥獣については、生態系と調和し人間と良好な共存を図るため、科学的な調査に基づき、計画的な保護・管理を進めます。
エ 外来生物による被害を防止するため、「入れない」「捨てない」「拡げない」という原則を広く啓発するとともに、監視や駆除を推進します。
オ 本県の豊かな自然の素晴らしさを広く発信するとともに、調べ、体験し、楽しみながら自然を学ぶ環境を提供するため、県立自然博物館を移転・リニューアルし、貴重で膨大な所蔵品を最適な状態に保ち、これらの価値を効果的かつ魅力的に展示する機能の充実を図ります。

2 自然資源の持続的活用

ア 世界農業遺産に認定された「みなべ・田辺の梅システム」の資源循環システムや農村景観、食文化、生物多様性を国内外に広く発信することで、地域の振興を図るとともに、暮らしを支えてきた産業を後世まで持続させます。
イ 伝統的な農林水産業の継承を目的とする「日本農業遺産」の認定に向けた取組を支援し、その知名度を高め、地域の活性化を図ります。
ウ 学校教育や地域主体の学習会などを通じて、自然と共生した生産システムの価値を正しく伝えることで、伝統的な農林水産業を守り、生かす新たな担い手を育成します。
エ ラムサール条約湿地として登録されている「串本沿岸地域」の環境保全活動を推進するとともに、その価値と魅力を国内外に広く発信します。

3 自然資本ビジネスの発展

ア 和歌山の優れた自然を体験できる環境を提供するため、自然公園施設の整備・改修を計画的に進めるとともに、外国人利用者の増加を図るため、案内標識の多言語化、体験メニューの素材発掘、ガイドの養成を推進します。
イ 貴重な地質や景観を有する「南紀熊野ジオパーク」を世界に発信していくため、ユネスコ世界ジオパーク認定に向けた活動や「南紀熊野ジオパークセンター」の整備、国内外のジオパークと連携した情報発信を推進します。


<進捗管理目標>

指 標

基準値

(2015年度)

目標値

(2026年度)

自然公園利用者数(年間)

2,516万人

(2015年:暦年)

3,000万人

(2026年:暦年)

南紀熊野ジオパークのユネスコ世界ジオパーク認定

認定


2.和歌山が誇る文化遺産や景観の保存・保全と活用

<現状・課題>

・本県には、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」をはじめ、貴重な文化遺産が数多くあり、国宝は全国6位、重要文化財は全国7位の指定件数となっています(2017(平成29)年1月現在)。
・豊かな自然と、人々の暮らしの中で育まれてきた良好な景観を保全・形成していくために、和歌山県景観条例を制定しています。
・これらの和歌山が誇る文化遺産・景観を次代に引き継いでいくことが必要です。


<めざす方向>

本県の長い歴史の中で形成・伝承されてきた文化遺産と、独特の風土・文化に育まれた魅力ある景観の保存・保全を図ります。
また、観光との融合に積極的に取り組み、多くの人に、その地を訪れ、実際に観て、感動してもらう機会を創出し、地域の活性化につなげていくことで、後世にわたり、文化遺産・景観を守り、引き継いでいく「保存・保全と活用との好循環」を実現します。


<実施する主な施策> 
1 文化遺産の保存と活用

ア 新たな文化財指定・文化財登録や、文化財の保存修理を進めるとともに、文化遺産を県民が正しく理解し、親しむ機会を充実します。
イ 県立紀伊風土記の丘資料館を考古博物館として再編し、特別史跡「岩橋千塚(いわせせんづか)古墳群」出土遺物を中心とした県内の考古資料の保存と活用を図ります。
ウ 企業の社会貢献活動や観光客による世界遺産参詣道の補修・清掃活動を推進するなど、訪れた多くの人の手による保全活動を継続的に展開し、文化遺産を未来に引き継いでいくとともに、保全活動を通じて地域の歴史・文化や魅力を発信します。
エ 各地域の文化遺産を生かし、テーマ性・ストーリー性をもった魅力ある観光周遊ルートを構築します。

