○建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例

平成23年7月7日

条例第33号

建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例をここに公布する。

建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、著しく劣悪な景観により県民の生活環境が阻害されることを防止するため、建築物等の外観に関し、関係者の維持保全の責務を定めるとともに、特に著しい破損、腐食等が生ずることにより周辺の良好な景観に対し著しく支障となる状態の制限その他の必要な事項を定めることにより、県民の生活に密着した景観の保全を図り、もって県民の生活環境の向上に寄与することを目的とする。

(令4条例33・一部改正)

(定義)

第1条の2 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 建築物等 建築物その他の土地に定着する工作物をいう。

(2) 建築物所有者等 建築物等の所有者、管理者又は占有者をいう。

(3) 景観支障状態 建築物等の外観が次のいずれにも該当する状態をいう。

 規則で定める程度の特に著しい破損、腐食等が生じている状態

 周辺の良好な景観に対して著しく不調和である状態

(4) 管理不全状態 建築物等の外観が将来において景観支障状態になるおそれのある状態として、次のいずれにも該当する状態をいう。

 規則で定める程度の破損、腐食等が生じている状態

 周辺の良好な景観に対して著しく不調和となるおそれのある状態

(令4条例33・追加)

(建築物所有者等の責務)

第2条 建築物所有者等は、その建築物等の外観が、著しい破損、腐食等を生ずることにより周辺の良好な景観に対し支障とならないよう適切に維持保全をするように努めなければならない。

(令4条例33・一部改正)

(管理不全改善措置の助言又は指導)

第2条の2 知事は、管理不全状態にある建築物等について、当該管理不全状態にある建築物等に係る建築物所有者等に対し、当該管理不全状態の改善に関し必要な助言又は指導をすることができる。

2 前項の規定は、次条第2項各号(第6号を除く。)に掲げる建築物等に係る建築物所有者等には、適用しない。

3 知事は、第1項の規定による助言又は指導をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより調査を行わなければならない。この場合において、知事は、建築物所有者等に対し、当該調査に関し必要な協力を求めることができる。

4 知事は、第1項の規定による助言又は指導をしようとする場合において、必要があると認めるときは、和歌山県景観条例(平成20年和歌山県条例第21号)第18条第1項に規定する和歌山県景観審議会(以下「和歌山県景観審議会」という。)の意見を聴くことができる。

5 知事は、管理不全状態にある建築物等に係る建築物所有者等(第1項の規定による助言又は指導を受けた者に限る。)が当該管理不全状態の改善を行う場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、当該管理不全状態の改善に関し必要な支援を行うことができる。

(令4条例33・追加)

(景観支障状態の制限)

第3条 建築物等の外観については、景観支障状態であってはならない。

2 前項の規定は、次に掲げる建築物等については、適用しない。

(1) 景観法(平成16年法律第110号)第19条第1項の規定により景観重要建造物として指定された建築物等

(2) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)の規定により、国宝、重要文化財、特別史跡名勝天然記念物若しくは史跡名勝天然記念物として指定され若しくは仮指定され、又は登録有形文化財若しくは登録記念物として登録された建築物等

(3) 文化財保護法第143条第1項の伝統的建造物群保存地区内にある建築物等

(4) 和歌山県文化財保護条例(昭和31年和歌山県条例第40号)第3条第1項の規定により指定文化財として指定され、又は同条例第3条の5の規定により登録文化財として文化財に関する登録台帳に登録された建築物等

(5) 文化財保護法第182条第2項の規定に基づく市町村の条例の規定により重要な文化財として指定され、又は同条第3項の規定に基づく市町村の条例の規定により登録文化財として文化財に関する登録簿に登録された建築物等

(6) 現に使用されている建築物等

(7) 第1号から第5号までに準ずるものとして規則で定める建築物等

(令4条例33・一部改正)

(景観支障除去措置の要請)

第4条 次に掲げる者は、規則で定めるところにより、知事に対し、外観が景観支障状態にある建築物等(以下「景観支障建築物等」という。)に係る建築物所有者等に除却、修繕その他の景観上の支障を除去するために必要な措置(以下「景観支障除去措置」という。)を行わせるための要請(以下「要請」という。)をすることができる。

(1) 景観支障建築物等から規則で定める距離以内の区域に居住する18歳以上の者又は土地の所有権若しくは借地権を有する者(当該景観支障建築物等に係る建築物所有者等その他規則で定める者を除く。次項及び第4項並びに第8条においてこれらを「周辺住民等」という。)

