(2)平常時の役割 地域防災力を100%発揮するために・・・

どんな訓練があるの?

ここでは、各種防災訓練の内容を紹介しますが、いくつかの訓練を組み合わせての実施や、ほかの地域の自主防災組織との合同訓練など、さまざまなバリエーションが考えられますので、地域の特性に応じて防災訓練を企画し、実施してみましょう。

A 避難訓練

実際に災害が起こったことを想定して行う訓練です。

地域の特性により地震、津波、土砂災害、水害、火災などさまざまな災害の発生が考えられます。

それぞれにおいて取るべき行動が異なる場合もあるため、お住まいの地域で想定される災害について個々に訓練を行う必要があります。

【避難訓練の手順(例)】

(1)参加住民は家族と話し合い、地域にどういった避難場所があるのか確認し避難経路を決めておく。

(2)自主防災組織の役員が中心となり、班の名簿を作成する。

また、可能であれば、避難行動要支援者(寝たきりの高齢者、身体障害者など、災害時に自力で避難することが困難な方)について、情報を収集し、地域で話し合 い、避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針(内閣府防災HP)に基づき作成した個別支援計画などを用いた訓練ができるようにする。

(3)当日、市町村の防災行政無線の合図等により、一斉に避難場所へ避難。あらかじめ決めておいた役割に従い、避難誘導・避難支援を実際に行い、確認する。

(4)自主防災組織本部を設置し、事前に作成した班名簿によって避難者をチェックし避難状況を把握する。

B 情報収集・伝達訓練

災害発生時に、市町村から必要な情報を収集、市町村に地域の状況を伝達したり、地域住民に適切な情報を伝えるための訓練を行います。

C 初期消火訓練

消防団・消防職員等の指導の下、火災が発生した場合に、消火器やバケツ、可搬ポンプなどを使用した初期消火を実施します。また、火災から身を守る方法などについて訓練します。

D 救助訓練・応急手当訓練・AED訓練

消防団・消防職員等の指導の下、倒壊した家屋の下敷きになった人を救出したり、けが人の手当てや搬送などの応急救護を行うことができるよう訓練します。
また、心肺蘇生法やAEDの操作方法等を学びます。

E 給食・給水訓練(炊き出し訓練)

災害時において地域住民に円滑に救援物資や食事、飲料水を配給できるようにするための「訓練です。
避難訓練など、大人数が集まる場面にあわせて実施することが多いです。

F 災害時図上訓練(DIG訓練)

地域で大きな災害が発生する事態を想定し、地図を用いて、地図と地図の上にかける透明シート、ペンを用いて、危険が予測される箇所・事態をシートの上に書き込んでいく図上訓練です。

G 避難所運営訓練

大規模な災害が発生し、避難が必要となりそれが長期化する場合には、多くの避難者が避難所で生活することとなります。災害発生時から避難所運営を円滑に進めていくために、HUG(避難所運営ゲーム)によるシミュレーションを行ったり、実際に避難所を開設し、運営を行う訓練です。

どんな資機材を用意すればいいの?

自主防災組織が役割を十分に果たすためには、救助、防災活動などの活動を行うため、それぞれの役割に必要な資機材等を備えておく必要があります。

また、地域の実情や組織の構成等からみてどのような資機材等を備えるべきか、市町村や消防機関等の助言を受けて検討する必要があります。各市町村では、資機材整備に対して助成を行っている市町村もありますので、まずは市町村に相談してみましょう。なお、資機材の保管、管理にあたっては、用途・目的に合わせて、防災拠点に設けた防災倉庫での管理や地域ごとに分散して管理をして、メンテナンスを行い、最も機動的に利用できるようにしておきましょう。

目的別の主な資機材(例)

目的 防災資機材
情報収集・伝達用 携帯用無線機、受令機、電池メガホン、携帯用ラジオ、腕章、住宅地図、模造紙、メモ帳、油性マジック(安否・被害状況等、情報収集・提供の際に用いる筆記用具として)等
初期消火用 可搬式動力ポンプ、可搬式散水装置、簡易防火水槽、ホース、スタンドパイプ、格納器具一式、街頭用消火器、防火衣、鶯口、ヘルメット、水バケツ、三角バケツ、防火井戸等
水防用 救命ボート、救命胴衣、防水シート、シャベル、ツルハシ、スコップ、ロープ、かけや、くい、土のう袋、ゴム手袋等
救出用 バール、はしご、のこぎり、スコップ、なた、ジャッキ、ペンチ、ハンマー、ロープ、チェーンソー、エンジンカッター、チェーンブロック、油圧式救助器具、可搬式ウィンチ、防煙・防塵マスク
救護用 担架、救急箱、テント、毛布、シート、簡易ベット、AED等
避難場所・避難用 リヤカー、発電機、警報器具、携帯用投光器、標識版、標旗、強力ライト、簡易トイレ、寝袋、組み立て式シャワー等
給食・給水用 炊飯装置、鍋、こんろ、ガスボンベ、給水タンク、緊急用ろ水装置、飲料用水槽
訓練・防災教育用 模擬消火訓練装置、放送機器、119番連絡用装置、組み立て式水槽、煙霧機、視聴覚機器(ビデオ・映写機等)、火災実験装置、訓練用消火器、心肺蘇生用訓練人形、住宅用訓練火災警報器等
※市町村消防本部で用意できる場合があります。
その他 簡易資機材倉庫、ビニールシート、携帯電話機用充電器

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