○和歌山県景観条例

平成20年3月24日

条例第21号

和歌山県景観条例をここに公布する。

和歌山県景観条例

目次

前文

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 良好な景観の形成に関する施策

第1節 良好な景観の形成に関する基本的な施策(第5条―第11条)

第2節 わかやま景観づくり協定(第11条の2―第11条の6)

第3節 事前協議(第11条の7)

第3章 景観計画の区域内の届出対象行為等(第12条―第17条)

第3章の2 景観計画の区域内の既存の建築物に対する行為の制限等(第17条の2・第17条の3)

第4章 和歌山県景観審議会(第18条―第24条)

第5章 雑則(第25条)

第6章 罰則(第26条―第28条)

附則

和歌山県の景観は、緑なす紀伊山地の山々、変化に富んだ海岸地形、河川の地域ごとの文化圏のまとまりなどによりその骨格が形成されている。和歌山県では山岳信仰を育んできた雄大な山地、朝陽や夕陽に映える海岸部、そして河川の流域ごとの地域文化を反映した集落や市街地などその美しい景観が保たれている。

これらの和歌山県らしい良好な景観は、人々の生活や生業の中で育まれ、支えられ、継承されてきたものである。私たちはこれらの取組に敬意を表しながら、身近なところに当たり前のようにある和歌山県らしい景観の価値に気付き、その成り立ちを丹念に読み解き、共有していく過程を通じて保全し、創造し、次代に引き継いでいかなければならない。

このような認識の下に、県、市町村、県民、事業者及び来訪者が協働し、和歌山県らしい良好な景観の形成を図っていくことを目指し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、県土の良好な景観の形成に関し、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づく景観計画の策定及び行為の規制等について必要な事項を定めるとともに、県、県民及び事業者の責務を明らかにするほか、良好な景観の形成を促進するための施策を総合的かつ広域的に講ずることにより、美しく風格のある県土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もって県民生活の向上並びに地域経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。

(県の責務)

第2条 県は、法第2条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、良好な景観の形成に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、これを実施するものとする。

2 県は、地域の特性に応じた良好な景観の形成に配慮して、公共用又は公用の施設の設置に関する事業(以下「公共事業」という。)を実施するものとする。

3 県は、良好な景観の形成に関する市町村の施策並びに県民及び事業者の主体的かつ積極的な取組が促進されるよう必要な支援を行うものとする。

(県民の責務)

第3条 県民は、基本理念にのっとり、良好な景観の形成に関する理解を深め、良好な景観の形成に積極的な役割を果たすよう努めるとともに、県が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、基本理念にのっとり、土地の利用等の事業活動に関し、良好な景観の形成に自ら努めなければならない。

2 事業者は、地域社会の一員として、県及び市町村が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。

第2章 良好な景観の形成に関する施策

第1節 良好な景観の形成に関する基本的な施策

(平23条例15・節名追加)

(景観計画の策定等)

第5条 県は、良好な景観の形成を図るため、法第7条第1項に規定する景観行政団体(以下「景観行政団体」という。)である市町村の区域を除く県の全域について、法第8条第1項に規定する景観計画(以下「景観計画」という。)を定めるものとする。

2 県は、景観計画の区域のうち、良好な景観の形成を推進する上で特に重要であると認める地域を特定景観形成地域として定めるとともに、地域住民の提案に基づく地域で良好な景観の形成を推進する上で重要であると認めるものを住民提案型景観形成地域として定め、地域の特性を活かした良好な景観の形成を図るものとする。

(平23条例15・一部改正)

(景観計画の策定手続)

第6条 知事は、景観計画を定めようとするときは、あらかじめ、和歌山県景観審議会の意見を聴くものとする。

2 前項の規定は、景観計画の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)について準用する。

(計画提案を踏まえた景観計画の策定等をしない場合の手続)

第7条 知事は、法第14条第1項の規定による通知をしようとするときは、あらかじめ、当該計画提案に係る景観計画の素案について関係市町村及び和歌山県景観審議会の意見を聴くものとする。

(住民提案型景観形成地域の提案)

第7条の2 景観計画の区域のうち、規則で定める規模以上の一団の土地の区域について、当該土地の所有権又は建物の所有を目的とする対抗要件を備えた地上権若しくは賃借権(臨時設備その他一時使用のために設定されたことが明らかなものを除く。以下「借地権」という。)を有する者(以下「土地所有者等」という。)は、一人で、又は数人が共同して、県に対し、当該土地の区域を景観計画に住民提案型景観形成地域として定める旨を提案することができる。この場合においては、当該提案に係る区域その他の規則で定める事項を記載した書面を添えなければならない。

