○和歌山県水上オートバイ航行の適正化に関する条例

令和4年12月16日

条例第65号

和歌山県水上オートバイ航行の適正化に関する条例をここに公布する。

和歌山県水上オートバイ航行の適正化に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、水上オートバイに関し、その航行の規制その他の水上オートバイの航行の適正化に必要な措置を講ずることにより、公共水域の利用の適正化並びに公共水域における安全の確保及び良好な環境の保全を図るとともに、海洋性レクリエーション活動の健全な発展に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 水上オートバイ 小型船舶安全規則(昭和49年運輸省令第36号)第2条第2項に規定する特殊小型船舶をいう。

(2) 公共水域 海域(知事の所管に属しないものを除く。)及び河川法(昭和39年法律第167号)第3条第1項に規定する河川(同法第4条第1項に規定する一級河川を除き、知事の所管に属するものに限る。)の水域をいう。

(3) 遊泳者等 公共水域において、遊泳、潜水等を行う者、漁業に従事している者その他規則で定める者をいう。

(4) 遊泳者等利用施設 公共水域において、水上遊戯施設(公共水域に設けられる水上滑り台その他の遊戯施設をいう。)、水産動植物の養殖施設その他の遊泳者等が利用する施設であって、規則で定めるものをいう。

(5) 操船者 水上オートバイの操船を行う者であって、船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和26年法律第149号)第2条第4項に規定する小型船舶操縦者(第12条第1項において単に「小型船舶操縦者」という。)であるものをいう。

(6) 所有者等 水上オートバイの所有者、賃借人その他水上オートバイを操船することができる権利を有する者であって、自己のためにその水上オートバイを航行の用に供するものをいう。

(7) 事業者 水上オートバイの販売又は水上オートバイの賃貸、発着場の運営その他の水上オートバイの利用に関する役務の提供を業とする者をいう。

(県の責務)

第3条 県は、国、関係市町村及び関係団体と連携し、水上オートバイの航行の適正化に関する広域的な施策を実施するものとする。

2 県は、市町村が実施する水上オートバイの航行の適正化に関する施策について、必要な助言、情報の提供その他の支援を行うものとする。

(操船者及び所有者等の責務)

第4条 操船者は、県の水上オートバイの航行の適正化に関する施策に協力して、公共水域に関する関係法令等を遵守するとともに、遊泳者等及び遊泳者等利用施設に配慮して水上オートバイの適正な操船に努めるものとする。

2 所有者等は、県の水上オートバイの航行の適正化に関する施策に協力して、操船者に水上オートバイを一時的に操船させる場合においては、当該操船者に対して水上オートバイの適正な操船について注意を促すよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、県の水上オートバイの航行の適正化に関する施策に協力して、遊泳者等の安全の確保、遊泳者等利用施設の保護、周辺の環境の保全その他の遊泳者等及び環境への著しい影響を防止するための措置を講ずるため、操船者及び所有者等に水上オートバイの販売又は水上オートバイの利用に係る役務の提供を行った場合においては、当該操船者及び所有者等に対し、水上オートバイの適正な操船について注意を促すよう努めるものとする。

(規制水域の指定)

第6条 知事は、公共水域のうち、遊泳者等の安全の確保、遊泳者等利用施設の保護、周辺の環境の保全その他の遊泳者等及び環境への著しい影響を防止するための措置を講ずる必要があると認められる水域を、水上オートバイの乗り入れ又は航行を規制する水域(以下「規制水域」という。)として指定することができる。

2 前項の規定による規制水域の指定(以下この条及び第8条において「規制水域の指定」という。)は、この条例の目的を達成するため必要な限度を超えてしてはならない。

3 知事は、次の各号に掲げる区域の全部又は一部について規制水域の指定をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、当該各号に掲げる区域を管理する者と協議しなければならない。

(1) 港湾法(昭和25年法律第218号)第2条第3項に規定する港湾区域

(2) 港湾法第56条第1項の規定により公告された水域

(3) 漁港及び漁場の整備等に関する法律(昭和25年法律第137号)第6条第1項から第4項までの規定により指定された漁港の区域

(4) 海岸法(昭和31年法律第101号)第3条第1項の規定により指定された海岸保全区域

(5) 河川法第6条第1項に規定する河川区域

(6) 前各号に掲げるもののほか、県又は市町村の条例の規定により水域の適正な管理のために定められた区域であって、規則で定めるもの

4 知事は、規制水域の指定をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨及び当該規制水域の指定をしようとする公共水域(次項及び第6項において「指定予定水域」という。)の範囲を公告し、その関係図書を当該公告をした日から起算して30日間公衆の縦覧に供しなければならない。