2 良好な景観の保全と形成

ア 古道・街道沿いの街なみや歴史的な建造物が残る地域など、良好な景観を形成していく上で特に重要と認められる地域を、和歌山県景観条例に基づく特定景観形成地域として指定し、地域の特性を生かした良好な景観形成を図ります。
イ 地域住民による景観づくりに関するルールづくりや、良好な景観形成に寄与している景観資源の推薦・登録を促進することで、住民参画の景観づくりを推進します。
ウ 高速道路や自動車専用道路の沿道において、和歌山県屋外広告物条例に基づき、周辺景観と調和しつつ、分かりやすく統一感のある案内広告物の整備・誘導を進めます。
エ 歴史的風致維持向上計画策定の促進や、和歌山県景観条例に基づく事前協議制度の適切な運用により、自然や歴史・文化、景観など地域の特徴を生かしたまちづくりを進めます。


<進捗管理目標>

指 標

基準値

(2015年度)

目標値

(2026年度)

国・県指定文化財数

1,024件

1,120件

文化財保存修理件数

(計画期間内の累計)

260件

(2008~2015年度)

480件

(2017~2026年度)

歴史・景観まちづくりに関する取組を実施している地区数

2地区

8地区


3.賑わいのあるコンパクトな都市づくり

<現状・課題>

・戦後、人口の増加とともにDID(人口集中地区)の面積が拡大してきましたが、近年人口減少に転じたことで、まちなかの居住人口の減少や商店街の衰退に伴う空き家・空き地の増加など、中心市街地の空洞化が進んでいます。
・住宅、公共施設、大規模商業施設等の郊外立地といった都市機能の外縁部への拡散により、守るべき優良農地が虫食い的に減少するとともに、道路、水道、下水道の整備・維持など行政コストが増大しています。


<めざす方向>

都市機能の拡散を防止し、都市機能の拠点エリアへの集約やまちなか居住の誘導など空間の密度を高め、徐々に「コンパクトな都市」に戻しつつ、再開発などにより中心部の新陳代謝を盛んにします。
また、車を運転できない高齢者なども含め、誰もがまちに出かけ楽しく過ごせる「賑わいのある魅力的な都市」を創造します。


<実施する主な施策>
1 コンパクトな都市づくり

ア 農地法・農業振興地域の整備に関する法律や都市計画法の適切な運用を市町村に働きかけることで、次代のための優良農地を保全しつつ、計画的なまちづくりを進めます。
イ 立地適正化計画を策定する市町を支援し、都市機能(医療・福祉・教育文化・商業等)の段階的な集約を進めることで、都市構造を再構築します。

2 賑わいのある魅力的な都市づくり

ア 中心市街地の再開発に市町と連携して取り組むとともに、歩行空間や公園などのまちとしての基盤整備を進めます。
イ 地域公共交通の確保につながるよう、市町村・事業者・住民と連携して公共交通機関の利用促進に取り組みます。
ウ 拠点エリアとその周辺の居住エリアを気軽に移動できる地域公共交通ネットワークを整えるとともに、IC決済システムの導入等により利便性の向上に取り組みます。
エ 防災・衛生・景観などの生活環境に深刻な影響を及ぼす空き家の除却を促進するとともに、利活用可能な空き家の流通を促進します。
オ 自然豊かで利便性も良い地方都市での暮らしの特色や魅力を発信し、移住・定住や二地域居住を促進します。


<進捗管理目標>

指 標

基準値

(2015年度)

目標値

(2026年度)

郊外の開発抑制に向けた都市計画の策定着手市町数

9市町

23市町

コンパクトシティ実現に向けた計画策定市町数

10市町

地域公共交通網形成計画策定市町村数

全市町村

ICカード利用可能駅へ乗り入れる路線バスを運営する事業者のIC決済システム導入率【再掲】

100%

空家等対策計画の策定市町村数

3市町

全市町村


4.個性豊かで暮らしやすい中山間地域づくり

<現状・課題>

・中山間地域では、人口減少や少子高齢化が顕著であり、集落としての維持が困難となっているところがあります。
・近年、首都圏をはじめとする都市部では、地方への移住・定住や二地域居住に対する住民の関心が高まっています。


<めざす方向>

人口減少の中、地域での生活を維持していくため、日常的な生活サービスを享受できる地域(生活拠点)と、その地域と一体性を保つ周辺の集落を「ふるさと生活圏」とし、暮らしの礎とします。
また、存続が見込めない集落にあっては、住民の安全・安心な暮らしを確保するため、住民の意思を尊重しつつ最寄りの生活拠点や周辺集落への移転を促すとともに、ふるさと生活圏内の効果的・効率的な地域公共交通ネットワークを構築するなど、ふるさと生活圏の再編・活性化に取り組みます。
さらに、地域の特色ある資源を地域固有の魅力として磨き上げ、地域や市町村が主体となった個性豊かで活力ある地域づくりを推進するとともに、移住・定住や二地域居住により人の流れを創出し、活性化につなげます。