2 まちづくりの推進を図る活動を行うことを目的とする特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項の特定非営利活動法人又は一般社団法人若しくは一般財団法人は、前項に規定する土地の区域について、県に対し、景観計画に住民提案型景観形成地域として定める旨を提案することができる。同項後段の規定は、この場合について準用する。

3 前2項の規定による提案(以下「地域提案」という。)は、当該地域提案の対象となる土地(国又は地方公共団体の所有している土地で法第7条第4項に規定する公共施設の用に供されているものを除く。以下この項において同じ。)の区域内の土地所有者等の3分の1以上の同意(同意した者が所有するその区域内の土地の地積と同意した者が有する借地権の目的となっているその区域内の土地の地積との合計が、その区域内の土地の総地積と借地権の目的となっている土地の総地積との合計の3分の1以上となる場合に限る。)を得ているものであり、かつ、当該地域提案の内容が当該土地の区域において景観計画に定められた行為の制限を付加するものである場合に、規則で定めるところにより、行うものとする。

(平23条例15・追加)

(地域提案に対する県の判断等)

第7条の3 県は、地域提案が行われたときは、遅滞なく、当該地域提案を踏まえて住民提案型景観形成地域を定める必要があるかどうかを判断し、その必要があると認めるときは、当該住民提案型景観形成地域に関する景観計画の変更の案を作成するものとする。

2 県は、前項の判断をしようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等の地域住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、関係市町村の意見を聴くものとする。

(平23条例15・追加)

(住民提案型景観形成地域に関する景観計画の変更の案の和歌山県都市計画審議会への付議)

第7条の4 知事は、都市計画区域又は準都市計画区域内の土地について前条第1項の規定により住民提案型景観形成地域に関する景観計画の変更をしようとする場合において、その変更が当該地域提案の内容の一部を実現することとなるものであるときは、和歌山県都市計画審議会条例(昭和44年和歌山県条例第8号)第1条に規定する和歌山県都市計画審議会(以下「和歌山県都市計画審議会」という。)に対し、第7条の2第1項に規定する書面を提出しなければならない。

(平23条例15・追加)

(住民提案型景観形成地域を定めない場合にとるべき措置)

第7条の5 県は、第7条の3第1項の規定により同項の判断をした結果、住民提案型景観形成地域を定める必要がないと決定したときは、遅滞なく、その旨及びその理由を、当該地域提案をした者に通知するものとする。

2 知事は、前項の通知をしようとするときは、あらかじめ、和歌山県景観審議会に第7条の2第1項に規定する書面を提出してその意見を聴くものとする。

3 知事は、都市計画区域又は準都市計画区域内の土地について第1項の通知をしようとするときは、あらかじめ、和歌山県都市計画審議会に第7条の2第1項に規定する書面を提出してその意見を聴くものとする。

(平23条例15・追加)

(市町村との連携及び広域的な調整)

第8条 県は、市町村が良好な景観の形成に関する施策を策定し、及び実施するに当たり、市町村との連携を図るものとする。

2 県は、市町村の求めに応じ、市町村が実施する良好な景観の形成に関する施策の広域的な調整を行うものとする。

(公共事業景観形成指針)

第9条 知事は、公共事業に係る良好な景観の形成のための指針(以下「公共事業景観形成指針」という。)を定めるものとする。

2 知事は、公共事業景観形成指針を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、和歌山県景観審議会の意見を聴くものとする。

3 県は、公共事業の実施に当たっては、公共事業景観形成指針を遵守するものとする。

4 知事は、国の機関、他の地方公共団体及び規則で定める公共的団体(以下「公共的団体」という。)に対し、これらの者が実施する公共事業について、公共事業景観形成指針に配慮するよう要請することができる。

(和歌山県景観資源の登録等)

第10条 知事は、良好な景観の形成に寄与していると認められる建造物、樹木その他の物件及び優れた景観を眺望できる地点を和歌山県景観資源として登録することができる。

2 知事は、前項の規定により和歌山県景観資源を登録しようとするときは、あらかじめ、関係市町村及び和歌山県景観審議会の意見を聴くものとする。

3 県は、県民及び関係市町村と連携し、和歌山県景観資源を活用した地域の活性化が促進されるよう、広報その他の必要な施策を実施するものとする。

(啓発及び支援)

第11条 県は、県民及び事業者の景観に関する意識を高め、及び自主的な活動を支援していくため、情報の提供、助言その他の必要な措置を講ずるものとする。

第2節 わかやま景観づくり協定

(平23条例15・追加)

