市町村避難所運営マニュアル作成モデル

1.マニュアル作成モデルの目的

地震・津波、風水害等の大規模災害が発生し、住民が避難を余儀なくされる場合に備えて、市町村は避難所の運営が円滑に行われるよう、あらかじめ運営基準などを定める必要があります。

このマニュアル作成モデルは、市町村において避難所の運営に関するマニュアルの策定が進むよう、県として示すものです。

2.マニュアル作成モデルの策定経緯

本県においては、平成17年3月に、避難所運営の参考としていただくことを目的に「避難所のあり方指針検討報告書」をまとめました。

その後、スムーズに避難所を運営するためには避難所運営マニュアルを整備する必要があると考え、平成20年3月に、避難所を実際に自治運営していく被災者サイドに重点をおいて「市町村避難所運営マニュアル作成モデル」を策定しました。

3.マニュアル作成モデルの改定

(平成25年1月)
東日本大震災や紀伊半島大水害では、多くの被災者が避難し、かつ、その避難期間が長期に渡ったこともあり、様々な課題が指摘されました。

本県においては、地震防災対策アクションプログラムのワーキンググループ(避難所グループ)で様々な課題に対する検討を行い、女性・子どもや避難行動要支援者への配慮などの観点から本編を改定するとともに、避難所運営に必要なチェックリストなど資料編もさらに充実させました。
 

(平成29年3月)

平成28年4月に発生した熊本地震では、最大震度7の地震を2回観測し、継続した余震活動への不安等から車中泊を選択する被災者が数多くみられました。

車中泊が原因による静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)を発症する被災者もみられ、車中泊者への対応が課題として指摘されました。

また、同年10月、鳥取県では最大震度6弱の地震が発生し、避難所に避難する被災者がいる一方、車中泊を選択する被災者もいました。

熊本地震の被災地支援のために派遣した県職員の意見の反映や、課題となった車中泊に対する対策をはじめトイレ対策や平常時の準備等について内容を充実しました。

(平成30年4月)

避難者の障害種別を詳細に把握し、避難所での支援を充実させるため、避難者名簿等の要配慮区分を細分化する等の充実を図りました。

また、食物アレルギーがある避難者の誤食事故を防ぐため、食物アレルギー防災カードやビブス等を活用することなど、避難者自身による食物アレルギーの伝達方法に係る内容等を追加しました。
 

(平成30年10月)

平成30年台風第21号は暴風をもたらし、電線の破断や電柱が倒れ、多くの地域で停電が発生しました。台風通過後、一定の応急復旧が行われた後も、一部の地域では停電が続き生活できない事例があったことから、長期停電に伴う避難所の開設等の内容を追加しました。

また、停電等により必要となる発電機等の資機材や、避難生活が長期化することを想定した備蓄を改めて充実させることが重要であるため、これらの対策についても明記しました。

(令和2年5月)

新型コロナウイルス感染症については、令和2年4月7日に緊急事態宣言が行われるなど、本県を含め全国的に感染が拡大しました。

こうした状況において災害が発生し、避難所を開設する場合には、手洗いや咳エチケット等の基本的な感染症対策を行うとともに、密閉空間・密集場所・密接場面を回避することなどが必要となるため、感染症対策について追加しました。

また、関東地方などで記録的な大雨をもたらした令和元年台風第19号による避難所生活の状況を鑑み、避難所運営について再点検し、女性・子供等への配慮についてさらに充実しました。

4.マニュアル作成モデルの活用

マニュアル作成モデルは、避難所の運営規模が異なる場合も対応できるように、小規模避難所版と大規模避難所版を策定しています。

【マニュアル作成モデル(小規模避難所版)】
マニュアル作成モデル(小規模避難所版)については、災害の規模が小さい場合や比較的少数の被災者が避難した場合に活用するため、「避難所における基本的事項」、「避難所の空間配置」、「避難所の生活ルール」などの必要な事項を記載しています。

【マニュアル作成モデル(大規模避難所版)】
マニュアル作成モデル(大規模避難所版)については、大規模災害が発生し、大勢の避難者が避難した場合に活用するため、マニュアル作成モデル(小規模避難所版)の内容に加え避難所の運営を体系化し、必要な業務を以下の班別に分担するなど、詳細に記載しています。

各班・・・総務班、被災者管理班、情報班、食料・物資班、施設管理班、保健・衛生班、要配慮者班、ボランティア班

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