<実施する主な施策>
1 持続可能な地域づくり

ア ふるさと生活圏単位で、住民が主体となった地域課題に対する取組を支援し、ふるさと生活圏の生活機能の維持や活性化を図ります。
イ 存続が困難となることが予想される集落について、生活を維持する方策を検討するため、市町村とともに住民との話し合いを進めます。
ウ 存続が見込めない集落から生活拠点等への移転及び移転後の生活に対する支援制度を設け、住民の安全・安心な暮らしの確保に取り組みます。
エ 地域公共交通の確保につながるよう、市町村・事業者・住民と連携して公共交通機関の利用促進に取り組みます。【再掲】
オ 生活拠点と周辺集落等を結ぶ地域公共交通ネットワークを整えるとともに、生活に不可欠な道路を選択と集中により効果的に整備します。

2 魅力のある地域づくり

ア 地域が主体となり、魅力のある地域づくりを進めるため、県や市町村の職員が直接地域に入り、活動を支援します。
イ 地域づくり活動団体ネットワークの拡大を図るとともに、地域づくりを担う人材の育成、移住者の地域活動への参加促進、大学と地域の協働に取り組み、地域づくりを推進します。
ウ 地域の特色ある資源を発掘し、活用することで地域振興につなげる「わがまち元気プロジェクト」に取り組みます。
エ ふるさと生活圏単位で、伝統文化の継承や産業振興のための取組を行う住民団体を支援し、地域の活性化を図ります。
オ 農林漁家に宿泊し、農村での農業体験や加工体験、山村での林業体験や森林セラピー、漁村での漁業体験やマリンスポーツなど、地域との交流を行うグリーンツーリズムやブルーツーリズムを推進します。
カ 特産物の6次産業化、耕作放棄地・遊休施設の再生、自然や景観を生かした地域づくりなど、地域固有の資源を有効に活用します。

3 地域への人の流れの創出

ア 各地域の暮らしの特色や魅力を情報発信するとともに、相談窓口や地域の受入体制の拡充など、移住後の生活の支援を含めたきめ細やかな対応を行い、移住・定住や二地域居住を推進します。
イ 空き家の適切な管理と有効活用を進めるとともに、移住希望者に対する空き家の情報提供や改修の支援を行います。
ウ 移住者の起業や地域には欠かせない商店等の継業を推進し、地域での仕事づくりを支援します。


<進捗管理目標>

指 標

基準値

(2015年度)

目標値

(2026年度)

集落の活性化に取り組む「ふるさと生活圏」数

31か所

85か所

地域公共交通網形成計画策定市町村数【再掲】

全市町村

グリーンツーリズム推進地域数【再掲】

2地域

30地域

ブルーツーリズム推進地域数【再掲】

1地域

20地域

移住世帯数(年間)

113世帯

1,000世帯

空家等対策計画の策定市町村数【再掲】

3市町

全市町村


5.交流人口等の増加による地域の活性化

<現状・課題>

・和歌山を訪れなくとも、国内外を問わず、さまざまな形で本県とのつながりをもつ人口(関係人口)を増やしていくことが重要です。
・観光や二地域居住など何らかの目的で地域を訪れる人口(交流人口)を増加させることで、人口減少の影響を緩和し、地域の活力を取り戻そうとする動きが広がっています。
・関係人口や交流人口の増加は、産業の活性化や移住・定住人口の増加につながること
が期待されます。


<めざす方向>

さまざまな形で本県とつながりをもつ関係人口や、本県を訪れる交流人口を増やします。
関係人口・交流人口の増加により、地域での新たな仕事が生まれ、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を創出し、定住人口の減少をくい止めます。


<実施する主な施策>
1 関係人口の拡大

ア 豊かな自然、伝統ある歴史・文化、恵まれた風土、特色ある産業など、和歌山の魅力を積極的に情報発信することで、和歌山を知ってもらい、興味をもつ人を増やします。
イ 県内企業の海外展開の拡大や県産品の国内外の販路拡大を推し進めて、和歌山の製品、サービス、農林水産物などの魅力を実感してもらう機会を充実します。
ウ 万国博覧会の大阪府への誘致に関西が一体となって取り組み、世界の人々との交流や和歌山の魅力発信の機会を創出します。
エ 和歌山に興味をもち、和歌山を感じてもらうことで、和歌山に愛着をもつ「和歌山ファン」を増やします。