(2) 景観支障建築物等(規則で定める区域内に存するものに限る。)の所在地を管轄する市町村の長

2 周辺住民等による要請は、当該要請に係る周辺住民等が複数ある場合には、規則で定める数以上の当該周辺住民等が共同して行うものとする。

3 市町村の長による要請は、当該要請に係る景観支障建築物等の所在地を管轄する市町村が複数ある場合には、当該所在地を管轄する市町村の長が共同して行うものとする。

4 市町村の長は、要請をしたときは、速やかに当該要請に係る建築物等の周辺住民等から意見を聴取し、知事に対してその結果を報告するとともに、知事の求めに応じて当該要請に係る事務の遂行に必要な協力をしなければならない。

(平28条例61・令4条例33・一部改正)

(景観支障除去措置の助言、指導及び勧告)

第5条 知事は、第3条第2項各号に掲げる建築物等を除き、和歌山県景観条例第11条の7に規定する区域内に存する景観支障建築物等又は要請に係る景観支障建築物等について、景観支障除去措置を行うことが必要と認められる場合は、当該景観支障建築物等に係る建築物所有者等に対し、景観支障除去措置をとることを助言又は指導することができる。

2 知事は、前項の規定による助言又は指導をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより調査を行わなければならない。

3 知事は、第1項の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該助言又は指導に係る建築物等の景観支障状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の期限を定めて、景観支障除去措置をとることを勧告することができる。

4 知事は、前項の規定による勧告をしようとするときは、当該勧告に係る建築物所有者等に意見を述べる機会を与えるとともに、当該勧告に係る建築物等の所在地を管轄する市町村の長及び和歌山県景観審議会の意見(市町村の長の要請による手続を経て勧告をしようとするときにおいては、和歌山県景観審議会の意見)を聴かなければならない。

(平27条例50・平28条例61・令4条例33・一部改正)

(景観支障除去措置の命令)

第6条 知事は、前条第3項の規定による勧告(要請の手続を経たものに限る。)を受けた建築物所有者等が当該勧告に従わなかった場合であって、その周辺の良好な景観への支障が特に著しいと認める場合には、当該建築物所有者等に対し、相当の期限を定めて、景観支障除去措置をとることを命ずることができる。

2 知事は、前項の規定による命令をしようとするときは、当該命令に係る建築物所有者等に対し、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、当該建築物所有者等又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えるとともに、当該命令に係る建築物等の所在地を管轄する市町村の長及び和歌山県景観審議会の意見(市町村の長の要請による手続を経て命令をしようとするときにおいては、和歌山県景観審議会の意見)を聴かなければならない。

3 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日以内に、知事に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。

4 知事は、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合においては、第1項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。

5 知事は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第1項の規定によって命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の3日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを告示しなければならない。

6 第4項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。

7 知事は、第1項の規定による命令をした場合においては、標識の設置その他規則で定める方法により、その旨を告示しなければならない。

8 第1項の規定による命令については、和歌山県行政手続条例(平成7年和歌山県条例第52号)第3章(第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。

(平27条例50・平28条例61・一部改正)

(報告及び立入調査)

第7条 知事は、第5条第1項の規定による助言若しくは指導、同条第3項の規定による勧告又は前条第1項の規定による命令を行うため必要な限度において、建築物所有者等に対し、当該建築物所有者等に係る建築物等について報告を求め、又はその職員に当該建築物等若しくはその存する土地に立ち入り、その状況を調査させることができる。

2 知事は、前項の規定によりその職員を建築物等又はその存する土地に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該建築物等に係る建築物所有者等及び当該土地の所有者、管理者又は占有者(以下この項及び次条において「土地所有者等」という。)にその旨を通知しなければならない。ただし、当該建築物所有者等又は当該土地所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。

3 第1項の規定により立入調査をする職員は、規則で定める立入調査の権限を有する職員であることを示す証明書を携帯し、関係者の請求があった場合においては、これを提示しなければならない。

4 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(平27条例50・平28条例61・一部改正)

(建築物所有者等に関する情報の提供等)

第8条 知事は、この条例の施行のために必要があるときは、関係市町村長その他の者に対して、建築物所有者等、土地所有者等又は周辺住民等の把握に関し必要な情報の提供を求めることができる。

(平27条例50・追加、平28条例61・一部改正)

この条例は、平成24年1月1日から施行する。

(平27条例50・旧第1項・一部改正)

(平成27年7月3日条例第50号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例による改正前の建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例第5条第1項の規定によってした勧告は、この条例による改正後の建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例第5条第3項の規定によってした勧告とみなす。

(平成28年6月28日条例第61号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和4年6月28日条例第33号)

この条例は、令和4年10月1日から施行する。ただし、第3条第2項第4号及び第5号並びに第4条第1項第1号の改正規定は、公布の日から施行する。

建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例

平成23年7月7日 条例第33号

(令和4年10月1日施行)