(わかやま景観づくり協定)

第11条の2 おおむね一団の土地(法第7条第4項に規定する公共施設の用に供する土地を除く。)の区域内の土地の所有者及び借地権を有する者並びに当該おおむね一団の土地における良好な景観の形成のための活動(以下「景観づくり」という。)を行う者及び行おうとする者(以下「景観づくり従事者」と総称する。)は、その全員の合意により、景観づくりに関する協定を締結し、当該協定について知事の認定を受けることができる。ただし、当該おおむね一団の土地の区域内に借地権の目的となっている土地がある場合においては、当該借地権の目的となっている土地の所有者の合意を要しない。

2 前項の協定には、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 協定の目的となる土地の区域(以下「協定区域」という。)

(2) 景観づくりのための次に掲げる事項のうち、必要なもの

 建築物の形態又は色彩その他の意匠(以下「形態意匠」という。)に関する基準

 建築物の敷地、位置、規模、構造、用途又は建築設備に関する基準

 工作物(建築物及び屋外広告物を掲出する物件を除く。以下同じ。)の位置、規模、構造、用途又は形態意匠に関する基準

 建築物又は工作物の維持保全又は利用に関する事項

 樹林地、草地等の保全又は緑化に関する事項

 屋外広告物の表示又は屋外広告物を掲出する物件の設置に関する基準

 農用地の保全又は利用に関する事項

 その他景観づくりに関する事項

(3) 協定の有効期間

3 第1項の協定には、前項各号に掲げるもののほか、協定区域に隣接した土地であって、協定区域の一部とすることにより一体的な景観づくりに資するものとして協定区域の土地となることを当該協定区域内の景観づくり従事者が希望するもの(以下「景観づくり区域」という。)を定めることができる。

4 第1項の認定を受けようとする景観づくり従事者は、地域住民に説明を行った上で、規則で定めるところにより、知事に申請しなければならない。

5 知事は、第1項の認定をしようとするときは、あらかじめ関係市町村の長の意見を聴くものとする。

6 知事は、第4項の申請のあった協定が次に掲げる要件のいずれにも該当すると認めるときは、その協定を認定するものとする。

(1) 法令の規定に違反するものではないこと。

(2) 土地、建築物又は工作物の利用を不当に制限するものではないこと。

(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める基準に適合するものであること。

7 知事は、第1項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を公表するものとする。

(平23条例15・追加)

(わかやま景観づくり協定の変更)

第11条の3 前条第1項の認定を受けた協定(以下「わかやま景観づくり協定」という。)の当事者である景観づくり従事者は、当該わかやま景観づくり協定において定めた事項を変更しようとするときは、その全員の合意をもってその旨を定め、知事の認定を受けなければならない。ただし、景観づくり区域の協定区域への編入に係る変更については、この限りでない。

2 前条第4項から第7項までの規定は、前項の変更の認定について準用する。

3 わかやま景観づくり協定の当事者である景観づくり従事者は、第1項ただし書の変更をしたときは、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。

4 知事は、前項の届出を受けたときは、その旨を公表するものとする。

(平23条例15・追加)

(景観づくりに係る報告)

第11条の4 わかやま景観づくり協定の当事者である景観づくり従事者は、規則で定めるところにより、当該わかやま景観づくり協定の区域内における景観づくりの内容を知事に報告しなければならない。

(平23条例15・追加)

(わかやま景観づくり協定に係る支援)

第11条の5 県は、わかやま景観づくり協定を締結した景観づくり従事者又は締結しようとする景観づくり従事者に対して、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(平23条例15・追加)

(わかやま景観づくり協定の廃止)

第11条の6 わかやま景観づくり協定の当事者である景観づくり従事者は、わかやま景観づくり協定を廃止したときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。

(平23条例15・追加)

第3節 事前協議

(平27条例25・追加)

(事前協議)

第11条の7 規則で定める区域内の建築物であって、規則で定める規模を超えるものに係る法第16条第1項又は第2項の届出をしようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、知事に協議しなければならない。

(平27条例25・追加)

第3章 景観計画の区域内の届出対象行為等

(届出対象に追加する行為)