2 交流人口の拡大

ア 本県のもつ多彩な資源を生かした観光の振興、スポーツ・文化活動を通じた交流の推進、産業の活性化や賑わいの創出に積極的に取り組み、多くの人が訪れる和歌山を創ります。
イ 高速道路や幹線道路の整備、関西国際空港や南紀白浜空港等の利便性の向上に取り組むことにより、国内外からの来県者を増やします。
ウ 多くの人が和歌山を訪れ、県民の温かい人間性や和歌山の暮らしに直接触れてもらうことで、二地域居住や移住・定住人口の増加につなげます。


第2項 地域をつなぐネットワーク

1.交通ネットワークのさらなる充実

<現状・課題>

・本県が将来にわたり発展し続けるためには、京阪神圏をはじめ、首都圏、中部圏など日本全国につながる道路網や鉄道網、世界との玄関口となる空港・港湾といった交通ネットワークをより一層充実し、「ひと」・「もの」の流れを活性化することが重要です。
・県内の高速道路の供用率は2016(平成28)年度末で80%と概ね全国平均に到達しましたが、近畿自動車道紀勢線については、未だミッシングリンク(高速道路ネットワークにおいて、未整備のため途中で途切れている区間)が存在しています。
・関西大環状道路を形成する京奈和自動車道については、県内全線が開通したものの、関西経済の活性化には、さらに放射状道路である府県間道路の整備が必要です。
・X軸ネットワーク道路が2012(平成24)年度に完成し、引き続いて川筋ネットワーク道路の整備を進めていますが、近い将来発生が予測される南海トラフ巨大地震など大規模災害に備え、幹線道路のさらなる強化と代替性の確保が必要です。
・都市内の円滑な交通・物流を担う都市計画道路の整備が遅れており、渋滞の緩和や中心部へのアクセス機能の向上が必要です。
・海外との取引拡大や訪日外国人旅行者の増加を図るため、空港・港湾の機能強化や利便性の向上が必要です。


<めざす方向>

企業立地や産業振興、活力ある地域づくりといった本県の将来のチャンスを保障するものとして、また、南海トラフ巨大地震などの大規模災害への備えとして、高速道路や県内の幹線道路を早期に整備し、県内主要都市間の2時間移動を可能にするとともに、県内各地のどこからどこへでも概ね3時間で移動できる「県内3時間移動」を実現します。
関西国際空港の利用促進、南紀白浜空港や各港湾の機能強化を図るとともに、空港・港湾と県内各地とのアクセスを向上させ、国内外からの多くの交流人口や広域的で活発な物流を創り出し、「世界と直接つながる和歌山」を実現します。


<実施する主な施策>
1 道路網の整備
(1) 高速道路ネットワークの早期整備

ア 本県の将来のチャンスを保障するものとして、さらに大規模災害への備えとしてもミッシングリンクの早期解消は急務であることから、近畿自動車道紀勢線の紀伊半島一周の早期実現に取り組みます。
イ 活力ある地域発展や、渋滞による経済損失の解消、対面通行による重大事故の防止を図るため、近畿自動車道紀勢線の南紀田辺ICまでの4車線化を早期に実現するとともに、南紀田辺IC~南紀白浜IC間と京奈和自動車道についても交通量の増加に合わせて4車線化に取り組みます。

(2) 県内外の一体的発展に寄与する幹線道路の整備推進

ア 高速道路の整備効果を県内全域さらには近畿全域へ波及させるため、高速道路の整備に合わせ、府県間道路や直轄国道の整備を推進するとともに、県内主要都市間をつなぐX軸ネットワーク道路や川筋ネットワーク道路をさらに強化するなど、高速道路と内陸部との連携を図る幹線道路網を重点的に整備します。

(3) 都市内道路及び基本的生活に不可欠な道路の整備推進

ア 日常生活の利便性向上に資する都市内道路や生活に不可欠な道路を選択と集中により効果的に整備します。
イ 歩行者の安全な通行を確保するため、通学路など生活道路における歩道を加速度的に整備し、2036(平成48)年度までに完成させます。