5 前項の規定による公告があったときは、指定予定水域において水上オートバイを操船する者その他の利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該指定予定水域について、知事に意見書を提出することができる。

6 知事は、規制水域の指定をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、前項の規定により提出された指定予定水域に係る意見書の写しを添えて、当該指定予定水域を地先水面とする地域を区域とする市町村の長の意見を聴かなければならない。

7 知事は、規制水域の指定をするときは、その旨及び当該水域の指定をする水域の範囲を告示し、その関係図書を公衆の縦覧に供するとともに、当該規制水域を地先水面とする地域を区域とする市町村の長及び当該水域の一部又は全部を管理する者に通知しなければならない。

8 規制水域の指定は、前項の規定による告示によってその効力を生じる。

9 第2項から前項までの規定は、第1項の規定により指定された規制水域の変更又は廃止について準用する。

(令6条例37・一部改正)

(規制水域の航行禁止)

第7条 水上オートバイの操船者は、規制水域に水上オートバイを乗り入れ、又は規制水域において水上オートバイを航行させてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

(1) 水難その他の非常の事態の発生に際し、救助その他の必要な措置を講ずる場合

(2) 前号に掲げるもののほか、公益上の必要その他特別の事由があるものとして規則で定める場合

(規制水域等の周知)

第8条 規制水域の指定があったときは、当該規制水域を地先水面とする地域がその区域内に存する市町村の長は、当該規制水域の範囲及びその水域における規制の内容を当該市町村に所在する事業者に周知するものとする。

2 事業者は、前項の規定により規制水域の範囲及びその水域における規制の内容を周知されたときは、その事業を営む場所の見やすい箇所に当該規制水域の範囲及びその水域において操船者が遵守すべき規制の内容を掲示するとともに、これを水上オートバイを購入し、又は水上オートバイの利用に関する役務の提供を受けた操船者に周知するよう努めるものとする。

(規制水域の指定に係る提案等)

第9条 市町村長は、水上オートバイと遊泳者等との事故の発生が特に懸念される水域を地先水面とする地域がその区域内に存するときは、当該事故の発生が特に懸念される水域について、規則で定めるところにより、その状況を示す書類その他の規則で定める書類を添えて、知事に対し、規制水域として指定することを提案することができる。

2 知事は、前項の規定による提案に係る水域において、遊泳者等の安全の確保、遊泳者等利用施設の保護、周辺の環境の保全その他の遊泳者等及び環境への著しい影響を防止するための措置を講ずるために水上オートバイの乗り入れ又は航行を規制する必要があると認めるときは、第6条第1項の規定の例により、当該提案に係る水域を規制水域として指定することができる。

3 前2項の規定は、前項の規定によりその例によることとされた第6条第1項の規定により指定された規制水域の変更又は廃止について準用する。

(情報の提供等)

第10条 規制水域を地先水面とする地域を区域とする市町村の長及び当該市町村に所在する事業者は、第7条の規定に違反する者を発見した場合は、その情報を県に提供するものとする。

2 事業者は、その事業を営む場所から出港した操船者が次条の規定による命令を受けたことを知ったときは、規制水域における規制の内容を遵守することを当該操船者に求めるよう努めるものとする。

(停止等の命令)

第11条 知事は、第7条の規定に違反して、規制水域において水上オートバイを乗り入れ、又は航行させている操船者に対して、次に掲げる事項を命じることができる。

(1) 水上オートバイの航行を停止すること。

(2) 水上オートバイを速やかに規制水域の外に移動させること。

(報告及び立入調査)

第12条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、操船者、所有者等、事業者その他の関係者に対し必要な報告を求め、又はその職員に、これらの者の施設その他の水上オートバイが所在すると認められる場所に立ち入り、水上オートバイ、船舶安全法(昭和8年法律第11号)第9条第1項に規定する船舶検査証書、小型船舶操縦者であることを証する操縦免許に係る操縦免許証その他の操船者の本人確認ができる書類その他必要な物件を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定に基づく立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(罰則)

第13条 第11条の規定による命令に従わない者は、5万円以下の過料に処する。

(他の法令等との関係)

第14条 水上オートバイの乗り入れ又は航行に関する規制については、他の法令又は条例に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

(規則への委任)

第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。

(準備行為)

2 第6条第1項(第9条第2項の規定によりその例によることとされた場合を含む。)の規定による規制水域の指定及びこれに関し必要な手続その他の行為は、この条例の施行の日前においても、第6条及び第9条の規定の例により行うことができる。

(令和6年3月26日条例第37号)

この条例は、令和6年4月1日から施行する。

和歌山県水上オートバイ航行の適正化に関する条例

令和4年12月16日 条例第65号

(令和6年4月1日施行)