第12条 法第16条第1項第4号の条例で定める行為は、次に掲げる行為のうち規則で定める行為とする。

(1) 土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採その他の土地の形質の変更

(2) 木竹の植栽又は伐採

(3) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)その他の物件の堆積

(4) 水面の埋立て又は干拓

(5) 夜間において公衆の観覧に供するため、一定の期間継続して建築物その他の工作物又は物件(屋外にあるものに限る。)の外観について行う照明

2 前項の行為に係る法第16条第1項の規定による届出は、規則で定めるところにより、行うものとする。

(平23条例15・一部改正)

(届出対象から除外するその他の行為)

第13条 法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。

(1) 法第16条第1項の届出を要する行為のうち規則で定める規模以下のもの

(2) 他の法令又は条例の規定に基づき、許可若しくは認可を受け、又は届出若しくは協議をして行う行為のうち、良好な景観の形成のための措置が講じられるものとして規則で定めるもの

(3) 公共的団体が行う行為

(4) 前各号に準ずるものとして規則で定める行為

(特定届出対象行為)

第14条 法第17条第1項の条例で定める行為は、法第16条第1項第1号及び第2号の届出を要する行為とする。

(助言又は指導)

第14条の2 知事は、良好な景観の形成のために必要があると認めるときは、法第16条第1項各号に掲げる行為をしようとする者に対し、必要な助言又は指導をすることができる。

2 知事は、前項の助言又は指導をしようとするときは、あらかじめ、第22条第1項の専門委員会の意見を聴くことができる。

(平27条例25・追加)

(勧告及び公表)

第15条 知事は、法第16条第3項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、和歌山県景観審議会の意見を聴くものとする。

2 知事は、法第16条第3項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく、その勧告に従わないときは、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。

3 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該公表に係る者に意見を述べる機会を与え、及び和歌山県景観審議会の意見を聴くものとする。

(変更命令)

第16条 知事は、法第17条第1項の規定により必要な措置をとることを命じようとするとき又は同条第5項の規定により原状回復若しくはこれに代わるべき必要な措置をとることを命じようとするときは、あらかじめ、和歌山県景観審議会の意見を聴くものとする。

(行為の着手の制限期間の短縮)

第17条 知事は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出があった場合において、同条第3項の規定による勧告をする必要がないと認めるときは、当該届出をした者に法第18条第2項の規定により期間を短縮する旨の通知をしなければならない。

第3章の2 景観計画の区域内の既存の建築物に対する行為の制限等

(平27条例25・追加)

(既存の建築物に対する行為の制限)

第17条の2 第11条の7に規定する建築物の増築、改築、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え又は色彩の変更(以下「増改築等」という。)をする者は、当該増改築等に係る建築物全体の形態意匠について、景観計画において定められた建築物の形態意匠の制限に適合するものとしなければならない。

2 知事は、法第16条第1項又は第2項の届出があった場合において、その届出に係る建築物全体の形態意匠が景観計画に定められた建築物の形態意匠の制限に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、当該建築物の増改築等を行わない部分に関し必要な措置をとることを勧告することができる。

3 前項の勧告は、法第16条第1項又は第2項の届出のあった日から30日以内にしなければならない。

4 法第16条第7項各号に掲げる行為及び良好な景観の形成に支障を及ぼすおそれが少ない行為として規則で定めるものについては、前項の規定は、適用しない。

5 第15条の規定は、第2項の勧告について準用する。この場合において、第15条第1項及び第2項中「法第16条第3項」とあるのは、「第17条の2第2項」と読み替えるものとする。

(平27条例25・追加)

(既存の建築物に係る変更命令)

第17条の3 知事は、良好な景観の形成のために必要があると認めるときは、建築物全体が景観計画に定められた建築物の形態意匠の制限に適合しない増改築等をしようとする者若しくはした者又は当該者から当該建築物についての権利を承継した者に対し、当該制限に適合させるため必要な限度において、当該建築物の増改築等を行わない部分に対し、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第5号に規定する主要構造部の形態に係る部分を除き、色彩の変更その他の必要な措置をとることを命ずることができる。この場合においては、前条第2項の規定は、適用しない。

2 前項の処分は、法第16条第1項又は第2項の届出をした者に対しては、当該届出があった日から30日以内に限り、することができる。

3 第1項の処分は、法第16条第1項又は第2項の届出に係る建築物又は建築物の部分の形態意匠が法第17条第3項の政令で定める他の法令の規定により義務付けられたものであるときは、当該義務の履行に支障のないものでなければならない。

4 知事は、法第16条第1項又は第2項の届出があった場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他第2項の期間内に第1項の処分をすることができない合理的な理由があるときは、90日を超えない範囲でその理由が存続する間、第2項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、法第16条第1項又は第2項の届出をした者に対し、その旨、延長する期間及び延長する理由を通知しなければならない。