(4) 構想路線の具体化

ア 京奈和自動車道などの整備効果をさらに波及させるため、「京奈和自動車道の第二阪和国道への延伸」や「京奈和関空連絡道路(仮称)」の具体化に取り組みます。

(5) 地域活性化の視点からの拠点整備

ア 地域の雇用創出や経済の活性化、災害時の活動拠点としての役割を担う「道の駅」において、新たな施設の設置や既存施設の機能強化を推進します。

2 次世代に向けたプロジェクトの推進

ア 関係自治体と連携し、紀淡海峡ルートの早期実現に向けて、国に働きかけます。
イ フリーゲージトレインの紀勢本線への導入実現に向けて、国に働きかけます。

3 空港の機能強化
(1) 関西国際空港の利用促進

ア 関西の自治体や経済界と一体となって、急増する外国人観光客に対応するための受入体制の強化やエアポートプロモーション活動の推進に取り組み、関西国際空港の利用促進を図ります。【再掲】
イ 関西国際空港が至近距離にあるメリットを生かし、観光客や企業の誘致、県産品の輸出を促進するとともに、公共交通機関の接続向上や連絡道路の整備など、関西国際空港へのアクセス利便性の向上を図ります。

(2) 南紀白浜空港の機能強化と利用促進

ア 首都圏を中心に紀南地域の魅力を積極的に売り出すとともに、空港と各観光地や鉄道駅を連絡する道路の整備やバス・鉄道等の利便性向上を進めることで、観光客やビジネス客の利用促進を図ります。
イ 民間事業者のノウハウを活用した空港運営や国際便の受入体制の強化などに取り組むことで、観光客やビジネス客の利用促進を図り、南紀白浜空港を活性化します。【再掲】

4 港湾の機能強化

ア 船舶の大型化への対応や静穏度の確保など港湾の機能拡充により、効率的輸送の推進や物流コストの縮減を図り、海上輸送の利便性向上に取り組みます。
イ 港湾へのアクセス向上に資する高速道路や主要幹線道路等の整備を促進することで利便性向上や物流効率化に取り組みます。
ウ 大型クルーズ客船に対応した施設改良など受入体制の整備を進めるとともに、外航クルーズ客船の寄港増に向けた誘致活動を進めます。【再掲】
エ 放置艇対策として、プレジャーボート係留保管施設の整備と保管施設への係留の呼びかけを行うとともに、不適切な係留に対して行政代執行による強制的な措置を行い、プレジャーボートの適切な係留保管に取り組みます。

5 長期的視点にたったインフラの老朽化対策等の推進

ア 高度経済成長期に集中的に整備された道路、港湾などのインフラが今後加速度的に更新時期を迎えるため、構造物の状況により点検サイクルを見極め適切な時期に補修を行う予防保全型の「長寿命化」に取り組むとともに、管理者責任を適切に果たすため必要に応じ、老朽化等に起因する通行規制などの対策を講じます。


<進捗管理目標>

指 標

基準値

(2015年度)

目標値

(2026年度)

主要都市間2時間移動

達成

県内のどこへでも3時間で移動【再掲】

達成

高速道路の予定延長に対する供用率【再掲】

77%

100%

高速道路(近畿自動車道紀勢線府県境~南紀白浜間、京奈和自動車道県内全線)の4車線での整備率

25%

60%

歩道整備率

54%

77%

南紀白浜空港の利用者数(年間)

127,003人

150,000人

クルーズ客船の寄港数(年間)【再掲】

11隻

30隻


2.情報通信基盤の整備

<現状・課題>

・スマートフォンやタブレット端末の普及により、時間・場所を問わずインターネットで世界とつながることが可能となり、年代を超えて利用者は増加しています。
・超高速ブロードバンドや携帯電話については、情報通信基盤が整備され、概ね県内全域で利用可能となっています。
・情報通信技術が絶え間なく進歩する中、新たな通信技術・サービスの動向を的確に捉える必要があります。


<めざす方向>

日常生活に欠かせないインターネットの利用環境の充実や、災害時の情報伝達手段の確保、IoT等の革新的な技術の活用など、情報通信技術の発達の恩恵を享受できる環境を整備します。


<実施する主な施策>

1 超高速ブロードバンドや新たな通信技術・サービスの導入の促進

ア 国、市町村と連携し、災害時の情報伝達の確保に資する、民間企業による情報通信基盤の整備や携帯電話不感地域の解消を促進します。
イ 超高速・超低遅延・多数同時接続等の通信が可能となる5G(第5世代移動通信システム)など、新たな通信技術・サービスの動向を的確に捉え、導入を促進します。【再掲】

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