○和歌山県飲酒運転の根絶に関する条例
平成31年3月13日
条例第16号
和歌山県飲酒運転の根絶に関する条例をここに公布する。
和歌山県飲酒運転の根絶に関する条例
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 飲酒運転の根絶に関する施策(第6条―第11条)
第3章 飲酒運転の根絶のための措置(第12条―第16条)
第4章 規則等への委任(第17条)
第5章 罰則(第18条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、飲酒運転の根絶に関して、県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、飲酒運転の根絶に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって県民が安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) 車両 道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第9号に規定する自動車、同項第10号に規定する原動機付自転車及び同項第11号の2に規定する自転車をいう。
(2) 飲酒運転 酒気を帯びて車両を運転する行為をいう。
(3) 飲食店営業者 営業の形態にかかわらず、店舗その他の設備(以下「飲食店」という。)において飲食させる営業(酒類を提供するものに限る。)を行う者をいう。
(県の責務)
第3条 県は、飲酒運転を根絶するために必要な知識の普及、県民の飲酒運転を根絶するための取組に対する支援その他の飲酒運転の根絶に関する施策を総合的かつ計画的に実施する責務を有する。
(県民の責務)
第4条 県民は、この条例の目的を達成するため、県が実施する飲酒運転の根絶に関する施策に協力するよう努めるものとする。
2 県民は、飲酒運転を防止するため、飲酒運転を現に行おうとし、又は飲酒運転を行っている者を発見したときは、直ちに、その旨を警察職員に通報するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、この条例の目的を達成するため、県が実施する飲酒運転の根絶に関する施策に協力するよう努めるものとする。
2 事業者は、その事業活動においてその従業員に車両を運転させるに当たっては、飲酒運転を防止するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
第2章 飲酒運転の根絶に関する施策
(県の飲酒運転の根絶のための取組)
第6条 県は、飲酒運転を根絶するため、飲酒運転の防止に関する普及啓発、取組への支援その他必要な措置を講ずるものとする。
(運転者の飲酒運転の根絶のための取組)
第7条 車両を運転する者は、飲酒が車両の正常な運転を妨げ、重大な事故の原因となるものであることを深く認識し、日常生活において次の事項を遵守するものとする。
(1) 車両を運転することが見込まれる場合は、飲酒しないこと。
(2) アルコールが身体に及ぼす影響に関する理解を深めるよう努め、飲酒した場合は、その影響がなくなるまで車両を運転しないこと。
(事業者の取組)
第8条 事業者は、その従業員に対して、車両の運転を行う際、酒気を帯びていないことを確認することのほか、アルコールが身体に及ぼす影響に関する研修その他飲酒運転の防止のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(飲食店営業者の取組)
第9条 飲食店営業者は、その営む飲食店ごとに、その利用をする者(以下この条において「利用客」という。)が見やすい場所に、県又は飲酒運転の防止に関する活動を行う団体が提供する立て看板、はり札、ポスターその他の飲酒運転の防止に関する意識の啓発を図るための広告物及び飲酒運転をするおそれのある利用客に対して酒類を提供しない旨の表示を掲示するよう努めるものとする。
2 飲食店営業者は、利用客の飲酒運転を防止するため必要な次に掲げる措置を講ずるものとする。
(1) 酒類の提供を求める利用客に対し、当該飲食店までの交通手段を確認すること。
(2) 前号の交通手段が車両の場合にあっては、当該利用客が講ずる飲酒運転を防止するための措置を確認すること。
(3) 前号の規定による確認ができない場合にあっては、当該利用客に対して酒類の提供をしないこと。
(4) 当該飲食店に利用客のための駐車場が設置されている場合は、当該駐車場の見やすい場所に、飲酒運転の防止に関する意識の啓発を図るための広告物を掲示すること。
(酒類販売業者の取組)
第10条 酒類販売業者(酒税法(昭和28年法律第6号)第9条第1項に規定する販売業免許を受けて酒類を販売する者をいう。)は、その営む店舗ごとに、その利用をする者が見やすい場所に、飲酒運転の防止に関する意識の啓発を図るための広告物を掲示するよう努めるものとする。
2 駐車場所有者は、その営む駐車場を管理させるため従業員を配置している場合にあっては、その従業員による利用者の飲酒の有無の確認その他の飲酒運転の防止に必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
第3章 飲酒運転の根絶のための措置
(受診義務等)
第12条 第7条第2号に掲げる事項を遵守せず、道路交通法第65条第1項の規定に違反し、同法第117条の2第1項(第1号に係る部分に限る。)又は第117条の2の2第1項(第3号に係る部分に限る。)の規定による刑に処せられた者(以下「違反者」という。)は、専門の医師によるアルコール依存症に関する診断を受けるよう努めなければならない。
2 知事は、違反者のうち規則で定める期間内に再び違反者となった者(以下この条から第14条までにおいて「再犯者」という。)に対し、規則で定めるところにより、期限を定めて、専門の医師によるアルコール依存症に関する診断を受けるべきことを命ずるものとする。ただし、規則で定める特別の理由があると知事が認める再犯者については、この限りでない。
(令4条例64・一部改正)
(情報の提供の求め)
第13条 知事は、前条の規定の施行に必要な限度において、和歌山県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に対し、再犯者に関する情報の提供を求めることができる。
2 知事は、要治療再犯者が前項の規定に違反していると認めるときは、当該要治療再犯者に対し、当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを勧告することができる。ただし、規則で定める特別な理由があると知事が認める要治療再犯者については、この限りでない。
(飲食店営業者に対する措置)
第15条 公安委員会は、違反者に対してその違反に係る酒類の提供を行った飲食店営業者が判明したときは、公安委員会規則で定めるところにより、当該飲食店営業者に対しその旨を通知するものとする。
2 公安委員会は、前項の規定による通知を受けた飲食店営業者が、当該飲食店における営業に関して飲酒運転の防止のために必要な措置が講じられていないもの(その措置を講じられていることが確認できない場合を含む。)として公安委員会規則で定める場合に該当すると認めるときは、当該飲食店営業者に対し、公安委員会規則で定めるところにより、飲酒運転を防止するために必要な指示をすることができる。
3 公安委員会は、前項の規定による指示を受けた飲食店営業者が、正当な理由がなく、その指示に従わなかったときは、公安委員会規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。
4 公安委員会は、前項の規定による公表をするかどうかを決定しようとするときは、あらかじめ、対象となる飲食店営業者に意見を述べる機会を与えなければならない。
5 公安委員会は、第2項の規定による指示を受けた飲食店営業者が、正当な理由がなく、その指示に従わなかったときは、公安委員会規則で定めるところにより、当該飲食店営業者に対し、期限を定めて、その指示に係る書面の掲示及びその指示に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
(立入調査等)
第16条 公安委員会は、飲食店営業者が講ずる飲酒運転の防止のために必要な措置の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、警察本部長が指定する警察職員に、当該飲食店に立ち入り、関係者に対し、説明若しくは資料の提出を求め、又は質問させることができる。
2 前項の規定による立入調査をする警察職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第4章 規則等への委任
第17条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則(公安委員会の権限に属する事務に係る事項については、公安委員会規則)で定める。
第5章 罰則
附則
附則(令和4年12月16日条例第64号)
この条例は、公布の日から施行する。