5 知事は、第1項の規定の施行に必要な限度において、同項の規定により必要な措置をとることを命ぜられた者に対し、当該措置の実施状況その他必要な事項について報告をさせ、又はその職員に、当該建築物の敷地に立ち入り、増改築等が景観に及ぼす影響を調査させることができる。

6 前項の規定により立入調査をする職員は、立入調査の権限を有する職員であることを示す証明書を携帯し、関係人の請求があった場合においては、これを提示しなければならない。

7 第5項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

8 知事は、第1項の規定により必要な措置をとることを命じようとするときは、あらかじめ、和歌山県景観審議会の意見を聴くものとする。

(平27条例25・追加)

第4章 和歌山県景観審議会

(設置等)

第18条 良好な景観の形成に関する重要事項について調査審議するため、和歌山県景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、この条例、和歌山県屋外広告物条例(昭和59年和歌山県条例第10号)及び建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例(平成23年和歌山県条例第33号)に定めるもののほか、良好な景観の形成に関する重要事項について、知事の諮問に応じて調査審議するものとする。

3 審議会は、良好な景観の形成に関する重要事項について、知事に意見を述べることができる。

(平23条例33・一部改正)

(組織)

第19条 審議会は、委員15人以内で組織する。

2 委員は、良好な景観の形成に関し優れた識見を有する者のうちから、知事が任命する。

3 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任されることができる。

(会長及び副会長)

第20条 審議会に、会長及び副会長1人を置く。

2 会長及び副会長は、委員の互選によってこれを定める。

3 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第21条 審議会の会議(以下「会議」という。)は、会長が招集する。ただし、委員の全員が新たに任命された後最初に開催される会議は、知事が招集する。

2 会長は、会議の議長となる。

3 会議は、委員の半数以上の出席がなければ開くことができない。

4 審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(専門委員会)

第22条 審議会に、専門の事項を調査させるため、必要があるときは、専門委員会を置くことができる。

2 専門委員会は、第14条の2第2項の規定によりその権限に属させられた事項について、知事に意見を述べるものとする。

3 専門委員は、会議に出席して意見を述べることができる。

4 専門委員会は、専門委員5人以内で組織する。

5 専門委員は、良好な景観の形成に関し優れた識見を有する者のうちから、知事が任命する。

6 専門委員は、当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする。

(平27条例25・一部改正)

(部会)

第22条の2 審議会は、その定めるところにより、部会を置くことができる。

2 部会に属する委員は、会長が指名する。

3 部会に部会長を置き、会長が指名する委員をもってこれに充てる。

4 部会長は、部会の会務を総理する。

5 部会長に事故があるとき、又は部会長が欠けたときは、部会長があらかじめ指名する者がその職務を代理する。

6 審議会は、その定めるところにより、部会の決議をもって審議会の決議とすることができる。

7 第21条の規定は、部会について準用する。

(令4条例32・追加)

(庶務)

第23条 審議会の庶務は、県土整備部において処理する。

(補則)

第24条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。

第5章 雑則

(委任)

第25条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第6章 罰則

(平27条例25・追加)

第26条 第17条の3第1項の規定による命令に違反した者は、20万円以下の罰金に処する。

(平27条例25・追加)

第27条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。

(1) 第17条の3第5項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(2) 第17条の3第5項の規定による立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者

(平27条例25・追加)

第28条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

(平27条例25・追加)

1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。ただし、第3章の規定は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(平成20年11月規則第80号で、同21年1月1日から施行)

第27条の見出しを「(和歌山県景観審議会への諮問)」に改め、同条第1項を削り、同条第2項各号列記以外の部分を次のように改める。

知事は、次に掲げる事項については、和歌山県景観審議会の意見を聴くものとする。

第27条第3項を削り、同条第2項を同条とする。

(平成23年3月16日条例第15号)

この条例は、平成23年4月1日から施行する。

(平成23年7月7日条例第33号)

(施行期日)

1 この条例は、平成24年1月1日から施行する。

(平成27年3月13日条例第25号)

この条例は、平成27年7月1日から施行する。

(令和4年6月28日条例第32号)

この条例は、令和4年10月1日から施行する。

和歌山県景観条例

平成20年3月24日 条例第21号

(令和4年10月1日施行)

体系情報
第10編 木/第10章 都市計画
沿革情報
平成20年3月24日 条例第21号
平成23年3月16日 条例第15号
平成23年7月7日 条例第33号
平成27年3月13日 条例第25号
令和4年6月28日 条例第32号