○和歌山県民の歯と口腔の健康づくり条例

平成23年12月22日

条例第60号

和歌山県民の歯と口腔の健康づくり条例をここに公布する。

和歌山県民の歯と口腔の健康づくり条例

(目的)

第1条 この条例は、県民の歯と口腔の健康づくりについて、基本理念を定め、県の責務並びに県民、教育関係者、保健医療関係者、福祉関係者、事業者及び医療保険者の役割を明らかにするとともに、歯と口腔の健康づくりに関する施策の基本となる事項を定めることにより、当該施策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって県民の健康の増進及び元気で健やかな生活の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 歯と口腔の健康づくり 歯、歯周組織等の健康を保持増進し、口腔機能を維持することをいう。

(2) 医療保険者 介護保険法(平成9年法律第123号)第7条第7項に規定する医療保険者をいう。

(3) 虐待を受けたこども 児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)第2条に規定する児童虐待を受け、又は受けるおそれがあるなど、健やかな成長を阻害されている18歳に満たない者をいう。

(4) オーラルフレイル対策 心身の機能の低下につながる口腔機能の虚弱な状態を早期に把握し、及び回復させ、並びに当該状態となることを未然に防ぐための取組をいう。

(5) 8020運動 80歳になっても自分の歯を20本以上保つことを目標に、歯と口腔の健康づくりを進める運動をいう。

(令7条例25・一部改正)

(基本理念)

第3条 歯と口腔の健康づくりは、こどもの健やかな成長には必要不可欠のものであり、また、糖尿病をはじめとする様々な生活習慣病の予防等県民の全身の健康づくりに重要な役割を果たすことに鑑み、全ての県民が生涯を通じて、自ら主体的に歯と口腔の健康づくりに取り組むとともに、県内どこでも適切な時期に、必要な歯と口腔の保健医療サービスを受けることができるよう、環境が整備されることを基本理念として行われなければならない。

(令7条例25・一部改正)

(県の責務)

第4条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、本県の特性に応じた歯と口腔の健康づくりの推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、市町村、県民、教育関係者、保健医療関係者、福祉関係者、事業者及び医療保険者との適切な役割分担のもとに、連携して当該施策を実施する責務を有する。

(市町村への支援)

第5条 県は、市町村が歯と口腔の健康づくりを推進するに当たり、市町村の求めに応じて、専門的かつ技術的な助言及び情報の提供その他必要な支援を行うものとする。

(県民の役割)

第6条 県民は、歯と口腔の健康づくりが身体の健康づくりに深く関係し、重要であることを認識し、むし歯及び歯周病の予防に関する知識と理解を深めるよう努めるとともに、健全な食生活習慣を身につけ、かかりつけの歯科医の指導を受けること等により、生涯を通じて自らが主体的に歯と口腔の健康づくりを実践するよう努めるものとする。

2 県民は、未成年者の歯の健康状態及び健全な歯と口腔をつくる習慣に関心を抱き、歯磨きを励行させるなど、むし歯及び歯周病の予防に努めるものとする。

3 保護者は、そのこどもの歯の健康状態に注意し、当該こどもが歯科疾患に罹患したときは、適切な治療を受けさせるものとする。

(令7条例25・一部改正)

(教育関係者、保健医療関係者及び福祉関係者の役割)

第7条 教育関係者、保健医療関係者及び福祉関係者は、基本理念にのっとり、歯と口腔の健康づくりの推進に連携及び協力して取り組むとともに、県、市町村及び家庭と連携及び協力を図るものとする。

2 教育関係者は、未成年者の歯の健康状態に注意し、健全な食生活習慣の指導、歯磨き、フッ化物洗口、歯科検診後の治療経過の把握等を家庭と連携して励行するなど、未成年者のむし歯及び歯周病の予防に努めるものとする。

3 保健医療関係者は、歯科と医科における予防と治療の連携、情報の共有、共同研究等を実践するなど、協力して歯と口腔の健康づくりに努めるものとする。

4 福祉関係者は、高齢者、障害を有する者、介護を要する者、虐待を受けたこども等の歯と口腔の健康状態に注意し、歯と口腔の健康づくりに努めるものとする。

(令7条例25・一部改正)

(事業者及び医療保険者の役割)

第8条 事業者は、基本理念にのっとり、事業所で雇用する従業員に対して定期的に歯科検診を受診させること、従業員が歯磨き等を励行できる環境を整備すること等の取組を行うよう努めるものとする。

2 医療保険者は、基本理念にのっとり、被保険者に対して定期的に歯科検診を受診させること等の取組を行うよう努めるものとする。

(基本的施策の実施)

第9条 県は、県民の歯と口腔の健康づくりを推進するため、次の各号に掲げる基本的施策を実施するものとする。

(1) 歯と口腔の健康づくりの推進に資する情報の収集及び提供

(2) 市町村、教育関係者、保健医療関係者及び福祉関係者との連携体制の構築

(3) 歯科と医科の連携体制の構築の推進

(4) フッ化物洗口、フッ化物歯面塗布等効果的なむし歯予防対策の推進

(5) 市町村が行う歯と口腔の健康づくりに関する施策の支援

(6) 県民のむし歯対策及び歯周病対策の推進

(7) 乳幼児期から高齢期までのそれぞれの時期に応じて行う歯科検診及び歯科保健指導を定期的に受けることの勧奨

(8) オーラルフレイル対策等高齢者の口腔機能の維持向上のための施策の推進

(9) 虐待を受けたこどもに対する歯と口腔の保健医療サービスの確保

(10) 歯と口腔の健康づくりに携わる者の確保及び資質の向上

(11) 8020運動の普及啓発及び推進

(12) 喫煙による歯と口腔の健康への悪影響の防止及び啓発

(13) 前各号に掲げるもののほか、歯と口腔の健康づくりを図るために必要な施策の推進

(令7条例25・一部改正)

(歯と口腔の健康づくりに関する計画の策定)

第10条 知事は、県民の生涯を通じた歯と口腔の健康づくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、歯と口腔の健康づくりに関する計画(以下この条において「計画」という。)を定めなければならない。

2 知事は、必要に応じて計画の見直しを行うものとする。

3 知事は、計画を定めたとき若しくは見直したとき又は計画の進捗状況をとりまとめたときは、議会に報告するとともに、適切な手段を用いて、これを県民に公表するものとする。

(歯科保健等の実態調査)

第11条 県は、歯と口腔の健康づくりに関する施策を推進するため、県民の歯科保健等の実態について、おおむね5年ごとに必要な調査を行い、調査結果については適切な手段を用いて、県民に公表するものとする。

(いい歯の日及びいい歯の月間)

第12条 県は、県民に歯と口腔の健康づくりについての関心と理解を深め、県民が積極的に歯科疾患を予防する意欲を高めるため、11月8日をいい歯の日とし、11月をいい歯の月間と定めるとともに、市町村、歯科医療に関係する団体等と連携し、県民運動として定着するよう普及と啓発に努めるものとする。

(財政上の措置)

第13条 県は、歯と口腔の健康づくりに関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。

2 この条例の施行の際現に県民の歯と口腔の健康づくりに関する施策を総合的に推進するため定められている県の計画は、第10条第1項の規定により定められた歯と口腔の健康づくりに関する計画とみなす。

(令和7年3月25日条例第25号)

この条例は、公布の日から施行する。

和歌山県民の歯と口腔の健康づくり条例

平成23年12月22日 条例第60号

(令和7年3月25日施行)